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0112雑記草
011202郵便物や宅配便などをその人の住所ではないところに送る時、中継となる人の名前の下に「気付」と書く。「きづけ」と読む。筆者は今まで「きつけ」と読んでいた。「きつけ」だと「着付け*1」になってしまう。例えば「○○様気付 △△様」といった具合に使う。
「気付」という言葉自体を筆者が知ったのは十分大人になってからであった。「御中」や「様方」などは懸賞の宛先や年賀状などで小学生の頃から使っていたが、「気付」というのは使うことはなかった。今でも殆ど使ったことはない。今年の夏、妻と子供達だけが妻の実家に遊びに行っている時にどうしても子供達宛に小包を届ける必要があった。この時無理矢理この「気付」を使ってみた。
「気付」の語源*2は英語のcare ofらしい。
昔からある言葉と思っていたが、英語を単に直訳しただけの言葉であった。もともと郵便などでしか使わない言葉なので江戸時代まではなかった言葉なのであろう。
気付の読み方で思い出したのは「続柄」である。これも最近まで「ぞくがら」と読んでいたが、「つづきがら」が正しい。熟語の読みの原則は「訓訓」か「音音」だからだ。「ぞくがら」だと重箱読み*3になってしまう。
*1 小林豊子きもの学院
*2 便利ツール[国語辞典]:気付
*3 便利ツール[国語辞典]:重箱読み
011203先月の獅子座流星群を撮った写真が出来上がってきた。
最高潮となるといわれていた11月19日の未明に起き出して空を眺めた。特に気張って流星の写真を撮るつもりでも、それなりの技術*1を持っている訳でもないので、準備という準備はしていなかった。
自宅から眺めていた。都市近郊ではあるが、住宅地だから周辺の光はそれ程多くないので流れ星は沢山見られた。
愛用のGR1s*2で撮影した。フィルムは富士のprovia*3というスライド上映用*4のフィルムを使った。スライド上映用のフィルムを使ったのは流星群のためではなく、普段の家族のスナップ写真などすべてこのフィルムを使って撮影しているから、普段通りの撮影であった。件の流星群の写真も家族のスナップ写真に混ざって撮影されている。36枚を撮り終わったのがつい先日であったので撮影結果がすぐに見られなかった。
撮影に使ったGR1sは28mm2.8Fのレンズが付いているスナップ写真用のカメラ*5である。とはいってもシャッターを開放にする機能*6を持っているのでこれを使って撮影した。星は光が少ないのでシャッターを長く開けていないとフィルムに写らない。
シャッターを開放にして撮影する時、カメラが動くとフィルムに写される画像がぶれて何を写したのか判らなくなってしまう。カメラを固定するため通常は三脚を使うのであるが、寒い夜に三脚を持ち出すのが面倒だった。そこでカメラのレンズを真上に向け地面に直接置いてシャッターを開いて撮影した。28mmのレンズであればフィルムの対角線方向で約74°の範囲*7が撮影できる。全天は180°だから夜空の半分ぐらいは撮影できているはずである。
当日の流れ星は前評判通り相当沢山流れていた。レンズは獅子座の方向*8ではなく天頂を向いていたが、シャッターを開放にしていた時間は3〜5分程度あったので、確実にレンズの画角内で流星が光った筈である。
出来上がった写真はこれ*9である。地球の自転で恒星が回転して流れているが、流れ星は一つも写っていなかった。当日シャッターを切ったのは三回だったが、三枚とも写っていなかった。
*1 アストロフォトクラブ
*2 GR1v
*3 FUJIFILM:Professional Products Guide-リバーサルフィルム (中感度)
*4 スライド写真入門
*5 コンパクトカメラ専門ページ penguin-19's COMPACT CAMERA
*6 コンパクトカメラ用語辞典-英数字
*7 久門 易 著「一眼レフ入門」第2回 2. 2. 焦点距離と画角
*8 http://www.ncsm.city.nagoya.jp/astro/gifs/leo01.jpg
*9 star.jpg
011204地平線に近い太陽や月は大きく見える*1。そう見えるだけであって実際には殆ど同じ*2である。それを実証する方法として五円玉を手に持って腕を一杯に伸ばして穴から太陽や月を覗くと高い時でも低い時でも穴にすっぽりと入って見えるらしい。子供の頃に学習漫画*3で読んだことがあるような気がするが実際に比較したことはない。
何故大きさが違って見えるのか。空にある時はその大きさを比較する物がないので小さく見えて、地平線に近づくと山や建物などとその大きさを比較できるので大きく見えるという説明で子供の頃は納得してしまったが、よく考えると全く説明になっていない。
空にある時は比較する物がないので小さいも大きいもないのだが、こう説明される。更に山や建物があると比較できる物があるので大きく見えるというのも納得しがたい。比較する物があるとどうして大きく見えるのだろうか。小さく見えることはないのだろうか。そもそも何に対して「大きい」「小さい」なのだろう。何れにしても太陽や月が大きく見えたり小さく見えたりする錯覚の様子を記述しているだけで、どうしてその錯覚が起きるのかの説明になっていない。
記憶があやふやなのだが、地平線ではなく水平線近くの太陽や月も普段より大きく見えたような気がしてならない。水平線には比較する物がない場合が多いので、空にある時と同じ大きさに見える筈である。ところがビルの谷間から林や森の隙間から昼間の太陽を見ても大きく見えたことはない。太陽や月が高い時に比較する物があっても大きく見えない。どうも「比較説」はおかしい。色々と説*4があるようだが、簡単に納得できる説明がなかなかない。
月に行った時に太陽や地球はどういう風に見えるだろうか。月の地平線に近い*5時、地球は大きく見えるような気がする。
地平線が関係しているような気がしてきた。太陽や月が天頂にある時はそれがどれくらいの距離にあるのかさっぱり想像できないので眼球の網膜*6に投影された像をそのままの大きさとして脳が認識するだろう。ところが太陽や月は地平線や水平線の向こうに沈むので、地平線や水平線に近づけば少なくともそこよりは遠い位置にあることが判る。つまり距離感がつかめる訳である。
網膜に投影される太陽や月の像は天頂にある時と同じなのだが、地平線の遙か向こうにあるものが天頂にある時と同じ大きさなので、視覚によって距離をつかんできた経験から「空にある時よりも大きくなっているはず」と脳が認識するためではないだろうか。例えば五円玉の穴から覗くと穴一杯の大きさになっている風船が頭上10mにあるとする。この風船が上昇しながら膨らんで常に五円玉の穴と同じ大きさになるとすると、風船が空に上るということが立体視によって感知できれば風船が大きくなると錯覚するだろう。実際には大きくなっているのだが網膜に写る像の大きさは同じ筈である。全くの無背景で風船の位置が全く想像できない時は常に同じ大きさに見えるに違いない。視角が一定*7でそれ以外の情報がない場合はこの錯覚は起きない。
空にある太陽や月が元となる大きさであって、地平線近くにある時が空にある時よりも大きく見えるとするべきである。空にある時は比較する物がないから小さく見えるのではなく、太陽や月までの距離がつかめないので見たままの大きさにしか見えないということである。
地平線がある程度遠くにないと、この錯覚は起きないだろう。地平線が遠いということを知らない人もこの錯覚は起きない。恐らく赤ん坊や小さな子供は地平線近くの太陽や月は大きく見えていることはないと思う。星の王子様*8も夕日や地平近くの赤い満月*9を大きく感じることはないだろう。
*1 素朴な疑問集
*2 朝夕の太陽は、昼間の太陽より大きい?
