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0206雑記草


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020601

 自動車*1を運転していたら、水温計*2の示す針の位置がいつもと違うことに気付いた。

 本当に水温が上がっているのか、それとも水温センサ*3がおかしくなっているのか。エンジンの調子はいつもと変わらないので、水温センサを疑いながら走っていた。

 水温計の針を注意深く見ていると、自動車が停止しているときはほんの少しずつだが針が上がっていき、走り出すと少し下がる。どうも水温センサがおかしいのではない、エンジンの冷却水の温度にちゃんと連動しているようだ。そうなるとラジエター*4に何か異変が起こっていることになる。

 水温計の針を心配しながら家に辿り着いた。自動車から降りてボンネットの方に目をやると湯気がフロントグリル*5の上から立ち上がっている。やはりラジエターか、と思いながらボンネットを開けてみる。

 ラジエターの上の部分に15cmぐらいにわたって亀裂が出来て、そこから勢いよく蒸気が噴き出している。亀裂が発生したところは溶接部分ではなく金属の一枚板の部分であった。こんなところに亀裂が生じるのは一体何が原因なのだろう。少し丸みを帯びた部分なのでプレスの時に発生した内部応力によって*6出来たのだろうか。

 ラジエターが冷えるのを待って蒸発した分の水を補給して修理工場に持っていった。応急処理はできないという。部品交換しかないらしい。部品を取り寄せてもらい直すことにした。6、7万円かかりそうだという。10年もするといろいろな部分が壊れだして*7、金がかかって仕方がない。使用年数10年、走行距離174,300km。エンジン関係の故障はこれで2回目である。



*1 MOMO
*2 メーター
*3 液温センサー1
*4 エンジン冷却装置
*5 MRワゴン
*6 Welcome To 材料技術部
*7 JAF

020602

 助平な人や事を「エッチ*1」と言う。最近はそう言う行為を表す動詞として「エッチする」という言葉もある。

 エッチの語源は変態を日本語ローマ字表記した「hentai*2」の頭文字、というのが通説のようである。

 web上を調べるといろいろな説*3があることが判った。破廉恥harentiの頭文字というのもある。筆者は破廉恥と言う言葉を「ハレンチ学園*4」で覚えたので長い間外来語だと思っていた。漢字で破廉恥と書くのは知っていたが、倶楽部の類*5だろうと思っていた。「廉恥*6が破れている状態」という意味であること知ったのはたった今である。

 いろいろな説の中でちょっと深読みしすぎているのがあった。以下の説は間違いなくこじつけであろう。

 エッチの語源は英語で助平を表す「lech(letch)」である*7という。そもそも「H」を「エッチ」と読むのは間違いであって、本来は「エイチ」なので頭文字の「h」が「エッチ」の語源ではないという考え方である。

 終戦直後、進駐軍によってもたらされた言葉で、英語教育の水準が低い当時の日本で「You letch!」というのを「You'll etch」や「You're etch」と聞き違えて、「助平」が「etch」と解され、更にこれにローマ字の「H」が当てられたというのだ。

 ここまで読めばこの説が既に破綻していることが判るだろう。「英語教育の水準が低い日本人」が「You'll 」や「You're」という短縮形の存在をどうして知ることが出来るのだろうか。「ユー」という音を聞けば「お前」ということまでしか判らないのが普通だ。聞き違える以前である。今の日本人だって「You'll 」「You'd」などは「ユー」に聞こえるだろう。未だにそう聞こえるのはもしかしたら筆者だけかもしれない。それにlechという言葉は昔はよく使われたのだろうか。筆者は今回初めて見た。

 ついでにローマ字の「H」は英語では「エイチ」と発音するので「エッチ」は間違いというのも変である。ローマ字の「H」は日本語では「エイチ」または「エッチ」でいいのである。もともとは英語式の「エイチ」だったかもしれないが、少し言いにくいので次第に訛って「エッチ」になったのだろう。日本語であれば間違いではない。「D」も「デー」でもいいし「Z」は「ゼット*8」でいい。「ゼッド」は言いにくい。「ズィ」では「G」と間違えられる。

 「hentai」の頭文字説の方がずっと簡単で素直である。下(しも)の言葉が上記のような高尚な変化をしているとはとても考えられない。



*1 あたりきしゃりき
*2 goo [国語辞典]: エッチ
*3 Origin Theories
*4 ポンポン
*5 音訳
*6 goo [国語辞典]: 廉恥
*7 gairaigo
*8 ゼットン

020603

 Zip*1が完全に壊れた。全く動かない。何度もZipのことを思い出してはその電源を入れ直してみたが、全く復帰しない。どうやら本格的に壊れたようだ。

 中古でも何でもいいが買い直すのは悔しい。何とか直せないだろうか。もう捨てるしかないので試しに電気製品の修理のやり方で昔から伝わるある方法を行った。

 Zipをバンバン叩いてみた。平手でZipの上から叩いてみる。もともと製造費用を極限まで切り詰めている筐体なので軽く叩いただけでも大きな音がする。もう壊れているので更に壊れても問題はない。思いっきり叩いた。

 十数回叩いたところで動き出した。完璧に動作しだした。一体どうなっているのか。それはともかく今後はこの「手」で延命させることにする。



*1 Zip(4)

020604

 セイコー*1の腕時計で「機械式時計だが、精度が水晶振動子式*2並み」というものがあることを知った。「スプリングドライブ機構*3」と称している。スプリングとは「ぜんまい」のことである。

 機械式の時計の動力源はぜんまいに蓄えられたエネルギーである。これによって針が動く。針を規則正しく動かすのは「テンプ*4」と呼ばれる機構である。テンプ*5とは回転往復運動をして柱時計の振り子と同じ役目をする。

 針で時刻を示す水晶振動子式の時計は水晶振動子の振動を基に規則的に動くモータを使って針を回転させている*6。その水晶振動子の振動とモータとの動力源は電池である。通常、電池は太陽電池やボタン電池が使われる。太陽電池を使えば電池の交換はなくていいのだが、意匠面で大きく制限が出てくる*7。腕時計は装飾品であるのでこれは不都合である。

 自動巻式でぜんまいを巻く代わりに小さな発電機を動かし蓄電池に充電する腕時計*8もある。

 件の時計はテンプの代わりに水晶振動子の振動を基にして歯車の動きを規則正しくする。水晶振動子を振動させるには電気が必要だが、その電気はぜんまいの力で発電機を回して得る。

 正確な時を刻む腕時計を作ろうとすればどうしても電気の力を借りないと駄目なのだろうか。時間の基準*9がセシウム原子の中の電気の素である電子に関係した現象を利用*10して決められているので仕方がないのかもしれない。時間の基準である原子時計*11と水晶振動子式時計とは原理や仕組みが全く違うが、電気を使っている点では共通している。

 よく考えてみると水晶振動子の振動は機械的な振動である。水晶に電圧を加えると水晶の形が少し歪む。逆に形を歪ませると電圧が発生する。この現象は圧電効果*12とよばれ、キュリー*13兄弟*14によって発見された。

 交番する電気を水晶に与えてやれば圧電効果により水晶が振動する。交番する電気の与え方を工夫してやれば*15その水晶の形状や大きさで決まる独特の周波数で振動する。実際に水晶が震えているのである。

 純然たる機械式時計に比べて正確な時を刻む水晶振動子式腕時計は電気で動いているとは言え、機械的な仕組みに頼っていることになる。



*1 YAMAHA
*2 揃いの腕時計
*3 セイコー,ぜんまい式で月差±15秒以内と高精度の腕時計(19991129)
*4 トゥールビヨン
*5 時計の心臓部 <テンプ>
*6 時計と磁気の関係
*7 ELGINの時計
*8 粋な機構
*9 正確な時刻
*10 計量研ニュースVol.46,No.10
*11 標準時報局(9)〜DCF77
*12 水晶デバイス豆知識(1)
*13 キュリー一族
*14 Pierre Curie
*15 水晶デバイス豆知識(3)

020605

 柱時計や置き時計には振り子が付いたものがある。振り子を使って一定の時を刻んでいるのである。振り子がいつも同じの時間で振れることをガリレオ*1が発見し、ホイヘンス*2によって振り子が時計に応用された。

 振り子はいつも同じ時間で振れるというのは振り幅が小さいときだけで、大きく振れると振れる角度によって振り子の往復時間が違ってくる*3。この小さく振れた時と大きく振れたときの振れる時間が一定になるようにホイヘンスは巧い工夫*4している。

