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0301雑記草


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030101

 届いた年賀状*1を読んでいると、以前の宇宙人の年賀状が楽しみでした、と書いてあるものが何通かあった。「宇宙人の年賀状*2」とはこれ*3こんな*4年賀状である。この一連の年賀状は1994年頃から始まり、2001年、21世紀の突入の年で大団円を迎えたということで終了した。

 2002年以降の年賀状はこのように*5写真を印刷するようになった。

 来年の年賀状は「宇宙人」を復活させるかも知れない。



*1 年賀状.com
*2 年賀状
*3 nennga.gif
*4 2001nenga.gif
*5 2003nenga.jpg

030102

 物質を電気の通りやすさから分類*1すると導体、半導体*2、不導体もしくは絶縁体の三種類に分けられる。導体とは電気を良く通す物質のことであり、代表的な物に金属などが挙げられる。不導体は電気を余り通さない物質のことでガラスや大抵の樹脂がその代表である。

 半導体とは金属とガラスとのちょうど間ぐらい電気を通す物質である*3。半分導体、半分不導体という意味から作られた言葉だろう。電気を通すと言うことに主眼が置かれたので「半不導体」「半絶縁体」という名前にはならなかったかもしれない。もしかしたら英語semiconductorの直訳かもしれない。

 語源からすれば「半」導体なのだが、「はんどうたい」とつなげて発音される。意味を説明する時以外は「はん どうたい」とは滅多に発音しない。「新幹線」や「抗生物質」とよく似ている。新幹線も「新」幹線の筈だが、「しんかんせん」とつながっている。抗生物質は半導体や新幹線とはちょっと違っているが、語源とその単語の発音の仕方がずれてしまっている点で似通っている。語源からすると抗生物質は「抗」生物質の筈*4だが、「こうせい ぶっしつ」と発音される。

 半導体のうち、ほんの少しの鼻薬*5を入れると電気の通りやすさなどの電気的性質が激変する物質がある。これが所謂、半導体産業の飯の種である「半導体」であり、通常はこういった物質の総称として半導体という言葉が使われる。単に導体と不導体との中間の電気の通りやすさだけの物質を指すのではない。

 こういった半導体は鼻薬*6だけではなく、ちょっとした物質の極微小な構造の違いによっても電気的性質が大きく性質が変わる。こういった性質を構造敏感*7という。普通の日本語の感覚からすると「敏感構造」のような気がするが、構造敏感とは「敏感な構造」という意味ではなく「構造に敏感」という意味である。これはまさしく英語structure sensitiveの直訳である。

 この日本語としての微妙な違和感が玄人っぽさを感じさせる。こんな言葉が自由に操れれば自分が専門家になったような気分になって楽しい。この感覚は、最近、蔓延している「ドラム(日本語としての本来はラム)」「ギター(ター)」「ポップス(ポップス)」など洋楽用語から始まったと推測される単語発音の平坦化と同じ根であろう。



*1 電気のお話その1 - 機械技術屋から見た電気、エネルギー編
*2 概要5-2 半導体
*3 「半導体」-ナノエレクトロニクス イントロダクション
*4 抗生物質
*5 「半導体」-ナノエレクトロニクス P型・N型半導体
*6 半導体 (semiconductor)
*7 50年をかえりみる;半導体素子研究の周辺

030103

 朝、横で寝ていた一歳になる末娘の泣き声で目が覚めた。あやそうと思い抱きかかえると突然胃の中の物を戻した。これは尋常ではないと判断し、すぐに病院に電話をした。正月三が日なので救急指定病院に電話した。すぐに来てくれということなので早速支度をして出かけた。

 元旦に近所を散歩していて転んで頭を打っていることを話したら脳の検査をすることになった。眠気を催す吐き止めの点滴をして、寝入ったらCT*1を撮るという。

 点滴をし出してから十数分後、完全に眠った様子だったのでCTの部屋*21に連れて行った。点滴をしたまま撮影をした。

 CTとはComputed Tomography*3もしくはComputerized Tomography*4の頭文字らしい。Tomographyとは断層写真という意味でtomoはギリシャ語で薄片という意味らしい。topography地形測量*5と間違いやすい。

 肉体や物体を透過することが出来る放射線などを照射すると、物体の部分的な透過の仕方の違いによって透過した放射線の強度が変化する。これをそのまま写真のフィルムに照射すれば放射線の強度に従ってフィルムに濃淡が出来る。これを最初に発見したのはレントゲン*6で、現在でも使われているエックス線を使った身体の内部の撮影法*7の原理である。

 CTは放射線を物体に様々な角度から照射し、それぞれの透過の仕方と照射した角度からコンピュータで逆算して物体の断面の構造を求める手法*8である。断面を積み重ねれば立体画像を得ることが出来る。