*3 なぜなぜ学習漫画文庫 大好き!
*4 Moon FAQ for HTML #002
*5 Earth - Apollo 11
*6 目玉
*7 地平線の月は、なぜ大きく見えるのか
*8 『星の王子さま』公式ホームページ
*9 なぜ月は、地平線近くにあるとき、大きくオレンジ色に見えるのですか?【その他】
011205爆薬としてのニトログリセリンと医薬品としてのニトログリセリンとの関係がよく判らなかった。実は別物なのだが、名前だけは巷で同じになってしまったのか、本当に同じ化学物質なのかがどうもはっきりしなかった。もしかしたら半導体の「シリコン*1」と美容整形などに使う「シリコン*2」は本当は「シリコン」と「シリコーン」なのに混同されて一緒になってしまったのと同じかもしれない。何となくそう考えていた。
同じ化学物質 *3らしい。狭心症*4の薬*5としてニトログリセリンが使われる。爆薬と同じニトログリセリンを使っているので爆発の危険性*6はないのだろうか。量が少ないので爆発まで至らないのかも知れない。
そもそもニトログリセリン*7は何故爆発するのだろう。因みに爆発というのは必ずしも急激に物が燃える現象だけではない。圧縮した空気の容器が何かのきっかけで破裂するのも爆発というし、急激な核反応*8も爆発という。ニトログリセリンの爆発は急激に物が燃えることによる爆発である。急激に物が燃えた時に発生するガスの膨張とその時発生する熱によって物を破壊する。
ニトログリセリンは自分自身に酸素を持っている*9ので周りに酸素がなくても自分だけで燃焼できて、しかも燃焼すると窒素ガスが発生するのでこれが膨張して爆発をする。これはニトロ基*10という原子集団をニトログリセリンが持っていて、このニトロ基が分解し易いためである。ニトログリセリンよりもニトロ基を沢山持った化合物*11は更に爆発の威力が大きくなる。
薬にした場合、錠剤などに含まれるニトログリセリンの自体の量は少ないかも知れないが、起こる反応は同じであろう。少しずつ分解していくのだろうか。比較的日持ちしにくい薬*12なのかも知れない。
*1 SOI
*2 CZ
*3 爆弾と心臓病とノーベル賞
*4 狭心症
*5 ニトロ製剤の正しい使い方 よくわかる循環器病 循環器病情報サービス 国立循環器病センター ニトロ製剤の正しい使い方
*6 『NO』と言える血管
*7 化合爆薬
*8 ビキニ
*9 うんちく科学研究所2
*10 化学種-ニトロ基
*11 おもしろ化合物 第20話:「爆発するサイコロ」
*12 ニトロ製剤の正しい使い方 よくわかる循環器病 循環器病情報サービス 国立循環器病センター ニトロ製剤の正しい使い方 (7)保管方法
011206先日、気付*1が英語のcare ofの直訳であるという記事を書いたら、ある読者の方から「乳歯*2」も直訳であるという事を教えて頂いた。意外というか、今まで考えたこともなかった。教えて下さった方はこのことを初めて知った時驚いた、と書かれていたが、筆者も乳歯が直訳ということを知って同様に驚いた。
英語で「milk tooth*3」というらしい。baby toothとかpraimary(第一の) toothとも言うらしい。脱落する歯と言うことでdeciduous(脱落性の) toothという場合もあるようだ。
何故、milk toothというのだろう。人間は母乳しか飲まない時期には歯が生えていない。歯が生え出せば乳以外の固形の食物が食べられる事になるので「乳用の歯」というのは何か変である。milk toothの対になる言葉はsecond(第二の) toothやpermanet(永久的な) tooth*4で、これは納得がいく。
もともと日本語には「乳歯」と言う言葉はなかった*5に違いない。だから英語のmilk toothを直訳した言葉が明治時代ぐらいに出来たのだろう。当然「永久歯」という言葉もなかったに違いない。そもそも実生活では「歯」の生え替わる前と後を区別する必要がない。必要がなければ言葉は発生しない。
それにしてもmilk toothの語源は何であろう。乳を飲むことによって乳と同じような色をした歯が出来上がると考えたのだろうか。生えだした乳歯の色は「乳」というよりも透き通った真珠*6の色というか研ぎたての米粒*7に近いような気がする。
*1 気付
*2 乳歯と永久歯
*3 milk tooth. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*4 permanent tooth. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*5 源氏物語に関するエッセイ・論文集
*6 M I K I M O T O
*7 ごはんの科学
011208始めから予定されているというか永遠不変のためか数式が生み出す図形には独特の美しさがある。このレムニスケート*1と呼ばれる曲線も何とも言えない形をしている。
単一の数式でこのような図形*2が描かれるのかどうか判らないが、単純な数式から複雑な模様が出現すると嬉しくなってくる。
このベートーベンの肖像*3が気に入っている。何故ベートーベン*4なのかは判然としない。作者がベートーベン好き*5だったのか。この肖像をよく見ると左右対称である。バッハ*6とかモーツァルト*7は何となく左右対称で上手く描けないような気がする。ベートーベンだと上手くいきそうだ。目と目の間隔が比較的広い*8からだろうか。
*1 磁力線の交点
*2 Mathematica Graphics Gallery
*3 Beethoven
*4 ベートーヴェン勝手解説大全集
*5 Country Lane
*6 Bach portrait 1 (Haussmann)
*7 Wolfgang Amadeus Mozart
*8 Ludwig van Beethoven - Picture Gallery
011209小松崎 茂*1が亡くなった。12/7 21:26、心不全。86歳だった。1年前に現役であることを確認したばかりであったが、あっけなく亡くなってしまった。
ジョージ・ハリソン*2も亡くなった。11/29。58歳だった。数年前にガンの手術をして今年に再手術をしたというのを聞いたときそんなに長くはないなと思っていた。
死はこの世の中で一番確実な事柄であるので、仕方がないといえば仕方がない。
*1 小松崎 茂
*2 The BEATLES Website / ザ・ビートルズ・ウェブサイト
011210愛用の腕時計*1には回転式ベゼル*2がついている。ベゼルとは文字盤の周りに付いている輪のことでそこには数字が書き込まれている。定期的にこれを回転させないと硬くなって回りにくくなる。
先日、ふと気付いたのでベゼルを回した。この腕時計は潜水用なのでベゼルが左にしか回らないようになっている。潜水中何かに当たってベゼルが回転しても目印にした時刻が前になるようになっている。こうすれば本当の潜水の経過時間よりも時計が指し示している時間の方が長くなるので空気不足による窒息の事故が防げる。回すとカチカチ音がする。逆回転しないように爪がベゼルの中に仕組まれており、それが鳴っていると思っていた。
