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0209雑記草
020902ニキシー管*1のあとに蛍光表示管*2と呼ばれる数字表示装置が出てきた。数字の色は青緑色でニキシー管の橙色に比べて涼しい感じ*3がする。蛍光表示管では時計を作ろうという気はなかなか起きない。それはニキシー管と違って蛍光表示管は現在でも様々なところで使用*4され続けているので、懐古趣味には合わないのである。ただ、電卓の数字表示では殆ど見かける*5ことがなくなった。
蛍光表示管が光る原理は全く違う*6。ニキシー管*7は放電によって封入されたガスが電極の付近で発光する。蛍光表示管はガスが光るのではなく、数字の形に塗られた蛍光体がヒーターから放出された電子の衝突によって光る。ニキシー管では電極の形で表示される図形が決まるが、蛍光表示管では蛍光体の塗られた形で決まるので、こちらの方が表示図形が豊富に描ける。気圧の低いガスを電子で光らせるのではなく、圧倒的に気体より密度が高い固体の蛍光体を光らせるので電子のエネルギーは小さくて済む。蛍光表示管が動作する電圧*8はニキシー管の100V以上に対して、12〜40V程度で済む。
この蛍光管は日本で発明された*8らしい。この記事を書くに当たって初めて知った。中村正*9氏が発明した。
しかしよく読んでみるとどうもしっくり来ない。このページを読んでみる*10と「世界で初めて『蛍光表示管』という表示デバイスの開発に成功」と書いてある。全く新規な工業製品が世に出る迄の流れは「発明」があって、それを基に「開発」して、製品を「設計」し、「生産」して、「販売」である。「開発」というと「発明」を少し具体化する事と普通は捉えられる。「発明」しないと「開発」出来ない。何もないところから出発する発明の方が遙かに難しい。「発明」という言葉を使わずに敢えて「開発に成功した」としたのは何か意図があるのだろうか。
蛍光表示板の基本的な構造はテレビジョン受像器などに使われるブラウン管の構造*11と殆ど同じである。蛍光表示管は偏向板がないだけである。ブラウン管は蛍光体に電子が入射してくる側の反対側で図形を表示するようになっているが、蛍光表示管は電子が入射する側で図形を表示する様にっている。蛍光表示管の基本は全てブラウン管に含まれている。
つまり数字表示装置としてブラウン管を特化させたのが蛍光表示管なので、基本的な発明にならないのかもしれない。表示装置として発明は発明でも基本的な発明ではないので、自らは「発明」と言わず「開発」としているのは日本の技術者の謙虚なところである。
*1 ニキシー管
*2 双葉電子工業株式会社/製品情報/蛍光表示管/VFDアプリケーションノート
*3 色彩の心理的効果 〜色彩の心理的効果〜
*4 ノリタケ伊勢電子の製品(概要)
*5 http://www.hpmuseum.org/9100pr.jpg
*6 APF102 蛍光表示管の原理と構造
*7 Counting & display tubes
*8 蛍光表示管 FAQコーナー
*9 蛍光表示管の歴史
*10 中村会長の部屋
*11 静電偏向形ブラウン管の構造
020903安井仲治(やすいなかじ)*1と言う写真家の写真が好きである。1903年生まれ。1942年没す。
写真集はあまり世に出ていなくて、筆者が持っているのは新潮社*2のフォトミュゼシリーズ「安井仲治−モダニズムを駈けぬけた天才写真家」とフォトプラネット社の写真雑誌deja-vu第12号「特集: 安井仲治と1930年代」との二冊である。
新潮社のフォトミュゼはなくなってしまった。最近、本その物が売れない中、新潮社は写真集事業から撤退してしまった*3らしい。
彼の代表作に「流氓(りゅうぼう)ユダヤ」がある。流氓の「氓」は「外来の民」という意味である。1941年頃、ポーランドから亡命して神戸に一時居留していた人々を主題とした連作である。このユダヤ人達は杉原千畝(ちうね)*4が発行したビザで日本へ一時入国した人々ではないかと推論する人*5がいる。時期から考えると*6恐らくそうなのであろう。
この写真が好きになったきっかけではない。1931年の作品に「斧と鎌」というのがある。花崗岩の石段に古ぼけた斧と鎌とが並べて立てかけてあるだけの写真である。斧と鎌の柄は真っ直ぐだが、太陽の光で出来たその影は石段に従って折れ曲がっている。この対比と構図の発想が面白くて、気に入ってしまった。
もう一つ好きな作品がある。1938年の「海辺」である。写真は縦長になっている。海に向かって突き出た木製の桟橋に鉄道が敷かれていて、写真の下、手前で分岐し複線となって桟橋の先に向かっている。その先で数人の子供が釣りか何かをしている。子供達は影にしか見えない。海にはヨットのような舟が四艘浮かんでいて、空はどんよりと曇っている。
いつもこんな感じのスナップ写真が撮りたいと思っているが、撮れた試しがない。
*1 安井仲治
*2 新潮社ホームページ【Web新潮】
*3 vol.49 ブックオフと光琳社
*4 八百津町ホームページ
*5 安井仲治が撮った「命のビザ」のユダヤ人
*6 命のビザ−運命の50日間
020904最近、「弊社はISO9000*1を取得しました」とか「ISO14001*2を取得し環境への取り組みに努力しています」という文言をよく見かける。
ISOといえばフィルムの「ISO50*3」「ISO400」といった感度*4やISOねじ*5ぐらいしか見かけなかった。フィルム感度はかつてはASA感度*6と呼んでいた。
ISOは「イソ」と読む人も多いが、「アイ・エス・オウ」と英語式に呼んだ方が一般的である。
ISO*7は国際標準化機構だからWHO*8(World Health Organization)のようにInternational Standardization Organizationの頭文字だと思っていた。
ISOは英語で書くと「International Organization for Standardization」、フランス語ならば「Organisation internationale de normalisation」、ドイツ語ならば「Internationale Organisation fü r Standardisierung」、日本語なら「国際標準化機構」である。どの言語でも頭文字は「ISO」になっていない。
ISO*9はギリシャ語で「等しい」を意味する「isos」が由来らしい。「等しい」という言葉から「標準」を連想して組織の名前として「ISO」が選ばれたと書いてあるが、ISOの発祥はイギリスなので「International Organization for Standardization」の頭文字から「isos」を「標準」として連想することは容易だったのだろう。フランス語や日本語だったら無理である。
組織名の略称が「ISO」であるもう一つの理由は、どの言語でも略称として「ISO」と表示出来るようにしたらしい。これで英語の頭文字と注釈する必要はなくなるし、各言語での略称の表示もなくなる。「国標機」とか「KHK*10(Kokusai Hyoujunka Kikou)」とかの表示もなくなり、組織名は世界中どこでも「ISO」一つで表示される。
*1 (財)日本適合性認定協会 ISO9000とは
*2 (財)日本適合性認定協会 ISO14001とは
*3 SCSI
*4 フィルムの感度ってなあに?
*5 −− ねじ学びのコーナ Vol 5 −−
*6 コダック:フィルムの選択:感度
*7 ISO - International Organization for Standardization
*8 World Health Organization
*9 ISO - International Organization for Standardization - What is ISO?
