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0210雑記草


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021001

 最近、Google*1の更新速度が飛躍的に向上しているような気がする。Google30億程もある全世界のwebページから検索出来るようになっている。こんなに沢山あったらいちいちページが更新されたかどうかを把握するのは物凄く大変であろう。

 それが約24時間程度で更新されているのである。30億ものページを約24時間で更新状態を確認するには1秒間に35000程度のページを見なければならない。一体どうやってやっているのだろう。

 沢山のコンピュータを使っているらしい。6000台以上のコンピュータを使って*2いるようだ。単純に考えれば35000台のコンピュータを使えば1秒間に1ページを見て更新されているかどうかを確認すればよい。これならば人間がマウスを使って調べてもできそうである。Googleが更新を確認する方法*3は全く違うだろうが、沢山のコンピュータを使って速く確認作業をするという考え方は同じだと思う。

 Googleで検索するとその結果に日付が付いてくる場合がある*4。その日付けを見ると昨日になっている。泡沫のように現れては消えるwebページをいち早く捉えられるのは非常によいことである。しかし直ぐ消えてしまうサイトの情報はそれ程有用でない場合も多いので、検索の邪魔が増えるという不利な面もある。



*1 Google
*2 ラボラトリー
*3 Google データベース入れ替えのシステム
*4 Google 検索: 雑記草

021002

 昨日、Googleの更新の速さ*1について書いた。更新情報が速いとweb上に出てきて直ぐ消えてしまうようなあまり有用ではないサイトが検索の邪魔になるのではないかと書いた。

 その点は心配なかった。ページランク*2という考え方があって、これによって検索語句に対してその語句を含む重要度の高いページが最初の方に表示されるような仕組みになっているらしい。

 重要度が高いページというのはどういうことなのか。多くの人に見られているページは無条件に重要度が高いと考える。実際は必ずしもそうではないが、みんなが見に行くページならば何も役に立たないと言うことは殆どないだろう。

 所が、検索エンジンはあるページがどれだけ人々に見られているかを把握することは出来ない。その代わりあるページがどこからリンク*3されているかは判る。沢山リンクされているページは多くの人々に見られていることになるのだろうか。極端な場合、仲間内だけでお互いにリンクを貼り合っているだけではみんなが見ていていることにはならない。

 Googleでは「みんなからリンクされているページがリンクしているページはみんなに見られている*4」という考え方を採用しているらしい。どれだけリンクされているかを数値に置き換え*5、高い数値のページからリンクされされたページは高い数値のページになる。仲間内のリンクでも数値はある程度増えるかもしれないが、Yahoo!やGoogleなどの圧倒的に数値の高いページ*6に比べれば殆ど無視出来るぐらいの低い数値だろうから、この仕組みの信頼性は保たれている。

 「エバルト球*7」という語句で検索をしてみる。表示されるページは殆どが学術的な内容のページだが、学術とはかけ離れている雑記草が上の方に表示されている。「エバルト球*8」を検索する人にとって邪魔になっているだろうが、仕方がない。完全な仕組みというのは不可能なのである。

 こう考えているとページランクがあるので更新情報の速さというのはそれ程重要ではないように思えてきた。



*1 Google
*2 Google の人気の秘密
*3 リンク
*4 Google の秘密 - PageRank 徹底解説
*5 google対策攻略とPageRank/グーグル研究-GOOGLE/リンクポピュラリティー
*6 登録テクニック
*7 Google 検索: エバルト球
*8 情報の空洞化

021003

 今年の春頃に山村に住む友人*1から「この土地では寒すぎるので花が咲かないから、お前にやる」と言われ、金木犀*2の木を貰った。

 早速、家の庭に植えて、秋に花が咲くのを楽しみにしていたが、結局今年は咲かなかった。枝がかなり切り落とされていたので新芽を出すのが精一杯で花を付けることが出来なかったのだろう。来年は咲くと思われる。

 金木犀というと思い出すことが二つある。一つはガムである。現在は販売されていないようだ。ロッテの香水ガム「イヴ*3」である。

 幼少の頃、隣の家のお兄さんがプロパンガスの配達業務をしていた。下校途中にガスボンベを載せた軽トラックを運転するお兄さんと出くわすと、トラックに乗せてもらい配達に付き合った。車内には湖池屋のポテトチップス*4とこのガムがいつも置いてあった。当時はカルビー*5からポテトチップスはまだ発売されておらず、ポテトチップスといえば「コイケヤ」だった。

 何とも言えない香りのするガムだった。それが金木犀の匂いということはかなり後から知ったが、自分たちがよく知っているハリスの風船ガム*6マルカワのガム*7とは全く違う大人の世界の匂いだった。

 このお兄さんは10年ほど前に他界してしまった。

 あと一つは四コマ漫画のサザエさん*8である。

 波平が近所の庭に咲く金木犀を見て、通りがかった人に「キンモクセイが匂いますな」と声を掛ける。するとその人は「あぁ、よく臭いますねぇ」と歩きながら答える。更に続けて首を傾げながら「あの事件*9は本当によくわからんですな」といいながら波平の前を過ぎ去る。波平はその突拍子もない返事に驚く。

 「キンモクセイ」を「キンダイチュウ」と聞き違えるのが面白いところだが、大して面白くない。幼少の頃に読んだ時は何が面白いのかさっぱり判らなかった。ただ、「キンダイチュウ」という言葉は連日テレビで流されていたので知っていた。この漫画が掲載されたのは「金大中氏拉致事件*10」が起こった頃で、「キムデジュン*11」とは読まなかった時代である。

 金木犀というと「ロッテのイヴ」と「金大中」とを思い出す。



*1 金玉
*2 キンモクセイ(金木犀)
*3 キムワイプ イヴ
*4 株式会社 湖池屋
*5 +++++ calbee internet site !! +++++
*6 カネボーフーズ 社史
*7 丸川製菓(株)名古屋市西区新道1-9-9
*8 長谷川町子美術館のページ
*9 キム・デジュンさんってどんな人?
*10 【日弁連】 金大中氏拉致事件について
*11 金大中大統領略歴

021004

 息子が新聞を取って欲しいと訴えてきた。学校の授業で使うらしい。去年の末に引っ越して*1から新聞は取っていなかった。インターネットがあれば好きな時に新聞社のサイトで読むことが出来る。しかも無料である。インターネットの新聞記事は要約されているので読むのが簡単だし、ゴミが出ないのもいい。そういった理由で新聞を取っていなかった*2

 特に子供達が新聞で読むところはテレビ番組欄だけだろうから、それもインターネットで簡単にしかも詳しく調べることが出来る*3。紙の新聞を取る必要は全くない。

 学校に新聞記事を持っていくならインターネットで読める記事を印刷して持っていけばいいじゃないか、と提案した。しかし息子は新聞を取りたいという。

 学級で新聞を取っていなかったのは息子とあと一人だけだったらしい。新聞を取っていない理由を息子がちゃんと説明出来たかどうかは判らなかったが、もう一人が取ってない理由は単に新聞代を払っていなかったので配達が止まってしまい、それがそのままになっているようだ。

 結局、新聞を取ることになった。息子の要望で中日新聞*4を取ることになった。息子が今年から中日ドラゴンズ*5のファンになったためである。去年のままなら読売新聞になっていたかもしれない。

 近所に販売店が何軒もあり、担当の販売店がどこなのかよく判らなかったので、インターネットで新聞の購読を申し込んだ*6。新聞の購読勧誘でよくあるおまけは一切貰えなかった。



*1 ブロードバンド(3)
*2 新聞
*3 Yahoo!テレビ
*4 中日新聞ホームページへようこそ
*5 ドラゴンズホームページトップ
*6 中日新聞ホームページへようこそ 購読申込

