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0204雑記草


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020401

 中国語の続き*1面白い絵が沢山載っている本*2の解説には「CD-ROM」も中国語*3で書いてあった。

 CD-ROMぐらいローマ字表記をしてもいいような気がするが中国語ではわざわざ漢字で表記をするようである。

 「雷射石葉」とあった。但し、「石葉」は一つの漢字でしかも旁の「葉」にはくさかんむりがない。「蝶」の虫偏が石偏になった字である。意味は蝶や葉っぱと同じで薄っぺらくひらひらするもの、だろう。

 「雷射*4」はレーザという意味のようだ。CD-ROMはレーザ*5を使って円盤に書かれた情報を読みとるので、レーザという言葉が入っていても間違いではないが、CD-ROMにはレーザという言葉は一言も含まれていないのでかなり意訳と言えば意訳になる。

 CDは「光盤*6」とも言うらしい。ハードディスクは硬磁盤、フロッピーは軟磁盤、磁気ディスクは磁盤である。光磁気ディスクMOは磁光盤のようだ。MOは日本語では「光磁気」と呼ばれるが、中国語では英語magnetoopticalの語順がそのまま継承されて「磁光」になっている。因みにmagneto・optical*7であってmagnet・opticalではない。

 「光盤」の方がその言葉の範疇を明確にする上で適した訳である。こう考えると英語や日本語は統一性がない。日本語は英語を外来語として単に持ってきただけなので、更に芸がない。

 中国語でレーザと言えば「激光*8」だろう。レーザが「激しい光」とは名訳だと思う。「雷射」はlaserの音訳*9 であろう。音訳では漢字の音だけを利用する*10場合が多いが、「雷射」の場合は何となく意味も読み取れる。「雷」は放電を表しているのだろう。レーザを放射する装置のうち気体を用いた*11アルゴンガスレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ*12は雷と同じ気体中の放電を利用している。「射」は光が飛び出る様子を表している。

 20年ぐらい前にはCDやLDを再生するのにアルゴンレーザを使った物もあったが、現在は放電現象を用いない半導体レーザ*13で信号を読みとるようになっている。



*1 軟體
*2 アプリケーション
*3 中国語パソコン辞典
*4 Google 検索: 雷射
*5 CDの寿命
*6 中国語コンピュータ用語集(電脳語匯集)
*7 magnetooptics. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*8 研究紹介 GOD
*9 音訳
*10 巧克力
*11 レーザー
*12 益島博士
*13 Jr.

020402

 英語を日常に使っている人にとってメモリ*1とかマウス*2とかクリック*3という言葉は違和感がないのだろうか。日本語であれば学術用語や公文書などでは格調高さを示すために「大和言葉*4」を使わずに「漢語」を使おうとする。

 「思い出」ではなく「記憶」と普通は表記する。一方、memoryの意味は「思い出」でもあり、「記憶」でもあり、「記憶装置」でもある。日本語ではコンピュータ用の記憶装置を表すのに「メモリ」という外来語をわざわざ作って表記しているのに対して、英語では「思い出」という意味もある「memory」を記憶装置の名称として使っている。

 英語でも文字数の多いフランス語系の言葉の方が古くからある英語よりも格調高いという意識があるかもしれない。

 それにしても英語を母国語としてしている人にとって「思い出」「鼠」「カチッ」という言葉は使っていて妙な感じにならないのだろうか。



*1 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 -メモリ
*2 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - マウス
*3 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - クリック
*4 数詞の規則性

020403

 知人とこの雑記草の話をしていたら意外なことを知った。雑記草の表題*1両脇の草*2が動いているのを知らなかったというのである。その知人はかなり前からこのサイトを定期的に読んでくれている。

 この草は結構苦労して作った。もっと面白い動き*3にしたかったのだが、画像のダウンロードに時間がかかるので諦めた。



*1 top
*2 zakkisouS.gif
*3 zakkisouAL.gif

020404

 薬局に行ったら凄い物を見つけた。森下仁丹*1から発売されている「ヒカリバン*2」という治療器である。

 この「ヒカリバン」は高輝度の近赤外線発光ダイオードを使った治療器で筋肉痛や肩こりの部分にこの発光ダイオードから照射される近赤外線を当てることによって痛みを緩和させるのである。

 凄いのは薬局で発光ダイオードが売られているということだ。近赤外線で筋肉痛や肩こりを和らげることではない。薬局で発光ダイオードが治療器として売られていることが今までにはなかったことである。

 筋肉を暖めて血行を促進させ痛みを和らげるのは昔から行われていた。暖めるのに発光ダイオードを使用するという発想はどこからきたのだろう。

 普通の赤外線治療器*3と違うのは、指にはめられるぐらい小さいこと、発光ダイオードを直接皮膚に押し当てて赤外線を照射するので指圧効果もある。半導体レーザを使ったレーザ治療器*4もあるが、ある程度の強さの光を出すことが出来ればレーザ光である必要はない。

 テレビジョン受像器などのリモートコントロールの先端に小さな豆電球みたいな物が付いていることがあるが、それが赤外線発光ダイオードである。透明な樹脂で出来ており先端が丸く*5なっている。もともと先端が丸くなっているのでこれを指圧に利用しているわけである。

 指にはめて皮膚に押し当てると赤外線が出てきて約3分後に自動的に電源が切れるようになっているらしい。製造費用の関係からか電池交換が出来なくて、50回使用の使い捨てである。乾電池か何かで充電出来るよう*6にした方がいい。



*1 森下仁丹
*2 森下仁丹 ヒカリバン
*3 赤外線治療器
*4 レーザ治療器の紹介
*5 赤外発光ダイオード トップビュータイプ
*6 自走ミニカー

020405

 金魚の水槽を覗いたら丸々と太っていた金魚*1がいなくなっていた。恐らく近所にいる猫に食べられてしまったのだろう。

 今まで食べられなかったのは水が汚れていて金魚がいるかどうか判らなかったのか。水が綺麗になって金魚の姿よく見えるようになってしまったため猫に狙われてしまったのだろう。

 金魚にとって余分なことをしてしまったのか、宿命だったのか。

 金魚鉢に網をしなければならない。と言っても金魚が一匹しか入っていなかったので、今の金魚鉢には何もいない。



*1 金魚

020406

 日常の生活で宇宙を意識することは少ない。筆者が住む場所の夜空は満天の星が輝くとはとても言えないが、そんな夜空でも見上げると地球が宇宙の中に本当にぽつんと浮いているのだろうなぁ、と思いたくなる。

 宇宙の果てはどこにあるか。

 微小世界と巨大世界との対比*1は昔の人もよく考えていた。小さい世界を覗くとその中に宇宙が見えてくるとか、宇宙の果てまで行くとその先は別の巨大な世界が現れるとか、様々なことを考えてきただろうし、今でもいろんな想像をする人はいるだろう。

