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0205雑記草
020502昨日の話題*1の続き。英単語*2にもある。英単語の成り立ちを教える側は冗談のつもりでも教えられた方は真に受けてしまう場合が殆どであろう。
例えば「news」の語源は「North、East、West、Southの略」でnewsは四方から集まった情報であるとか、「history」は「his+story」で「歴史とは男だけの物語」である、という冗談がある。
「news*3」は「new」から派生した言葉で、「history*4」はラテン語のhistoriaからで来た言葉である。ラテン語のhistoriaはギリシャ語が語源で、その意味は「賢い人」である。「story*5」の語源自体がラテン語のhistoriaなので「history」が「his+story」であるはずがない。
半島peninsulaも誤解されている場合がある。半島という地形は陸から海に突き出ているので、その語源はpenis*6である、という冗談を真に受けてしまっている。peninsula*7の語源はpen(殆ど)+insula(島)*8で、「半島」の「半端な島」と似た成り立ちである。
*1 歩
*2 Gabacho-Net NEWS = 北・東・西・南?
*3 new. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*4 history. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*5 story 1. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*6 天下の奇祭
*7 peninsula. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*8 ネオジム
020503篠島*1の思い出。篠島で撮った写真のスライド*2が出来上がったので、スライド上映を家族で楽しんだ。
その中に面白いと思って撮ったのだが、すっかりそれを撮ったことを忘れていた物が映し出された。「美人地蔵」である。美人地蔵とは今、筆者が作った言葉であるが、念のためweb上で探してみるとそういう言葉を使っているページ*3があった。
これが「篠島の美人地蔵*4」である。拡大するとこんな風*5である。この写真を撮った日の朝、何気なく散歩をしていたら異様な雰囲気を感じた。ふと振り向くとこの美人地蔵様が鎮座坐(ましま)していた。あの様な美人顔をしていて桃色のチェックのよだれ掛けをしていれば、妖気を漂わせない筈がない。
この「美人地蔵」は本当は地蔵*6ではない。弘法大師*7の像らしい。篠島の道端には八十八の弘法大師が祀られている*8。その中の一つである。
地蔵にしても弘法にしても凄い顔である。本当の意味で有り難い*9物を見ることが出来た。
*1 篠島
*2 スライドフィルムの傷
*3 鳳林寺の美人地蔵
*4 jizou1.jpg
*5 jizou2.jpg
*6 地蔵と弥勒
*7 弘法大師
*8 愛知県知多半島の先端、師崎港から海上わずか4kmの近さにある篠島。
*9 goo [国語辞典]: ありがたい
020504送電線に雪が付着して、その重みで電線が切れたりたるんだりする。電線は細長いので大量に雪が着くことはないような気がする。少々雪が着いてくらいでその重みによって電線が切れたりすると言うのはちょっと信じがたい。電線は金属製で雪は氷である。重さが全然違う。しかし実際には雪による被害が起こる*1ので、電線にはその対策が施してあるらしい。
丸いままの電線だと電線に着いた雪が付着しながら電線の周りを回転し、雪だるまが転がる度に雪を着けて大きくなるように電線の周りに雪がどんどん着いていく*2。この雪の重みで電線が弛んだり切れたりしたり、付着した雪によって電線が受ける風の影響が大きくなり、電線が受ける力によって鉄塔が倒れたりすることがあるらしい。
そこで雪の付着を防ぐために電線の周りで雪を回転させずに下に落としてしまう工夫を電線に施したり*3、一時的に電線に沢山の電流を流して電線自体を発熱させて雪を溶かすということがなされている。
その中でも筆者が秀逸と思うのは電線に針金のような物を巻き付ける方法*4である。この方法が雪の付着防止対策の費用の点から最も効果的かどうかは別として考え方がいい。
電線に電流を流すと電線の周りに磁界が発生する。送電線に流れている電流は常に電流の向きが変化する交流*5と呼ばれるものなので磁界の強さや向きもそれにつられて変化する。磁界が変化するとその磁界の中にある電気を通す物に電流が流れ出す*6。電気を通す物が鉄など磁石にくっつくようなものだとそれ自体が磁石にもなる。電線に捲かれた針金にも電流が流れたり、針金が磁石にくっつく材料で作られていれば磁石になったりする。
電気が流れれば必ず熱が発生する。磁界によって磁石になるだけでは熱は余り発生しないが、その磁界の強さや向きが頻繁に変化すると、それによって磁石になる方も忙しく磁石の強さや磁極の向きを変えるので熱がだんだん溜まってくる*7。針金が捲いてなくても捲いてあっても電線からは磁界が出ているので、それを利用しているのである。
この熱を利用して電線の周りの雪を溶かすのである。秀逸なのはここからである。磁石になる性質は周りの温度に左右される。どんなものでも温度が高いと磁石になりにくくなる*8。つまり夏になると磁石になりにくく、冬になると磁石になりやすい。温度によって磁石になり易さが極端に変化する針金*9を電線に巻き付ければ、冬だけ熱が発生して雪が着かなくなる。雪に関係ない夏には熱が発生せず、冬だけ熱が発生して雪が着かないようになる。なんと合理的な仕組みだろうか。
しかしよく考えてみると冬だけ発熱する必要があるのだろうか。夏も同じように発熱しても全く問題はない。わざわざ夏だけ発熱しない特殊な材料の針金を使うのは費用がかさむ原因になる。これでは非合理極まりない。
電線の周りに発生する磁界は、その周りに何があっても関係がないような気がするがそうではないようである。電線に流れる電流で発生した磁界によって周りの物に熱が発生すれば、電線から周りの物へエネルギーが流れて行ったことになる。電線から一部の電力が針金に移動していることになる。つまり夏冬関係なく周りで発熱すれば雪の降らない夏に電力を無駄に消費していることになる訳である。
こう考えるとやはりよく考えられた仕組みだ。だが、不思議な感じは拭いきれない。直接電線に触れていないにもかかわらず電力が移動しているというのである。ラジオやテレビ*10の放送局のアンテナから出ている電波も本質的には同じ筈である。放送局のアンテナ線に電流が流れて磁界が発生して周りにあるラジオやテレビジョンの受信機のアンテナに電流が発生するので音を聞いたり絵を見たりすることが出来るのである。電線に捲かれた針金の有無と同じように、厳密に言えば受信するラジオやテレビジョン受像器の数によって放送局が消費する電力が変わってくることになる。本当にそうなのだろうか。受信する側のアンテナに流れる電流は熱など全くと言っていい程発生しない極微量なので移動する電力は完全に無視して考えているだろう。
*1 5.雪のつきにくい「ヒレつき電線」
*2 送電線の雪害対策をはなしてください。またギャロッピング現象についての対策はどのようにされているのですか。
*3 雪害から送電線を守る 難着雪電線/着雪防止用付属品
*4 フジクラ技報 第100号 送 電 線 事 業 部
*5 電源周波数
*6 電磁誘導
*7 ヒステリシス曲線を考える
*8 磁石とローソクでつくるエンジンム
*9 特許番号 第2822104号
*10 ラジオとテレビ