ベゼルが少し硬かったので普段より多めに回したら、ベゼルが外れてしまった。ベゼルの内側から針金が一本出てきた。ベゼルの内側の円周に合わせて湾曲している。針金の片方は1.5mm程直角に曲げてある。時計の12時の位置に丁度この針金が入る大きさの穴が開いていた。針金のもう片方はペンチで切ったままの状態である。針金を12時の穴に入れるともう片方の先端は6時ぐらいの位置になる。
ベゼルの内側には歯車のようなギザギザが刻んである。このギザギザに針金の先端が引っ掛かる事によって逆回転を防止しているようだ。回転させるとカチカチ音が鳴るので歯車と爪とバネを組み合わせて逆回転を防止していると思っていた。そんな機構をベゼルの中にどうやって組み込んでいるのか不思議で仕方がなかった。単に針金一本入っているだけだった。簡単な機構で十分な機能を持たせる優れた設計である。
*1 tagheuer.jpg
*2 TAG Heuer Watches & Chronographs
011211金閣寺*1は今から50年程前に当時の修行僧(21)の放火によって焼失*2した。現在の金閣寺は再建された物である。
名古屋城*3も60年程前に焼失*4した。これは戦災による。アメリカ軍が投下した焼夷弾によって焼け落ちた*5。こちらも再建したが、コンクリート製の城*6になってしまった。
どちらも惜しいに違いないが、名古屋城の焼失の方は何とも悔しい。金閣寺に火をつけた学僧は金閣寺の歴史、美しさを十分知っていただろう。一方、焼夷弾を投下したアメリカ軍のパイロットや乗組員は名古屋城が何であるかを知らなかった筈である。アメリカという国が出来る前から存在していた木造建築物という事なんて知らなかったに違いない。
何も知らない異民族に文化的遺産を破壊されるのは怒りのぶつけようがない。そんなところが悔しくて仕方がない所である。
*1 金閣寺
*2 金閣焼失から50年 7月に「自戒」の法要(京都新聞:1999.5.10)
*3 名古屋城リニューアル告知のホームページ
*4 国宝名古屋城330年の最期の日
*5 茶釜になった狸!? ならぬ、、、<戦火に消えた金鯱の現在>
*6 ◆ 大天守閣
011212自動車を運転していて最近気付いたことがある。自動車登録番号で切りのいい数字を昔よりも頻繁に見かけるようになった。「・・ ・1」や「・7 77」など昔は殆ど見ることがなかった番号によく遭遇する。
ナンバープレートの分類番号3桁化で希望番号が取れる*1ようになった。いくら希望番号が取れると言っても今までだって「・・ ・1」や「・7 77」はあったのだから希望番号制になって急にそういう番号を見かけるのが増えるのが不思議であった。
自動車販売店の営業の人に聞いてみたら、そういう人気のある数字は希望番号でも抽選式になっているという。更にこの抽選式の対象になっている番号は希望なしで順次払い出しする番号に関係なくどんどん払い出していく。
順次に払い出されていた頃よりも切りのいい番号は相対的に多く出回っていることになる。これがよく見かける原因だった。順次に払い出される番号の枠が初めに決まり、希望番号を募ってからそれ以外の番号を割り振るという方式だと勝手に思っていた。
希望番号かどうかは分類番号を見れば判る*2。自動車販売店の営業の人によると希望番号なのにその由来が想像できない場合は大抵、電話番号や誕生日らしい。販売店ではそういう番号は避けるように勧めているそうだ。
*1 ナンバーあれこれ(平仮名・番号)
*2 ナンバーあれこれ(分類番号)
011213家の中でLAN*1を構築したくなったのでルータ*2を買った。ルータを買いに行く前はノートパソコンを無線でつなごうと思っていたのだが、無線にするための送受信機*3がLANのケーブルの値段に比較して余りにも高価なので、無線部分の購入を止めてルータだけにした。
ネットワークを設定するための説明書は薄っぺらかったので簡単に設定できると思ったが、正常に動作が出来るまでに4時間ぐらい掛かった。ルータはMacでもWinでも関係なく使える。説明書にはどちらの設定の方法が書いてあるが、Macの為の設定方法は殆ど書いてないに等しいぐらいあっさりした書き方である。Winの方はもう少し詳しく書いてあった。
ノートパソコンはWinなのだが、これも設定に手こずった。説明書通りに設定しようと思っても全く説明書とは同じ画面にならないので、類推しながら入力しなければならない。インターネットと接続するためにはプロバイダから指定された記号や番号を入力しなければならないのだが、一体どの番号を入れればいいのか説明書を一読しただけではさっぱり解らない。Winでこうなのだから、Macでの設定など殆ど解らない状態である。
ノートパソコンの方は色々いじっているうちに設定が完了した。しかしMacの方はなかなか終わらなかった。結局、モデムで接続していた時には全く関係がなかったTCP/IP*4のチェックボックス*5が原因であることが判ったのが、4時間後であった。当然、説明書にはこのチェックボックスの設定については何にも触れられていない。
全てのパソコンについて設定方法を説明書に記載するのは無理な話であるが、せめてこの設定がどういう意味を持つかぐらいは解説しておいて欲しい。そうすればある程度類推しながら設定が出来る。
しかし売る側としてはそんな面倒な説明書を時間を掛けて製作するよりは電話相談*6してもらった方がいいと考えているのかも知れない。購入者の大半は類推しながら設定することはないので、どちらにしても電話相談を設けなければならないと考えた上での処置なのだろう。
*1 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - LAN
*2 corega BAR SW-4P [製品情報 / 製品リスト / Router]
*3 corega Wireless LAN AP-11mini [製品情報 / 製品リスト / Wireless LAN]
*4 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - TCP/IP
*5 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - チェックボックス
*6 保証・お問い合わせ窓口 [サポート情報 / 保証・サポート窓口]
011214Zip*1が壊れた。ディスクを挿入しても全く読み込みに行かなくなった。
壊れたZipは今から4、5年前に購入した物である。当時、フロッピーディスク以外の持ち運べる記憶媒体はMO*2かZipぐらいしかなかった。MOは書き込み時間、検索時間がZipに比べて遅いことと装置の値段がZipの方が安い、というからZipを選んだ。現在はMOの方が圧倒的に使われているようだ。