 そもそも原子の模型を考える上で原子核が太陽の如く中心にあり、それを惑星のように電子が周回するというのは、微小世界と巨大世界との対比から着想したのだろう。

 宇宙を含む世界が無限の玉葱かマトリョーシカ*2のような構造になっていれば「果て」を考える必要がなくなってくるので都合がよい。無限の階層になっているので、どこでも同じような宇宙がある。微小世界の中に更に微小世界があり、巨大世界の周りには更に巨大世界がある。微小か巨大かは比較だけの差でしかない。このように考えると「果て」はあるが、「次の果て」もあって、切りがないのでそれ以上考えるのは意味がない。

 オルバースのパラドックス*3というのがある。宇宙が無限で星の数も無限であれば夜空は昼間の様に明るくなってしまう。現実はそうでないから宇宙は有限であり、星の数も有限だろう、という結論になる。しかし宇宙が有限で星の数も有限と言うだけでは宇宙が暗いという理由にならず、 更に宇宙が膨張しているという考え方*4を入れると「夜空は暗く*5」なるようだ。

 人類は月より向こうに行ったことがないので、本当に宇宙に果てがあるかどうかは判らない。更に行けば宇宙の果てがあるかどうかが判るとはとても思えないが、宇宙の彼方にはタンホイザーゲート*6があって、その先にはもう一つの宇宙があるのかも知れない。

 確かなことはオルバースのパラドックス*7膨張宇宙は全て人間の頭の中で構築した理論である、ということである。「宇宙の果て」があるとすればそれは人間の頭の中にあることになる。



*1 小宇宙
*2 マトリョーシカ
*3 Olbers's Paradox
*4 sci.physics FAQ (Japanese) - part 2 of 4
*5 Olbers' Paradox
*6 (Cult) Blade Runner
*7 Olbers' Paradox -- from Eric Weisstein's World of Astronomy
*8 キッズ★ギャラクシー

020407

 去年の夏、山村に住む友人の家に遊びに行った*1

 その友人は新聞を取っていなかった。新聞を取る代わりに新聞社が公開しているインターネットのサイト*2を読んでいた。これで十分だという。新聞代は要らないし、ゴミも出ないので丁度いいというのである。

 確かに彼の言う通りでインターネットの記事を読めば大抵の世の中の動きは判りそうである。ただ、新聞を読むのにいちいちコンピュータを起動させなければならないのが面倒だ。紙の新聞ならば読みたい時にすぐ読むことが出来る。新聞なら畳の上や机の上にばーぁっと広げて視線を動かすだけで様々な記事を読むことが出来る。インターネットではいちいちクリック*3しなければならない。面倒くさい。

 「インターネットで新聞を読む」という生活はとても出来ないとその時は思った。

 去年に引っ越し*4をしてから新聞を取っていない。インターネットで済ませている。起動もクリックも慣れれば何とも思わなくなっていた。それに複数の新聞社*5の記事が只で読めるのもいい。

 友人や筆者のような考えが普及すると新聞社のサイトが有料サイトになってしまう恐れがある。



*1 金玉
*2 アサヒ・コム
*3 リンク
*4 ブロードバンド(3)
*5 Yahoo! JAPAN - ビジネスと経済 > ショッピングとサービス > メディアとニュース > 新聞

020408

 2年以上続けて用いる日記帳を連用日記帳*1と言うらしい。特に毎年同じ日の出来事を同じページに書き込む日記を指す。3年や5年、10年の連用日記を店頭で見かける。10年日記*2もある。

 10年ぐらいだったら1ページか見開き2ページに同じ日の出来事が書き込めるが、それ以上になってくると、数十年を一覧することが出来なくなる。

 毎日開いたり綴じたりしてそれを数年にわたって繰り返す訳だから、相当堅牢な造り*3になっていなければいけない。手帳などがあの大きさで結構値段がするのは耐久性を出すため糸で綴じてあるからだろう。今の文庫本のように接着剤だけで綴じてある状態で手帳や日記のような使い方をするとページがバラバラになってしまう。

 見開き書き込める量と耐久性から10年日記が精一杯だと思っていたら、100年日記*4という物もあった。100年間の同じ日の出来事見開きに書き込むのは無理なので、一年分が見開きに書き込めるようになっている。100年間毎日開いたり閉じたりして保つのだろうか。紙は中性紙*5和紙*6が使われているのだろうか。

 保存性や耐久性を考えると電子的な連用日記*7がいいかも知れないが、100年も連続的に用いる仕組みは出来るのだろうか。

 「一生日記」というのがあったら面白いかも知れない。字が書ける小学1年生頃から始めだして、同じ日の出来事を80年間ぐらい見開きに書けるようになっている。一日に書ける分量は罫線一行分ぐらいしかないかもしれない。最初のうちは広大な白紙のページにほんの数行しか書かれていないのでつまらないかも知れないが、4、50年経つとかなり埋まってきて読み応えが出てくるだろう。

 小学生の新入学のお祝いにいい。



*1 博文館の連用日記
*2 博文館の連用日記
*3 栃折久美子ルリユール工房講座案内
*4 21世紀日記(100年日記)特別限定版
*5 酸性紙と中性紙
*6 和紙のふるさとホームページ
*7 10年日記(Macintosh/パーソナル)

020409

 看板に「他店よりも3万円高く買います」と大きく書いてある中古車*1販売店を見かけた。そのすぐ近くに他の中古車販売店があり、その店の看板にも同じように「他店よりも3万円高く買います」とあった。

 二つの店が競合しているため、互いにこちらの方が買い取り価格が高いことを宣伝しているのだろう。

 これは自動車を売ろうとする者にとって物凄く有利なことである。「3万円」だけでは済まないからである。一方の店で中古車の査定*2をして貰い、100万円で買い取ると言われたとする。次にもう一方の店に出向き先程の査定の結果を伝える。看板通りに103万円の買い取り価格を出して貰う。そしてまた最初の店で103万円の査定の結果を伝え、看板通りに106万円の買い取り価格を出して貰う。

 これを何度も繰り返せば100万円の中古車が一日で1億円の価値になることも夢ではない。



*1 新車、中古車の総合情報−イサイズ カーセンサー
*2 財団法人日本自動車査定協会(JAAI)

020410

 家の電波時計*1が度々狂う。30万年に1秒の誤差しか出ないはずだが、時々数時間ずれていることがある。

 どうも電波の受信が上手くいかず誤動作しているようだ。電波が届かなければ内臓の水晶振動子*2だけで時を刻むので精度はぐっと落ちるが、月差±20秒以内である。一日に数時間は狂わない。