*10 ローマ字の略語
020905小学生の頃に上級生から教わった替え歌を忽然と思い出した。「七夕さま*1」の替え歌である。しかし完全な状態では思い出せない。
ささのはさーらさら
ナイロンパンツすきとおる
そーれをみた○○(からかう相手などの名前)は
・・・・・・最後の部分が思い出せない。「わいわい踊っとる」だったような気もする。
ナイロンパンツとはナイロン製のズボンのこと*2ではない。当時、ズボンのことを「パンツ」と称する風習はなかった。今でも小学生にとって「パンツ」とは下着のそれのみを指して、ズボンのことではない。
それにしても何故「ナイロンパンツ」なのだろう。只のパンツでもいいような機がするが、語呂合わせのために「ナイロン*3」を入れたのだろうか。
当時の価値観としてはパンツその物*4が見えればよかったような気がする。それから更に進んでパンツが「透き通る」のである。かなり過激な歌詞と言える。ハレンチ学園*5の影響だったのだろうか。絹の下着でも透き通るだろうが、小学生の発想には「絹」はなかった。
やはりナイロン製でないと駄目なのだろう。
*1 たなばた
*2 massive2°ナイロンパンツ
*3 繊維の種類
*4 トリンプインターナショナルジャパン株式会社 Triumph International (Japan), LTD.
*5 ポンポン
020906インターネットでスイスの略号が「ch」であることをつい最近知った。
インターネットの上でサイトのページなどのファイルが保存されているサ場所を示すURLに「ドメイン*1」と呼ばれる部分がある。
http://www.zakkisou.com/zakkisou/zakkisou.html
ならば、「cool.ne.jp」がドメインになる。ドメインは更に三つの部分に分類さる。「jp」の部分はトップレベルドメイン*2と呼ばれる。このトップレベルドメインが2文字の場合は国を識別する符号*3になっている。日本ならば「jp」、スイスならば「ch」、中国ならば「cn」、アンドラ公国*4ならば「ad」となる。
海外のサイトを調べていて時々トップドメインが「ch」のページを見かけた時、なぜ中国に英語で書かれたページがあるのか不思議であった。そしてそのページの内容は中国とは全く関係がない。勝手に「ch」を中国の符号だと思っていた。
先日の記事*5を書いていた時でも、ISO関連のページなのに何故「中国」なのか不思議だった。
「ch」はラテン語*6「Confoederatio Helvetica*7」の頭文字らしい。スイス*8は公用語が四つ*9あり、それぞれ自国を表す単語の綴りが違っているためこの名前を採用したらしい。
confoederatioは「連邦*10」という意味。Helveticaは「ヘルベチア人の国の*11」と言う意味らしい。Helvetia*12 が「ヘルベチア人」で、Helveticusは「ヘルベチア人の国の」という意味の形容詞の男性形、Helveticaはそれの女性形のようである。ラテン語は形容詞の形が修飾する名詞の性、格、数と対応*13していなければいけないらしい。従ってconfoederatioは女性名詞と言うことになる。
Japonica*14とかBritannica*15という単語もHelveticaと同じような成り立ちのようだ。更にAmericaやAfricaも同類*16らしい。
*1 ドメイン名
*2 ドメイン
*3 Some Codes from ISO 3166
*4 小さな国
*5 ISO
*6 ラテン語
*7 スイスはどうして ch なのか。 では中国は何か。
*8 スイス連邦(Swiss Confederation)
*9 Confoederatio Helvetica: Schweizerische Eidgenossenschaft - Confédération Suisse - Confederazione Svizzera - Confederaziun svizra - Swiss Confederation
*10 スイス政府観光局
*11 世界の道と街角から〜スイスアルプス番外編 2
*12 Commentarii De Bello Gallico
*13 ラテン語愛好会 形容詞:その1
*14 モクズガニ
*15 Encyclopædia Britannica
*16 ラテン語愛好会 形容詞:その2
020907「文章力*1」という言葉がどうも気に入らない。自分に文章による表現能力やその文章を構成する能力がないと思っているから「文章力」という言葉が気に食わないのではない。「文章力」という言葉そのものが嫌なのである。
この「文章力」という言葉はいつ頃からある言葉だろうか。10年前にはなかったような気がする。新しい言葉だから気に入らない、と言うわけでもない。言葉の成り立ちが論理的でないからである。古い言葉はたとえ論理的でなくともその言葉に意味が染み込んでしまっているので違和感はない。山とか川を何故「やま」「かわ」というのか理由はよく判らないが、納得してしまっている。
例えば「高川」という言葉を作ったとする。意味は「『高い』山の麓が源流となっている流れの速い『川』」としたらどうであろう。一般名詞としては不適当である。何故ならその意味が論理的に導き出せないからである。
新しい言葉は既存の言葉の組み合わせしかあり得ない。そうでないと定着しない。固有名詞で全く新しい音のつながりでも定着することがあるが、これは既存の言葉と何となく似ている場合ぐらいしかないだろう。一般名詞ではこうはいかない。
文章力の意味は論理的には類推出来ない。「文章」という言葉を「動作を表す言葉」として使う習慣がないからである。従って意味が判然としない。恐らく「文章を書く能力」という意味だろう。しかし小学1年生が作文する能力を「文章力」とは表現しないだろうから、ただ単に日本語の文章が書けると言う意味ではない。
「文章」と「力」とを組み合わせて出来た言葉の意味を定義した時に論理の飛躍がある。「高川」の例と同じだ。「文章」を「文章を書くこと」と言う意味に捉えなければならない。短い単語の中に論理の飛躍があると、もう論理的には意味を理解することはできない。「無洗米*2」と同じである。「無洗」を「洗わなくてもいい」とするのは無理がある。
「老人力*3」という言葉は赤瀬川原平*4が作った。これは「老人」という動作を表していない単語と「力」とを組み合わせる面白さも狙って作ったのだと思う。「文書力」という言葉には面白みのかけらもない。
ある日「馬鹿力」という言葉を見かけた。「老人力」「文章力」の次は「馬鹿力(ばかりょく)」か、と思ってしまった。「ばかぢから」は「あきれるくらいの力」であって「馬鹿さを露呈する能力(勢い)」ではなかった。
馬鹿力を少し発揮してしまった。
*1 Google 検索: 文章力
*2 無洗米
*3 この10年
*4 日本銀行券
020908斎藤*1孝の「理想の国語教科書*2」に小林秀雄*3の「人形」という随筆が取り上げられていた。
この「人形」という随筆は、小林秀雄が大阪行きの急行の食堂車で出会った老人夫婦の話である。この老人夫婦は古ぼけた大きめの人形を同伴させて小林の前の空席に座った。そこで人形に食べさせる真似をしながら進行していく老夫婦の食事の様子が描かれていた。
小林は人形を老夫婦が戦争で亡くした一人息子ではないかと想像していた。異様な食事を自然にこなす老夫婦を見ながら小林は「周囲の浅はかな好奇心とずい分戦わなければならなかっただろう」と考える。老夫婦の真実は読者にも小林にも計り知れないが、子供を亡くした夫婦の深い悲しみはその当事者でないと本当に理解できないというのは解ってくる。
筆者が学生時代に伊豆の方へ旅行に行った時、中年か初老の夫婦とすれ違った。その夫婦は赤ん坊の人形を大事そうに抱いていた。それを見た時、何とも言えない異様な気分になったことを憶えている。
随筆の中で途中から女子大生が登場してくる。老夫婦と小林とこの彼女は食事中一切言葉を交わさない。小林は女子大生も自分と同じように老夫婦の悲しみを一瞬に悟ったに違いないと書いている。
当時学生であった筆者の場合は「悲しみ」ではなく「気味悪さ」だけであった。しかし今、子供を持ってみて、かつて伊豆ですれ違った夫婦を思い出すと全く違う。子供に先立たれた親の悲しみは親になってみないとやはり全く解らない。
この随筆を読んでしみじみと思った。
*1 斎藤と斉藤
*2 『理想の国語教科書』 齋藤孝 著(文藝春秋,2002,¥1,238)
*3 小林秀雄全集
020909ハワイ旅行のお土産でマカダミアナッツ*1入りのチョコレートを頂いた。「Hawaiian Host*2」というハワイの土産物として最も有名なチョコレートである。チョコレートが大好きなので大変嬉しかった。加えてマカダミアナッツも好きなので、このお土産はいくつ貰ってもいい。
チョコレートが好きだからといって何でもよい、と言うわけではない。ホワイトチョコレート*3は苦手である。全く食べられないわけではないが、一かけら食べれば十分である。ヌガー入り*4もあまり好きではない。ヨーロッパのチョコレートの詰め合わせでペパーミント味が時々入っているが、これも駄目である。
頂いたチョコレートの箱の裏を何気なく見ていると「Mamoru Takitani」という日本人らしき名前が書いてある。この人が50年以上前にこの旨いチョコレートを発明した*5らしい。写真を見るとまさしく日本人*6である。
Takitani氏は1912年に山口県で生まれた*7らしい。その後ハワイに移民したようだ。1965年、Hawaiian Host社を設立し、1993年にはTakitani基金*8を設立した。
だから日本人の味覚に合ったチョコレートが出来上がったのだろうか。ハワイは色々なところで意外に日本とのつながり*9がある。
*1 Macadamia Nuts from Hawaiian Exports | exotic gifts and products from the Hawaiian Islands, including silver and gold jewelry, body lotions, coffee, apparel, sugar, and more.
