|
表紙 | 目次 | リンク集 | 掲示板 | メール | 遺構探訪 |
0207雑記草
020702最も強力と謳ってある吸盤*1付きの手拭い掛けを3つ買った。普通の吸盤のようにただ押してくっつけるのではなく、吸盤の中央を強制的に引っ張る事が出来るようになっている。吸盤の中央にねじが付いていてねじを締め込むと吸盤の中央が持ち上がるようになっている。ちょうどタコやイカの吸盤*2がこんな構造なのであろう。
普通の吸盤も中央が持ち上がって真空室*3が出来てくっつくと言う原理は同じである。ただ、持ち上がっている部分の面積が吸盤全体の大きさに比較してそれ程大きくならないので、吸盤が同じ大きさでも強制的に持ち上げる吸盤よりも吸着力は弱くなる。
買ったのはこれ*4ではないが仕組みは同じである。こちらの吸盤はボーリングのボールを持ち上げる事が出来る*5ぐらい強力らしい。
陶器製の洗面器*6の側面に購入した吸盤を取り付けた。成る程、強力にくっついている。手拭いを引っかけて、少々引っ張っても取れない。
一晩経つと吸盤は床に落ちていた。吸盤が適当な大きさであれば、原理的にはボーリングのボールをも持ち上げることが出来るのに何故手拭いを掛けただけで直ぐ取れてしまうのか。陶器製の洗面器*7の表面は緩やかな曲面になっている。吸盤は円形なのでくっつける相手が平面か球でないと、吸盤の周りと吸着面との間にわずかな隙間が出来て真空が破れ取れてしまうのだろう。
そこで木工用ボンド*8を吸盤の周りに塗り、洗面器に付けた。これによってわずかな隙間を埋めることが出来る。木工用ボンドを使ったのは水溶性でいつでも綺麗に剥がせるからである。水回りに水溶性の接着剤を使うと効果が落ちるような気がするが、吸盤には殆ど水がかからないので全く問題ない。
木工用ボンドを使ってからは吸盤は全く剥がれなくなった。覿面(てきめん)である。
*1 リオのポポ売り〜エル・マンボ 東京キューバン・ボーイズ・メモリアル 1950〜1964 /見砂直照 指揮、東京キューバン・ボーイズ
*2 会いに行こう!ゆかいな仲間たち
*3 真空
*4 Snap Hook
*5 http://www.i-dsw.com/syouhin/fuck6.jpg
*6 サニタリー:衛生陶器
*7 サンウエーブ:洗面化粧台 Cシリーズ
*8 コニシ株式会社メインページ
020703キャメロン・ディアス*1とトムとジェリー*2のジェリー*3の顔がよく似ている。
このキャメロン・ディアスの写真*4とこのジェリーの写真*5とが、ほんとよく似ている。
*1 Best of Cameron Diaz
*2 Tom and Jerry Online
*3 dancing.jpg
*4 UNCUT: Cameron Diaz
*5 dance.jpg
020704家の庭でナメクジ*1が大発生している。植えてある園芸植物*2の新芽を食い散らかしている。一緒に生えている雑草はなかなか食い散らかしてくれない。
ナメクジ退治にはビールがいいと言うことを聞いた。庭にビールを置いておけば一晩でナメクジが沢山集まってビールの中で勝手に溺死するのだという。
早速試してみた。どうせナメクジにはビールなのか発泡酒なのかは区別が付かないだろうから、値段の安い発泡酒*3で試してみた。因みに筆者は人間であるが、ナメクジと同様にビールと発泡酒との区別は出来ない。
柄の取れた子供のままごと用の鍋をその縁が地面と同じ高さになるように地面に埋め、発泡酒を注いで一晩置いた。
次の朝、鍋を覗いてみるとナメクジが十数匹発泡酒の中に沈んでいる。ナメクジだけではない。ヤスデ*4もいっぱい死んでいた。ヤスデは特に害を為す訳ではないので、ちょっと可哀想なことをした。
発泡酒に沈むナメクジを見ていたらイカの燻製*5を思い出した。フランスではカタツムリの料理*6があるので、殻のないカタツムリのナメクジも食べられないことはないだろう。こんな事を考えているとイカの燻製が食べられなくなりそうだ。
そういえば、ねずみ男*7はナメクジが好物なのを思い出した。
*1 ナメクジ(ナメクジ類)
*2 趣味の園芸
*3 アサヒ本生
*4 ヤスデ
*5 株式会社なとり 製品情報 【 水産加工製品 - いか類1 】
*6 ブルゴーニュ・エスカルゴ
*7 妖怪大全 ねずみおとこ
020705ナメクジ*1の続き。何故、ナメクジはビールや発泡酒に集まる*2のだろう。ビールの何がナメクジを惹きつけるのだろう。
web上を調べてみるとビールがよく効いて他の酒類は駄目だ*3という記述があった。果たしてそれは本当だろうか。
実際に試してみる。ビールの他に色んな酒類が沢山あるので全ての酒類に共通するエチルアルコール*4そのものでナメクジが捕れるか試してみた。
ナメクジは集まってくるが、エチルアルコールの中で溺死していない。エチルアルコールはナメクジの誘引剤にはなっているが、殺虫剤にはなっていない。それでは他のどんな成分*5でナメクジは死んでいるのか。
ナメクジ駆除剤*6に含まれている有効成分はメタアルデヒドと書いてある。ビールに殺虫剤であるメタアルデヒド*7が入っている筈はない。名前がよく似たアセトアルデヒド*8がビールの中に入っていてこれに惹かれて集まりこれを飲んで死ぬのだろうか。ビールに限らず酒類の醸造途中でアセトアルデヒドは生成*9されるので、これが僅かに残留しているのかもしれない。外にビールを放置しておくと空気中の雑菌や残っている酵母などの作用により糖からアセトアルデヒドが生成することも考えられる。
もしかしたらビールでも熱殺菌していない生ビール*10の方が自然にアセトアルデヒドが出来やすそうなので、ナメクジ駆除効果が高いのかもしれない。
色々な酒で試してみれば何がナメクジ退治に効くのか判りそうだが面倒臭いのでやらない。今回のナメクジ退治に発泡酒*1や消毒用アルコールを使ったが、筆者は普段殆ど酒類を飲まないので、発泡酒はわざわざナメクジ*11のためだけ買った。考えてみればナメクジのためだけに発泡酒やビールを買うぐらいならナメクジ駆除剤*12を買った方がいいに決まっている。家庭でビールの飲み残し等が出ればそれをナメクジ駆除に使えばいいが、そうでない場合は素直に駆除剤を買うべきだろう。
調べてみるとビールや駆除剤を使わなくともナメクジを集める秘法があることが判った。岐阜県加子母村*13にある高僧の墓碑には毎年のナメクジ祭*14の時にナメクジが大量に集まるという。一度、見てみたい祭りである。
更にビールを使って自分の家の庭に出没するナメクジに「ひと泡吹かせてやろう*15」と画策していた人がいることを知った。それはそれで恐ろしいことである*16。
*1 ナメクジ
*2 イイミミの知恵袋
*3 お騒がせな方々
*4 アルコールQ&A
*5 アサヒビール ビールミニガイド
*6 ナメトックス
*7 なめくじ駆除剤(メタアルデヒド)
*8 アセトアルデヒドとは
*9 ぶどう糖からアルコールへの道=解糖系=
*10 生ビール
*11 http://ccwf.cc.utexas.edu/~huan01/images/ Art/Look%20at%20that%20cute %20big%20slug.jpg
*12 ナメトール
*13 ようこそ 加子母村ホームページへ
*14 「なめくじ祭」にぎやかに/加子母村の大杉地蔵尊/112匹が姿を現す
*15 [憂楽帳]ビール効果
*16 おやじギャグ
020706ナメクジ駆除関連*1が続く。ナメクジ駆除剤のメタアルデヒド*2とは一体どんなものか。
分子式を調べると(CH3CHO)n*3と書いてあるところがある。CH3CHOはアセトアルデヒド*4だからやはりこれがナメクジを誘っているのだろう。