 注意書きをよく読むと作動中の電気製品、コンピュータのそばに時計を設置しないでくれと書いてある。そのような場所に設置すると電波が受信され難くなり時刻調整が機能しないことがあるらしい。電波雑音の影響で「極稀に」正常な時刻表示がされないことがある、と書いてあるが、「極稀」ではない頻度で誤動作が起こっている。

 壁掛け時計なのでそばには電気製品やコンピュータはないはずである。ないと思っていたが、あった。無線LAN*3のアンテナを電波時計のすぐ横30cmぐらいの距離に設置していた。

 ここから出る電波の波長*4は約2GHzで、電波時計用の標準電波*5は40kHzなので全く違うが、何かしらの影響があるかもしれない。

 そこで無線LANのアンテナを1m程電波時計から離してみた。すると1ヶ月ぐらいは狂いが生じなかった。

 ところがつい先日、2時間ぐらいずれていた。一体この誤動作の原因は何であろう。家の電波時計は一日二回標準電波による時刻合わせを自動的に行う*1。何らかの異常な電波の所為で突発的に時計が狂ったのであれば12時間待つと自動的に合う。しかし12時間という時間は結構長い。狂った時刻を目にする機会が多い。1日12回程度は時刻合わせをしてくれないと駄目かも知れない。最近の家の中には電化製品が溢れかえっているので、電波雑音の少ない場所はあまりないと思う。



*1 電波時計
*2 電源周波数矯正装置
*3 インターネット銀行
*4 BUFFALO 製品情報 - WLA-S11G
*5 Type of Radio wave for Frequency and Time standard

020411

 非ユークリッド幾何学という幾何学の一分野がある。この幾何学は1860年代に発明されたというか発見されたというか知られるようになってきた。

 ユークリッドの幾何学*1には証明なしで使われる基本的な約束事がある。それは公準と呼ばれる。その中に平行線の公準がある。

 「もし二本の直線が一本の直線と交わり、同じ側の内角の和が二直角より小さいならば、この二直線を限りなく延長すると、二直角より小さな角のある側で交わる」

 この表現は図示しないと判りにくい。もう少し噛み砕いた表現は次のようになる。

 「ある直線上にない一点を通って、その直線に交わらない直線は一本しか引けない」

 直線外にある一点を通り、その直線に平行な線は一本しかないということである。普通の感覚では当たり前のような気がするが、「同じ平面上で一点から交わらない線が何本でも引ける」と仮定しても矛盾が出てこない幾何学があることが、当時、判ったのである。これをユークリッド幾何学の平行線の公準を変えて出来た幾何学と言うことでユークリッド式ではない幾何学、即ち「非ユークリッド幾何学」と名付けられた*2

 非ユークリッド幾何学が知られる前には平行線の公準を否定すると幾何学に矛盾が出てくるのではないかと考えられていた。その証明を試みた数学者は数多くいたが、みな失敗に終わっていた。結局この証明の失敗は非ユークリッド幾何学成立の予兆だったことになる。

 机の上にある紙の上では普通に定規を使ってある一点から平行線を引こうとすれば、一本しか引けない。二本以上引ければ、それは平行線ではないとされる。

 ある一点から平行線が何本でも引けるとしても矛盾が出ない幾何学があると言われても実感が湧かない。どういう場合にそんな普通の感覚では信じられないような状態で平行線が描かれるのだろうか。

 ある曲面上では平行線が何本でも引ける*3らしい。曲面上の二点を結ぶ最短の曲線を「直線」とすると何本でも引けるらしい。この曲面は擬球面と呼ばれ、追跡線*4を、曲線の内側の軸*5を中心にして一回転させて出来た曲面*6である。曲面の曲がり方を示す言葉として「曲率」というのがある。球面は曲率が正でどこでも一定である。普通の平面は曲がってないので「0」である。擬球面は裾の部分以外はどこでも曲率が負でどこでも一定である。負の曲率を持つ「球面」で擬球と呼ばれる。

 この擬球面で非ユークリッド幾何学を研究した人がベルトラーミBeltrami*7という人であった。この人は紙で擬球面を作った*8らしい。100年以上前に作った*9紙の模型だが、イタリアのパビーア大学*10にそれが保存されている*11らしい。「ベルトラーミの頭巾」として知られている。



*1 Euclidean 2-dimensional geometry
*2 Gauss
*3 双曲的非ユークリッドの世界
*4 疾走線
*5 Tractrix
*6 http://www-groups.dcs.st-and.ac.uk/~history/Curvepics/Tractrix/Pseudosphere.gif
*7 Eugenio Beltrami
*8 『数はどこから来たのか:数学の対象の本性に関する仮説』
*9 http://dimat.unipv.it/~cornalba/lezioni/beltrami.pdf
*10 Universita degli Studi di Pavia
*11 la pseudosfera di Beltrami

020412

 去年の6月頃*1、10月の結婚記念日に夫婦揃いの時計を買う計画を立てたが、未だに買っていない*2。それとは関係なく、見ていたら何となく欲しくなってきた時計がある。まだ完全に物欲の対象にはなっていない。

 フランク・ミュラー*3の時計である。

 その中にマスターバンカー*4と名付けられた時計がある。この時計は18金製ケースやステンレス製ケースのものがあるが、筆者が気に入っているのはステンレス製の方*5である。文字盤には綺麗なギョーシェ*6が施されている。

 三つの独立した時刻が表示できることから、国際金融業界に携わる人々に実用的な時計ということでマスターバンカー*7と名付けられた。

 気に入っている点はここからである。この時計は三つの時刻を独立に表示できるのだが、三つ分の小さな時計が筐体の中に入っている訳ではない。一つの駆動機構で三つ分の時針と分針を動かしている。更にたった一つの竜頭(りゅうず)でそれぞれの時刻の合わせが可能である。

 この機構に関してフランク・ミュラーは特許を持っている*8。機械時計の機構で特許を取っているところがいい。機械時計の機構*9完全に成熟していて特許を取る隙間などない*10と考えがちだが、そうではないようだ。

 竜頭は二段階で引き出せる*11ようになっている。一段引き出して右に回すと文字盤の上にある小さな時計の針が動かせ、左に回すと下にある小さな文字盤の針が動かせる。もう一段引き出すと大きな文字盤の針を動かすことが出来る。

 一体どういう仕組みになっているのか。小さな二つの文字盤の針を動かすのに右に回すと上の針、左に回すと下の針に機械的に切り替わるようだ。針を動かすのはそれぞれ三つの歯車*12で行っている。

 三つの歯車のうち図中の27番の歯車が少し工夫してある。図中29番の軸受けが円ではなく伸びた円になっていて軸が移動する様になっている。この歯車が右に回転すれば軸は自然に右の方にずれ、左に回転すれば左にずれる*13