020505先々月に机を買った*1。椅子四脚と机とが一緒になって2万円以下だった。最初は机と椅子一つを使っていたが、バランスチェアという椅子を買ったので机だけを使うことになった。椅子四脚は全く使わないことになる。一脚は暫く使ったが、あとの三脚は全く使っていない。そのまま捨てるのは勿体ないので売りに行った。
一軒目の古物*2買い取り店で椅子を見せたら買い取りを断られた。椅子だけでは売れないと言うのだ。机があれば一緒にして売ることが出来るが、椅子だけを買いに来る人はいないと言うことなのだ。そして買い取りは出来ないが、置いていくだけなら引き取るという。ついでにプラスチック製の簾とか水の気化熱を利用した15年以上前の冷風機*3を買い取って貰うつもりだったが、これらは逆に引取料金を取りたいぐらいだと言われてしまった。
椅子四脚だけでもこの店に置いていこうと思ったが、もう一軒行ってみた。
椅子は一脚500円、プラスチック製の簾は100円で売れた。冷風機は古すぎて買い取れないと断られた。
この違いはいったい何であろう。買い取りしてくれた店は薄利多売の店である。特殊な形の洗濯機を200円で売っていた店*4である。この店はいつ行っても客でごった返しており、陳列棚の商品もしょっちゅう入れ替わっている。最初に断られた方の店はいつ行っても客は殆どいない。売っているものも少し高めである。この高値につられて買い取りも高いのではないかと思ってしまったのだが、違っていた。
商品の回転率が低いので「安く買って高く売って」いたのだった。椅子も最低価格の0円で買い取るつもりだったようだ。
いらないものを売るときは客が多くて商品の入れ替わりが頻繁にある店を選ばなければならない、という教訓を得た。
*1 バランスチェア
*2 古物営業法
*3 TIS−12C
*4 Wash Machine
020506簡単でおいしい料理をご馳走になった。レタスを鍋でゆでて食べるのである。鍋には適当に薄めためんつゆ*1を入れてレタスを入れる。他に入れるものは牛肉でも豚肉でも鶏肉でもいいと思うが、豚肉がよく合う。
マヨネーズ*2を小皿にとって、好みによって七味や一味をふりかける。これにつけながら食べる。
うどんすき*3に似ているかもしれないと一瞬思ったが、めんつゆを鍋に入れるところだけが似ているだけだ。
マヨネーズとめんつゆでふやけたレタスとが醸し出す味はテリヤキバーガー*4を彷彿とさせる。こちらのてりやきバーガー*5ではなく元祖の方*6の味である。
鍋が終わった後、鍋にご飯を入れて卵でとじるとおいしいと言われたが、マヨネーズで腹が一杯になってしまい、ご飯を食べる気にならなかった。
*1 鰹一番だし めんつゆ
*2 キューピー
*3 ようこそ 美々卯へ
*4 テリヤキバーガー
*5 Welcome to McDonald's Japan
*6 MOS BURGER
020507「オートバーン」とか「エアフランス」という人がいる。
オートバーンとはドイツの高速道路Autobahn*1のことである。ドイツ語では「アウトバーン」と発音する。ヒトラー*2の数少ない役に立つ遺産として有名*3である。他にはフォルクスワーゲン*4がある。
エアフランスとはフランスの航空会社のことでAir France*5のことである。フランス語で「エールフランス」と発音する。
オートバーンはAutobahnの英語式読みかフランス語式読み、エアフランスはAir Franceの英語式読み方だろう。二昔前まではこのような読み方を普通はしなかったが、最近はよく耳にする。もともと現地の発音に則した外来語として「アウトバーン」とか「エールフランス」という言葉があったにもかかわらず、わざわざ英語式で読む人が増えてきている。
フォルクスワーゲン*6の「ワーゲン」の様に最初から英語式で定着*7しているのならば仕方がないが、現地式の発音で定着しているのを言い換えるのは一体どういうことなのだろうか。「通」っぽく聞こえるからか。それにしても何の「通」なのだろう。
*1 autobahn-online.de - Autobahnen in Deutschland
*2 Hitler Historical Museum
*3 Hitler's Creation of the Autobahn
*4 Adolf Hitler and Volkswagen
*5 エールフランス航空
*6 Volkswagen Interactive
*7 Bachの読み方
020508テレビジョン受像器を買った。横に広いテレビである。ブラウン管式*1にするかプラズマディスプレイ式*2にするか迷って値段の安いブラウン管式にした。
買ったのはビクターのAV-32Z1500*3という機種である。主な使用目的はDVDを鑑賞するためであったのでBSデジタルハイビジョン*4用のチューナがなくてもよかった。ソニーのKD-32HD800*5と迷ったが、ハイビジョン用チューナの分が安いビクターにした。
買ったビクターのテレビは縦方向の走査線の数を衛星放送でも普通のテレビジョン放送でもDVDでも1500本に変換して表示*6する。映像の信号をそのように変換して表示するのである。
ブラウン管の中にはアパーチャグリル*7と呼ばれる縦方向に細い隙間を沢山並べた金属製の板*8が入っている。この隙間を電子が通過して、それがブラウン管の蛍光面にぶつかって様々な色を出す。この隙間が沢山あればあるほど表示される絵が細かくなる。ソニーのブラウン管は1300本以上*9の隙間がある。ビクターは1100本程度らしい。家のテレビを数えてみれば分かるが面倒である。
ソニーの1300本隙間があるブラウン管で、ビクターの縦方向の走査線を1500本にする方式を採用すればすごい精密な画質ができそうだが、実際はどうなのだろう。もう少し待てばそういう製品がでてくるのだろうか。今後はプラズマや液晶が主流になりそうだから、そういう製品は出てこないだろう。
*1 技術情報 デジタルTV用ブラウン管
*2 ちょっと拝見
*3 DET搭載高精細テレビ1500i
*4 - Welcome to BPA -
*5 Sony Drive
*6 Digital Emotional Technology
*7 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - アパーチャグリル
*8 何でも質問隊
*9 http://www.ecat.sony.co.jp/products/catalog/TV_sou.pdf
020509篠島に行った時*1、その島の観光協会がゴールデンウィークの催し物として福引き大会をしていた。
子供達がくじを引いたら魚が当たった。細長い魚で20cm発泡スチロールの箱に20匹ぐらい冷凍にされて入っていた。篠島から帰ってきた翌朝にはその魚が焼かれて食卓に出てきた。
連休に何をしたのかを作文にする宿題が出た。魚が福引きで当たったことを書こうとしたが、何という名前の魚が当たったのか分からないので、子供は妻に聞いた。「キス*2」だろうということになったらしい。
宿題の提出日の朝、妻が「くじで当たったのは何という魚」と聞いてきたので「確かサヨリだと言ってた」と答えた。観光協会の人がそう言っていた筈だ。念のためweb上で調べてみたら、やはりくじで当たった魚は「サヨリ*3」だった。
名前が分かっていればその名前が正しいかどうかは図鑑の写真と比較すれば簡単に分かる。しかし名前が分からない場合、web上でその魚の名前や特徴を知るにはどうすればいいだろうか。
名前や種類で分類した図鑑*4はある。しかし紙の図鑑のように頁をペラペラめくって魚の写真を見ることができない。やろうと思えばできるが、面倒すぎる。
形や特徴で検索できるようなものはないのだろうか。探したらあった。このサイト*5では魚の形状から検索できる。魚だけではなく哺乳類や爬虫類なども検索できる。ただし「サヨリ」は検索できなかった。
*1 篠島
*2 玄界灘のお魚図鑑:キス
*3 サヨリ
