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0011雑記草


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001130

 かなり昔のことであるが、筑紫哲也が「日曜夕刊 こちらデスク」と言うニュース番組のキャスターをやっていた。テレビ朝日系列の番組で確か18時か18時半からやっていたと思う。TBSのニュース番組「News23」の様な雰囲気の番組だったような気もするが、はっきり憶えていない。

 このニュース番組の前だか後ろだか、これまた忘れてしまっているのだが、「夕刊タモリ こちらデス」というタモリ主演のバラエティー番組があった。この番組は「日曜夕刊 こちらデスク」のパロディ番組であった。どんな内容があったのかこれまた失念してしまっている。戦時中のニュース映画のパロディーがあったような記憶がある。あの独特なナレーションの真似をタモリがしていたと思う。どんな感じの番組かというとやはりテレビ朝日系列の「タモリ倶楽部」に似た雰囲気だった。ただしロケーションはなかったと思う。

 番組名が素晴らしい。「こちらデスク」を「こちらデス」とするのは基本中の基本である。それに加えて「夕刊」と「タモリ」との字面がよく似ているからだろう、「日曜夕刊」を「夕刊タモリ」としている。「日曜タモリ」では直截過ぎて面白味に欠ける。それに「夕刊」と「タモリ」との字面がよく似ていることが気付かれにくい。そこで「夕刊タモリ」としたのだろう。これだけ小細工が施されていると何とも小気味よい。番組名だけでもこれだけ楽しませてくれるのだから、その内容の充実度は十分想像できるであろう。
 その割に筆者には内容の記憶がほとんどないので、それほどでもなかったかもしれない。それよりも更に昔に放映されていたモンティーパイソンは詳細に憶えているので、それに比べると番組に対する衝撃は大したことはなかったかもしれない。それともモンティーパイソンがあまりにも凄すぎたのだろうか。

 報道番組の前後にその番組のパロディーを放映していたと言うのは称賛に値する。筆者だけが賞賛しても仕方がないが、公共性の高いテレビ放送でこのような遊び心を出すのは勇気がいることなので当時賞賛していたのは筆者だけではないだろう。しかし批判の対象になったためか、視聴率が低迷していたためか、この番組は短命だったように思う。

001129

 ダイレクトメールで来た通信販売のカタログを見ていたら、何とも不思議な商品の紹介があった。

 「バスパ」と言う名の風呂の保温するための道具である。どうやって保温するかというと、電子レンジでこのバスパを加熱してそれを風呂桶に入れておけば風呂の温度が数時間にわたって40〜43℃に保温されるらしい。
 家族の入浴の時間がばらばらな家庭では入浴の度の追い焚きの必要がなくなり、省エネにもなるようだ。最近は追い焚きが出来ない風呂桶がかなり普及しているので、そういった風呂桶にはこの道具は便利なのかもしれない。

 保温の原理はバスパに内蔵されたポリプロピレングリコールと言う物質が凝固するときに出す熱を利用している。ポリプロピレングリコールに限らず融けている物質が固体になるときの温度は一定になる。もしかしたら固まる温度を調整するための鼻薬が入っているかもしれない。

 使い方は電子レンジでこのバスパを加熱して内蔵物のポリプロピレングリコールを溶かす。完全に融けるまで500Wで13分ぐらいかかるらしい。内蔵物のポリプロピレングリコールは相当熱くなるようだが取っ手が付いているので、それを持てば熱くないようだ。これをお湯がはられた風呂桶に入れておくだけで心地よい湯加減を数時間保持できると言うわけである。

 ところで何が不思議かということであるが、どうしてこれが「省エネ」になるのかが分からない。「追い焚きをしなくてもよい」というのはいい。しかしバスパを温めるのに電子レンジを13分も使っているではないか。風呂の追い焚きも電子レンジもエネルギーの元はおそらく化石燃料である石油や天然ガスであろう。風呂の場合は薪を使うかもしれないし、電力は原子力による部分もあるかもしれないが、結局はどちらも資源やエネルギーを食い潰していることは間違いない。

 例えばこのバスパを日中、太陽の光を利用して加熱するとか、家庭用焼却炉の熱を利用するのであれば省エネと言ってもいいだろう。

001128

 先日、子供達と出かけた買い物から帰る途中、アスファルトの路上で娘が何かを見つけた。見てみると甲羅が1.5cm程の苔色の蟹であった。驚いたことにかすかに足を動かしている。まだ生きている。それにしてもこの蟹はどこからきたのだろうか。民家の立ち並ぶ中の道なので誰かが捨てたのだろうか。

 持ち帰って亀の棲む水槽にその蟹を入れてやった。色からしてもしかしたら藻屑蟹の子供かもしれない。モクズガニであれば海から相当離れた内陸部に棲息していてもおかしくはない。

 数時間後、水槽を覗き込んだら蟹は全く動かなくなっていた。勝手に淡水棲の蟹だと思って水槽に入れてしまったが、もしかしたら海水棲の蟹だったかもしれない。やはり誰かが捨てたのだろう。

001127

 CCD*1はCharge-Coupled Deviceの略である。デジタルカメラやビデオカメラの網膜*2に相当する部分で光を電気信号に変換する半導体のシリコン単結晶で作られる電子装置である。CCD*3を日本語に訳せば「電荷結合素子」になる。1969年にベル電話研究所のボイルとスミスが発明*4した。訳語から分かるようにCCDと光や画像は直接関係ない。CCDを画像センサとして使った結果、広く庶民が手にする装置となったのである。

 CCDの仕組みは非常に面白い。光などの作用で発生したシリコン単結晶中の電荷chargeの塊をバケツリレーのように結晶中の表面近くで次々に運んで行き、最後にそれを電気信号として電線を使って他の電子回路素子に受け渡す。結晶中の電荷を運ぶ道筋に傷があると電荷がその傷で吸収されたり、余分に発生したりして、最初に発生した電荷が正しく運べなくなる。画像用のCCDであれば画像中に変な模様が出てくることになる。この単結晶の傷はシリコン以外の数個の不純物金属原子によって発生したりする。従って200万画素中でその様な傷を一つも発生させないでCCDを作ると言うことは考えてみれば神業に近い生産技術である。

 CCDによく似た装置にBBD*5という装置がある。これもCCDと同様、半導体であるシリコン単結晶で作られる。違うのはBBD*6の場合はMOS型と呼ばれるトランジスタが並んでいて、これが順次に電荷を運んでいく。CCD*7の場合はトランジスタは並んでいなくて電極がシリコン酸化物の上に並んでいるだけである。

 BBDはBucket Brigade Deviceの略である。訳はそのままで「バケツリレー素子」になる。発明はCCDが先かBBDが先かよく分からないが、BBDは作為が感じられる命名である。