021005

 空中をひらひらと舞う「ちょう*1」の語源は中国語である、というのを呉智英*2の本を読んで知った。「ちょう」は漢字「蝶」の音であって日本に元からある言葉ではない。それでは日本での古来からの呼び方は何であったか。「かわひらこ*3」と呼ばれていたらしい。方言も色々で「かにべ」「てこな」「ふまつべったら」「あまびら」「ひるろう」「ひいろ」*4などがあったようだ。

 いつ頃、どういった理由で日本語の「かわひらこ」が中国語の「ちょう」に変わってしまったのかよく判らないが、八世紀頃に「てふ」という言うようになった地域が出てきたようだ。蝶は霊的な存在として古くは見られたので、そのものを言い表すのは忌避されたらしい。万葉集に「ちょう」が登場しない*5のはそのためとも考えられている。

 揚羽(あげは)や立羽(たては)という言葉はいつ頃出来たのだろうか。物事を細かく分類する博物学*6が盛んになるのは江戸時代に入ってからのような気がする。

 日本人は「ちょう」を霊的な存在と見なしたからか、蝶の細かい種類の名前はシーボルト*7などの外国人によって付けられたらしい*8。外国人趣味的な名前にミカドアゲハ*9ダイミョウセセリ*10などがある。シータテハ*11は羽の模様にローマ字の「C」があるからそう名付けられた*12らしい。



*1 蝶の尿寄せ
*2 弁護士と弁理士
*3 zuzu creations site
*4 言葉の景色
*5 万葉集:蝶(ちょう)を詠んだ歌
*6 和漢三才図絵
*7 シーボルト記念館
*8 アゲハの学名
*9 ミカドアゲハ
*10 名称:ダイミョウセセリ
*11 シータテハ
*12 シー(C)タテハやエル(L)タテハ

021006

 久しぶりに亀を捕まえに出かけた。娘と娘の友達との三人で行った。目標の亀はイシガメである。出来れば今年生まれた亀を捕まえられれば非常に嬉しいが、そんな贅沢は言ってられない。イシガメが捕まえられれば、それで御の字である。しかし余り大きいのも駄目である。家の水槽では大きい亀は直ぐ逃げてしまう*1

 家の直ぐ近くの池*2にイシガメがいることは判っている。しかし皆、甲長15cm以上の大きな亀である。この池の周りは木や草が鬱蒼としていて亀をすくうのが難しい。そこで自動車で少し行った所にある池に行った。周りは全て田圃で、今は農業用水が完備されて機能していないだろうが、稲作のための溜池である。

 池の中を覗いてみると、この辺りの他の池と同じようにミドリガメばかりが泳いでいる。ミドリガメを捕るつもりは全くないので、池の畔でミドリガメ以外の他の亀が浮かんでくるのをじっと待っていたら娘達は飽きてしまって辺りに生えているすすきで遊びだした。

 待っていてもなかなか亀が見えてこないので子供達をすすきで遊ばせておいて、一人で池の周りを歩いてみた。暫く歩くと稲刈りが終わった田圃の水溜まりの中で筆者の足音に反応して水の中で激しく動き回るものがいた。蛙かと思ったら亀であった。しかもミドリガメではなくイシガメのようだ。早速、たも*3ですくって捕まえた。甲羅の長さは8cmぐらいで丁度いい大きさである。

 娘達に亀を見せると面白がって甲羅を指で触っていた。田圃の中にいたので甲羅には泥が付いていたが、そんなのはお構いなしの様子だった。

 捕まえた亀をよく見てみるとイシガメではない。甲羅にはキールと呼ばれる縦線が3本ある*4。しかも顔にはまだら模様がある。どうもこれはイシガメではなく、クサガメ*5のようである。しかし甲羅の後ろの方はイシガメのようにギザギザ*6になっている。からだ全体の色はイシガメに近い。

 家に持ち帰ってから使用済みの歯ブラシで甲羅の泥を落とした。色は図鑑などに載っているクサガメ*7と大分違う。もしかしたらイシガメとクサガメとの間の子*8の「ウンキョウ(ウンキュウ)」かもしれない。それにしても自然界で頻繁にそんな亀が出来るものだろうか。謎である。捨て亀かもしれない。



*1 イシガメが帰ってきた
*2 イシガメを逃がした
*3 関連器具 タモ網 1/2ページ
*4 ヌマガメ科3種とスッポン科1種の見分け
*5 kusagame クサガメ
*6 isigame イシガメ
*7 クサガメ
*8 石臭亀(イシクサガメ)

021007

 何かの本で読んだのか、誰からか聞いたのか記憶が定かではないが、世の中で一番旨い物は自分の耳垢*1だという。鼻糞は舐めたことは何度でもあるが、耳糞は舐めたことはない。「世の中で一番旨い」という説を知った今でも舐める勇気は出ない。

 自分の耳垢が一番旨いと言った人の耳垢はどんな耳垢だったのだろう。

 耳垢には二種類ある。乾いた耳垢と湿った耳垢である。小学生の頃、耳糞というのは耳掻きでポロポロほじくる物だと思っていたが、同級生に耳掻きを使ったことがなくちり紙*2を捻って耳垢を取ると聞いて驚いたことがある。そんなことで耳糞が取れるのかと思ったら、何やらべとっとした耳糞を見せてくれた。

 日本人の多くは乾いた耳垢*3らしい。近隣諸国では南に行くほど湿った耳垢が多いようだ。オーストラリア原人やアメリカ白人、黒人はほぼ全員が湿った耳垢*4らしい。

 日本人が「耳糞が旨い」と言ったのなら乾いた耳垢で、アメリカ人がそう言ったのなら湿った耳垢だろう。しかし乾いた耳垢と湿った耳垢とを並べておいて、思わず舐めてしまうのはどちらだろうか。何となく湿った方ではないだろうか。鼻糞が舐められて耳糞が舐められないのは、鼻糞は少々湿っているが、耳糞は乾燥しているからではないだろうか。では、何故乾いた耳糞が舐められないか。舐めるというのは味見だから舌で触るだけで、食べる訳ではない。乾いていると舌にくっついてしまうのでちょっとした味見にならない。だから少しばかり湿っていた方が舌にくっつかないので、舐める気になる。

 そうなると「耳糞が旨い」と言ったのは湿った耳垢の人が言い出したのではないか、と思えてくる。何れにしろ納豆*5ナマコ*6などを最初に食べた人と同様に勇気のある人である。

 因みに耳垢が湿っている人は腋臭がある*7と言われているらしい。



*1 究極の耳掻き
*2 ちり紙
*3 縄文人と弥生人
*4 「松っちゃんと優香/貴乃花休場/あなたの耳アカ」
*5 市販納豆博物館
*6 なまこ(海鼠)
*7 Dr赤ひげ.COM : 家族の健康

021008

 変な法律で「できんボーイ」を思い出したら*1、無性に読みたくなってきた。小学館から出ていた単行本は絶版*2になっているようだ。

 アマゾン*3で探したらあった。「できんボーイ完全版1*4」「できんボーイ完全版2*5」があったので早速注文した。美術出版社*6というところから出ていた。

 「ずももーっ」「みぎゃー」など懐かしい擬音が沢山あった。その中に「ちゅどーん」があった。「ちゅどーん」は高橋留美子*7の「うる星やつら*8」と言う漫画で初めて出て来た擬音だと思っていたが、どうも違うらしい。田村信(たむらしん)の発明らしい。

 できんボーイの「テストは楽しいのじゃの巻」が初出のようだ。ただしはっきりした年月日は判らない。この巻では秀逸な擬態語が使われていた。最初の部分で雪が降っている場面が描かれている。冷え込む様子を場面の中に「しんしん*9」という文字を書き込んで表している。