 これによって振り子時計は一定の時を刻むことが出来るようになった。振れる角度が一定であれば殆ど狂うことがなくなる筈である。振り子の振れる時間を決めるのは振り子の長さと重力加速度*5である。重力加速度は時計を柱に掛けっぱなしにしていれば殆ど変わらないだろう。しかし振り子の長さはしょっちゅう変わる。

 大抵の場所は温度が変化する。一日でも一年を通してでも温度が変わる。温度が変われば振り子は膨張したり収縮したり*6する。そうなれば振り子の竿の長さが変わることになり、時計が狂い出す。

 これを解決したのが温度で長さが変わらない材料*7の登場である。フランスのGuillaumeがinvar(アンバー、インバー)と呼ばれる金属材料を発明し、ノーベル賞を受賞*8した。

 変わらないと言っても、鉄は1℃変化すると長さが0.0012%変わるのに対してinvarはその1/10程度変わる*9。全く変わらない訳ではない。

 そこで振り子の竿に工夫をする。まず支点からinvarで作った竿を下ろす、そして端から折り返すようにして別の材料で作った竿を上に向けて付ける。この材料は正確にinvarの2倍の変化を持つ物にする。そしてまた折り返してinvar製の竿を下ろす。そしてその先に振り子のおもりを付ける。

 こうすれば温度が変わって2本のinvarの長さが下に伸びても中間の竿は上にその2倍伸びるので相殺されて振り子の竿の長さは一定になる。

 この方法をwebのどこかで見かけたのだが、どうしても見つからない。水銀を使って温度補正を行う方法*10は見つかった。おもりの中に水銀を仕込んで温度の変化で振り子のおもりの重心が変わるようにしてある。

 昔はこういった方法で機械式時計の精度を向上*11していったが、水晶振動子や原子時計*12が出てきて純粋な機械式の時計で精度を追求することがなくなった。



*1 ガリレオ温度計
*2 わがはいのページへようこそ。
*3 単振り子
*4 Huygens 1673 Clock
*5 今回(こんかい)の「時の理科(ときのりか)」は「時の歴史(ときのれきし)」。
*6 熱膨張
*7 インバー材料とスピン揺らぎ - 東北大学深道研究室
*8 Physics 1920
*9 INVAR-MASK & CSM
*10 テンプについて/温度誤差と切りテンプ
*11 リーフラー天文時計
*12 機械式腕時計

020606

 ガリレオは何故「ガリレオ」なのか。ガリレオの名前はガリレオ・ガリレイである。西洋人の名前は大抵、家族の名前を後ろに付ける。普通、人名を言う場合は家族の名前を表す日本で言う名字を使うので「ガリレイ」と呼ぶはずである。どこかのサイトのページにそんなことが書いてあって「そう言われればそうだなぁ」と思った。そのサイトではないがこのページ*1にもそんなことが書いてある。

 いろいろ調べていると「ガリレオ」だけが例外ではなく、パスカルも名字ではない、というのを見つけた。名前はPascal Blateだという。ところがこれは日本の一部に伝わるだけの説らしい。検索サイトで「Pascal Blate*2」を検索すると、「Pascal Blate」と言う名前が出てくるサイトは日本語で書かれたものだけである。

 パスカルの名前は「Blaise Pascal*3」である。彼の父は「Etienne Pascal*4」なので、パスカルの名字は「Pascal」である。従ってガリレオだけが自然科学に登場する人物で例外と言えそうだ。

 ガリレオが生きていた当時のイタリアでは家族の名前は最初に付けたからだろうか。「ガリレオ」は家族の名前だろうか。ハンガリーでは家族の名前を先に付ける*5

 ガリレオ*6の父親はVincenzo Galilei*7である。「ガリレオ」の一族はガリレイGalilei一族*8である。ガリレオは名字ではない。

 では何故「ガリレオ」と呼ばれる方が多いのだろうか。日本だけの風習ではない。英語でもGalileo*9と呼んでいる。イタリアでもガリレオ*10と呼んでいるらしい。

 加速度を表す単位Gal*11はガリレオ・ガリレイの名にちなんでいるが、どちらも「Gal」で始まっているので「ガリレオ」の頭文字か「ガリレイ」の頭文字かは不明である。自然科学における単位名は人名の場合、家族の名前と相場が決まっている。Galは唯一の例外になりそうでならないぎりぎりの単位名である。

 これを単位名として決める時、当事者を悩ませたかもしれない。一般に「ガリレオ」と呼ばれているのだが、単位で名字ではなく「名」の方を付けると例外が出来てしまう。そこで省略形Gal*12で巧く例外を回避しようとしたのかもしれない。読み方も「ガル*13」である。これならどちらが由来なのかはっきりさせる必要がない。どちらでも説明できる。しかしこの発想は日本的過ぎるだろうか。

 他の単位、例えば力の単位「N」は「ニュートン*14」、圧力の単位「Pa」は「パスカル*15」と省略せずに読むのが普通である。圧力の単位で「torr」というのがある。イタリアの科学者Evangelista Torricelli*16に因むが、「トール*17」と読む。これは名前が長いから省略しているのだろう。

 結局、何故「ガリレオ」なのかよく判らないのが筆者の結論である。



*1 20: 姓名表記
*2 Google 検索: Pascal Blate
*3 Pascal
*4 Pascal_Etienne
*5 名前の順番
*6 Galileo
*7 Vincenzo Galilei
*8 IMSS - Multimedia Catalogue - Biography GALILEI, Family
*9 xrefer - Galileo (1564 - 1642)
*10 Fondazione Galileo Galilei
*11 新計量法とSI化の進め方
*12 gal 2. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*13 http://www.bartleby.com/61/wavs/6/G0010650.wav
*14 http://www.bartleby.com/61/wavs/85/N0088500.wav
*15 http://www.bartleby.com/61/wavs/29/P0092900.wav
*16 Torricelli
*17 http://www.bartleby.com/61/wavs/55/T0275500.wav

020607

 イシガメ*1が帰ってきた。約50日ぶりである。

 今朝6時半頃、家から200mほど離れた路上を歩いていた。隣の奥さんからの通報があったので、すぐさま捕りに行った。教えてもらった場所に走っていくとアスファルト道路の側溝の直ぐ横を家とは反対方向に歩いていた。

 捕まえてみると確かに逃げ出した亀である。そもそも近くには池も川もないところに大きな亀が歩いているのだから逃げ出した亀に違いはない。

 逃げ出してから数日後、隣近所に亀が逃げ出したので見かけたら教えて欲しいとお願いしていた。それぞれ庭を探して頂いたがいなかった。そのまま一ヶ月以上過ぎていった。どこかでのたれ死にしてしまったと思って諦めていた。ただ、どこかで死んで腐って腐臭を放つと近所迷惑になるのでそれが心配だった。

 数日前、通報してくれた隣の家の庭に件の亀が現れたようだ。やはり朝6時頃だったので、すぐに知らせるのはまだ早過ぎると思いバケツか何かに入れていたらしい。歯を磨いている数分の間にいなくなったということであった。逃げ出したときと全く同じである。

 そして今日、朝6時半頃、呼び鈴が鳴った。亀だな、とすぐ思った。玄関に出ると慌てた表情の隣の奥さんが立っていた。旦那さんが見つけたらしい。

 亀の健康状態には全く問題はない。甲羅のてっぺんが少し欠けていたが、これは元々だったのか逃げ出してから欠けたのか判らない。手に入れてから直ぐ逃げられたので詳細には覚えていなかった。何を食べて生き延びていたのだろう。とにかく池や川はないのである。水はどうしていたのだろうか。

 逃げられた水槽とは別の水槽に入れてやった。暫くすると糞をした。土だらけの糞である。取りあえず何かを食べていたようだ。雨露をすすって生き延びていた。自動車に轢かれなくて良かった。

 水槽の中では必死にもがいている。今まで無限の敷地で自由に生活できたのが、再び狭い水槽に入れられたからである。数が減っている*2ことでもあるし、どこかの池に逃がした方がいいだろう。



*1 イシガメ(2)
*2 イシガメ

020608

 ガリレイではなくガリレオと呼ばれる*1ようになったのは、家族の名前Galileiと本人の名前Galileoがよく似ているのが原因と思われる。似ていると名字で呼ばれなくなると言う法則はない。勝手にそう思ってみただけである。