しかしCH3CHOという分子の構造はメチル基*5が一つだけくっついたアルデヒド*6なので、これがこのままどのように重合*7して(CH3CHO)nになるのか直ぐに判らなかった。
国際的な命名法*8で2,4,6,8-tetramethyl-1,3,5,7-tetraoxacyclo-octane*9となっているので、この名前から構造を理解しようとした*10が、どうもよく判らない。
色々さんざん調べてようやくメタアルデヒドの構造が判ってきた。酸素原子と炭素原子とが交互に結合して輪*11を作っている。そして輪を作っている炭素原子にメチル基が付いている。国際名の中の「cyclo*12」というのは「circle円」という意味だからベンゼン環*13みたいになっているところまでは判ったが、酸素原子が炭素原子の間に入っているというのは判らなかった。
アルデヒドの基本形と何か違うような気がするが、輪を作る炭素原子に酸素原子の結合がどちらも2本になっているので毒として作用するときの化学反応は殆ど同じなのかもしれない。(CH3CHO)nと言う表記になっているので、上の例ではn=4だが、n=2、n=3、n=5でも出来そうである。実際はどうなのだろう。
一つの分子で四つ分のアセトアルデヒド*14があるような物だからナメクジにとって強力な誘引剤であり、毒物なのであろう。当然、人間にとっても毒*15である。
*1 ナメクジ(2)
*2 なめくじ駆除剤(メタアルデヒド)
*3 検知管リスト メ
*4 MSDS:アセトアルデヒド
*5 メタンとメチル基
*6 アルデヒドの許容慣用名
*7 はじめに−IUPACとCAS
*8 metaldehyde data sheet
*9 炭水化物のIUPAC命名法
*10 < 農薬紹介 >
*11 cyclo-. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*12 フラーレン
*13 Acetaldehyde
*14 (S)殺虫剤
020707家にはビニール風船式の地球儀*1がある。この地球儀は福岡にある株式会社三恵という会社が作っている。
買った第一の理由は珍しかったからである。ビーチボールで地球儀を作るという発想がいい。思いつきそうで思いつかない。ボールのままだと転がってしまうからであろう。転がっては実用にならない。実用にならなければ、作っても売れない。
通常の地球儀は滅多に転がらない。この地球儀には転がらないように「地球儀台」が付属している。写真で見られるような地球儀の下にある白いプラスチック製の単なる輪っかであるが、これによって地球儀ボールが転がらなくなる。これがあって初めて「ビーチボール地球儀」が成り立つ。
箱に特許が登録してあると書いてあるが、特許庁の簡易検索*2ではその特許は見つからなかった。基本的にビーチボールに漫画を書く代わりに地図を書くだけだから簡単に作れる。模造品が出回っているようだ*3。
持ち運びに便利であると考えがちだが、地球儀を持ち運ぶ必要性は一般家庭では殆どない。それよりも風船だと置き場所に困らない。普通の地球儀では押入に入れると、もうその上には物が置けなくなる。風船ならば空気を抜けば小さくなる。
引っ越しの時*4は便利だった。梱包の必要がなかった。引っ越しを見越して買った訳ではなかったが、少し助かった。
普通のビーチボール*5よりも丁寧な作りである。三恵だけの特殊製法のため、ほぼ完全な球体に膨らむそうである。廉価なビニール製のボールはビニールの継ぎ目で皺が寄り易いが、この地球儀では全く出来ていない。ビニールが少し厚めのような気がする。これが皺を作らない秘法だろうか。
この地球儀は9枚のビニール片で構成されている。ビニール製のボールは普通6枚程度だろう。これも皺を出来にくくしているのかもしれない。
最近、家のこの地球儀は空気をめいっぱい入れても空気が一晩で抜けてしまうようになった。抜けると言ってもペシャンコになるのではなく、空気を入れた直後よりも張りが無くなっている程度である。やはりビニールが厚めなので少々空気が抜けても球の形を保っているのだろう。
*1 国際地図学会議で第1位金賞受賞の地球儀
*2 初心者向け検索トップページ
*3 地球儀ビーチボール
*4 ブロードバンド(3)
*5 夏・ ビーチボール販売Beachball MENU-index
020708自動車で出かけていて家に戻ったら、ボンネットの隙間から冷却水が噴き出してきた。ラジエターを修理*1してから、自動車に暫く乗った後エンジンを停止するとラジエターから何やら変な音が出るようになった。そのうち直るだろうと根拠もなくそのままにしていたら、日に日にその音が大きくなり、今日の事態になった。
慌てて修理工場に自動車を持っていって見てもらった。ラジエターに付属するサーモスタット*2という部品が壊れていたようだ。寿命だったらしい。ラジエターの修理の時に気付きそうなものだが、気を回し出すとそこら中修理が必要になってくるだろうから修理の部分以外はいじらないようにしていたかもしれない。
冷却水関連はこれで落ち着いたが、エンジンオイルの漏れ*3はそのままである。自動車の買い換えをかなり考えるようになってきた。輸入車を見に行って試乗をしてきた。試乗をすると物欲度*4が一気に高まる。だが値段が高すぎる。
*1 ラジエターの故障
*2 サーモスタット(フローコントロール型)
*3 オイル漏れ
*4 座右の銘
020709預け入れている自分の金融機関の口座からクレジットカードや公共料金などの自動引き落としはいつ行われるのか。何となく窓口営業時間内のような気がするが、そうではない。
数年前、クレジットカードの決済日の朝に残高不足であることに気付き、何時までに預金を充当しなければならないか取引銀行に問い合わせたことがある。電話に出た担当者によると引き落としは基本的に「引き落とし日の午前0時(真夜中)*1」に行われるという。その時点で残高が不足している場合は午後12時頃にもう一度引き落としが行われるのでそれまでに入金すれば問題はないと言うことだった。その時は朝の9時に預け入れを行ったので「引き落とし不能」は発生しなかった。13時か14時ごろに確認したらちゃんと決済されていた。
クレジットカードの決済不能は不渡りの約束手形*2を出すのと同じようなことなので相当気を付けなければならない。一回程度では個人信用情報機関の信用情報*3に自分の情報が記載されることはないらしいが、何度も繰り返すと記載され、新規のクレジットカードやローンを利用する際に支障が出るという。
一回の決済不能では情報機関の信用情報には記載されないが、契約しているクレジットカード会社の個人情報には履歴が残る。そうなると取引に支障が出てくる。例えば使用金額限度額が設定されていないクレジットカード*4ではそれが一時的に制限されることがあるらしい。つまり普段なら「航空機」がカードで買える*5のだが、引き落としの失敗するとしばらくは「模型の航空機*6」程度しか買えなくなるかもしれない。
話がそれた。口座利用者は実際に引き落としが夜中の0時に行われているかどうかは知る方法はなかった。そもそも知る必要もない。しかし現在は24時間いつでも自分の預金口座の残高を知ることが出来る*7ようになった。だからといって、いつ引き落とされるかを知る必要は今だってない。
0時過ぎに確かめようと思っていたが、寝てしまった。朝6時頃に口座の取引状況を確かめたら引き落としが完了していた。0時から6時の間に行われたのであるが、2時や3時に行われる必然性は余りないように思われる。従って午前0時頃に引き落としが行われたのだろう。
*1 午前12時? 午後0時?