 大抵はそのような文字は風景の一部として捉えてしまうのでまじまじと読まない。だがよく見てみると「しんしん たむら しんしん」と書いてあった。漫画の内容は小学校の教室の中で展開されるので、雪が降る場面は全く関係なく雪が降る必要もない。田村信*10はこれを書くためだけに雪が降る場面を最初に持ってきたのであった。



*1 軽犯罪法と尻
*2 できんボーイ入門
*3 クリックからはじまる新発見 Amazon.co.jp
*4 できんボーイ 完全版・1
*5 できんボーイ 完全版・2
*6 美術出版社グループ ART LOCO
*7 高橋留美子
*8 うる星やつら Fan's Page
*9 goo [国語辞典]: しんしん
*10 田村信WORKS in 20CENTURY(完全版)

021009

 新しい自動車を買った時には慣らし運転をしないとエンジンがうまく回らなくなると言う。

 今回、買った自動車の説明書にも慣らし運転をしてくれ*1と書いてあった。この自動車の慣らし運転とは最初の走行距離2000km程度をエンジン回転数毎分4000回転以下で、しかも4000回転まで使用領域を徐々に広げながら慣らして欲しい、と書いてあった。つまり走行距離の短い最初のうちは4000回転までは使わずに、距離が2000kmに近づくに従ってエンジンを回す回転数を上げて4000回転まで満遍なく使うようにしろということである。

 それにしても最初にある程度エンジンの回転数を上げておかないとエンジンの回転数がうまく上がらなくなると言うのはどういうことであろう。上記の慣らし運転とは事情が違うと思われる。

 かなり前に知人とこれについて話したことがある。確か前の自動車を買った時だから10年以上前である。普通の自動車エンジン*2にはピストンが付いている。ピストンはエンジンの筒の中で非常に素早く上下を繰り返している。ピストンも筒も金属で出来ているのでいくらエンジンオイルで潤滑していても少しずつ摩耗してくる。低い回転数で使っているとエンジンのピストンが上下が 中途半端になって、いざ、高回転で回そうとしてもうまくピストンが素早く上下してくれなくなると、知人は説明してくれた。

 それを聞いて筆者は「エンジンの回転数が高くても低くても、ピストンが上下を繰り返す位置は同じじゃないのか」と尋ねたら、答えに窮していた。

 エンジンの回転メーター*3は、回転数に従って針が行ったり来たりする。デジタル表示ならば数字が増えたり減ったりする。低い回転数であれば、針は途中までしか動かない。高回転になれば針は目一杯まで振れようとする。この動きが「エンジンが回らなくなる」というのを連想させるのではないだろうか。解りきった事であるが、回転メーターはエンジンの回転数を単に針で示しているだけで、エンジン自体の回転能力とは関係ない。低い回転数ばかり指していると回転メータの針の軸に変な癖がついて、針が振りきれなくなると言う現象はあるかもしれない。しかし針が振れないからといってエンジンが回らなくなるわけではない。

 あと考えられるのはアクセルペダルとエンジンのスロットルバルブやキャブレター*4とを繋いでいる紐に変な癖が付くことである。回転メータと同様この紐はアクセルペダルを踏んだり放したりすると引っ張られたり戻ったりする。エンジンの回転数を上げないということはアクセルペダルを余り踏まないということなので紐が途中までしか滑らかにに引っ張られなくなる事もあるかもしれない。

 こうやって考えると「エンジンが回らなくなる」というのはエンジンその物の性能ではなくその周辺の事情ではないかと思いたくなる。本当に紐が原因ならば慣らしにはエンジンをかける必要は全くなくアクセルペダルを踏んだり放したりするのを何度も繰り返すようにすればいいことになる。最近は紐ではなくモータで制御するスロットルバルブ*5があるので、紐ではなくペダルやバルブの回転軸の癖が問題になるかもしれない。

 そもそもエンジンは回せば回すほど摩耗が進行していくので、気密性が低下してエンジンはだんだん速く回転しにくくなるような気がする。



*1 新車購入
*2 ピストンリング博物館
*3 ステッピングモータードライブタコメーター
*4 キャブレター基本編
*5 愛三工業株式会社 ■ スロットルボディー

021010

 なんと今年は日本人のノーベル賞受賞者が二人も出た。最初にスーパーカミオカンデ*1の小柴氏の受賞が耳に入ってきた。そのあと島津製作所の田中氏の受賞を知った。

 2000年の白川氏*2、2001年の野依氏*3に続いて三年連続受賞である。

 日本人で初めてノーベル賞を受賞した*4のは湯川秀樹*5だった。1949年だった。それから16年後の1965年に朝永振一郎*6、1968年は川端康成*7、1973年は江崎玲於奈*8、1974年は佐藤栄作*9、1981年は福井謙一*10、1987年は利根川進*11、1994年は大江健三郎*12、そして白川英樹*13野依良治*14小柴昌俊*15田中耕一*16が受賞した。

 昔は何年かに一回の受賞という感覚があったので、「日本人がノーベル賞受賞」というニュースにわくわくしたが、三年も連続するとその度合いも少し低くなってきている。しかし簡単に取れる賞ではない。素晴らしいことである。

 当然の事ながら、ノーベル賞に限らず賞というのは選出するのが一部の限られた人間だから絶対的なものではない。ノーベル賞を受賞したから研究や業績の内容が素晴らしいのではない。その人が行った研究や業績が素晴らしいのでノーベル賞が贈られたのである。世の中には有用な研究や業績は幾らでもある。受賞は結果であって、それを門外漢である為政者が国家の教育目標として定める*17のは完全に本末を誤っている。ただ、研究者や何かを成そうとする本人が目標とするのは受賞が張り合いとなるので、全く問題はない。



*1 スーパーカミオカンデ
*2 ノーベル賞への道
*3 ノーベル賞ー
*4 これまでにノーベル賞を受賞した日本人
*5 The Nobel Prize in Physics 1949
*6 The Nobel Prize in Physics 1965
*7 The Nobel Prize in Literature 1968
*8 The Nobel Prize in Physics 1973
*9 The Nobel Peace Prize 1974
*10 The Nobel Prize in Chemistry 1981
*11 The Nobel Prize in Physiology or Medicine 1987
*12 The Nobel Prize in Literature 1994
*13 The Nobel Prize in Chemistry 2000
*14 The Nobel Prize in Chemistry 2001
*15 The Nobel Prize in Physics 2002
*16 The Nobel Prize in Chemistry 2002
*17 科学技術基本計画のポイント

021011

 今年度の弁理士試験*1でこんなような問題が出ていた。

 次の事例では、に対し著作権侵害を主張できるか。ただし、から何らの許諾も得ていないものとする。

 「浮世絵の収集家は、自己が所有し、かつ、著作権の保護期間が経過した浮世絵を忠実かつ機械的に写真撮影し、これを集めて画集として発売した。出版社は、その画集の中から浮世絵の写真一点をそのまま複写して、その出版する雑誌に掲載した」

 甲(浮世絵収集家)は乙(出版社)に対して著作権侵害は主張出来ないようである。

 著作権の保護期間が経過しているので浮世絵に対して著作権を主張できる者はいない。これは浮世絵の所有者だろうと関係がない。その浮世絵を忠実かつ機械的に撮影した写真そのものは、甲が創作したのではないので著作物ではない*2

 ただし、その機械的に撮影した浮世絵の写真を何らかの意図に従って画集とした場合は「編集著作物*3」となり、甲の著作としてその画集に対して著作権を主張することが出来る。「何らかの意図」もなく適当に編集しても「編集著作権」は発生するだろう。どんな組み合わせでもその組み合わせが模倣でない限り創作になると考えられるからである。