 イタリアではこういう型の名前がよくあるのかもしれない。ガリレオと同時代の人物で、Santorio Santorio*2という名の人がいた。彼はガリレオの作った温度計を見て体温計に応用した。類は友を呼ぶというか「名は友を呼ぶ」である。ガリレオも「ガリレイ・ガリレイ」であれば*1は簡単であった。

 イタリアの有名人でもう一人「ガリレオ型」の名前の人物がいた。Guccio Gucci*3だ。グッチ*4の創業者である。

 生物の学名で「ガリレオ型」*5がある。ラテン系*6は繰り返しが好きなのか。それとも「○○の中の○○」という意味で命名するのだろうか。



*1 ガリレオは何故「ガリレオ」なのか
*2 IMSS - Multimedia Catalogue - Biography Santorio SANTORIO
*3 GUCCI - グッチ
*4 gucci.com
*5 ゴリラゴリラ
*6 イタリア語・入門の入門

020609

 クルミパン*1が好きである。食パン*2は余り好きではないが、クルミパンは別である。

 ふわふわのパンの中のクルミ*3を噛んだときの食感が何ともいえない。近くの店でなかなか見かけないのが難点である。

 干しぶどうパン*4は好きではない。これはどこでも見かける。幼少の頃、学校の給食でも干しぶどうパンがよく出た。かなり苦労して食べていた。学校給食の干しぶどうパンの干しぶどう*5は焦げているようなひからびた干しぶどうだったので、特にまずかった。

 クルミ・干しぶどうパン*6と言うのがあるらしい。これは一体どうすればいいのか。



*1 クルミパン
*2 パン
*3 クルミ ドライナッツ
*4 レーズンパン
*5 California Raisins
*6 くるみレーズンパン

020610

 DVDをプレイステーション2*1で見ていたが、やっぱり大きなブラウン管*2ではちゃんとしたDVDプレーヤーで見たくなったので、先日、マランツ*3のDVD再生機を買った。

 プレイステーション2は飛び越し走査と呼ばれるインターレース*4方式で画像を再生するので、画像が少しちらついたりする。購入したマランツのDVDはプログレッシブ方式である。これは飛び越ししないので画像がプレイスーションよりも綺麗になる。

 プログレッシブ方式のDVD再生機は家電メーカ各社が出しているが、マランツを選んだ理由はもう一つある。

 DVDビデオは再生できる地域が決まっている。アメリカで買ったDVDビデオは日本では見られないようになっている。これはDVDに記録されている情報には地域コード*5が含まれており、このコードとDVD再生機のコードが一致しないと再生できないようになっている。

 DVD化された映画がまだ劇場公開されていなかったり、公開途中の地域にそのDVDが流れていくとその地域での興行収入が落ちてしまう。これを防ぐための規格*6である。

 マランツのDVD再生機は付属のリモコンを使って簡単にどの地域のDVDでも見られるようにする*7ことが出来る。つまりアメリカの通信販売で買ったDVDも見られるのである。

 早速、改造をしてみた。改造をしてみたが、未だにアメリカ製のDVDを見たことがない。見たいと思う物がない。有名な映画は日本で日本語字幕入りが手にはいる。意味のない改造であった。



*1 PS2
*2 テレビを買った
*3 Welcome to Marantz Japan Inc. Web Site
*4 CNET Japan : Special : プログレッシブ・スキャンでもっと美しい映像を
*5 DVD Recording Guide / 第2回
*6 USER'S SIDE オンライン - DVDの地域(リージョン)コードに関するお話
*7 DVD Republic Marantz DVD Player Code Free Modification

020611

 壊れかけながらも鞭を打たれ働かされているZip*1SCSI*2で繋がれている。筆者が使用しているコンピュータはMacintosh系*3である。ちょっと古いMacには最初からSCSI*4がもれなく付いていた。現在のMacは内部のハードディスクはATAPI*5、外部はUSBになっている。

 SCSIは「スカジー*6」と読む。最初は「エス・シー・エス・アイ」としか読めなかった。そのうち「スカジー」と読むことを知った。非常に短くなって言い易くなった。しかしどうしてこの綴りで「スカジー」と読めるのか釈然としなかった。ATAPIならば話は簡単である。「アタピー」と読めるからである。ATAPIを海外でもそう読むのかは知らない。アメリカではSCSIを「スカジー」と読むらしい。

 何故「SC」が「スカ」で、「SI」が「ジー」なのかどうもしっくりこない。SCSIはsmall computer system interfaceの略である。「C」はcomputerでちゃんとした発音だと「カンピュータ*7」にも聞こえるので、「カ」なのだろう。「SI」は何故「シー」ではなく、「ジー」なのだろうか。

 英単語で「-si」で終わる英単語はなかなか思いつかないが、「-sy」で終わる単語は沢山ある。その中で「ジー」と濁って発音する単語で今思いつくのは「easy*8」「pansy*9」「daisy*10」である。英語では「i」も「y」も同じ発音の場合も多いので「SI」を「ジー」と読むのはさほど違和感がないかもしれない。しかし普通に濁らず「スカシー」でもいいはずである。またmagiは「メイジャイ」と読む*11らしいから「SCSI」が「スカサイ」になってもよさそうである。

 調べてみるといろいろな読み方がある*12ことが判った。「スカジー」「セクシー」「シシー」で、それぞれscuzzy、sexy、sissyという英単語と同じ発音である。このページ*12によると筆者のようにそのまま綴り字の通りに読むと馬鹿にされるらしい。

 scuzzyは「汚らしい、薄汚れた」、sexyは「色っぽい」、sissyは「いくじなし」と言う意味である。これらはコンピュータ用語独特の「遊び」なのだろう。



*1 Zip(5)
*2 目次 - (SCSI HAND BOOK #1)
*3 ハードディスクの交換
*4 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - SCSI
*5 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - ATAPI
*6 http://www.bartleby.com/61/wavs/56/S0175650.wav
*7 http://www.bartleby.com/61/wavs/87/C0538700.wav
*8 http://dictionary2.goo.ne.jp/ej/voice/E/00030319.wav
*9 http://dictionary2.goo.ne.jp/ej/voice/P/00060413.wav
*10 The Movie Sounds Page: 2001: A Space Odyssey
*11 Kagi
*12 Dictionary.com/SCSI

020612

 錬金術師は儲からない、と言う考え方があるらしい。現代の科学では金を含まない化学反応から金を作り出すことは不可能であることは判っているが、原子核を分裂させたり融合させたりすれば出来ないこともないと、考えられている。地球上に存在する金はそのようにして出来たのではないかと想像されている*1らしい。これを実行しようとすると技術的に相当難しく、出来たとしても金がかかりすぎて「金」が相当高い物になってしまう。

 一方、安く作れても卑金属から金が作れたとしてもこれによって市場への供給量が増えるので、金の価格*2が下がってしまうと言うのだ。

 最初の説はもっともな話であるが、あとの話はおかしい。安く金が作れることが判ったら誰にも話はしない。自分だけで「金」を作る。当然、特許*3も出さない。公開されて真似をされるだけである。真似をされたら特許権侵害*4の賠償金どころではない。安価な金が大量に出回れば、金の市場価格が下がってしまう。一人でこっそりやれば市場価格は殆ど変動せずに儲けることが出来る。そもそも錬金術というのは魔法みたいなもの*5だろうから開けっぴろげでやるものではない。

 錬金術は英語ではalchemy*6とかhermetic*7という。化学者chemist*8はalchemyが基になっている。alchemyは錬金術の意味しかないが、hermeticは他の意味もある。

 hermetic sealingという溶接などで気密することを指す工業用語がある。日本語ではハーメチックシール*9という。溶接という広い意味で使うことは殆どなく、専らガラスやセラミックスと金属とを接合して密封する技術*10を指す。

 ガラスと金属とを接合させる技術が如何にも錬金術的な雰囲気があったためなのか。考えてみればガラスと金属との様な全く異質な物を接合するという発想は錬金術らしいのかもしれない。そう言えば七宝焼き*11も同じような技術である。根は同じなのだろうか。



*1 星の錬金術 金などの重元素の生成に関する新説
*2 三菱ゴールドパーク
*3 特許庁ホームページ
*4 特許権侵害
*5 錬金術概説
*6 alchemy. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*7 hermetic. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*8 chemist. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*9 ハーメチック豆知識
*10 ハーメチックシール端子
*11 七宝