購入してから半年ぐらいのある日にZipからガリガリと物凄い音が出てきた。それから全く動かなくなってしまった。強制的にディスクを排出させたらディスクがボロボロになっていた。読み込み書き込みヘッドがディスクに衝突したらしい。無償保証期間中だったので販売店で只で交換してもらった。ボロボロになったディスクは新品に替えてくれなかった。故障によって損傷したディスクは保証対象外だったのだ。
それ以降、問題は発生していなかったが、今日、突然全く動かなくなった。寿命なのだろうか。Zipは読み取り書き込み装置の徹底的なコストダウンがしてある。本体に電源スイッチが付いていない。現在ではUSB*3以外でもスイッチのないコンピュータ周辺機器は見かけるが、当時はそこまでコストダウンしている物はなかった。更に筐体にはネジが一本も使われていない。プラスチックの爪の嵌め込みだけで組み立てられている。
徹底したコストダウンが災いして故障率も上がってしまっているのだろう。仕方がない。値段は下げても品質は下げないというのはもともと無理な話である。品質が高いから値段が高いのである。逆に品質を落とせば安く作れるのである。これは永遠の真理である。本当に品質が良くて安いのは誰かがどこかで泣いているか、何も知らずに不当な報酬で満足しているかのどちらかである。従来よりも安くて品質が変わらない場合は、従来までの製造方法に無駄があり過ぎたということである。「品質が良くて安く」なったのではない。
*1 Iomega Zip
*2 MOフォーラム
*3 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - USB
011215昭和十五年の皇紀二千六百年*1記念式典の時、近衛文麿*2はヒットラーの仮装をして西園寺公望*3に怒られたらしい。
この頃*4は日独伊三国同盟*5が締結されようとしている頃で、日本はナチスドイツに傾倒していたのである。
調子に乗りすぎた近衛文麿が重鎮の西園寺公望*6に怒られるというのは何となく微笑ましい様子である。西園寺公望が死去したのは昭和15年11月24日なので死ぬ直前に近衛文麿を叱りつけたのだろうか。
*1 皇紀二千六百年
*2 近衛文麿
*3 西園寺公望
*4 大政翼賛会
*5 枢
*6 西園寺公望はいかにして最後の元老となったのか
011216元々レコードといえば音や画像などの情報を記録する媒体のことを指し示す言葉であるので、CDやDVDなどもレコードの一種だろう。エジソンがレコードを発明*1してから100年以上経った今、針で記憶された音を読みとる昔からのレコードは生産されなくなった**。
レコードが発明された時以来、針*2で音や画像*3を再生する方法が長く続いた*4が、CDやレーザーディスク、DVDになってからは光で音や画像を読みとるようになった。
かつてVHD*5という針のような物を使ってレーザーディスク並みの多量情報を再生する方法があった。昔ながらのレコードはレコード盤に溝を付けて、その溝の深さの変化が針の振動となりそれが音に変換されていた。VHD*6では盤に微小な凸凹が無数に設けられ、このくぼみの有無がデジタル信号になっていた。レコードのように針が振動するのではなく、針とVHD盤の凸凹との間に溜まる電気の量の違いを読みとっていた。電気を溜めやすくするためVHDの針の先端は平らになっていた。同時期に出現してきたレーザーディスクはレーザ光で盤の凸凹の有無を読みとっていた。CDやDVDも同じ方法である。VHDは盤に直接針が触れるのでレーザーディスクよりも盤の扱いを慎重にしなければならかった。直径30cm位の円盤が四角いプラスチックケースに入れられ直接手に触れられないようになっていた。VHDは素人目に見ても何となく鈍くさい技術だったので一般家庭に殆ど普及せず、完全に消え去ってしまった。
昔ながらのレコードにしてもVHDにしても針がレコード盤に接触するので針も盤も摩耗するという問題がある。レーザ光で再生するCDなどは摩耗が全くない。光を当てるだけなら盤は摩耗しない。昔ながらのレコード盤も針ではなくレーザ光で溝の深さの変化が読み取れれば、レコード盤の摩耗なしに永遠に音の再生が可能となる。
この考えを実際に商品化している会社*7がある。割れたり反ったり傷が付いたレコード*8でも再生できるという。昔集めたレコードをこれで聴いてみたいと思うのだが、技術が凄いだけではなく値段も凄い*9ので針式*10で我慢するしかない。
*1 RECORD HISTORY
*2 かん高くヒステリックな音だったが、 まるで工作機械のような…
*3 ボイジャー
*4 http://www.namiki.co.jp/image/reco-1.jpg
*5 AV資料・マルチメディア
*6 通信用語の基礎知識: VHD
*7 Laser Turntable
*8 試聴室 〜Listening Room〜
*9 購 入 方 法
*10 ターンテーブル
** 今でもレコードは大量に生産されている。リンク先参照。
011217カメノテ*1という名の海の生き物がいる。磯の岩場の隙間で大抵見つけることが出来る。何故「亀の手」という名前になったのか。その姿を見ればすぐ判る。亀の手の様な形をしているからである。
ところが亀といってもどう見てもウミガメ*2の手には見えない。海の生物の名前ならば海の物に因んでもよさそうだが、大洋を回遊するウミガメ*3の足や手には「カメノテ」のように爪はないので「海亀の手」ではないようだ。
カメノテの腕の部分は細かい鱗*4で覆われている。これもウミガメ*5にはない。ウミガメの手足の鱗はそれ程細かくはない。これらを考えるとどうも亀は亀でもウミガメではなくイシガメ*6のようなヌマガメ*7である。ヌマガメの爪はカメノテの爪のように大きくないが、腕の部分の鱗はイシガメにそっくりだ。
筆者は幼少の頃、磯辺の岩のカメノテを見つけた時、ヌマガメが岩の隙間に沢山隠れているのかと勘違いしてしまったことがあるので、「カメノテ」という名前の付け方はごく自然ではないかと思う。海辺に住む人よりも内陸に住む人が圧倒的に多いので「亀」と言えばウミガメではなくヌマガメのことになるのだろう。
英語ではGoose Barnacle*8と言うらしい。「ガチョウのフジツボ」である。ガチョウが雁首をそろえているように見えるからだろうか。学名のPollicipes mitella*9の語源はよく判らない。
中国語では「龜足*10」と言うらしい。これは日本語と同じ発想である。
日本でも中国でもカメノテは食べると美味い*11らしい。
*1 カメノテ
*2 アカウミガメ
*3 日本のウミガメたち
*4 Mitella pollicipes (Gmelin, 1790) - SCALP Mit 1
*5 山本芳翠
*6 --- カメ目 - ヌマガメ科 - ユーラシアイシガメ属 --- イシガメ
*7 インターネット図鑑『自然界』KNOWLEDGE LINK PRESENT ハ DATA BASE SEARCH SERVICE 爬虫類の世界
*8 Goose Barnacle
*9 カメノテ Pollicipes mitella (Linnaeus)
*10 百科知識分類檢索
*11 カメノテ こんなモノが食べられるのか!?
