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0107雑記草


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010701

 学生時代にCDのジャケット買いをしていた事がある。「ジャケット買い*1」とはCDの箱のデザインだけを観て中身を一度も聞かずに買うということである。中身の音楽とジャケットのデザインとは大抵、合っている。中身がクラッシックなのにジャケットのデザインがサイケデリック*2というのはない。いくらジャケットに題名や演奏者の名前が明記してあってもこういうちぐはぐなことはしない。

 これを極めていくともっと狭い分野でも中身を聞かずしてジャケットを見ただけで大体どんな感じの曲か想像できるようになる。筈である。

 この買い方は輸入盤CDに対して適用していた。当時はインターネットという便利なものがなかったので輸入盤に関する情報はかなり不足していた。今はweb上で簡単に視聴*3が出来る。ジャケット買いという行為は既に絶滅したと考えてもいいかもしれない。

 ヨーロッパのマイナーなポップミュージックに凝っていた。マイナーにはマイナーの臭いがあってCDのジャケットからその臭いがプンプン臭ってくる。だから買ってから聞いてみると大抵は自分の思った通りの音であった。

 印象深いCDの一つに4AD*4というヨーロッパの零細レーベルから出されていた「Colour Box*5」というグループの「Colour Box」という名のCDがある。このCDのジャケットには数人の日本人女性の写真と柿の絵がコラージュされている。柿の絵の下には「日清紡績株式会社*6」という明朝体の活字で書かれた文字があり、その下には「綿 100%」と小さく書いてある。そして日本人女性の一人には「八汐路まり」と小さく名前が書いてあった。もう、これだけ書けば「臭い」が発散しているということが解るだろう。

 「八汐路まり*7」という人が一体どんな人なのか判らなかった。何となくどこかで聞いた事があるような気がしていたが、当時は簡単に調べる事が出来なかった。インターネットで検索*8してみる。数は少ないがあっさりと情報が得られた。宝塚*9女優であった。

 インターネットは一般の人の知識をつなぐという意味において素晴らしい機能を発揮していると言える。



*1 ジャケット買いのすすめ
*2 The Psychedelic Furs
*3 CDNOW
*4 4AD
*5 Colourbox
*6 日清紡ホームページ -- NISSHINBO
*7 ウエスト・サイド物語/オクラホマ!
*8 Google
*9 宝塚歌劇のホームページへようこそ

010702

 TRIZという名の理論がある。「トゥリーズ」と読む。ロシア語で「発明的問題解決の理論」という意味の言葉の頭文字をつなげて作った略語でらしい。ロシア語だと「ТРИЗ*1」となるようだ。これでは何かと不便なのでそれぞれのロシア文字に対応するローマ字*2を当てて「TRIZ」としている。英訳すると「Theory of Inventive Problem Solving」となる。略して「TIPS」とも言う。tipは為になる助言だとか情報という意味があるので「TIPS」はなかなか巧い略語だと思う。

 TIPSよりもTRIZと言う方が多いのは何となくTRIZの方が専門家っぽく聞こえるからだろうか。綴りが如何にも通である。最後が「z」というところがいいのだろう。英単語で最後が「z」はなかなかない。jazzとquizぐらい*3だろう。

 TRIZは創造的な技術開発の支援を行う理論で、様々な分野の技術革新の歴史から発明を分析してその原理を抽出したものであるらしい。詳しくはTRIZに関するサイト*4を参照して頂くとして、これを初めて聞いた時、発明が理論化できるのかと筆者はかなり驚いた。理論化できると言うことはコンピュータで処理が出来る可能性があると言うことである。発明がコンピュータで出来るなんて信じられなかった。

 TRIZ*5の概要を読んでみるとその理論そのもので発明が出来るわけではなく、問題解決において必要な自分が発想し難い他分野の知識や方法を効率よく検索して、問題解決の新しい方法を見つける手法のようである。効率的な新製品の開発設計、製造原価の低減などには大いにその威力が発揮されるので、TRIZを導入している企業が多い。

 ところでこのTRIZも一種の発明であろう。特許法で規定される発明*6とはちょっと違うが、一般的な意味*7では発明に入ると思う。TRIZでTRIZを発明するきっかけが得られるだろうか。親が子の後に出てくるのは八頭(やつがしら)*8だけだが、やはりTRIZからは新しい理論は出来ない。人類の生活を大きく変化させる革新的な発明は新しい理論に基づくものだろうから、トランジスタ*9や飛行機などのような発明もTRIZでは無理である。



*1 http://www.triz-ri.ru/triz/
*2 Russian Pop / ロシア語の英語表記
*3 英語しりとり必勝法
*4 TRIZ 紹介 (TRIZホームページ)
*5 TRIZ
*6 特許法(H11):第二条(定義)
*7 便利ツール[国語辞典] 検索語句:発明
*8 ご存じですか川口名産 [八ツ頭]
*9 トランジスタ

010703

 耳袋(みみぶくろ)*1という江戸中期に書かれた随筆集がある。江戸中期の奉行、根岸鎮衛(ねぎしやすもり)*2が書いた。原本では「耳嚢(みみぶくろ)」となっている。

 虫歯*3の痛みを取り去る方法に関するものがあった。

「韮の実を火に焚いて、その煙を管などを使って虫歯の部分に導き、燻(いぶ)してやるすぐ痛みが取れると人が語った。また、瓦を焼いて半盥(はんぞう)に入れて、韮の実を置いてお湯をかけてやると煙が出てくる。その煙で耳を蒸してやると耳から白いものが出てくる。その白いものは虫歯のむしらしい」

 最後の部分は「右白きものは虫歯のむしと也といへるが、まのあたり様(ため)し見し」とあったが、一部訳を省略してしまった。手許に古語辞典がないので「まのあたり様(ため)し見し」の意味がよく判らない。「実際に見たことがない」ぐらいだろうか。半盥とは何のことなのかはっきりしていないらしい。耳盥(みみだらい)*4ではないかと解説にある。耳盥*5とは盥に持ち運びやすいように耳を付けたもので、お歯黒に使う道具である。

 *6虫歯の痛みに効く*7というのはどうしてだろう。韮の臭いが如何にも効きそうだからだろうか。多少なりとも韮が痛み止めになるという現代の医学での根拠があるのだろうか。

 科学の発達にはこの「理由はともかく何となく効くかも知れない」という考え方が必要である。常に効率を重んじ、現時点で確立された理論を元に演繹的に結果を導き出すだけでは大きな発展が得られない。TRIZ*8の話題でも書いたが、既存の理論からは自動的に全く新規な理論は出てこない。人間の「何となく」という感覚が必要である。しかしこれははずれも多いので効率は悪い。

 ところで耳袋に書かれているのは虫歯の痛みを治す方法であって虫歯をそのものを治す方法ではない。題目も「虫歯痛みを去る奇法の事」とある。虫歯は自体は治らないものという認識は昔からあったようだ。



*1 耳袋
*2 江戸財政改革史外伝
*3 医療廃棄物
*4 歯の歴史資料館
*5 お歯黒脚注
*6 韮 (にら)
*7 丹平製薬 今治水
*8 TRIZ

010704

 また耳袋*1の話題。屁ひり虫奇説と題された随筆がある。

「屁ひりむし脊中に白き星あり。右むしを捕へ、板或ひは畳におしつけて、屁をひり粉を出す事、脊の星の数程なり。其数過(すぎ)ぬれば、屁をひらず、また粉を出さざるよし」

 解説には屁ひり虫とは「ミイデラゴミムシ*2」のことであるとあった。筆者はミイデラゴミムシを捕まえた記憶がない。写真を見ると見たことがあるような気がするが、その虫の屁の臭いは嗅いたことはない。相当臭いらしい。

 この屁の素はベンゾキノン*3という物質らしく、もの凄く危険な物質*4のようである。ミイデラゴミムシは体内の貯蔵袋に過酸化水素とヒドロキノン*5を貯えており、屁をこく時にこの二つの物質を反応室に入れ酸化酵素を触媒としてヒドロキノン*6を酸化させるらしい。この時に反応熱が出て、ガスは100℃*7ぐらいになるようだ。

 100℃程度の反応熱に耐えうる器官を昆虫が持つというのも凄いが、過酸化水素を自分で作っているというのも凄い。どうやって作っているのだろう。ヒドロキノンは有機化合物なので生物体内で出来そうな感じがする。

 耳袋ではその屁こきの回数は背中の星の数程度だ、というのだ。星の数は2個なので2回ということなのだろうか。屁をこく回数と背中の星の数に因果関係はおそらくないだろう。この言い伝えが太古の昔からあり、星の数と屁の回数が合わない個体は人類によってことごとく駆除され生き延びたのは背中に2個の星を持つものだけになった、という訳ではあるまい。



*1 虫歯痛みを去る奇法
*2 miidera-gomimushi
*3 ヘッピリムシ
*4 国際化学物質安全性カード(WHO/IPCS/ILO)
*5 ハイドロキノン Hydroquinone
*6 ミイデラゴミムシ
*7 2000.10. 7 100℃のおなら

010705

 ドイツの作曲家バッハ*1を英米語では「バック」と発音するというのは以前から聞いていたが、実際にその発音を聞いたことはなかった。

 インターネット通販で購入したCD*2に音声による解説が入っており、そこでこのCDの制作者*3である解説者が「バック」と発音していた。Bachを英語式に発音すれば「バーク*4」になるらしい。よく似た綴りの「マッハ*5」も英語では「マーク*6」になってしまうようだ。