020613

 ターボと言うと何を思い浮かべるだろうか。飛行機好きならジェットエンジン*1だろう。自動車好きならターボ過給器*2だろう。どちらも高速で回転する風車*3の部分を指してターボと称している。

 ターボとよく似た言葉でタービンというのがある。日本ではタービン*4という言葉が先に広がり、ターボという言葉は一般大衆車に搭載*5されるようになってから広まったような気がするが、定かではない。

 ターボもタービン*6も語源は同じである。ラテン語で「こま、つむじ風」という意味らしい。もしかしたらturbinとトゥールビヨンtourbillon*7とは同じ語源なのかもしれない。前回の記事*7ではtour+billonと書いたが、tourb+illonかもしれない。どうもそのようだ*8

 tourもtourbillonもturboも回転を表しているので皆同じ語源のような気がしたが、実はそうではないかもしれない。綴りがよく似ているから語源が同じ*9と考えるのは軽率である。他を指摘していて自分も同じような過ちをしていたとは情けない。

 しかしtourとtourbillonとは全く関係がないとは思えない。もう少し調べる必要がある。



*1 D-1-2 ジェットエンジンの仕組み
*2 ターボテクノサービス:ターボの仕組み
*3 「風車の弥七」の墓
*4 マイクロタービン
*5 BMW 2002 turbo
*6 turbine. The American Heritage Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*7 トゥールビヨン(2)
*8 Merriam-Webster OnLine: tourbillion
*9 penisの語源

020614

 真空ポンプの一種でターボ*1分子ポンプという物がある。

 普通のポンプは水などの液体を汲み出すが、水の代わりに真空ポンプ*2では空気を排出する。真空にしたい容器の中に入っている空気を追い出すには、ストローでジュースを吸うのと同じようなことをすればよい。*3でストローの中の空気を吸うとストローの中は真空になって*4容器の中のジュースが押し出されてくる。ストローの中が真空になるのは、肺の容積が増えてストローの中の空気が肺に流れ込むからである。これを機械的に繰り返すようにしたのが真空ポンプである。

 容器の中の空気がどんどん薄くなっていくと中の空気がなかなか出て行かなくなる。水でも容器から最後の一滴が取り出し難いのと同じである。時間をかければ本当の真空*5にどんどん近づいていくかもしれないが、どんな容器でも小さな穴が開いていたりするのでそこから空気が入ってくる。真空ポンプの排出口の外は大気圧の空気がいっぱいあるのでそこからも逆流してくるかもしれない。

 短時間に容器の中の空気を取り出す工夫が必要である。そこで考え出された方法の一つに空気を吸い出すのではなく空気を直接「追い出す」方法である。風車*6で追い出す。高速で回転する風車*7で空気を追い出すのである。これがターボ分子ポンプである。漂って近づいてくる空気の分子を高速で回転する風車の羽根で排出口に向けて吹き飛ばすのである。空気の分子を羽根で吹き飛ばすと言うと何となく極限の世界のような感じがしてくるが、扇風機*8でも細かく見れば同じようなことをしている。

 ターボ分子ポンプでは空気がかなり薄くなっているので扇風機のように他の空気分子につられて流れてくる*9分子はない。真空に近い状態では空気分子は羽子板で打たれる羽根*10の様に容器の外に飛んでいく。

 何かの手違いで容器の中に突然空気が流れ込むとターボ分子ポンプ*11はどうなるか。風車の回転速度が急激に落ちるだけではない。流れ込んだ空気によって金属製の羽根に揚力が発生*12し、風車の羽根は破壊されてしまう。



*1 ターボ
*2 真空ゼミナール 第4回
*3 THE BEAUTY of HUMAN BODY -lung- : by Chiyokura lab.
*4 大気圧による缶ペコ実験
*5 真空
*6 水戸黄門大学
*7 ULVAC: 真空とは何だろう
*8 冬用扇風機
*9 Vacuum Technology (Takagi Ikuji)
*10 通信販売、羽子板と羽根(じょじょ)
*11 島津ターボ分子ポンプ
*12 飛行の原理

020615

 イシガメ*1を逃がした。ちょっと行ったところに池があるので、そこに逃がした。

 数年前、同じ池にイシガメを逃がした*2ことがある。その亀はどこからか逃げてきたのか家の前を歩いているのを捕まえたのであった。当時はイシガメを飼う気がなかったので直ぐその池に逃がした。池に逃がしたときに習性か何か判らないが、水面から顔を出してじっとこちらを見つめられた経験があった。

 今回も同じように見つめられることを期待していた。そうしたら池に放して一旦水の中に潜ったと思ったら、同じように水面から顔を出してこちらをじっと見ている。そしてまた、暫くしたら池の中に潜っていった。

 この池を少しの間眺めていたら、亀が他に3匹いた。全てイシガメ*3だった。最近はミドリガメ*4が爆発的に増えてイシガメの住処が減ってきている*5が、この池ではイシガメが優勢のようである。



*1 イシガメが帰ってきた
*2 夏のある日
*3 イシガメ( Mauremys japonica )
*4 アカミミガメ( Trachemys scripta elegans )
*5 イシガメ

020616

 「ストップ ザ ○○」という標語というか決まり文句がある。この言い方はたぶん戦後に出来たのだろう。明治時代や江戸時代にあったとは思えない。筆者が初めて見たのは小学生か中学生の頃の社会の教科書に載っていた「ストップ ザ 物価高」「ストップ ザ 交通事故」といったプラカード*1を持ってデモ行進する人々の写真である。

 「ストップ ザ」という言い回しがどうも気になって馴染めなかった。未だに違和感がある。確かに何でもかんでも「ストップ ザ」にすれば記号のように認識されて便利である。「物価高を止めろ」「交通事故を無くせ」ではいちいち文を読まなければ理解されない。「ストップ ザ」という言い方が定着していれば、一目で何が書いてあるか分かる。

 「禁 物価高」「禁 交通事故」でも認識のし易さからすれば変わらないはずだが、英語で書いた方がハイカラ*2に思えたのだろう。これが定着した。

 一目で分かるというので交通標識*3との組み合わせによって「ストップ ザ」を表現することがある。赤い丸に赤い斜線は「禁止」を表すので、これを組み合わせる。タバコと組み合わせれば「禁煙*41」の意味になる。幽霊と組み合わせれば「ゴーストバスターズ*5」になる。

 しかし時々この表現でおかしなことが起こる。「ストップ ザ」をストップしている絵があるのだ。例えばこの図柄*6は「禁止を表す赤い斜線」と「制止している人の絵」とが組み合わされている。これでは二重の否定になって禁止にならない。この図柄*7も変である。「禁止」を禁止している。

 ただ、これは屁理屈であって「一目で判らせる」という機能からすれば殆ど問題ない。「禁止」の意味は伝わる。しかしこの表現の仕方しかないのではなく、もう少し考えれば「禁止の禁止」にならない様にすることは出来る。最初の例では赤い斜線は必要ないし、次の例でも「禁止」の文字を入れなくてもいい。

 深読みすれば「二重の否定は否定の強調」と解することも出来るが、ちゃんとした表現ではない。



*1 ☆プラカード事件☆
*2 goo [国語辞典]: ハイカラ
*3 道路交通標識・規制標識(その1)
*4 http://web.hosp.kanazawa-u.ac.jp/kinen.gif
*5 Ghostbusters.net : Your Guide To Ghostbusters
*6 建築災害発生状況
*7 ストップ・ザ・密航

020617

 殿さまキングス*1という演歌歌手グループがあった。「なみだの操*2」という曲が大ヒットした。

 このグループ名を初めて聞いたときは何ら違和感がなく、頭にその名前がすんなり刻み込まれた。「タタタタ・タンタタ」と調子の良い響きを持っているからだろう。しかしよくよく考えてみると変な名前である。

 殿様*3とは大名*4のことだろう。大名は王様みたいなものだから、殿さまキングス*5は「山のふもとの山麓で・・・*6」と同じで重複している。短い名前の中で重複しているのだから普通は頭の中で違和感の小さな塊が出来ても不思議ではないが、グループ名の調子が良すぎるので全くそんなことはなかったのだろう。

 それにしても殿さまキングスの由来は何なのだろう。キングレコード*7専属だったからだろうか。コロムビア・ローズ*8コロムビアレコード所属*9だった。殿さまキングスはビクターレコード*10だった。