*2 Hawaiian Host Chocolates, Inc. : Hawaii's Chocolate Covered Macadamia Nuts : Aloha from Hawaiian Host
*3 パパが作るホワイトチョコレート
*4 チロルチョコレート
*5 Hawaiian Host Chocolates, Inc. : Hawaii's Chocolate Covered Macadamia Nuts : The Story of Hawaiian Host
*6 Hawaiian Host Chocolates, Inc. : Hawaii's Chocolate Covered Macadamia Nuts : About Hawaiian Host Chocolates
*7 The Takitani Foundation: LEGACY
*8 The Takitani Foundation: HOME
*9 アロハオエ
020910バターココナツという菓子があった。今でもあるが、このバターココナツを作った会社は今年の7月に倒産*1してしまったらしい。この会社は1923年創業である。日清製菓という社名であったが、倒産直前に「ワールドフーズ」に社名変更している。
バターココナツ自体は他社に事業が引き渡されて、製造販売が続けられているらしい。
バターココナツと言えば、モンドセレクション*2である。モンドセレクション*3というのは世界の食品品評会のことで、バターココナツはモンドセレクションの金賞を何度も取っていたようだ。一時期、バターココナツの包装紙には金メダルが何個か印刷してあったような記憶がある。
子供にとってモンドセレクションの金賞だろうが、何だろうが味には関係なかった。しかし金メダル自体はどんな賞であろうと直接的に子供の心に訴えることができた。何か知らないけど金メダルを取っているから凄いなぁ、それにしてもバターココナツは美味いな、といった具合に別々に考えていた。大人になるとこうはいかない。背景や歴史などで味はどんどん変わってくる。
大和製菓「味カレー*4」という菓子がある。かっぱえびせん*5をカレー味にしたような菓子である。この菓子の存在を大人になってから知った。包装をしげしげと眺めてみると「第18回全国菓子大博覧会大臣賞受賞*6」と書いてある。どうしてもこの受賞歴と一緒に菓子を味わってしまう。ただし全国菓子大博覧会というのを見たことも聞いたこともないので、何となく胡散臭い品評会の様な気がしていた。もしかしたら大和製菓主催の博覧会かもしれない。これでは一緒に味わうどころか逆効果である。
調べてみると4年に一度の開催で100年近くの歴史*7がある。モンドセレクションは1961年からだから、これよりも歴史が長い。それに4年に一度というのも何となく重みがある。その都度の大臣賞よりも美味い菓子を作るには4年はかかるはず、という博覧会姿勢がこの賞の凄さを感じる。
博覧会のことを知った今、急に「味カレー」が抜群の美味さに思えてきた。
*1 懐かしの「バターココナツ」消える!?
*2 Monde Selection
*3 モンドセレクション
*4 3047大和製菓
*5 +++++ calbee internet site !! +++++
*6 味カレー
*7 お菓子の博覧会
020911名古屋及びその周辺地区では面子(めんこ)のことを「しょうや」と称した。最近は子供達が「しょうや」をやる姿を全く見かけなくなったので、おそらく「しょうや」という言葉は死んでしまったに違いない。
テレビジョンなどの普及によって、昭和40年代の子供達は「しょうや」が標準語もしくは東京弁で「めんこ」ということは知っていた。しかし如何にも「めんこ」という言葉の響きが軟弱であったので、「めんこ」という者はいなかった。
「しょうや」は「庄屋」と同じように読む。「しょうや」は地面に並べて打ち合う遊技そのものを指す場合と、長方形の小さな面子*1を指す場合とがあった。丸いもの*2は「丸ぱん」と称していた。「丸ぱん」の中で大型のものを特に「でかぱん」と言った。「しょうや」よりも二回りぐらい大きな長方形のもの*3は「ぶとぱん」と言った。これは紙の厚さが3倍ぐらいあったので「太い」から「ぶとぱん」だったのだと思われる。これらの名称は隣の学校になると少し違った名前になったりしたが、「しょうや」はどこでも共通だった。
遊技の勝敗によって面子の授受があったので学校によっては「しょうや禁止令」が発令されていた。筆者は特にのめり込んでいなかったが、祖父に「しょうや」を駄菓子屋でねだって買って貰った記憶がある。「しょうや」にろうそくの蝋を塗り込み重量を重くしてひっくり返らないように工夫したこともあった。それぐらい流行った時期もあった。
幼少の頃は「しょうや」という言葉に何ら違和感を感じなかったのだが、「庄屋」という言葉を学校で習いだしてから何となく気になり出した。
何故、名古屋では面子のことを「しょうや」と言ったのだろうか。語源の見当が皆目付かない。語源は「庄屋」ではないかと思っていたが、面子と庄屋とはどう考えてもつながりがない。
もっと古い言い方では「しょうやこ」と言ったらしい。昔の絵柄は庄屋、猟師、軍人などだったようだ。もしかしてこの庄屋の絵柄が代表的であったため面子そのものの名前になったのだろうか。
*1 アトムメンコシート3
*2 昔なつかしい民芸、伝統玩具販売(おもちゃ)-面子・めんこ
*3 鉄人28号金色厚メンコ
020912親戚の家で子供達が人生ゲーム*1をするのを見ていたら、別のゲームのことを思い出した。小学生の頃は友達の家に遊びに行ってはよく人生ゲームをやっていた。そして他の友達の家には人生ゲームではなく「ニューバンカース」という投機ゲームがあり、学校帰りに立ち寄ってはそのゲームをやっていた。
思い出した別のゲームというのは「ニューバンカース*2」のことである。人生ゲームのデザインは丁度その時代における現代的なものであったが、「ニューバンカース」の方は当時から更に10年ぐらい遡った時代の絵柄であった。大昔の小学校に掲示してある教育用ポスターに使われていそうな雰囲気の絵柄*3であった。これが逆に玄人っぽさを演出しているようで、筆者は結構気に入っていた。
この「ニューバンカース」が欲しくなったが、圧倒的に有名な人生ゲームとは違い、やはり消えてなくなっているようだ。「バンカース*4」というゲームがあるようだが、絵柄が変わってしまっている。ただしゲームの内容は同じらしい。
何処か*5で「ニューバンカース」を復刻してくれないかなぁ。
*1 人生ゲーム
*2 おもちゃ7 ニューバンカース
*3 【 教 育 幻 燈 機 】教育用スライド「女性はどんな特色を持っているか 前編・後編」「純性教育 1」から。
*4 Game Vol.1
*5 tanomi.com(たのみこむ)
020913ついに中国語以外の外国語を由来とする地名が出てきた。俗称*1や駅名*2などではいくらでもあるが、地方自治体の正式名称では初めてだろう。
京都、東京、岐阜などは中国語が基になっている。「南アルプス市*3」のアルプスはラテン語である。以前に日本の地名の外来語化は時間の問題ではないか*4と書いたことがあったが、こんなに早く現実化するとは思わなかった。ただし、以前に書いたのは既存地名の外来語化だった。