 例えば上の小さな文字盤の針を合わせる時には27番の歯車が左にずれて、歯車の噛み合わせがつながる。この時下の文字盤の針を動かす歯車も同時に回転するが、こちらの軸が移動する歯車は右にずれるので噛み合わせが切れて、下の文字盤の針は動かない。逆に回れば上の針は動かず下の針が動く。

 単純な仕組みで、表では複雑そうな動きをしてくれるところがいい。欲しいと思うが、物欲の対象に至らない理由がある。値段もあるが、大きさである。写真とその形から縦35mm横25mmぐらいの大きさを想像していたが、実際は縦45mm横32mmなのである。実物を見ると物凄く大きい。これが一番の原因である。



*1 シリコンの歯車
*2 揃いの時計
*3 こちらは、フランク・ミュラー正規輸入代理 ワールド通商株式会社の公式ホームページです Since 99/1/27
*4 5850 MB マスターバンカー
*5 Franck Muller, Watches, Master Banker, Franck Muller Master Banker Watches, and more Fine Swiss Watches at Astor Online
*6 INCISIONI GUILLOCHE'- GUILLOCHE' ENGRAVING
*7 マスターバンカー
*8 B2 esp@cenet - Document Viewer Navigation
*9 トゥールビヨン
*10 天賞堂 時計  BREGUET
*11 masterbanker1.gif
*12 masterbanker2.gif
*13 masterbanker3.gif

020413

 省庁の再編*1があってから一年以上経過して、ようやく気が付いたことがある。気が付いたというか見つけた言うべきか。

 財布の中にある千円札を見てみると、お札の表側、中央下の銘版と呼ばれる部分にはそれまでは「大蔵省印刷局製造」と書いてあった。これが「財務省印刷局*2製造」になっている札を見つけた。未だに家計を預かる自分の奥さんのことを「大蔵省」といっている人はいるが、財務省という人はには出会ったことがない。お札の方は少しずつ「財務省」が浸透しだしているようだ。

 財務省印刷局のサイトを見ていたら面白いことが書いてあった。現在使えるお札は現行の4種類を加えて19種類*3あるそうだ。明治時代に発行された骨董価値の方が遙かに高い一円札などが現代でも使えるのは驚きである。

 日本銀行設立前の国立銀行券*4大日本帝国政府紙幣*5「銭」単位のお札*6が使えないのは理解できるが、それ以外の日本銀行券*7または日本銀行兌換銀券*8日本銀行兌換券*9が使えないのはどう言った理由からだろうか。

 一旦発行された紙幣は特別な措置がない限り通用しなくなることがないらしい。使えない昔のお札は特別な措置によって使えなくなった*10ようだ。



*1 就職四季報WEB・省庁再編図
*2 財務省印刷局
*3 Q9. 昔のお札で今でも使えるものはありますか?
*4 国立銀行紙幣(旧券) 壱円紙幣 明治6年(1873年)
*5 改造紙幣 壱円券 明治14年(1881年)
*6 A五銭券 昭和23年(1948年)
*7 日本銀行法に基づく最初の日本銀行券
*8 改造百円券 明治24年(1891年)
*9 甲拾円券 明治32年(1899年)
*10 Q. 古いお札でも使えるのですか?

020414

 名古屋市に二女子*1四女子*2五女子*3という地名がある。それぞれ「ににょし」「しにょし」「ごにょし」または「ごにょうし」と読む。五女子の場合、昭和56年に五女子(ごにょし)町の一部と複数の他の地区の一部の地域が統合され五女子(ごにょうし)*4という地区名が出来た。

 かつて一女子村から七女子村まであったらしい。この付近に大領主某が住んでおり七人の娘を七カ所へ嫁に出し、それぞれに土地を分け与えた。それがそれぞれの村名となった、と言う伝説がある。

 「ごにょし」と「ごにょうし」との読み方が変化したのは五女子町と町名変更*5により新しくできた五女子(ごにょうし)とを区別するためだろうか。



*1 マピオン地図 愛知県名古屋市中川区二女子町6丁目付近
*2 マピオン地図 愛知県名古屋市中川区四女子町3丁目付近
*3 マピオン地図 愛知県名古屋市中川区五女子町3丁目付近
*4 マピオン地図 愛知県名古屋市中川区五女子1丁目付近
*5 住居表示に関する法律

020415

 「A.I.*1」という映画を見た。DVDで見た。劇場公開された時は見たいとは大して思わなかった。知人がDVDを買ったというので借りて見てみた。

 物凄く面白い。何度も見てしまった。あまりにも良かったので知人に返してから、改めてDVDを購入した。

 世の中には沢山の面白い映画があるが、それを全部見るのはいくらあっても時間が足りない。「A.I.」のように面白くて感動した映画を繰り返して何度も見ているうちに時間が無くなってしまい、他にも面白い映画がある筈なのに、それらを見ることなしに死んでいくと思うと悔しい。

 映像は一瞥しただけで一度に情報が沢山得られるので、活字を読むよりも相当速く頭の中に物語が入ってくる。それでも全部見るのに2時間ぐらいかかってしまう。一瞬にして脳の中に物語の内容が注入できるような機械があれば時間が短縮できて便利だと思う。そう言う芸当ができるのは「A.I.」だけかもしれない。しかし感情の高まりや感動はそれを味わう時間と密接に関連しているから、これを短縮するのは意味がない。全ての映画の感動を味わうことは、「A.I.*2」の主人公の望みと同様に叶わぬ夢だろう。

 細かい部分で気に入っているところがある。主人公は放浪の旅に出て、ある情報を得るためにルージュ・シティという歓楽街に行く。その街のデザインはブレードランナー*3に出てくる街を彷彿とさせる。

 ブレードランナーでは街のネオンサインに様々な日本語*4が登場する。ルージュ・シティで出てくる日本語の看板は「セックス」「ラブロボット」「ラブモーテル」の三つだった。

 こういうのを喜んで探していると、時間がいくらあっても更に足りなくなる。



*1 A.I. ARTIFICIAL INTELLIGENCE
*2 A.I.公式サイト
*3 フェルメールとブレードランナー
*4 ブレードランナーの中の日本

020416

 稲生物怪録*1(いのうもののけろく)という絵巻がある。備後国(現在の広島県)三次(みよし)の藩士、稲生武太夫(幼名 平太郎)の体験記「三次実録物語*2」を基にした絵巻である。

 寛延二年(1749)、平太郎が16歳の時、肝試しで行った百物語*3がきっかけとなって稲生家に妖怪が出現するようになる。7月1日に一つ目の妖怪に平太郎が掴まれて*4、7月晦日に妖怪達が稲生家から退散*5するまでの30日間、毎日怪奇現象に遭遇した様子が描かれている。