*1 CCDセンサーの仕組み
*2 網膜細胞と三原色
*3 Charge Coupled Devices: Basics of Operation
*4 Bell Labs: George Smith and Willard Boyle Win C&C Prize for Charge-Coupled Device
*5 IfE SA/DA Ausschreibung
*6 SAD-1024 DUAL ANALOG DELAY LINE
*7 CCD Arrays

001126

 昨日、話題にしたデジタルカメラの画素数は一般に言われている画素数とは違い、換算した値である。カメラのフィルムに相当する部分がデジタルカメラのCCDである。CCDの光に反応する部分の数が画素数と呼ばれるものである。この光を感じる部分一つに対して画像を表示する点一つが対応するので、CCDの画素数が多ければ多いほど緻密な画像が得られる。

 今回購入したデジタルカメラのCCDの本当の画素数は216万画素である。本当の画素数というのはCCDの光を感じる部分の数が216万画素だということである。しかし富士フイルムのCCDは特殊な構造をしているため一般のCCDに換算すると本当の画素数の2倍の432万画素になるらしい。

 富士フイルムのCCDは「スーパーCCDハニカム」と呼ばれている。CCDの光を感じる部分が通常は長方形に対して、これは八角形になっている。そしてその光を感じる部分の配列の仕方が通常は格子状になっているところが、富士フイルムのCCDは交互に配列している。この特徴から「ハニカム」と呼んでいるらしい。

 ハニカムというと六角形を思い浮かべるが、八角形らしい。honeycombは蜂の巣と言う意味であって、六角形というのは語義に含まれないから八角形の並びをハニカムと称しても問題はないのであろう。見た目が蜂の巣状だからハニカムである。

 ただハニカムだから画素数が2倍に相当するわけではなく、CCDで取り込んだ信号を2倍に増やす処理を行っているから画素数が2倍に換算できるようである。つまり光に反応する部分から出てきた光の量の信号とその隣の部分から出てきた信号を比較計算してその中間の信号を作り、あたかもそれらの中間に光に反応する部分があるかのようにするのである。
 画素と画素との距離が2倍の432万画素のCCDと同じになるから2倍に換算できるような表現をしている部分があるが、画素を八角形にすることで画素数を2倍に換算できる出来る訳ではない。

 では八角形にして交互に配列する意味はどこにあるのか。従来のCCDと同じ面積で出来るだけ光に反応する部分を大きくする為である。カメラの性能では得られた画像の美しさが最も重要である。画総数の多さが重要ではない。画像の美しさが同等であれば、それが擬似的に計算された画素数であろうと本当の画素数であろうと関係がない、と言うのがスーパーCCDハニカムの考え方である。そこで出来るだけ光に反応する部分を大きくする方法が八角形だったと言うわけである。
 それでは従来の四角形の画素の面積をただ単純に大きくして、CCD自体の面積を大きくすればよいと考えたくなるだろう。しかしそれは難しいのである。技術的には全く問題はないのだが、商品として売るにはCCDの値段が問題になってくる。CCDは半導体加工工程で作られる。面積が大きくなると製造工程上で不良になる確率が高くなる。そうなればCCDの値段が高くなってしまう。だから出来るだけCCD全体の面積を小さくしたいのである。

 美しい画質が欲しいし、CCDの値段は抑えたい。この折衷案がスーパーCCDハニカムなのであろう。

001125

 とうとうデジタルカメラを買った。「とうとう」と言うのは今まで写真のデジタル信号化にはフィルムスキャナ*1を使っていて「デジタルカメラ不要論」を唱えていたからである。所有しているフィルムスキャナでポジフィルムの画像を取り入れると最高画素数で3500*2300ピクセルとなり、デジタルカメラのCCDの画素数にすれば800万画素になる。普及版のデジタルカメラで800万画素のものはそうそうには出ないだろう、ということで要らないと言っていた。

 ある日、新聞の折り込み広告でデジタルカメラの売り出しが載っていた。限定10台で定価128,000円の富士フイルムFinePix4700z*2スマートメディア*316MB、パソコン用ソフト及びUSB*4ケーブル付きで59,800円(税別)であった。広告には432万画素と書いてある。432万画素ならば800万の半分ではないか。物欲*5が沸々と湧いてきた。ポジフィルム*6のスキャンの手間に比べたらデジタルデータに直接変換するデジタルカメラは格段にいい。本業のサイト*7で公開する写真であればこちらの方が楽である。

 もともとは30数年前の数百枚のポジフィルム*8修正して電子的に保存*9するためにフィルムスキャナを購入した。これらのポジフィルムは非常に保存状態が悪くフィルム*10にカビが生えてしまっている。フィルムのカビは一旦生えてしまうと物理的にも化学的にも除去が不可能になる。カビを無理矢理除去すれば画像も除去されてしまう。従ってカビの生えた画像自体を修正するしかない。しかしこの作業は全く捗っておらず、専ら最近撮った写真の電子化にしか使っていない。

 広告を出している店に開店30分前に到着した。既に30人ほどが列を作っていた。その日の売り出しはデジタルカメラ以外にも数品目あったので、おそらく買えると思った。開店10分前ぐらいになると店員が整理券を配りだした。筆者はデジタルカメラ購入希望者の4番目であった。

 早速、家に帰ってカメラを試そうとしたが、付属のニッケル水素電池*11は充電がされていないので今から充電しなければならない。完全に充電するためには13時間かかると説明書には書いてある。家庭用100Vをカメラ用の電源に変換するACアダプタ*12は別売りとなっているので、すぐには全く使えない状態なのである。仕方がないので説明書を読んで、パソコンにデータ取り込み用のソフトをインストールしている間に電池が少しだけ充電されるのを待った。電池をカメラに装填して写真を撮ってみた。数枚撮ると電池切れになり写真が撮れなくなった。写した写真をパソコンに取り入れて見てみた。綺麗に撮れる。これなら十分使える。写真はこんな感じ(A)*13 (B)*14である。



*1 Polaroid - POLASCAN 35 Ultra
*2 FinePix.com
*3 SSFDC FORUM
*4 USB.org - Welcome
*5 諸橋大漢和
*6 FUJIFILM Professional Film Guide
*7 遺構探訪
*8 OCT63.jpg
*9 リカードさんのスライドの復元
*10 テクニカルノート
*11 電池
*12 Menu
*13 DSCF0019.jpg
*14 DSCF0038.jpg

001124

 竹の花を昔から見てみたいと思っていたのだが、未だ見たことがない。幼少の頃、竹の花は100年に一度か50年に一度しか咲かないので滅多に見られないと言うことを聞いた。長年生きている親も見たことがないというのでもうそろそろ前回の竹の開花から50年ぐらいは経っているのではないか、と勝手に考えていた。花が咲くと竹薮が一斉に枯れるというので家の近くの竹薮の竹に花が咲けば、竹の枯れる様子を見られる。まだかまだかと思いながら、すっかり忘れてしまっていた。