*2 手形の基礎知識
*3 CIC
*4 American Express Personal Card, Financial, and Travel Products and Services
*5 クレジットカードと飛行機
*6 WING CLUB
*7 インターネット銀行
020710公共施設などに使われている絵文字や記号*1は文字をいちいち読まなくても直ぐに判るように、日本語が分からない人でも理解できるように配慮が為されている。その筈である。
非常口*2の記号などはそこら中にあるので、今では「非常口*3」と漢字のみで書かれた物よりも子供や漢字を知らない人にとってよく判るようになってきているだろう。
絵や記号*4なので日本語を知らなくても判るようになっている。つまり特定の言語に偏らない普遍的な共通語としての機能がある様に思える。
しかし実はそうではなくて、ほぼ世界語と考えられている英語をある程度理解していたり、西洋の文化や慣習を知っていないと理解できない記号が沢山ある。
男女を示す記号*5では洋服がその違いを示す要となっている。女性はスカートを穿くという風習が男女を分けているだけなのでそういう文化のない国の人にとってこの記号の意味は直ぐに理解できない。情報コーナー*6や駐車場*7の記号は英語を知らないと記号の意味が想像できない。
屁理屈と思われるかもしれないが、これは筆者の体験からの感想である。案内所を示す記号*8はクエスチョンマークを使っている。この記号が初めて出てきたのは1970年に大阪で開催された万国博覧会*9ではないだろうか。当時、幼少であった筆者はこの標識が「案内所」を示していることがどうしても理解できなかった。
子供にとって「?」は「なぞ、不思議」という意味である。「はてなマーク」という言葉からしてもそういう意味しかない。内田洋行*10の「マジックインキ*11」というのがあった。何にでも書ける「魔法のインキ*12」という意味で名付けられた油性インクの筆記具である。日本では油性インク筆記具を「マジック」と称するぐらいこの「マジックインキ*13」という筆記具の名は浸透している。ホッチキス*14みたいな物である。
そのマジックインキには大きく「?」マークが描かれている。このクエスチョンマークは「魔法」という意味であり、「不思議」という意味である。筆記具の名前である「マジック」という言葉と「?」の記号とが融合して頭の中にマジックインキの様に染み込んでしまっているので、「?」だけを見てそれが案内所を示す記号であると想像することは不可能になっていた。案内所ではなく、なぞなぞ大会会場か不思議の館かと思ってしまっていた。
学習をしなくとも理解できる記号や文字というのは実現不可能だろう。記号や文字は頭の中で考えた抽象的なことを抽象的なまま表現する方法だろうから、どうしても約束事を学習しいないと理解できないだろう。そう考えると人類が初めて地球以外の生物に送った「手紙」に書かれた記号*15を彼らが理解するのはほぼ不可能に思えてきた。
*1 標準案内用図記号ガイドライン(その1)
*2 安全
*3 http://www1.ocn.ne.jp/~ncir/annai/hi.jpg
*4 一般案内用統一記号 目次
*5 公共・一般施設 推奨度A
*6 公共・一般施設(1)
*7 交通施設(1)
*8 http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/zukigou/images/ zukigou05-1.gif
*9 懐かしの大阪万博
*10 株式会社内田洋行
*11 筆記具に革命を起こした「マジックインキ」。
*12 マジックインキ
*13 寺西化学Home Page
*14 ホッチキス
*15 ボイジャー
020711家で飼っている亀の一日は、朝起きて人の気配を感じると餌をねだり、日中は甲羅干し*1をして、夕方になると水に入って泳ぎながら暗くなるまで時間をつぶし、すっかり暗くなると水の底で眠る。そこら辺の川や池に暮らす亀も基本的に同じである。
春から秋にかけてこれを毎日繰り返す。その間、繁殖活動もやる*2。人間のようにそればっかりやっている者もいるかもしれない。しかし基本は甲羅干しと睡眠である。冬の間は水の中で冬眠しているので睡眠ばかりである。亀の寿命は30年以上*3をはあるようなので、この捕食と甲羅干しと睡眠とを30年以上繰り返すのである。亀の一生は一体何であろう。
人間以外の動物が何か目的を考えたりすることは出来ないと我々は勝手に考えている。だから漫然と生きて何が面白いのだろう、と思ってしまう。何も考えていないのだから、面白いのかどうかの判断すらできない。亀はただ単に生きていているのみである。人間の生活も日々の由無し事*4をを削ぎ落とせば、捕食と歩き回ることと睡眠だけの生活を繰り返しているのだから、亀と余り変わらない筈である。しかし自分たち人間は色々考えてやっているので他の考えない動物たちとは違うと信じている。
亀に考える力があれば、我々の生きる様を眺めて80年以上も毎日同じようなことを色々考えながら繰り返して何が面白いのだろう、と思うに違いない。
亀から見ても人間の生活はその程度かと思うと、色々考えている大抵のことはどうでもいいと言うことに気付く。
*1 甲羅干し
*2 繁殖 その1 繁殖活動
*3 亀博物館
*4 あさきゆめみし
020712真空管を使ったカーステレオ*1があるらしい。真空管*2とはトランジスタや半導体で作られたダイオードが発明される以前によく使われていた電子部品である。カラス管の中が真空になっているので「真空管」と呼ばれる。英語では「チューブtube*3」と言う。最近見たDVD*4で、電子技術に関連した場面にもかかわらず、「tube」に対して「管(くだ)」と字幕が出てきた。このような誤訳を誘発するぐらい廃れてしまった技術である真空管が搭載されたカーステレオ*5である。
トランジスタが発明される*6以前は真空管しかなかったので、自動車用のラジオ*7は真空管式*8であった。
真空管はガラスで出来ているので見るからに壊れ易そうである。真空管は赤く熱したヒータから出てくる電子の流れを制御*9することによって機能する。従って必ず真空管にはヒータがある。ヒータは電球と同じだからよく切れる。ヒータが切れると真空管は全く機能しなくなる。トランジスタにはヒータがないので真空管よりも格段に寿命が長い。従って電子回路の真空管の殆どは小さくてヒータのないトランジスタにとって代わった。
自動車の室内は路上を走ったりエンジンが回転しているので振動が大きい。そのような中でガラス製の真空管を使うのだから普通に屋内で使うよりも更に寿命が短くなりそうである。自動車の前照灯の殆どは電球が使われているので、振動はそれ程深刻な問題ではないかもしれない。
電球はもともと切れる物だから「切れたら交換する」というのを前提にしている。だからどんな電気製品でも簡単に電球は交換できるようになっている。かつて真空管もそうだった。トランジスタもプレーナ技術*10が発達するまではよく壊れたが、これによって壊れ難くなるとトランジスタの交換という考え方は全くなくなった。これによって真空管では成し得なかった何百万のトランジスタを集積化した電子回路が出現した。
このカーステレオは運転席から真空管が見えるようになっている。橙色に光るヒータがよく見えるように単なる意匠からそうなっている。もしかしたらこれは真空管が切れたら簡単に交換できるようになっているのかもしれない。真空管の取り替えが嫌なのでトランジスタが発明された*6のに、人間の欲望は一筋縄にはいかない。
*1 CAR AUDIO/VISUAL - CQ-TX5500D
*2 真空管の原理
*3 vending machine TUBE:由来はパイプか?
*4 『テルミン』〜THEREMIN,AN ELECTRONIC ODYSSEY〜
*5 McIntosh - Elegance. Strength. Commitment.
*6 トランジスタ
*7 Motorola モトローラ・グループ概要
*8 History of Auto Radio/自動車ラジオの歴史
*9 真空管の仕組み
*10 ICの歩み−真空管とトランジスタ
020713家の自動車の後部座席の床が水で濡れていた。数年前にも同じようなことが起こったことがある。普段はフロアマット*1が敷いてあるので座席が濡れていることなどに気付かなかったのだが、掃除をしようと思ってマットをめくると床がびっしょり濡れていた。
子供がお茶などをこぼしてそのままにした為だろうと思った。ペットボトルが床に放置したままと言うことがよくあったからである。この水を取るために新聞紙を敷いて何度も水を吸った新聞紙を取り替えたが、なかなか完全には乾かなかった。結局水気が取れるまで2、3週間かかったような気がする。この時、今後、車内にペットボトルなどを放置しないよう子供達に厳命した。
そして同じようなことがまた起こった。今回はペットボトルなどの放置もないし、自動車の中でお茶などを飲んだと言うこともここ一ヶ月以上はないらしい。一体何が原因なのか。
そういえば前回の時は梅雨時から夏にかけての時期に起こったような気がする。今回も梅雨時である。自動車内で清涼飲料水を飲む機会は夏が一番多いと思うが、今回はそのようなことは無かった。共通点は梅雨時である。
もしかしたら床から雨水が浸入したのではないだろうか。タイヤによって跳ねた雨水が床に当たってそこから車内に水が入って来たかもしれない。自動車の床に穴があるなんて普段は考えたことがない。しかし実際には何個か開いている。その穴はゴム製の蓋のような物で塞いであるだけである。このゴムが老朽化すれば水は簡単に車内に入ってくる。勢いのあるしぶきで狭いところを通って一旦入った水は外に出にくい。だから何日も床が濡れた状態になるのだろう。