 名前を付けるにはこういった調子の良いものが理想的だろう。数年前にサッカーチームを作った*11。発起人が集まってチーム名を考えている時に「殿さまキングス」を参考にした「旗本*12クイーンズ」を提案したが、却下された。恐らく「御家人*13プリンス」を提案しても却下されたであろう。



*1 殿さまキングス - エンターテイメント グー
*2 @Victor Entertainment/NEW RELEAS
*3 goo [国語辞典]: 殿様
*4 廃絶大名総覧
*5 殿さまキングス
*6 「今 現在」「掛け声を掛ける」といった表現が放送でも使われることがありますが、意味が重複していておかしいのではないでしょうか。
*7 KING RECORDS@ Web Magazine
*8 コロムビア・ローズ(1933- )
*9 コロムビアミュージック -会社案内-
*10 @Victor Entertainment/TOP PAGE
*11 サッカーチーム
*12 旗本について
*13 御家人について

020618

 タイムマシン*1は可能か。タイムマシンという発想は時計からだろう*2。「時間を遡る」とは時計の針を手で戻すことが出来るということから出てきた発想だろうから、時計が発明される前にそんなことを考えた人は誰もいなかったに違いない。

 新しい概念というのはそんなに簡単に創出されない。大抵の人は考え方、見方を少しだけしか変えることしかできない。これが沢山積み重なって新しい概念が出来上がっていく。そんなに簡単にはできないのである。タイムマシンというのは漫画でも出てくる*3くらい現代の人々にとって判りやすい概念であるが、何もないところから突然「時間を遡る」という考えは出てこないだろう。

 一旦「時間を遡る」という新しい概念が創出され、しかもその概念が判りやすければ、それを現実にしてみたいと思うのは普通の感覚である。過去に戻って人生を修正してみたい、絶滅した生物を採取してみたいなどと色々やってみたくなる。しかしそんなことは可能だろうか。恐らく無理だろう。ここで「時間を遡る」というのは「今、現在」から「過去の時刻」に戻ることである。

 時刻とは何か。もともと時刻とは太陽の位置や星の位置のこと*4である。太陽が真上に来れば昼、というのが時刻である。それを基にして時計の針が規則正しく動いて時を刻んでいる*5

 太陽や星の位置を含めて全ての世界のものの状態をかつてあったように戻すことが出来れば、「時間を遡った」ことになるだろう。それでは「その状態になるまでの時間」が経過しているので、厳密に時間が戻ったことにならないのではないかと言われそうだ。だが世界中全ての物が「かつてあった状態」になっているのだからその状態になるまでの「時間」は誰にも測ることは出来ない。つまり厳密に過去に戻れた訳である。

 こんなことが出来るか、と言えば出来ないだろう。こつこつと大量のエネルギーと時間とをかければ自分の周り半径1mぐらいの範囲で実現すること可能かと思えるかもしれないが、よく見ると机の上にある埃を構成する原子の配列が少しずれていたりして「かつてあった状態」になっていないものなのである。それを全世界に展開するのだから無理に決まっている。

 「光の速度は有限で一定*6」という前提を使ってタイムマシンは可能である*7という結論を導きだしている説明がある。例えばテレビジョンの映像を光より速く動く乗り物で遠ざかりながら見れば、少し前の時刻に画面に写っていた映像の光に追いつくことが出来るので「過去を直接見ることができる」という。現実に光より速く動けるかどうかは誰もやったことがないので判らないが、もしそれが出来たとしてもあまり嬉しくはない。ビデオで録画して見ればそんなに速く動かなくても「過去」を見られるからである。そんな乗り物はタイムマシンでも何でもない。

 タイムマシンが欲しい人にとって、そんな「過去に放たれた光」はどうでもよい。「かつてあった状態」に自分の身を置きたいのである。*8の着順が決定してから投票締め切り前の状態に戻りたいのである。

 5分前でもいいから過去に戻りたいと言う人がいるかもしれない。しかし100万分の1秒前でも「かつてあった状態」に世界を戻すことが出来る機械があれば、それで事足りる。少しの時間でも戻れば、何度もスイッチを入れて何万年でも戻ることが出来るからである。100万分の1秒なら簡単かと言えばそうではない。そもそも全世界を戻す方法が判らない。光より速く動いても*9駄目である。やっぱりタイムマシン*10は無理なのだろう。



*1 タイムトンネル
*2 クロノ
*3 ドラえもん ワールド
*4 正確な時刻
*5 パンフレット−国際原子時・協定世界時とうるう秒
*6 TACラボ(高校生のためのアインシュタインの特殊相対性理論)
*7 タイムマシンは簡単だ!
*8 JRAホームページ
*9 マイクロクエーサー
*10 rojam

020619

 カレーハウスCoCo壱番屋*1という全国規模のカレーライス専門大衆食堂連鎖店舗がある。筆者が高校生の頃はまだ全国に広がっていなく、名古屋の近郊に数店*2しかなかった。

 名前の由来は「ここが一番や」である。名古屋弁では肯定的断定の助動詞として「や」を用いることはないので、創業者は愛知県名古屋の出身ではないだろう。名古屋弁なら「ココ壱番だが屋*3」になってしまう。

 フランス語の幼児語で大便のことを「caca*4」と言うらしい。発音は「カカ*5」である。

 もう少しでピッタリはまった凄い名前になっていた。危ないところである。



*1 カレーハウスCoCo壱番屋
*2 ICHIBANYA Company Guide
*3 名古屋大学消費生活協同組合 パンだが屋
*4 French Baby Talk - Langage enfantin
*5 http://french.about.com/library/media/wavs/caca.wav

020620

 今度はオイルが漏れ*1だした。我が家の自動車*2である。

 駐車場のちょうどエンジンの真下にオイルが垂れた痕があるのは以前から気付いていた。たまにそう言うこともあるかと思ってほっといておいたのだが、日に日にそのオイルの痕が増えていた。ラジエターが壊れたのをきっかけにして、オイル漏れも気になりだしたので修理工場に持っていった。オイルシール*3の交換が必要らしい。工賃を含めて4万円ぐらいかかりそうだという。

 ラジエターのように急激な故障につながる不具合ではないので、修理は見送った。駐車場にはオイルの漏れを受けるためにプラスチック製の平たい箱をエンジンの下に置いている。

 オイル漏れを直してもまた他の部分が壊れてくるだろう。自動車の部品数は約2万点*4と言われている。大量生産で組み立てた2万点もの部品の集合体が10年間定常的に使用して殆ど壊れなかったのは奇跡的である。日本の自動車製造業者が如何に品質に心血を注いでいるのかが判る。

 自動車の買い換えを少し考え出した。しかし欲しいと思っている自動車*5がなかなかない。日本の自動車は品質がいいのだが、最近のものはどれも間が抜けた格好をしており買う気が起こらない。自動車の本質は「乗り物」なので故障を殆どしないのが一番だから、日本製の自動車がいいのだが、格好が悪い。外国産で欲しいものは値段が高い。

 今の自動車を徹底的に直すという道もあるが、新車が買える値段まで金を喰う可能性もないとは言えない。さて、どうしたものか。



*1 ラジエターの故障
*2 corona.jpg
*3 NOK株式会社
*4 ITニュース
*5 MRワゴン

020621

 吉田戦車の漫画*1で「ちょうちょをとる」と言うのがある。その中に小便で蝶を誘き寄せるというのが出てくる。これを読んだとき吉田戦車の発想*2は凄いと思った。

 蝶捕りを趣味としている人と話していたら実際に蝶を誘き寄せるのに自分の小便を使う人がいるという。小便をまけば、その小便で湿った地面に蝶が水を吸いに集まってくるらしい。湿気につられて蝶が集まるのか、尿に含まれる成分*3につられてくるのかよく判らない。水を飲みながら小便をしてその地面の隣に飲んでいる水をまいて、どちらに蝶が集まってくるかを見ればよい。機会があれば自分の目で確かめてみたい。

 そう言えば昔、テレビか何かでどこかの野生の牛が小便ををするとその周りに沢山の蝶が集まってくる映像を見たことがあるような気がする。

 web上にそのような写真はないか調べてみた。Googleにはイメージ検索*4と言って検索語句に関連する画像を検索*5することが出来る。画像に近くに配置してある文字列や画像の説明文や見出しを解析して抽出する仕組み*6である。

 「尿」と「蝶」とを組み合わせて検索*7すると何やら訳の分からない画像ばかりが抽出された。少なくとも日本語のサイトはなかった。また日本語サイトの貧弱さ*8が露呈されてしまった。

 「urine*9」と「butterfly*10」とで検索する*11。目的の「牛が小便をしているところに蝶が集まる」画像は出てこなかったが、小便に集まる蝶の写真*12は出てきた。これもそう*13である。それにしても日本語サイトが充実する日はいつなのだろうか。



*1 MAGAZINEHOUSE | books & mooks
*2 ほぼ日刊イトイ新聞 - 吉田戦車エハイクの世界。
*3 成分マニュアルII-4
*4 Google イメージ検索
*5 Googleの特殊機能
*6 Google イメージ検索に関するFAQ
*7 Google 検索: 尿 蝶
*8 情報の空洞化
*9 goo [英和辞典]: urine
*10 goo [英和辞典]: butterfly
*11 Google Search: urine butterfly
*12 Heraclides isidorus isidorus, February 1995: A puddling male of Heraclides isidorusハisidorus on aハurine soaked river bank.
*13 Puddling group, February 1995: Puddling group on urine soaked river bank.