 その数年後、中国で竹の花が咲き竹薮が一斉に枯れだして、竹を食料としているパンダが絶滅に瀕しているというニュースを耳にした。その時、竹の花のことを思い出し、今度は日本で起こるだろうと思って毎日期待して竹薮を眺めていたが、なかなか花が咲いてくれなかった。そして知らぬ間にまた忘れてしまった。

 それから十数年経た今、何の前触れもなく忽然と竹の花のことを思い出した。脳の仕組みというのは本当に不思議である。

001123

 更に*1の話題。数年前、ある雑誌*2を読んでいたら、自動車のフロントガラスに吹きかけるウォッシャー液の吹き出し口*3が詰まった時は「マッチ針」でその穴を掃除すればよい、と書いてあった。説明の写真を見ると「待ち針*4」のことのようである。記事の中で何度もこの「マッチ針」という言葉が出てきていたので、完全にこれを書いた人は「待ち針」を「マッチ針」だと思っているようだ。

 待ち針は針の頭に玉が付いているのでマッチ*5に似ているといえば似ていないでもない。「マッチ針」を検索*6するとサイトが結構沢山出てくるので勘違いしている人は多いのかもしれない。

 待ち針は小町針とも呼ばれる。小町針の由来には言い寄る男達を拒み続けたと言われる小野小町からという俗説がある。それは小野小町に「ある機能*7」がなかったことから、と言われるが、針は女性の道具とされてきたのでこれが由来というのは少々疑わしい。男が勝手に想像している感じがしないでもない。おそらく縫い針で布が縫われるのを待っているから待ち針ではないだろうか。小町針と洒落たのは縫い針を言い寄る男達に見立てたのかもしれない。

 ところでウォッシャー液の吹き出し口を待ち針で掃除するときは、針先が折れ易いので注意しなければならない。穴に詰まった針先を取り出すのはほぼ不可能に近いのである。



*1 針が付く地名
*2 AUTO MECHANIC
*3 AUTOBACS
*4 The Manufacturing Process
*5 コレクション<燐寸箱美術館>
*6 マッチ針 - infoseek 検索
*7 ロリエ24:からだのしくみ編 正解と正解率

001122

 昨日のに続いて。地名に「針」という字が付いたところが愛知県に沢山ある。愛知県旧尾張国旧三河国とで構成されているが、針の地名があるのは尾張地区だけである。平針高針大針小針針田がある。愛知県以外にも針が付くところがあるかもしれない。

 使われている漢字に関連する事柄がその土地の名前の由来になっていると考えたくなる。「田」の字が付いていれば田圃が沢山あったと思うのが普通だろう。しかし東京の大田区は大きい田圃があったから大田ではなく大森区蒲田区が合併したときにそれぞれの字を持ってきて大田区にしているので、漢字の意味だけからは一概に言えない。一方、東京の田無の語源はその一帯に田圃がなかったから「田無し」になったと考えられている。

 針の地名の由来を想像しようとしても容易ではない。「平針」といっても平らな針とは一体何のことか。「高針」も何を表しているのかよく分からない。「大針」や「小針」は分かるがそれがどうして地名になったのか皆目見当が付かない。「針田」とは何か。稲の芽は緑色の針のような形をしているので、これは何となく想像が付く。しかし針のようなのは一年の間の一時期だけなのでそれが地名になるのは考えにくい。

 上の地名の「針」はチクチクする尖った針のことではない。開墾を意味する「はり(墾)」である。「はり」に「針」の字を当てただけなのである。これらの地名がある地域はかつて尾張と呼ばれていた。「おわり」自体も「をはり」と表記していたことから「はり(墾)」が語源であるという説もある。全く意味の違う漢字を当てるのは奇異に思えるが、もともと日本語には文字がなかったので古い地名には同じ地名でも様々な漢字が当てられたのだろう。

001121

 円周率を求める方法で面白い方法がある。ビュフォンの針*1と呼ばれている。

 紙の上に間隔を一定にした平行線を何本か引く。この紙の上に平行線の間隔と同じ長さの針を何本か落とす。同じ長さである必要はないが、簡単にするために同じ長さとする。針の先が尖っていると紙に刺さってしまうので、紙に刺さらないように針金を切った物を用いた方がいいかもしれない。針は全て同じ長さ、同じ重さで同じ形状でないと駄目かもしれない。

 落ちた針の中で紙の上に書かれた平行線と交差した針の数を数える。これを何度も繰り返して落とした針の延べ本数を交差した針の延べ本数で割り、2倍すれば円周率になる。

 これを初めて知ったとき、どうしてこれで円周率が求めることが出来るのか不思議でならなかった。円周率は円周とその円の直径との比である。平行線を引いた紙の上に針を落とす作業のどこにも丸がどこにも出てこない。それなのに円周率が算出できる。何か不思議な世界が針を落とす作業に潜んでいるような気がして何かワクワクしていた。

 この方法を知ってからかなりの年月が過ぎた。このことをすっかり忘れていたし、この方法に対する興味も全く失せてしまっていたが、ふとしたことでこの方法で円周率が求めることが出来るかを説明したものを読んだ。

 平行線を書いた紙に針を落としたとき、針と平行線とのなす角が直角の時は必ず数本引いた平行線のどれかに針は交わる。もし平行線との角度が0度の場合は絶対に交わらない。ただし、交わる針の本数を数えるとき、平行線と全く重なってしまった場合は「交わらない」とする。

 平行線とある角度θをなして針が落ちた場合は平行線と交わる場合と交わらない場合がある。針と平行線が交差するかどうかは針と平行線との位置関係がどうなっているか、に依る。針の中心から平行線までの距離をxとする。距離とは針の中心から平行線に垂直に線を引いたとき、その線の長さである。

 長さLの針が平行線に対して角度θをなして紙の上に落ちるというこことは長さLsinθの針が平行線に対して直角になって落ちることと同じ事である。従って針の中心から平行線までの距離xが針の長さの半分のL/2sinθよりも小さければ平行線に針が交差していることになる。

 針と平行線とのなす角度θは0から2π(360゜)まで、距離xの範囲は-L/2から+L/2まで様々な値になり得る。つまり角度θと距離xの組み合わせは、横軸に角度θ、縦軸に距離xの座標を考えると面積2π×(L/2-(-L/2))=2πLの長方形の内部のあらゆる点になる。

 その中で平行線と針が交差する条件を満たす角度θと距離xの組み合わせは「距離xが針の長さの半分のL/2sinθよりも小さい場合」なので座標上にx=L/2sinθのグラフを書いたときθ軸とそのグラフとで囲まれる領域の点となる。

 これらから針が平行線に交差する確率はx=L/2sinθの面積*2を長方形の面積で割った値となる。x=L/2sinθとθ軸で囲まれる領域の面積はx=L/2sinθを0からπまで積分して2倍すればよい。これは+L/2の分だから-L/2の分も必要なので、更に2倍する。その面積は4Lとなる。従って交差する確率は4L/(2πL)=2/πとなり、円周率π*3を求めることができる。