 出版社乙はその画集から浮世絵一点をそのまま複写してだけだから、甲の著作権を侵害したことにならない。甲が持つ著作権は浮世絵を集めて画集にしたことによる編集著作権だけなので、その素材一つ一つには著作権が及ばない。甲が編集した浮世絵は著作権の保護期間が経過しているので浮世絵に対して著作権を主張する者もいない。従って、題意から外れるが、乙は甲だけではなく誰からも著作権の侵害を主張されることはない。

 著作者がとうの昔に死亡してしまっている場合には、その著作者の作品を素材として組み合わせた編集著作物であっても、その素材に対しての保護期間が経過してしまっているならそれだけを取り出して自由に取り扱っていいことになっている。百科事典などに掲載されている古い名画*4などはスキャナーで取り込んでインターネットで公開しても何ら問題はない。筈である。

 しかし彫刻など立体的な美術品の写真はその写真自体に創作が認められる可能性が十分あるので、百科事典に掲載されているその彫刻の写真を複写して勝手に公開するのは著作権法違反*5になるだろう。

 因みに著作者が個人の場合、その著作者の死後50年間にわたり著作権が保護されるが、この例のように法人が著作権を所有していた場合、その著作物が公表されてから50年間*6となる。



*1 [メニュー]弁理士試験情報
*2 おバカのための著作権 その11〜写真の著作物
*3 おバカのための著作権 その14〜編集著作物
*4 コピライトQ&A(著作権相談から)
*5 Home >> 著作権Q&A >> はじめての著作権講座 >>著作物が自由に使える場合は?
*6 Home >> 著作権Q&A >> はじめての著作権講座 >>著作権の保護期間はどれだけ?

021012

 古い絵であればその絵が幾ら新しい出版物に掲載されていても、自由にそれを複写して利用することが出来ることが解った*1

 早速、ある本*2に面白い絵が載っていたので紹介したい。その本は角川書店*3発行の雑誌「*4(13号)」である。

 この本に載っていた絵とは「百物語ばけもの双六*5」というもので、双六のコマの絵が全て妖怪になっている。その中に「まら」と名付けられたコマがあった。「まら*6」とは陰茎*7のことである。陰茎の妖怪*8は初めて見た。よく見ると妖怪の口は女陰になっている。

 更に妖怪の左手に「長命丸」という薬らしき物を持っている。江戸時代の有名な媚薬らしい。



*1 著作権
*2 ヴィレッジバンガード
*3 角川書店ホームページ
*4 『怪』 -KWAI network-
*5 sugoroku.jpg
*6 goo [国語辞典]
*7 天下の奇祭
*8 mara.jpg

021013

 たまには家にいる亀たちに新鮮な生き餌を与えようと思って近くの池にヌマエビ*1を捕りに出かけた。ヌマエビは亀の餌になるだけではなく亀が食べ残した配合餌や糞も処理してくれる。透明で細い小さなハサミや手を使って餌を食べる姿を眺めていているのも楽しいのである。

 ヌマエビが沢山いる近くの池*2は周囲がすべてコンクリートで覆われているが、二カ所池に向かってコンクリートの横に長い階段が作ってある。ここでたも*3を使って池の中をすくうと何匹もヌマエビが入ってくる。

 その階段に近づいていくと綺麗な楕円形をしたものが濁った水の中に潜っていったのを見つけた。とっさに亀だと覚って潜っていった付近をたもですくった。甲長10cm程度のイシガメだった。

 今度の亀は正真正銘のイシガメ*4であった。全周がコンクリートで固められている池では亀の繁殖は不可能であるので、誰かがこの池に逃がした亀だろうか。

 これで家の亀は、店で売っていた小さなやつが20cmぐらいに育ったミドリガメ、去年の夏に捕まえた野生の8cmぐらいのミドリガメ、先週捕まえたウンキョウ、そして今回のイシガメの四匹となった。水槽も20cmの亀が小さい頃はプラスチック製の衣装ケースを使っていたが、現在はコンクリートなどをこねる時に使うトロ舟*5を利用している。



*1 淡水にすむヌマエビ類
*2 池の自然
*3 たも網で捕る
*4 ウンキョウ
*5 らんちゅうの飼育容器

021014

 オランダ*1マウリッツハウス*2という美術館がある。ここにはフェルメール*3の絵やレンブラント*4の絵が沢山あるらしい。

 この美術館*5所蔵作品*6を見ていたら、何とも凄いご苦労な絵があった。これを描くのにどれだけ時間が掛かったのだろう。

 「Alexander de Grote bezoekt de studio van Apelles*7」と題された絵で、17世紀頃に書かれたものである。作者はヴィレム・ファン・ハーヒトWillem van Haecht*8これは「画廊画」と呼ばれる絵*9の種類らしい。当時には有力な収集家の絵の目録としてよく書かれたらしい。従って実際にあった絵が絵の中に描かれている。よく見ると百科事典などに出てくる絵があるような気がするが、誰の何という題名か迄は思い出せない。

 こういった絵は編集著作物*10になるのかどうか判らないが、記録画としてだけではなく一般の絵画として鑑賞していて楽しい。現代では写真機を使えば瞬時にしてこういう「記録画」を作ることが出来る。これはこれとして面白い写真だと思うが、こういった画廊画写真を撮るには一般には美術館でしかできない。ところが、日本の美術館は例外なく写真撮影禁止である。フラッシュ無しのスナップ写真ぐらい許可してもいいような気がするが、駄目である。この風潮は何とかならないだろうか。



*1 オランダ政府観光局
*2 オランダ政府観光局「ハーグ(マウリッツハウス美術館)
*3 フェルメールとブレードランナーー
*4 Museum het Rembrandthuis
*5 Welkom in het Mauritshuis
*6 Mauritshuis proefscans
*7 http://www.geheugenvannederland.nl/mauritshuis/1000/0266.jpg
*8 JigBoxx Puzzles: ed02003
*9 美術の基礎問題 連載第13回……村田 真
*10 著作権

021015

 マウリッツハウス*1の収蔵作品で面白いと思った絵がまたあった。ヘラルト・ホックヘーストGerard Houckgeest*2と言う人の絵である。オランダ語*3では「g」を「フ」と読む*4らしい。

 教会の中の様子を描いた絵で、日常の一コマを撮影したスナップ写真*5のような作品である。絵の中の教会の白い柱の根本に落書き*6が書き込まれている。ここまで細かく描写しているところがますますスナップ写真*7のようだ。

 ホックヘーストの他の作品を探してみるともう一つ同じ様な教会の絵*8があった。落書きが描かれた柱のある同じ教会の絵であるが、こちらには落書きが描かれていない*9。この絵では、件の柱の前に 何やら人が数人うずくまっている。ついでに犬もいる。この人達と落書きとが何らかの関係を持っているのではないか、と想像すると非常に楽しい。



*1 画廊画
*2 HOUCKGEEST, Gerard (b. ca. 1600, The Hague, d. 1661, Delft)
*3 1.1 発音とつづり
*4 オランダ語/あいさつフレーズ10
*5 e-camera / エディターズコラム vol.21 - スナップ写真の写し方
*6 http://www.geheugenvannederland.nl/mauritshuis/1000/0058.jpg
*7 街をスナップ
*8 New Church in Delft with the Tomb of Willem the Silent by HOUCKGEEST, Gerard
*9 http://gallery.euroweb.hu/art/h/houckgee/n_church.jpg