 出てくる妖怪や怪奇現象は奇想天外*6で、石に目や指が生えた蟹*7のような物、塩俵が部屋に飛んできて塩をまき散らしたり、串刺しの坊主の頭*8が沢山踊り跳ねたり、無数の虚無僧が尺八を吹きながら部屋の中に入ってきたり、どうすればこういう様々な場面*9が考えられるのだろうか、と感心してしまう。いや、本当にあったことなのかも知れない。

 筆者が気に入っているのは、平太郎の知人が尋ねてきて、座って挨拶をして頭を下げるとその知人の頭がぱっくりと割れて中から赤子が次々と出てくる*10怪現象である。男の頭から赤ん坊*11が出てくると言うのは何から発想したのだろうか。不気味過ぎる。

 7月晦日に妖怪の総大将が出てくる。この妖怪の合図によって稲生家から数々の妖怪達が退散する。この妖怪は上品な武士の姿*12をしており、名前まであった。山本五郎左衛門と名乗ったらしい。「やまもと」ではなく「さんもと」と読む。

 一体何がきっかけでこの様な物語*13を作ったのか。作者は複数いるような気がしないでもない。何人かでわいわい馬鹿話をしているうちに「こういう化け物はどうだ」と自分が思いついた妖怪を披露し合いながら物語が出来上がったかもしれない。



*1 平太郎の物怪退治
*2 稲生平太郎只今参上仕る
*3 広報・岩瀬文庫コレクション13.08.01 稲亭物怪図説(いなていもののけずせつ) (153−113)一冊   平成13年8月1日号
*4 i_701.jpg
*5 p6_s10.jpg
*6 稲生物怪録の30日
*7 i_705.jpg
*8 i_716.jpg
*9 平太郎の物怪退治 - 稲生物怪録絵巻
*10 i_710.jpg
*11 赤ん坊の語源
*12 i_730.jpg
*13 稲生物怪録紹介

020417

 国連*1は、世界の平和と経済・社会の発展のために協力することを誓った独立国で構成された独特な機関である。国連自体はどこかの国や国民の代表という訳ではなく、国の組合みたいな物であるらしい。

 第一回目の国連総会で常駐本部をアメリカ合衆国に置くことが決められた。国連本部*2はニューヨークにある。

 考えてみれば当たり前のことかも知れないが、国連本部の土地と建物は国際的な領域となっているらしい。雑居ビルに間借りするという形態もあり得ると思うが、国連ぐらい大規模な組織となるとそうはいかないかもしれない。

 国連は*3を持ち、切手も発行している。ニューヨーク市の中にバチカン市国*4があるようなものである。バチカン市国の警護はスイス兵*5が行っている。国連本部の敷地内の警護をどこかの軍隊がやっていればバチカン市国そのものだが、普通の警備員を雇っているだけだろう。



*1 国連の成立と目的
*2 イースト・リバーから見た国連本部ビル
*3 国際連合旗
*4 vaticanバチカン市国
*5 スイス兵

020418

 子供がぎょう虫検査のセロファンを学校から貰ってきた。筆者が小学生の頃は「ポキール*1」と称していた。

 このセロファンは紙の袋に入れられており、袋の裏には使用法が書いてあった。昔は検査の仕方をキューピー*2の挿絵で説明してあったが、現在はどうであろう。

 全く同じであった。キューピー*3が背中を向けてしゃがみ、微笑みながら見返っている。この状態で自分の肛門にセロファンを右手であてている。数十年前と全く同じ絵だ。

 なぜキューピーさんがぎょう虫検査をしなければならないのだろうか。キューピーの原形は Rose O'Neill*4によって考案された。キューピーがぎょう虫検査の説明員として抜擢された理由はいつも裸だからだろう。検査では少なくとも下半身は裸にならなければならない。他の裸ではない人形や絵を使うと、いつもは服を着ているのにこの時だけ裸になった挿絵になると淫猥な感じになる。

 小便小僧*5もいつも裸だ。これはどうして駄目なのだろう。小便小僧だと検査の方法を誤る可能性がある。「小便」の連想からセロファンに尿を付ける心配がある。

 男女によってぎょう虫検査の方法は変わらない。これを一度に注釈なしで説明するには中性的な絵柄が適しているだろう。キューピーは男か女か区別がつかない。これも抜擢された理由の一つであろう。



*1 替え歌
*2 キユーピーホームページ
*3 cellophane.jpg
*4 ROSE O'NEILL KEWPIE DOLLS AND RELATED ITEMS
*5 紀州尾州水戸

020419

 我が家のインターネットへの接続状況*1を久しぶりに調べてみた。引っ越した直後に通信速度を測定*2したら500kbpsだった。引っ越す前は1.5Mbpsが最高速度*3のところ1.2Mbpsぐらい得られていたが、数百m離れたところに引っ越したら通信速度は半減してしまった。

 それから数ヶ月経った。もしかしたら自然に通信速度が1Mbpsに変化しているかも知れないと思って、測定してみた。

 250kbpsになっていた。更に半減している。半減しているのにもかかわらず気付かなかったというのも情けない話である。逆に言えば通信速度はそれ程高くなくてもよいという事かも知れない。それにしてもどうして通信速度が遅くなったのだろうか。

 知人にこのことを話したら、モデムの電源を入れっぱなしにしているとだんだん速度が遅くなると言う。そう言えばそんなようなことを聞いたことがある。モデムの電源は数ヶ月間入れたままであった。

 電源を一旦切ってまた入れた。速度を測定すると500kbpsに戻っていた。インターネットブラウザで色々なサイトを表示してみると確かに電源を切る前よりも速くなった。

 一体何が原因で速度が低下するのだろう。



*1 SPEED TEST
*2 ブロードバンド(3)
*3 フレッツ・ADSL

020420

 筆者の得意技の一つに「先延ばし*1」がある。先延ばしをして損することもあるし、得することもある。しかし今まで先延ばしによって致命的な結果に陥ったことはない。現に筆者は生きている。先延ばしにしていい案件とそうでない案件とがあるので、それを区別して対処しているからだろう。何れにしても一般民衆が先延ばしをして世間や自分に多大な影響を及ぼすようなことは滅多にない。

 これは筆者だけではなく、こういう傾向は誰にでもある。どうしても面倒なこと、気の進まないことは先延ばしにしてしまう。これを克服することによって様々な損害を防ぐことが出来る。

 このことを自分に言い聞かせるのは結構苦労するが、これを他人に言い聞かせるのはもっと大変である。他人はそれぞれ自分の価値観や時間尺度を持っているので、これを変えさせて行動させるのは至難の業である。