 ビュフォンの針の実験で針の本数をどんどん増やしていけば、算出される円周率は真のπの値に近づいて行くはずである。針を落とす作業の回数と交差する針の数は供に何度やっても整数である。分母分子が整数の分数で表すことが出来れば有理数になる。上の計算では針落としを無限回数の繰り返えせば真のπの値になることになっているが、もともと円周率は整数の比では表すことができない*4ことが知られている。そうなるとビュフォンの針から算出される円周率π*5と無理数である円周率πとの隙間はどのように埋めればいいのだろう。



*1 Buffon's Needle
*2 【 哲学する猫の部屋 】 buffon.html
*3 πの彼方
*4 Pi -- from MathWorld
*5 πの世界記録?2061億5843万桁計算の概要

001120

 古い記事でリンクが切れてしまっているところが多数ある。見直しをしなければならない。これは相当時間がかかりそうだ。webのページは簡単に参考文献を検索できてその文献をその場ですぐに閲覧できる特徴がある。紙の媒体ではこのようなことは不可能である。

 ただそのリンク先の参考文献が消え去ることが多い。むしろずっとある方が珍しいぐらいかもしれない。そのなかではこの雑記草のようにリンクが多い形式のページは数ヶ月しか成立しないことになる。リンクは便利な機能であるのに何とも寂しい。でもこれは仕方のないことである。

001119

 世間では年賀状の印刷を受け付ける看板や貼り紙が目立ちだした。年賀状は毎年ギリギリにならないと図案を考えることが出来ない。今年こそは早めにやろうと、毎年考えているのだが駄目である。

 図案はここ数年、連続漫画になっている。その年、初めて筆者の年賀状を受け取った人は「なぜ年賀状でこの図案なのか」と大抵思う様である。毎年出している人にもどうしてこのシリーズなのかずっと疑問に思っている人は多い。中には毎年この漫画の続きを期待していると言って下さる方もいるのだが、これは極小数派である。

 去年の年賀状まではプリントゴッコで印刷していたが、今年の年賀状からはパソコンを使って印刷した。その図案はこれである。

 特に意味はないが、来年は21世紀最初の年なのでこのシリーズは来年の年賀状で最終回にする。理由を20世紀は宇宙時代の幕開けで21世紀は本格的な宇宙時代への突入だろうから、その節目に当たって最終回とすれば、何となく格好いいだろう。これは2年程前から決めていた。

 来年の年賀状でシリーズの大団円を迎える事にしているのだが、どういう絵にするか困ってしまう。今までの図案は毎年ギリギリになって考えるので、とにかく去年の図柄と連続するようにしただけだった。とうとうそのツケが回ってきた。突然、今月で連載打ち切りを宣告された週刊漫画雑誌の漫画の作者の心境もこんな感じだろう。年賀状の場合は前から計画されていることだが、問題の先送りを得意とする筆者にとっては、自分で決めていることであるにも拘わらず突然打ち切りされるのと同じ事なのである。

 さて、どうするか。

001118

 大分寒くなってきた。屋外で飼っているをどうするか。去年の様に水槽にヒーターを入れて冬眠させないようにして冬を越させるか、今年は冬眠に挑戦させるか。

 去年冬眠させなかったのはその亀が生まれた年であったからである。自然界でも幼亀の冬眠は失敗することが多いと本にあったので冬眠させなかった。
 冬眠させないと冬の間はずっと活動を続けるので餌を必要とする。一年中餌を食べることになるのでその分大きく成長する。冬眠させれば、餌を食べないので冬眠の間は成長が止まる。水槽の大きさには限りがあるので人間の都合から言えばあまり早く大きくなってしまうのも困る。ミドリガメは成長すると30cm程度になるのでそんなに早く大きくなってもらっては困るのである。

 そうかと言って今年冬眠させて、それに失敗して死んでしまっても可哀想である。
 今、水槽を覗いてみると素焼きの植木鉢の中で既に冬眠状態に入ってしまっている。さてどうしたものか。

001117

 ここ数年、全くパチンコをやっていない。一所懸命やっていたときはパチンコ屋を銀行に見立てて「引き出し」に行く、とよく言っていたが、実際には「預け入れ」の方がかなり多かった。パチンコ屋への「預金残高」はかなりあると思われるが、恐ろしくて計算できていない。

 十数年前のパチンコ屋のバックグラウンドミュージックは歌謡曲と演歌と軍艦マーチ等であった。洋楽は絶対に流れなかった。別にパチンコ屋に音楽を聴きに行くわけではないので何が流れていてもどうでもよい。どうでもよい筈であるが、耳にこびり付いている曲がある。

 それは軍艦マーチと君が代行進曲である。軍艦マーチは本当は軍艦行進曲という名前であるが、ゼロ戦と同じで英語式の呼び名の方が人口に膾炙している。特に軍艦マーチは打ち止め台の開放タイムに流れることが多いので強く印象に残っているのだろう。君が代行進曲は客の射倖心を煽る為に定期的に店内で流される放送のバックグラウンドミュージックによく使われていたような気がする。また運動会の入場行進曲には君が代行進曲がよく使われていたのもこびりつくのに効いているのかも知れない。

 君が代行進曲は日本の国歌とされている林広守作曲「君が代」が主題となっている。作曲は旧海軍軍楽隊長の吉本光蔵である。トリオと呼ばれる行進曲の中間部には伊沢修司 作曲の「皇国の守り」が取り入れられている。
 軍艦マーチは瀬戸口藤吉の作曲である。この曲は小学唱歌であった「此城」という曲を軍歌に作曲し直し「軍艦」と改題した後、トリオに東儀季芳 作曲の「海行かば」を入れて軍艦行進曲を作曲したようである。

 「海行かば」と言えば信時潔 作曲の方が有名だと思うが、そちらではない方である。それにしても作曲者の名前が読み難い。東儀季芳は「とうぎ すえよし」、信時潔は「のぶとき きよし」である。

 軍艦マーチのトリオと君が代行進曲が以前からよく似ていると思っていた。軍艦マーチのトリオの部分だけを聞いたら君が代行進曲と勘違いしてしまうぐらい似ている。調べてみると東儀季芳 作曲の「海行かば」の編曲及び林廣守 作曲君が代の編曲はどちらもドイツ人のエッケルトと言う人物が行っているらしい。道理でよく似ている訳である。

001116

 最近、凝っている食べ物でチャンジャという物がある。近所の店ではなかなか売っていなくて、売っている店を見つけてもたまにしか入荷していないので、食べたいときには色々な店を探しに廻らなければならなかった。