011218先日*1、カメノテについて書いた。英語でカメノテをGoose Barnacleという。Goose Barnacleというのはカメノテだけではなくエボシガイ*2などミョウガガイ*3の仲間を指すらしい。ミョウガガイの由来は形が茗荷*4に似ているからであろう。中国語でも「茗荷*5」というらしい。
Goose Barnacleはカメノテだが、Barnacle Goose*6だとカオジロガンになる。実はbarnacleだけだと、「フジツボ」という意味の他に「カオジロガン」という意味もある。フジツボと雁とが英語では何故同じ名前になっているのだろうか。
そのいわれはここ*7に書いてあった。
barnacleは13世紀の初頭から見られる言葉だが、そのころはフジツボの意味はなくカオジロガンの意味しかなかった。フジツボの意味で使われるようになるには300年以上かかっている。昔の人々は大抵の生き物が自然発生*8すると思っていた。カオジロガンも誰も雛を孵している様子を見たことがなかったので海岸沿いの木や朽ち木から発生すると考えた。一方、フジツボは海に漂う木にも沢山付着しているので、フジツボもカオジロガンと同様に直接木から発生すると考えてしまった。更にフジツボは蔓脚という羽毛のような足*9を出すので、フジツボの中に小さなカオジロガンがいると考えた。
barnacleは元々はほカオジロガンを指す言葉であったが、時が経つにつれてフジツボの意味で使われるようになってしまったので、カオジロガンを表すのにわざわざgooseを付けてBarnacle Gooseと言うようになった。これは初期のレトロニムretronymの例である。
ところでレトロニムとは「後追い命名語*10」とも言われる言葉で、本来詳しく説明する必要がなかった言葉に対して、後から発生した言葉と明確に区別するためにその元々の言葉に本来必要のなかった形容詞を付けて出来た新語のことをいう。
例えばアコースティック・ギター*11はエレキ・ギター*12の出現によって作られた言葉である。本来ギターは電気を必要としない楽器なのでわざわざ「アコースティック」という修飾語は必要なかった。他に携帯電話に対して固定電話、emailに対してsnail mail*13(かたつむりのような郵便。普通郵便のこと)などがある。
*1 カメノテ
*2 平塚市博物館/エボシガイ
*3 い ま ご 荘
*4 ミョウガのページ
*5 百科知識分類檢索
*6 Barnacle Goose (Branta leucopsis)
*7 barnacle. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*8 細菌学を創ったひとびと 〜大発見にまつわるエピソード
*9 水族館こぼれ話
*10 館淳一氏の造語 ノーマル雑学掲示板より
*11 古賀政男音楽博物館
*12 寺内タケシの部屋
*13 The End of Snail Mail?
011219近所のチャンジャ*1を売っている店ではチャンジャの他にキムチ、チジミ*2や韓国の装飾、民芸品を売っている。先日、その店にチャンジャを買いに行ったら、店内に面白い物を見つけた。
「春夏冬 商い中」という札が掲げてあった。「春夏冬」で秋がないから「あきない」と読めるので、本来は「商い中」という言葉は要らない。それが言いたいのではない。「春夏冬 商い中」という札が妙に韓国風の店内に溶け込んでいたのである。一瞬、「春夏冬」が何か中国語か韓国語に見えてしまうのである。麻雀*3の影響だろうか。
秋(あき)は日本語なので「春夏冬」を「商い」と読むのは日本だけである。
上の例は少し簡単にしたもので、正式版は「商い ますます繁盛」である。「春夏冬 口口 五合*4」と書いて、そう読む。「春夏冬 二升五合*5」というのもあるようだ。
「口口」は漢字の「口」ではなく「枡*6」を表している。昔はよく店先に「何々あり□」と書いてあった。口だけではなく右上から左下に対角線*7を引いた。対角に鉄の棒が掛けてある枡を上から見た図である。「弦鉄枡」というらしい。米など枡の形に従わないものを計る時に使う。これがないと漢字の「口」と間違いやすい。
「商い ますます繁盛」の枡も弦鉄枡にするか「◇◇」にすれば「口(くち)」と見間違えることがなくなる。
*1 チャンジャ(2)
*2 韓国チジミ
*3 盲牌
*4 春夏冬□□五合
*5 凧人
*6 一升枡(いっしょうます)
*7 大阪ガス株式会社 G front.com 日本のものさし
011220小学生の時、修学旅行のお土産で小さな木製の六つの瓢箪がそれぞれひもで縛られ、そのひもが穴が開いたサイコロに通してまとめてあるものを買った。当時、筆者は瓢箪が大好きで図画工作の授業でつくるものにも瓢箪の絵柄をよく入れていた。今でもあの形*1が好きである。
このお土産品の由来が最近ふと判った。六つの瓢箪*2で「無病」なのだが、それだけではない。無病とくれば「息災」である。穴が開いたサイコロで六つの瓢箪を束ねる。サイコロで束ねる。「束(そく)サイ」であった。
*1 配管機器 ひょうたん印製品
*2 vol.89ミニチュアの世界 小林礫斎を中心に
011221宇宙で音が聞こえるか。ここで言う宇宙とは星と星との間の空間のことである。音というのは空気の振動である、と定義すれば空気のないところでは音は聞こえない。しかし必ずしも空気でなくてもいい。鼓膜を振動させることが出来れば*1空気だろうと水だろうと油だろうと何でもよい。それは「音」になる。