021016

 またブックマークが壊れた。前回のブックマーク消失事件*1が起きてから、こつこつと記憶の断片をたぐりながら検索して失ったブックマークが復旧しかけていたのに、また無くなってしまった。もうそろそろバックアップをやらなければならないと思っていた頃だった。全く同じ轍を踏んでしまった。

 そこでブックマーク管理専用のソフトを導入することにした。筆者が常用しているパソコンはMac*2である。そして閲覧ソフトは主にiCab*3というMac特有のものを使っている。ただ、iCabは開発途上のプログラム*4なので閲覧するサイトによってはうまく表示出来なかったり、エラーを起こして勝手に終了してしまうことがある。そこでNetscape Communicator*5を使うこともある。Internet Explorer*6は使わない。OmniWeb*7という閲覧ソフトもあるが、使ったことはない。Mac OS X*8という最新のOSのみに対応しているからである。筆者が使っているのはMacOS8.6*9で2世代前のOSである。

 iCabは度々エラーを起こすが、一番使い易い。しかしブックマークが突然消失するのは戴けない。そこでブックマークの管理は別のソフトにやらせることにする。こうすればNetscape Communicatorともブックマークが共通化出来て便利である。もともとNetscape CommunicatorとiCabのブックマークは相互に互換性があるので、共通化はブックマーク管理専用ソフトを導入しなくても実現している。

 「URL Manager Pro*10」というソフトである。なかなか使い勝手がよい。日本円で3000円、米ドルで$25である。暫くしたら送金して登録をしようと思う。



*1 栞(2)
*2 工業製品の遊び
*3 iCab
*4 iCab日本語版 トップページ
*5 Netscape.co.jp
*6 Internet Explorer Home Page
*7 The Omni Group - Applications - OmniWeb
*8 アップル - Mac OS X
*9 Apple - Mac OS 8.6 Support (USA)
*10 URL Manager Pro 日本語版

021017

 今年前半のNHK連続テレビ小説*1「さくら」をよく見ていた。ヒロインの高野志穂*2が筆者の好みなのである。関係ないけど伊藤裕子*3も好きである。長谷川理恵*4も好きである。



*1 NHK INFORMATION「連続テレビ小説一覧」
*2 日刊スポーツ・芸能・インタビュー・高野志穂
*3 イトウ ユウコ 伊藤裕子
*4 食チャン・ドットコム : 長谷川理恵のヘルシー★ウーマン

021018

 ミッシェル・ポルナレフ*1の歌に「Holidays」と題された歌がある。「シェリーに口づけ*2」と同様に筆者の好きな歌である。そして聞いていて「泣ける曲*3」の一つでもある。

 フランス語の曲なので歌詞の内容は殆ど解らない。「殆ど」というのは歌の最初の部分で「Holidays, oh holidaiys」と歌っているので、これは解る。その次から完全なフランス語になってしまう。「セ ラヴィヨン キ デソン デュ シエル・・・」と続く。歌詞の意味が解らなくても、マンドリンで始まるこの出だしで泣ける。

 CDの訳詞を見ると「休日、それは空から降下する飛行機」となっている。掲載されているフランス語の原詩や日本語の訳詞を書き写すと色々と都合が悪そう*4なので、自分なりに訳してある。「l'avion」というのがフランス語で「飛行機」という意味であることをこのCDで知った。「par avion(航空便で)*5」というのはそのまま「飛行機で」という意味だった。

 ジャンボジェットのような大きな飛行機が、近隣の家の屋根にその影を滑らせながら降下してくる様子を空港の近くの空き地*6などで見ていると何となく物悲しくなってくる。飛行機の中の人々の多くにとって飛行機は非日常なのだが、空港の近隣*7の住民にとっては飛行機は日常である。こういう対比はどんな場面でもあるのだが、飛行機を見ていると特に非日常性が強く感じる。これが物悲しくさせる。ポルナレフのこの歌を聴くとそんなことを考えてしまう。



*1 POLNAWEB, LE SITE DE MICHEL POLNAREFF
*2 シェリーに口づけ
*3 ビートルズの犬笛
*4 著作権
*5 Indochine : lettres par avion : Air Orient, premiers vols
*6 エアフロントオアシス
*7 マピオン地図 愛知県西春日井郡豊山町大字豊場付近

021019

 フランス語で飛行機は何故「avion」なのだろう。

 英語で飛行機を表す単語「plane」の語源は飛行機の「翼が平ぺったい*1」ことからである。空を飛ぶ乗り物は飛行機の他に飛行船や気球があったので、それらと区別するために出来た言葉のようだ。日本語のような「flying machine飛行機」という言い方では「空を飛ぶもの」全てが含まれてしまい、そのものを限定して表す適切な言葉にならなかったのかもしれない。

 他の言語では何という*2のだろう。ドイツ語では「Flugzeug 」で「飛行機械」、イタリア語、スペイン語は「aeroplano」で「飛行平面」、中国語*3は「飛机」、ポルトガル語は「avião」となっている。ポルトガル語とフランス語とが「avi-」という形になっている。

 「avion」はラテン語の「avis鳥」が語源らしい。この言葉を作った*4のはフランスのClément Ader*5らしい。1897年に作った飛行機に「Ader Avion*6」と名前を付けいている。

 Clementの「Avion」はライト兄弟の飛行機*7よりも前に作られた*8ので「飛行機の父*9」と呼ばれているらしい。



*1 plane
*2 AltaVista - World / Translate
*3 Yahoo! China Dictionary
*4 TEMPORARY EXHIBITIONS AND CULTURAL ACTIVITIES : expo 2
*5 Clément Ader
*6 FLYING MACHINES - Clement Ader
*7 Wright 1903 Flyer - Milestones of Flight
*8 Early Flight - Exhibition Home Page
*9 乗り物はじまり物語  其之九 飛行機の巻 2

021020

 国際救助隊*1は、報道陣等の取材が救助活動の支障となるので、自分たちが撮影されているかどうかを検知する「自動カメラ探知機*2」を装備している設定だった。

 一体この自動カメラ探知機はどんな仕組みになっているのだろうか。写真は被写体から来る光をレンズでフィルム上に結像させて、フィルムを感光させるだけである。被写体から放たれた光、もしくは太陽光が被写体に当たり反射した光の行く末は、被写体の関知しない事柄である。

 つまり被写体からの光がフィルムを感光させたかどうかは、被写体が知ることは絶対に出来ないのである。

 それでは全方位に対して自分の方にレンズが向いているかどうかを調べるのであろうか。これはちょっと難しそうである。どういう装備になるか考えてみると丁度プラネタリウム*3みたいな感じになるのではないだろうか。プラネタリウム*4は星を映し出すために光を出す*5のだが、「自動カメラ探知機」は星を映し出す部分が全部、高性能の望遠レンズになっていてどんな小さなレンズでも片時も見逃さないようになっている。

 これはこれでなかなか絵になる装備だが、サンダーバードの各乗り物*6にプラネタリウムのような装備が隠されていたとはとても思えない。

 それでは一体どんな探知機なのであろう。考えられるのは音や電子回路に流れる電流によって発生する電磁波を捉える様になっているのではないだろうか。超高性能の集音器があり、これによってシャッタを切る音のみを感知するのである。1枚は写真を撮られてしまうが、これは仕方がないのかもしれない。機械的なシャッターを持たないビデオ等はどうするか。ビデオカメラの電子回路から発せられる微弱な電磁波をこれまた超高性能なアンテナで感知するのである。

 現代の技術ではまだちょっと難しそうな気がする。



*1 THUNDERBIRDS Japan
*2 サンダーバード
*3 GSS HELIOS
*4 旧大阪市立電気科学館のカールツァイスII型プラネタリウム
*5 クローズアップこども館
*6 THUNDERBIRDS Knew My Father.