西東京市やさいたま市、東大阪市、東広島市などの安直でにべもない市名に比べれば、ましな方だが、ましなだけでやはりもう少し考えて欲しいと思う。市名を決定するのに市民の意見などは大きく反映する必要はない。民衆というのは「文章力」や「無洗米」*5というような言葉を平気で作り出してしまうのである。市民の意見などは参考程度にしておいて、地域の識者の意見で決めるべきである。
普通に考えたら巨摩市、中巨摩市、峡西市だろう。隣の韮崎市には粋な方法で新町名を作り出した清哲町*6という町がある。こういうのも参考にして欲しかった。地名は文化なのでアスファルトの道路を造るのと同じ様な感覚で新市名を作るのは止めておいた方がいい。
*1 スペイン坂スタジオのぞき穴
*2 日本ライン今渡駅
*3 南アルプス市
*4 武蔵国のビターバレー
*5 文章力
*6 合成地名
020914最近買い換えた自動車*1の燃費*2が悪過ぎる。10.15モード燃費が9.8km/lなので通常走行ならばだいたい8掛けで、7.8km/lぐらいのつもりでいたが、6.8km/lぐらいしかいかない。ハイオク指定だから燃費が低いのは出費が辛い。しかも燃料タンクは63リットルしか入らないので、給油をしょっちゅうしなければならない。
何とかして燃費を上げたい。車体のアースを確実にすると燃費が向上するという噂がある。巷では「アーシング*3」というらしい。
電気用語で接地のことを「アース」という。英語で地球を意味する「earth*4」である。アースがないと電気機器が漏電した場合、それに触ると電流が鉄で出来た筐体から人体を通って大地に流れるので感電する。予め筐体と大地がアース線で結ばれていれば、漏電しても人体には電気は流れない。銅などの金属で出来たアース線の方が人体よりも電気が格段に通りやすいからである。家庭に配電されている交流は感電防止のためにもともと近くの電柱でアースされている。例えば電子レンジや洗濯機が漏電すると電流は予め取り付けられたアース線から地面を通って電柱のアースに戻る様になっているのである。この「アース」の場合、「漏電」という事故が起こった時だけ、電気が流れる。
電気関連の「アース」にはもう一つ意味がある。回路を流れてきた電気を電源に戻す経路という意味に使う。この「アース」は電気回路が動作すれば常に電気が流れている「アース」である。
自動車の車体は鉄で出来ている。鉄で出来ているので電気がよく通る。自動車の中で電気配線をする時に自動車の車体を電気の戻りの経路にしておけば、プラスの配線だけして、戻りであるマイナスは近くに鉄が露出している車体に直接つなげるだけで電気配線が完了する。これは自転車でもオートバイでも同じである。車体は漏電した時にだけ電気が流れるアースではなく、常に電気が流れるアースである。
従ってもともと車体はアースされているので、車体のアースを確実にすることを「アーシング」というのはちょっと変である。ただearth*5には動詞としての用法もあるので「earthing」は間違いではない。
車体ではなく銅線などを使って直接バッテリーに電気を戻すようにすれば、全体の電気抵抗が小さくなりヘッドライトや室内灯がほんの少し明るくなるのは納得出来る。しかしこれによって燃費が向上するのはどういう理由なのだろうか。ガソリンの点火は点火プラグで行われる*6。エンジンの燃料の噴射は電気的に制御*7されている。燃料の噴射自体も電気ポンプと電磁弁を使っている。全体の抵抗が小さくなることによってこれらにどれくらいの影響があるのだろう。
配線を追加するだけなので特に悪影響はなさそうだが、買い換えた自動車はバッテリーがエンジンルームではなくトランクに設置されているので、そこまで電線をはわせるのはかなり面倒のような気がする。実行はもう少し考えてみよう。
*1 新車購入
*2 燃費道
*3 アーシング
*4 アース製薬のホームページへようこそ!
*5 earth. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*6 点火装置
*7 ガソリンエンジン制御システム
020915「千と千尋の神隠し」というアニメーション映画のDVDの箱を見ていたら、著作権保有者が「二馬力」となっていた。スタジオジブリ製作のアニメーションについてweb上を色々調べてみるとそこ*1かしこ*2に「©二馬力」と書いてある。
「二馬力」とは1984年に宮崎駿氏が設立した個人事務所の名前らしい。この中途半端な数値の「二馬力」という名前を見てははんと思った。これはフランスの自動車会社シトロエン*3の「2CV*4」のことではないか。
シトロエンは「乗員4人と50kgのジャガイモか小さな樽とを乗せて最高速度60km/hが出せる車*5(4 personnes-50 kilos-60 km/h)」を作ろうとして、この2CVが1948年にできた。排気量は375cc、9馬力だった。
フランス語で馬力は「Cheval-vapeur」なので「2CV」は日本では「2馬力」と考えられたのだろう。上に書いたように「2CV」の馬力は「9馬力」だった。それにフランス語で馬力「Cheval-vapeur」の単位は「ch」*6らしい。「2CV」の馬力は「9ch」なのである。
それでは「2CV」とは何を意味するのか。自動車税の課税区分を表すらしい。エンジンの馬力で課税区分をしているらしい。「CV」は「Cheval Fiscal*7」の略で馬力による課税格付けのことである。馬力が大きくなると「CV」が大きくなり、「CV」の数値が大きくなればなるほど、納税額が増える様になっているようだ。数値は馬力その物ではなく、単なる区分の順番である。因みに日本と違って同じCV値でも県によって納税額が異なる*8。
「2CV」は日本語で「ドゥー・シー・ボー*9」と読まれているが、これも何となくあやしくなってきた*10。本当は「ドゥ・セ・ヴェ」ではないだろうか。
*1 ジブリ美術館 ホームページ
*2 GHIBLI:Feature
*3 シトロエン
*4 2CV
*5 evenement
*6 Guide automobile
*7 名車図鑑・2CV
*8 Autoliberty : Carte grise 2000
*9 Citroen Japon
*10 ホッペケ
020916DVDには収録画像サイズがいろいろあって紛らわしい。別段、箱で画像サイズを確かめもせずに再生をすると、どうも登場人物の顔が縦長のような気がしたり、少し横長のような気がする。まぁ、気のせいと思いながら見続ける。すると円であるはずの時計や自動車のタイヤなどが楕円になっているのに気付いて映し出されている画像サイズが間違っていることが判る。
DVDの箱の裏には「4:3」「16:9 LB」「LB」「WIDE SCREEN」とか書いてある。「4:3」と「スタンダードサイズ」とが併記されている場合もある。「16:9 LB」には「シネスコサイズ」「シネマスコープサイズ」または「ビスタサイズ」、「LB」には「ビスタサイズ」、「WIDE SCREEN」には「ワイドスクリーン」「シネマスコープサイズ」「ビスタ&シネマスコープサイズ」と書いてある。