 近くのスーパーマーケットで常備されるようになったようだ。早速購入して味見をした。少し甘味がある。今まで食べたチャンジャとは少し違う味だが、美味しい。

 このチャンジャはガラス瓶に入っている。丁度、桃屋の瓶詰め惣菜やなめたけ茶漬けと同じ具合である。今までは漬け樽から出してプラスチック容器に入れて売っているのしか見かけなかった。

 簡単なプラスチック容器では密閉できないので長期保存が出来ない。瓶詰めなら密閉できるので保存がし易い。桃屋は容器内の食品の鮮度を保つために殺菌した食品を瓶に詰めてから蓋と食品との隙間をほぼ真空にしている。この真空が保たれていれば中の食品は腐っていないということで、真空が破られると蓋が変形してポンと音が鳴るようになっている。これを桃屋では「セーフティボタン」と称している。もし何らかの原因で中の真空が開封前に破られていると、開封の時に音がしないのでそれが判るわけである。

 真空にする理由は空気中の酸素が食品を酸化して風味を損ねたり、カビが発生しない様にするためである。

 購入した瓶詰めのチャンジャの蓋には桃屋のようなセーフティボタンは付いていなかった。その代わりに蓋の裏にはエージレスが貼り付けてあった。これによって瓶の隙間にある酸素を吸収してチャンジャの鮮度を保っているのである。

 なかなか気を使ったことをしているなと思った。しかし酸素を抜くことは嫌気性の細菌を培養することになる。エージレスの説明を読むと食品のおいしさの保持とともに嫌気性細菌の培養にも使えると書いてある。つまり瓶の中で嫌気性の細菌を培養できるという事である。嫌気性の細菌で最も恐いのはボツリヌス菌である。食品を瓶に詰める前に十分殺菌していれば問題ないが、そうでない場合は瓶がボツリヌス菌の培養装置になってしまう。

 瓶の中を真空にして蓋をする技術のない食品製造会社が食品のボツリヌス菌の殺菌に対して十分対策を施す能力があるかどうか判断しようがない。でも、あたるかも知れないフグを食べているつもりになれば問題ないだろう。

001115

 神社の前にはその神社の名前が彫られている花崗岩で出来た石碑*1が大抵ある。神社の名前の上には時々「村社」とか「郷社」等と彫られていて、その文字はコンクリートで埋められている場合が多い。

 この「村社(そんしゃ)」とか「郷社(ごうしゃ)」とは明治元年に政府が全国の全ての神社を管理下に置いた後、明治4年に出来た神社の「格」を順序づけた社格制度*2の中の格の名称である。

 この社格制度*3では全ての神社を官社と諸社の二種類に大きく分けられた。官社は皇室に深く関係する神社である官幣社と地方の国の神社の中心的存在である国幣社に分けた。そしてそれぞれ大中小の三等に区分した。つまり官幣大社、官幣中社、官幣小社と国幣大社、国幣中社、国幣小社ができた。

 さらに諸社は府社、県社、郷社に分け、郷社の付属で村社を設けた。この他に社格がないが公認されている無格社がある。後に村社は郷社の付属ではなく、独立した社格とされた。無格社も同様に独立した社格となった。

 また神戸の楠公社は明治5年に湊川神社*4と改称され、皇室や国家に尽力した人物を祭る別格官幣社という新たな格を設けられた。

 ただ、伊勢神宮*5だけは本当の別格で社格を超越した存在とされ、神社の頂点になっていて社格が付いていなかった。神社と言えば伊勢神宮のことなので正式には伊勢神宮は「神宮*6」とのみ称するらしい。丁度、「the Bank*7」と言えば、イングランド銀行を指すようなものである。

 護国神社*8も一般の神社とは異なると言うことで社格が付けられていなかった。もともと靖国神社や各地の護国神社は招魂社*9という名前であったが、昭和14年に改称された。内務大臣が指定する護国神社は府県社に準じ、そうでない護国神社は村社に準じてとして扱われた。

 この社格制度は敗戦後、政教分離*10のため神社の国家管理体制は廃止*11されたのと同時になくなった。しかし神社の前の石碑は、終戦時の復興の最中、費用がかかるので簡単には取り替えられなかった。刻まれている「村社」「郷社」などの字をコンクリートで埋めて、新憲法下では神社は国家管理ではない事を示したのである。しかし50年以上の時が経ちコンクリートが剥がれ落ちてしまっている場合もあるようで、国家管理状態に逆戻りしている神社もあるようだ。



*1 YasakaShrine(Opening)
*2 櫻 の 杜 − さくらのもり − − 社格とは −
*3 エルンスト・ロコバント − 国 家 神 道 を 考 え る −
*4 ななかまど 湊川神社
*5 伊勢神宮
*6 伊勢の神宮body
*7 アラーの他神無し
*8 国民文化研究所 靖国神社
*9 文明開化の神様
*10 日本国憲法
*11 新宗連 官国幣社経費ニ関スル法律廃止等

001114

 最近、青色の発光ダイオードを自動車やオートバイの装飾にしているのをよく見かける。青色は筆者が好きな色だからなのか、路上でよく目立つ。店舗の電光掲示板のアクセントとしても青色発光ダイオードはよく使われている。電光掲示板に使われる発光ダイオードは主に橙色か赤色である。青色の発光ダイオードは橙や赤に比べて値段が十数倍高いのでふんだんに使われることはない。
 機能的に意味は全くないが、筆者のパソコンのパイロットランプは黄緑色発光ダイオードから青色発光ダイオードに変更してある。とにかく青色発光ダイオードの青色の光が好きなのである。

 路上で目立つ色の代表は赤だろう。信号の「止まれ」やパトカーや救急車の屋根のランプは赤である。これは赤色は可視光線の中でも波長が一番長いため空気中の埃や水滴等で光が回折、散乱されにくく、遠い距離からも認識されやすいと思っていた。しかし青色発光ダイオードでも結構目立つ。もしかしたらそれ程、目立つことに関して光の波長というのは関係ないのかも知れない。

 夜間に自動車などの運転する場合、200m先に障害物があるかどうかが判れば十分だろう。例えば青色の発光ダイオードで障害物の位置を知らせることが出来るのは200m程度だとする。それを赤色の発光ダイオードにして250mになったとしてもあまり意味がないだろう。つまり注意を促す色は「赤」である必然性はあまりない。

 アメリカの高速道路のパトカーの屋根のランプは青色が使われている。これは夜間に赤色のランプを点けて停車していると意識の朦朧とした運転者の運転する自動車が赤いランプをめがけて突っ込んでくるので、それを防止するためらしい。確かに夜間にぼーっと前を見て運転していると、前方車のブレーキランプに吸い込まれていくようなきがしてドキリとする事がある。これは人間の赤色に対する生理的な反応でどうしようもないらしい。

 だから自動車の尾燈は青にすべきだ、という人がいた。自動車の燈火類の色は法律で決められているので勝手に変えることは出来ないが、青色発光ダイオードの尾燈というのもなかなかよさそうである。ただし、信号機に使われている青緑に近い発光ダイオードの色はよくない。真っ青の光を出す青色発光ダイオードがいい。