021021

 角川書店の「*1vol.0013」を読んでいたら「怪異・妖怪伝承データベース*2」の紹介が載っていた。

 道端にぼた餅が何個も落ちていたので喜んで食べていて、ふと気付いたら馬糞だったとか、川で馬を洗って家に帰ったら馬の尻尾に河童が掴まっていて頭の皿に水を入れたら元気になった、という様な話が満載されている。

 ただ、図書カード*3と同じ様なもので要約までは記載されているが、文献そのものはweb上では閲覧出来ない。ここの図書カード*4のように文献全文を読めるようになっていると嬉しいのだが、色々と問題*5があるのだろう。

 こういった妖怪のデータベースという嬉しい情報がweb上に存在するのは非常にいい。何に使うかは別として存在していると言うことを知っただけでも楽しい。しかしその存在も暫くすると忘れてしまう。なるべく思い出しやすいように記事したのだが、記事自体が多すぎるので恐らく忘れてしまうだろう。



*1 『怪』 -KWAI network-
*2 怪異・妖怪伝承データベース
*3 カード目録検索
*4 図書カード:三十三の死
*5 社団法人 著作権情報センター

021022

 「*1」にもう一つ興味深いことが載っていた。

 山梨に山梨岡神社*2という神社*3があるらしい。県名が付いた神社*4というのはありそうでない。山梨*5という県名は和名抄*6に出てくる山梨郡*7山梨郷が起源らしい。その山梨郡にある山梨の岡*8にある神社だから「山梨岡神社」なのだろう。だから県名が付いた神社ではなく、神社の名前の由来と県名の由来とが同じなのである。

 この神社には変わった神が祀られているらしい。「きの神*9」と呼ばれる神で、姿は、顔が牛か獅子舞の獅子のようで足が一本しかない。毎年一度だけこの「きの神」の木像が公開されるという。一説には狛犬*10の胴体が欠け落ちた像ではないか、と言う説もあるようだ。写真を見るとそんな感じもしないでもない。最初に「欠け落ちた木像」があって、そのあとに信仰が出来上がったのかも知れない。

 「き」の漢字は非常に複雑*9である。もともと中国の伝説上の動物の名前で一本足の怪物で人間の顔に似た龍とも言われているらしい。漢字は象形で人の顔で、角があって、大きな耳を持ち、一本足をかたどったようだ。字の形は統一されていなくて真ん中の「自」の下が「儿」になっていたり「ハ」になっていたり、くさかんむりだったり「首」の上の部分が伸びた形だったりする。「象形」なので何となくそれらしく見えて形さえ整っていればいいのであろう。

 この怪物を表すのためだけに存在する文字があるというのは非常に興味深い。漢字というのは奥が深い*11



*1 怪異・妖怪伝承データベース
*2 山梨岡神社
*3 社格
*4 全国延喜式神名帳
*5 山梨県Webサイト
*6 goo [国語辞典]: 倭名類聚鈔
*7 和名抄郡名一覧(東海道)
*8 すがお(春日居町)
*9 山梨妖怪旅行1日目
*10 狛犬について私が知っている2、3の事柄
*11 諸橋大漢和

021023

 よく考えてみたら「きの神*0」だけではなく、「龍」や「鬼」なども只その怪物だけを表す為の漢字であることに気付いた。これらは漢字の成り立ちを分類した六書*1で言えば、象形と呼ばれる絵がそのまま文字になった漢字である。

 他に中国の想像上の動物に「*2(みずち)」「*3(しん)」「*4(ばく)」「(ほう)」「*5(ほう)」などが探したらあった。

 だが、どれも既存の文字の組み合わせで怪物の絵がそのまま漢字になったものではない。その怪物の特徴を基に字を組み合わせて出来ている。

 想像上の動物だから既存の概念と他の既存の概念を組み合わせて漢字を作ることは比較的簡単のような気がする。体が捩れた虫だから「蛟」とか、本当はいない(莫『なし』)獣だから「貘」だとか、この類の漢字は沢山発生しそうである。

 想像上の動物なのでまず最初に誰かが絵を描いたのだろう。それを文字で表そうとした時、余りにも異形だったので文字の組み合わせでは間に合わなかったのだろうか。それとも文字の組み合わせという考え方があまり発達していなかった頃に「龍」「鬼」「*6」などは出来た古い漢字なのだろうか。古い漢字だとしたら、その割には形が複雑である。何れにしても不思議な漢字である。



*0 きの神
*1 象
*2 Webshots Community - Type D. Koryu( 蛟龍)Midget Submarines.
*3 しゃこ貝
*4 田村プロ 大和田 獏
*5 大鵬薬品工業株式会社
*6 鳳凰堂
*7 山梨妖怪旅行1日目

021024

 向こうに見えるビルの窓辺で二人で何かをしゃべっているのが見えるとする。窓は完全に閉ざされているので音は一切聞こえてこない。向こうのビルとは距離がある程度あるので、たとえ窓が開いていても話し声は聞こえない。

 その会話を何とか盗み聞きする方法はあるのだろうか。そのビルに忍び込んで盗聴器*1を仕掛けるという手がある。これは直ぐに考えられる手であるが、もっと奇想天外な手ある。かなり昔にNHKのテレビジョン番組*2でアメリカでの最新産業スパイの特集か何かで紹介していた。

 外に面したビルの部屋の中での会話をレーザ光線で盗聴する方法*3である。英語では「laser listening*4」と言うらしい。

 話し声によって僅かに振動する窓ガラスの動きを他のビルから目に見えないレーザ光線で狙い撃ちする。窓ガラスで反射したレーザ光線はガラスの振動によって戻り方がほんの少しずつ変化する。光の強さによって電気特性が変化する電子素子*5を固定しておいて、戻ってくる光線の方向にその素子を向ける。光線の戻り方が少し変化して光線の経路が素子の向きからほんの少しずれると素子に当たる光の強さが変わることになるので電気特性が変化する。この変化を増幅してスピーカを鳴らせば話し声が聞こえる。

 例えば太陽が出ている夏の昼、洗面器に水を入れて縁側に置く。洗面器の水の水面で反射した太陽の光が天井に映し出される。縁側を猫か何かが歩けば、洗面器の水がわずかに揺れて、天井に映し出された丸い光には強いところと弱いところが洗面器の水面の動きに従って出来たり消えたりするだろう。この光の強弱を音に変えてやれば猫の足音らしきものが聞こえてくるはずである。何だか寺田寅彦*6の実験のような喩え方であるが、レーザ光線だろうが太陽の光だろうが原理は同じである。

 このレーザ盗聴*7では光線が戻ってくる場所が判っていないとちゃんと動作しない。そしてその光線が窓ガラスに当たっていないと文字通り「お話し」にならない。そうなると「目に見えないレーザ光線」だと調整するのが非常に難しくなる。目に見えないレーザ光線で遠くまで届くレーザ*8赤外線レーザ*9しかない。すると光線を追うための赤外線スコープ*10が必需品になる。相当大がかりな盗聴方法である。



*1 ERD:盗聴・盗撮器について
*2 NHKオンライン
*3 心配されているデジタル盗聴
*4 How to Build A Laser Listening Device
*5 コーデンシ株式会社
*6 作家別作品リスト:寺田 寅彦
*7 How to Build A Laser Listening Device (*4と全く同じ文章)
*8 近視の手術
*9 株式会社 日本レーザー -- Laser
*10 赤外線スコープ

021025

 知人の訃報に接した。数年前は元気な姿を見かけよく話もしたが、突然亡くなってしまった。享年73歳だった。生前、自分は戦時中*1中島飛行機*2で戦闘機の図面を引いていた、と話していた。