020622

 「否定する」ことは生きていくための最も基本的な行為である、と思えてきた。去年に新しく家族として加わった子供*1を見ていてそう思った。自分が嫌いな食べ物、嫌なことに対して「いやいや」をする。生まれたばかりの頃でも、外界からの様々な刺激に対していろんな拒否反応を示す。生物学的な拒否反応だけだった赤ん坊が、自分なりの選択をするようになる。自分らしく生きるために「否定する」のである。全てを受け入れていては自分らしく生きることが出来なくなる。

 「否定する」には精神的な労力が必要である。否定は状態を変えたり流れを止めたりする行為だから、否定するにはエネルギーがどうしても必要である。論理回路*2でも「否定」の状態を作るにはどうしても自分自身の状態を変化させることが出来る能動素子*3が必要である。能動素子を動かすにはエネルギーがどうしてもいる。

 労力のいることは嫌がられる。どうしても避けたい。それだけではなく、否定すると状態や流れが変わったりするので、他人に余分な労力を強いることになる。社会に参加している意識の全くない幼児などは様々な事に対して他人の事を考えずに否定が出来るが、社会に参加している意識があるものは「否定する」のに更にエネルギーが必要である。

 否定は状態や流れを変える行為なので時間の経過*4によって、その影響は次第に大きくなる。影響が大きくなる前に「否定」しておけば、後で否定するときよりもずっと労力が少なくて済む。

 例えば何かの誘いを受けたとき、相手の好意を尊重して迷いながら曖昧な返事をしたとする。直前になって断りの申し入れをすれば、相手にとって迷惑だし、その事を考えると自分も断るのに苦労する。時間の経過によって余分な労力が発生するのである。

 迷っているのなら「否定する」返事をするのがよい。時間の経過がないときの否定は最も労力が少ない。誘いの時だけではない。契約を交わす時、迷ったときの返事は「否」である。あとで「肯定」したくなっても、労力は「否定」の状態を「肯定」という状態に変える労力しか要らない。相手にとって流れの状態が自分の思ったようになるので、むしろそれは歓迎される。契約に於いてこの逆の「肯定」を「否定」の状態を変えるのはほぼ不可能となる。

 自分らしく生きるには「否定する」ことが大事だが、大人になると「否定する」時期も重要になってくる。



*1 新しい家族
*2 昭和33年(1958)当時の論理回路
*3 1.回路素子
*4 タイムマシン

020623

 日本語の元素名には漢語と外来語とがある。漢語の場合には「素」が付くものが多い。付かないものは昔から物質もしくは元素として知られていたが、それが現代の化学の定義における化学的作用でそれ以上分解できない物質という意味の「元素」であることが判ったため、そのまま元素名として定着したものである。燐、硫黄、鉄、銅、銀、金、白金、亜鉛、錫、鉛、水銀、蒼鉛*1が「素」の付かない元素である。

 「素」が付く元素は、元素として抽出されてから名付けられたものである。もともとその物質が元素であることは知られてなかっただろうし、その存在も知られていなかっただろう。成り立ちとしては「○○の素*2」だから「○○素」である。その筈だが、よく見ると変な元素名がある。

 「素」が付く元素は水素、硼(ほう)素、炭素、窒素、酸素、弗(ふっ)素、珪(けい)素、塩素、砒(ひ)素、臭素、沃(よう)素である。

 水素、硼素、炭素、酸素、珪素、塩素、砒素はそれぞれ「水の素」「硼砂*3の素」「炭の素」「酸の素」「珪石*4の素」「塩の素」「砒石*5の素」である。

 弗素、沃素、臭素はその元素の外国語名を訳した。弗素は「fluor*6」の「フ」に漢字を当て、沃素は「iode*7」の「ヨー」に漢字を当てただけ音訳である。臭素「brome*8」の由来はギリシャ語bromosで、「いやな臭いがする」という意味から訳された。

 窒素は何の素か。「*9の素」とは何か。「窒息させるガス」という意味で「窒素」という言葉が出来た。

 窒素は1772年スコットランドのラザフォードRutherford*10によって発見された。Rutherford*11が窒素ガスを発見した時代の化学はフロギストン説*12に支配されていた。ネズミの呼吸やろうそくの燃焼等によって空中に遊離して出てきたフロギストン*13で満たされた空気ということで「phlogisticated air*14」と名付けた。

 ラボアジェLavoisier*15はフロギストン説を否定していたために燃焼によって酸素が無くなったラザフォードの名付けた「フロギストン空気」と同じ空気を「azote*16」と呼んだ。azoteとはギリシャ語で否定を表す「a」と生きることを表す「zote」を組み合わされて出来た言葉である。1790年にラボアジェと同じフランスの化学者シャプタルChaptalは窒素が硝酸acide nitriqueに含まれる元素*17ではないかと考え、nitrogen*18と名付けた。

 日本語では「nitrogen*19を訳して硝素」にならずに「窒素」になった。ラボアジェのazoteとよく似た成り立ちで、ドイツ語ではStickstoff「er・sticken窒息させる+Stoff物」というらしい。オランダ語でも同じ成り立ちなので、これらが日本語の「窒素」の語源なのかもしれない。

 それにしても何故nitrogenを訳さなかったのだろう。窒素だけ成り立ちが特別になってしまった。



*1 4. 蒼鉛 Bismuth Bi
*2 あしたのもと AJINOMOTO
*3 ボロン
*4 【珪石出荷量 日本一】 - Myしずおか日本一
*5 明窓
*6 09 Fluorine
*7 53 Iodine
*8 35 Bromine
*9 バニラ
*10 The Gases: Carbon Dioxide and Nitrogen
*11 Today in Science History
*12 化学要論.
*13 NKK市民大学講座-21世紀の製鉄所
*14 Phlogiston Theory
*15 Antoine-Laurent Lavoisier
*16 07 Nitrogen
*17 Carbon_Dioxide
*18 nitrogen. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*19 ETYMOLOGY Ni-Ny

020624

 「不良のための読書術*1」という本がある。装画がしりあがり寿*2なのでお気に入りの本の一つである。この本に「本との出会いは一期一会だから、書店で見つけたときに買っておけ。後で買おうと思って探してもどこにもない」というようなことが書いてあった。筆者もこういう体験を何度も繰り返してきた。

 持ち合わせがなかったり、その時はそれ程欲しくなかったが、何かのきっかけで猛烈にその本が欲しくなり、そこら中の本屋を探し回ってもない。作者も書名もうろ覚えで注文も出来ない。 書名が判っていても書店で注文する何週間もかかったりするので、きっとどこかの本屋にあるだろうと思って探し回って、結局見つからない。

 書店には基本的に売れる本しか置かれない。取次店*3から配送された新刊本は一時的には書店に並べられるが、ちっとも売れなければ書店は返品してしてしまう。書店の広さは一定なので、次々と出てくる新刊本のために売れない本をいつまでも店に置いておくわけにはいかないそうである。

 これが「見つけたときに買っておけ」の理由である。本以外の物で「見つけたときに買う」と他の店で安く売っていたりすると損をした気分になるので躊躇してしまうが、本は全国統一価格*4なのでそんな気分を味わうことはない。この本*5を読んでから、出来るだけ見つけたら買うようにしている。