 「先延ばし」というのは「期限」というものがあるからそれを先延ばしてしまう。期限を決めなければ「先延ばし」は発生しない。これは根本的な解決法であるが、身も蓋もない解決法である。それではどうすればいいか。

 期限の設定の仕方を工夫すればいいらしい。細かい期限を中間に数回設定すると思った通りの期限に物事が進むようだ。MITの経営学の教授*2らがそれを実証する実験を行った*3。期限を細かく設定して仕事をさせると、最終的な期限だけを決めて仕事をさせるよりも、よい結果が出た。期限を超過する割合が低くなり、仕事の質も高くなったという。

 結局、普通の人は常に尻を叩かれないと仕事をうまくこなせないのだろうか。そもそも他人から期限を決められて為される仕事そのものは雑用の域を出ない。偉業というものはそれを為した人が自分自身で期限を決めて為された物ばかりの筈だ。他人に期限を決められて為された偉業があるとすれば、それを為した人の業績ではなく、期限を決めた人の業績である。

 「先延ばし」したくなる理由は他人に期限を決められると大した仕事にならない、という思いが浮かんでくるからだろう。



*1 ビジネスルールの宴TOPページ 先延ばしにしない
*2 Dan Ariely Home Page
*3 Procrastination, Deadlines, and Performance: Self-Control by Precommitment

020421

 イシガメを手に入れた、が、すぐ逃げられた。

 昨日の朝、近所の亀好きの御夫人*1から電話が掛かってきて、大きな亀を貰ったけどいらないかと言われた。大きすぎてその御夫人は飼えないと言う。イシガメとなれば貰わない訳にはいかない、すぐに持ってきて貰った。

 甲羅の大きさが20cm以上もある立派なイシガメ*2であった。雌のようである。小さなプラスチック製の水槽から必死に逃げようともがいていた。

 我が家にある既存の水槽*3では少し小さい気がしたのでもう一回り大きな水槽をすぐ買いに行った。今までの水槽は衣装などを入れる透明プラスチック製の箱を使っていたが、今回はセメントを混ぜる時に使うプラスチック製の四角い容器を買ってきた。

 件のイシガメをその水槽に入れて暫く眺めていた。水槽の縁に前足を引っ掛けて逃げようとしていたが、後ろ足が滑っているので水槽からはうまく逃げられそうもない。逃げられたら何か対策をしようと思いながら亀の行動を見ていたが、やはり逃げ出せない。勢い余ってひっくり返っている始末である。

 2、30分程、目を離した。既にイシガメの姿はなかった。どこにもいない。20cm以上ある生き物なのにどこを探しても見つからない。一体どこに行ってしまったのか。

 2年前の丁度今頃、同じように亀に逃げられた*4。亀が逃げる季節というのがあるのだろうか。



*1 イシガメ
*2 イシガメ( Mauremys japonica )
*3 亀の引っ越し
*4 帰ってきたミドリガメ

020422

 京都と大阪の府境にポンポン山*1という山があるらしい。本当の名前は加茂勢山*2という。頂上に近づくにつれて足音がポンポンと響くことから通称ポンポン山*3になったと言うことである。

 「ポンポン」というと、何となく狸が山で腹鼓を打っているような感じで面白い。擬声語としてよく使われるが、「ポンポンとたんかを切る」のように擬態語としても使う。

 チアガールが持っている玉房*4や帽子の先などについている毛糸などで作った玉房の飾りもポンポンという。これも音や様子を表す言葉だと思っていたら、全然違っていた。外来語であった。英語で「pompon*5」と綴る。「pompom*6」とも綴る。

 英語の「pompon」の語源はフランス語の「pompon」である。フランス語で「pompon」とは玉房のことである。では何故フランス語で玉房のことを「pompon」と言うようになったか。よく判らないらしい。

 ポンポン咲き*7という言葉がある。これは日本語の「ポンポン」ではなく、英語やフランス語の「pompon」である。ゴム鞠が跳ねる様子を日本語では「ポンポン」と表現するので、ダリアなどの花が球状になるのとゴム鞠からの連想とから日本語の「ポンポン」が語源のような感じがするが、実は違っていた。

 ところでゴム鞠が跳ねる様子を英語では「boing」と表現する。これが語源なのかどうかは定かではないが、女性の乳房を「ボイン」と最初に言い出したのは大橋巨泉*8氏だと言われている。元々は乳房が大きい女性の事を指していたが、乳房その物も指すようになった。永井豪*9原作のテレビジョン連続ドラマ「ハレンチ学園*10」の主題歌で「ボインが西向きゃ、ヒップは東」と歌われた。原作の漫画やこのドラマの歌で子供達にも「お乳=ボイン」と認知された。



*1 マピオン地図 大阪府高槻市大字川久保付近
*2 ポンポン山
*3 山城五十山 淀川西岸 ポンポン山 釈迦岳 大暑山
*4 Pompon Central- Valley Decorating Company
*5 pompon. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*6 Merriam-Webster OnLine: pompom
*7 榛原町のダリア(ポンポン咲き)
*8 kyosen.com
*9 SFWJ:member-NAGAI-GO
*10 永井豪「ハレンチ学園」全13巻 集英社

020423

 スギナ*1に似た植物でトクサ*2という植物がある。木賊*3と漢字で書く。どうして「木の賊」でトクサなのだろう。トクサは乾燥させて金属や木を磨くのに使われる*4。「賊」という字は山賊や盗賊のように悪者という意味の他に「傷を付けるもの」という意味がある。木の板などに擦りつけると傷が付くことから「木賊」という言葉が出来たのだろうか。これをトクサと読むのは「砥草(とくさ)*5」からである。

 トクサには酸化シリコン*6が多く含まれていいるらしい。酸化シリコン*7はシリカゲルとか石英ガラスの主成分である。非常に硬い物質なので研磨剤になる。乾燥させなくても酸化シリコンは含まれているだろうから生えているトクサをそのまま研磨材として用いることも可能であろう。

 幼少の頃、父からトクサは昔、歯磨き代わりに使われた、と聞いたことがあった。トクサ*8で歯を磨くのを実演して貰ったことがある。生えているトクサを一本ちぎって一節分の長さにする。一節は袴の部分で土筆と同じように簡単に分かれる。3cmぐらいになったトクサを横に持ち歯にあてて上下に擦りつける。トクサには細かく縦に筋が入っているので、それで歯垢*9が取れてくる。

 自分でもやってみるとトクサに歯垢がべっとり着いてきた。ただし、これは研磨剤として酸化シリコンがトクサに入っているからではなく、トクサの表面に細かい筋が入っていることによる効果である。



*1 スギナ
*2 トクサ科
*3 木賊 (とくさ)
*4 くらりねっとお手入れ七つ(?)道具
*5 goo [国語辞典]: とくさ
*6 二酸化ケイ素
*7 二酸化ケイ素を主成分とするものには、水晶類・シリカガラス・ケイ石などいろいろありますが・・・
*8 オオトクサ Equisetum prealtum
*9 プラーク(歯垢)ってナンだ?