*4 淡水魚図鑑
*5 インターネット図鑑『自然界』
020510「数字には訓読みしかない*1」という見方をしている人がweb上にいることを知ってぎょっとした。「音読み」「訓読み」というのは漢字に対して言う言葉であって数字や記号や他の文字に対して使うのを初めて見た。すごい発想である。
「音読み」とは漢字を中国での発音に基づいて日本で当てられた漢字の読み方で、「訓読み」はその漢字の意味から日本で独自に作られた漢字の読み方である。音読みも日本語としての読み方なので日本で独自に作られた読み方と言ってもいいかもしれない。
日本で殆ど使われなかった漢字や日本語に元々なかった概念や物事を表す漢字には「訓読み」はない。逆に日本で作られた漢字*2には音読みがないはずだが、和製漢字とされる「働*3」などは「ドウ」という音読みがある。「音読み」とは中国語風の漢字の読み方とすべきかもしれない。
「音読み」はその漢字に割り振られた「音」を表し、「訓読み」はその漢字の意味を表すと考えれば、他の文字や記号にも「音読み」「訓読み」の考え方を当てはめることができる。
ローマ字の「A」は英語で言えば「エイ」「ア」「アー」「オー」という音を表す。これは「音読み」と言っていいだろう。「A」という字そのものは英語では「エイ」と称する。これは「A」という文字の名前であって「訓読み」ではない。ローマ字は表音文字である。アルファベット*4の第何文字目というような意味はあるが、ローマ字それ自体には意味がないので訓読みはない。
文字の歴史からすれば、物事を表す絵が次第に音だけを表す図形に変化して表音文字になったのだから「A」にも訓読みがあったはずだが、その「訓読み」を使うことはローマ字を使う言語にはないだろう。因みに「A」は元々母音を表す文字ではなかった*5。
平仮名、片仮名、ハングル*6も音読みしかない。「あ」は「安」からできたが、「あ」を「安い」という意味として「やすい」と読むことはない。
アラビア数字はどうか。物理量や貨幣などの単位を表す記号はどうであろうか。これらの文字や記号は物事の概念や意味を表すためにある。それらを組み合わせて、ある言語の単語の発音を示すために作られたのではない。従ってアラビア数字には「訓読み」しかない。
*1 「訓読み」の本家は「数字」にあり
*2 新しい漢字
*3 和製漢字の辞典:巻1(1〜101)
*4 ローマ字
*5 母音
*6 巧克力
020511「鮫」という漢字は、鮫が交尾をする*1ので「魚偏に交わる」と書いて「サメ」を意味するようになった、と書いたことがあった。
しかし大抵の漢和辞典で調べてみると「歯が交わる」様子から「鮫」という漢字ができたと書いてある。他の魚偏の字を見てみると、「鮃*2」ならば「平らな魚」、「鱈*3」は「雪の季節によく捕れる魚」、「鯉*4」の旁の「里」はすじの意味で鱗に「すじがある魚」となっている。鱈は和製漢字だが、中国でも使われているらしい。
生活に密着した物事を漢字が成立するためにはその文字を使う大多数の人々が、「確かにその通りだ」と思われなければならなかったのではないか。皇帝や学者が新しい漢字を作って「この漢字を使え」と言われて広がるのではないだろう。
鮫が交尾をする様子がしょっちゅう見られるとはとても考えられないので、交尾が語源となって「鮫」という漢字が成り立つとは思えない。やはり鮫の口の様子から出来上がった字ではないだろうか。
大漢和*5はまだ見ていない。調べておく必要がある。
*1 鮫
*2 ヒラメ
*3 図説1
*4 コイ
*5 座右の銘
020512版画を買った。織田繁*1という人の版画である。「苧環*2」と題された花の版画で、店頭で惹きつけられて、家のここに飾ったらこんな感じかと想像しながらいろいろ考えているうちに思い切って買ってしまった。
店員に織田繁の事やこの版画の技法についていろいろ教えてもらった。作者も技法も初めて聞いた。といっても画家の名前や技法は元々殆ど知らない。
銅版画の一種でメゾチントという方法を使った版画である。銅版画と言えばエッチング*3しか知らなかったが、様々な方法*4があるらしい。メゾチントは銅板の表面をささくれ出させて色を付けない部分はそのささくれを削って版を作る方法である。版画でも微妙な濃淡が表現できる。
メゾチント*5と言う言葉は初めて聞いたのだが、こんな感じの版画はどこかで見たことがあった。エッシャー*6の版画である。エッシャーというと不思議な立体画や平面や球面を埋め尽くす図形*7を思い出が、普通の絵もある。それらは一見、無機質な感じだが、見ていると面白みがじわじわと湧いてくる。
この「Dewdrop*8」という作品がメゾチントを使って描かれている。
*1 織田繁の世界
*2 オダマキ(苧環)
*3 エッチング
*4 銅版画の技法いろいろ
*5 メゾチント一覧
*6 CGFA- Maurits Cornelis Escher
*7 The World of Escher - Artwork Gallery
*8 Gallery - M.C. Escher - Dewdrop
020513「バイオライト*1」という卓上の照明器具を買った。
「Biolite」とは生体とか生命を意味する「bio-」と光を表す「light」を略した「lite」とを組み合わせて作った言葉であろう。何故「bio」かというと目に優しい、目のことをよく考えたと言うことで「bio」と付けたのだろう。「bio-」と付くとそれその物が生体工学を応用した様な語感がある。20年以上前のアメリカ製のテレビジョンドラマであるバイオニック・ジェミー*2を思い出す。
バイオライトも何か生物工学を応用した光源、例えば蛍の発光原理*3を用いた光源を使った照明、というような想像をしてしまうが、そうではなく照明が人間の目に与える影響を考えてある*4から「bio-」である。
特に光のちらつきを無くしているらしい。家庭用の100V電源は50か60Hzの交流*5である。交流とは電気の流れる方向が常に変化していることをいう。60Hzの交流ならば、1秒間に60回電流の向きが変わっているということである。電球に60Hzの交流を流せば電球は1秒間に60回点滅*6していることになる。交流ではなくいつも電流の向きが一定の直流*7を電球に流してやれば点滅はなくなる。
電球ではなく蛍光灯でそれをやったらどうなるか。直流でも蛍光灯は光らせることはできる。電球はフィラメントが電流によって発熱させフィラメントその物が光る*8。蛍光灯はガラス管の中で放電を起こし*9、放電によって発生した紫外線がガラス管の内側に塗ってある蛍光物質を光らせている。
直流で放電*10すると電極の極性によって紫外線の発光の偏りが生じる。直流で蛍光灯を点灯させると蛍光灯のどちらか一方が暗くなってしまう。これでは使い物にならないので交流で点灯させる。常に電流の方向が変わっているので蛍光灯全体が満遍なく光る。
従って蛍光灯も交流で点灯させた電球と同じようにちらついている。50や60Hzで電流の向きが変化しているので目がちらつきに追いついて気になるのだが、ちらつきの速さ、周波数をもっと上げれば目が追いつかなくなり、ちらつきが判らなくなる。インバーター*11を使った蛍光灯はちらつきが見えない。
バイオライトは電球を使っている。交流電源を直流に変換してやれば電球のちらつきは完全になくなる。まぁ、これだけで「bio-」というのは大袈裟のような気もしないでもない。
因みにSONYの「VAIO*12」シリーズは「bio-」とは少し関係がある。「VAIO」のロゴタイプの基本は「VA」でアナログを表す正弦波、「IO」でデジタルを表すアラビア数字「10」の組み合わせであるが、「バイオ」という発音から「bio-」を連想させる*13効果も期待しているらしい。
*1 biolite
*2 Sci-Fi Channel: The Bionic Woman
*3 ホタルはどうやって光をだすの?