 このように外国語の単語を徹底的に自国流に発音して読むというのも、それはそれで一貫した考え方で非常に判りやすい。ただし、これはローマ字*7を使う言語間でのやりとりであって、日本語が外国語を取り込む場合には上手くいかないかもしれない。しかし出来るだけ原語の発音を日本語に取り入れた方が矛盾が少なくていいだろう。上の例で言えば、Bachを日本語に取り入れる場合、英語式の発音の「バック」ではなく、ドイツ語の発音に近い「バッハ」とした方が日本語への取り入れ方として理にかなっていると言うことである。

 ハーレクインharlequinという英語の言葉がある。菱形のまだら模様の服を着た道化師を指す。語源はイタリア語らしいが、イタリア語ではarlecchino*8と綴り、アルレッキーノと読むらしい。フランス語ではarlequinでアルルカンと読む。更にイタリア語のarlecchinoの語源は古代フランス語のHerlequin*9(悪魔)らしい。現代のフランス語やイタリア語では綴りにおいて「h」の文字が取れてしまっているが、英語には残っている。一方、英語の「harlequin」をフランス語式で読めば「h」を元々読まないから「アルルカン*10」となる。ここら辺りが複雑である。ハーレクインロマンス*11という言葉は恐らくアメリカで出来た言葉だろうからこれを日本語に導入する時「アルルカンロマン」とするのはおかしい。これは英語の読み方のハーレクインロマンスのままでいい。

 ギロチンguillotine*12も本家のフランス語では「ギヨティヌ」だし、マネキン*13mannequinも「マヌカン」である。ところがパリParisは英語読みではなく本家式で「パリ」になる。終始一貫していないとやはり気持ちが悪い。

 イタリアのランボルギーニ*14社の自動車カウンタックCountachという名はイタリア語では「クンタッチ*15」と発音するらしい。英語式発音のカウンタックと比べると随分と間抜けな名前に聞こえる。最初から「クンタッチ」ならばそうは思わなかったかも知れない。アメリカでは何が何でも英語式で読むのだから、いくらイタリア語で「クンタッチ*16」でも英語式の「カウンタック」でいい。しかし日本のようなおざなりな読み方の取り入れは国際的に見て恥ずかしいのではないだろうか。



*1 The J.S. Bach Home Page
*2 CD購入
*3 Wendy Carlos HomePage
*4 EXCEED英和辞典:Bach
*5 Mach, Ernst (1838-1916) -- from Eric Weisstein's Treasure Trove of Scientific Biography
*6 EXCEED英和辞典:Mach
*7 ローマ字
*8 I luoghi mantovani di Arlecchino
*9 harlequin. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*10 Carnival of Harlequin
*11 Harlequin romance bookstore - shop online for Harlequin, Silhouette, Steeple Hill and MIRA books.
*12 Guillotin Joseph-Ignace
*13 株式会社 平和マネキンのホームページへようこそ!!
*14 Automobili Lamborghini SpA
*15 LAMBORGHINI COUNTACH
*16 1971 Lamborghini Countach LP500 Show Car

010706

 今年の4月4日と7月3日と立て続けに自動車の速度違反で警察に捕まった。違反した場所はそれぞれ違う地点であった。路上で速度計測器による取り締まりであった。反則金の支払いはこの二件で27000円になり、点数は3点となった。大抵の道路における速度制限の設定値の根拠は希薄であるため、軽微な速度超過が事故につながる危険性は全くないと筆者は考えている。従ってこれ以上意味のない取り締まりによって行政処分*1などを被害を受けるのは我慢できない。そこでこのような速度違反取り締まりを事前に知る装置*2を7月3日の捕まった当日に購入した。

 昨日、自動車を運転していたところ上記の場所とは全く別のところで購入した装置がけたたましく電子音を鳴らし始めた。その道は制限速度が40km/hであるが、直線道路であり通常なら60km/h程度出しても全く問題のない道である。この時、筆者の自動車はこの道で先頭車両となっていたが40km/h程度で走行した。暫くすると速度計測をしている数人の警官の横を通り過ぎた。助かった。こんなに効果があるなら何故もっと早くから購入しておかなかったのだろう、と悔やんだ。かつての走行距離20万km無事故無違反*3という過信が災いした。

 警察が使う速度測定装置は色々なものがあるらしい。電波方式は一般にレーダーと呼ばれている。購入した装置は電波による測定の場合にだけ有効である。速度計測の原理は電波を被測定物である自動車に当てて、跳ね返ってきた電波の周波数と跳ね返る前の元々の電波の周波数とを比較する事により自動車の速度が計算できる。動いているものから発せられたり、反射した電波の周波数はそれが静止している時に発せられる元々の周波数からずれが生じる。この現象をドップラー効果*4という。このドップラー効果*5を利用することにより速度が求められるのである。この速度測定器が使用している電波を早期に受信すれば取り締まりを事前に知ることができる。

 この技術はスピードガン*6に応用されて速度取り締まりだけではなく色々なところで広く使われている。速度測定器やスピードガンから出てくる電波はガンダイオード*7という電子素子から出てくる。スピードガンだから「ガンダイオード」と勘違いされ易いが、ガンダイオードの「ガン」はGunnであって、拳銃のgunではない。英国で教育を受けた後に米国のIBM研究所*8で活躍したエジプト系の物理学者John Battiscombe Gunn*9が発見したガン効果を用いたダイオードをガンダイオード*10という。

 このガンGumの綴り*11は間違い。



*1 交通違反・行政処分
*2 ユピテル工業 SX−230
*3 SDカード伝説
*4 ドップラー効果
*5 株式会社ストラエレキテル スピードガンとは
*6 株式会社ストラエレキテル ドップラーガン
*7 株式会社ストラエレキテル SG−8X
*8 IBM Research | Watson Research Center | Home Page
*9 Gunn effect. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*10 xrefer - Gunn diode
*11 日本財団事業成果ライブラリー/社団法人日本船舶電装協会

010707

 光のドップラー効果が何故起こるのか何となく解ってきた。

 先月の記事*1で光の場合、「自分が運動しているかいないかに関わらず、自分が観測する『光速は一定*2』と定義されているので、もし、この宇宙に自分と『光』だけしかなかったら光との速度の差が分からない。どのようにして光のドップラー効果が起こると説明すればいいのであろうか」と書いた。

 観測者である自分が等速運動をしているだけであればドップラー効果は起きない。これは運動の状態が変わらないのだから当然といえば当然である。この時、観測者が『光』の周波数を測定する。周波数は単位時間当たりの『光』の波の谷か山の数を数えればよい。例えばこの時、光の谷か山の数が1秒当たり100個あったとしよう。周波数が100Hzということになる。

 次に観測者が何らかの力を受けて速度が変化したとする。速度が変化するためには観測者に力がかからなければならない。1秒間で最初の状態と比較して秒速1mの速さになったとしよう。これは何に対して秒速1mと言えるのか。宇宙には観測者である『自分』と『光』しかないのにどうやって速度を知るのか。光速は常に一定だから光に対しての速度ではない。

 この相対速度というのは力がかからなかった『自分』に対しての速度である。もし力がかからなかったら『自分』はそのまま等速運動を続けるはずだ。この仮想の『自分』と現実の『自分』との速度の差が相対速度と言うことである。この考え方は慣性系*3と呼ばれる。

 観測者は自分の慣性系の中で光の周波数を測定する。自分の慣性系の中で光の谷か山を数えるのである。光は誰の慣性系に関係なく一定速度で伝搬すると定義された。観測者は自分の慣性系の中で動いているので、その動きの方向が光の来る方向になっていれば最初の止まっている時よりも早めに数え終り、逆に光の向きと反対であれば遅めに数え終える。これは音のドップラー効果と同じである。従ってもの凄い速度で運動する宇宙船に乗っていれば光のドップラー効果を自分の目で確かめることが出来るのである。

 宇宙戦艦ヤマト*4ではワープの瞬間に森雪*5の裸体を拝むことが出来る。これは単に小中学生男子へのサービス*6ではなく、実際に起こりうる現象だと言える。宇宙船がほぼ光速に近づいてくるとヤマトに向かって降り注ぐ星の光や宇宙全体からの黒体輻射*7はドップラー効果により周波数がどんどん高くなりX線*8程度の電磁波になる場合がある。そうなれば服を透視するぐらい簡単である。透過しすぎて骨が見えてしまっては元も子もない。

 X線なんて肉眼で見えないじゃないか、といわれるかも知れない。その通りである。それはそれ、テレビや映画の世界なのである。船内に撮影用のX線撮像カメラ*9が装着されている可能性は十分ある。



*1 ドップラー効果
*2 光の速度
*3 4次元時空の旅
*4 ★宇宙戦艦ヤマト発信!★
*5 ヤマト生活班々長を務める美少女
*6 ビキニ姿と英和辞典
*7 インフレーション理論
*8 X線博物館
*9 冷却CCD X線カメラ:Dalsa-Medo Optics

010708

 *1の食欲がどんどん増進しているようだ。水を換えてやったら水槽に同居していた5cm程に成長したヨシノボリ*2がいなくなっていた。亀に食べられてしまったようだ。ヨシノボリはすばしっこく、攻撃性も強かったので亀に食べられることはない*3と思っていたが、ヨシノボリ自身が成長しすぎて逃げ足が遅くなってしまったのだろうか。それとも亀が大きくなって今までの量の餌では足りなくなってきたのだろうか。

 亀の水槽の水を換える間、亀の日光浴も兼ねて亀を水槽から出して、空の別の水槽に入れておく。水を換えた後に少しでも水が綺麗な状態を保たせたいと思って、水を換える前に餌を与えておく。水換え作業の間に亀は排便をする。飯を食べて日光浴していれば気持ちよくなって糞がしたくなるのは人間も同じだろう。