 物体を透過してその強度が測定できればどのような種類の放射線*9でもいいはずである。エックス線ではなく身体に陽電子を放出する薬剤を注入して身体の中で陽電子が消失する時に放出される放射線を利用するCT*10もあるらしい。

 撮影が終わった後、娘の頭部の断面*11と透視像を見せてもらった。娘には何とも異常がなかったのでこんな呑気なことが言ってられるが、頼朝公*12御幼少の砌(みぎり)の髑髏(しゃれこうべ)を思い出した。結局、単なる風邪だった。



*1 [ HITACHI MEDICAL CORPORATION ] 製品の歴史
*2 頭部CTスキャン
*3 Google 検索: Computed Tomography
*4 Google 検索: Computerized Tomography
*5 Shuttle Radar Topography Mission
*6 原子力のページ - 調べる - 原子力の基礎 - 放射線の種類と特徴
*7 島根県立中央病院 一般撮影
*8 エックス線CT検査とは
*9 5 いろんな種類の放射線 - 社団法人 日本アイソトープ協会
*10 What PET?
*11 実践研究 生物
*12 都市鎌倉

030104

 大阪で万博が開催された頃、祖父の家に松下電器が作ったタイムカプセル*1模型*2があった。

 この模型のタイムカプセルの中には豆本*3が入っていた。記憶では大きさが2cm角に収まる程度の赤い表紙の本だったような気がする。もっと小さかったかも知れない。この本が欲しくて堪らなかったが、手に入れることは出来なかった。中に何が書いてあったか読もうとも思わなかったので知らない。単に豆本が欲しかったのである。

 これは微小世界への憧れ*4である。実用とは関係なくとにかく小さい物に憧れる。自分の所有する自動車のミニカーが欲しくなる*5のも同じなのだろう。

 日本に現代豆本館*6と言う豆本の博物館があることを知った。個人が収集した3800冊の豆本が展示されているという。この博物館は家から日帰りの距離にあるので一度行ってみなければならない。

 そういえば、平凡社*7別冊太陽*8でも豆本の特集がありそうである。これも探してみよう。



*1 松下電器産業株式会社 歴史館|館内ツアー
*2 安田EXECUTIVE『未来おもちゃの世界』 #3
*3 ぷりんとぴあ ■第4回:「豆本の世界とマイクロ技術」(前編)
*4 小林礫斎
*5 ミニカー
*6 特集 異色の博物館めぐり4
*7 Heibonsha Limited
*8 平凡社書籍目録 検索結果: 別冊太陽

030105

 半導体はちょっとした構造の変化によって電気特性が大きく変わってしまう*1構造敏感*2という特性を持っている。

 何らかの原因で、外見は全く何ともないのに半導体素子が動作しなくなることがある。半導体素子は湿気や塩水などに非常に弱いため樹脂*3金属*4の箱の中に入れてある。この箱の中に入っている半導体チップ*5計算をしたり*6電気信号を増幅したり*7光を出したり*8する。

 箱の外見だけでなく、その中に入っている半導体チップの外観を顕微鏡などでつぶさに観察しても壊れた部分がないのに、その素子が動作しない場合もある。半導体は構造敏感なので外見からは判らないような内部のほんのちょっとした異変でも敏感に影響されてしまう。

 そういった直接に外から見ることが出来ない故障を分析する方法の一つにEBICという手法がある。Electron Beam Induced Current(電子線励起電流)の頭文字で「イービック」と読む。

 原理は走査型電子顕微鏡*9とよく似ている。半導体チップを真空にした箱の中に入れて電子顕微鏡と同じように電子線を照射する。電子線を照射するとその電子線の刺激によって半導体の中で電子と正孔と呼ばれるその電子が抜けた孔*10が生じる。電子線は半導体の奥深くにはなかなか入ることが出来ないので半導体の表面近くで電子と正孔を発生させる。もともと半導体チップが計算したりするところは表面近くなのでそれで十分なのである。

 電子が発生するということは電気が出来るということである。電気が出来て電気が通りやすければ電流が発生する。その電流が上手く流れれば半導体は正常である。半導体の中で何か異常が起こっていると電子線によって発生した電子と正孔が元に戻ってしまい、上手く電流が流れない。電流が上手く流れるところと電流が上手く流れないところを色分け*11すればどこに異常があるか判る。これがEBIC法*12である。構造敏感をうまく利用した分析方法である。

 更に電子線による微小領域における極微弱な電流を確実に検出するために原子間力顕微鏡(走査プローブ顕微鏡:SPM)*13EBICを組み合わせた分析方法*14もあるようだ。