001113

 金が安い。1グラム当たり900円の前半である。金の産出費用を考えるとこれが底値であろう、という見方もある。

 金地金を買うときにはその時の金の市場価格に販売業者の手数料とそれに対して消費税がかかってくる。

 購入した金を売却する場合は、売却するときの金市場の価格とそれに対する消費税を受け取ることになる。自動車の下取りをしてもらうときに消費税はどうなるのかと聞くと「あっ、それはもう下取り価格に含まれています」と言われたことがある。 消費税は国内で事業者が資産の譲渡を行った場合に発生する。事業者が個人に物を売ったときは当然、消費税が課せられるが、その逆の場合はどうなるのだろう。国としては税金は平等に取れるところから取る方針だろうから、個人が売る場合でも取り立てそうなものである。実質は特例があるので、殆どの人にとって関係なくなるのかも知れない。

 ただ事業者が個人から買い取った物の価格を消費税抜きで資産評価するか、どうかで事業者への課税額が大きく変わってくる様な気がする。一体どういう仕組みになっているのだろうか。

 何れにしろ金地金を売却するときに消費税が戻ってくるとしたら、消費税3%の時に金を買って、今売れば消費税5%が戻ることになる。そして今、金を買って、将来に消費税が10%になればその分儲けることになる。

001112

 自動車にガイアックスGAIAXという名のガソリン代替燃料を入れた。
 リッター当たり85円という看板につられてガソリンスタンドに入っていったら店員に「このスタンドは初めてですか」といきなり訊ねられた。何故初めてだと言うこと判ったのか、と思いながら「そうだ」と返事したら事務所からチラシを持ってきてこのガソリンスタンドについて説明しだした。
 初めてかどうかは恐らく自動車のナンバープレートを見て聞いてきたのだろうか。そのガソリンスタンドは筆者の自動車登録地域とは違う地域にある。それとも全ての客にこのような問いかけをしているのだろうか。

 店員が自動車の窓からチラシを差し出し、文面を指さしながら

「お客さん、ここを読んで下されば解りますが、ここはガソリンではなくてガイアックスという別の燃料なんですよ。ご存じですか」
「聞いたことはありますよ」
「ガソリンと混ぜても問題ないですし、環境にも優れています。お入れになりますか」
「安ければ、何でもいいですよ。入れて下さい。満タンでお願いします」
「はい。ガイアックス満ターン」

 と高らかに「満タン」指示の声がスタンドに響きわたった。響きわたるのは少々大袈裟だが、よくあるガソリンスタンドのあの掛け声がかかったわけである。

 それ以来、150kmほど走行している。通常のガソリンと何ら変わるところはない。排ガスの臭いが違うぐらいである。
 それにしてもチラシのガイアックスとガソリンを比較にはいいことばかりが書いてある。特に排気ガスの一酸化炭素濃度炭化水素濃度のところが目立っている。

 しかしこの項目の比較の仕方がおかしい。ガソリンの場合は車検での基準値で、ガイアックスは2000ccクラスのエンジンでの測定値らしきものが書いてある。比較するならガソリンもガイアックスで試験したエンジンでの測定値を並べなければならない。もしかしたらもともと現在のガソリンも車検の基準値を大きく下回っていて、ガソリンでの測定値はガイアックスと殆ど変わらないのかも知れない。おそらく環境に対して優れていることを強調するためにこのような書き方をしたのだろう。

 「実在ガム」という聞き慣れない言葉がある。これはガソリン等に含まれるガム状物質のことらしい。ガソリンとの差を出来るだけ多く示そうと言う姿勢なのだが、一般の人が知らないと思われる用語は解説が欲しい。

 結局、こういうちょっとした書き方の不備でガイアックスの代替燃料としての信用が損ねられているのは間違いない。
 自動車というのはその機構がかなり複雑であるので、どういう原理で動いているかを十分理解して自動車を運転している人はあまりいないだろう。しかし世間一般の人々にとって比較的簡単に所有できる。
 そういった状況でその自動車に使う燃料がどうあるべきかは自動車を運転する人が自分で考えるのはかなり難しい。だから噂や伝説で判断してしまう。

 そんな民衆に自動車用の新しい燃料をあまねく普及させようとするならば、少しでも疑われるような表現は慎まなければならない。誤解を誘導するような表現は以ての外である。時間はかかるかも知れないが、謙虚で慎重にならなければ駄目である。

001111

 ハードディスク*1を交換した。使用しているパソコンはアップル社*2製ではないが、MacOS*3で動作する。旧式のMac*4なのでハードディスクなどの周辺装置のインターフェースはSCSI*5である。内部のハードディスクもSCSIで接続される。今のiMac*6と違い旧式のMacの場合は本体を買えば最初からSCSIが組み込まれている。
 筆者の所有するパソコン*7のSCSIはSCSI-II*5と呼ばれる規格のものでデータの転送速度が10MB/秒で、少々遅いような気がして仕方がなかった。特に画像を取り込む場合、ハードディスクを頻繁に使う。アプリケーションが仮想記憶等を使う度にキーボードなどが操作できない時間が結構あった。その時間は数秒から数十秒程度なのであるが、自分の意のままにならないパソコンというのはなかなか腹立たしいものである。

 今回のシステム不調の原因がハードディスク*8であるという疑惑に乗じて、ハードディスクの高速化を試みた。数十秒が我慢できないために数万円を出してハードディスクを交換するというのはなかなかやりにくいが、ハードディスク自体が壊れかけていてそれを交換しないと駄目なら諦めも付く。

 今回購入した内蔵ハードディスクのインターフェースはULTRA160SCSI*9と呼ばれるものでデータ転送速度が160MB/秒なので相当速い。Ultra ATA/100*10というインターフェースに変更することも考えた。これはSCSIよりも安価に出来るIDEと呼ばれる方式の発展型である。以前、廉価版のMacの内蔵ハードディスクのインターフェースにIDEが採用されていた。DOS/Vも昔からATAが採用されており、現行のiMacでも採用されている。

 筆者所有のパソコンは数年前に製造中止になっている。これはアップル社が互換機のライセンス供給を停止したためで、アップル社製以外でMacOSが動作するパソコンの新製品はそれ以降発売されていない。その為、周辺機器の互換機での動作確認がメーカで殆ど行われなくなった。従ってインターフェースボードを買って装着してみたら動かない、サポート対象外だから返品には応じられない、という事態が発生する可能性がある。

 Mac用のATAのインターフェースボードの殆どはアップル社製のMacが対象となっており互換機に対する動作保証は明確にされていない。値段はインターフェースボードもハードディスクも、SCSIよりATAの方が圧倒的に安いが、使用できなかったときの損害を考えるとSCSIを使った方がよいと判断した。

