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0211雑記草


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021101

 この雑記草の記事を書くに当たって検索サイトをよく使う。一番使うのはGoogle*1である。Google以外は全くと言っていいぐらい使わなくなった。

 検索をするとこの様*2に検索対象となった語句が入った文章の一部と語句が太字で表示される。Googleはこの表示される文章が日本語ならば一行40文字程度、ローマ字*3を使う言語ならば12から15単語程度で、それが三行ぐらい表示される。

 閲覧ソフトのウインドウをどのような大きさにしていてもこの表示は変わらない。他の検索サイト*4を使わない理由はこれである。他の検索サイトでは検索内容がGoogleを使って表示されているとしてもこのように*5文章が横に長くなってしまっては視線をいちいち左右に振らなければならないので表示画面を上下に移動させながら読むのに適さない。記事を書くに当たっての検索には非常に時間がかかるので検索結果の一つ一つには時間はかけられないのである。

 検索サイトを使って雑記草の記事の内容に相応しいページを探そうとしても、適切な検索語句その物が思い浮かばなくて苦労することがよくある。雑記草を長く書いているお陰で、ある程度検索には慣れてきたが、人に伝授出来る様に検索の秘法が体系づけられている*6わけではない。未だに試行錯誤である。

 気付いたのは、抽出された三行の短い文章が非常に重要だと言うことである。新しい言葉、専門的な言葉を検索するのに欠かせない。

 最近「レーザ盗聴」という記事を書いた。日本語のサイト*7ではその仕組みが載っているものがない。仕方がないので英語のサイトを検索したのであるが、レーザ光線を使って盗聴器をその場所に仕掛けなくても話し声が聞ける*8「レーザ盗聴」を英語で何というのか判らない。盗聴は英語で「wiretap」「tap」「bug」と言うらしいが、レーザ光線を使っているのに「電線wire」とか「タップ*9tap」では、「laser」とそれらを組み合わせたら言葉自体が破綻してしまう。

 和英辞書には当然「レーザ盗聴」なんていう言葉は載ってないので、「laser wiretap*10」で検索をしたが、なかなか思うようなサイトが見つからない。「wiretapping」「tap」「bug」「pick up」、原理を知りたかったので「principle」「mechanism」など、単語を色々変えたり加えたりして検索している内に、あの三行の中に「laser listening」という言葉を見つけた。これだ、と思って「laser listening*11」で検索をかけると、求めていた「レーザ盗聴の原理」そのものが出てきた。

 こういう発見*12が楽しみの一つになっているので、この雑記草を書き続けている。



*1 Google(2)
*2 Google 検索: 雑記草
*3 ローマ字
*4 Yahoo! JAPAN Search Results
*5 Yahoo! JAPAN Search Results
*6 shikencho/検索の鉄人
*7 Google 検索: レーザ 盗聴
*8 レーザ盗聴
*9 goo [国語辞典]
*10 Google 検索: laser wiretap
*11 Google 検索: laser listening
*12 発見

021102

 中学生の頃、技術家庭科の先生が、年を取ってから盆栽*1を趣味にするつもりなら今から趣味にしておけと言われた記憶がある。盆栽は作るのに何十年もかかるので年を取ってからだと出来上がる前に死んでしまうというのである。

 この先生は先の戦争*2で敵を撃ったことがあるとよく話していたらしく男子生徒に恐れられていた。筆者自身は残念ながら在学中の3年間でその話を聞くことが出来なかった。戦争でそう言う体験をするのは当たり前なのだが、我々にとっては遠い過去の非日常的な出来事であったので驚愕に値していたのである。

 それがきっかけかどうなのかはっきり憶えていないが、中学か高校の頃、盆栽に興味を持ったことがある。ただ、普通の盆栽ではなく、豆盆栽*3と呼ばれる分野の盆栽である。その大きさは手のひらにすっぽり入るぐらいの物もあれば、更に小さく十円玉を下敷きにすることも出来るぐらいのものもある。

 保育社*4カラーブックスシリーズ*5に「豆盆栽」と言う本があった。現在は絶版になっているようだ。まずこの本を買った。小さな木に赤い実がなっている写真とか形は普通の松の盆栽だが、鉢の大きさが5cmぐらいしかないものとかが満載であった。

 小さい盆栽*6なら簡単に作れるだろうと思い、早速、百貨店の屋上*7にあった盆栽売り場に豆盆栽用の鉢*8を買いに行った。思ったより高いので「豆盆栽製作計画」は頓挫してしまって現在に至っている。従って盆栽は豆も普通のも持っていない。

 盆栽*9へのあこがれは小宇宙*10のへのあこがれと同じだろう。本来は盆栽自体が「小宇宙*11」の筈だが、筆者にとって盆栽は当たり前の普通の世界で豆盆栽こそが「小宇宙」という感覚であった。



*1 日本盆栽協会
*2 伏竜
*3 小品盆栽協会のサイト”小品盆栽”
*4 保育社
*5 くらげしょりん カラーブックス
*6 群境介と幸子のミニ盆栽
*7 屋上フロアご案内
*8 豆鉢
*9 Genqui Meets Andy - Farallon Films
*10 小宇宙
*11 小林礫斎

021103

 家の亀達には藁の寝床で冬眠をしてもらおう*1と思っていたが、藁がなかなか手に入らない。

 園芸用の敷き藁を*2に見に行ったら、二束300円もする。近くの農家に下さいと言えば只で分けて貰えるものだが、店では高価商品になってしまっている。近隣の田圃の稲刈りはすっかり終わっているので田圃には藁の束が数本寄せ集めて置いてあるのを見かけるが、収穫が終わった田圃には農夫がいないので、言ってその藁を貰うにも貰えない。

 どうするかと思っていたところ、家に水苔*3があることを思い出した。引越して*4から2、3ヶ月後に、直ぐ隣にある園芸屋さんから買ってきた観葉植物*5を部屋に入れた時に使った水苔*6である。

 その水苔はニュージーランド産の水苔*7である。この苔の類でアイルランド産のものは酸性の沼地を好み、自重の20倍以上の水を吸う*8らしい。水苔は英語でsphagnum moss*9という。

 水槽の半分程度が水苔で占められた。恐らくその中で亀たちは冬眠しているのだろう。苔のない部分には全く姿を現さないので、そうに違いない。ただ、20cmぐらいの一番大きな亀*10はまだ水槽の中をうろうろしているのを見かける。



*1 亀の冬眠の準備
*2 Kahma
*3 ミズゴケ科 Sphagnaceae
*4 ブロードバンド(3)
*5 パキラ
*6 ニュージーランド水苔
*7 Sphagnum Moss products - New Zealand
*8 Wild Beauty of Bogs Tour
*9 Donex - For Sphagnum Moss from New Zealand and Chile
*10 イシガメ(3)

021104

 面白い物を見つけた。ステンレスを使った脱臭器である。脱臭器と言っても単なるステンレスの塊である。臭いを分解するらしい。

 これが、そのステンレス製の脱臭器*1である。単に丸く削りだしたステンレスの塊である。これを器に入れてステンレスの塊の半分ぐらい浸かるまで水を入れて使うらしい。

 ただこれだけで部屋の臭い*2が取れるというのだ。ステンレスは浸した水によって錆びることがないので半永久的に脱臭器*3として使える。化学薬品などを使わないので、どんなところにも安心して 使え、しかも薬剤の補給は一切必要としない。水だけでいいのである。

 この脱臭器は「水および空気と同時に接触することで触媒として作用し臭いの分子を分解中和し、分解が連鎖反応を起こし、臭いそのものを空間から除去」すると説明してある。括弧内の文章を読んでもさっぱり意味が解らない。このステンレスに接触した臭いの分子が水と空気とによってステンレスを触媒として分解反応を起こし、その分解反応がきっかけとなって次々に部屋中の臭いの分子を連鎖的に分解してしまうのだろうか。ちょっと考えにくい。連鎖的に反応など起こる理由がない。