*1 構造敏感な半導体
*2 ====註1:構造敏感性(structure-sensitive property)について
*3 半導体製品一覧
*4 Welcome to JeonNam provincial office!!
*5 総合技術マーケットi-engineering、連載コラム
*6 1401 CPUの構造
*7 日本TI、3倍の高速処理性能をもつ高速オペアンプを発表 高性能固定ゲイン・アンプの新ファミリ、広帯域を提供
*8 やさしい技術講座「半導体レーザ」
*9 第13コース「身のまわりの物を観てみよう(電子顕微鏡)」のページ(工学部応用化学科)
*10 太陽光発電の原理
*11 Electron Beam Induced Current
*12 http://lyra.colorado.edu/sbo/keith/we/ebic.jpg
*13 原子間力顕微鏡
*14 SEM-SPM Hybrid System for Nano EBIC

030106

 以前に「マリコン*1」という大阪ガス*2が開発した樹脂の名前の由来について書いた。再生使用が容易な樹脂で「加藤真理子」氏が中心となって開発されたらしい。

 マリコンは「マテリアル・リサイクル・コンパティビライズド・ハイパフォーマンス ポリマー樹脂」を略して出来た言葉だが、どう考えても「真理子」と引っかける為に「マテリアル・リサイクル(物質的な再利用)」という当たり前と思われる言葉をくっつけているのではないか、と書いた。

 資源節約のために廃棄物を再利用する。資源や廃棄物は「物質」に決まっているので、わざわざ「マテリアル」を添えるのは「真理子*3」のためである、と勝手に思っていた。

 どうも違うらしい。リサイクルには「マテリアル・リサイクル*4」「サーマル・リサイクル(熱的再利用)*5」「ケミカル・リサイクル(化学的再利用)*6」があるようだ。この違いを明確にするために「マテリアル・リサイクル」という言葉があるらしい。

 それでは「サーマル・リサイクル」や「ケミカル・リサイクル」とはどういう意味か。「サーマル」は廃棄物を燃やしてその熱を利用することで、ケミカルは例えば石油製品から再び石油を取り出すことをいうらしい。

 廃棄物を燃やして出てきた熱を利用することを「再利用」と取り立てて言うことなのだろうか。「再利用」ではなく、単なる「利用」である。普通、糞尿を肥料として「再利用」するとは言わない。

 そもそも再利用しなければ処分できないような廃棄物を極力出さないようにするのが本来であって、その廃棄物を燃やすのも再利用などと定義するのは詭弁のような気がしてならない。



*1 マリコン
*2 大阪ガス株式会社
*3 永井真理子オフィシャルサイト
*4 塩ビ樹脂製品のマテリアル・リサイクルとLCA
*5 サーマルリサイクル
*6 プラスチックトゥモローVol.10

030107

 土星*1は水に浮くか。土星の平均比重は約0.7と考えられている。水は比重が1なので水よりも軽いことになる。もし土星を水に入れれば浮いてしまう*2だろう、とよく書かれている。本当だろうか。

 「地球より大きな土星を浮かべる池はどこにある」とか「表面が液体*3だから水に入れると表面が溶けてしまうのではないか」とか「水に入れると輪っか*4が外れるだろうから、それでも土星というのか」といった疑問ではない。

 土星が剛体*5であるとしてその比重が0.7とする。直径が1m程度の球であればプールに入れれば水に浮かぶかどうかは簡単に実験できる。しかし土星は直径が10万km以上ある。これを浮かべるためには相当大きなプールが必要である。果たしてそんな大きなプールが用意できるのだろうか。

 水に物が浮く*6というのは重力がある*7からである。重力が無ければ物が浮くとか沈むとかは言えない。従って宇宙空間に巨大なプールを作るだけでは土星が浮くかどうかは実験できない。何か重力を生み出すような天体の上にプールを作らなければならないだろう。

 その天体の大きさはどれくらい必要だろう。プールの深さは10万km以上ないと土星が浮いているか沈んでいるかを確認出来るかどうか心配である。プールの広さはどれくらい必要だろう。一辺が15万kmあれば十分だろう。そんなプールを作ることが出来る天体の大きさは少なくとも直径30万kmぐらいないと駄目であろう。

 そうなると木星の直径*8の2倍ぐらいの天体を探してこなければならない。褐色矮星*9という恒星と太陽系の惑星*10型の天体との中間的な質量を持つ天体があるらしい。これにプールを作らなければならない。

 褐色矮星*11は木星や土星のようなガスで出来た天体であるらしい。地球のように表面が硬ければコンクリートを流し込んでプールを作ること出来るかも知れないが、土台が液体か気体ではプールを作るのは不可能だろう。

 それでは水だけで出来た天体を用意すればいいだろう。天体の表面から中心まで全て水で出来た巨大な水の球である。無重力のであれば水は球になる*12ので、水だけの天体を作るのは可能だろう。重力はどうするか。水自体の質量によって重力が発生しているはずなので、宇宙空間でとにかく水だけを集めればいいだろう。