 パソコンに内蔵されているSCSIはSCSI-II*5という規格なのでハードディスクだけULTRA160SCSI*9対応に変更しても動作はするが転送速度はSCSI-IIのままである。そこでULTRA160SCSIのインタフェースボード*11も一緒に購入することにした。

「すみません、このボードはMac互換機でも動作しますか」
「これは互換機はサポート対象外なんですよ」
「そうですか、動くかどうかは店側では言えないのですね」
「まぁ、そんなところです。でも店にあった互換機では動作しました」
「じゃあ、ください」

 ということで互換機でも動作することが事前に確認できた。果たせるかな全く問題なく動作した。今までのハードディスクのデータを全て新しいハードディスクに移して使いはじめた。システムが停止する頻度は確かに少なくなったが、まだ不安定のような気がする。

 システム評価ソフト*12を使ってハードディスクの速度を測定すると劇的に速くなっているが、体感速度はそれ程向上してない。役に立ってなくても特性上は以前より良くなっている筈だから、良しとする。



*1 Quantum.co.jp : Home
*2 アップルコンピュータ
*3 アップル - ソフトウェア
*4 MacOS互換機ユーザーのページ
*5 SCSI/IDE 規格
*6 アップル - ハードウェア
*7 Umax SuperMac S900/150 (Pulsar 1500) Specs @ EveryMac.com
*8 続コンピュータの不調
*9 Ultra160 - SCSI; The fastest SCSI in the WORLD.
*10 @IT:Insider's Computer Dictionary [Ultra ATA/100]
*11 Adaptec Mac Adaptec PowerDomain 29160N SCSIカード
*12 Norton Utilities for Macintos

001110

 ショウジョウバエは酒が好きらしい。キイロショウジョウバエは酒の種類の区別が出来るとも言われている。

 清酒と焼酎をコップに入れて置いた箱の中にショウジョウバエを数十匹入れておくと、殆どのショウジョウバエは清酒の方のコップに集まってくるらしい。しかも集まったショウジョウバエは清酒の中に突っ込んでしまい皆、溺死するという。

 まさに猩猩である。酒好きな中国の想像上の怪獣である猩猩の名を冠するに値する性質である。しかも頭の大部分を占める眼の色が赤いときている。全く上手く名前を付けたものだ。

 ショウジョウバエという蝿の名前を初めて知ったのは小学生の頃の理科の授業であった。この時、「ショウジョウ」とは中国の酒好きの妖怪のことで顔がまっ赤であること、オランウータンの異名でもあること等を話してくれたら、ものすごく楽しい授業になっただろう。理科は好きなので授業がつまらないと思ったことはないが、言葉の面白味などを理解するいい機会になったかもしれない。理科は理科、国語は国語と完全に独立して考えてしまいがちだが、もう少し境界をぼやかした教え方をすれば何のために理科や算数を学ぶかという疑問も自ずから解決できるのではないだろうか。

001109

 大抵の英和辞書にはXeroxという単語が載っている。商標なのだが、一般名詞のように辞書に掲載されている。そしてゼロックスで複写するという動詞の意味まで必ず書いてある。何故Xeroxだけが特別扱いなのか。恐らく日常出よく使われる「X」で始まる数少ない英単語だからだろう。
 英語しりとりで何でもありの場合、即ち最後に「X」が付いても負けにならないというルールにした場合、Xeroxは最強の武器になる。それは初めが「X」で最後も「X」である単語はXeroxしかないからである。
 「X-ray」で切り返されても「yesterday」「yearly」「yummy」があるので挽回のチャンスはいくらでもある。

 それにしてもゼロックス社はどうしてこの社名をXeroxとしたのだろうか。しりとりに勝つための単語を作りたかったのだろうか。固有名詞でも「X」で始まり「X」で終わるものは殆どないだろう。Xilinxという名の会社があるが、余り一般の人は知らないだろう。勿論、これは一般的な単語ではないのでしりとりでは御法度である。

 Xeroxという名を付けた意図は電話番号帳に隠されているのではないか。「X」で始まる社名は殆どないから「X」の項目にはXeroxのみが掲載されてよく目立つ。日本の職業別電話番号帳でも、引っ越し業者や興信所など人があまり頻繁に利用しない割には多くの業者が参入し、どこに頼んでも大して違いがない場合には、その項目の最初のページに掲載されて目立つように「あ」から始まる社名が多い。「アーク」「アート」「アイアイ」というのはその為だけに付けた社名だろう。「アースト」という訳の分からない名前の興信所もある。
 アメリカに「ZZ Top」というロックグループの老舗がいるが、このグループ名もレコード店で一番最後の陳列棚に置かれて目立つようにと付けたと言う伝説を聞いたことがある。
 Xeroxもその類だろうと考えていたが、どうして「X」なのだろう。どうせゼロックスと読むのだから「Zerox」でもいいような気がする。アルファベットの最後は「Z」だから途中の「X」よりも目立ちそうだ。一番最後に載りたかったら「Zzerox」にすればよかったかもしれない。

 勝手な想像をしていたが、どうも違うようだ。Xeroxにはちゃんと意味があるようだ。「xero-」は乾燥を意味する接頭辞でギリシャ語から来ている。何が乾燥しているかというと複写の方法が乾式なのである。Xerogramが発明される前は複写といえば青写真cyanotypeとかdiazotypeがあった。青写真は光に反応すると藍色に変化したり、逆に藍色が無色になったりする液が紙に塗ってあって、複写して出来上がったものがしっとりと湿っていた。「cyano-」は藍色とかシアン化合物という意味である。「diazo-」はジアゾ化合物という意味である。
 Xerogramは静電気を使って複写する像を焼き付けるので最初から乾いている。だから「xero-」なのである。因みに湿潤を意味する接頭辞は「hydro-」「hygro-」「humidi-」である。

001108

 コンピュータの調子がまだおかしい。数年前購入したコンピュータなのでハードディスクの容量は4GBと小さいのだが、万が一に備えて七つのパーティションに分けて保有したデータの消失を最小限に食い止めるようにしていた。

 その万が一が起こった。突然、OSが入っているパーティションが認識されなくなった。修復ソフト*1を使ってもアクセスすることが出来ない。OS自体はインストールすれば何度でも復活させることが出来るが、OSと同じパーティションに常置してあった電子メールのファイルは消失したら復元できない。数日分のメールが消失した。メールサーバにデータを残す設定をしていないので完全になくなった。

 OSがあるパーティションにメールデータがあって、そのパーティションが認識できなくなったのに数日分のメールデータの消失だけで済んだのか。何故メールデータが全部なくならなかったか。
 先日OSを再インストールしたとき、そのパーティションの内容を全て別のパーティションにコピーしておいたので、メールデータの殆どが助かった。