 それでは「ステンレスを触媒にして臭いの分子が水と空気と反応する」のだろうか。触媒*4とは「自分自身は変化せずに化学反応を加速させる」物質のことをいう。この脱臭器の場合、触媒であるステンレスによって臭いの分子と水と空気との化学反応が加速される、と言うことになる。本来は水と空気と臭いの分子があっても反応はしないが、ステンレスの触媒作用によって反応が加速されるというのだ。

 今まで薬剤を使わない脱臭と言えばオゾン*5光触媒*6等を使うものと思っていた。

 この脱臭器*7で本当に脱臭出来るのだろうか。脱臭は出来ると思う。しかし原理は全く違うのではないか。ステンレスは触媒になっていないような気がする。それではどうして脱臭が出来るのか。水に臭いが溶け込むだけであろう。だから脱臭効果が全くないとは言えない。ところがその効果は微々たるものではないだろうか。つまり金属の塊は特殊なステンレスでなくても何でもいいことになる。

 実際に買って試してみなければ、本当のことは判らない。同じ容積の器を二つ用意する。片方にはこの脱臭器*8を入れて水を入れる。もう片方には適当な石か何かを入れて同じ分量の水を入れる。これでそれぞれの効果を比較してみれば判る。



*1 ジロンカ スメルキラー XL
*2 ニオイについて
*3 CORAM ジロンカ・スメルキラー
*4 「しょくばい」って何?
*5 201110(におい110番) -においとは何か-
*6 【酸化チタン反応原理図】
*7 AGN 水を入れるだけで半永久的に消臭効果を発揮する消臭剤
*8 東急ハンズ新宿店 : 商品研究室:担当者のおすすめ!

021105

 昨日の脱臭器*1の原理が気になる。元々この商品は海外で作られている物らしい。従って日本では輸入業者がこれを販売している。これら輸入業者のページ*2には原理が書いてある場合があるが、「触媒がどうの分解反応がどうの」とその執筆者が訳も分からず単語を並べているのではないかと思わせる説明ばかりであるる。

 仕方がないのでこの脱臭器の製造者のサイトと思われるところ*3を見てみた。原理について特に詳しい説明*4はない。とにかく試してみてくれ、ということだ。そんなに効果があるのなら少しぐらい試験の結果や何故そうなるかぐらいを示してくれてもいいような気がする。取りあえず使ってみてくれでは気になって仕方がない。もしかしたらこれが売り込み法なのかも知れない。

 まぁ、この脱臭器の効果の話は措いておいて、この脱臭器の意匠はなかなか筆者の物欲*5をくすぐる。特にこの青いガラスの器と丸いステンレスの組み合わせ*6がいい。

 脱臭器以外の商品もなかなかくすぐってくれる。瓶の蓋*7タバコは吸わない*8タバコの火消し*9が見ていて欲しくなった。



*1 スメルキラー
*2 Google 検索: スメルキラー
*3 Zilo - Online-Shop
*4 Zilo Smellkiller Classic The mini miracle that fights bad odors, made out of Zilo high-grade stainless steel.
*5 新車購入
*6 Zilo Smellkiller XL The air freshener made out of Zilo high-grade stainless steel.
*7 Zilo Centro
*8 スモーキングモンキー(2)
*9 Zilo Volcano

021106

 goodsは英語で「商品」を意味する。goodのもともとの意味を語源まで遡ると「適切な、適合した*1」である。これを複数形の名詞にして「所有物*2」という意味として使ったのは1280年が最初のようである。古英語では単数形でも同じ意味として使っていたらしい。

 この「goods」という言葉から「bads」という言葉が最近出来たらしい。これは形容詞の「good」の対義語は「bad」なので、「goods」の対義語として「bads」という言葉を作ったという。

 では「商品、所有物」の対義語はどんな言葉なのだろうか。商品は大抵は金を出して買う*3。その反意語は金を貰って買う、つまりお金を付けないと持っていってもらえない様なものである。不要品や廃棄物が「bads*4」と言うことらしい。

 レトロニム*5みたいな言葉のでき方である。レトロニムとはそれに対応する日本語が定着していないので「後追い命名語」「遡及命名語」などと勝手に訳している。例えばエレキギターが出現する前はギターと言えば電気を使わない「ギター」しかなかった。エレキギター*6が出来たためにそれと今までのとを区別するためにわざわざ「アコースティックギター*7」という言葉が作られた。

 「goods」と「bads」とに対する概念はもともと区別されていて、それに対する言葉ももともとある。「bads」に対する言葉なら「wastes」がある。対称性を出すために新しく意味を作ったのである。ちょっとレトロニムとは違うかもしれない。対称性のある言葉や概念はそれぞれ同時期に出来てもよさそうだが、「goods」が1280年に対して「bads」は2002年頃なので、かなり隔たりがある。



*1 ghedh- The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*2 Online Etymology Dictionary; ETYMOLOGY Go-Gre
*3 Mainichi INTERACTIVE 子育て・教育 万引きをする子ども
*4 Goods, Bads and Neutrals
*5 カメノテ(2)
*6 jimihendrix.com - the official jimi hendrix website
*7 Narciso Yepes

021107

 日本語でも「bads*1」のような言葉はないだろうか。

 「関西」という言葉はこの類のようである。ただ、「bads」と違って、概念が新しく作られたのではなく、概念も言葉自体も対称性を保つために作られたようだ。「関西」についてはこのページ*2を読んで知った。

 英語の「good」は「良い」という意味であるが、「商品」という意味もある。これに対して「bad」は「悪い」という意味であるが、「bad」を「good」のように名詞として使えば、「悪いこと」とか「悪」とか抽象的な物事を表すだけである。それを「商品goods」の対義語として「bads」に商品を作ったあとに出てくるような「廃棄物」*3と言う意味を与えた。

 「関西」は「関東」の対義語として出来た。

 関東とは今では東京、神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城の一都六県の総称である。昔は畿内にある京の都を守る愛発(あらち)*4不破(ふわ)*5鈴鹿(すずか)*6の三つの関より東の東国一帯を指していたが、鎌倉時代以降は三つの関の意味が無くなってしまったので、足柄、箱根、碓井峠以東の坂東(ばんどう)*7の地を指すようになった。関東という言葉が定着したのは室町時代に関東管領*8が設置されてからのようだ。

 一方、「関西」の範囲は関東のように明確ではない。日本を七つの地方に区分するときは北海道地方、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、四国地方、中国地方、九州地方となり、「関西地方」という呼び方はない。ただし「近畿」という言葉は比較的新しく明治30年代に出来た言葉らしい。五畿内に近隣の国を加えた範囲という意味である。

 この畿内を守るために設けられたのが上記の三つの関である。従って畿内が中心であるのでその東の方にある東国は「関の東」であるが、畿内は「関の西」ではない。あくまでも畿内は日本の中心であるので「関の西」という概念は江戸時代になるまではなかったのではないか、と考えられるそうである。

 他にもこの類は沢山ありそうだが、どうも思いつかない。



*1 goods & bads
*2 ノーマル雑学掲示板
*3 自然環境に優しい歯科病院を目指して環境保全はバッズの定義から解決?
*4 テーマ別/歴史・文学/歌で訪ねる/歌枕コース/愛発(敦賀市)
*5 95年夏号 〜岐阜県を百倍面白く〜
*6 関宿まちかど館
*7 30 関東地方(坂東)
*8 白龍亭・関東管領

021108

 なんとも非常に為になるサイトを見つけた。Webラーニングプラザ*1(技術者Web学習システム)である。技術者の継続的能力開発の支援を目的として、科学技術振興事業団*2が提供する自習用のWeb学習システム、だそうである。技術者でなくとも解りやすい内容になっている。

 これは只で提供されている。一体、科学技術振興事業団とはどんなことをやっているのだろう。科学の振興のために色々と*3やっているみたいだ。殆ど税金で運営されている*4ので、只といっても納税者であれば少しは支払っていることになる。