よく見ると床に雑草の芽が出ているではないか。車内が天日に晒されて温室状態になっていた*2のだろう。もう買い換え時*3かもしれない。
*1 Welcome to KAROism Official Site
*2 もやしの作り方
*3 ラジエターの故障(2)
020714計算機、コンピュータと言えば電子回路、というのが当たり前のような気がするが、必ずしもそうではない。機械式の計算機*1がよく使われていた時代もある。機械式の計算機*2自体は17世紀に既にあった。
計算尺*3も計算機の一種である。算盤*4は計算機だろうか。紙と鉛筆とで計算する代わりに算盤の珠を動かすだけだから計算補助具 である。
「計算機」とは計算とは関係ない簡単な操作だけで演算を自動的に行う機械だろう。電卓やコンピュータは数字のボタンや鍵盤を叩くだけで計算が出来る。計算尺*5も目盛りを合わせれば、計算結果を読み取ることができる。算盤になると訓練すれば反射的に指を動かすことが出来るが、この動きは自分で一桁同士の計算をやっているいるので自動的には結果が出ない。
電子式でも機械式でも数字を入力する部分があったり、沢山数字が書いてあるので一見して計算機ということが解る。直ぐに解らなくても説明されれば大抵解る。
しかしこの「素数探索機*6」はとても計算機には見えない。木で作った枠に回転する鉄棒を取り付けそれに何本かのチェーンが引っ掛かっており、それを電気モータで回すだけである。これがどうして計算機になるのか。数字を入力する部分もないし、数字がどこにも書いてない。何の予備知識もなく初めて算盤を見せられたようなものだろう。
この計算機*7で、ある数が素数であるかそうでないかが判定できるらしい。この機械は1926年カリフォルニア大学バークレー校*8のレーマー*9が作った。
チェーンにボルトが差し込まれていて、モータが回転してこのボルトが一列になると自動的にモータが止まるらしい。これによってどうして素数かどうかが判別できるのかよく判らないが、直感的には素数ならばいつまで経ってもモータが止まらないような気がする。合成数*10だとボルトが一列に並びそうな感じである。
しかしどう見てもこの機械*6でボルトが一列になると自動的に止まるとは思えない。スイッチも何もないではないか。レーマーが1926年に作った実際の機械は壊されてしまったらしい。写真は復元したものなのでスイッチなどは省略されたのだろうか。
他の資料*11を見るとスイッチらしき物が付いている。やはりそうでないと自動的にはモータは止まらないだろう。
それにしても面白い計算機である。科学教育玩具*12としてあっても良さそうだ。本当にあったら買ってしまうかもしれない。しかしプラスチック製だったら買わない。
*1 手回し計算機、手動式計算機、機械式計算機と呼ばれた、タイガー計算器です
*2 The Pascal Calculator
*3 算盤
*4 計算尺
*5 navitimer ナヴィタイマー twinsixty ツインシックスティ montbrillant モンブリラン コスモノート cosmonaute ブライトリング breitling 精工堂
*6 http://ed-thelen.org/comp-hist/TheCompMusRep/TCMR-V04-P04.jpg
*7 The Computer Museum Report Volume 4 ---- Spring 1983
*8 University of California, Berkeley
*9 The Lehmers at Berkeley Exhibit: D. H. and Emma Lehmer
*10 さんじゅつまん/初心者講座NO.3
*11 pre industrial era 1900-1926
*12 電子ブロックホームページ
020715紙パック*1入りの野菜ジュースを飲んでいて気付いた。成分表示*2に「ナトリウム」と書いてある。ナトリウムとは塩化ナトリウム*3のナトリウムのことだろう。塩分がどれだけは言っているか、と言う意味で「ナトリウム」と表示されているらしい。
平成8年5月からこの「ナトリウム」表示*4になったらしい。塩分の取りすぎがよくないとされるのは含まれるナトリウムが高血圧の原因の一つ*5とされているために、食塩含有量を表示するよりもナトリウム含有量を表示した方が栄養管理がし易いという理由だろう。ナトリウムは食塩だけではなくグルタミン酸ナトリウムなどの化学調味料と称されるもの*6にも含まれている。
確かに食塩とか塩分と表示するよりもナトリウムと表示した方が表記の方法としては正しい。しかし一般的にナトリウムが高血圧に影響しているという知識は浸透しているのだろうか。塩分が高血圧に関係があるというのは大抵の人は知っている。食塩は塩素とナトリウムとの化合物であると言うことは学校で習うが、完全に忘れている人も多いのではないだろうか。そして「ナトリウム」という表示を見て塩分を連想することが出来るのだろうか。
ナトリウム量から食塩含有相当量は求めることが出来る。ナトリウムと塩素とが結合する時の重さの割合は常に一定*7なので、ナトリウム量にある定数を掛ければ求めることが出来る。
高血圧即ち塩分が原因、という図式が多くの人々の頭の中で出来上がっているので、いちいち換算しないと実際に塩分がどれだけ入っているのか感覚がつかめない。
かつての塩分量表示の時よりもナトリウム表示の方が少なく表示される。ナトリウムの量に2.5を掛けると大体の食塩に相当する量になる。多く入っていては困る成分なので、表示方法が変わることにより絶対値が少なくなるのは誤解を生む原因になる。どうも欺瞞を感じる。
表示切り替え当時は「食塩相当量」という表記が併せて書いてあったかもしれないが、現在は「ナトリウム」だけである。食塩と高血圧との関係を記載したサイトの中で「ナトリウム」という語句を使用していないのがまだ沢山存在する*8様であれば「ナトリウム」と「食塩相当量」との併記が望ましいのではないだろうか。
*1 Nihon Tetra Pak K.K. -HomePage
*2 健康ジュース
*3 塩化ナトリウム
*4 ナトリウムと食塩の違いは?
*5 「味の素」の原料は何ですか。また、どのようにして作られるのですか?
*6 プルーストのデータ
*7 Google 検索: 高血圧 食塩 OR 塩分 -ナトリウム
020716英語辞書をめくっていたら「neophilia」という単語と「neophobia」という単語が続けて載っていた。それぞれ「新しい物好き」と「新しい物嫌い」という意味である。正反対の言葉が辞書で並んで載っているのが何となく面白く思えた。
ソードフィッシュSwordfish*1という映画のDVDを見ていたら、冒頭の場面で主演のジョン・トラボルタ*2が「homophobia同性愛嫌い」という言葉の入った台詞をしゃべっていた。辞書で調べると直ぐ隣に「homophile同性愛好き」という言葉がある。「-philia*3」「-phobia*4」という連結形*5はよく使われるのだろうか。
「necrophilia死体愛」「necrophobia死体恐怖症」、「xenophilia外国人好き」「xenophobia外国人嫌い」、「Anglophilia英国贔屓」「Anglophobia英国嫌い」などこれらの対になった連結形を含む単語を並べていくと独特な世界が出来上がってくる。ちょっと特殊な言葉なのだろう。
それぞれの言葉はギリシャ語が語源で「-philia」は哲学philosophy*6の「philo-」と同源で「〜を愛する」という意味である。「-phobia」は「恐怖」という意味である。火星の衛星フォボス*7と同じ語源らしい。天体のフォボスは直接ギリシャ神話の登場人物の名前*8から付けられた。
*1 Operation Swordfish
*2 ジョン・トラボルタ John Travolta Fan Page
*3 -philia. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*4 -phobia. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*5 英会話ベーシック情報
*6 武蔵国のビターバレー
*7 フォボス
*8 Phobos
020717一月ほど前にある理由から簡易裁判所*1に訴えを起こした。そして今日、訴訟の途中で和解*2が成立して、裁判は終結した。
もともと請求する金額が少なかったので原告である筆者は少額訴訟手続き*3をした。少額訴訟は30万円以下の金銭の支払いをめぐる紛争に限って利用できる手続きで、原則として1回の期日でその日の内に判決が言い渡される。何度も裁判所に通うのが面倒なのでこの制度を利用した。金額が少ない*4ので弁護士を依頼*5すると何のために訴訟をしたか解らなくなってしまう。従って筆者本人だけでの訴訟である。
訴えを起こして2週間ほどしたら被告である相手方から通常訴訟への移行の希望が出されたと裁判所から通知が来た。これによって少額ではない通常訴訟に自動的に切り替わってしまった。原告はこれを拒否することが出来ない。通常訴訟になると判決が出るまで何回も裁判所に出向かなければならない可能性が出てくる。目論見が狂ってしまった。一体、相手方は何を考えているのだろうか。
本日、第1回目の審理が行われた。通常訴訟であるが、少額訴訟用の法廷だった。少額訴訟用の法廷*6はラウンドテーブル*7と呼ばれる楕円形の机で裁判官と原告、被告が膝をつき合わせて話し合いをする。裁判官も法廷で羽織るような黒い法服*8ではなく、背広姿で審理をする。今回の裁判は裁判所の都合から、通常訴訟であるが、ラウンドテーブルで裁判が始まった。