 本の通信販売*6をよく使う。うろ覚えでも検索システムによって何とか本を探すことが出来る。便利なのは大型書店に行かなくても家でどんな本でも買える点である。本は宅配便で来るので普通の書店のようにその場で手に入らないが、数日待てばいい。昔の書店での注文のように数週間も待たなくてもよい。通信販売を使うと送料や手数料がかかるが、本を探すために複数の本屋を回る手間と比べたらかなり安い。ここ*7なら一定額以上注文すれば送料手数料は只である。

 何かのついでで立ち寄った書店で欲しい本に出会った場合はその場で買う。ついでだから手間がかかっていない。一番安い買い方である。

 本の買い方は「書店で見つけたらその場で買う」「探すときは通信販売」の二つで完璧である。



*1 不良のための読書術 永江朗 著
*2 高級懐中時計
*3 Yahoo! JAPAN - ビジネスと経済 >企業間取引 (BtoB) >本 >取次
*4 再販制度
*5 不良のための読書術
*6 ブックサービス
*7 クリックからはじまる新発見 Amazon.co.jp

020625

 常用漢字*1にない漢字は公文書や新聞では仮名に置き換えて表記される。一般的に置き換えで使用される仮名は平仮名である。片仮名をわざわざ使う例は殆ど見かけない。変体仮名*2となると皆無である。逆に変体仮名を使うと読めなくなる。これでは仮名に置き換える意味が無くなる。

 現代の国語では片仮名は外来語を表記する*3のによく用いられる。外来語を平仮名で書くと違和感があり特殊な効果を狙った表現と認識してしまうのが普通である。「コンピュータ」を「こんぴゅーた」と表記すれば何か漫画の主人公の名前か、幼児用の書籍に出てくる表現かと思ってしまう。

 元々和語や漢語をわざわざ片仮名で書くと強調した表現と取られ易くなる。終戦直後*4ぐらいまでは片仮名が一般的に国語表記に使われていたが、現代では特殊な表記方法として受けとめられてしまう。

 先日、元素名の日本語表記*5について書いた。外来語の元素名は片仮名を使う。漢語の元素は漢字を使う。その中には常用漢字表にない漢字を使った元素名は仮名に書き換える場合がある。

 燐、硼素、珪素、砒素、沃素、弗素は常用漢字にないので「リン」「ホウ素」「ケイ素」「ヒ素」「ヨウ素」「フッ素」と表記されることが多い。

 片仮名は外来語を表記するのに用いるのが普通なので本来ならば外来語が語源である「弗素」と「沃素」だけに片仮名使用が適用され、他は漢語なので「りん」「ほう素」「けい素」「ひ素」という表現が適当である。実際「りん*6」「ほう素*7」「けい素*81」「ひ素*9」とも表記される。同様に沃素と弗素とも外来語ではなく常用漢字以外の漢字の書き換えとして「よう素*10」「ふっ素*11」と表現することもある。

 化合物や元素の大半が外来語なので片仮名で表記される。従って常用漢字以外の漢字の書き換えは統一感を狙って片仮名を使うようになったのかもしれない。学会で常用漢字表など気にせずに常に漢字で表記するようにすれば表記の統一が出来てこのページ*12のようにいちいち悩まなくても済んだだろう。



*1 Kanjibukuro
*2 BVLGARI(2)
*3 文章の書き方・ととのえ方
*4 学制百二十年史: 第三編 教育・学術・文化・スポーツの進展と新たな展開: 第十章 文化: 第四節 国語施策の改善
*5 窒素
*6 Google 検索: りん酸
*7 Google 検索: ほう素
*8 Google 検索: けい素
*9 Google 検索: ひ素
*10 Google 検索: よう素
*11 Google 検索: ふっ素
*12 第3回 「亜ヒ酸中毒」を許していいのか?

020626

 「素」が付く元素名*1に使われる漢字にはそれぞれはっきりした由来がある。殆どが「○○の素」という意味で、「弗素」「沃素」は外国語の音訳*2、「臭素」「窒素」は直訳もしくはその元素の特徴から出来た言葉である。

 「○○の素」型の元素名で「硼素」「珪素(硅素)」「砒素」の「○○」の部分が「硼砂(ほうしゃ)」「珪石」「砒石」と実生活には馴染みの薄い物ばかりである。これでは「ホウ素」「ケイ素「ヒ素」と仮名に置き換えた方がいいかもしれない。

 これらの漢字を見ていると面白い共通点に気付く。旁(つくり)の部分が繰り返しになっている。それぞれ旁は「朋」「圭」「比」である。「硼」はパソコン上で表示するときの字の大きさが小さいと旁が「用」になってしまうことがあるが、実際の字は「朋」である。

 これはその物質の化学的な性質などから作られたのではなく、それらが地中から産出したときの形を表現しているだけなのではないだろうか。「圭」は天然水晶*3の形から出来た漢字であろう。水晶の主成分は酸化硅素である。硼砂*4や砒石も結晶の形からそれぞれの漢字の旁が当てられたのではないだろうか。「朋」「比」の字のような鉱石というのはなかなか想像できないが、本当にそうだと面白い。因みに結晶*5も原子や分子の規則正しい配列の繰り返しである。

 この記事を書くに当たって意外なことが判った。硼素の「硼」は硼素の英語名boronの音訳*6だというのである。そうすると硼砂は硼素という言葉が出来てから作られた言葉になる。それでは硼素という元素が発見されるまで「硼砂」は何と呼ばれていたのだろう。



*1 窒素
*2 音訳
*3 4.SiO2と珪酸塩鉱物の結晶構造(つづき-4)
*4 Rocks and Minerals (A~B)
*5 CZ
*6 goo [国語辞典]: 硼素

020627

 Googleには「イメージ検索*1」という便利な機能がある。語句を入力するとその語句に関連している画像が世界中のwebのページから抽出されるのである。

 例えば井伏鱒二*2はどんな顔だったか、と言うときに使えば直ぐに出てくる*3普通の検索*4では文字しか表示されないので、抽出されたページをいちいち開かないと井伏鱒二の顔が掲載されているのかどうか判らない。

 画像に近くに配置してある文字列や画像の説明文や見出しを解析して抽出*5する仕組みだそうである。

 試しに検索語句を「雑記草*6」にしてみる。雑記草サイト内で掲載されている数々の画像の一部が抽出されている。雑記草のバナーなどを使ってリンクして頂いているサイトも抽出されている。

 しかし抽出された画像が掲載されているページを見ても「雑記草」という文字は含まれていないのもある。画像の近くに「雑記草」という文字列は全く配置されていないのである。これは一体どういうことなのか。

 よくよく調べてみると雑記草の記事中でリンクしたサイトに掲載されている画像が抽出されているのである。この麻雀牌の絵*72年ほど前の記事*8でリンクしたページに掲載されている。

 これは凄い機能と言うべきか、お節介な機能と言うべきか判断が難しい。何やら検索語句とは関係ない余分な画像も抽出されやすくなりそうな気もする。検索語句が含まれたページのリンク先だけを表示するのではなく、リンク元の情報も表示してくれれば非常に助かる。

 「zakkisou」で検索をしてみる。雑記草で掲載されている画像の一覧*9が表示される。しかしこれが全てではない。取りこぼしもあるようだ。



*1 Google イメージ検索
*2 早稲田と文学(井伏鱒二)
*3 Google 検索: 井伏鱒二
*4 Google 検索: 井伏鱒二
*5 蝶の尿寄せ
*6 Google 検索: 雑記草
*7 Googleイメージ検索:www.asahi-net.or.jp/~mn8y-kt/font/mahj_sc.gif
*8 盲牌
*9 Google 検索: zakkisou

020628

 カセットテープの雑音低減のための仕組みでdbx*1というのがあった。カセットテープ自体を日常では余り使わなくなったので、dbxも殆ど見かけなくなった。

 カセットテープの雑音を少なくして音質を良くする仕組みではドルビーDolby*2が有名であった。カセットデッキの殆どにDolbyの仕組みが搭載されていた。最近は映画館やDVDの立体音響の技術*3を提供する会社*4と言った方が馴染みがあるかもしれない。

 何も録音していないカセットテープを再生すると「シャー」という音が聞こえる。これはヒスノイズと呼ばれる雑音で、磁気テープを使うとどうしても発生してしまう雑音である。特にカセットテープではテープの幅が小さいため、テープに記録された音の信号の強さはそれ程大きくならない。磁気テープを使うことによる雑音は幅が小さくても発生してくるので、録音された音に対して雑音の成分が大きくなる。