 この事業団はWeb学習システム以外にいろいろな資料や役務の提供*5をしている。どれも一般の生活には関係のないものばかりであるが、その道の人にとっては有用なのであろう。



*1 Webラーニングプラザ
*2 JST Homepage
*3 事業の紹介
*4 事業予算
*5 各種サービス

021109

 「駒込ピペット*1」という化学実験用具がある。初めて見たのは小学生の頃だったと思う。理科の実験か何かで使ったような気がする。このピペットが入っている理科室の引き出しには「駒込ピペット」とは書いてなかった。「こまごめピペット*2」もしくは「コマゴメピペット」と書いてあったと思う。

 ガラス管の途中が丸く膨らんでいるその形から「こまごめ」と名付けられたと勝手に思っていた。膨らみが米粒の様な形をしているからである。それでは「こま」は何と思っていたか。くるくる回る独楽か4コマ漫画の「コマ」と思っていた。独楽は丸いからである。漫画など用語の「コマ」は「小さく区切られた」という意味だとこれまた勝手に解釈していた。駒込ピペットの米粒型の膨らみの部分が何となく「小さく区切られた」という感じがしていたのである。漫画の「コマ」というのは本来「小間*3」なのだろうか。これは定かではない。

 「こまごめ」は「駒込」であった。東京の駒込のことだった。しかも地名ではなく駒込病院*4の駒込だった。

 その由来は駒込病院のwebサイト*5詳しく書いてある*6。発明したのは駒込病院第五代院長二木謙三氏だった。院長時代に作った*7ようだ。

 海外でも「Komagome pipette」と呼ばれると書いてあったが、海外のweb上に「Komagome pipette*8」は殆ど見つからなかった。



*1 駒込ピペット 1ml (C-2051-1A)
*2 揮発性の液体をこまごめピペットでとる方法
*3 goo [国語辞典]: 小間
*4 マピオン地図 東京都文京区本駒込3丁目付近
*5 Welcome to Komagome Hospital
*6 Welcome to Komagome Hospital 駒込ピペットの由来
*7 駒込ピペットと二木謙三先生
*8 Google 検索: Komagome pipette

021110

 「巡回セールスマン問題*1」という数学の難問がある。沢山の得意先を一軒ずつ巡回して出発点に戻って来るにはどのような道筋で行けば歩く距離が最短になるか、という問題である。

 全ての巡回の組み合わせを計算してやれば、どの道筋が一番短いかは判るのであるが、訪問先が増えると巡回の組み合わせが爆発的に増えてくる。全部の組み合わせを計算しなくても、ある決まった手順に従えば最短の道筋が判るようにしたいのだが、まだそれは見つかっていない*2らしい。最短の道筋を算出する方法は色々考え出されている*3らしいが、本当にどんな場合でもそれが最短か、と言われるとちょっと自信がなくなるらしい。厳密に最短の道筋が「この方法で導き出せる」というのはない様だ。これが難問と呼ばれる所以である。

 この「巡回セールスマン問題」を解くとどんないいことがあるのだろうか。セールスマンが一日どれくらいの家を訪問するのだろう。呼び鈴を押して、その家の人が出てきて、話ができる場合もあれば、呼び鈴を押しても出てこないのを確認するのに時間が掛かる場合もある。その平均時間を5分として移動時間も平均5分とすると8時間みっちりやって50軒程度になる。道筋の組み合わせは3×1064となり、一つの組み合わせの距離を計算するするのに1秒しかかからなくても、1057年もかかってしまう。訪問するどころか、これでは地球も太陽も消滅してしまっている*4

 しかし実際には移動する家と言えとの距離がそれぞれ短いので、厳密な最短距離を見つけなくても勘で適当に廻ればいいような気もする。団地を巡回する場合、上からがいいか下からがいいかぐらいを気にすればいいのかもしれない。

 「巡回セールスマン問題」の解き方を応用した例がある。厳密な最短距離は出せないが、大体の最短距離の導き方を利用して、電子回路のプリント基板*5ドリルで穴を開ける順番を計算している*6。これによって穴を開ける時間が短縮できたという。

 この「巡回セールスマン問題」を知った時、数学パズルのような感じで捉えていたが、今回、それを実用化しているのを知って少し驚いた。



*1 巡回セールスマン問題
*2 難問 ? 巡回セールスマン問題
*3 巡回セールスマン問題
*4 地蔵と弥勒
*5 日立IT 生産受託サービス プリント基板の組立
*6 Drill Route Optimization

021111

 考えてみると「巡回セールスマン問題*1」は宅配便の配達順路に十分活かされるような気がする。

 調べてみたらあった*2。このソフトを使えば一日に想像を絶するほどの大量の荷物を運搬しながら宅配するサンタクロース*3は相当楽になるだろう。

 サンタクロース*4のように全世界を一日で移動しなければならないような宅配業者にとって、「巡回セールスマン問題」疑似解決ソフトは大いに役に立つかも知れない。

 もしかしたらサンタクロースは複数いるのではないか*5、という説もあるようだ。そうなれば各々のサンタクロースが担当する家庭の数はサンタクロースの数に反比例して少なくなり、それに伴って道筋の組み合わせを考える数は激減していく。

 サンタクロース*6が本当に沢山いて、クリスマス前夜に数軒にしか贈り物を届けないとすれば「巡回セールスマン問題」の最適な解よりも経験などで決めた方が効率的なような気がする。荷物の量や進行方向に対して道のどちら側に家があるか、煙突の位置などによって巡回の仕方は大きく左右されるだろう。荷物が沢山あるので出発点の近いところから配りだす方が楽だし、道を走る場合は左側の家から配った方が贈り物を担ぐ距離は少なくて済む。

 筆者の家では、サンタクロースはクリスマス以外の日はどこで何をしているかという子供達の問いに対して「近くのお宮さんで隠れて玩具を造っている」と教えてある。神社一軒当たりの子供のある家庭の数は、現実の宅配業者が一日で廻る配達軒数とよく似ているのではないだろうか。

 宅配業者が「巡回セールスマン問題」をいちいち考えていると言うことを聞いたことがない。そう考えるとやはり経験の方が優先するような気がしてならない。



*1 巡回セールスマン問題
*2 ロジステイックス最適化
*3 サンタクロースサイト
*4 サンタクロース研究
*5 サンタが街にやってくる
*6 サンタのひげ立

021112

 「田原坂(たばるざか)*1」という歌がある。西南戦争*2の激戦地、田原坂の当時の情景を語った歌である。

 雨は降る降る
 人馬(陣羽)は濡れる
 越すに越されぬ
 田原坂

 右手(めて)に血刀
 左手(ゆんで)に手綱
 馬上ゆたかな
 美少年*3

 父と一緒に風呂にはいると、父がよくこの歌を歌った。今は漢字交じりで詩を読むことが出来るので意味が解りやすいが、風呂で聞いていた当時は声だけなので頭の中には平仮名しかない。

 あめはふるふ〜る
 じんばは〜ぬ〜れ〜る〜
 こ〜す〜にこ〜されぬ
 たばるざ〜か
 ちょこほい ちょこほい

 めてにちがた〜な
 ゆんでに〜た〜ず〜な〜
 ば〜じょ〜おゆ〜たかな
 びしょおね〜ん
 ちょこほい ちょこほい

 最後の「ちょこほい ちょこほい」はどういう意味か判らないが、歌の調子を整えるために入れていたのだと思う。web上で調べても「ちょこほい*4」を入れた歌詞は見あたらない。

 歌詞の説明はしてくれた。「めて」「ゆんで」は聞き慣れない言葉だったので特に印象が残った。普通、片手で刀を持つ時は右手だから「めて」は右手、残った手で手綱を持つから「ゆんで」は左手、と教わったような気がする。

 後に「めて」「ゆんで」はそれぞれ「馬手*5」「弓手*6」とも書くと知って混乱が生じた。「馬の手」は手綱を取る手だから「右手」、「弓の手」は弓を持つ手だから「左手」となる。ところが「田原坂」では通常は「めて(馬手)」で持つ手綱を「ゆんで(弓手)」で持っている。