*4 バイオライトは、こんな方へおすすめします。
*5 境界
*6 光のチラツキを解消。
*7 テスラ
*8 冷凍光線
*9 電球形蛍光灯の構造と発光原理
*10 グロー放電(glow discharge)
*11 調光インバーター
*12 VAIO / ENJOY VAIO
*13 The philosophy of VAIO「VAIO」の由来とフィロソフィー
020514何とも便利な、痒いところに手が届くweb上の辞書を見つけた。HyperDictionary*1である。「hyper」というのは「超越した」と言う意味だから「超辞書」とでも訳せばいいのだろうか。
見出し語の意味を説明している文章に登場する全ての単語が、その辞書内の見出し語にリンク*2されているのである。例えば「dictionary*3」という単語を引いてみる。出てくるページは左右に二つに大きく分かれている。左側と右側は全く同じ内容が記載されているが、左側の単語には全てリンクが設定されている。「from*4」や「to*5」も全てである。これは英語が得意でない人にとって非常に便利である。
学生の頃、少しでも英語に慣れるつもりで英英辞典*6を買って使っていたことがある。ところが見出し語の意味を説明している英文中に意味の分からない単語が続出して、結局英和辞典との併用を余儀なくされていた。あまりにも面倒臭いので直ぐに使わなくなってしまった。
HyperDictionaryはHTMLのリンク機能*7を最大限に利用した辞書であると思う。
*1 Welcome to the HyperDictionary
*2 リンク(2)
*3 Dictionary
*4 From
*5 To
*6 研究社ホームページ
*7 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - リンク
020515遠い昔、何かの本で読んだのだが、昆虫は自分の体内にある水を保持するためにいろいろ苦労をしている、というのだ。その本にその苦労が書いてあったのか、書いてあったならばそれはどのようなものかは完全に忘れてしまった。
昆虫の体も我々と同じように細胞で構成されている。そうするとその細胞の中には水が含まれているはずである。それに昆虫の体の中にも体液が流れている*1だろう。芋虫やカブト虫などであれば体内に循環器があるというのは何となく想像できる。昆虫もぼーっとしていれば細胞の水や循環器を流れる体液が蒸発してしまうのではないだろうか。
アザミウマタマゴバチ*2という地上で確認されている世界最小の昆虫がいる。アザミウマ*3という1mm程度の虫の卵に寄生する蜂*4らしい。1mm程度の虫が生む卵だから、それは1mmよりも小さい。そしてその卵に寄生する蜂だからもっと小さい。0.2mm程度の大きさしかない蜂である。髪の毛の太さが0.1mm程度*5なので、その2本分しかない大きさだ。
これだけの大きさしかないのにどうやって体の水分を一定に保っているのだろう。アザミウマタマゴバチよりももっと小さい生物はいくらでもいるが、それらは常に水の中にいる。水の中にいれば自分の体内の水の心配は必要ない。
アザミウマタマゴバチと同じ大きさの水滴を空気中に置けば、数十秒もすると完全に蒸発してしまう。アザミウマタマゴバチの寿命は数日なのか数時間なのか判らないが、少なくとも体内の水が蒸発してしまうのを防ぐ努力をしているに違いない。
もしかしたら積極的に空気中の水分を取り込む機構を持っているのかもしれない。呼吸で取り入れている*6のは酸素だけではなく空気中の水分も取り入れているのだろうか。
*1 検査のわき道20「本当の支配者?:昆虫たちの世界 その1」
*2 世界最小の虫
*3 アザミウマ
*4 地上最小の昆虫はどうやって飛ぶか??――アザミウマタマゴバチ
*5 日本女性の髪の毛の平均的太さはどれくらい?
*6 茨城県自然博物館 野外昆虫探検
020516正方形を埋め尽くす曲線*1がある。実際にはあり得る。針金を隙間無く正方形の下敷きか何かの上に丹念に折り曲げていけば隙間無く正方形の隙間を埋め尽くすことができる。
しかし数学という机上の理論では線には太さがないのでいくら丹念に折り畳んでも一向に太さは増えないので正方形が埋まるはずはない。
ところがイタリアの数学者ペアノ*2が今から112年前に正方形を埋め尽くす「数学的な」曲線を発見した。ペアノ曲線*3と呼ばれる。
曲線というと丸みを持って曲がっている線という感覚だが、折れ線も曲線の仲間なのだろう。この曲線*4が正方形を埋め尽くしているというのは簡単に判りそうでよく判らない。
曲線の折れ曲がりがどんどん複雑になってこれが無限*5に繰り返されれば、正方形を埋め尽くされるような気がしてくる。
ところがどんどん複雑になっていくのだが、それに伴って無限の倍率を持つ顕微鏡*6で見れば、まだ複雑ではない最初と全く同じ曲線が顔を覗かせるはずである。ということはいつまで経っても正方形を埋め尽くすのは出来そうにない。
昔、こんな証明を教わったことがある。「三角形の二辺の長さと底辺の長さは同じである」という命題*7の証明である。三角形の二つの斜辺の中点で折り曲げて、頂点を底辺にくっつける。底辺にローマ字の「W」をひっくり返して付けた様な形になるが、「W」の長さと元の三角形の二つの斜辺の長さの合計と同じ長さである。これを無限に繰り返せば最後には底辺と折り曲げた斜辺との区別が無くなる。証明終わり。
ペアノ曲線の場合は、拡大しても同じような操作で同じような曲線をいくらでも描ける、ということから正方形が埋まると考えていいのだろう。向かい合わせた鏡に何か物を映したときのような感じで面白い。
*1 自然数と実数
*2 Peano
*3 Mathematica: ペアノ曲線
*4 曲線とは何か?