 先日の水換え作業中に亀がした糞を見て驚いた。石が入っていたのである。水槽に敷き詰めてある3〜5mm程度の大きさの砂利が数個入っていたのである。今までは全然気付かなかっただけで結構食べていたのかも知れない。それにしてもどうして砂利を食べているのか。食欲旺盛で食べるものがなくて砂利を餌と思い、食べてしまったのか。

 水槽の中にはホテイアオイ*4が入れてある。腹が空けばホテイアオイを食べれば済むはずである。ホテイアオイには亀の歯形が沢山付いているので普段から齧っていることは間違いない。

 調べてみるとカルシウム補給のためとか、消化を助けるため*5ではないかとか書いてあるところもあった。また砂利を食べると腹に溜まって良くない*6としているところもあった。亀にはヨコエビ*7を十分与えているのでカルシウム不足はないと思われる。栄養摂取に関しては合成飼料が基本餌なのでそれ程問題はないような気がしている。

 そもそも飼っている亀はヌマガメの一種*8なので砂利が豊富にある環境には棲んでいない筈である。従ってカルシウムが不足したから石灰石などを齧るという習性はないと考えられる。同様に消化を促進するため石を食べるというのも考えにくい。「消化を促進」という発想はおそらく鶏の筋胃*9からではないだろうか。ただ、亀も鳥と同じでくちばしだけで歯がないので胃の中で小石を使って食物を粉砕する可能性もないともいえない。沼には砂や土はいくらでもあるので、ヌマガメは砂を胃の中に溜め込んでいるのかも知れない。

 敷き詰めてある砂利を飲み込める大きさまでに亀が成長したために食べられるようになったのか。餌が足りなくて食べるようになったのか。このことは亀にとってどう影響するのだろうか。



*1 カメノメ
*2 ヨシノボリ
*3 亀とヨシノボリ
*4 亀の冬眠(2)
*5 Google 検索: 亀 "石を食べる"
*6 Google 検索: 亀 "砂利を食べる"
*7 カメノメ
*8 ヌマガメ科3種とスッポン科1種の見分け方
*9 胃の中には小石や砂が入っている【鶏のからだ】

010709

 普段は頭痛*1を感じないので、頭痛を感じた時は辛くて何もする気が起きない。頭痛があっても平気な人はいないだろうが、頭痛をある程度我慢できる人は沢山いるように思われる。頭痛持ちの人は慢性的に頭痛が起こるのである程度頭痛に慣れてしまっているかも知れない。筆者は酒などのアルコールを多量に摂取した時に頭痛に襲われることがよくある。二日酔いのようにある程度時間が経過してからではなく、酒の席などで痛くなり出すのである。これが嫌なので酒はあまり多く飲まないようにしている。

 頭痛*2というのはどうして起きるのか不思議であった。今でも不思議である。頭痛というのは自分の経験からすると脳自体が痛くなっているように思える。頭皮が痛くなっているわけでもない。明らかに頭蓋骨よりも内側でズキズキと痛む。

 脳は神経の集まりである。神経とは色々な体の部位の情報を伝える器官である。指の先が痛いと感じる*3のは神経が脳につながっていて、脳が「指が痛い」と判断するするわけである。では脳自体が「痛い」と判断するための神経が脳の中に張り巡らされているのだろうか。神経という器官自体に痛みを感じる神経が付随していないだろう。神経に神経が付いていたら、またその神経に神経が付くことになりタマネギのようにきりがなくなってしまう。脳は神経が発達したものだろうから、普通の神経と同様に脳自体には痛みを感じる神経はないだろう。

 血管や髄膜など脳の神経細胞以外の部分では痛みを感じる神経が張り巡らされているだろうから、それによって脳が痛いと感じることもあるだろう。それ以外の場合の頭痛は何が痛くなっているのだろう。

 頭痛に関していろいろと話を聞いてみると男性よりも女性の方が頭痛に対して耐性があるような気がしている。結構女性は頭痛を我慢している場合が多いようだ。



*1 頭痛について知っておきたいこと
*2 万有製薬株式会社 頭痛
*3 痛点

010710

 興味深い数を見つけた。筆者が数そのものを発見したのではない。こんな数が知られているということを筆者が見つけただけである。以前に整数に限りなく近い無理数*1を見つけて嬉しくなったと書いたが、また嬉しい「数」を見つけた。

(32/(27+3√69)+1/3*3(27+3√69)/2)^30000*2=5043165960・・・7675781253.0000000000・・・0000000000130894811・・・

という「数」である。Pisot数と言うらしい。リンク先をよく見て頂くと判るが、小数点以下に「0」が沢山並んでいる。一体いくつあるのか数える気にもならない。整数部分が何桁あるかは簡単に計算できる。3664桁あった。これからすると「0」は1800個ぐらい並んでいる。これぐらい並ぶと清々しい気分になる。これ程小数点以下に「0」が並んでいるのだから整数といってもいいなどと簡単に済ませられない雰囲気を醸し出している。

これは三次方程式*3

x3-x-1=0

実数解*4の一つを30000乗した数である。何故この三次元方程式の解の30000乗を計算したのか皆目見当がつかないが、少なくとも電子計算機が発明*5されてから、計算をしてみたらこんな数字であったということが判ったのだと思う。それにしても30000乗すると殆ど整数になりそうだということが何かの理論*6で判っていたのだろうか。



*1 整数に近い無理数
*2 A Pisot number
*3 複素数(2)
*4 solve an equation
*5 ENIACとABC
*6 Pisot-Vijayaraghavan-Salem Constants

010711

 先日、家族でちょっとした旅行に行った。亀好きの筆者*1としては道中に「亀甲岩*2」という看板が出ていたので気になって仕方がなかった。飛鳥の亀石*3みたいなものがあるといいなぁと思ったが、場所柄そのような期待は限りなく薄い。恐らく玄武岩であろうと思った。

 梅雨時だったので翌日はあいにく朝から雨が降っていた。元々旅行先は見物するものがあまりないのだが、更に雨が降っていたので動き回りたくなくなっていた。そんな家族の意識につけ込んで、件の「亀甲岩」を見に行く提案をした。皆、どうでもよいと気持ちになっていたのですぐ同意が得られた。

 山道は平野部の道よりも距離が長く感じられる。目的地を示す看板が殆どなく、あっても朽ちかけてあらぬ方向を向いていたり、小さくて見落としそうなものしかなかったので余計に長く感じた。本当にこの道でいいのかと不安にかられながらも亀甲岩に辿り着いた。

 思った通り玄武岩*4であった。六角形が亀の甲を思わせる。玄武岩は中国・九州地方には多く見られるが、中部地方では比較的少ないようである。この玄武岩はおよそ1500万年から950万年前に噴出したものと考えられている。この岩を横から見ると六角柱が重なった形になっていることがよく分かる。地中から斜め上に向かって六角柱の束が突き出している。

 玄武岩は何故こんな六角柱の形になるのか。玄武岩の結晶が六方晶*5だからではないかと漠然と思っていた。玄武岩*6には色々なものが含まれており単一の物質で構成されているわけではないので、結晶というわけではないようだ。ではどうして綺麗な六角柱ができあがる*7のか。マグマが冷えて固まる時にある条件が揃うとあのような形*8になるらしい。出来方はこのページに解説*9してある。何となく分かったような、分からないような感じだ。この原理から言えば六角である必要はなく四角でも三角でも他の多角形の組み合わせでもよいだろう。現に六角ばかりではないようだ。

 玄武岩の由来が玄武洞*10であることを知った。玄武洞には五つの洞*11があって、それぞれに玄武、青龍、白虎、南朱雀、北朱雀と名前が付けられている。これらの洞の名前がいつ頃から付けられたのか分からないが、六角柱ということから明らかに亀の姿をした想像上の中国の動物「玄武*12」がまず発想されて、そこから洞の名前に四神*13の青龍、白虎、朱雀が付け足されたのだろう。「南朱雀、北朱雀」というのが如何にもこじつけであることを感じさせる。

 「玄武岩」という名前の由来*14は兵庫県の玄武洞であるが、結局の所その玄武が亀の怪獣であるので、元々の由来は六角の亀甲である。



*1 石を食べる亀
*2 長野県下伊那郡根羽村付近
*3 http://www.crdc.gifu-u.ac.jp/mmdb/marc4/nara/asuka/15.jpg
*4 池ノ平の亀甲岩
*5 空間群の表記法
*6 地球のからくり
*7 火山学会ホームページ 柱状節理*Q61
*8 1.柱状節理について
*9 六角柱の出来るしくみ
*10 玄武洞公園
*11 玄武洞2
*12 玄武
*13 四神旗(ししんき)はどういう順番に並べたらいいのですか
*14 玄武岩 Basalt -ものしり教室-

010712

 物理や化学などに出てくる単位でそれ専用の記号を用いられることは殆どない。力を表す単位「N(newton)」はローマ字の「エヌ」であって、常に「ニュートン」と読むわけではない。電気抵抗を表す「Ω(ohm)」はギリシャ文字の「オメガ」であって、電気抵抗以外の場合は「オーム」とは読まない。このように科学技術の単位において独自の記号というのはなかなかない。

 温度を表す単位「℃(degree Celsius)」というのはそれ専用である。厳密に言えば「°」と「C」との組み合わせであって一つの記号ではない。ワープロでは1文字として「℃」が出てくるが、これは一文字にすると便利だからであって、もともと一まとまりの記号ではない。「meter.gif」と同じである。それに「°」が単位かどうか*1怪しいところもある。