 もしかしたら風呂でもこのようにも教わったのかも知れない。「うま」が「め」、「ゆみ」が「ゆん」に変化するというのが理解できず、また「馬の手」でなく「弓の手」で手綱を持つという内容で当時から混乱していたのかも知れない。その時は勝手に自分流に解釈して意味を記憶していたのだが、改めて「馬手」「弓手」という漢字を知って混乱してしまったのである。



*1 田原坂
*2 seinan sensou
*3 美少年酒造のおいたち
*4 Google 検索: ちょこほい
*5 goo [国語辞典]: 馬手
*6 goo [国語辞典]: 弓手

021113

 最近、変な持ち方の人をよく見かける。30代、40代ぐらいの立派な大人が変なのである。男でも女でも同じくらい変な持ち方をする人がいる。

 何の持ち方かというと、鉛筆*1*2の持ち方である。現在、懸命に*3の変な持ち方を矯正をしているので、余計に目に付くのかも知れない。一年近く注意し続けているが、なかなか治らない。筆者も親に言われ続けていたが、なかなか治らず、中学生頃に自分で治そうと思って治した。

 鉛筆の持ち方*4でよく見かけるのは、親指と人差し指と中指で鉛筆をつまみ、薬指の先の横で支える持ち方である。本来は親指と人差し指でつまみ、中指の先の横で支える。毛筆の持ち方*5と硬筆の持ち方とを組み合わせたような持ち方なのである。箸の場合は色々な変な持ち方があって一言では言い表せない。一体どうやっておかずやご飯をつまんでいるのか不思議である。見ていると器用に箸を使っているのだが、見苦しい。

 ついでにお椀の持ち方*6も変な人がいる。お椀の縁を親指と中指で押さえ、人差し指で引っかけて持ち上げている。大人になってもこんな持ち方をしていると、その人の子供も同じ様な持ち方になって変な持ち方の人が増える一方である。

 女性でお椀の持ち方が変な人は見たことはない。日本の家庭での子育て担当は殆どがまだ母親なので、お椀の持ち方が変な人が増殖することは今のところあまりないかもしれない。が、鉛筆や箸の持ち方が変な女性は結構見かけるので、こちらは間違いなく増殖している筈だ。

 変な持ち方でも人に迷惑を掛けるわけではないので、目くじらを立てることではないが、まぁ、貧乏人の草野球でみっと*7もなくて情けないと言うことである。

 先日、箸を使わない文化圏の外国人数人と会食する機会があった。一人の外国人は日本に行くというので箸を練習してきたらしい。正確な持ち方をしていた。その外国人が同席していた他の外国人に箸を使うように勧めるので、箸の使い方*8を教えてやった。まず、一本の箸を鉛筆を持つ様にさせ、人差し指と親指とでできた輪っかにもう一本の箸を入れて親指と薬指で支えるようにさせる。最初に持たせた片方の箸を動かせば物がつかめる。直ぐ使えるようになった。もしその外国人が普通の鉛筆の持ち方をしていなかったら、上手くいかなかったかもしれない。

 一度変な癖が付くとなかなか治せない。更に大人になると大抵は誰も注意してくれないから、一生治らない。子供に英語を一所懸命習わせる*9よりも、箸の使い方や正しい日本語など、日本の文化を正しく教える方が先だろう。



*1 ユビックス
*2 箸の持ち方使い方
*3 ウンキョウ
*4 株式会社トンボ鉛筆
*5 姿勢の基本
*6 知っておきたい和食の知識
*7 野球用品/硬式ミットTAMAZAWA(玉澤)TAMAZAWA
*8 how to use chopsticks
*9 えいごであそぼ

021114

 ヤマトヒメミミズ*1という名のミミズがいることを知った。1991年に発見されたミミズ*2である。なんとこのヤマトヒメミミズは自分で体を切って増える*3ことが出来るのである。

 再生能力が強い生き物の代表はプラナリア*4と思っていたが、もっと凄い奴がいたのであった。プラナリアの再生能力が強いと言っても自ら進んで自分の体を切って増えることはしない。ただ、無性生殖で二つに分裂することは出来るらしい。

 ヤマトヒメミミズはかなりバラバラにしてもそれぞれが再生する*5ようだ。しかも10年前まではその存在が知られていなかったというのだから驚きである。ただ、日本で見つかったヤマトヒメミミズだけが自分で体を切って増えるのではなく、他の海外のヒメミミズでも体を切って増えるらしい。それらは100年以上前に見つかっている*6ようだ。

 アメーバやゾウリムシなどは単細胞だから自分の体を二つに分けて増えていくというのは納得しやすい。ヤマトヒメミミズは単細胞ではない。一人前に脳も持っている*7

 どうも人間に置き換えて考えてしまう。例えば自分の右腕が切断されると、何日かすれば右手が元通りに戻る。これはこれでいい。切り落とされた右腕からはもう一人の自分が再生されるのである。その「新しい自分」にも脳があって自分と同じ構造なのである。恐らく右腕の細胞には胎内で受精をしてから細胞分裂を何回繰り返したかを憶えている*8ので、そっくりそのまま現在の自分が再生されるだろう。

 しかし記憶などは一切入っていない筈である。同じ様な記憶が新しい脳に出来上がる道理はない*9。するとどうだろう、再生した「新しい自分」は赤ん坊の如く、大小便を垂れ流しながら食べ物を求めて歩き回るのだろうか。恐ろしい光景である。

 脳を持つヤマトヒメミミズは切断して新しくできた自分の分身をどのように眺めているのだろう。



*1 系統進化学講座3ミミズ研究グループ
*2 1.自切と再生による無性生殖
*3 ヤマトヒメミミズの無性生殖サイクル
*4 プラナリア:目次
*5 ヤマトヒメミミズの無性生殖
*6 ヤマトヒメミミズの分類
*7 図. 1A 頭部の解剖図
*8 寿命を決めるのは誰!?!?−死なない細胞の正体とは・・・−2−
*9 記憶の移植

021115

 ヤマトヒメミミズ*1プラナリア*2の再生について書いていて安部公房*3の「人魚伝*4」という作品を思い出した。

 人魚の肉を食うと不老不死になる*5という伝説があった。「人魚伝」の主人公は人魚を捕まえるが、食べない。人魚を飼っているうちにその人魚によって強力な再生能力を身につける。切断した部分からもう一人の自分が再生されるようになる。

 主人公の男がヤマトヒメミミズやプラナリアのように再生したもう一人の自分と口論する場面がある。脳に蓄えられている記憶も再生したことになる。やはり肉の断片に記憶が宿るというのは考えにくい。

 脳の一部からの再生なら記憶も再生出来るかもしれない。記憶が脳のどの部分*6に保管されているのかよく判らないが、その一部がもう一人の自分に継承され、残りは自分となるだけで、結局は完全に複製はできないだろう。しかし時間が経つと自分が受け継いだ記憶によってある程度までは元の状態に近づけるのかも知れない。

 記憶が再生するしないは別にして、やはり自分が分裂して再生するというのは考えれば考えるほど不思議で気色の悪い状態である。



*1 ヤマトヒメミミズ
*2 The Pioneering Planarian Regeneration Experiments of Harriet Randolph
*3 新潮文庫20世紀の100冊
*4 安部公房 『人魚伝』
*5 ニュースの誕生
*6 アサヒ・わいわい関西

021116

 スメルキラー*1について書いたら、日本の輸入代理店*2の代表取締役の方から電子メールを頂いた。是非、試して欲しいとのことであった。

 スメルキラーとは「臭いの殺し屋」だから、脱臭器のことである。脱臭機ではない。「器」と「機」の違い*3はその装置の複雑さの違いである。「器」は「「機」よりも簡単な仕組みなのが普通である。このスメルキラーは他の脱臭機*4よりも恐ろしく単純な構造をしている。