裁判官が双方が何について争っているのかを明確にすると直ぐに和解を勧めてきた。筆者は和解で本日中に結論を出すことは可能かと裁判官に聞いた。十分可能性はあると言われたので、応じた。
和解が成立し、司法委員*9が作成した和解調書*10を裁判官が読み上げて裁判は終わるはずだった。
ところが裁判官は、通常訴訟に移行したのでラウンドテーブルで読み上げるのはまずいと言い出した。原告、被告、司法委員、傍聴人(筆者の妻、0歳の娘*11、相手方の奥さん)のみんなでぞろぞろと普通の法廷へ移動した。法廷では裁判官は黒い法服を羽織っていた。映像でしか見たことがなかった法廷に初めて入ることができた。傍聴人席なら裁判は公開が原則*12なので座ろうと思えばいつでも座れるが、原告席は裁判を起こさないと座れない。いい経験をした。
それにしても詰まらないことに拘っているなと思った。少額訴訟から通常訴訟に移行した場合はラウンドテーブルで最後まで裁判を行うという前例を作っても何ら問題はないように思える。
*1 簡易裁判所における民事手続
*2 裁判上の和解(即決和解を除く)の状況(平成12年)
*3 少額訴訟手続
*4 簡単e訴訟
*5 【日弁連】 弁護士報酬のご説明
*6 やさしい少額訴訟
*7 ラウンドテーブル法廷
*8 民事裁判(単独の場合)
*9 司法委員
*10 和解すればいいのに、意地でも和解しない人
*11 新しい家族
*12 − 法廷あれこれ −
020718電気製品にかつては郵便マーク「〒」が付いていた。「▽に〒」と「○に〒」とがあった。この記事を書こうと思って周りにある電化製品の裏側を見たが見あたらない。今はもう廃止されてしまっているらしい。
郵便マークは電気用品保安法*1の施行により廃止された。電気用品の郵便マークの変遷*2を見ると「▽に〒」と「○に〒」とがあった期間は昭和43年から平成7年までのようだ。
甲種電気用品「▽に〒」と乙種電気用品「○に〒」との違い*3は、前者は「構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品」、後者は「甲種以外の電気用品」である。蛍光灯などは乙種電気用品「○に〒」だった。関連する旧法律*3によると電気用品*4とは一般に家庭用の電源を使って動く物で、電池などだけで動作する物は電気用品とは言わないらしい。
電気製品に何故、郵便マークが付いていたか。昔の雑学集に載っていそうな話題だが、敢えて書く。「▽に〒」マークが最初に制定されたのは昭和10年のようだ。この頃の電気関連の管轄官庁は逓信省*5であった。逓信省のマークは「〒」だったのでこれが使われた。
逓信の「逓」はかわるがわるとか宿場という意味である。駅逓*6局の「逓」と電信局の「信」を組み合わせて作った言葉らしい。
郵便マーク「〒」は逓信(ていしん)の「テ」を図案化した*7ものである。このページ*8には「テ」を図案化した物ではないと書いてあるが、本家*9のページに「テ」を図案化したものであると書いてあるので間違いないだろう。「T」に一本書き加えて「〒」にしたから「テ」を図案化した物ではないというのは説得力に欠ける。「T」に一本書き加えるならば、縦棒二本になってもおかしくはない。料金不足の「T」の件*10が本当とすれば、次に片仮名の「テ」を基にするのが自然だろう。
「〒*11」には色々伝説がある。
*1 電気用品安全法に基づく適合性検査
*2 電気と安全な暮らし
*3 法律第五十六号(昭四三・五・二〇)
*4 電気事業法
*5 郵政事業庁の沿革
*6 goo [国語辞典]: 駅逓
*7 郵便局のマークは、なぜ「〒」なのか…
*8 〒, 郵便マーク, 郵便記号
*9 郵政事業庁のホームページ
*10 逓信省が甲乙丙丁の「丁」を郵便マークにすると告示したといわれる日(1887)
*11 「T」「丁」「テ」
020719料金不足を表す「T」*1とはなんだろう。まさか「足りぬ」の頭文字ではあるまい。
国際郵便で料金が不足の場合、「T」のスタンプが押される*2らしい。「T」は「足りぬ」の「T」ではなく「Tax」の頭文字であるらしい。
料金不足で何故「税金」なのだろうか。判ったようで判らない由来だ。色々調べてみると確かに「T」の判子が押されている*3。この写真では「TAXED」と書いてある*4。これは「T」だけの判子である*5。これらの写真は料金不足の封筒や葉書を収集したページ*6にあった。
「T*7」はフランス語の「taxe」の頭文字*8である、という記述を見つけた。1895年にフランス政府が料金不足を示す切手を初めて発行したらしい。その切手には「taxe*9」と書いてある。公的に規定された料金というような意味らしい。
フランスが始めたこの制度によって「T」判子が出てきたとすると「〒」マークは1887年(明治20年)に制定されたのだから、「既にTは郵便物の料金不足を表す記号として使用されていた」というのは辻褄が合わない。
謎は深まるばかりである。
【追記】 フランス政府が料金不足を示す切手を発行したのは1859年であった。書き写しの間違いから全く正反対のことを書いてしまった。「既にTは郵便物の料金不足を表す記号として使用されていた」というのは辻褄がよく合っている。
*1 電気製品の郵便マーク
*2 郵便局を256倍使うためのFAQ [Q43]
*3 http://www.dingussite.com/pd/299.JPG
*4 http://www.dingussite.com/pd/169.JPG
*5 http://www.dingussite.com/pd/190.JPG
*6 WORLDWIDE POSTAGE DUED COVERS - Australia to France
*7 730 Shortpaid Mail to the United States
*8 Linn's: Refresher Course: Postage dues can take many different forms
*9 Dictionnaire: taxe
020720蝉は生涯の殆どを地中で過ごす。蝉はもともと地中で暮らす昆虫だったのか、進化の結果*1、幼虫時代を地中で暮らすようになったのか。
人間で言えば幼少時代は成人になる為の準備期間であると考えられているし、老人期は必ず来る死への準備期間と考えれば、青年から中年までの期間が人間の生涯での主要部だろう。幼虫か成虫かは人間が勝手に決めたことであるので、蝉にとって充実した時間というのは幼虫時代なのかもしれない。蝉が生涯の殆どを「幼虫」で過ごして「成虫」の期間が非常に短いのを儚く思ってしまうのは、人間の生涯を単に虫に当てはめているだけだからである。
学術的に「幼」か「成」かは生殖機能があるかどうかの違いだけだろう。字だけを見ているとどうしても人間の生涯をあてはめたくなってしまう。幼生生殖*2というのもあるから、単に生殖できる*3かどうかではなく、交尾ができるかである。
交尾のためだけに地上に出て来ると考えれば、成虫期が短くてもそれ程儚くはないだろう。人間ならば、頭の中が交尾のことで一杯になっていると、それが出来る期間が短いとなれば大問題になってしまう。ところが人間にはそれ以外の楽しみも一杯あるはずだから、例え交尾が全く出来なくなっても人生その物が虚しいと思ってしまうことはないだろう。
蝉の場合、幼虫期の楽しみは樹木の根っこの汁を吸うことぐらいかもしれない。それでもそれが充実していれば成虫期の短さなど、どうということはない。
蝉の卵*4は木に産み付けられる。孵化した幼虫*5は地面に潜って、数年間は成虫になる*6まで外に出てこない。ということはもともと地上で暮らす昆虫だったのが、地中に潜るようになったのか。モリアオガエル*7など木の上で卵を産む半水棲の動物もいるので、木に卵を産むからと言って必ずしもそう言い切れない様な気もする。
*1 昆虫ワンダーランド(愛媛県総合科学博物館)
*2 幼生生殖
*3 ジストマ
*4 セミの卵を探してみる
*5 クマゼミの謎
*6 ■セミの旅立ち
*7 モリアオガエルの産卵
020721日本の経営者は「恕」という言葉が好き*1らしい。最近気付いた。
「怒」ではない。「恕」である。「女のまた」ではなく「女の口」である。「ジョ」とよく読むが、これは慣用的な読み方で本来は「ショ」らしい。「ジョ」と読むのは「如」からの発想だろう。意味は「思いやり、大目に見る、いつくしむ」と言うような意味である。
中国の古典からだろうか。論語に「恕」という言葉*2が出てくる。座右の銘を中国の古典から持ってくると何かしら教養があるように思われるからだろうか。そういえば筆者自身の座右の銘も論語から*3だった。
「恕限量*4」という言葉がある。高圧ガス関連*5では、その雰囲気の中で健康な成人が8時間の軽作業をして影響を受けない最大量という意味で使われる。「健康な成人がそのガスの中で軽作業をしても大丈夫」という事を誰がどうやって確かめたのか多少の疑問はあるが、そういうことらしい。
「恕限」とは「大目に見ることが出来る限界」という意味だろうか。「許容量」とすると全く問題がないという意味に取られてしまうので、「恕」という曖昧な表現を探し出したのかもしれない。
有毒ガスの雰囲気で作業*6をするのは「経営者」ではなく「労働者」である。「恕」の心で労働者に作業指示を出すのだろうか。一体、誰が何に対して「大目に見て」いるのだろう。
*1 Google 検索: 恕 社長
*2 論語
*3 座右の銘
*4 毒性ガスの例と恕限量等一覧
*5 高圧ガスの用途と安全な取扱方
*6 臨界
020722チェブラーシカ*1というロシア(製作当時はソ連)のアニメーションのDVDを買った。素晴らしいアニメーションである。面白い。もし子供の頃にこれを一度見たら主人公のチェブラーシカ*2とその主題曲とが完全に脳に焼き付いてしまっただろう。いい買い物*3をした。