 かつて電気の通りやすさを表す単位で「mho.gif(mho)*2」があった。ギリシャ語にはオメガをひっくり返して使う用法はない。これは電気の通りやすさの単位専用の記号である。最近は使われなくなった。

 科学技術の単位でなければそれ専用の記号は「¥」「$」「%」「‰」「hp.gif」など沢山ある。「hp.gif*3」は馬力で「horsepower」の「H」と「P」を組み合わせた記号である。これらはその記号の意味以外では使われない。

 「Å」という微小な長さの単位の記号がある。長さの単位の時は日本語なら「オングストローム」と読む。英語では「angstrom」と綴る。ローマ字の「A」の上に「○」が付いているので、専用の記号と勘違いしてしまうかも知れない。これはスウェーデン語のアルファベット*4の一つである。「オー」と発音*5するらしい。

 オングストロームは元々光の波長*6に用いていた単位であった。それが一般的に微小な長さの単位*7としても用いられるようになった。最近は科学技術の単位がSI単位系*8に統一されようとしているので、段々使われなくなってきている。このオングストロームという単位はスウェーデンの物理学者オングストルームÅngström*9ちなむ*10

 力の単位「N(ニュートン)」と同様に「Å」も例外ではなく、単位専用の記号ではない。



*1 温度の単位(1)
*2 オームとモー
*3 度量衡換算表(任意・数式)
*4 スウェーデン語
*5 小さなスウェーデンページ、アルファベット
*6 History of Spectroscopy
*7 国際単位系(SI)
*8 国際単位系-計量研究所
*9 WIEM: Angstrom Anders Jonas
*10 angstrom

010713

 よく和製英語の代表*1の一つとしてよく挙げられるホッチキスは何故ホッチキスというか。ホッチキスは人の名前なので和製英語も何もないような気がする。和製英語の意味を「英語の文法や慣用的な用法を無視して出来上がった英語のようなもの」と考えれば、もともと英語圏の国で作られた商標名はれっきとした英語である。外国語のことばかり気にしないでもう少し自国の言葉の定義をよく考えた方がいいかも知れない。

 ホッチキスと言えばマックス株式会社*2である。ここに「ホッチキス物語*3」というページがある。ここを読んでみるとホッチキスの発明者はよく分からないそうである。

 色々調べてみると「ホッチキス」は会社名、商標名として米国に存在したようだ。このホッチキス社はフランスの兵器製造会社であるHotchkiss社と混同されている。このフランスの兵器会社を起こしたのはアメリカのコネチカット州出身のBenjamin Berkeley Hotchkiss (1826-85)*4である。1867年にフランスに渡りホッチキス社を設立した。

 一方、紙綴じ器を製造販売したホッチキス社*5の元となった会社が1895年にEli Hubbell Hotchkiss (?-1917)とGeorge Hotchkiss (?-1919)によってコネチカット州で設立された。翌年にはHotchkiss #1 *6というモデルの紙綴じ器が発売されたようだ。よく見ると「Hotchkiss No_1」と書いてある。これはマックスの「ホッチキス物語」に掲載されている紙綴じ器*7と同じものである。1909年に「stapler」ということばが出てくる*8までは、当時の米国でもその代名詞として「Hotchkiss*9」という言葉も使われていたようだ。

 ホッチキス物語*3にはBenjamin Berkeley HotchkissとEli Hubbell Hotchkissとが兄弟であると書いてあったが、実際はどうなのだろう。B.B.Hotchkissがフランスで会社を作ったのは1867年39歳の時である。E.H.HotchkissとGeorge Hotchkissがホッチキス社の前身の会社を設立したのは1895年である。E.H.Hotchkissの生年はどうしても分からないので仮にB.B.Hotchkissと20歳違うとする。するとE.H.Hotchkissの生年が1846年となり、会社を作るのが49歳の時となる。B.B.Hotchkissとの歳の差がもっと少なければもっと歳を取ってしまっていたことになる。会社設立には歳は関係ないが、今も昔も歳を取ればそれだけ大変なような気がする。B.B.Hotchkissと30歳ぐらい離れていればそれ程歳を取ってからの会社設立ではないので納得がいく。歳が30離れた兄弟というのはいくら米国でもあまりいないだろう。

 それに共同設立者のGeorge Hotchkissはどういう関係なのだろうか。実はフランスの兵器会社のHotchkissと紙綴じ器のHotchkissは兄弟ではなく親戚ぐらいかもしれない。

 日本で紙綴じ器が「ホッチキス」と呼ばれるようになったのはホチキス社の紙綴じ器を真似て*3作ったからである。その手本には「Hotchkiss No_1」と書いてあるから、そうなったのであろう。米国でもHotchkissと呼んでいた時期があるのだから、日本でもそう呼ばれても不思議ではない。1911年に日本のホッチキス出てくるまでは米国の「Hotchkiss No_1」と書いてある紙綴じ器が日本でも出回っていたのだろう。

 では、米国で定着しなかった「Hotchkiss」が何故日本では定着したのだろう。それは「ホッチキス」という言葉の音だと思われる。紙を綴じる時に出る音と「ホッチキス」が何となく似ている。単にそれだけではないだろうか。しかし昔のホッチキスも今と同じ音を立てていたのかどうかは分からない。

 それにしても、日本でこの紙綴じ器のことを「Hotchikisu*8」と呼んでいることを認識している米国人がいるとは少々驚いた。



*1 これって英語?!
*2 マックス オフィスプロダクツ トップページ
*3 ホッチキスの歴史(その1)
*4 Hotchkiss company history (1867 - 1939) including military vehicles
*5 The Stapler Database - Hotchkiss Staplers
*6 http://www.calcampus.com/stapler/hotch1.gif
*7 http://www.max-ltd.co.jp/op/images/america.jpg
*8 The Stapler Database - History of Staplers
*9 STAPLER EXCHANGE

010714

 テレビドラマにこんな場面がある。残業か何かで夜遅くに帰ってきた家の主人がその奥さんに「子供は」と聞くと「もう寝ていますよ」という。子供の寝室を覗くとその主人と似ても似つかない顔をした子役が寝ている。すると必ず微笑みながら子供の布団を掛け直すのである。ドラマではその場面はしょっちゅう出てくる訳ではないのでいいが、これを現実で考えれば、しょっちゅう主人が覗き込んでは布団を掛け直していることになる。そんな現実は一般家庭であることなのだろうか。ホイチョイプロダクション*1の「OTV*2」という本にこんなことが書かれていたと思う。

 昔にこの本を読んだ時、筆者もそう思った。ところが、実際に家庭を持ってみると本当に子供の布団を掛け直すことがしょっちゅうある。子供は大抵は寝相が悪いので気が付けば布団がはだけている。従って覗き込めば布団を掛け直したくなるのは自然な衝動であったのだ。

 ついこの間、*3が寝言を言っていた。「ごちそうさま」とはっきり言っていた。これもドラマやマンガだけの世界だと思っていた。

「う〜ん、もう食べられないや、ごちそうさま。むにゃむにゃ・・・」

という寝言はまさに仮想世界の台詞だと思っていた。娘の寝言は「ごちそうさま」の一言であったが、食いしん坊の登場人物を象徴する寝言の一部を現実に聞くことができた。

 筆者の仮想世界が自分の娘の仮想世界によって現実化したのである。



*1 Amazon.co.jp: DVDのデータ: メッセンジャー
*2 ダイヤモンド社の書籍
*3 すみれ

010715

 亀が水換えの隙に脱走した。三度目の脱走*1である。亀の水槽の水換え*2は大抵週末に行う。水槽の水を換える間、亀の日光浴も兼ねて亀を水槽から出し、空の別の水槽に入れておく。その空の水槽から逃げ出したのである。

 近所に亀を飼ってみたくて仕方がない御夫人がいて、先週に近所の池へ一緒に亀を捕りに行った。家の亀の日光浴をさせている間に、その先週池で生け捕りした亀の飼育状況を見せて貰いに行った。そして戻ってきたら亀が逃げ出していた。

 一応、水槽の周りをくまなく探してみたがどこにもいない。去年の一回目の脱走の時は十日後に戻ってきた*3ので、今回も暫くすれば戻ってくるだろうと思っていた。去年の逃げ出した頃よりも暑い季節なので、去年よりも早く水が欲しくなって水槽の付近に戻ってくるだろう。そう考えていた。

 1、2時間後に水槽の周りを見てみると、逃げ出した亀がこちらに向かってのそのそ歩いて来るではないか。相当早く戻ってきた。よかった。

 亀が水が入った水槽の中にいる時はそれ程逃げだそうと企てている様子はない。筆者が近づけば餌をくれとバタバタ手足を動かすのでこの水槽の環境に馴染んでいることは間違いない。空の水槽に移した時だけ逃げだそうとするので、この強制的な日光浴が嫌なのだろうか。

 人間以外の動物には感情があるのだろうか。ここでいう感情があるかどうかとは嫌だとか嬉しいとか悲しいと動物が感じるかどうかである。人間同士でも他人の本当の気持ちを細かく正確に把握するのは不可能であると同様に、他の種類の動物の心を知ることは永遠に不可能であろう。人間が他の動物にも感情があるのではないかと考えるのは、その動物に顔がある場合ではないだろうか。特に目が二つある場合である。その動物を擬人化することによって感情を感じ取るのであろう。だから機械に対しても顔があれば*4感情があると感じることが出来る。