 水とステンレス合金の塊とだけで脱臭効果があるという。電気や薬剤は全く必要がない。本当にこれで脱臭効果があるのか、あるとしてもステンレス合金は関係がなく水に臭いの分子が溶け込むだけではないか*5、というようなことを書いた。

 送られてきたメールに示されているURLを辿っていく*6と、色々非常に詳しく書いてあった。前回の記事では消臭の機構や試験結果などをもう少し掲載してくれればとかいたが、このサイトには結構詳しく書いてあった*7

 脱臭の原理は読んでもよく判らない。よく判らないと言うのは説明が簡単すぎるからである。「金属に水を接触させるだけで臭いの分子を分解し、原子の状態にさせるという斬新な発想による消臭メカニズム」と書いてあるが、これが何のことなのかさっぱり判らない。そもそも自然界で原子が結合して分子を構成しているのは、その状態の方が原子にとって楽だからだろう。そんな楽な状態からそうでない状態にするためには通常はエネルギーが必要である。脱臭機に電気や薬剤が必要なのはそのためである。それが要らないというのだから、その部分の説明がないと納得できない。

 効果がドイツの公的機関で調査されているという。「バイエルン州立産業協会」というところで試験されたらしい。この機関*8はドイツでは「LGA*9」と呼ばれている。ここで試験されれば、その試験の結果の証明書が発行され*10たりするらしい。こういう証明書が掲載してあると安心できる。

 試験結果のグラフを成る程、臭いがなくなっている。ドイツで16畳間とか8畳間というのはなんか違和感があるが、それに相当する部屋面積という意味だろう。臭いがどんな化学物質かが明示されていないが、アンモニア*11であれば非常に水に溶けやすいので水だけを置くだけでも消臭効果があるかもしれない。

 詳細に読んでみると脱臭の仕組みのヒント*12があった。ステンレス合金の表面には加工の際に出来る細かい筋がある。これによってステンレスの表面積がかなり増えている。水に濡れたステンレス合金の表面がうっすら濡れていれば水の表面積もそれに伴って増えているので臭いの分子が溶けやすくなる。これではないだろうか。そうだとすればもっと表面積を増やすような構造*13の方がいいかもしれない。ただしいくら表面積が増えても水をはじくようではだめである。水に濡れやすい材質を使わないと効果がない。このステンレス合金は水に濡れ易い*14のだろうか。

 通販で安売りキャンペーンでもやってくれないだろうか。



*1 スメルキラー
*2 コラムジャパンにようこそ!
*3 「機」「器」「儀」
*4 たばこ用脱臭機「快空」
*5 スメルキラー(2)
*6 ジロンカ・スメルキラーのホームページ
*7 スメルキラー説明
*8 ドイツにみる地域の自立のために重要な「産学官民」の協働 バイエルン州未来プロジェクトの事例【バイエルン州】
*9 LGA Landesgewerbeanstalt Bayern
*10 LGA: Domestic goods and commodities
*11 アンモニア
*12 お客様からのよくある質問
*13 田中貴金属工業株式会社 メタルハニカム触媒
*14 スメルキラーXL商品説明

021117

 雑記草では多くのサイトやページに向けてのリンクを貼っている*1。これはHTML*2本来の機能*3の用法であり、リンク自体は他のページの住所であるURLを入力する手間を代行するだけの仕組み*4である。

 何故、不特定多数のサイト運営者にこの仕組みの対象とされること、即ち「勝手にリンクを貼られること*5」を嫌がる人が多いのだろうか。勝手に自分のサイトを見られるからだろうか。不特定多数の閲覧者に対して閲覧できるように公開しているのに、リンクによって見られると困るのだろうか。それでは何故、検索サイト*6で自分のサイトを検索されるようにしておくのだろう。完全に撞着している。

 自分の書いた物を不特定多数の閲覧者に対して公開しているのだから、色んな人に色々思われたり、言われたりする。褒められたり、励まされたり、感謝されたりすることもあれば、批判されたり、罵られたり、謝罪を求められたりすることもあるだろう。全てを覚悟した上で公開すべきでなのである。心地よい方ばかりを求めるのは甘い。

 そもそも「勝手にリンクを設定されてしまう」ことの原因は検索サイトに掲載されているからである。これ不特定多数の閲覧者に公開することと何ら変わりのないことだから、勝手にリンクを設定して欲しくないという考えは甘過ぎると思う。褒めてくれる人だけに見てもらいたいのなら自分でそう言う人を探して限定的に公開すべきである。

 それともリンクを何かしら自分のサイトへの入口のように考えていて、勝手に知らぬところで入口を設けてもらっては困るということだろうか。つまりリンクを設定する事により特定の経路が出来上がり、電話のように信号が直接行き交うと錯覚してしまっているのだろうか。そうだとすれば、これは余りにも稚拙な考えである。上に書いたようにリンクは「プログラムによるURLの入力代行」に過ぎない。

 ここまではリンクされる側について書いたが、リンクする側の態度はどうあるべきだろうか。何でもかんでもリンクをして良い*7というわけではないだろう。誹謗中傷のためのリンク設定は慎まなければならない。それ以外は特に問題はないだろう。ただし、リンクの仕方には気を遣わなければならないだろう。

 フレーム内で他人のサイトを表示するようなリンクの設定の仕方は避けなければならない。リンクされたサイトの制作者が意図しない表示方法は著作権法に触れそうである。それではページ内に掲載されている画像だけをリンクしたり、本来のページではフレーム内に表示されているのをそこだけリンクを設定して表示するのはどうであろう。これもリンク先のサイトの制作者が意図しない表示方法だから、これも著作権法に触れそうだ。

 筆者は雑記草に於いて、フレーム内表示はまさに他人の褌で相撲を取る行為なので、それはしていない。そもそも「フレーム表示」が嫌いなのでやらない。しかし「画像だけのリンク」や「リンク先がフレームの一部」というのをしょっちゅうやっている。

 言い訳であるが、「画像だけのリンク」は文中の語句を的確に説明する為に仕方なく使ってしまうし、「リンク先がフレームの一部」は検索の結果でそのように表示されされるから同じようにしているのである。

 それにしても本当に著作権法に触れるのだろうか。制作者が意図しない表示の仕方が著作権法に触れると思われる根拠は「同一性保持権 *8」である。「自分の著作物の内容又は題号を自分の意に反して勝手に改変されない権利」が著作者自身にある。「意図しない表示のされ方」は完全に権利を侵していることになる。

 ところが筆者はリンクを設定しているだけである。検索サイトで知り得た画像やページの一部の住所であるURLを記載して、これが自動的に表示されるように設定しただけである。このこと自体は著作権侵害にはなり得ない*9

 リンクをクリックするとどう表示されかは筆者には判っているが、表示するのは筆者ではなく雑記草の閲覧者である。すると閲覧者が知らないうちに改変していることになってしまうのではないだろうか。「同一性保持権 」には「著作物の私的使用の為の複製」のような制限はない*10ので、知らずにやっても、こっそりやっても権利を侵害していることになる。

 それではその権利を侵害するようにリンクを設定した筆者の責任はどうなるだろう。他のページなどへのリンクの設定は、上に書いたように送信行為ではないので「公衆送信権・伝達権*8 」の侵害には当たらない。しかし著作権の侵害という犯罪を起こりやすくしているので幇助犯*11になるのかもしれない。アダルトサイトのリンク集*12と同じようなものである。

 勝手にリンクを設定すると言うことは、考えてみると恐ろしいことである。対処すべきであろうか。



*1 リンク
*2 HTML check
*3 切れたリンク(2)
*4 リンク(2)
*5 リンクに許可は必要か
*6 Google
*7 リンクについて「リンクは自由!」
*8 はじめての著作権講座
*9 マルチメディアと著作権 著作者にはどんな権利がある?
*10 マルチメディアと著作権 著作物が自由に使える場合は?
*11 インターネット豆知識 - 知っておいた方がよい法律
*12 221 リンクをはることがわいせつ罪の幇助?