020424

 数年前に天久聖一*1製作の「メカドリル*2」というCD-ROMを買った。その中に「スロット俳句」というゲームみたいな物が入っている。ボタンを押すと自動的に俳句が出来上がる。

 出来上がる俳句がアホらしくて物凄く笑える。簡単なプログラムだろうからweb上にも同じようなものが在るはずである。調べる*3とある。しかしうまく動いていない*4

 自分で作ろうと思ったが、面倒なので既存のプログラム*5を手に入れた。五七五にそれぞれ自分が独自に選んだ語句を入れておけば自動的に俳句が出来る。

 季語が必ずしも入っていないので「川柳スロット」という名前にした。それぞれ100個ずつの語句を入れたので組み合わせは100万通りある。時々、俳句らしい物も出来上がる。ボタンを押すと新しい川柳が出てくる。

 それではお楽しみ下さい*6



*1 『バカドリル』
*2 more about shirane yutanpo
*3 Google 検索: スロット 俳句
*4 //2001年奥の細道...俳句スロット//
*5 自動俳句作成CGI「バショー君」
*6 川柳スロット

020425

 ミミズ*1は記憶を移植することが出来る、と言うことを幼少の頃、本で読んだことがある。確か少年マガジン*2少年サンデー*3の巻末科学雑学のページだったと思う。数十年前の少年雑誌にはこういう子供用の科学啓蒙ページがあった。

 ミミズの脳をすり潰して他のミミズにそのすり潰した脳を食べさせると、それを食べたミミズは脳の持ち主だったミミズの記憶を受け継ぐと言うのである。ミミズの記憶というのは一体どんな物なのか想像しがたい。「ここの土は甘かった」とか「モグラに食べられそうになった」とかだろうか。ミミズにそんなことを覚えられる能力がとてもあるとは思えないし、その記憶をどうやって人間が知るのかも不思議である。

 幼少の頃に読んだ時「ミミズの記憶」というのがどんな物か想像できなかったが、今考えてもよく判らない。

 web上で調べてみるとミミズの記憶はあまり出てこない。その代わりプラナリア*4の記憶のことが沢山出てくる。少年漫画誌で出てきたのは確かにミミズであった。プラナリアもミミズも同じような物だから人口に膾炙しているミミズに置き換えられていたかも知れない。

 記憶した内容を司る物質や薬があるなんてちょっと信じられない。ミミズやプラナリアに出来ることなら人間にも出来ることだろう。しかし見たり、聞いたり、触ったりした物の記憶が何かの物質に置き換えられて脳の中に貯えられるというのはいくら何でも出来そうにない。そんなことをしていたら非効率過ぎる。

 やはり知覚した経験を何かの状態、脳細胞のどこか部分的な変化*5に置き換えて、それを脳の中で「思い出」として再生すると考えた方がよさそうな気がする。そうなると脳をすり潰してしまったら状態が変化してしまうので記憶が消えてしまうので「思い出」の移植は出来ない。

 ある薬を飲むと突然ピアノが弾けるようになる*6とすれば、人間は自らの進化の途中でピアノが発明されることを予測しており、それに対応する物質が脳に出来上がると自動的にピアノが弾けるような機能を自分の体の中に作ったことになる。いくら何でも突拍子過ぎる。

 しかし更に考えてみると、ピアノは人間が発明しているのである。予めピアノを発明することが人間の遺伝子に組み込まれているとすれば「ピアノが弾ける薬」が出来ても可笑しくはない。しかもこれは万人に共通することだからどんな人でもピアノが上手く弾ける能力がはじめからあることになる。

 こう考えるとどんな事でも誰かがしたことは必ず自分も出来ることになる。夢があるとも言えるし、またつまらない話でもある。



*1 ewrmcros.gif
*2 週刊少年マガジンWeb Site
*3 週刊少年サンデー
*4 プラナリアとは?
*5 記憶について
*6 FUMi メールでコラム

020426

 盂蘭盆と旧盆の区別が未だにつかない。サツキとツツジ、モミジとカエデ*1のようになかなか判りにくい。

 盂蘭盆*2とは祖先の霊を迎え、供養する仏教の行事で、その漢字自体には意味が無く梵語のullambana*3の音を表しているだけである。略して「盆」と言われるようになった。「盂蘭盆」という言葉自体には本来何月何日に行う行事という意味はなく、祖先の霊を供養する行事の総称である。

 旧盆は旧暦で行う盂蘭盆のことである。つまり明治6年からの新暦*4によって新しく後追いで出来た言葉*5である。ここで初めて言葉の中に行事を行う時期が含まれてくる。

 「新盆*6」は故人が初めて迎える盂蘭盆のことである。旧暦と対応する言葉ではない。

 更に「裏盆*7」という言葉もある。これは盂蘭盆の終わりのことである。

 まとめると盂蘭盆は祖先供養行事の総称で、旧盆、新盆、裏盆はそれを行う時期にそれぞれ対応した言葉である。



*1 皐月と躑躅
*2 goo [国語辞典]: うらぼん
*3 Ullambana
*4 旧暦と新暦
*5 カメノテ(2)
*6 新盆について
*7 goo [国語辞典]: うらぼん

020427

 去年の11月頃、ソニーのプレイステーション2*1を買った。購入の目的は子供達向けにはゲーム、筆者向けにはDVD鑑賞用としてである。先日話題にした「A.I.」*2はこのプレイステーション2で見た。

 子供達は任天堂のゲームキューブ*3が欲しかったようだが、DVDが見られないのでプレイステーション2にした。これまでゲームは我が家には三つしかなかった。一つはプレイステーション2を購入した時に一緒に買った。一つは開発途中のデモンストレーション版のゲームである。店頭で只で配っていた。もう一つは子供がお年玉で買った。

 ゲームソフトの値段は子供に買い与える物としては少々高過ぎる。一方、DVDのソフトは大人が買う物としては非常に安いのでどんどん買っている。結局、我が家のプレイステーション2は殆どDVD再生機になっている。

 「Rez*4」と言うゲームソフトを買った。知人から面白いと聞いていたので買ってみた。子供達用ではなく自分用である。

 格好いいゲームであった。特に音楽が凝っているので非常に楽しい。大画面とちゃんとした音響装置を使えば*5かなりの迫力になるのではないだろうか。現状は普通の大きさのテレビを使っている。音もテレビに備え付けのスピーカである。それでも十分楽しめる。