*1 亀の脱走
*2 石を食べる亀
*3 帰ってきたミドリガメ
*4 川崎市岡本太郎美術館

010716

 愛知県で幽霊スポットとして有名な*1伊勢神(いせがみ)トンネル*2へ「昼間」に家族で行って来た。

 伊勢神トンネルは新と旧とがあり、幽霊で有名なのは旧の方である。この伊勢神トンネルが出来たのは明治30年で、長さは308m。幅は3.15m*3なので普通の乗用車はすれ違うことが出来ない。トンネルの中を自動車で通過してきた。通過中、妻と息子は寡黙になり、娘は非常に饒舌になっていた。皆、相当怖かったのであろう。

 このトンネルは文化財*4にもなっているようだ。全て石造りである。地質が悪く湧き水が多かったために煉瓦ではなく石で作ることになったらしい。更にトンネルのアーチは建設当初は一重であったが、後から補強されて二重になったようだ。

 幽霊スポットになっている理由はトンネル内に照明がないこと、「伊勢神」という名前が何となく「あの世」を連想させるからではないだろうか。照明が取り付けられていた痕跡はあるが、現在は全く機能していない。

 トンネルは大体東西に掘られている。トンネルの両方の入り口には大きく「伊世賀美」と銘が掘られている。地名は「伊勢神」なのに何故トンネルは「伊世賀美」なのか。これは洒落であろう。「伊(この)世(よ)賀(よろこび)美(うつくしく)」と願ったのかもしれない。遊び心のない現代であれば、おそらくこんな銘は付けないだろうし、書くとしても「伊勢神隧道」となってしまうだろう。

 それに「伊世賀美」しか書かなかったというのも凄い。これがトンネルだと言うことは見れば分かるので「伊世賀美」としか書かなかったのか。橋には必ず「○○橋」「△△はし」と書く。誰が見ても「橋」ということが分かるのであるが、必ず書いてある。やはり「洒落」を最優先させた結果なのだろう。「伊世賀美隧道」では一気に風格がなくなる。無粋である。

 よく見ると東側*5西側*6では「伊世賀美」の書体が変えてある。東側は楷書に近いが、西側はかなり字が崩してある。この辺も効率一辺倒ではない時代を彷彿とさせる。蝉丸トンネル*7もいい名前なのだからこれくらいのことをして欲しい、と思った。



*1 BIGLOBEシーズン 特集 日本全国ミステリーツアー 地域別情報 2
*2 愛知県東加茂郡足助町明川付近
*3 建設省名四国道工事事務所
*4 文化財の保護
*5 東からの様子。上の方の石が少し崩れかけている
*6 右から「伊世賀美」と書いてある
*7 蝉丸

010717

  物理学などでは様々な定数*1が出てくる。常数とも言う。constantの訳語として作られた言葉であろう。変数に対する言葉で不変な一定の値の数という意味である。

 その定数には大抵記号*2が付けられている。記号があった方がいちいち数値を書かなくても済むし、測定精度が上がって細かい数字が変わっても記号でかいてあればその部分は直さなくてもよい。それに数字だけが書いてあっても、その数字の説明がなければ何の定数なのか分からない。だから有名な定数には世界共通の記号が付けられている。

 その記号はローマ字かギリシャ文字である。中にはこのような独特な文字*3もあるが、これは唯一であろう。この文字は「h-slash」「h-bar」「Dirac h*4」と呼ばれる。

 記号は適当に文字を割り振った訳ではなく、その根拠がある。万有引力定数*5の「G」はgravity*6、素電荷の「e」はelectronである。円周率の「π」はperiphery*7に対応するギリシャ語peripherionの頭文字pに対応するギリシャ文字、自然対数の底「e」はexponential*8である。

 誘電率*9「ε」はelectricの「e」に対するギリシャ文字、透磁率*10「μ」はmagneticの「m」に対するギリシャ文字である。光速の「c」はどこからか。光速を英語にしても「c」はどこにも出てこない。これは恐らくconstantの「c」であろう。この定数とはマックスウェル*11方程式を解いた時*12に出てくる定数で真空中の光の速度と同じ値である。同様にボルツマン定数*13「k」の由来はなんであろう。おそらくドイツ語のkonstanteではないだろうか。ボルツマン*14はオーストリア出身なので、母国語であるドイツ語*15の頭文字が当てられたのであろう。

 プランク定数*16「h」はどこからきたか。プランク*17の名前のどこにも「h」は出てこない。これには諸説あるらしい。プランク定数hの発見は黒体輻射現象の解明*18がきっかけである。これによって量子論が生まれた。

 もともと黒体*19は仮想の物質だが、中を黒く塗った筒を擬似的な黒体と見なすことが出来る。hはこの空洞を意味するドイツ語のHohlraumからという説、補助的な数値という意味でHilfsgroesse、また量子仮説ということでquantum hypothesisのhypothesisからという説があるようだ。近代の科学は常に仮説が伴うので量子論だけにhypothesisがある訳ではない。最後の「量子仮説」説はこじつけのような気がする。



*1 Fundamental Physical Constants from NIST
*2 物理定数表
*3 CODATA Value: Planck constant over 2 pi
*4 Planck's constant - Britannica.com
*5 万有引力定数の測定
*6 便利ツール[英和辞典]:gravity
*7 便利ツール[英和辞典]:periphery
*8 便利ツール[英和辞典]:exponential
*9 電気容量と誘電率
*10 “磁石”この魅力ある世界
*11 Maxwell
*12 光速度不変の謎
*13 物理学講義ノート4
*14 Boltzmann
*15 オーストリア共和国(Republic of Austria)
*16 Quantum Theory
*17 Planck
*18 プランクの量子仮説
*19 黒体輻射

010718

 中学生になって初めて英語の辞書を手にして面食らうのは発音記号*1であろう。それまで目に触れてきた文字と言えば平仮名、片仮名、漢字とそれに加えてローマ字のアルファベットぐらいである。ところが英語の辞書には発音記号と称するこれまで見たこともないローマ字のようなものが 記載されている。

 日本語の場合、漢字の読みは仮名で記す。難しい漢字は簡単な仮名で表すことが出来る。だからまず最初に覚えるのは仮名である。英語を習い出すと、どういう訳か読み方が日本語のローマ字表記と一致しないことが多すぎることが気付いた。例えばShe is a girl. では「a」しか日本語のローマ字表記読みと一致しない。英語を知らなければ「シェ イス ア ギルル」としか読めない。普通「l」はローマ字表記で使わないので、ここでは適当に「ル」という音を当てはめてしまった。

 英語では上記のローマ字式の発音方法があまり通用しない。ところが英語を使っている人はローマ字しか知らない。読み方を示そうにも英語で使う文字はローマ字26文字しかないので、読み方を仮名で表す訳にはいかない。そこで「発音記号」というものが存在ことが次第に了解できた。

 それにしても変な文字が多い。「e*2」、「c*3」、「v*4」をひっくり返したもの、「s」が伸びた記号*5「a」と「e」とがくっついて*6しまっている記号、「n」にひげを付けたのか「G」をひっくり返した*7のかよく分からない記号、一体これは何が元になっているのか*8さっぱり解らない記号、など好奇心をくすぐる記号が沢山ある。どうしてその記号はその発音を表すのか不思議でならない。

 英語以外にはもっと凄いものもある。「v」のとがった部分に何か付いて*9いたり、「i」とも「j」とも言えない記号、何か付属している記号*10星占いのような記号*11がある。

 一体誰がどういう法則に基づいて作ったのであろう。いくらなんでも思いつきで作ったのではないだろう。自然発生的に出来てきた記号ではないので、朝鮮文字*12のように法則は当然あると思われる。この本*13にはその辺りが書いてあるかも知れない。少し欲しくなってきた。

 発音記号をおもしろがるのは筆者だけではないと思う。ヒカシュー*14というバンドもかつては発音記号でを使ってバンド名を表記していた。ダーバン*15イクシーズ*16というブランドも[ixi:z]と発音記号を思わせるロゴタイプを用いていた。これは発音記号の読み方からすれば「イクシーズ」と読めないので、現在はこのように変えて*17しまった。



*1 発音クリニック:母音・子音の解説
*2 upon
*3 all
*4 up
*5 ship
*6 apple
*7 sing
*8 this
*9 The International Phonetic Alphabet
*10 The International Phonetic Alphabet
*11 The International Phonetic Alphabet
*12 朝鮮文字(ハングル) Korean character
*13 Handbook of the International Phonetic Association
*14 ヒカシュー
*15 Welcome to D'URBAN Web Site
*16 D'URBAN[ブランド紹介]
*17 http://www.durban.co.jp/br_logo/ix_over.gif

010719

 息子が自分の名前の由来を聞いてきた。名前を付けてから9年経過して初めてのことであった。名前を付ける時、色々考えたが、名前に判じ物*1を仕込むというかある由来から名前を付けた。もともと漢字の画数による姓名判断は毛頭信じていない*2ので、名前にこのような工夫をする自由度は十分にあった。名前自体は全く珍しいもの*3ではないので、他の人が見ても何か謂われがあるとは殆ど思わないだろう。

 名前の由来はある程度の教養を身につければ判ると信じている。早ければ中学生ぐらいで気付くだろうし、遅ければ本人が老衰で死ぬ直前に気付くかも知れない。何れにしろ自分の由来が何であるかということに興味が湧かなければ永遠に本人はそれを知ることはない。その第一歩である「自分の名前の由来は何か」という疑問をもってくれた。