021118

 今年の8月、新車を買う*1際に今まで使っていた自動車は近所の鈑金屋さんに売った*2

 鈑金屋さんに、名義変更をしたら知らせて欲しいと頼んだら「名義変更は確実に行うので信用して欲しい」という。つまり、そんなことはいちいち知らせない、というのだ。これではいくら何でも心配なので3ヶ月ぐらい経過したら、運輸局に自分で確認しに行こうと考えていた。

 3ヶ月の根拠は、名義変更の書類に押印された判子*3印鑑証明は過去3ヶ月以内に発行された*4物でないといけないからである。逆に言えば、名義変更は印鑑証明を受け取ってから3ヶ月後まで猶予があることになる。3ヶ月経たない内は名義が変更されたかどうかは確実には判らない。3ヶ月経っても名義が変更されていなければ、印鑑証明は無効になっているので、変更することが出来ないので、そこで変更が終わったかどうかが初めて確認できることになる。

 確認をしに行った。記入用紙が35円、手数料が300円*5自動車登録の内容は情報公開されているので誰でも調べることが出来る*6。自分で行えば335円で出来るが、業者に頼むと良心的な所*7なら2000円で調べて貰える。探偵社などに頼むと335円が1万円以上*8になる。

 運輸局に行って請求すると「登録事項等証明書」という書類を発行してくれる。これがその証明書*9である。自動車の車検書と全く同じ用紙であった。

 名義変更は自動車を売却してから1ヶ月後に行われていた。現在でも廃車にされずに動いているかと思うと少し嬉しかった。



*1 新車購入
*2 自動車売却
*3 判の押し方
*4 自動車検査・登録ガイド
*5 自動車登録検査手続きのご案内
*6 登録事項等証明書交付請求
*7 車の名義変更屋さん - 登録事項等証明書
*8 Google 検索: 自動車 ナンバー 調査 料金 探偵
*9 syoumei.jpg

021119

 Mac専用のブックマーク管理ソフト「URL Manager Pro*1」を試用していたが、使い勝手がよいので代金を送金して完全に使えるようにした。普段使っている閲覧ソフトのブックマークが消失するという不具合*2に何度も遭遇したための措置である。

 インターネット上で送金*3をした。以前、他のソフトの代金の支払*4でも使ったことがある。

 電子メールで送られてきた登録番号を入力しても、うまく受け付けてくれない。どうもOSが適合してないようだ。筆者が使っているOSはMac OS 8.6*5と呼ばれる物である。現状のOSはMac OS X*6(「X」はローマ数字の「10」)と言って2世代進んでしまっている。

 送られてきた説明書を読んでみると登録番号はMac OS 9*7以降で動作するバージョン用の登録番号であった。MacOS8.6で動作するそれ以前のバージョンの登録番号が入用の時は電子メールで知らせてくれとある。請求したら送ってきた。今度はちゃんと登録番号を受け付けてくれた。

 ソフト起動時、6秒間の送金督促の表示がなくなったのですっきりした。



*1 URL Manager Pro 日本語版
*2 栞(3)
*3 Welcome To Kagi
*4 Kagi
*5 Technote 1163: Mac OS 8.6
*6 アップル - Mac OS X
*7 Technote 1176: Mac OS 9

021120

 かつて1ドルが360円*1の時代があった。その頃、「1ドル360円」という言葉の調子がよかったのか、360円という数字を間違えることはなかった。

 最近、この「1ドル360円」の由来について面白いことを知った。この「360」という数字は「円周が360度」だから「1ドル360円」という交換比率となったというのだ。道理で「360」という数字が覚えやすい訳である。

 と一瞬思ったが、どうもこの説は怪しい。太平洋戦争終了後、アメリカは占領下の日本の経済を自立復興*2させるために、円とドルとの交換比率を一定に設定して輸出の増強をさせようとした。これはアメリカ政府がGHQの顧問として派遣したアメリカのデトロイト銀行頭取ジョゼフ・ドッジ*3によって提案された「ドッジライン」という方針が基になった。

 web上を調べてみると、この交換比率を設定する時にドッジは「Yen」が「円」という意味だと言うことを知って、円周は360度だから「1ドル360円」と設定した*4、と言う説が沢山出てきた。

 筆者が語源や物事の由来をweb上で調べる時の一つの目安として「無料サーバを使って運営している個人サイト」「情報の出典が明記されていないサイト」の情報の信頼度はかなり低い、としている。特に無料サーバを使っているサイトはそれ自体が短期間で消失する可能性も非常に高いので文中のリンク*5の設定は避けるようにしている。従って参照するのは大学、独自のドメイン名*6を持った組織や企業のサイトが多くなる。

 そう言った観点から「円周が360度」説を見ると掲載しているのは「無料サーバを使って運営しているサイト」ばかりで全く信用できない。

 日本の円制度は明治政府の1871年の新貨条例*7に始まる。この時、1円金貨=純金1.5g=1ドルだったらしい。1897年に貨幣法および兌換銀行券条例中改正法律*8で1円金貨=純金0.75g=0.5ドルとなり、1931年から1940年頃までは1ドル3〜4円となった*9。太平洋戦争開始からの交換比率のない時代を経て*10、1949年に360円に固定された交換比率は1971年まで続いた*11。そしてアメリカのドル防衛によりブレトンウッズ体制*12が崩壊し、スミソニアン体制*13が出来上がった。この時のドル切り下げにより1ドル308円になったが、1973年より変動相場制*14に移行し、現在に至っている*15

 結局、360円の由来はよく判らない。円の国際的な貨幣価値の根拠が敗戦によってなくなった状態なのでいくらに設定してもいいはずである。どこから「360」と言う数字が出てきたのだろうか。これは全くの勘であるが、戦前の交換比率の1/100倍程度にしたのではないだろうか。「100」という数字にも根拠はないが、この数字は意味もなく人を納得させる効果を持っている。経済関連の人は「円」という図形から「角度」を発想して「360」という数字を出すことは出来ないような気がする。



*1 為替レート(360円からの円高の歩み)
*2 法政大学大原社研_経済安定九原則実施後の賃金政策の展開過程〔日本労働年鑑 1951年版814〕
*3 経済自立への道
*4 Google 検索: 360度 360円 円 ドル
*5 リンクの制限
*6 ドメイン名
*7 明治政府の通貨制度
*8 [日本銀行の概要] 歴史年表
*9 JAPAN'S ECONOMY IN THE 20TH CENTURY - No. 3, January 21, 2000 http://www.jei.org/Archive/JEIR00/0003fig9.gif
10 円相場の歴史
*11 JAPAN'S ECONOMY IN THE 20TH CENTURY - No. 3, January 21, 2000 http://www.jei.org/Archive/JEIR00/0003fig10.gif
*12 金融大学 ブレトンウッズ体制
*13 金融大学 スミソニアン体制
*14 金融大学 国際通貨制度
*15 asahi.com : 金融・経済 : 為替

021121

 サンタのひげが手に入った。チェロ*1弾きの知人から譲って頂いた。

 サンタのひげというのはバイオリン等の弓の毛である。去年の年末にラジオを聞いていたら、クリスマスのプレゼントの上にいつも「サンタクロースのひげ*2」らしき物が落ちていたのでかなり大きくなるまでサンタクロースの存在*3を信じていた、と出演者が語っていた。実はその出演者の母親がどこからかバイオリンの弓を調達してきて毎年その弓から毛を取ってプレゼントと一緒に置いておいたらしい。

 これを聞いて来年は是非これをやろうと思っていて、運良くクリスマス前にこのことを思い出し、更に知人にチェロ弾き*4がいることも気が付いたので、頼んだら快く譲ってくれた。

 最近、小学四年生になる上の息子*5がサンタクロースの存在を疑いだしている。サンタの餌*6のようにその餌をサンタが食べたといったような状況証拠ではなく、「サンタのひげ」という物的証拠を見れば、考え方を変えるだろう。