 いつも立ち話だったのでいつかはじっくりその時のことや知多半島*3から見えたという伊良湖(いらご)大砲試験場*4から発射された大砲の弾の水しぶきのことなどを聞きたいと思っていたが、もう永久に出来なくなった。

 当たり前の話であるが、太平洋戦争を経験した人はどんどんいなくなっている。戦争の悲惨さを実体験から伝えることが出来る人はどんどんいなくなる。人間よりも長く残る筈の町中や野山にひっそりと残っている戦争に使われた構造物や戦争の傷跡を残している建造物*5も開発などでどんどん消えていく。

 そして戦場には絶対行かない為政者*6に力は正義なりとそそのかされて、知らないうちに「戦争もやむなし」と一般市民が平然と言う様な時代が来るかも知れない。こういう時代にならないようにするためにも戦争の悲惨さを知る手立ては残しておかなければならない。戦争体験者から当時の話を積極的に聞いてそれを後生に伝えるのもその一つであるが、もう時間が無くなりかけている。



*1 陸軍技術本部伊良湖試験場(その1)
*2 中島・半田製作所飛行場
*3 マピオン地図 愛知県知多郡南知多町大字篠島付近
*4 陸軍技術本部伊良湖試験場(その3)
*5 説明文
*6 首相官邸ホームペ−ジ

021026

 だんだん寒くなってきた。亀の活動もかなり鈍ってきた。今年は水槽の中の住人が二匹増えた。

 ミドリガメは冬に強いと言うことは今までの経験から判っている。ミドリガメは真冬でも日が照って暖かい日には水面から顔を出して動き回ったりする*1ことがある。随時、冬眠を一時解除することが出来るようなのである。

 しかしイシガメやクサガメは違うらしい。冬眠中は一切活動しないと言うことである。かつて家には「鼻の穴のないイシガメ*2」がいた。鼻の穴*3が薄い皮膚で覆われていたのだ。このイシガメは人間の引越*4で冬眠から覚まされてしまって、完全に調子を狂わされた様子であった。そしてついには死なせてしまった*5。ミドリガメも同じく引越をしたのだが、全く問題はなかった。これは冬眠の中断が随時出来るからだろう。

 イシガメは冬に弱い、と言う印象が出来上がってしまった。クサガメもイシガメによく似ているので同じである。大きさから言えば既に自然界で何度か冬眠している筈なので冬眠そのものの失敗*6はないだろう。あとは如何に自然界と同じ様な冬眠環境にしてやるか、である。

 亀たちは水槽のホテイアオイ*7の下にいつも潜んでいるので、冬眠の間中、何か水槽の中で潜むことが出来るようにしてやればいいだろう。本などには枯れ葉や腐葉土を入れてやる、と書いてあるが、これをやると水槽の掃除が大変である。

 そこで枯れ葉の代わりに藁を入れることを思いついた。藁ならば冬眠が終われば水から簡単に取り除ける。人間の都合で申し訳ないが、亀たちにはこれで冬眠をして貰おう。



*1 亀の冬眠(2)
*2 イシガメが溺れた
*3 マルヤマズーガイド-爬虫類館-イシガメ
*4 亀の引っ越し
*5 イシガメが死んだ
*6 亀の冬眠
*7 ホテイアオイ(布袋葵)

021027

 少し前に買った「ソードフィッシュ*1Swordfish*2」という映画のDVDの映像付録に映画製作過程を撮影したものがあった。

 それを見ていたら物凄く面白い場面があった。映画冒頭の場面でジョン・トラボルタ*3が扮するテロリスト「ガブリエル」が喫茶店で現代のアメリカ映画に関して蘊蓄を垂れる。一席ぶった後、くわえていた葉巻が大写しになり、それを灰皿に置いて隣にあったコーヒーカップを手に取る。すると画面はガブリエルの顔の大写しとなり、コーヒーをすする姿が映し出される。

 その映像付録では、トラボルタの顔と同じ大きさのコーヒーカップでコーヒーをすする様子が撮られていた。監督*4やスタッフがそれを見て大笑いしている所が続いて出てくる。トラボルタがこんな事をやろうと言いだしたのかどうか判らないが、筆者にとってかなり印象深い映像となった。

 映画自体はアクション映画なので、笑う場面は一切出てこない。色々格好いい場面が沢山出てくるので好きな映画の一つ*5である。DVDで何度も繰り返して見ている。特にガブリエルの冷徹さが渋くて何度見ても飽きない。

 トラボルタ*6を知ったのは「SATURDAY NIGHT FEVER*7」という映画だった。この映画が日本で公開された頃は、仲間内で「ジョン・トラボタル*8(寅蛍)」と呼んでいた。



*1 好き嫌い
*2 Operation Swordfish
*3 ジョン・トラボルタ John Travolta Fan Page
*4 Yahoo! Movies: Dominic Sena - Photos
*5 中途半端なハッカー映画、『ソードフィッシュ』
*6 Travolta-Qantas Ambassador Home
*7 SATURDAY NIGHT FEVER
*8 Google 検索: ジョン・トラボタル

021028

 太平洋戦争中、日本軍は様々な自殺兵器*1を開発し、その多くは実戦で使われた*2

 その中で最も悲惨で、この戦争で如何に日本の軍部がまともな判断能力を失っていたか、がよく判る兵器がある。他の自殺兵器に比べてあまり知られていない「伏竜(ふくりゅう)*3」という名の特別攻撃兵器である。

 この兵器は日本本土決戦に備えて、開発された。アメリカ軍が船で海岸に上陸する*4のを潜水服を着て海中に潜って待ち伏せするのである。この待ち伏せ部隊は手に数mの竿を持ちその先には機雷が取り付けられている。アメリカ軍の上陸舟艇が自分の上を通った時にこの機雷付き竿で船底の突くのである。数m先で機雷が爆発するので必ず自分も巻き添えを食ってしまう。

 アメリカ軍の本土上陸作戦*5は実行されなかったので、この兵器は実戦には使われなかったが、この兵器の訓練で多くの犠牲者を出したらしい。

 遺構探訪*6でもこの伏竜部隊のための基地跡*7を訪ねたことがある。基地と言っても海岸の岩場に洞穴が縦横に掘ってあるだけである。この中で数十キロにもなる潜水服を着て海に潜っていったのだろう。

 最近、この伏竜部隊に所属していた人の体験記*8を読んだ。実際に訓練した経験からこの兵器は全く役に立たないと思っていたそうである。潜水服の装備が重すぎるため海中で歩く時も前のめりにしか歩けなかったらしい。そして潜水服の鉄製の兜には顔の前にしかガラス窓が付いていなかった。つまり頭上をいつ船が通過するのか判らなかったらしい。

 この本には伏竜の構造が詳しく書いてあった。その中で注目したのは呼吸器の構造である。酸素ボンベと二酸化炭素吸収缶とで構成されていたらしい。兜の天頂に酸素ボンベからの配管と二酸化炭素吸収缶からの配管とが繋がっていた。そして口元には二酸化炭素吸収缶に繋がる配管が取り付けてあった。吸気用の酸素ガスは頭の上の配管から供給される。酸素を鼻で吸って口元にある二酸化炭素吸収缶に繋がる配管に口で吐き出すのである。

 呼吸で吐いた空気は二酸化炭素吸収缶に入ると中に仕込まれた水酸化ナトリウム*9二酸化炭素だけが吸収*10されて、また兜の上の配管から呼吸ガスとして供給される。水酸化ナトリウムは強アルカリの劇薬である。戦争末期に粗製濫造された吸収缶のなかには気密性が悪く海水が漏れる物が少なくなかったらしい。漏れた海水によって出来た強アルカリの水酸化ナトリウム水溶液が配管を通って兜の中で頭上から降りかかり、錯乱状態になり、更に吐き出し用の配管の口から直接水酸化ナトリウム水溶液を吸い込む等して、死に至ったらしい。