 先日、このゲーム熱中していた隙にイシガメに逃げられた*6



*1 Sony Computer Entertainment Inc.
*2 A.I.
*3 ニンテンドー ゲームキューブ
*4 Rez
*5 PS2ホームシアターの世界
*6 イシガメ(2)

020428

 携帯電話は何故鬱陶しいか。自分の仲間が目の前で電話をするのは鬱陶しくない。共通の用事で電話を掛けているからである。人と会っている時に用もないのに携帯電話を待ち受け状態にして、掛かってきたらそれに出るというのは、会っているその人に対して失礼である。話をしながら誰か知人がいないかと周りをきょろきょろしているようなものである。必要ならば最初に一言断るべきだろう。

 自分が他人の携帯電話を鬱陶しいと思うのに、自分でその原因がどうもよく判らないというのは不思議である。

 据え付けの固定電話で話している人を鬱陶しいと思ったことはない。電車に備え付けられたり、電話ボックスになっていない公衆電話などは携帯電話と殆ど同じ状況になっているはずだが、それ程気にならない。もしかして携帯電話が発する電波が他人の気分を鬱陶しくさせるのだろうか。それは考えにくい。会社の事務所などで携帯電話を使っているところがあるだろう。もし鬱陶しさの原因が電波あれば仕事にならない。

 会話の内容が余りにも取るに足らない場合に鬱陶しくなるのだろうか。電話は人が大勢いるいる場所では急を要する場合に使うという性質が強い。公衆電話は外出中にどうしても電話を掛けたいという時に使う。

 各家庭に電話が普及していない頃は緊急連絡の手段として捉えられていた。そういう時代*1は長く続いた。そして家庭内に電話が普及すると「おしゃべり」の道具として使われるようになった。しかし外で使う電話つまり公衆の面前で使う電話は依然として「緊急用」であった。1890年に電話事業が始まって*2携帯電話が爆発的に普及*3する前までの100年間は、電話は外でのおしゃべりの道具ではなかった。

 これが原因かも知れない。外では電話は「公」のものと認識されていたのが、突然数年間に「私」として使う人が激増してしまった。「私」の要素が増えれば個人主義が浸透していない「公」は乱れ易い。公の秩序が乱されれば、公の場に参加しているという意識のある人は迷惑に感じて当然だろう。

 そういう意識の全くない、または稀薄な年少者などは、携帯電話が鬱陶しいという感覚は理解できないのかも知れない。その所為で公共の場では公共放送を使って携帯電話について色々うるさく注意する。この放送も鬱陶しい。民度*4が低すぎる。



*1 電信・電話の歴史年表
*2 東京・横浜で電話開通(日本の電話創業)
*3 くもりのち晴れ9901
*4 goo [国語辞典]: 民度

020429

 久しぶりに家族旅行をした。一泊旅行で愛知県*1内だったが、電車を使って遠回りしたので目的地に到着するまで時間が掛かった。そのお陰でかなり遠いところに旅行したような気分になった。

 行き先は愛知県の知多半島の先にある篠島*2という島である。河和というところから船で30分程*3のところにある。web上の篠島の案内*4を読んでいると料理は美味しそうだし、色々見るところがありそうなので行くことにした。

 表向きの理由は上に書いた通りである。隠れた目的もあった。その目的は遺構探訪*5である。

 関東地区の砲台研究の第一人者であるネーモン氏の情報によると愛知県篠島に太平洋戦争末期に米軍の本土上陸作戦に備えるための砲台が構築されていたという。

 愛知県には軍事工場が沢山あった。防空のための高射砲砲台は数多く構築されたが、米軍の上陸作戦に対応するための砲台はないと筆者は認識していた。しかしネーモン氏の文献調査により豊橋に米軍上陸作戦に対応するための多くの砲台があることが判り、ネーモン氏と供に今年の2月にそれらを調査*6した。

 篠島における探訪は私一人で行った。道で出会った島の老人に砲台のことを聞きいてみたところ、獣道のようなハイキングコースの途中にそんな様な物があるということなので行ってみた。

 雑木林の中に二つの遺構があった。煉瓦造りの小屋のような物である。守衛所みたいな小さな小屋である。戦争末期に煉瓦造りの建造物はちょっと時代がずれているような気がする。コンクリート製が一般的ではないだろうか。島のため物資輸送の点から建材に煉瓦が選ばれたのだろうか。しかしネーモン氏の情報の砲台位置からかなりずれている。

 山の中を散々歩き回ったが、結局、上記以外のそれらしき物はみつからなかった。もっと探したかったが、時間がない。表の目的も遂行しなければならない。篠島は家から近いのでまた調査に行くことにしよう。



*1 愛知事典
*2 愛知県知多郡南知多町大字篠島
*3 篠島アクセスマップ
*4 篠島観光協会
*5 遺構探訪界
*6 愛知県内の本土決戦用大砲陣地遺構

020430

 子供の漢字練習帳を見ていたらちょっと変なことが書いてあった。

 「止」「少」という漢字の組み合わせで「歩」という漢字が出来ているかのような書き方がしてあった。「少し止まって『歩く』」*1と言った風である。「走」と「歩」との対比で作った駄洒落というか、地口である。

 この漢字練習帳には「歩」という漢字の成り立ちがそうであるとは書いていないが、もともとの成り立ちを知らなければ、「少し止まる」が「歩」という漢字の成り立ちだと勘違いしてしまう。様々な知識を片っ端から吸収している時期にこういう間違った若しくは間違いを誘発する情報は与えるべきではない。

 これは大人でも同じだが、大人の場合はその情報が正しいかどうかを判断する自己責任があるので、「知らない方が悪い」「鵜呑みにするのがいけない」となるが、子供の場合はそうはいかない。子供に「知らない方が悪い」というのは大人げない。

 「歩」の「止」は片方の足の形から、「少」はもう一方の足の形から出来た。六書でいえば象形*2に分類される漢字である。右足と左足とが組み合わされて出来た。

 単独の「少」という漢字と「歩」の下に付いている「少」はどういう関係にあるか。元々「歩」は「」と書いた。新字体「歩」は上下で画数を対称にするために「ヽ」を入れたのだろうか。漢字の成り立ちからすれば左右の足を交互に踏み出している様子を描いているのだから、「歩」の上下の画数も対称にした方が判りやすいとなったのだろうか。旧字体よりも新字体*3の方が画数が多くなった珍しい例であろう。

 単独の「少」は「小」に「ヽ」を組み合わせて、小さい点の集まりで「少ない」と意味になった。「歩」の下の「少」とは全く成り立ちが違う。



*1 CONNOTE-ハナ通信・No.15-
*2 象
*3 斎藤と斉藤



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