 生きていく中である日その由来に気付くことが出来る可能性が出てきた。それを知った時の感動を経験させたいがための仕掛けである。出来れば小さい頃から名前の由来に疑問を漠然と抱いていて、誰に聞くということもなく大人になり、ある日突然何らかのきっかけで自分の名前の由来に気付く、というのが理想であった。由来を聞きにきたこと自体は興味を持っているということが確かめられたので、筆者にとっては都合がいいが、それに応対すれば息子にとっては何か仕掛けてあるということを薄々気付いてしまうので、将来判った時の感動が少し薄まうのではないかと思う。判った時に初めて「仕掛けてあった」と気付くのが一番いい。

「父さん、俺の名前はどうやってつけたの」
「教えんよ、秘密」
「なんでぇ、どうして秘密なの」
「駄目だ、絶対秘密」

 これでは仕掛けてあることが完全にバレてしまっている。突然聞かれたので巧い対応が出来なかった。願わくば、息子にこの会話を忘れてしまって欲しい。しかし彼が何かのきっかけでこの文章を読んでしまえば、また思い出すので更に将来の感動が薄れてしまうだろう。が、もうどうでもよい。父親との知恵比べ程度に思ってくれればよい。



*1 広重
*2 姓名判断
*3 名付け災害撲滅運動

010720

 15年ぐらい前に「Sigue Sigue Sputnik」というポピュラーソングを歌うグループがいた。「ジグ ジグ スパトニック」と読む。この記事を書くに当たってこの「ジグ ジグ スパトニック」の公式サイトを検索サイト*1で探したのだが、なかなか見つからない。うろ覚えで「Sig Sig Sputnik」で検索していた為である。検索しているうちにもしかしたら綴りが間違っているのかと思い「Sige Sige Sputnik*2」で検索してみた。これでは「シゲ シゲ」だなぁ、と思いながら見てみると近いところ*3があった。ここから「Sigue Sigue Sputnik」公式サイト*4に辿り着いた。

 彼らの最初のアルバム*5はジャケットのデザインは日本風である。日本の大型ロボットのアニメーション*6のパロディはこういうもの*7にも受け継がれている。「皆様の夢をかなえます*8」などと日本語で書いてある。どうも筆者はこういうのに惹かれてしまう。

 どんな曲が入っていたのか全く記憶がない。憶えているのは今までのレコードやCDになかった特徴である。それは曲と曲の間に広告らしきものが入っているのである。これ*9を見て頂くと判るが、30秒ぐらいの項目が曲と曲との間に入っている。確かこれは音声だけが入っているはずである。

 Sigue Sigue Sputnikはアルバムの曲間を売りに出してそこを広告などで自由に使って貰うという考えだったと思う。もしかしたらこの企画自体は仮想のもので実際には売り出さなかったかも知れない。それを全部含めて彼らのパフォーマンスだったかもしれない。

 今思うとこの曲間の広告は新聞の記事中やテレビ番組欄の小さな広告とかwebページのバナー広告とよく似ている。



*1 Google
*2 Google 検索: sige sige sputnik
*3 SIGUE SIGUE SPUTNIK
*4 Sigue Sigue Sputnikworld: The official Sigue Sigue Sputnik website index
*5 Sigue Sigue Sputnikworld: album discography
*6 ガンダムパーフェクトウェブ
*7 天久聖一 メカドリル
*8 ジャケット買い
*9 Sigue Sigue Sputnik: Flaunt It

010721

 つげ義春*1の漫画に「初茸がり」という作品*2がある。

 外ではザーザーと雨が降っている。丸刈り頭の正太少年は家の窓から遠くの山を眺めている。「正太、あしたは初茸がりに行こう」とおじいさんが声を掛ける。正太は一雨毎に初茸が大きくなることをおじいさんに教えて貰う。明日の初茸がりが楽しみで仕方がない。

 その夜、正太は明日のことで頭が一杯でなかなか寝付けない。既におじいさんはぐっすりと眠っている。布団の中で目を覚ましている正太には家にある大きな柱時計の振り子の音だけが聞こえてくる。正太はこの振り子の音が気になり出し「どうしてこんな大きな時計があるのだろう」と考える。隣に寝ているおじいさんに聞こうとしても鼻提灯*3を出して寝入っているので起きてくれない。

 次の朝、おじいさんが起きると正太がいない。家の中を探そうとするおじいさんは、大きな柱時計の中でグーグーと寝息を立てながら寝ている正太に気付かない。

 この作品は筆者にとって非常に印象深い作品で、自分の幼少期の感覚がそのまま漫画になっている。初茸*4がりには行ったことがないが、遠足やお祭りの前日などに興奮してなかなか眠れなくなり、ふと気付くと自分だけが闇の世界に取り残されているような気持ちになって、だんだん怖くなってくる経験は何度もあった。それを打ち消そうとしてか別のことが気になり出す。布団の中からの視界にある普段は気にならなかった家の備品が気になってくる。どうして家にはこんなに大きな鏡があるのか。鴨居に飾ってある古いお面は何故あるのか。

 子供の「ものの存在理由の問い掛け」は今考えると自分自身の存在理由の問いかけのような気がしてならない。自分はどこから来たのか。そしてどこへ行くのか。何故、自分はここにいるのか。生死とは何か。子供ながらにこんなことを考えているのではないかと思う。始終考えているのではなく自分が一人になったと思った時に考えるのだろう。特に眠る時、母親などが先に眠ってしまった時がそうである。眠りは実世界から離れ、何かしら「無」の世界に入り込むような感覚である。これは目をつむれば闇になり自分自身も見えないので、世界全体を無と捉えてしまうのだろうか。もしかしたら赤ん坊が寝入る直前にむずかるのは、実世界から取り残される自分を認識しだした証拠なのかも知れない。

 つげ義春*5の「初茸がり」はこんな子供の頃の感覚を思い出させてくれる作品である。



*1 つげ義春
*2 つげ忠男劇場「つげ義春」 つげ忠男はつげ義春の実弟
*3 亀の鼻提灯
*4 初茸(ハツタケ)
*5 つげ義春近影

010722

 普通の感覚から言えば「物」とは目に見えたり触ったり感じたりすることが出来る自分以外の独立した存在である。そういう「物」は細かく見れば分子で構成されていて、その分子は原子で構成されている。目に見える物のうち、「物」とは言わないものは光ぐらいだろう。光だけは分子や原子で出来ていないことが判っている。

 「物」は突き詰めていけば原子で出来ており、その原子は構造の違いから多くの種類が存在する。原子の種類は現在103種類*1が知られており、人間が直接知りうる全ての物はこれら各種類の原子で構成されているはずである。原子を構成する電子*2と原子核、その原子核を構成する陽子や中性子の存在は知られているが、「これがその電子です」と言った具合には提示できない。原子はある程度集まれば実体として認識することが出来るが、その原子の構成要素である電子や陽子や中性子はいくら集まっても実体として見たり触ったりすることは出来ない。

 雷などの放電現象*3は電極間を飛ぶ電子が光っているのではなく、実体である空気分子などが電流によって光って、それを見ているのである。

 ところが原子で構成されていない「物」が存在して、それを見ることが出来るかも知れない。夜空に輝く星*4はその質量によって歩む一生*5が決まっている。太陽の質量の数倍以上の星は赤色巨星になった後、自分自身の重力*6によって押しつぶされ、超新星爆発を起こして粉々に砕けてしまう。爆発後に星の芯を残すものもある。その芯は中性子星であったりブラックホールであったりする。

 ブラックホールは穴だから「物」として見えないだろうが、中性子星は星というぐらいだから見えるだろう。この中性子星はオッペンハイマー*7ボルコフ*8とによって考え出された天体である。質量が太陽ぐらいあるのだが、大きさは半径が10kmしかないので星の密度は1cm立方当たり1000メガトンと相当高くなっている。そのため星を構成する原子はその構造を保つことが出来なくなり、電子は原子核に吸収され陽子が中性子になってしまっている。だから星自体が中性子の塊*9のみたいになっていると考えられている。普通の自ら光を放つ恒星の表面は原子の通常の状態から電子が遊離したイオンと電子とが混在したプラズマ*10という状態であるが、原子核が変化している訳ではないので元々の原子の性質は保っている。ところが中性子星は星自体が原子核の寄せ集め状態なので星を構成していた元々の原子の性質はなくなっている。

 もし中性子星*11の表面の温度が低ければ手で触ることも出来るかもしれない。ただし温度が低くても重力が相当きついので上手く触るに工夫が必要だろう。実際には中性子星と考えられている天体はX線を発しているので相当温度が高いようである。

 このように中性子星は実体がありながら原子で構成されていない。何で出来ているかと言えば中性子で出来ているとしか言い様がないのである。本当に中性子で出来ているのかどうか誰にも分からないが、あるとすれば原子で構成されている「物」の中で暮らす我々にとっては不思議な存在である。



*1 The periodic table of the elements.[元素周期表]
*2 目に見えない小さな粒の世界
*3 History of the Van de Graaff Generator
*4 星の一生
*5 星の分類
*6 大きさの限界
*7 J. Robert Oppenheimer and the Atomic Bombings of Japan
*8 In Memoriam - George Michael Volkoff
*9 1.1 中性子星は超巨大な原子核
*10 What is a plasma ?
*11 Neutron Stars

010723

 「Powers of Ten*1」という映像作品がある。「Powers of Ten」とは10の累乗という意味である。powerというとすぐ「力」と思ってしまうが、累乗、冪(べき)*2という意味もある。力という意味で解してもそれ程間違っている訳でもない。「『10』の威力」でも作品の主題を十分伝えていると思う。