これら画像サイズの関係がよく把握出来ていない。「4:3」は判る。普通のテレビのサイズそのままだからである。「16:9」も判る。横長だからワイドサイズのテレビジョン画面一杯のサイズなのだろう。「16:9」の横の「LB」がよく判らない。「LB」とのみ表示されている場合は「ビスタサイズ」と書いてある。これは一体どんなサイズなのか。そして「ワイドスクリーン」と「16:9」との関係はどうなっているのか。
LBとは「レターボックスletter box*1」の略らしい。横長の画像を「4:3」の普通のテレビジョンサイズに収めるために上下に黒い帯を画像に挿入した状態を「LB」と言うらしい。なぜそれを郵便受けというのか皆目見当が付かなかったが、この記事を書いている内に解ってきた。
郵便ポストの中に入って外の景色を眺めると投函口は横長なので景色の上下が遮られてしまう。テレビジョンの画面の上下にわざわざ映らない部分を作って横長の画像を見るので、如何にも郵便受けから外を窺うような感じである。従って「LB」は画像のサイズではなく表示方法を示している。ワイドサイズのテレビジョンならば上下の黒い部分を消して画面一杯に表示する*2ことが可能である。
ワイドサイズのテレビジョンのサイズは「16:9」になっている。このサイズは「ビスタサイズ*3」と呼ばれる。更に横長の「8:3(16:6)」が「シネマスコープサイズ(シネスコサイズ)」と呼ばれる。これらの収録画像サイズとテレビジョンの画像サイズとの関係はこのページを見ると一発で解る*4。
ビスタサイズのビスタとは一体何のことだろう。ビスタ*5とはパラマウント社が開発した高解像度撮影方法のビスタビジョン*6の「ビスタ」である。その画像サイズは「1.85:1(16:8.6)*7」で、ビスタビジョンそのものは技術革新によって使われなくなったが、この比率は残った。ビスタビジョンのサイズはほぼ「16:9」の比率になっている。「4:3」の自乗「16:9(4*4:3*3)」としたのは何か意味があったのだろうか。
*1 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - レターボックス
*2 レターボックスとパンスキャン
*3 アスペクト比
*4 よくわかるDVDソフトとテレビサイズの関係
*5 10000系 ビスタカー1世
*6 Widescreen Museum - The VistaVision Wing
*7 HERALD ONLINE
020917凄い名前の機械を見つけた。「ドヴォルザーク*1」という名前である。土壌調査用のボーリングマシン*2であるらしい。
何故、国民楽派*3の作曲家「ドヴォルザーク」と言う名前が付いたのか。
漢字で「土・掘・削」である。「土(ど)・掘(ほる)・削(さく)」でドヴォルザーク。「土(ど)」は音読み、「掘(ほる)」は訓読み、「削(さく)」は音読みで統一性がない。しかもこの機械の名前のローマ字の綴りは「Dovolzark」で作曲家の「Dvorak(rの上には小さなvみたいな記号が付いている)」と全然違う。何か意図があるのだろうか。
学校で「ドボルザーク」と習った。本当の発音はかなり難しいらしい*4。記号付きの「r」は巻き舌で「ル」と言いながら「ジュ」と発音するというのだ。日本語の文字では表現出来ないので「ルザ」「ルジャ」と書かれ、それをそのまま読むので「ル」と「ザ」とを日本でははっきり分けて発音してしまう。そしてこの「ドボルザーク」から「Dovolzark」というボーリングマシンの名前が出来上がったのだろう。この機械は輸入品で製造元のドイツでは「Rammsondier-Bohrgeräte*5」(杭打ち探査ボーリングマシン)と言う商品名らしい。
コンピュータの文字入力やタイプライタの鍵盤に「dvorakドボラック配列*6」と呼ばれる文字配列がある。通常のものは「Qwertyクワーティ配列」と呼ばれる。上から2段目の左からQWERTYとなっているからそう呼ばれる。作曲家のDvorakと同じ綴りだが、発音は「ドヴォラック*7」のようだ。考案したのはAugust Dvorakと言う人らしい。この人は作曲家Dvorakの遠い従兄弟である*8とよく書かれている。名字が一致しているので元を辿れば親戚に違いないだろうが、かなり遠い従兄弟なのかもしれない。
*1 Classical Net - Basic Repertoire List - Dvořák
*2 土・掘・削(ドヴォルザーク)
*3 音楽理論講座
*4 初級チェコ語講座
*5 Das vollhydraulische Rammsondiergeräte von Nordmeyer
*6 DvorakJP
*7 Dvorak. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*8 Google 検索: August Dvorak cousin
020918日本で一番大きな半島*1は紀伊半島である。大きいとは面積が広いという意味である。世界で一番大きな半島はアラビア半島*2だろうか。
インド*3とアラビア半島*4の広さとを比べると何となくアラビア半島の方が大きいような気がする。インドも「インド半島」と言うがあまり使わない。インド亜大陸*5というぐらいだから「半島」という感じがしないからだろう。
しかしインドとアラビア半島の面積を比べようにもどこからが半島なのかはっきりしないので、本当は決着が付かない。島か大陸かはグリーランド*6が境目になっている。島は四方が海に囲まれた陸地なのではっきりしている。半島は「三方」が海に囲まれた陸地なので曖昧なのである。
学問的に明確な定義はない*7らしい。新しい半島などの発見は今後ありそうもないので、学問的な定義は必要はない。しかし紀伊半島*8というのは一体どこから半島地域になるのだろう。
*1 newsの語源
*2 外務省ホームページ(日本語)-地域別インデックス(中東)-
*3 外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(インド)-
*4 外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(サウディ.アラビア王国)-
*5 南アジア Middle South Asia (インド亜大陸 Indian Subcontinent)
*6 海外地理の漢字表記
*7 半島振興法の概要
*8 紀伊半島のバスと鉄道
020919以前、ニキシー管*1を調べていた時、電卓の数字の表示装置として赤色の発光ダイオードが使われていた時期があるのを思い出した。日本製の電卓では あまり見かけなかった*2ような気がするが、海外製の電卓*3ではよく使われていたような気がする。
電卓の数字表示用の発光ダイオードはニキシー管や蛍光表示管*4、液晶に比べて物凄く小さかった。発光ダイオードは消費電力が大きいので大きな数字を表示するとすぐに電池がなくなってしまうからだろう。腕時計でも液晶表示が一般化する前は発光ダイオードを使った物*5があったが、直ぐ廃れてなくなってしまった。
出来るだけ発光ダイオードを小さくして、それをレンズで拡大して表示する*6という物もあった。
このレンズ付き発光ダイオードやロレックス*7の日付用窓ガラスは、境目のはっきりした度がきつい遠近両用眼鏡*8を連想させるので、老人用の表示装置という気がして、あまり好きではない。
*1 ニキシー管
*2 Small LED type calculator
*3 1970s Electronic Calculator