*1 チェロ - 弦楽器のエフストリングス
*2 サンタのひげ
*3 巡回サンタクロース問題
*4 チェロ教室
*5 新聞購読
*6 サンタへの手紙

021122

 ドッジライン*1ドッジボール*2を思い出した。ドッジラインとはドッジボールの競技場に引く線のことではなく、ドッジという人*3が打ち出した「方針*4」のことである。

 ドッジラインのドッジは人の名前だが、ドッジボールのドッジは「ひらりと身をかわす」という意味である。綴りはどちらも同じ「dodge」で、本来は「ダッジ*5」に近い発音である。

 以前、ここの掲示板*6でドッジボールの起源が話題となった事があった。話題は競技自体の起源と名称の語源とについてだった。競技の起源は日本ドッジボール協会のページに詳しく書いてある*7ここ*8にも書いてある。世界ドッジボール協会*9のページには起源などは書いてない。

 日本にドッジボールが紹介されたのは明治の終わりから大正の始めにかけてからというのはほぼ間違いないのだろうが、更に起源を遡ると怪しくなってくる。このページ*10には600年前のアフリカに起源があり、のちにヨーロッパに持ち込まれた、とある。

 ドッジボールには色々別称がある*11ようだ。「murderball」「killerball」「poisonball」「prisonball」とも呼ばれるらしい。

 日本でドッジボールと呼ばれるようになったのは、日本に紹介された時期を考えると「Dodgem(ドッジェム)*12」という遊園地にある互いにぶつけ合って遊ぶ小型電気自動車が起源ではないかと小説家の館淳一氏*13は考えている。「ドッジボール」という名前を考えたと言われる大谷武一東京高等師範学校教授*14がアメリカに留学中に「Dodgem(Bumper Car)*15」を見て思いついたのではないかというのである。留学当時の1926年頃にDodgem car*16を大谷氏は見ている可能性が十分あるというのだ。「Dodgem」自体は「dodge+them」の短縮形である。

 それでは、更に「dodge」の語源は何か。よく判らない*17ようである。スコットランド語で「急に曲がること」を意味する「dodd」が語源*18ではないかと考えられている。

 以上の事を調べていたら語源のよく判らない英単語ばかりを集めたページ*19を見つけた。「bug 虫」「condom コンドーム」「jam ジャム」「jazz ジャズ」「nifty 気の利いた」「puzzle パズル」「quiz クイズ」「sedan セダン」など、日本語に入り込んでいる単語が意外とあって面白い。

 上記のページを自動翻訳サイト*20で日本語に翻訳すると間抜けたページになって、これまた面白い。



*1 1ドル360円
*2 日本ドッジボール協会
*3 6 経済自立への道
*4 line 1. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*5 http://dictionary2.goo.ne.jp/ej/voice/D/00030226.wav
*6 雑記草掲示板
*7 日本ドッジボール協会公式ホームページ
*8 <リレー随筆> 私の趣味−ドッヂボール
*9 Welcome to the World Dodgeball Association
*10 Dodgeball
*11 Let Dodgeball Reign!
*12 Dodgem, Rides, Inside The Park, Cedar Point
*13 jun_1's WEBSITE
*14 ドッジボールの歴史
*15 Bumper Car Main Page
*16 History of Bumper Cars
*17 dodge. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*18 ETYMOLOGY Dit-Do
*19 Origin Unknown (words of unknown origin)
*20 Excite エキサイト : 翻訳>ウェブページ翻訳

021123

 今年、ノーベル賞を受賞した小柴氏*1が50年ほど前に中学校で臨時講師をしていた時に「この世に摩擦*2がなければどうなるか答えよ」という試験問題を出した事があったらしい。この話を知って筆者が高校時代の化学の先生が出した試験問題*3を思い出した。自分で問題を作ってその問題に答えよ、という設問だった。筆者は駄洒落問題を作って記入したが、正解となった。

 「この世に摩擦がなければどうなるか答えよ*4」の正解は鉛筆の先が滑って何も書けないから「白紙答案にすること」だったという。まぁ、これも駄洒落答案の一種だろう。正解が「白紙答案にすること」のみであったことではないと思う。「白紙答案」も正解だったのだろう。当時の教え子達が記憶している「正解者が3人」というのは「正解者が3人しかいなかった」のではなく「3人白紙答案で出して、それも正解となった」と言うことに違いない。

 本当に判って白紙にしても、全く思いつかないので何も書けず白紙にしてもどちらでも正解になるというのは面白い。

 たとえ何も書けなくても、そのような状態になるまで考えただろう。設問は簡単な文章なので中学生にその内容が理解できないことはない。試験で理解度を確認するだけではなく、受験者全員に考えさせることも目的としている良質な試験問題である。

 もしかしたら「名前さえ書いてあれば白紙でも1点はやる」というのと同じ様な発想で作った問題かもしれないが、いろいろ考えさせる話である。



*1 ノーベル賞(2)
*2 摩擦
*3 シラン
*4 Mainichi INTERACTIVE 記事全文 2002年10月31日 小柴昌俊さん:この世に摩擦がなければ 「白紙答案」が正解

021124

 瞬間視聴率というのが不思議で堪らない。数年前から瞬間最高視聴率が数十%に及んだなどということを聞くことがあったが、この数字は本当にその瞬間の視聴率を反映した結果になっているのだろうか。

 現在、日本のテレビジョン番組の視聴率はビデオリサーチ*1社という視聴率調査会社が調査している。かつてはニールセン社*2という会社も調査をしていたが2000年に視聴率調査から撤退した。

 ビデオリサーチの視聴率調査は全国27地区6250世帯*3がどの番組を見ているかによって算出されるらしい。そして毎分の視聴率が集計*4されている。

 「毎分なのに瞬間というのか」という屁理屈を言っているのではない。視聴率が毎分変化するのは理解できる。しかしそれが判ると何かの役に立つのだろうか。一つの番組の時間帯の中で視聴率の変化が判っていれば、その時期に合わせてコマーシャルを流せば非常に効率がよさそう*5であるので、何か役に立っているような気もする。

 一般家庭ではどのようにテレビジョンを見ているのだろうか。番組表などを見てチャンネルを合わせるか、何か面白い番組はないかといろいろチャンネルを変えてみるぐらいではないではないだろうか。2、3台のテレビジョン受像器を並べたり、多画面機能を活用していつも複数の番組を見比べてここぞという場面になったら切り替える、と言う見方はかなり少数派だろう。

 そうなると大抵の人は番組の最初から見るようにするだろうし、何か面白い番組を探す人は大抵は○○時00分から15分ぐらいで番組の選択が完了しそうな気がする。○○時30分から45分にチャンネルを変える人は多くないだろう。

 つまり平均視聴率は調査対象となった世帯の標準的なテレビジョンの視聴の仕方を反映しているが、瞬間視聴率は落ち着きがない少数派の視聴の仕方を反映しているだけではないだろうか。そのような少数派の目にも留まるような場面という解釈も出来るかも知れないが、それで視聴率を代表させるには数が少なすぎるのではないか。これでは誤差が大きくなってしまう*6だろう。

 瞬間視聴率はあまりあてにならないような気がする。



*1 Video Research Ltd.
*2 テレビの視聴率
*3 世帯視聴率調査地区
*4 毎分視聴率
*5 Yomiuri On-Line/なんでもクエスチョン
*6 標本誤差

021125

 以前、アラン・ドロン*1の「サムライ*2」という映画について書いたことがある。

 フランス語で「サムライ」読ませるには「samouraï」としなければならない、というのがこの映画の気に入っている理由だった。映画そのものは見たことがなかった。

 つい最近、DVDで見た。孤独な殺し屋の生活を映画で、アラン・ドロンはその殺し屋役である。映画全体に寂しさが漂っていて、筆者にとって非常に楽しめる映画だった。

 「SAMOURAÏ」というアラン・ドロンの香水がある。この映画から名付けたらしい。



*1 アラン・ドロン
*2 SAMURAI DRIVE
*3 ALAIN DELON - Produits
*4 ALAIN DELON - Produits

021126

 鳴海製陶*1という陶磁器を作る会社のブランドに「ナルミボーンチャイナ*2」というのがある。

 ボーンチャイナとは牛の骨灰を混ぜて焼いた磁器のことでイギリスで発明されたらしい。骨を入れるのでbone chinaという。

 大塚食品*3の「ボンカレー*4」ははフランス語の「bonボン よい、美味しい」と「カレー」とを組み合わせた造語である。ボーンチャイナもこのフランス語の「bon」で「よい陶磁器」とずっと思っていた。