 この作品は人間が用いる基本的な尺度「1m」を始点としてこれをどんどん拡大したり縮小したりするとどんな世界が現れてくるかを映画にした物である。最初にミシガン湖の辺で芝生の上に敷物を敷いて寝ている男性*3が出てくる。傍らには本を読む女性が座っている。カメラは上空に上っていき、その視界の一辺が10m*4になるところまで上がる。この調子で視界の一辺が100m、1000m、10000mと次々と10倍されて最後には宇宙を眺めている*5ような映像になる。ここまで切れ目なく連続的に変化していくのである。そして一気に早回しで「1m」まで戻り、今度は微小世界に入っていく。この映画を初めて見たのは数十年前だった。当時、相当感動して、また見てみたいと思っていたが、現在のところ再び見る機会には恵まれていない。

 この作品は*6としても売られている。擬似的に映像の動きを体験できる「POWERS OF TENハ Flipbook*7」という本もある。パラパラ漫画みたいな本である。筆者が小学生の頃、教科書の角の部分に少しずつ違う絵を描いていき、ページの角を親指で擦りながらペラペラ素早くめくっていくと絵が動いているように見えるのを喜んでやっていた。最近、久しぶりに同じような物*8を作った。この Flipbookはこれらと同じである。

 実際にこの本をパラパラやってみると10+25mの世界から10-13mの世界まで5秒程度で体験できる。

 この「Powers of Ten」で思い出すのは日本最初の民間放送局*9であるCBC*10の放送終了時に流されていた映像である。現在も流されているかどうかは分からない。その映像は絵本に出てくるような絵で描かれていた。最初にベッドに寝ている子供が出てきて、カメラがどんどん上昇していくのである。カメラが上がっていくと窓から子供が寝ているのが見える家が映る。更に上がっていくと街全体が映し出され、日本、地球が映り、やがて宇宙全体が映る。後ろに流されていた音楽は番組終了にふさわしく、バイオリンで奏でられた物凄く暗い曲であった。

 これを見るとこの世の終わりのような気がして、少し怖かった。



*1 Powers of 10.com
*2 巾
*3 We see the picnic at the scale we know best, the scale of human companionship.
*4 We see the picnickers from 10 meters away, framed by the park grass.
*5 Distant galaxies are strung out in clusters that appear as sprinklings of dust.
*6 宇宙・人間・素粒子をめぐる大きさの旅
*7 Powers of 10 Flipbook
*8 zakkisouS.gif
*9 JOAR
*10 中部日本放送

010724

 駅弁は電車で旅行する時に旅の楽しみを増幅させる品目の一つである。原作 久住昌之*1 作画 泉晴紀「ダンドリ君*2」という漫画で電車で弁当を食べる「段取り」を主題とした物があった。これを読むと駅弁は普通の食事とは違う楽しみ方があることが分かる。

 名古屋駅に「とり御飯*3」という駅弁がある。名古屋と言えば名古屋コーチン*4である。弁当の鶏肉に名古屋コーチンを使っているかどうかは判らないが、この弁当は滅法うまい。因みに名古屋地方では鶏肉全般を「かしわ」という。本来、黄鶏(かしわ)*5のことを指すのだが、ブロイラー*6でも「かしわ」という。

 弁当の御飯は鳥そぼろ飯である。醤油と砂糖などで味付けした茶色の鶏肉のそぼろと黄色い卵のそぼろとが味付け御飯の上に綺麗に二色にきちんと分けて乗せてある。これを電車の座席に座りながら綺麗に食べるのは結構苦労する。そういう声が製造者に聞こえたのか、この弁当には箸と「さじ」がついている。

 しかしここでさじを使っていては粋ではない。やはり大人は弁当を食べる時は箸を使うべきである。弁当箱の半分に隙間なくぎっしり詰められた御飯の上にはそぼろが一面に乗っている。これらのそぼろを電車の床や膝の上に落とさずに箸で食べるにはそれなりの「段取り」が必要である。

 まず初めに弁当箱の角の部分にあるそぼろを箸で中の方に寄せて御飯を露出させる。そして箸一掴み分の御飯を食べる。弁当箱の角に箱の底が見えるぐらいの隙間ができれば、後は少しずつ山を崩すようにそぼろと御飯粒とをまぶしながら一箸一箸口にもっていく。こうやって食べればそぼろが箱の外に出ることはなくなる。

 ただし最後には飯粒より細かいそぼろがどうしても残る。これを箸で時間を掛けてちまちま食べるのが、またこの弁当の楽しい味わい方である。大人は絶対にさじを使ってはいけない。



*1 Qusumi's Homepage
*2 泉昌之 (作・久住昌之/画・泉晴紀)
*3 MATSUURA/TORIGOHAN
*4 名古屋コーチン普及協会フレームindex
*5 便利ツール[国語辞典]:かしわ
*6 ブロイラーの経営形態

010725

 デジタルカメラを殆ど使っていない。去年の11月*1に量販店へ朝早く行って並んでまで購入したのだが、現在殆ど使っていない。

 買った当初は持ち歩いたり、見せびらかしたりしていたのだが、最近は全然デジタルカメラを持たなくなった。写真を撮っていない訳ではない。どこかへ出かける時は普通のカメラをもっていく。デジタルカメラは家に置いたままなのである。

 何故そうなってしまったのか。愛用のカメラ*2はリコーのGR1sである。これは去年購入したデジタルカメラに比べると非常に軽いし小さい。先日の小旅行*3でも持っていったのはGR1sであり、このページに掲載した写真*4はフィルムスキャナーで取り込んだ物である。

 インターネットで写真を公開する前提で撮影*5するならば、デジタルカメラはわざわざスキャナーで画像を取り込む必要がないので便利かも知れないが、いつもそうとは限らない。そう考えるとデジタルカメラの出番は殆どなくなってくる。普通のカメラでもスキャナを使えば写真を電子データに変換することが可能だからである。

 それにデジタルカメラは機動性に欠ける。急に使いたい時には充電池が放電し切っているのである。電源を入れると「電池が充電不足」と表示されスイッチが切れてしまう。それに何と言っても使っているうちに電池がすぐ切れてしまう。そして電池自体が重い。それに対して普通のカメラはフィルムさえあればすぐに撮ることが出来る。電池切れになっていることもたまにはあるが、筆者が購入したデジタルカメラ程ではない。フィルムがないという事態は発生する。これはどうしようもない。筆者はフィルムを冷蔵庫の中に何個かいつも入れてあるのでフィルムがないという事態は殆どないが、一般にはそんなことをしている人は少ないと思われる。

 こうやって考えると一般的にカメラに対してそれ程「機動性」が求められてないのだから、充電不足による機動性の欠如はデジタルカメラが有用でない理由にはならないような気がしてきた。

 デジタルカメラで撮った画像を見るにはパソコンやテレビジョン受像器に電線を接続するか、プリンタで印刷するか、インターネットなどでデータを送り*6それを印画紙に焼き付けて貰ったりしなければならない。普通の写真に比べるとまだまだ面倒のような気がしてならない。それにまだ画質も普通の写真よりは劣る。それでもデジタルカメラは売れているようである。一体、他の人はどうやって使いこなしているのだろうか。



*1 デジタルカメラ
*2 GR1s
*3 伊勢神トンネル
*4 isegami1.jpg
*5 遺構探訪
*6 net DPE

010726

 大人が感じる時間と子供が感じる時間*1とでは大きな違いがある。これは子供と大人とを経験している人間なら誰でも感じることである。

 小学生の頃の一週間と大人になってからの一週間の長さは明らかに違う。小学生の頃は夏休みが始まると40日もあるので、夏休みが永遠に続くかのような錯覚に陥っていたものである。そして八月末頃になると永遠が勘違いであることに気付き慌てふためくのであった。大人になると40日と言ってもそれ程長くない。学生の頃でも小学生程ではないが結構長く感じていた。

 どうしてそう感じるのか。生きている時間によって感じる時間の長さが変化してくるのである。これは誰しも感じていることであるが、朦朧としている。こういう物は数式で表現すると何となく判った気になる。ただ、「時間の長さの感覚」は数値として表現しようがないので数式に根拠はない。

 何か絶対的な時間感覚があるとする。大人になってみると子供の時間は大人の時間よりも長いと感じることから歳を取れば取る程短くなる。ただし零にはなることはない。ある程度歳を取ればいつでも一定に感じるだろう。例えば数千年も生きている仙人にとって百年前の一日と今日の一日とは同じ時間感覚だろう。この状態を「絶対的な時間感覚Tabs」としよう。生きている年数をy、時間感覚の函数をTsens(y)、ある定数をaとする。生きている年数yが無限大になればTsens(y)は限りなくTabsに近づく。yが殆ど零の時は赤ん坊の頃だから時間の感覚Tsens(y)はほぼ無限大であろう。これを数式にするのである。

 元々数値などないので方程式は立てられない。色々と数式をいじって上の特徴を持つ数式を作り上げた。最初は

Tsens(y)=Tabs+a/y*Tabs

を思いついた。yが零ならばTsens(y)は無限大であるし、yが無限大ならばTsens(y)はTabsに近づく。しかしこの数式には問題がある。それは絶対的な時間感覚Tabsに年齢による時間感覚a/y*Tabsを加算している形になっていることである。これは何となくしっくりこない。こんな感じではない。時間感覚はこのように明確には分けられない。全体が長くなっているのである。

 そこでこんな数式を考えた。

Tsens(y)=Tabs/(1-a^y)