*5 超無限大
*6 原子間力顕微鏡
*7 徒然草の論理
020517遺構探訪*1がなかなか更新できない。何カ所かは遺構を見に行っているのだが、ページにまとまっていない。
カブトビール工場跡*2、猿島要塞*3、豊橋ユニチカ引き込み線跡*4、高蔵寺補給廠*5、日進照空隊陣地跡、東山動物園モノレール*6、名鉄挙母線*7、北恵那鉄道*8、大岩砲台*9、権現山砲台跡*10、篠島*11などが未整理のままである。
こうして見てみるとweb上では既に探索済みの物件ばかりである。この分野で独創性を追求するのはかなり難しくなってきた。
*1 遺構探訪
*2 旧カブトビール跡
*3 さるしま要塞物語
*4 公園を貫通するあやしいカーブ
*5 グロさんのページ
*6 楽しい遊覧鉄道:東山動物園
*7 名鉄挙母線を探訪する
*8 北恵那鉄道
*9 愛知県内の本土決戦用大砲陣地遺構
*10 11.豊川市権現山
*11 篠島
020518「ペニシリン*1」という歌手グループがいる。どういった理由でこのような名前を付けたのか真実は判らないが、陰茎penis*2を連想させるためであろうと筆者は勝手に思っている。そうとしか思えない。
ペニシリン*3はフレミング*4が発見した世界最初の抗生物質*5の名前である。陰茎とペニシリンとの接点は梅毒の治療薬*6という点しかないだろうと思っていた。
ペニシリンは青カビから抽出された。青カビは英語でpenicillium*7というらしい。ペニシリンはこの言葉から出来た。penicilliumはラテン語が語源で刷毛を意味するらしい。食べ物に生えたカビが刷毛やふさ毛に見えるからだろう。
penicilliumはpencil*8が語源である。鉛筆には「毛」はないが、もともとpencilとは画家の筆のことらしい。従ってpencilには「毛」があるのでpenicilliumにつながる。
pencilの語源は何か。なんとpenis*9が語源である。penisの指小語*10らしい。penisの小さい物がpencilという意味になるが、pencilとpenisとどちらが大きいかはいろいろ議論をする余地があるだろう。それは別としてpenisはラテン語で「尻尾」と言う意味もあるので、毛がふさふさとした「尻尾penis」を小さくしたのが「筆pencil」と言うことになる。
グループ名の由来が筆者の想像通りならば、瓢箪から駒*11とはまさにこのことである。
*1 PENICILLIN-NET.COM
*2 newsの語源
*3 ばい菌をやっつける−抗生物質
*4 A Science Odyssey: People and Discoveries: Fleming discovers penicillin
*5 抗生物質
*6 LAP2:NL10/性感染症・STD 3
*7 penicillium. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*8 pencil. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*9 penis. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*10 英単語の国を楽しくするガイドブック
*11 goo [国語辞典]: 冗談
020519「珍」話が続く。「ペニシリンの語源がペニス*1」というのは大発見であると思ったら、web上にはそのような雑学*2が沢山存在していることに気付いた。子供が保育園や幼稚園に通うようになって真っ先に覚えてくる単語は、下(しも)の言葉である。下の言葉に興味が湧くのは本能に近いところなのだろう。このような興味は大人になっても変わらない。だからweb上に沢山登場するのだろう。
これらの雑学の中には単に英単語の綴りが似ているから同じ語源としているものが少なからずある。
このページ*3では「penisは半島とか突出部を意味する・・・」とあるが、これは全くの勘違い*4である。peninsulaの「pen-」は「ほとんど」という意味である。
pendantとpenisとが同じ語源*5だという解説があった。「pen-」が同じだからだろうか。
pendant*6はラテン語のぶら下がるという意味のpendere*7からである。一方、英語のpenis*8はラテン語の尻尾や陰茎を意味するpenisからだ。もしかしたらこれらの言葉のもっと先の語源を探れば共通の言葉かもしれない。
上記のラテン語はかなり基本的で単純な言葉である。例えば日本語の単純な言葉「海(うみ)」や「牛(うし)」などがこれ以上語源を遡るのは非常に難しい*9のと同様、これらラテン語の語源を探るの難しいのではないだろうか。そう言った状況で「うみ」も「うし」もどちらも「う-」が付くので同源ではないかと単純に考えるのはどうかと思われる。
これらの勘違いの源はこれ*10かもしれない。
*1 ペニシリン
*2 Google 検索: ペニシリン ペニス 語源
*3 そこが知りたい!性教育Q&A ANSWER
*4 newsの語源
*5 [room4: 00052] ペンダント
*6 pendant 1. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*7 (s)pen- The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*8 pes- The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*9 長い単語
*10 語源学習法
020520今度は「珍」の対極で「万」の話。バニラというとバニラアイスクリーム*1を思い出す。種子がバニラアイスクリームの香りの元となっているラン科のバニラ*2を思い浮かべる人は少数派だろう。
vanillaの語源がvagina*3であることをつい最近知った。vanilla*4はその実が莢(さや)になることから莢を意味する古いスペイン語のvainillaが元になっている。そしてvainillaの元を辿ればラテン語のvagina*5であり、vaginaは鞘(さや)を表す。
今まで、英語のvaginaは解剖学的な意味しかない*6と思っていたが、植物の莢と言う意味もあった。
vanillaもvaginaもどちらも特有の「香り」を放つ点では共通しているかもしれないが、語源が共通しているとは思いも寄らなかった。
vaginaで思い出すのは映画「オースチン・パワーズ*7」である。オースチンの敵でAlotta Fagina*8という名前の女性が登場する。オースチンの前で自分の名前を名乗る場面*9があり、そこでオースチンは「a lot of vagina(s)」と聞き違える。
ところでpenis、vagina、anusの英語での発音は日本語での発音と全て異なっているというのは意外と知られていない。英語では「ピ-ナス*10」「ヴァジャイナ*11」「エイナス*12」となる。
*1 バニラアイスクリーム:作り方
*2 日本アイスクリーム協会「Virtual Ice Shop」
*3 バニラ・パフューム [Vanilla Perfume] (HT)
*4 vanilla. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*5 vagina. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*6 図 女性成人の外部生殖器の構造
*7 見たい映画
*8 http://members.tripod.com/~mikejaeggi/lotsa8.jpg