このDVDを買った直接の原因は主人公の小熊なのか猿なのかよく判らないチェブラーシカと名付けられた毛むくじゃらの動物の顔が、我が家の一番下の子*4にそっくりだったからである。
チェブラーシカ*5の動きは幼児のそれそのもので、とても人形アニメーションとは思えないぐらいである。瞬きもするし目も動く。チェブラーシカの親友のワニ*6も同様にしょっちゅう瞬きをするし目の玉も表情にあわせてよく動く。ワニが自宅でひとりぼっちでチェスを指しながら時間を潰している場面がある。この場面のワニの表情が物凄くいい。独りぼっちの寂しさが滲み出ている。
チェブラーシカというのは「ばったり倒れ屋さん」と言う意味らしい。チェブラーシカの綴りは「Чебурашка」で手許の辞書*7には載っていなかった。「音を立てて倒れる」という動詞で「Чебурахнуть」というのはあった。「Чебурашка」というのはこの動詞から作った指小語*8なのだろうか。
このアニメーションは大人が見るなら夜の方がいい。主題曲の暗さといい画像全体に漂う寂しさといい真夜中の鑑賞に相応しい作品である。
*1 チェブラーシカ OFFICIAL WEB SITE
*2 チェブラーシカ
*3 クリックからはじまる新発見 Amazon.co.jp
*4 新しい家族
*5 Cheburashka - A fairy tale from USSR
*6 ゲーナ
*7 SANSEIDO Co.,Ltd.コンサイス露和辞典
*8 ペニシリン
020723自動車税*1を支払った。5月中旬には納税通知書が来るはずだったが、去年の年末に引っ越した*2ので、通知書が新住所に送られなかったらしい。納税通知書は自動車検査証*3に記載された住所に送付されるので、これを変更しないといくら住民票を変更しても新住所には来ないらしい。
延滞金が膨れあがるのが怖くなって県税事務所*4に問い合わせをした。そこで上記のことを知った。新住所にすぐ納税通知書を送るという。問い合わせ後、二日で通知書が来た。こういう事は無茶苦茶早い。延滞金の請求はなかったので、安心して、即座に振り込んた。
金利が高い頃*5は少しの期間でも利息が付くと思って延滞金が発生しないぎりぎりの日に振り込んでいた。最近はそのような行為が全く意味を成さないので、通常の納入期限の5月末日迄には支払いを済ませていた。
延滞金が発生しない期日は今年はいつ頃なのか。納税期限の翌日から1ヶ月間は納税額に対して年7.3%の遅延金が発生する。ただし、前年の11月30日における公定歩合に4%を加算した割合が7.3%に満たない場合は、7.3%の延滞金ではなく(公定歩合+4)%となる。去年の11月30日時点での公定歩合は0.1%*5だったので4.1%となる。
その1ヶ月を過ぎると年14.6%の延滞金が発生する。払うべき自動車税の税額は39500円*6なので最初の1ヶ月で発生する延滞金は39000(1000円未満切り捨て)×0.041×30/365=131.42…で1円未満は切り捨てなので131円となる。延滞金額は1000円未満の場合、全額切り捨てなので、1ヶ月迄は余裕で延滞金の支払いはしなくてもよい。
遅延金が1000円以上になる日はいつなのか。納税期限を1ヶ月経過した日から56日後である。つまり今年の8月中旬頃までは延滞金額は0円となる。
*1 愛知県総務部税務課 自動車税はいつどうやって納めるの?
*2 ブロードバンド(3)
*3 自動車検査・登録ガイド
*4 愛知県内県税事務所一覧
*5 公定歩合の推移
*6 愛知県総務部税務課 自動車税の年税額
020724裁判所*1から予納していた郵便切手の残りが戻ってきた。
訴訟を起こした時に訴訟手数料とは別に裁判所から書類を送付するための郵便切手を予納する。裁判所に支払わなければならない訴訟に必要な手数料は訴訟する金額によって異なる。少額訴訟では支払いを求める金額は30万円迄*2で、その訴訟に必要な手数料は最高3000円*3である。3000円以下の手数料で訴えを起こすことが出来る。
これとは別に郵便切手を予め裁判所に渡しておく。この金額は裁判所によって違うらしい。筆者が訴えを起こした簡易裁判所では原告1名、被告1名の場合5800円であった。この切手は裁判が終了した後、残額分が切手で返還される。
1440円返ってきた。5800-1440=4360円使用したわけである。訴訟手数料よりも費用がかかっているのが何となく納得いかないような気がしないでもない。
更に納得がいかないのは残額の切手を送付するのに送料として80円使っているのである。つまり本当は1520円残ったのだけど、残額分を返送するのに80円使ったから1440円になりました、と書いてあった。裁判所の都合で余分に受け取ったのにそれを返すために自腹を切らず、残額分から送料を取るのは何とも釈然としない。
そして受領書の返送も「お手数ながら」要求している。受領書は葉書の形になっていて切手を貼る部分が設けてある。これも自分で支払わなければならないのである。たった50円*4であるが、釈然としない。
*1 法廷
*2 少額訴訟手続
*3 簡単e訴訟
*4 郵便料金表 通常郵便物
020725ケチャ*1という民族歌謡がある。バリ島の男性が円陣になって「チャ、チャ、チャ」と叫ぶ姿は如何にも呪術的で、集団で読経する僧侶達を彷彿とさせる。
バリ島*2の精霊と人間との生活が渾然一体となった自然の中で出来上がった伝統的な歌謡と勝手に想像していたが、全然違っていた。
ケチャ*3が出来上がったのは1930年頃で非常に新しい。しかも作ったのはバリ島の人ではなく*4ドイツの芸術家シュピース*5である。ケチャ*6を説明したページには大抵このことが書いてある。
自然発生ではなく外国人によって人工的に作られた民族歌謡というも珍しいと思う。これはヨーロッパ人から見た「南洋の文化とはこういうものだ」という思いが大量に入り込んでいるのではないだろうか。
これが日本ならば、鳥居の下でスモウレスラー*7が相撲を取っていてその遠景には富士山が見え、笠をかぶった前歯が二本出た目の細い車夫が舞妓*8さんを乗せて走り回っているものだ、と思われているようなものだろう。これを基に能や狂言*9を作りかえられても受け入れ難い。
バリ島の人々は外国人が作ったケチャをどうやって受け入れたのだろう。自国の文化というのにはあまり頓着しないのかもしれない。バリ島では文化としてではなく純粋な観光用の余興*10として考えられているのだろうか。
バリ島の文化に触れるつもりで「ケチャ*11」を鑑賞するのは、遊園地のぬいぐるみ*12を見せられて喜んでいるようなものかもしれない。
*1 ◆バリ島の伝統芸能・・・《バリ・ダンス》
*2 Welcome to Bali Information Page
*3 Bali Travel News - Cover Story
*4 バリ島芸術をつくった男 ヴァルター・シュピースの魔術的人生
*5 Network Indonesia - Culture - Arts
*6 Bali - Kecak
*7 Automatic Face Processing System
*8 プラズマ
*9 居眠り
*10 文 化 表 象 と し て の 観 光
*11 神々の森のケチャ 〜バリ島シンガパドゥ村の呪的合唱劇
*12 動物ぬいぐるみバンド
020726また物欲*1が湧いてきた。今度は枕である。ホームセンターと呼ばれる生鮮食品を置かないスーパーマーケット*2などでよく見かける低反発スポンジを用いた枕である。
枕一つが1万円以上*3するのである。そんな値段が付いていても「巷のスーパーマーケット」で売れているのだからそれなりの理由があるのだろう。店頭で実際に触ってみると何とも言えない感触である。衝動買いの得意な人々*4なら即座に買い物かごに入れてしまうだろう。
類似品もよく見かけるが、筆者の物欲の対象はテンピュール・ジャパンが販売する「テンピュール*5」である。何といってもNASA*6で培われた技術で作られた枕、と言うのがいい。NASDA*7ではない。人類を初めて月に送り込んだことのあるNASA*8である。枕と宇宙とが関わっていると思うと興奮して寝付けないかもしれないが、とにかくNASA好きの筆者としては物欲の対象にならない筈がない。
あの感触はどこからくるのか。この枕はスポンジで出来ているが、普通のスポンジではない。スポンジを構成する小さな気泡の壁にはすべて穴が開いている*9。スポンジの泡が非常に小さいこととその泡の壁に穴が開いていることによって粘性と弾性とを併せ持つ*10ことが出来るらしい。
スポンジに手や頭で圧力をかけるとスポンジの小さな気泡に入っている空気がそれぞれの小さな穴からどんどん押し出されてスポンジ全体が潰れていく。手や頭を外すとスポンジの復元力によって元に戻ろうとするが、気泡が非常に小さく更に開いている穴も小さいのでなかなか空気が気泡の中に入っていかない。従ってスポンジの形はゆっくりと戻っていく。普通のスポンジは気泡に小さな穴が開いてないので空気の出入りがない。だから直ぐに元に戻る。
またスポンジの材料自体が温度に敏感らしい。温度に敏感だとどのように影響するのかよく判らないが、名前が「TEMPUR」というぐらいだから温度temperatureが大いに関係している筈である。
このテンピュールの技術はアメリカの宇宙財団*11という団体に登録されている。これがどういう意味があるのか解らないのであるが、とにかく「宇宙」なのだから凄いのだろう。
*1 MRワゴン
*2 スチューレオナルド
*3 【楽天市場】東急ハンズ通販倶楽部
*4 タッチボンド(2)
*5 Welcome to Tempur Japan
*6 NASA Home Page
*7 NASDA Homepage
*8 アポロ計画の疑惑
*9 Tempur-Pedic, Inc. - What Is Tempur Material?