*4 蛍光表示管
*5 LED Watches
*6 Rockwellの電卓
*7 Official ROLEX Website: the perpetual spirit watch collections
*8 ニュース:メガネレンズ「ニコン ライトASバイフォーカルCB-28」平成10(1998)年7月1日発売
020920小学生か中学生の頃、日本の正式国名が「日本国」というのを知って少なからず衝撃を受けたことがある。外国ではアメリカや中国、ソ連のように正式名称では合衆国や共和国という言葉が付いているのに日本は単に「国(こく)」が付いているだけなのである。変わっているなと思った。
日本の正式国名の拠り所は最高法規である「日本国憲法*1」という名称である。明治時代から新憲法が公布されるまでは「大日本帝国憲法*2」だったので、日本の正式国名は「大日本帝国」だった。明治憲法が発布されるまでの日本の正式国名は何だったのだろう。「日本*3」だったのだろうか。一つのまとまった法典になっていない憲法を持つイギリスの正式国名*4の根拠はどこにあるのだろうか。色々調べてみたが、結局解らなかった。
モンゴルの正式国名は「モンゴル国Mongolia*5」である。知らぬ間に変わっていた。1992年に変わったらしい*6。昔は「モンゴル人民共和国」だった。
通称がそのまま正式国名というのも結構ある。カナダ、スペイン、ルーマニア、インド、オーストラリア、ニュージーランド等それそのものが現在の正式国名である。
地理名称がそのまま正式国名になっているところがある。「ソロモン諸島*7」と「セントビンセント及びグレナディーン諸島*8」である。「・・・諸島」で正式国名なのである。何となく尻切れになっている。
マーシャル諸島は正式名称では「共和国」が付く*9ので安心である。
*1 Constitutional Law
*2 大日本帝國憲法
*3 日米和親条約
*4 外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(英国(グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国))-
*5 外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(モンゴル国)-
*6 モンゴル国(Mongolia)
*7 外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(ソロモン諸島)-
*8 外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(セント・ヴィンセントおよびグレナディーン諸島)-
*9 外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(マーシャル諸島共和国)-
020921「良貨が悪貨を駆逐する*1」という表現に出くわした。この表現が出てくるまでは、その文章が難なく理解出来たのであるが、これによって突然、調子が狂ってしまった。よく読んでみると、ある法律を作って良い品質の製品が悪い品質の製品を市場から追い出す、と言う現象を説明するための喩えであった。これでは全く喩えになっていないので、その喩えが何を言おうとしているのか直ぐに解らなくなってしまったのである。
比喩というのは何かを説明する時に良く知られた事象を借りてきて、それになぞらえて表現することである。話す相手や読者がよく知らないような事象や物事を借りてこられても比喩にはならない。更に実際には起こらない事、存在しないような物事で説明されてはさっぱり解らない。ただし、あり得ない事の比喩として別のあり得ない物事を借りる場合はある。
「良貨が悪貨を駆逐する」とは一体どんな現象なのだろうか。
グレシャム*2の法則というのがある。貨幣としては同じ価値だが、品位*3が違う二種類の通貨を流通させた時、品位の高い通貨は退蔵*4され低い通貨の方だけが市中に出回ると言う考え方である。所謂「悪貨が良貨を駆逐する*5」である。イギリスの貿易商人であり財政家であったSir Thomas Gresham*6という人が言ったとされている。
悪貨は良貨を駆逐するが、良貨が悪貨を駆逐することはあり得ない。同じ価値なら誰でも金の含有量が多い通貨は手許に置きたくなるだろう。
従って実際に起こりえない「良貨は悪貨を駆逐する」という表現は比喩になっていない。善人が増えて悪人の居場所がなくなる、ということはあり得る現象だ。これを説明するのに起こり得ない事象「良貨は悪貨を駆逐する」を持ち出して喩えにしては何が何だか解らない。
例えば貨幣の流通過程に於いて品位の高い良貨が市中に出回り、悪貨が退蔵される現象が何らかの原因で起こったとする。これを説明するのに「善人が増えて悪人の居場所がなくなる」様なものだ、と説明するのはいい。「良貨が悪貨を駆逐する」で「善人が増えて悪人の居場所がなくなる」を説明するのは、喩えるものと喩えられるものとが逆なのである。
*1 Google 検索: 良貨が悪貨を駆逐する
*2 Sir Thomas Gresham
*3 貨幣の品位
*4 goo [国語辞典]: 退蔵
*5 悪貨と良貨の違い
*6 Gresham, Sir Thomas. The Columbia Encyclopedia, Sixth Edition. 2001
020922自動車の運転に関する本*1を読んでいたら、ハンドルの回し方を説明するのにパラパラ漫画が使われていた。
パラパラ漫画とは教科書などの頁の角に少しずつ違う小さな絵を書き入れてページの角を親指で擦りながらペラペラ素早くめくっていくと絵が動いているように見えるというものである。パラパラ漫画を書く時は鉛筆の筆圧を少し強くして次の頁に書いた絵の跡が残るようにする。次の頁に書く絵はその跡をなぞって動かしたい部分だけを少し変えて書く。こうすれば簡単になめらかに動くパラパラ漫画が書けた。
パラパラ漫画は英語では「flipbook animation*2」というらしい。「flipbook*3」とは親指で各頁がペラペラめくり易いように作られた横長の本で、「flip」とは「指ではじくこと」という意味である。動画の一コマ一コマを紙に印刷して束ねれば簡単に作れる*4。
出来合の書籍でパラパラ漫画そのもの*5の本もある。
ハンドルの回し方は漫画ではなく写真である。ハンドルを回すのを説明するのに動画になっている必要性は全くないのだが、ペラペラめくってみるとこの本の著者*6がハンドルを滑らかに回す姿が見られて面白い。このペラペラ漫画の頁の裏にはハンドルを戻す写真が掲載されており、逆にペラペラめくるとちゃんとハンドルを戻す姿が現れ、元の頁に戻るようになっている。
この本の著者が主張するハンドルの回し方は非常に合理的なので10年近く前から実践している。同じ著者の別の本*7でこの操作方法を知った。その本ではパラパラ漫画は使われていなかった。
*1 BMWの運転テクニック〈2002〉
*2 Flipbook Animation
*3 FlipBook
*4 Make your own Flipbook! Just cut out the pages and staple or clip them together.