宇宙空間というのはそういう鼓膜に振動を与える一切のものがないところ、というのであれば音は聞こえない。聞こえるはずがない。しかし音というのは本来、脳が鼓膜の振動を「音」と認識して初めて「音」という情報があったと判断するので、鼓膜の振動が必ずしも必要がないだろう。脳が音と判断する部位に直接何らかの刺激を与えれば、それは「音」と知覚される。そんなのは音ではないというかもしれないが、これは定義の問題である。雑音の中で音を聞き分けるというのは実際に音を振り分けている訳ではなく、脳が聞き分けの処理をしている。聞き分けられた音も「音」と呼んでいるが、空気の振動を直接物理的に振り分けている訳ではない。音を記憶することや音を想像することは日常的にやっている。鼓膜の振動で感じる音とは違うが、これも広義の「音」とすることもできる。しかしこれも空気の存在は関係ない。
宇宙空間で音が聞こえるか。もしかして重力波*2が直接鼓膜に作用してそれが「音」として聞こえるかも知れない。
小学生の頃の理科の授業で音の性質を調べる実験を覚えている。先生が理科室の大きな机の周りに児童を集めた。机の上には支持台*3に乗せられたゴム栓がしっかりしてあるフラスコ*4があった。ゴム栓にはガラス管が刺してありそこにはゴムホースが付けられ、フラスコの中には針金でつり下げられた鈴が入っていた。その針金はゴム栓に刺してあった。
フラスコの中の空気がなくなったら鈴の音はどうなるかという実験であった。ゴムホースの先には真空ポンプが付けられていたはずだが、それは水流ポンプ*5であったか機械式の真空ポンプ*6だったかははっきり覚えていない。
フラスコの中に空気が入っている状態ではフラスコを揺らせば鈴の音が聞こえてきた。ポンプで中の空気を吸い出していくと最初のうちはまだよく聞こえたが、暫くすると殆ど聞こえなくなってきた。そして「空気がないと音は出ない」と先生は結論付けた。
机の周りに集まっていた児童は鈴の音が本当に音が聞こえないのか耳をそばだてていた。
「先生、何か聞こえるぞ」「鈴の音じゃないけど、カチカチとフラスコから音が聞こえる」
と誰かが言い出した。皆が口々に「聞こえる、聞こえる」と言い出した。「先生、どうして空気がないのに聞こえるの」という質問が出だした。
鈴をぶら下げた針金がフラスコを揺らすと少し当たったので、これが音を出していたのである。空気がなくても針金が当たることによりフラスコが振動して音を出しているのでフラスコの外に音は聞こえる。しかし児童達はこの実験から「空気が音の素」と結論付けられたので、空気がないところから音が出るのはおかしいと考えたのである。
これに対して先生はどう答えたのかさっぱり覚えていない。
*1 雑音の中の音
*2 重力波
*3 中村理科データベース 鉄製スタンド 大型B
*4 中村理科データベース 丸底フラスコ ガラス
*5 中村理科データベース 水流ポンプ(アスピレーター) SPG-300N
*6 小型真空ポンプメニュー
011222フジツボというと自動車好きの人はFujitsuboマフラー*1を思い起こすかも知れない。マフラーと言っても冬の季語のマフラーではなく自動車の排気管のことである。イギリスではサイレンサー*2と言うらしい。
襟巻きのマフラーと自動車の排気管のマフラーが同じ綴り*3なのは、排気管がエンジンの襟巻きみたいに見えるところが語源だからだろう。
では一体、「マフラー」と「フジツボ*4」にはどんな関係があるのだろうか。時々「FUJITSUBO」というステッカーを貼った自動車を見かけるが、これを見る度にフジツボと自動車、もしくはフジツボとマフラーとの関係は何か、と考えてしまう。
フジツボの様な形*5をしたマフラーなのか。いくら他の何かに似ていても自動車やその部品の名前に敢えてあまり格好良くない名前を付けることは殆どない。自動車に思いをよせる人の多くは自動車レースを思い浮かべているので勇ましくない名前は嫌われる。タコノマクラ*6マフラーでは誰も寄りつかない。
それなのに「フジツボ」とは。創業者の名前が藤壺*7であった。
*1 FUJITSUBO
*2 silencer. The Columbia Guide to Standard American English. 1993
*3 muffler. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*4 カメノテ(2)
*5 池にフジツボ?
*6 タコノマクラ
*7 Company Profile
011223引越をした。今まで住んでいたところから数100mの所に引っ越した。引っ越した距離が短かったので電話番号は変わらなかった。現在、我が家は電話線を使ってADSLでインターネット*1につなげている。電話番号が変わらなかったので特に局内工事*2はなかったのですぐ開通した。
ところが通信速度が極度に低下してしまった。現在、最高でも500kbps程度しかでなくなった。以前は1.2Mbpsぐらいは出ていた。
回線調整*3をしてもらおうと思い、NTTに問い合わせをした。すると今から回線の通信速度を調べるというので、電話口で待っていた。局内のモデムと自宅のモデムとの間の通信速度は1Mbps程度出ているというのである。
引っ越し前後で通信の設定は一切変更していない。それなのに通信速度が半減してしまっている。一体何が起こったのか。それにしてもモデム-モデム間の通信速度はどうやって測定するのであろう。本当に1Mbps出ているのだろうか。
*1 ブロードバンド(2)
*2 Q: フレッツ・ADSLの工事料金はいくらですか?
*3 Q: 回線調整とはなんですか?