 録音された音に対する雑音の成分を下げるため、音の信号を強くして録音すればよい。「シャー」という音は高い音の成分で出来ているので、録音する音も高い音の信号だけを強くして、再生するときは元の強さに下げれば雑音の成分は音に対して相対的に低くなる。これがドルビー式の原理*5である。

 dbxは「大きな音」を小さく、「小さな音」は大きくしてテープに録音する仕組みである*6。再生するときは小さくした「大きな音」を大きくして、大きくした「小さな音」を小さくする。こうすることによりカセットテープが録音できる音の大きさの範囲以上の非常に小さい音から大きな音まで録音できる。ヒスノイズはテープから発生する雑音で耳に聞こえるが、本来は「小さな音」である。この音はdbxで再生すると、テープから出てきた「小さな音」であるヒスノイズは更に小さくなって再生される。つまり雑音が低減されたことになる。

 dbxのスイッチを入れるとヒスノイズが殆ど聞こえなくなり、ドルビーよりも断然効果があった。もうこれからはdbxしかないと直感して、dbxばかり使って録音をしていたらdbxはカセットデッキから絶滅してしまった。絶滅寸前にカセットからMD*7に移し換えておいた。使っていたdbx搭載のカセットデッキは壊れてしまったので移し換えてよかった。

 今それらを聴くとカセットに録音しあったとは思えないぐらい「シャー」というヒスノイズは聞こえない。MDは磁性体を使った録音媒体*8であるが、録音再生はレーザ光を使っているので、ヘッドが直接磁性体に接触することによるヒスノイズ*9は発生しない。

 筆者は「ヒスノイズ」を「ヒステリシスノイズ」の略だと勝手に思っていた。磁性体にはヒステリシス*10という特性があり、これらが原因で雑音が発生*11すると勘違いしていた。ヒスノイズの「ヒス」は「hiss*12」で「シュー」とか「シャー」という音という意味だった。アナログレコードでも発生している。つまりヒスノイズは磁気テープだけではなく磁性体以外の色々な物から発生する可能性がある。だがMDなどディスクからレーザ光で信号を読み出す装置*13では、読み出し時点では原理的にヒスノイズは発生しない。 



*1 dbx Professional Products
*2 ドルビーラボラトリーズ
*3 ドルビー技術年表
*4 Dolby Laboratories, Inc.
*5 Digital Audio Paradise / 第10回
*6 dbx
*7 MDの修理
*8 じしゃく忍法帳 / 第48回「録音機と磁石」の巻
*9 パイオニア株式会社 報道資料
*10 図2 B-H曲線(磁気ヒステリシス曲線)
*11 じしゃく忍法帳 / 第64回「ミニ磁石の観察法」の巻
*12 goo [英和辞典]: hiss
*13 光の針

020629

 様々なことを知りたい、物事がどうなっているのか探りたい、という欲望は人間にとって最も基本的な精神活動ではないだろうか。四つん這いで動き回って、引き出しを開けては中の物を引っかき回したり、ゴミ箱のひっくり返して中の物で遊ぶ赤ん坊を見ているとそんな気がしてならない。腹が減って食べ物を探しているわけではなく、単にいじりまわしたいだけである。ただ、ゴミ箱の紙などを口にしていることもしゅっちゅうあるので、食べ物を探している場合も少なくない。

 このように何かを知りたいというのは太古の昔から万人に共通する欲求だろう。雨はどうして降るのか、太陽は何故明るいのか、地震はどうして起こるのか、虹は一体何者なのか*1など、身の回りに起こる出来事の根本を調べたり考えたりしてきた。調べたり考えた結果は人々の知恵や知識として蓄えられ、それらを応用し易いように学問として整理されたりする。知恵や知識は道具を作る上で応用された。そして現代の人間の身の回りには膨大な知識とそれによって出来た道具で溢れかえっている。

 手に入れることが出来る知識や道具は先人が長い時間をかけて作り上げたものである。突然天から降ってきたり、地から湧いた*2わけではない。従って必ずそれが出来上がった背景や理由がある。

 しかしそれらを利用する現代の人々の殆どは背景や理由を知らない。知る必要がない。知らなくても使えるからである。皐月(さつき)は何故「さつき」という*3のか、電話は何故掛かる*4のか、テレビジョンは何故映る*5のか、そんなことを知らなくても利用できる。だが、理由は必ずある。知らなかったり、判らないだけである。

 知りたいと思うのはいつの時代でも同じ筈だから、それらの理由を知りたくなることもあるだろう。先人が調べたりしたり考えたことをまた調べるのである。先人が繰り返してきた今まで誰も知らなかったことを調べるたり考えたりするのではなく、既に成されたことをまた行うのである。

 何かしら非効率のような気がする。しかし知識は自然と遺伝する*6わけではないし、様々な知識の増加量に比例して人間の脳の能力が向上していくわけではないで、繰り返し調べていかなければ後世に伝わらないだろう。こう言った観点から百科事典を作ろうと思う人々*7が昔から多く出現したのかもしれない。

 雑記草はそんな大それた考えではなく、色々な物で溢れかえる自分の身の回りの後ろに潜む意外な「理由」を調べたり考えたりするのが楽しくて書き始めた。webではリンク*8という素晴らしい機能がある。これを使って簡単に「理由」に辿り着ける。このリンク*9という仕組みがあるから雑記草を書いているようなものである。

 ほぼ毎日書いて、この記事で1000話目となった。日常生活で「1000」という個数は余りにも非日常的で殆ど経験することがない。珍しい経験をした。1000話まで続けられたもう一つの理由は読者の方々の存在である。多くの反応があったので続けられた。

 ご愛読どうもありがとうございました。これからも宜しく御願い致します。  



*1 虹
*2 徒然草(日本文学大系)4/4
*3 皐月と躑躅
*4 電話網のふくそうについて
*5 「情報世紀」の主役たち
*6 特集2 文化はどう進化するのか
*7 「知の系譜」文庫目録
*8 リンク
*9 リンク(2)

020630

 リンクはそれが設定された語句を単に詳しく説明するためだけに使われるのではない。多くはその目的で用いられるが、リンク元の文章全体の理解を促すため、もしくは関連する項目にリンクすることによって著者の批判的な表現に利用する場合もある。

 例えばこの記事*1では「首相」という言葉にわざわざリンクを付けている。首相と言う言葉は小学生の高学年以上ならば大抵意味は分かるはずである。従って語句の説明のためにリンクを付けているのではない。

 リンク先も首相官邸*2ではなく、ニセ首相官邸*3である。これは洒落のつもりでやっているが、リンク先を殆ど見ない人も少なくない。リンク先をクリックするかしないかは読み手の自由なので何ともしようがないが、リンク先を見てもらえずにブラウザ上で「青字」のままでぽつねんといるリンク設定語句が不憫でならない。

 紙の辞書ではよく「〜を参照せよ」という具合に手動リンク*4がよく設定してある。HTML*5はこの手間をコンピュータが代行してくれている。web上でリンクを勝手に設定することは著作権の侵害など*6と主張するする人々がいるが、これは全くの勘違いである。

 辞書の「〜を参照せよ」をweb上で最大限利用したのはHyperDictionary*7である。見出し語の説明文の単語全てにリンクが貼られている。

 このような「〜を参照せよ」は相互参照と呼ばれ、百科全書の登場*8によってこの仕組みが作り出された。チェンバーズの「百科全書」*9で初めて使われたらしい。ディドロとダランベールとの「百科全書*10」でも効果的に使われたらしい。

 webのリンクは百科事典の中で完結している「〜を参照せよ」の限界を遙かに超えて地球全体に散在している知識を参照できる仕組みになった。これはディドロとダランベールと*11の時代から見れば途方もないことである。

 残念なのは散在する「知識」は自由自在であることだ。生き物のように生まれては死んでいく。リンク先はままならないのである。百科事典と同じような機能を持たせるには、やはりweb図書館で「知識」を積極的に勝手に保存する*12しかないのだろうか。  



*1 紙幣は国の信用
*2 首相官邸ホームページ
*3 ニセ首相官邸
*4 リンク
*5 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - HTML
*6 Google 検索: リンク 著作権侵害 許可
*7 HyperDictionary
*8 EXHIBITION:(XIII)百科事典に見られる身体
*9 百科全書
*10 慶應義塾図書館 <貴重書紹介 解説 ディドロ・ダランベール『百科全書』>
*11 UB Graz - Ausstellungen - 250 Jahre Encyclopedie
*12 インターネットアーカイブ



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