ここで定数aは0〜1の値をとり、その時間に起こっている出来事が当事者にとってどれだけ影響するかを与える数値である。1に近いほど時間感覚に影響する度合いが高くなる。例えば10歳の当事者にとってどうでもよいことが起こっている時、a=0.1とするとTsens(10)=1.0000000001*Tabsとなる。これが当事者にとって重要な時間で、a=0.9の時はTsens(10)=1.5353*Tabsとなる。ところがa=0.9でも60歳ぐらいになるとTsens(60)=1.002*Tabsとなって、どうでもよい時と殆ど同じになってくる。

 人生経験を積むと楽しいことがあっても辛いことがあっても永遠に続くことはなく絶対的な時間の長さをもって経過すると言うことが理解できるようになる、と言う具合にこの数式は表現している。逆に子供にとっては定数aによっては永遠に続く天国であったり、無限地獄であったりするわけである。

 このページは今日から3年*2目に入る。2年間は長いような短いような時間であった。



*1 時間・周波数標準-計量研究所
*2 目次

010727

 家の近くに大きな池がある。この池は公園として整備されている。市民が心地よくこの公園を利用できるよう看板に注意書きがある。

 犬の糞の始末はちゃんとしてくれとか、ゴルフの練習はするなとか、普通の公園の注意書きによくあるようなことが書いてある。目を惹いたのは「自然の生態系を保護するため、外来種(ブラックバス、ミドリガメなど)を放すのはやめましょう」とあったことだ。

 生態系の保護*1まで考えて注意書きが書かれているなんて地方自治体の活動としては珍しいことのように思えたので、少し感心した。この池は元々灌漑用に作られた人工池である。作られたのは江戸時代よりも前らしい。人間が自然に手を加えて池を作っているのだから数百年前であっても作った当時は生態系に大きく影響を及ぼしているのである。しかしそうは言ってもそれが数百年経ってしまえば、自然と言ってもいいのであろう。源流から流れ込んできた水棲生物がこの池で繁殖して、人工池ではあるが現在は自然そのものとなった。

 そして何のためなのか判然としないが、現在はこの池の周りに舗装した歩道を造り、柵などを施して池を整備した。池の護岸のためなのか池の全周はコンクリートで固められている。

 ところが池の岸辺がコンクリートになっているとメダカや亀などは繁殖ができない。

 看板に書いてある文言と池に施していることがこれだけ矛盾するのも珍しい。



*1 (財)日本生態系協会

010728

 「電子」には色々な意味がある。もともと電子とは物質を構成する基本粒子の一つで負の電荷を持つものをいう。しかし一般には電子工学*1や電子技術の省略形として使うことが多い。更には電子工学の応用から出現した電子計算機を用いた情報工学*2、計算機工学の意味として「電子」を使う場合もある。

 「電子」が付く言葉には色々なものがある。

 電子顕微鏡*3、ブラウン管などに使われる電子銃 、電子ビーム、電子レンジ*4など。これらは基本粒子である電子そのものを利用した装置である。電子そのものを利用すると言っても電気の根元は電子*5なので、電気現象を扱った事象は全て電子そのものが関連している。上記の場合は粒子としての電子*6を粒子として扱った場合である。つまり電流の担い手として電子を使っている訳ではない。

 電子レンジの場合は電子そのもので食品を調理する訳ではない。マイクロ波と呼ばれる電磁波*7で食品に含まれる水を加熱する。このマイクロ波を発生させるのはマグネトロン*8と呼ばれる装置である。この装置は電子を電流として利用しているのではなく、電子が円周状に回転すると電磁波を発生するという現象を用いている。一般に電子と電磁波とが同じような物と思われ易いが、電子は粒子であって、電磁波は読んで字の如く波なので全く別物である。ただし両者は非常に密接に関連しあっている。電子が曲がったり急に動き出したり止まったりすれば電磁波が発生するし、電磁波によって原子から電子が飛び出したりする。

 電子計算機、電子頭脳*9電子シャッター*10電子戦隊デンジマン*11など。これらに付いている「電子」は「電子工学を応用した」という言葉を省略したものである。

 電子メール、電子出版、電子化など。これらの言葉は情報工学の意味で使われている。

 最近よく使われるこの「電子」という言葉の語源*12がどうしても判らない。「電子」と「語源」とで検索*13してみると「情報」を意味する「電子」が邪魔をして的確な情報になかなか辿り着けない。

 江戸時代には電子という言葉はなかった。電子が発見されたのは1889年なので、どう考えても明治以降だろう。意外なことに大漢和*14には「電子」という熟語が掲載されていない。「電氣」は載っている。「子」は「小さな粒」という意味であるから、電子の由来が「電気の粒子」というのは容易に想像できる。恐らく「原子」の対の言葉として明治時代の学者が何となく使い出したのであろう。電気学会*15などの古い論文誌を調べれば判るかも知れない。

 筆者としては寺田寅彦*16が作った言葉であると何となく嬉しい。



*1 IEICE TOP PAGE
*2 情報・システムソサイエティ
*3 原子間力顕微鏡
*4 電子レンジの故障
*5 電流と電子
*6 deBroglie
*7 電子レンジの基礎知識
*8 マイクロ波
*9 電子頭脳映画史
*10 プログラマブルシャッターカメラ
*11 デンジマン 出演者のご子息が運営するページ
*12 印度人もびっくり
*13 Google 検索語句: 電子+語源
*14 諸橋大漢和
*15 電気学会ホームページ
*16 善い行い

010729

 動物や植物の分類は人間が勝手に決めた事である。同じ分類分野*1だからといって大雑把なところは大体同じと言うことは必ずしも言えない場合がある。

 軟骨魚類の一種である鮫はその種類によっては子供の生み方が全然違う*2。普通の魚類は卵生が多いような気がするが、鮫は母体の腹の中で卵が孵る卵胎生が多い。卵胎生になるためには受精を雌の体内で行わなければならない。従って鮫は交尾をする。確か鮫という漢字は「交尾をする魚」と言うところからきている。

 卵胎生が多いだけで交尾をして受精後に外に生み出された卵から生まれる卵生の鮫*3もいる。トラザメは卵から孵るのに1年近くかかるらしい。更に母体の子宮の中で臍の緒から栄養を母体から取り入れて成長する哺乳類のような生まれ方をする胎生の鮫*4もいる。胎生であるが、臍の緒を持たず、子宮内に次々と排出される未受精の卵を子宮内の赤ん坊鮫が食べる方式の鮫もいるらしい。

 子供の生み方などはその動物にとっては基本的なことのような気がするが、親戚関係の種類で色々とやり方を変えているのは何とも不思議な感じである。人間に例えれば、ニホンザルは卵生でゴリラ*5は卵胎生といった異様な世界が繰り広げられているようなものである。



*1 世界のサメ全種分類表
*2 南風
*3 トラザメの誕生
*4 胎生のサメがいるって聞きましたが、胎生なのに魚なの?
*5 ゴリラゴリラ

010730

 今日から家族が一人増えた。女児である。体重は2630gで身長48cmであった。母子ともに健康である。名前*1はまだない。



*1 名前の由来

010731

 科学用語で「子」が付いた言葉が沢山ある。「小さな粒」という意味で使われている。原子はこれ以上分割できない粒、元となる粒という意味である。「元子」でもよさそうだが、原子である。分子は分かれた粒という意味だろうか。原子にしても分子にしても元々は中国語にも日本語にもなかった言葉だろうから、atom*1molecule*2から作った言葉だろう。

 電子は電気の粒、光子は光の粒、音子*3は音の粒、磁子は磁石の粒、核子は原子核を構成する粒である。英語にするとそれぞれelectron、photon、phonon、magneton、nuceleonと粒を表す「-on*4」が付いている。この「-on」はイオンから*5らしい。原子や分子と違って日本語と西洋語の対応が上手く取れている。

 陽子、中性子、中間子、量子は電子や光子などのように直感的な語源ではなく少々複雑になってくる。陽子はprotonの訳語として出来た言葉である。proton*6ラザフォード*7が作った言葉でギリシャ語の第一という意味のprotosに粒子を表す「on」を付けたもので、究極の粒子として名付けた*8ようだ。中国語でもそうかも知れないが、日本語ではこれを「陽子」という。「陽」には「第一」という意味はない。恐らく陰極線から発見された負の電荷を持つ電子を「陰」として、それに対して正の電荷を持つ粒子、即ち陽極もしくは陽極線の粒子*9で「陽子」としたのだろう。物理学名用語として大漢和には掲載されていない*10。電子が「陰子」にならなかったのはelectronを直訳したためだろうが、protonは適切な訳語が見つからなかったためか、かなり意訳されている。電子と陽子は電気的に対称になっているのに訳語は対称にならなかった。結果的には電子にも陽子にも対称的な反粒子がある*11ことが後に判ってきたのでこれはこれでよかったかもしれない。

 中性子は電荷を持たない中性的な粒子であろう。これは直訳*12である。中間子は湯川秀樹*13が作った言葉なのだろうか。そうするとmeson*14は日本語を訳して出来た言葉になる。初めのうちはyukonとかmesotron*15と呼ばれていたようだ。mesotronが省略されて現在はmeson*16と呼ばれるようになったらしい。

 量子はquantum*17の直訳である。特に粒というわけではないが、「子」が付けられている。



*1 atom. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*2 molecule. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*3 phonon - encyclopedia article from Britannica.com
*4 -on 1. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*5 ion. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*6 proton. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*7 Biography of Ernest Rutherford
*8 第三章 分子と化合物
*9 第三章 分子と化合物
*10 電子の意味
*11 Subatomic Particles. The American Heritage Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*12 neutron. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*13 YukawaとFermi
*14 meson. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*15 xrefer - Anderson, Carl David (1905 - 1991)
*16 The development of modern theory - Britannica.com
*17 quantum. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.



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