 ハードディスクの不具合が発生したこと時間が経過するとシステムが停止することを考え合わせると、どうもハードディスクが原因のような気がしてきた。今週末にはハードディスクの交換を実施しようと思う。

 色々いじっているうちにOSが入ったパーティションが認識されるようになった。電子メールデータを認識されている間にコピーした。結局、電子メールのデータは完全に蘇った。
 再起動する度に「このハードディスクは読み込むことが出来ません。初期化しますか」と何度も表示されていたが、初期化しなくてよかった。



*1 Norton Utilities for Macintosh

001107

 コンピュータ*1の調子が急に悪くなりだした。10分に一度ぐらいの割でシステムが止まってしまい再起動を余儀なくされる。OSを再インストールしたが、全く改善されない。

 一体何が起こったのか。



*1 Macの中味がわかるぺーじ

001106

 ヤツメウナギ*1は目にいいらしい。眼にいいと言うのはビタミンAの欠乏症である夜盲症*2に効くということだ。食べたことはないが、あまり美味しくない*3ようである。その所為かどうか分からないが、*4として売られている。

 いつ頃からヤツメウナギを食べるようになったか知らないが、これを食べると鳥目に効くということはいつから分かったのだろうか。ヤツメウナギにビタミンAが豊富に含まれていることが分かってから人々がヤツメウナギを食べだしたとは思えない。

 やはり「八つ目」だから「目に効く」という発想だろう。偶然だが、本当に目に効いていたわけである。因みにヤツメウナギの本当の目以外で目に見えるものは鰓の穴である。



*1 スナヤツメ - WEB魚図鑑
*2 ビタミンA
*3 ヤツメウナギ
*4 強力八ツ目鰻キモの油

001105

 話題が思いつかないので繋ぎとして日本語で一番長い単語を書く。実際に出版物やweb上でこの日本一長い単語が表記されるのは初めてかも知れない。

「1072-1=はいくつでしょう」
「はい。九千九百九十九無量大数九千九百九十九不可思議九千九百九十九那由他九千九百九十九阿僧祗九千九百九十九恒河沙九千九百九十九極九千九百九十九載九千九百九十九正九千九百九十九澗九千九百九十九溝九千九百九十九穣九千九百九十九杼九千九百九十九垓九千九百九十九京九千九百九十九兆九千九百九十九億九千九百九十九万九千九百九十九です」

 大して長くない。もしかしたら小学生や中学生の卒業文集にこんなことを書く奴がいたかも知れない。今日の記事は天皇家の継体天皇*1みたいな記事である。



*1 継体天皇

  001104

 長い単語について先日書いた。読者の方から参考になるURLを教えて頂いた。そこにはもっと長い英単語としてDNAの略さない物質名が紹介されていた。その名前は20万字以上になるという。

 恐らくDNAの物質名は英語ではなくても同じように長い単語になるだろう。DNAの略さない物質名は専門用語の中の専門用語であるが、普段使うような単語で異様に長くなってしまうものがドイツ語や日本語にある。

 ドイツ語の数の表現の仕方は英語のように桁を表す単語は独立しているのではなく、一つの単語になる。1999ならばtausendneunhundertnuenundneunzigになる。桁を表す単語はcentillionで10600迄あるので999999・・・999はドイツ語では相当長い単語になるはずである。ただ、西洋語で600桁まで3桁ずつの数詞に全て名前が付いているとはとても考えられないので、10600までの全ての数を正確に表せるとは思えないが、長くなることは間違いない。数は無限にあるのでドイツ語ではいくらでも長い単語が出来ると筆者は勘違いしていたが、数詞は無限にないので単語の長さには限界がある。

 日本語でも数を表す言葉は一つの単語になると考えていいだろう。「千 九 百 九 十 九」と分かち書きはしない。無量大数1068までは確実に表現でき、九千九百九十九無量大数九千九百九十九不可思議・・・九千九百九十九が最長の単語となる。恐らくこの数を表記した資料は今までにないだろうから、ここでやればこれが最初になるかも知れないが、みっともないので止める。

001103

 理科の教材や遺伝学の実験材料としてよく使われる「ショウジョウバエ」は「猩猩蝿」と書くことを知った。猩猩とは猿のような顔を持ち、毛は朱紅色で長く人語を解し、酒好きな中国の想像上の怪獣である。その怪獣の元となったと考えられるオランウータンの異名でもある。そしてこの猩猩はにも出てくる。
 ショウジョウバエに猩猩という名前が付いているのは目が赤い蝿だからだろう。赤いから「猩」の字が付けられたものは多い。色の名前でも猩猩緋というのもある。猩紅熱は赤い発疹が出来るからその色に因んでいるのだろう。

 「猩」の字一字でも「猩猩」の意味しかないのにわざわざ「猩猩」なのは何故か。
 猿の仲間で繰り返しの名前といえばアイアイがある。そういえば狒狒(ひひ)もそうだ。

 ウェスタンローランドゴリラの学名はGorilla gorilla gorillaである。

 ボルネオオランウータンの学名もPongo pygmaeus pygmaeusと繰り返されている。

 しかし学名は繰り返すことが多いのかも知れない。

001102

 先日、ある美術館に行った。そこに岐阜県出身の山本芳翠という画家が描く「浦島図」と題された絵が展示してあった。絵の内容は詳細な説明のある別のサイトを参照して頂くとして、この浦島図に登場する亀をよく見るとウミガメではなく巨大なイシガメなのである。

 ウミガメタイマイは顔が斑模様になっている筈だし、オサガメだとしても甲羅が違う。芳翠はそこら辺りにいるイシガメを手本にしてこの絵を描いたのだろうか。

001101

 去年の年末に購入した塩づけ数の子を冷凍庫から取り出し解凍した。高濃度に塩漬けされているので殆ど凍っていない。そのまま塩水の中に入れて塩抜き作業に入ってもいいかもしれないが、取りあえず机の上に放置して室温に戻した。その後、塩抜きをして味付けをした。

 この数の子は今年の4月の記事に登場する数の子と兄弟の数の子である。兄弟といっても同時に冷凍をしたという意味である。一年近く冷凍してあったが歯触りは殆ど変わらない。もしかするとこの数の子は去年購入した時点で数年経っているものかも知れない。

 年に数回しかやらない料理なので調味料の分量はどうしても憶えられない。大体の比率は憶えているのだが、醤油と水の分量がはっきりしない。これで味が大きく変わるわけではないが、メモしてあることが分かっていると確認したくなる。

 4月の記事には味付けつゆの配合の分量が記載されているが、今回解凍した数の子の味付け作業をやっている時点では、それを記載したことをすっかり忘れていた。その代わり数年前のお料理家計簿に自分でその分量をメモしたことは憶えていたので、過去の家計簿を取り出してめくっていった。

 すると全然関係のないメモ欄に「鞄を買った。店のオヤジの口が異様に臭かった」と書いてあった。家計簿にメモするぐらい臭かったのだろうか。



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