*10 Tempur-Pedic, Inc. - What Is Viscoelastic?
*11 Space Foundation:: Space Awareness Initiative - Certified Technologies
020727一秒という時間の長さはどのように決められたのか。「秒」という考えは元々は日本にはなかった。「セカンド」の訳語として「秒」*1という時間を表す言葉が作られた。セカンドというのは第2の分割という意味である。minuteは細かく分けるという意味で時hourを60分割したのが分minute、それを更に60分割して第2secondの分割minuteが「second」となった。
一秒の長さが一分の長さの1/60になったのは一分が一時間の1/60ということからすれば、ごく自然な成り行きだろう。従って一秒の長さは地球の自転の速度、一日の長さから出来上がった単位で、何か他の事象から決めた長さではない。現在は自然科学に用いられる単位として普遍性を持たせるために原子の固有振動数から一秒の長さを定義*2している。この原子の時間の長さは地球の自転とは因果関係が全くない。地球の自転の「一秒」の長さに原子の一秒の定義を合わせているだけである。
長さが1mの振り子の周期はほぼ2秒*3である。振り子の周期というのは錘が元の位置まで戻ってくる時間なので、例えばそれが右から左に振れる時間であれば1秒となる。「1m」と「一秒」は偶然なのだろうか。
メートルという長さの単位はフランスで作られた。メートルの定義を振り子の長さで定義*4しようとした。言い出したのはフランスの政治家タレーラン*5であった。振り子の周期は地球上の位置によって違うことは当時から知られていたので、タレーラン*6は北緯45°で周期が2秒となる振り子の長さ*7をもって長さの単位にすることを提案*8した。しかしこれは採択されずに、周期が2秒となる振り子の長さ*9を元に割り出されたと思われる子午線の北極から赤道までの1/1000万の長さが長さの単位として採択された。
不思議なのはすべて切りのいい数字であったことである。長さ1mの振り子の半周期の時間の長さは1秒であること。地球の子午線の1/1000万の長さが振り子の長さと同じであること。
振り子の周期は何で決まるのか。振り子の長さと重力加速度と*10である。重力加速度は何で決まるか。これは地球の質量と地球の大きさとである。
一秒は地球の自転の速さから導き出された。地球の自転は何で決まったか。地球の質量と大きさが関わっているだろう。しかし自転の速さには必然性はない。自然の摂理か何かで太陽系が出来上がった時に最初に回転エネルギーを与えられて*11それがずっと保たれているのである。色々な理由で実際には自転速度が遅くなっているが、人類の歴史が始まってからはそれ程変わってないだろう。この回転速度と「一秒の長さの決め方」には相関関係はない。最初から一回転が12時間でも同じように「一秒」を定義できる。
もし地球の自転の速度が今の2倍の速さだとどうなったか。一秒の長さも当然今の半分になるだろう。すると半周期が1秒の振り子の長さはどうなるのだろうか。振り子の周期の長さは振り子の長さの平方根に比例する。これは地球の回転の仕方に影響されない。実際には自転による遠心力と万有引力との合成が重力加速度なので影響するが、遠心力は小さいので無視*12する。すると振り子の長さは1/4になる。従って「1m」は子午線の1/4000万となったかもしれない。
つまり1mが「子午線の1/1000万」と言う切りのいい数字になったのは単なる偶然なのである。そして「子午線の1/1000万」の長さのほぼ3億倍は光が一秒間に進む距離*13である。
これらは本当に偶然*14なのだろうか。何か見落としてはいないだろうか。
今日から雑記草は4年目に入った。
*1 秒
*2 時間
*3 以前、NHK教育の番組「マテマテカ」で、1秒の定義は長さ1メートルの振り子の周期に関連しているようなことを言っていました。
*4 【メートルとインチ】
*5 CHARLES MAURICE de TALLEYRAND - PERIGORD
*6 Association "Les Amis de Talleyrand"
*7 meter
*8 フランスが中心となって制定されたメートル法条約に日本が加入した日(1885)
*9 Chronological History of the Metric System
*10 振り子の周期は長さに依存しないか
*11 地球回転と環境変動
*12 重力
*13 1メートル
*14 偶然の本質
020728テンピュール*1の続き。よく考えてみたらスポンジの枕ごときに何故1万円以上も出さなければならないのか、と思えてきた。宇宙財団*2の登録商品だから凄そうだが、だからといって1万円以上はやはり高すぎる。「宇宙」が高機能の証ならば、雑記草も「宇宙雑記草」に改名してみようか。
web上を探していたら日本で同じようなスポンジを販売*3しているところを見つけた。テンピュールと殆ど同じ素材*4らしい。
そして同じような素材で出来た枕が3800円で販売されている。筆者は類似品が好きではない。本家本元が好きである。しかし本家本元は値段が高い。この値段の差は一体何であろう。両方買えば解るような気がするが、更に金が掛かることになる。
ところでテンピュールはスウェーデンのファゲダーラ社*5で開発された。ヨーロッパ産のスポンジということで、ヨーロッパの略語の「ユーロ」からの連想でついつい「テンピューロ」と言ってしまう。同じように間違えてしまう人*6はweb上にもいる。
*1 テンピュール
*2 Space Foundation:: Space Awareness Initiative - Certified Technologies
*3 低反発枕ウレタン・低反発枕の小売り販売/アライ化成
*4 おすすめ、ご推薦の健康枕としての低反発枕/アライ化成
*5 FAGERDALA WORLD FOAMS manufactures environmentally friendly and recyclable foams
*6 Google 検索: テンピューロ
020729哺乳類はその種類によらず一生に打たれる心拍数は大体皆同じである*1という説がある。何とも不思議な説である。
一生の間に脈打つ心拍数の総数は20億から23億回ぐらいらしい。だから単位時間の心拍数が多いとそれだけ早く死ぬというのだ。この話は「ゾウの時間・ネズミの時間*2」という本で有名になったと思う。
なぜ20億から23億回なのだろう。この数字には何か意味があるのだろうか。この数字はいわば絶対的な数字である。定義の問題ではない。光の速度が1秒当たり30万kmなのは1mという長さをある長さに人間が勝手に決めた*3から「30万」と言う数字が出てきたのである。「30万」という数字自体には絶対的な意味はない。
ところが哺乳類の寿命というのは定義によらないだろう。生まれてから死までの時間である。「死」をどうやって定義するか*4と言う問題があるかもしれないが、普通は個体として生命活動が停止した時を「死」というだろう。アメーバや珊瑚など生と死との区別がはっきりしない生き物と違って哺乳類は見た目でよく判る。恐らく宇宙人から見ても哺乳類の生死は区別できるのではないだろうか。つまり哺乳類の寿命は普遍的な尺度であるはずだ。
心拍数も定義にはよらないだろう。石ころの数を数える*5のと同様に誰が数えても同じだろう。すると「20億」という数字は人間の定義ではなく、最初から予定されている数字ということになる。
この数字は哺乳類だけに適用されるのだろうか。鳥類の場合はどうなのだろう。両生類は、爬虫類は、魚類はどうなのだろう。もしそれぞれの分類に対して心拍数が決まっているとするとその数の差は何が原因なのだろうか。心臓を持つ生物の一生の心拍数はすべて「20億回」ならば、ますます神秘的な数字になってくる。