011224人間の引っ越しに伴い、亀*1の引っ越しも行った。亀だけ*2ではない。亀の水槽にはタニシ*3、オイカワ*4、ヨシノボリ*5、ヌマエビ*6が棲んでいる。これらを全部移動させなければならない。
オイカワ、ヨシノボリ、ヌマエビは冬眠をしないので冬の水槽の移し替えは特に問題はない。冬眠をしている亀とタニシが問題である。冬眠中に彼らを起こすのはどのような負担が生じるのであろうか。
タニシは水槽に敷き詰めてある砂利の中で冬眠をしていた。亀は水の中で顔や手を半分だけ引っ込めてじっとしている。まず、亀だけをバケツに移し、水槽の水を抜いて魚やエビをもう一つのバケツに移す。タニシは砂利の中に潜っているので砂利をかき混ぜながらタニシを探す。水が冷たいので、結構大変であった。
冬眠から強制的に叩き起こされたタニシはバケツの中で足を伸ばして動き出していた。亀たちはそれ程驚いた様子もなく、じっとしている。死んでいる訳ではない。
新しい場所に水槽を移動し、生き物たちを水槽に戻してやった。タニシは水温が下がりすぎているためか、砂利の中に潜る気力がなくなっている。水槽に戻してやっても砂利の上で蓋を綴じて転がっているだけである。まさか、死んだのではないだろう。春になれば判る。
亀はどうか。ミドリガメは特に変わった様子はない。水槽の中でゆっくり動いたりじっとしていたりしている。イシガメは冬眠の調子を狂わされたのか、日中は水から上がって日向ぼっこをしている。本によるとミドリガメは冬眠中でも日差しが強い日には水から出て甲羅干しをよくするが、イシガメやクサガメは一旦冬眠にはいると冬の間は水からは全く出てこないと、書いてあった。「全く」なのに日向ぼっこをしているのが気になる。
日向ぼっこで体力を消耗して冬眠中に餓死*7するかも知れない。心配である。
*1 イシガメの鼻の穴
*2 亀達の生活
*3 群馬県立自然史博物館 収蔵庫を探る 無セキツイ動物 巻き貝類 タニシ・カワニナの仲間
*4 亀の心配
*5 石を食べる亀
*6 淡水エビ類
*7 亀の冬眠(2)
011225アナログ記憶式のレコードについて調べてみると先日書いた*1ことが、間違っている事が判った。「針で記憶された音を読みとる昔からのレコードは生産されなくなった」などと書いてしまったが、そんなことはないらしい。
アナログ記録式のレコード盤の製造を行っている日本の会社*2がある。日本では年間100万枚以上生産しているらしい。このページ*3に書いてあった。有り難いことにここでは雑記草も紹介されていた。更にレコード盤の輸入*4は900万枚以上もあるらしい。自分がうろつく商店では中古レコードしか見かけないので、ついアナログ式レコード盤の生産など終わってしまったと考えてしまった。公にする文章を書く時にはよく調べなければならない。
このレコード盤を作っている会社では携帯用レコードプレーヤ*5を開発している。一瞬凄いと思ったが、音楽の記録媒体も再生機器も供給する会社はソニー*6、東芝*7、パイオニア*8、日本コロムビア*9などがあることに気付いた。
開発された携帯用レコードプレーヤ*10がなかなか格好がいい。試作品で手作りっぽい所がいいのかも知れない。量産型になると製造費用優先になるためか大抵は不思議と格好悪くなる。
携帯用で思い出したのが、自走式レコードプレーヤー*11である。レコード盤の上を再生用の針が付いている自動車がくるくる回転して音を再生する。自動車にスピーカーが付いている*12ので、スピーカーがレコード盤の上で回転運動することによるドップラー効果*13によって音楽がまともに聞けないのが欠点であった。無線で固定されたスピーカーに音を送るようにすればいいかも知れない。
ウォークマン*14と違って上記のレコードプレーヤーは身につけながら聴くことが出来ない。持ち運ぶと針が飛ぶからだろう。その針をCDやDVDと同じようにレーザにすれば*1持ち運びながら再生が可能になるかも知れない。
しかし価格が100万円以上*15なってしまっては誰も買わないだろう。
*1 光の針
*2 Toyokasei WebSite 2001
*3 Auxtracker newslog20011203_
*4 20010904 ◆ 昨年のアナログレコード輸入、932万枚で過去最高
*5 12cm Analog Record Player
*6 Sony Music Group Company Site
*7 TOSHIBA EMI To Make It!
*8 fantasize
*9 日本コロムビア [ 会社情報 ]
*10 http://www.toyokasei.co.jp/dev/scale.jpg
*11 「パラッパLP」
*12 vinyl killer normal
*13 ドップラー効果
*14 WALKMAN OFFICIAL WEB SITE
*15 The Laser Turntable ELP CORPORATION 購 入 方 法
011226亀の引っ越し*1の時にイシガメを見てつくづく思ったのは、やはりよく似ていることである。首を引っ込めて首の周りの皮が頭を包み込む様子は本当によく似ている。「亀頭*2」とはうまく名付けたものである。しかしよく考えてみるとこの言葉は日本や中国だけの表現の仕方で、しかも比較的新しい言葉ではないだろうか。中国語でも「龜頭*3」のようだ。
西洋では「亀の頭」と言わない。ヨーロッパヌマガメ*4という旧大陸産の亀がいるが、イシガメ*5と違って頭に斑模様があるので、とても陰茎の先端を想像することが出来ない。
英語では「glans*6」と言う。語源はラテン語で「どんぐり」を意味する言葉で、その形状が似ている*7ところからそう呼ばれる。
日本では他の言い方で「雁首(かりくび)*8」という。少なくとも明治以前には「亀頭」という言葉には陰茎の先端の意味はなかったのではないだろうか。名字や地名などに亀頭(かめがしら*9、きとう*10)というのがある。陰茎の先端を意味するのであれば、そのような名前をわざわざ付けるとはとても思えない。「亀頭」は学術用語として明治時代に作られた言葉ではないだろうか。
*1 亀の引っ越し
*2 きとう 0 【▼亀頭】 - goo 辞書
*3 HealthBasic.com 醫學常識 男性病
*4 ヨーロッパヌマガメ
*5 --- カメ目 - ヌマガメ科 - ユーラシアイシガメ属 --- イシガメ( Mauremys japonica )
*6 glans. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*7 どんぐりで遊ぶ「どんぐりの種類」
*8 便利ツール[国語辞典]:雁首
*9 応用物理化学研究室 教授 亀頭直樹
*10 亀頭山城(きとうさん 城)
011227ある雑誌の記事にCDやDVDは磨くとそこに記憶されている音が良くなると言うことが書いてあった。DVDの場合は画像までも良くなるとある。「良くなる」という言葉の意味が明確ではないが、記録面に埃や汚れがあれば読み取り誤りが生じて、それが雑音になるだろうから「磨けば良くなる」というのも不思議ではない。