*1 Welcome to NARUMI Homepage!
*2 bone
*3 大塚食品
*4 製品紹介/ボンカレー

021127

 会社の名前には外国語やアラビヤ数字を入れることは出来なかった*1登記*2する場合は漢字、平仮名、片仮名しか用いることは出来なかった。例えば「日本ABC株式会社」ならば「日本エービーシー株式会社」などとローマ字の部分を日本の文字で表して登記していた。

 ローマ字入りの会社名*3はいくらでもあるが、それは正式名ではなく、ロー文字の部分を日本の文字で表したものが登記上の正式名称だった。

 商業登記規則等の一部改正*4によって日本の文字だけしか使用出来ないというのが改められた。ローマ字、アラビヤ数字、その他記号が登記に用いることができるようになった。ただし、法令で義務づけられている会社の形態を表す文字*2はローマ字では表記できない。「株式会社」を「K.K.」「Co.,Inc.」「Co.,Ltd.」として登記することは出来ない。



*1 yuugenn2
*2 なか株
*3 DoCoMo
*4 商号の登記にローマ字等を用いるための商業登記規則等の一部改正について

021128

 高校生の頃だったか、物理か地学で湿度計*1のことを習った。湿度計の計測原理*2には大きく分けて二つある。温度と水との熱力学的関係に基づく*3乾湿球を用いた湿度計と湿度によって材料の性質の変化に基づく湿度計である。材料の性質の変化は湿気によって寸法が変化するのを利用するもの、電気的性質が変化するものを利用するものに分けられる。

 乾湿球を用いた湿度計は、普通の温度計とガーゼで球を湿らせた温度計との2本を用いる。乾いた空気中ではどんどん水が蒸発していくので湿らせた温度計からは湿らせた水がどんどん蒸発していく。この時、蒸発していく水が熱を奪うので湿らせた温度計は温度が下がる。この温度の下がり具合で湿度を計測*4する。

 材料の性質の変化の場合は直接的で、材料が湿ると伸びたり縮んだりするから、その変化の度合いを見ることで湿度が判る。

 その材料は湿気で伸び縮み*5すれば何でもよいが、出来るだけその変化の度合いが大きい方がいい。そこでその材料に毛髪を使った湿度計*6がある。

 毛髪と言うくらいだから人間の髪の毛である。それでは誰の毛なのか。「賢者の贈り物*7」に登場する美しい金髪*8のように金に困った人が売ったものだろうか。

 髪の毛を売る経緯は別にして、毛髪湿度計には金髪*9が使われる。先生が授業で湿度計に金髪が使われるという話をした時、教室にどよめきが起こった。たしか起こった。しかもノルウェーの未婚女性の金髪*10を使うというのだ。ノルウェーと言えば北欧、北欧と言えば「性に関しておおらかな国*11」、やはり下も金髪*12か、という幻想が筆者を含めた一部の生徒には渦巻いていた。

 ノルウェーの女性の髪の毛を使うというのは第二次世界大戦中の規格*13らしいので、今でもノルウェーの女性の髪の毛を使っているのか判らない。間違いないのは頭髪を使っていることである。



*1 湿度計・露点計・温湿度発生装置の専門ページ
*2 加湿と除湿
*3 札幌市青少年科学館(科学の質問箱) ■湿度ってなに?
*4 Humidity 空気に含まれる水(湿度)と植物生産
*5 S1F online : テクニカルノート 湿度のあれこれ
*6 動作原理 毛髪自記湿度計
*7 愛の大きさ
*8 賢者の贈り物
*9 毛髪自記湿度計
*10 AS 3 Lecture Screens
*11 世界定点観測 - スウェーデン
*12 マピオン地図 神奈川県川崎市高津区下野毛(しものげ)2丁目付近
*13 Welcome to the Materials Testing Equipment Web Pages

021129

 実家の直ぐ隣に琴を造る工場があった。製造工程が面白いので学校から帰るとしょっちゅう見に行った。工場の主人は筆者の訪問に対していつもにこやかな顔で迎えてくれた。当時、本当はどう思っていたのか分からなかったが、忙しいから帰れと言われた記憶がない。実際は言われたこともあるかも知れないが、飽きずに何度も通っているのでそんなことは気にならなかったに違いない。

 琴の製造工程*1で気に入っていたのは、補修作業だった。琴の本体部分*2の材料は*3である。桐の丸太から切り出して琴を作っていくのだが、量産品になるとどうしても材料を有効活用しないと採算が取りにくくなる。少々、虫で出来た穴や節穴がある材料も使う。

 しかし虫穴や節穴がある琴というのはないので、これら穴を補修して使うのである。ただ穴を埋めるだけでは駄目である。製造工程で桐の表面を熱した鏝を当てて焼いて木目を出すので、この木目が途切れる所があると補修したのがばれてしまう。

 まず桐の細かい粉を用意する。この粉はのこぎり屑から作るのか他の何らかの方法で作るのか分からなかった。いつも瓶の中に入っていた。これを餅米を臼で挽いた粉と混ぜ合わせる。そして混ぜ合わせたものに水を入れてこねるとつきたての餅のようになった。本当に餅米の粉だったかどうか分からないが、確かそう主人が教えてくれた。それを穴に埋めるのである。

 それが固まったら表面の余分な部分を削り、他のちゃんとした木の部分と同様に熱い鏝を当てて焼くのである。すると木の部分と同じように焼ける。

 そしてその焼けた部分に彫刻刀で木目を入れていくのである。虫穴だったら周りの木目に繋がるように木目を入れ、節穴ならばそこに節があったかのように木目を入れる。この作業が完了すると補修のあとを見つけるのは、この作業自体の存在を知らない限り不可能である。

 この作業を見るのが楽しみでしょっちゅう通っていた。

 他に興味があるものが出来たり、家人にそんなに邪魔しに行くなと言われたのもあって、殆ど見に行かなくなった。するとある時から工場は閉まったままになってしまった。工場は潰れたという噂が近所に流れた。

 それから暫くしてこの工場の主人は近くの道路の側溝の中で腐乱死体となって見つかった。泥酔して溝にはまって気を失いそのまま凍死したらしい。側溝が草で覆われていたため、腐って臭いがするまで気付かれなかったようだ。弟が、偶然その近くを通ったら物凄い臭いがしていた、と言っていた。



*1 お琴のできるまで
*2 お箏(こと)について
*3 琴製造組合

021130

 第二東名高速道路*1の一部が近々開通*2するのに先だって、工事現場を一般公開するというので見に行った。

 説明書には連結式をやると書いてあったので、目の前でクレーンでつり上げた橋桁*3を連結してくれるのかと期待していったが、接合部分のネジを締める*4だけだった。考えてみれば一般民衆の目の前でそんな危険な作業をするわけがない。

 現場では色々な催しが行われていた。その中で、道路に落書きをする、というのがあった。高速道路が出来上がればアスファルトでその落書きは埋められてしまうが、道路の基礎の鉄板にマジックインキ*5で好きなことが書けるのである。筆者も書いてきた

 片側四車線*6で最高時速140kmでの走行を前提に道は設計されているという話であった。しかし警察の許可がでないことから140km/hの実現は難しいらしい。



*1 第二東名高速道路
*2 平成14年度新規着手道路の概要
*3 明石海峡大橋の技術 補剛桁
*4 tomei01.jpg
*5 絵文字の限界g
*6 tomei02.jpg
*7 tomei03.jpg



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