 うまく動作していれば、この呼吸器の中でガスが循環しているので海には呼吸ガスが排出されない。泡が海面に出ないから敵に見つかりにくいのである。恐らく軍部はこの点だけでこの兵器を使った作戦の採用を決定したのではないだろうか。「命令する者には不可能はない」と言われるが、まさにそんな格言をそのままの作戦だった。



*1 特攻兵器の数々
*2 ★太平洋戦争に特殊兵器続々 電池式の特殊潜航艇も
*3 伏龍特別攻撃隊/戦史
*4 愛知県内の本土決戦用大砲陣地遺構
*5 Operation Downfall, The Invasion of Japan
*6 遺構探訪
*7 稲村ヶ崎砲台
*8 特攻 自殺兵器となった学徒兵兄弟の証言
*9 水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)
*10 「二酸化炭素をつかまえよう」

021029

 小倉遊亀(おぐらゆき)*1と言う画家がいた。1895年滋賀県大津市で生まれ、2000年に東京都で没した*2。105歳であった。「遊亀*3」は本名らしい。「*4」がついているから記事にしたわけではない。最近、この小倉遊亀*5の絵を美術館で見る機会があったからである。

 筆者が一番気に入った絵は「晴日*6」と題された絵である。新緑の庭のの木陰で柴犬が寝ている。季節の中で一番好きなのは木々の緑が萌えて辺りが新緑で包まれる初夏である。そんな中で犬が眠る。のんびりとした時間が永遠に流れているようだ。

 帰りにこの絵のポスター*7を買っていこうと思ったが、売ってなかった。



*1 東京国立近代美術館:小倉遊亀展
*2 小倉 遊亀:伊藤忠ギャラリー
*3 美の巨人たち
*4 亀の冬眠の準備
*5 小倉遊亀「椿など」
*6 豪華額装本 特製額付  B3変型 図版6葉 天寿のめぐみ:晴日
*7 天寿のめぐみ

021030

 金属に刻まれた印が気になる*1のは以前に書いた。その時、書き忘れていたマークがある。ヘンケルス*2マーク*3である。これも好きなマーク*4の一つである。

 このヘンケルスとは全く関係がないが、最近、金属に刻まれた良いマークを新たに見つけた。このサボテンマーク*5である。スコップ*6に付いていた。

 このスコップの製造会社のマーク*7を見ても全然良くないのだが、これが金属への刻印になると格好良く見えるのである。

 金属には何か物を良く見せる作用*8があるのだろうか。



*1 マーシャン
*2 ZWILLING J.A. HENCKELS / J.A. Henckels International
*3 ZWILLING J.A. HENCKELS
*4 マーク
*5 saboten.jpg
*6 schop.jpg
*7 (株)サボテンホームページ
*8 第11回 赤瀬川原平「鵜の目鷹の目」

021031

 2年半以上前にスモーキングモンキー*1という玩具を買った。

 プラスチック製の高さ3cm程度の大きさの猿の人形*2で、口の所に小さな穴が開いている。猿は胡座(あぐら)をかいて腕を組み右手は口元でタバコを人差し指と中指とで挟むような仕草になっている。何故か知らないが、猿の目はカッと見開いている。

 口に付属のタバコを差し込み火を付けると煙が出てくる。するとこのタバコの火種から出てくる煙が輪っかになる*3のである。

 何故輪っかになるのか見当が付かなかった。玩具が入っていたビニール袋を留める二つ折りの厚紙*4に「Made in Japan PAT No.465031」と書いてあるので、特許が登録されているようだ。特許庁の特許電子図書館*5でその内容を調べれば原理が書いてあるはずである。買った時に調べた時はこの特許番号の文献はまだ電子化されていないと書いてあった。そして2年半経過した今、調べてみてもまだ電子化されていないと書いてある。

 仕方がないので自分で考えてみた。

 猿にタバコをくわえさせなくても煙は輪っかになることから人形には仕掛けはなく、タバコ自体に仕掛けがある。タバコの構造は何か松ヤニ*6の様な樹脂が薄い紙で巻いてあるだけだ。

 火を点けて炎は吹き消す。すると線香やタバコのように火種が残り、そこから煙が出てくる。最初は煙は輪っかにならない。暫くすると輪っかになりだす。

 煙が輪っかになる条件は何か。実際のタバコでは口を丸くして煙を含んだ息を適当な速度で吐き出すと口の周りの煙の速さとその内側の煙の速さの差でドーナツ状の煙になる。丁度長い靴下をくるくると巻ながら脱ぐような感じである。これをやるには煙の小さな塊を口から出すようにするのがこつである。と思う。筆者はタバコを吸わない。しかし輪っかを作ることは出来る。冬の寒い日に白い吐く息でドーナツを作ることが出来る。タバコも白い息も多分同じであろう。

 これらの現象はカルマン渦列*7の渦の一つ一つができるのと同じ原理であろう。流れの速い空気の塊の後ろに周りの空気が回り込んでドーナツを作る*8と思われる。煙を長く吐くとうまくドーナツ状にならない。これは煙を長く吐くと周りの空気が回り込めないからだろう。息は何時かは途切れるので煙の最後はドーナツが出来そうだが、出来ない。煙の最後の方はその速さが遅くなっているから空気が回り込まないのである。

 それではスモーキングモンキーのタバコはどうやって煙をドーナツにするだろう。タバコの中の樹脂とそれを包む紙との燃える速さの差が重要である。よく見ると中の樹脂は紙よりも燃え方が速い。もしかしたら本当に松ヤニ*9なのかも知れない。

 中の樹脂が紙より速く燃えるので、火種が進行するとまだ燃えていない紙の筒の中で空気の供給が少なくなり樹脂の燃え方が遅くなる。次に紙の火種が遅れて樹脂の火種に近づくと、紙の灰を通して空気の供給が増え、また樹脂が速く燃え出す。樹脂が良く燃えれば沢山煙が出る。煙は筒状の紙の灰から勢いよく出る。ある程度燃えると空気が遮断され樹脂の燃え方が遅くなり煙の出方が急に減る。急に煙が途切れるので輪っかが出来る。紙の火種が追いつくと空気の供給が始まり、また樹脂が燃えだして煙がでる。写真をよく見ると紙の灰の筒から勢いよく煙が出ている*3のが判る。そして火種の明るさも強弱を繰り返している。

 この玩具に火を点けた時、樹脂は燃えやすいので炎を出して燃えている。注意しなければならないのはこの炎を吹き消さないと煙が出ないことである。説明書*10にもちゃんと書いてある。輸出用なのか理由は定かではないが、英語で書いてある。

 輪っかとは関係ないけど、中に入っていた猿の人形の顔*3この厚紙の猿の顔*4とが全く違う。ニホンザルに似ている絵の方が味わい深い。猿の腰元に大黒袋*11みたいな丸が書いてある。その丸の隅には「¢(セント)*12」と書いてある。つまり1ドル以下で売られていたのだろう。



*1 スモーキングモンキー
*2 スモーキング・モンキーの不思議!
*3 smoking.jpg
*4 trick_smoking_monckey.jpg
*5 特許庁 特許電子図書館トップページ
*6 松脂(ロジン)を訪ねて
*7 カルマン渦
*8 空気砲のやり方
*9 2.松脂蝋燭(まつやにろうそく)
*10 rick_smoking_monckey2.jpg
*11 讃岐の引札 No.99 大黒
*12 Vintage Restorations 1 '96



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