このデジタルで記憶されたCDやDVDを磨くと音だけでなく見た目にも綺麗になる。これに対して「瑠璃も針も磨けば光る*1」という諺を引き合いに出していた。この記事の著者は「最近の若い人はこの諺を知らないだろうが」と断っていたが、最近の若い者だけではなく大昔若かった人達だってそんな諺は知らない。
「針」ではなく「玻璃*2」である。アナログ式のレコード盤の類推から「針」と思ってしまったのだろうか。これはワープロの誤変換という言い訳は効かないだろう。本になっているのだから少なくとも一回は原稿を読み直しているはずである。誤変換なら本来漢字2文字の所が1文字になってしまっているので気付かないはずがない。
更に「瑠璃も玻璃も磨けば光る*3」という諺もない。「瑠璃も玻璃も照らせば光る*4」ならばある。雑記草の筆者が幼少の頃に読んだ本にいろはかるたの比較*5について書かれたものがあった。それで「瑠璃も玻璃も磨けば光る」と覚えてしまったが、「磨く」ではなく「照らす」であった。この記事を書くに当たって初めて知った。
*1 Google 検索: 瑠璃も針も磨けば光る
*2 便利ツール[国語辞典]:玻璃
*3 Google 検索: 瑠璃も玻璃も磨けば光る
*4 便利ツール[国語辞典]:瑠璃
*5 いろはかるた比較
011228赤ん坊の語源の記事*1でbabyを調べていたらbaba*2という言葉を見つけた。ラム酒に浸した干しぶどう入りのスポンジケーキ*3のことらしい。
語源となったbabaはポーランド語でお婆さんを意味するらしい。凄い偶然である。
*1 赤ん坊の語源
*2 baba. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*3 Arielle's Recipe Archives: Baba Au Rhum
011229岐阜県の飛騨高山に丹生川(にゅうかわ)*1という村がある。ここに千光寺*2という寺があり、その寺には「両面宿儺(りょうめんすくな)*3」という怪人の像が祀られている。
この両面宿儺は日本書紀*4に登場し、その姿は一つの胴体に顔が二つ、それぞれの顔はお互いに反対方向を向いており頭は一つになって、手足は4本ずつあったという。日本書紀の中でこの様に記述*5されている。
たまたま今年の春に千光寺に行った時、この両面宿儺を拝むことが出来た。表の姿*6はこんな風である。裏の姿*7はこんな感じである。裏の姿はレレレのおじさん*8を彷彿とさせる。
*1 「雲の上の楽園、北アルプスリゾート」飛騨・丹生川村
*2 千光寺の歴史
*3 両面宿儺伝説をめぐる奇想
*4 日本書紀 巻第十残巻
*5 両面宿儺『日本書紀』原文データ
*6 Ryoumen1.jpg
*7 Ryoumen2.jpg
*8 これでいいのだ 天才バカボン 登場人物紹介
011230映画「トラ・トラ・トラ*1」を久しぶりに見た。DVDで見た。
最初に山村聰*2が扮する山本五十六中将の連合艦隊司令長官就任式の場面がある。山本五十六を迎え入れる時に軍楽隊により将官礼式曲「海行かば」が演奏される。
映画の中で演奏されている「海行かば*3」は信時潔(のぶとき きよし)の作曲のものである。実際の将官礼式曲は東儀季芳(とうぎ すえよし)作曲のもの*4であるらしい。この曲は軍艦マーチの中間部分に使われている*5。軍隊の様式美を伝える感動的な場面であるが、十分な考証が為されなかった結果なのか、敢えて人口に膾炙している方の「海行かば」を使ったのか判らない。
見たのはアメリカ公開版だった。久しぶりに見たくなった理由は日本海軍が真珠湾を攻撃した12月8日が近かった訳ではなく、トラトラトラ*6の渥美清*7を見たくなったからである。初めてこの映画を劇場で見た時の記憶は渥美清が登場する場面だけであった。
渥美清が登場するのは日本公開版だけだそうだ。アメリカ版ではカットされたようだ。日本版を探さなければならない。
*1 トラ・トラ・トラ!
*2 今週の徹子の部屋 8月 29日(木) 出演 山村聰(やまむら そう)
*3 海行かば 作詞 大伴家持・作曲 信時潔
*4 海行かば 大伴家持 作歌 東儀季芳 作曲 五十嵐悌三郎 編曲
*5 軍艦マーチ
*6 『トラ・トラ・トラ!/Tora!Tora!Tora!』
*7 渥美清 Kiyoshi Atumi
011231ブランド志向という言い方があって、時には嫌みに使ったりする場合もある。成金*1趣味というか、高額な装飾品を分不相応に身にまとうことも指す。
この用法は「ブランド」という言葉の意味をかなり歪曲した使い方である。これだと高額装飾品ならばブランドと言うことになってしまう。そうではない。ブランドとその商品の値段は関係ない。ブランドを維持するため、値段を高くしても売れる、と言うところから高額になる場合が確かに多い。
そもそも「ブランド」とはどういう意味か。英語のbrand*2が語源である。烙印*3のことで、製品に烙印を押して他の物と区別したことから、商標とか銘柄という意味になった。
ブランドという言葉が一般に使われ出したのはいつ頃からだろうか。1970年代頃からか。それ以前は「メーカー品」という言葉しかなかったような気がする。現在もメーカー品とブランドと両方とも使われる。メーカー品は工業製品全般に使われるが、ブランドは主に身につける装飾品に用いられる。工業製品は全て製造業者makerが作っているので、どんなに品質の悪い工業製品でも「メーカー品」である。本来は「有名メーカー品」「一流メーカー品」であったのだが、頭の修飾語が略されて「メーカー品」と言われるようになった。
ブランドも同じで、高くても安くても大抵の製品には商標が付いている。一般に使われている「ブランド」は有名ブランド、一流ブランドの修飾語が略されているだけである。「無印*4」というブランドもある。つまりブランドのない工業製品はないのである。ブランドをわざわざ外して売る製品があるが、安く売るための無保証の売りっ放しである。
メーカー品もブランド、もしくはブランド品という言葉はその製品の品質や性能を代弁している。製品を買う人はそれを知るだけである程度、品質や性能を把握することが出来る。いちいち調べる必要がない。だから有名なブランドであれば買い物が楽になるのである。そのブランドだけで判断して物を買っても十分思ったように機能を発揮してくれるのである。従って少々値段は高くても買おうとするし、売れるのである。
従って「ブランド志向」「ブランド漬け」は購買者の知恵であって、成金趣味とは違う。
*1 便利ツール[国語辞典]:成金
*2 brand. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*3 ハンコ作り・タガネハンコ(烙印)
*4 良品計画
Zip*1が直った。何もしなかったけど直った。一体何がおかしかったのだろう。接触不良だったのか。
それにしてもコンピュータの中に入っているLSIの中では数十μm(μmはmmの1/1000)の幅しかない配線で何千何万というトランジスタとトランジスタとがつながれている。その配線が一本でも切れればコンピュータは動かない。そんな奇跡的なことが日常で行われているのは何とも凄い世の中になっているものだ。
*1 Zip
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