*9 http://192.41.19.35/austin/alotta.wav
*10 penis. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*11 vagina. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*12 anus. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
020521掲示板*1を新しくした。今までの掲示板*2は無料掲示板だったので広告が出ていた。特にそれが嫌だったのではないが、少し使い勝手が悪かった。
雑記草本体を引っ越し*3てからCGIが使えるようになったので、自分の思い通りの掲示板を作ってみたいと思っていた。
つい最近自分が思っているものに近い掲示板を見つけたのでそれに倣って自分でプログラムを作ろうと思った。しかしその内容は余りにも膨大なので既存のもの*4を少し改造して使うことにした。
他の人が作ったプログラムをいじるのは面倒だったが、何とか思うような形になった。
*1 雑記草掲示板
*2 teacup./掲示板の無料レンタル
*3 URLの変更
*4 YY-BOARD設置法
020522また変な言葉を見つけた。以前、「瑠璃も針も磨けば光る*1」というとんでもない諺を使った記事を掲載していた雑誌にまたあった。
「虹む」である。「にじむ」と読む。らしい。ここまで来るとわざとやっているとしか思えなくなる。
その記事の内容はビデオの画像を綺麗にする回路の名前についてであった。三菱電機*2が少し前に開発したビデオ信号処理回路で「ニジマナイザー*3」というのがあったらしい。名前の付け方が余りにも格好悪いのでこの名前は消えてしまったらしい。
ビデオの画像で細かい模様の部分の三原色が分離して虹のよう*4になる。件の記事の作者は「虹む」と表現し、これを防止するから「ニジマナイザー」という名前になったとしている。
「ニジマナイザー」の名前の由来は読めば直ぐ判るように画像の色が「にじまない」からである。色がしみ出す様子をそう表現しているからであって「虹」が出ているからではない。
色がしみ出したりすることは漢字で「滲む」と書く。「滲む」と「虹」とは関係がない。単色のインクや墨も「滲む」のである。
ここまで書いてふと思った。「ニジマナイザー」などと言う名前を平気で付けることが出来る感覚ならば、由来を「虹マナイザー」としていても不思議ではない。そうなると記事の作者も間違っていないことになる。
*1 瑠璃も玻璃も
*2 三 菱 電 機
*3 New Product
*4 DV&VHSダブルビデオデッキ WV-DR9
020523ミニディスクMDデッキ*1を修理した。ディスクが入らなくなった。中を開けてみたらディスクを本体の中に引き込む機構が故障しているいるようである。指で動かしてやればディスクは所定の位置に納まりディスクをの内容を読み込み、音を出す。
いろいろ自分でいじってみたが、引き込む機構はどうしても直らない。修理業者に依頼することにした。
修理が出来上がった。修理報告書を読むと症状確認に「MDソフトが入らない、録音、再生出来ず」とあった。自分で調べたときはディスクは確かに入らないが、再生は出来た。録音は確認していないが、再生が出来るのだから録音も問題がないと思われる。
ディスクが入らなければ当然「録音、再生」も出来ないが、故障の症状の確認としては不適当である。
そしてこの「確認された症状」に対して処置がなされている。ディスクが入らないと言うことに対してモーターや内蔵スイッチが交換されていた。自分で見たときはモーターには問題がなく、スイッチだけの問題のような気がしたが、まぁ、これは仕方がない。
「録音、再生」に対して光ピックアップ*2が交換されている。この部分は全く異常がなかった。完全に過剰修理である。7、8年前の製品なのでピックアップのレーザダイオードが劣化している可能性*3はある。修理見積の段階でこう言った事情を説明してくれれば、いろいろ勘ぐらなくても済んだ筈だ。
*1 コンパクトHi−Fiコンポーネント「F3シリーズ」(※但し、家にあるのはF1シリーズ)
*2 Jr.
*3 Mainichi INTERACTIVE マネー&ライフ・企業情報: 三菱電機、高出力レーザダイオード新製品の出荷を開始
020524「ニジマナイザー*1」の記事で「虹む」の他に面白いことが書いてあった。マスプロ電工*2の110度CS*3用パラボラアンテナの愛称は「ライオン」らしい。
「110の王」でライオンだそうだ。凄い感覚である。自社のサイトのページでも「百獣(110°)の王アンテナとして・・・*4」と書いている。
「110度CS」の「110度」とは「東経110°」という意味である。放送用の静止衛星が東経110°の位置にあるからそう呼んでいる。BSも東経110°にあるが、日本での衛星放送事業の最初はBS*5なので位置を示す言葉は必要なかった。この後、CSが登場した。AS、BS、CSという順番ではない。BSはBroadcasting Satellite放送衛星、Communications Satellite通信衛星の略*6である。
CSは東経124°*7と東経128°*8にある。110度CSはこれらと区別するために出来た名前である。BS、CSの続きで「DS」という名前に出来なかったのだろうか。ちょっと考えただけでは「D」が頭文字の相応しい単語が思いつかない。digital、deluxe、dainiでは変である。もともとのCSと110度CSとの違いはBSとCSとの違いと同様で、受信する衛星が違うというぐらいの差しかないのだろう。場所で区別するしかないのかもしれない。宇宙には地名がないので地球上の座標で区別したのだろう。
日常生活で経線や緯線が人々の話題になるのは久しぶりである。前回は北緯38度*9であろう。
*1 ニジマナイザー
*2 マスプロ電工
*3 BS & 110度CSデジタル放送知っ得ガイド
*4 BCアンテナ 充実のラインアップ!BS・110°CSディジタル放送受信用アンテナ 6機種を市場に追加投入
*5 eiseihoso.org: 年表
*6 eiseihoso.org: 衛星放送の仕組み
*7 JCSAT-4A(ジェイシーサット-4A)
*8 JCSAT-3(ジェイシーサット-3)
*9 DMZ(非武装地帯)
020525間違いやすい外来語に「シリアス」と「シリアル」がある。
どちらも日本語として昔からある言葉の言い換えなので不必要な外来語である。「シリアス」は英語のserious*1で、「まじめな、重大な」という意味である。「シリアル」も英語のserial*2で、「連続した、通しの」と言う意味である。
「シリアスな表情」は「真面目な表情」、「シリアルナンバー」は「通し番号」とわざわざ外来語を使わなくても表現できる言葉である。言い換えることによって何かしら従来と違った雰囲気が伝わるかと言えば、そうでもない。このような言葉を取り入れた結果、妙な間違いが発生しやすくなる。
「シリアスナンバー*3」「シリアルな表情*4」という表記が出現してしまう。「シリアスナンバー」が圧倒的に多いのは「シリアル」という言葉が「シリアス」よりも後になって広まったからだろう。
穀物を食べやすく加工した物を外来語で「シリアル*5」という。日本に元々ない食品なので外来語として取り入れられるのは普通の成り行きである。英語ではcereal*6と綴る。
綴りが全く違うのでシリアルナンバーの「シリアル」と何ら関係がない。何故、コーンフレーク*7が「通し」になっているのか不思議だったが、この記事を書いてはっきりした。紛らわしい。上の二つは本当に要らない外来語である。