*5 Powers of Ten
*6 ブロードバンドのクルマ情報「オートアクセル・トゥデイ」
*7 脱・常識運転のすすめ / こもだ きよし
020923「しゃぶしゃぶ」と「シャブ」とでは音はよく似ているが、内容は全く違う。しゃぶしゃぶは牛肉料理の名前で大阪のスエヒロ本店*1という料理屋が発明した*2らしい。1961年に「しゃぶしゃぶ」が商標として登録*3されている。他にも沢山のスエヒロ*4があってしゃぶしゃぶ料理を出しているが、大阪のスエヒロとは関係がないようである。ただし、このスエヒロ*5の創業者は大阪のスエヒロ本店にいたことがあるらしい*6。
名古屋圏では「しゃぶしゃぶ」と言えば木曽路*7である。
「しゃぶしゃぶ」は薄く切った牛肉を鍋の中で「しゃぶしゃぶ」とやるのでそういう名前が付いたのだろう。
一方、「シャブ」となると全く異なる。「シャブ」は覚醒剤の隠語*8である。何故覚醒剤を「シャブ」というか。依存性が強く必ず常用者となることを利用され、暴力団などの財源として「骨の随までしゃぶられる」ということで「シャブ」と言われるようになったらしい。
しゃぶしゃぶが考案された頃に「シャブ」という隠語が今のように一般化していたら「しゃぶしゃぶ」という名前にはならなかった筈だ。一体どんな名前になっていただろう。商品の名前の付け方によって売れ方が大きく変わってくる場合があるが、名前が違っても今と同様にこの牛肉料理は世間に広がっていっただろう。何故ならそれは美味しいからである。
*1 EIRAKUCHO SUEHIRO HONTEN
*2 しゃぶしゃぶの起源
*3 syabusyabu.gif
*4 Google 検索: スエヒロ しゃぶしゃぶ
*5 スエヒロ
*6 スエヒログループに於けるスエヒロ商事の位置付け スエヒロ商事株式会社の歴史
*7 Kisoji home page
*8 薬物乱用防止教育
020924電池*1の語源は何か。電池と言うとどうしても乾電池*2を思い浮かべてしまう。電池の最初はバグダッドの電池*3なのかボルタの電池*4なのか判らないが、「電池」という言葉が出来たのはおそらくボルタが電池を発明した後だろう。「電気の池」だから少なくとも乾電池が出来る前に出来たに違いない。電解液*5が入っているから「池」なのだろうが、電池の「池」は池と呼べるほど大きくはない。
硯の各部分の名前で墨池とか硯池*6と呼ばれる部分がある。硯の水を貯めておく部分*7をいう。硯のような小さな物でも水を貯めておく部分を「池」というのだから、かなり趣は違うが、電池の電解液も「池」となるのだろう。逆にもし電池を硯に見立てたのであれば、それはかなり風流な造語である。
電池は英語ならばcellかbatteryである。これらの元々の意味はそれぞれ「小室」「殴打」だった。
cellは判りやすい。電池の姿*8を見れば、それはまさしく電気の小部屋である。
では何故「battery」が電池の意味になったのだろうか。「殴打」の意味から「砲撃」という意味が派生し、更に大砲部隊など構成単位の意味まで拡張された。この一揃いの構成単位という意味から転じて野球用語のbattery*9が出来たのだろう。電池も正極と負極の一揃いで構成されるので、batteryと呼ばれるようになったのだろうか。野球と電池とは関係がないので、電池batteryからこの野球用語が派生したとは考えられない。その逆はもっとあり得ない。
電池を「battery」と言い出したのはフランクリンBenjamin Franklin*10らしい。言い出した1748年*11には、まだボルタの電池は発明されていなかった。ボルタの電池が発明された*12のは1800年で、1790年にフランクリンは死んいる*13。
フランクリンがbatteryと呼んだのは静電気を貯めるだけのライデン瓶*14のような物だろう。Franklinによって現在でも使われている電気に関する用語が色々作られている*15。plus、minus*16やcharge(充電)、discharge(放電)などを電気に関する用語として当てはめた。batteryのその一つである。
大砲部隊という意味しかなかったbatteryを「電池」と言う意味に使ったのだろうか。複数のelectrical cellを繋げて一揃いの構成にして使うことからbattery*17としたのか、電池から火花となって電気が放出される現象があたかも砲撃のようだからbattery*18となったのかは判然としない。
言えるのは「電池」と「battery」という言葉の成り立ちが全く違うということである。西洋で発明されたbatteryはその外観などからそう名付けられた*19が、それを表す東洋の言葉はおそらく結果的ではあるがその物の本質が語源となっている。「電解液の池」のつもりだったが、「電気そのものが貯まった池」とも解釈することが出来る。外来語をそのまま単に片仮名に直して取り入れる現代の日本語の風潮なら「電池」は間違いなく生まれなかった言葉であろう。
因みに「電池の日」が「+-」から11月11日(十一月十一日)、「バッテリーの日」が投手と捕手の守備位置番号がそれぞれ「1」「2」だから12月12日*20らしい。
*1 電池
*2 屋井先蔵−やい さきぞう−
*3 BF:電池歴史年表(世界編)世界最古
*4 BF:電池歴史年表(世界編)1800
*5 BF:電池歴史年表(世界編)1836
*6 池と湖
*7 「硯」中国古端渓硯博物館-硯の用語
*8 The Leiden jar
*9 mikio-e ベースボール英語辞典
*10 The World of Benjamin Franklin
*11 Online Etymology Dictionary
*12 サンヨー 歴史のページ
*13 電気・電力辞典「ベンジャミン フランクリン」
*14 Leiden Jar
*15 Benjamin Franklin
*16 電流と電子
*17 SBF Glossary: B to BayMG
*18 Online Etymology Dictionary: ETYMOLOGY Bat-Bes
*19 plane
*20 電池フェスタ
020925フランクリンは英語での電気に関する用語を沢山作った。先日話題にしたbattery*1もその一つである。他に回転子*2armature、整流子*2brush、帯電したcharged、 蓄電するcondense、導体conductor、放電discharge、electrical fire、感電electrical shock、電気技術者electrician、帯電させるelectrify、負極minus、陰電性negatively、不導体non-conductor、正極plus、雷撃stroke、充電していないunchargedなどがあるらしい。
現代のように単に英語を片仮名にするのではなく、日本語的な漢語に訳されているのでそれらの言葉が理解しやすい。西周(にし あまね)*3が「哲学」を始めとした数々の訳語を作ったように「電気の西周」がいてこれら電気関係の訳語を作ったのだろうか。日本製の言葉なのか中国製の言葉なのかも気になる。
特に電子*4、電池*1、電荷を誰が作ったのか知りたい。web上で調べても英語の方の語源ばかりが解説してあって、これら日本語の成り立ちを解説しているところが見つからない。ここで記事にするしかないのか。
*1 電池とバッテリーとの関係
*2 回転するリニアモータ
*3 人物歴史物語
*4 電子の意味
020926以前書いたニキシー管*1が気になるのは、電球の中に組み込まれた電線自体が光るのではなく、電線の周辺が橙色にぼうっと光るのが幻想的だからである。
これはグロー放電*2と呼ばれる現象で、電極の周りの気体が電離して光っているのである。普通の電球のようにフィラメントが電流によって暖められて光っているのではない。電球より光が弱いのと、見たことはないが火の玉*3を彷彿とさせるので見ていて飽きない。電球は大抵明るすぎて直視することは出来ない。ろうそく*4の炎にもにているが、放電の方は希薄な感じがして儚くていい。実際に気圧の低い電球の中だから空気中で燃えるろうそく*5の炎よりも希薄である。
最近は全然見かけなくなったが、電球の中に花の形をした電極が組み込まれており電源を入れると、花は赤く光り、茎の部分は橙色、葉っぱの部分は緑色に光るようなグロー放電電球があった。王様のアイディア*6で見かけたような気もする。
もう一度見たくなって調べてみた。素晴らしいサイトを見つけた。電球専門のサイト*7である。ここには「Neon Glow Lamps*8」というページがあって、ここに沢山のグロー放電電球があった。 上に書いた花の電球はこれ*9やこのような*10感じであった。
このサイトには陰極線の実験などに使うクルックス管*11や真空容器の真空度の目安として使うガイスラー管*12なども掲示してあって非常に楽しい。
*1 ニキシー管
*2 高周波放電で生成された対状リングプラズマ
*3 火の玉・UFO・ミステリーサークル
*4 カメヤマ株式会社
*5 カメヤマ株式会社 デサイン
*6 王様のアイディアWEBSHOPへようこそ!