一生の心拍数が同じというのは単なる偶然ではないだろうか。何との偶然か。体の大きさと心臓の大きさとの関係である。体が大きくなれば心臓も大きくなる。心臓が大きくなれば出入りする血液の量も多くなる。血液の粘性は哺乳類の大きさによってそれ程変わらないだろう。そうなると心臓が大きくなれば単位時間の拍数を上げるのは難しいだろう。それに心臓が大きくなっているので拍数を上げる必要もない。
大きい動物は寿命が長い。大きくなるまで時間が掛かるからである。
従って大きな動物ほど単位時間当たりの心拍数が少なくて、寿命が長いというのは地球上の動物全てに当てはまることだと思う。しかし寿命を単位時間当たりの心拍数で割った値、一生の心拍数の総数が20億というような「ある一定の値」になるのは単なる偶然で、たまたまそれぞれが近い数字になっただけのような気がする。この学説は「象の時間」までだが「鯨の時間*6」まで拡張すると少しずれてくるかもしれない。
結局、単位時間当たりの心拍数の速い遅いが寿命に関係するのではなく、体の大きさが寿命に関係しているだけだろう。体の大きさの結果として心拍数の速さが決まっていると思われる。心拍数一定の法則は因果関係を示しているのではなく、そういった単純な式で便宜的に表すことが出来るという程度だろう。
これを何か因果関係があるかのように思ってしまうと、血液型が性格に影響していると言う迷信*7を信じるのと同じになってしまう気がする。
*1 心拍数と寿命
*2 ゾウの時間・ネズミの時間
*3 一秒と1メートル
*4 法医学講義 死の定義・判定、脳死
*5 1+1
*6 LS研ホームページ:会報
*7 電子メールと電話
020730バイオライト*1の電球が切れた。スイッチを入れて暫く経つと電球の光が少し弱くなったと思ったら、ジジジッという音を立てて消えた。蝋燭の炎の消え方に何となく似ていた。
それにしても電球の寿命が短い。説明書には「普通の1/4」になると書いてあった。普通がどれくらいなのか。調べると公称2000時間と書いてあるページ*2があった。それの1/4なのだから500時間となる。バイオライトを販売している会社のページには電球の寿命は約500時間*3と書いてあったので、大体そうなのだろう。
寿命が500時間というのは平均の寿命時間*4である。2000時間保つもののあれば、100時間で壊れるものもある。これらを全部平均すると500時間ぐらいという意味だから、500時間経つと壊れる訳ではないが、そんな風についつい考えてしまう。
電球はフィラメントに電流を流してフィラメント自体を熱することによって光る。高温に熱せられれば金属が少しずつ蒸発する。するとフィラメントが細くなり、細くなると電流が集中して流れることになるので余計温度が上がって、最後には温度が上がりすぎて融けて切れてしまう。切れる寸前に電球の光の強さが増すのはこの所為である。
電球の中に封じ込めるガスの種類を工夫すればフィラメントが蒸発する量を抑える事は出来る*5が、最終的にはどんな電球も切れてしまう。フィラメントの太さは厳密に一定ではないし金属の結晶状態も完全に均一ではないので、フィラメントのどの部分が何時細るのかは予想できない。だから平均的に寿命は500時間ということになる。これは電球だけに限らず全てのものの寿命に関して、同じ 考え方になる。
さてそれでは「普通の寿命の1/4」はどこから来たのだろう。通常の家庭用の電球は交流*6で点灯させる。バイオライトは交流を直流に直して点灯させる*1。交流は常に正負が入れ替わっているので入れ替わる間に電流が「0」になる点が必ずある。電流が「0」では電球が光らないので、電球は点いたり消えたりしていることになる。実際には電流が「0」になってもフィラメントは熱を持っているので光り続けているが、電流が流れている時よりは暗くなる。これを解消するためにバイオライトは電流が一定に流れる直流を使って電球を点ける。
一定の電流を流し続けるので、途中で電流が「0」になる交流の時よりも電流が沢山流れることになる。フィラメントの温度は流れている電流の自乗に比例して高くなる。温度が高くなればそれだけフィラメントが蒸発しやすくなる。単位時間当たりの電流の流れる量の自乗を交流と直流とで比べる*7と4倍違う。
つまり直流の方が4倍蒸発しやすくなるので寿命が1/4倍になるということだろう。
*1 バイオライト
*2 Advanced Light bulb
*3 バイオライトの特徴
*4 信頼性計算で使う指標
*5 ハロゲン電球の基礎
*6 テスラ
*7 基本的な積分公式
020731電卓の調子がおかしい。この電卓は前回記事にした中国製の100円電卓*1ではなく、別の電卓である。前回記事にした電卓は子供が学校で使う*2というので、持っていってしまった。今回の電卓も100円で買った物だが、意匠が違う。中国製だと思われる。
押しても反応しないキーが出てきた。割り算をやろうとして「÷」キーを押しても期待した答えが出てこなかったので気付いた。「÷」キーが効かないのではなく、「=」が効かないことが原因であることが判った。「7」のキーも効かない。
捨てるつもりで分解をした。100円という値段の割にはネジが4本も使ってある。日本製だったら製造費用を低減させるためにネジは使わない*3か、使っても1本程度だろう。人間がネジを締めればその時間分だけその人間に給料を払わなければならない。ネジが要らない筐体の設計をしたり、自動ネジ締め機を工場に導入したりするよりも、人間が作業した方が安かったのだろう。
当たり前だが、特に何もなかった。100円の電卓なので電卓用のLSIチップが直接貼り付けてあるプリント基板が入っているだけであった。
組み立て直したら、正常に動くようになった。
*1 中国製の電卓
*2 CASIO [ News Release ] - 算数学習を効果的にサポートする小学校向け電卓『NU-50/NU-7』 新製品ニュース
*3 Zip(3)
日本自動車連盟*1の機関誌*2に日本全国の洞窟の紹介が載っていた。筆者は鍾乳洞が大好きなので、興味深くその記事を読んだ。鍾乳洞が大好きであるが、ここ10年ぐらい行ったことがない。
石筍や鍾乳石*3を見るのが好きで、小学生の頃に鍾乳石のかけらを近くの土産物屋で買ったことがある。かけらなので見た目は単なる黄土色の少し透き通った石であるが、それが鍾乳石か石筍かのかけらだと思うと嬉しくて仕方がなかった。一時期は町中のコンクリートに出来た鍾乳石*4も興味の対象になっていた。
記事の中で高知県にある龍河洞*5の紹介があった。ここには大昔にここで住んでいた人が使っていたと考えられている土器*6が石灰華*7に完全に包まれてしまったものがあるらしい。そんな凄い物があるなら一度行って見てみたい。
何となくポンペイの人型*8を思い出す。ポンペイの方は石膏を注いで作ったものだから根本的に違う。石灰*9と石膏*10とは成分がよく似ているが、内容は全然違う。
更に興味深いのは石灰に包まれた土器を再現しようとして水がしたたり落ちる鍾乳石の下に土器が設置してあることだ。設置してから60年以上経っているらしい。土器は下の岩とつながりだしているらしい。こういう気の遠くなるような時間をかけて行われる実験がいい。
それにしても洞窟に土器が放置されて誰にも触られずに2000年以上*11も経過してしまったというのは奇跡としか言いようがない。ポンペイ*12のように土に埋もれていたわけではないのだ。
やはり一度は見ておかないと駄目である。
*1 JAPAN AUTOMOBILE FEDERATION
*2 eJAFMATE
*3 鍾乳洞
*4 酸性雨ってなに?
*5 龍河洞県立自然公園
*6 龍河洞
*7 株式会社 カ ン ト ー
*8 日立 世界ふしぎ発見! - 今週のミステリーハンター
*9 石灰
*10 石膏営業部
*11 Yahoo!トラベル - 龍河洞
*12 Soprintendenza archeologica di Pompei ::: Official site :::
|
表紙 | 目次 | リンク集 | 掲示板 | メール | 遺構探訪 |
Copyright (c) 2002 Yoshitaka Gotoh, Japan