*1 serious. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*2 serial. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*3 Google 検索: シリアスナンバー
*4 Google 検索: シリアルな表情
*5 朝食シリアル食品[新食品ウォッチング No.3]
*6 cereal. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*7 日清シスコ
020526今年の2月頃、インテリア用の温度計を買った。ガリレオ温度計*1と呼ばれているものである。直径3cm程度のガラス管の中に透明な液体が封じ込まれており、その中に数個の小型のガラス製の「浮き」が浮かんでいる。浮きの下には「20℃」、「22℃」といった具合に温度が書いてある小さな金属片がぶら下げてある。浮きの浮かび方で温度が判るようになっている。上の方に浮かんでいる一番下の浮きの温度が現在の室温を示している。
数十年前からこの温度計の存在は知っていて欲しかったが、とても手が出る値段ではなかった。ところが中国製の廉価な温度計*2が売っていたので直ぐ買ってしまった。2000円ぐらいだった。
買った頃は寒かったので中の浮きが全てガラス管の上の方に浮かんで*3しまって温度がよく判らなかった。そして最近は十分暖かくなってきたので、浮きが全部下に沈んで*4しまっているのでまた温度が判らない。
温度が下がると浮きが上がり、温度が下がると浮きが上がる。このガリレオ温度計は普通の温度計と逆の動きをするので混乱する。本当に装飾しか用途がない。しかも家にある温度計は浮きの温度表示が18℃から26℃まで2℃刻みなっているので、一日のうちで浮きが上下することは殆どない。これが0.1℃刻みだったらちょっとした温度変化で浮きが上下する*5ので面白いだろう。
これを書いていて気付いたのだが、アルコール温度計や水銀柱温度計*6の指示が上に行くほど暑く、下に行くほど寒くなるので、それぞれを「温度が高い」「温度が低い」と言うようになったのではないだろうか。数値の大小だけなら「温度が多い」「温度が大きい」でもいい筈である。
「ガリレオ温度計*7」が温度計として普及していたらどうなっていただろう。温度が上がると浮きが下に沈むので「暑いとき」は「温度が低い」というようになっていたかもしれない。
*1 【楽天市場】アミティー's 世界の一流品
*2 海のもの山のもの
*3 ガリレオの原理を応用した温度計
*4 etranger di costarica
*5 ガリレオの温度計
*6 温度計
*7 ミュラーテルム 室内飾り温度計ブルー
020527「ガリレオ温度計*1」の原理は何か。温度による液体の体積の変化である。温度が上がると大抵の液体は体積が増える。水は例外で4℃で体積が一番小さくなる*2。
重さが一定で体積が増えれば、体積あたりの重さが小さくなる。液体の体積あたりの重さはその液体中にある物体に発生する浮力*3に関係してくる。浮力はその物体が押しのけた分の体積の液体の重さに等しい。これを「アルキメデスの原理*4」という。
仮に重さが完全に無視できる風船に液体を詰めて、風船に入れた液体と同じ液体で満たされた容器に入れたとする。液体が入った風船は浮きも沈みもせず容器の中で静止しているだろう。この時、風船に働いている力は重力と浮力である。重力と浮力とが釣り合っているため、風船は動かない。液体が入った風船にかかる重力の大きさは風船の重さであり、風船の重さは風船の体積分の液体の重さそのものだから、「風船にかかる重力」と同じ大きさの「風船にかかる浮力」は風船の体積分の液体の重さに等しい。
「ガリレオ温度計」の中に入っている「浮き」はガラス製なので温度の変化によって殆ど体積は変わらない。一方、温度が変化して周りの液体の体積が変われば、液体の中にある物体が押しのけている液体の重さが変わることになるので浮力が増減する。これが「ガリレオ温度計*5」の原理である。「浮き」を浮かべている液体は何か判らない*6が、温度によって体積が大きく変化する物が使われている筈である。そうでないと浮力が大きく変化しない。
温度が上がれば周囲の液体の体積が増えるので「浮き」にかかる浮力は小さくなる。従って浮きは沈む。逆に温度が下がれば、浮きは浮いてくる。
浮きの中に色の着いた液体が入っているが、この液体は温度によって体積が変化しても浮きの浮き沈みには何ら関係がない。ガラス製の浮き自体の体積は温度で変化しないからである。浮きの中の液体は浮きの重さの調整に使われているのだろう。
よく似たもので「浮沈子(ふちんし)*7」と呼ばれる物がある。これは浮沈子と呼ばれる「浮き」の体積を変化させることによって浮き沈みをさせる仕組み*8になっている。「ガリレオ温度計」は周りの液体の体積を変化させることで「浮き」を浮き沈みさせる。浮沈子は周りの液体が出入りできるように底に穴が開いているが、「ガリレオ温度計」の浮きには穴はない。完全に閉じられている。「ガリレオ温度計」と「浮沈子」とは、浮き沈みの原理は同じだが、仕組みは全く逆になっている。
*1 ガリレオ温度計
*2 水の不思議.
*3 どうして、食塩水はものがうきやすいの?
*4 アルキメデス Archimedes(前287〜前212頃)
*5 温度計/ラジオメーター
*6 ガリレオの温度計
*7 浮沈子を作ろう
*8 Nagoya City Science Museum: たこのダンス Dancing Octopus
020528何故「ガリレオ温度計」と呼ばれるのだろうか。海外でもそう呼ばれている*1いるようだ。
名前に「ガリレオ」と入っているが、この温度計はガリレオ・ガリレイ*2とは直接関係がない。
ガリレオは温度計を発明した。しかし件の「ガリレオ温度計」ではない。空気が熱によって膨張する原理を応用した温度計*3である。実際に作ったのはこんな様な形*4らしい。この写真は復元模型のようだ。
ガリレオが作った温度計は浮力と全く関係がない。では何故、浮力を利用した「ガリレオ温度計」には「ガリレオ」という名前が付いているのだろう。浮力といえばアルキメデスではないだろうか。
ガリレオは1586年に「LA BILANCETTA*5(小天秤*6)」という論文を書いた。その中で浮力と天秤とを利用して物体の比重を精密に測定する方法*7を説明している。
「ガリレオ温度計」の商品説明*8を見てみると「論文『小天秤*9』にある比重測定原理を現代に蘇らせた云々」 とあるが、ガリレオが書いたのは温度計ではなく天秤についてである。現代に甦らせるならばこのような天秤*10になるはずである。
精密な比重測定法と「ガリレオ温度計」との共通点は比重によって浮力が変化するというところである。比重測定法では物体の比重の違い、「ガリレオ温度計」は液体の比重の変化を利用している。どう考えても直接つながらない。
恐らくガリレオの功績として温度計と比重測定法と*11があるので、両者が関連する温度計だから「ガリレオ温度計」になったのだろうか。世界中で「ガリレオ温度計*12」と呼ばれている。イタリアでもそう呼ばれている*13。一体、誰がこの温度計を発明して名前を付けたのだろう。
因みに複数のガラス管に「浮き」が一つずつ入った「ガリレオ温度計*14」もある。最初のガリレオ温度計と説明しているページ*15がある。何がなんだかよく判らなくなってくる。
*1 Howstuffworks "How does a Galileo thermometer work?"