*7 Kilokat's Antique Light Bulb Collector's Site
*8 Kilokats Antique Light Bulb Site : Neon Glow Lamps
*9 Kilokats Antique Light Bulb Site : Neon Glow Lamps : Aerolux_Flower5
*10 Kilokats Antique Light Bulb Site : Neon Glow Lamps : Import_Flower3
*11 Kilokats Antique Light Bulb Site : Crookes Tubes
*12 Kilokats Antique Light Bulb Site : Geissler Tubes
020927「ロータリー*1」という交差点がある。駅前以外ではあまり見かけない。ロータリー交差点は信号機がなくても交差点を滞りなく通過出来る*2のが特徴である。
交差点の中心に丸い空き地があって、交差点に進入した自動車はこの空き地の周りに沿って走り、目的の道路に出ていく。日本では右回りになるが、自動車が右側通行の国では左回り*3になる。交通量が多くなると丸い空き地を周回する自動車の数が多くなるので、空き地を大きくしないと渋滞が発生しやすくなる。
交通量が中程度の交差点はロータリー、多いところだけ信号機を設置、という具合にすれば信号機の無駄な電力低減、自動車の停止回数の低減による燃費の向上が期待出来るかもしれない。また交差点の真ん中に空き地ができることによって自動車の速度が抑えられ交通事故低減にも効果があるかもしれない。
様々な利点のあるロータリーだが、何のために造ったのかさっぱり判らないロータリーがある。名古屋の大須というところにある。昔から気になっていたので勝手に「謎のロータリー」と名付けている。ここ*4は自動車の交通量はそれ程多くない。ここ*5もそうである。何十年か前には主要の道路だったとも思えない。一体何のためにロータリーを造ったのだろう。
*1 道路交通標識・警戒標識(その1)
*2 aboutロータリー交差点(ラウンドアバウト)
*3 Motor Vehicle Guidance
*4 マピオン地図 愛知県名古屋市中区大須2丁目付近
*5 マピオン地図 愛知県名古屋市中区大須3丁目付近
020928「変な法律*1」という名前のサイトを見つけた。法律の内容自体がおかしい、変だというのではなく、読んでいて面白みがあるという条文を取り上げている。
その中に軽犯罪法*2の条文があった。第一条の20号に「公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者」とある。「しり、もも」と言う表現が面白いとあった。確かに堅苦しい条文の中に突然出てくる「しり、もも」という平仮名は目に止まる。
何故、平仮名だろうか。「尻、腿」でもいいような気がする。昭和48年の改正で書き換えられたのか、もともと制定時から「しり、もも」だったのか。
「しり、もも」で思い出すのは「できんボーイ*3」という漫画である。作者は田村信*4。この漫画は完全なギャグ漫画で、特に登場する擬音が秀逸だった。そして漫画の中では現実の社会であれば上記の軽犯罪法に触れる場面が沢山出てくる。ただ出てくるだけではなく、よく尻にわざわざ平仮名で「しり」と書いてあった*5。擬音とこの「しり」が大好きで、むさぼり読んでいた。
すっかり忘れていたが、条文を読んで思い出した。
*1 変な法律
*2 軽犯罪法
*3 できんボーイ入門
*4 CPRO-TOP
*5 HOTtopics
020929テンピュール枕*1を買ってしまった。テンピュールネックピロー*1という名商品名で、大きさは幅50× 奥行31×高さ10〜7cmのMサイズである。定価は12000円。
それが近所のスーパーマーケットで8000円弱で売っていた。更に売り出し中で寝具に関しては期間中1割引と書いてあったので、ついつい買ってしまった。枕ごときに1万円以上も出せるかと思っていて、それが7000円程度で売っているのを見て何となく得した気分になって思わず買ってしまったのである。よく考えてみれば枕ごときに7000円でもやはり高過ぎる。
買った枕を触ってみるといい感触である。頭を乗せてみるとほんの少し湿った感じがする。これがまたいい。元来、睡眠には全く支障がなく、問題はなかったのだが、この枕を使うと更に充実した睡眠が得られるような妄想にふけってしまった。
説明書を読んでみると意外なことが書いてあった。この枕を絶対に折り曲げないで欲しいとあった。折り曲げると亀裂が入って中の素材が割れてしまうことがあるらしい。スポンジなのに割れるなどというところも何か特殊な感じがして、効果を大いに期待してしまった。
早速、この枕を使って寝た。いつもと同じ睡眠であった。
*1 テンピュール(2)
*2 製品一覧 ネックピロー・ピロー
020930ある電気回路の本を読んでいたら、電気にも人間と同じように「年齢」があると書いてあった。これは交流電流の周波数を「年齢」に置き換えた単なる喩えである。
周波数が低い場合には電気が流れる経路がいくら長くても全く問題なく流れてくれるが、周波数が高くなると回路が長くなるとだんだん流れ難くなる。人間で若い内なら山手線*1を一周しろと言われれば出来ないこともない。電気の場合も50Hzの周波数*2ならば山手線を一周するのは何ら問題はない。しかし周波数が1MHzになると山手線を一周させるのはとても無理になってくる。ADSL*3が有効な距離が数キロしかないように、電気の周波数が高くなるとうまく回路を回らなくなる*4。人間も老人になれば山手線一周は無理だろう。
しかしこの喩えはどうも違和感があって仕方がない。周波数というのはいわば回転数である。回転板の一点がある位置から元のその位置に戻るまでを一秒間に何回繰り返すかである。交流電流で言えば周波数とは、一秒間に何回プラスからマイナスになってマイナスから元のプラスになるか、である。周波数が高いと言うことはそれだけ活発に動いていると言うことなのである。
だから周波数が高い方が人間で言えば若々しく、低くなればなる程歳を取っていくような感覚である。独楽を回せば最初は勢いよく回るが、だんだん回転が遅くなっていく。時間が経過すれば周波数は低い方になっていくのが、自然の様な気がする。
周波数をそのまま年齢に喩えるのは非常に違和感がある。
*1 JR東日本:路線図
*2 電源周波数
*3 ブロードバンド(2)
*4 RBB TODAY (xDSL/FTTH/CATV/FWA ブロードバンド情報サイト)
フィルムスキャナ*1が壊れてしまった。この装置はSCSIで繋がれている。操作用のアプリケーションソフトを起動させて、スキャン開始のボタンを押すと始めの数秒は反応してスキャナが動くが止まってしまい、「スキャナが反応しません」というエラー表示が出てきてしまう。何度も繰り返しているとエラーが出ずに動き出した。しかしまた動かなくなった。
このスキャナはポラロイド社製である。米ポラロイド社は丁度一年前に会社更生法による再建手続きを申請した。この事実を知った時、雑記草で自分の持っているスキャナが壊れた時が少し心配だなどと呑気なことを書いていたが、本当に壊れてしまった。
スキャナは「POLASCAN 35 Ultra*2」という機種である。5年前に購入した。15万円程度したと思う。購入当時は、一般消費者向けのフィルムスキャナとしては、解像度とフィルムの濃淡の差を的確に取り込む能力*3とが最高値を誇っていた。
光学装置なので埃がかぶらないよう、自分でミシン*4を使ってカバーを作って日頃大切に扱っていたのに壊れてしまった。昔の道具とは違い装置の中には何個もLSI*5が使われており、その中には厚さ数ミクロン、幅数十ミクロンの極細の配線が縦横無尽に張り巡らされている。その配線の一本でも何かの拍子で腐食したり断線したら正常に動かなくなる。こんな故障はいくら大事に扱っても防ぎようがない。
筆者のスキャナの故障の原因はLSIの内部の配線の腐食かどうかは全然知る由もないが、ある日突然動かなくなり、時々動いたりするという壊れ方からすると、そんなのが原因のような気もする。SCSI*6コネクタの接触不良、装置内部のコネクタの接触不良なども考えられる。
現在、ハードディスクやZipをSCSIで接続するのに、このスキャナを接続の途中に入れている。つまりコンピュータに繋がれている最初のSCSI装置*7はスキャナ、その次はZip、そして最後がハードディスクとなっている。Zip*8とハードディスクとが正常に動作するので、スキャナのSCSIの接続が不良ということは考えられない。
修理をするかどうするか。もし本当にLSI内部の故障だとすると装置内部の回路基板をそっくり取り替えることになるだろう。再建途中の会社に製造を終了した製品の回路基板を在庫として持つ余裕はあるのだろうか。
買い換え*9を考えよう。
*1 倒産
*2 The Internet Archive: Polaroid - POLASCAN 35 Ultra
*3 Optical density
*4 家庭用刺繍ミシン
*5 Zip(2)
*6 SCSI
*7 CDRW-RX26/APをMACの外部SCSIチェーンに接続
*8 Zip(5)
*9 ¥価格.com¥ 価格表 フィルムスキャナ
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