*2 こども宇宙教室レベル2
*3 熱と温度2
*4 IMSS -Multimedia Catalogue -Artifact IV.7
*5 bilancetta 1-6
*6 小天秤
*7 La Bilancetta
*8 Page3<
*9 La bilancetta
*10 Musée
*11 Works and Instruments
*12 Galileo liquid and glass thermometers
*13 Termometro di Galileo
*14 Oggetti - Accademia del Cimento - I Luoghi della Scienza in Toscana
*15 The first Galilei thermometer
020529麻雀のルールで「焼き鳥」というのがある。普通のルール*1ではないが、仲間内で面白くするために取り入れられることがある。焼き鳥とは一回のゲームの中で一度も役*2が作れなかった競技者を指す。「焼き鳥」になると他の競技者に罰金を払う。
一度でも役を作れば「焼き鳥」は解消される。このルールは非常に人気があって焼き鳥かどうかを示す専用の表示マーク*3がある。各競技者は麻雀卓の右側の端に置いておいて、役が出来たらこのマークを卓から下ろす。ゲームが終了しても卓の上に乗っている人が「焼き鳥」となる。
焼き鳥の語源は何か。麻雀で役を作ることを「上がる」という。麻雀といえば「すずめ」なので「すずめが上がれない、飛べない」ならば焼き鳥*4になるしかない、といった連想だろう。
*1 日本プロ麻雀連盟
*2 一巡
*3 【楽天市場】麻雀屋
*4 伏見稲荷 〜祢ざめ家・すずめの焼き鳥・伏見稲荷駅・都麗美庵・石峰寺・こにしいも〜
020530中学生の頃に初めてユースホステル*1に泊まった。それ以来ユースホステルを利用したのは数回しかない。一番最後に利用したのは十数年前で、初めて泊まったところも最後に利用したところも同じ京都にあるユースホステル*2であった。
最近はユースホステルという言葉を全く聞いていなかったので、この制度は消滅したのかと勝手に思っていたが、大間違いだった。
ここのでの思い出がある。中学生の同級生数人で泊まった。夕食の後、泊まっている人々が広間に集まってきてゲームなどが始まった。筆者の隣には初老の外国人男性が座った。中学生の目から見た西洋人の「初老」なので実際にはもっと若かったかもしれない。その彼が話しかけてきた。
殆ど何を言っているのか判らなかったが、自分は世界各国の言語が喋れる、と言っているのは何となく判った。ヨーロッパの主要国の言語を指を折りながら英語で言い挙げていた。その時、凄いなぁと思ったが、その思いを言い表す英語が全く判らなかったので、首を縦に大きく振ることしかできなかった。
考えてみれば、中学の英語授業のみでそれだけ聞き取れれば我ながら凄いと思えるし、未だにその程度の英語理解力しかない現状を考えると情けない気もする。
多言語を操る西洋人が凄いと中学生の時に思ったが、今はそれ程凄いわけではないという気がしている。悔しいからそう思うわけではないが、ヨーロッパの言語はどれもこれもよく似ている。ヨーロッパのある言語を知っていれば、類推と発音の法則とで他の言語を簡単に学ぶことが出来るのではないだろうか。
日本語と中国語と英語とが喋れるなら凄いと思う。これが出来る西洋人は滅多にいないだろう。これが出来るのはアグネス・チャン*3ぐらいだろうか。更に上に加えてアラビア語*4が喋れる人はいるのだろうか。著名人にはいないだろう。
*1 日本ユースホステル協会
*2 宇多野ユースホステル
*3 Agnes Chan's official homepage
*4 アラビア語入門
020531子供が図書館で本を沢山借りてきた。その中の一冊に「カロリーヌのだいサーカス*1」という絵本があった。筆者が幼少の頃、このカロリーヌ*2が大好きで、しょっちゅう読んでいた。読んでいたと言うよりも挿絵を眺めていた。カロリーヌの絵本は家にあったのでいつでも見ることが出来た。
カロリーヌは続き物*3で沢山の話があった。筆者が幼少の頃、見ていた本は小学館の世界の童話の一冊で*4、複数の話が一冊*5にまとめられいた。そしてそれが2、3冊あったような気がする。
子供が借りてきた「カロリーヌのだいサーカス」の頁をめくってみると、出てくる挿絵は一つ残らず覚えている。文章は何が書いてあったか全く覚えていない。
子供にはカロリーヌの話*6をしたことがない。妻にも話したことはない。自分が子供の頃に興味を持った本と同じものに興味を持ったのには驚いた。数ある絵本の中から同じ本を選んできたのだから偶然といえば偶然かもしれないが、何か予定された縁のような気もする。
*1 http://urustime.com/noiraud/amazon/img/caroline/jp/4892386715. 09.LZZZZZZZ.jpg
*2 カロリーヌクラブ
*3 カロリーヌとゆかいな8ひきシリーズ
*4 ■□■■カロリーヌとは■□■■
*5 小学館版とBL出版版の対応関係
*6 AH!-Noiraudのフランス便利帖--カロリーヌ
自分の価値観を定期的に見直した方がいいような気がしてきた。価値*1とは人間が生活する上で有用と感じられる物事の性質のことである。人間は自分の持っている価値の基準に従って行動する。金が大切だと思えば、金のためにいろいろな行動をする。
価値の基準によって他人に迷惑をかけたり、自分自身を傷つけることがあるだろう。自分が信ずる価値あることを追求するが余り、家族や世間に様々な負担を強いることはよくあることである。かくあるべきと思って行動して自分の健康を損なうこともあるだろう。
行き過ぎれば確信犯*2につながる危険性もある。
ではどうやって「価値観の見直し」をすればいいのだろうか。「価値がある」というのはそのこと自体当たり前と感じているから簡単には見直しは出来ない。しかし価値観の見直しが必要という考えがあれば、簡単である。自分の行動の基となった「価値」というものは何か、それによってどんな影響があったかを考えればいい。その反省を基に新しい価値観を創出すればいい。
つまり価値観の見直しをするには「定期的な価値観の見直し」に価値を見出すことが必要である。
*1 知らないと損
*2 goo [国語辞典]: 確信犯
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