 直径30万kmの水だけの天体を作ろうと思い、せっせと水を集めていると自分の重力による圧縮で中心部の温度がどんどん上昇していく。木星の内部では水素が2万度ぐらい*13になっているらしいから、恐らくこの「水の星」の中心温度はかなり高くなるだろう。どれくらいの温度になるのか。計算は相当難しそうな気がする。木星の倍の大きさの水の球だから結構高い温度ではないだろうか。

 水は2500度以上では水素と酸素に分解してしまう*14。そうなると既に中心部では水ではなくなっている。

 更に水でなくなった中心部分の周りでも相当温度が上がっているので、とても水は液体の状態を保てない*15だろう。一方、「水の星」の最表面は常に宇宙空間に熱を放出しているので温度が下がってしまい氷になっているだろう。これは太陽の近くにこの星を置いておけば解決できる問題かも知れない。

 こう考えていくと少なくとも土星を浮かべることができる深さ15万kmの液体状態の水の層を持った「水の星」をつくることは不可能であることが判る。

 従って「土星は水に浮かばない」ということになる。



*1 土星
*2 Google 検索: 土星 水に浮く
*3 太陽系・土星
*4 土星探査
*5 goo [国語辞典]: 剛体
*6 浮力
*7 最新の宇宙授業
*8 木星
*9 褐色矮星の意外な正体
*10 連星
*11 星と星雲
*12 宇宙の不思議 うそ、ほんと -宇宙でくらす/つくる (2)-
*13 日本惑星協会 惑星を知ろう...[ 木 星 ]
*14 超高温に加熱すると
*15 超臨界水とはなんぞや?

030108

 去年に買い換えた自動車の燃費が悪すぎる*1、と以前に書いた。巷で言われている燃費が良くなる後付け商品*2を色々検討したが、どれもよく理屈がよく判らないので結局何も付けなかった。

 「アーシング*3」という自動車全体の電気抵抗を下げて点火プラグの電圧を少しでも高めて着火効率を上げると言う考え方の燃費向上法を試してみたくて仕方なかったが、考えている内にやはりそれ程変化は出ないと思えてきた。

 そこで物理的に明確に効果がある方法を試すことにした。これは自動車の性能を向上させるという積極的な方法ではないので、何となく実行するのをためらっていた。やはり燃費向上といえば何か仕組みを工夫した性能向上と考えてしまうのが人情だろう。しかし燃料を節約できればどんな方法でもいいのである。

 ガソリンタンクを満タンにすることを止めたのである。ガソリンスタンドでガソリンを入れる時は常に半分程度にすることにした。ガソリンタンクの容量は63Lなので、大体30Lぐらいしか入れないようにしたのである。これによって満タンにしてガソリン補給ランプが点灯まで乗り続けられる距離は半分になるが、余分な30L分のガソリンの重さを乗せて走る距離はなくなる。ガソリンの比重*4は0.75ぐらいだから30L×0.75=22.5kg軽量化できるのである。

 軽くなればそれだけ走るのに力は少なく済むので絶対に燃費が向上する。今の自動車には何km走るのにどれだけガソリンを使ったかを示す燃費計*5が付いているので燃費の計測が簡単である。前の自動車*6には燃費計は付いていなかった。燃費を計測するにはガソリンを補給する時に常に満タンにして、その状態から走行距離を計測する。次の補給で満タンにした時に入れたガソリンの量でそれまでの走行距離を割って算出していた。所謂「満タン法*7」である。燃費計がないと満タン法でしかちゃんとした燃費が出せないので、燃費向上に不利と判っていてもついつい満タンに入れてしまったのである。

 「満タン」ではなく「半タン」によって燃費がどれくらい向上したかは結局の所、明確には判らないが、6.8km/Lが7.2km/L程度になっているので、測定値にも効果は現れていると言えるかもしれない。測定値はともかく、物理的には燃費が向上しているはずなので、これはこれでよしとしよう。

 せせこましい話しだし、自分の経済力でガソリンを買うのだからどう使おうが勝手ではないか、と思われるかも知れないが、地球温暖化*8に自分も直接荷担しているとなればこういうことを少しは考えなければなるまい。



*1 自動車のアース
*2 理屈でおぼえる燃費向上ドライビング
*3 アーシング
*4 3-6-3-5 自動車社会と地球温暖化
*5 燃費計
*6 JAF
*7 札幌トヨタ自動車株式会社 車のお話
*8 地球温暖化問題

030109

 以前に乗っていた自動車*1ミニカーを探すのはかなり苦労した*2一般にいう金属製のミニカー*3は見つからず、プラモデルで我慢した。しかもそのプラモデル*4も一般的なものではなく、ガレージキット*5と呼ばれる少量生産のプラスチック製の模型が何とかあったという程度だった。模型を探したりするのが面倒なので、今度、買い換える時はミニカーがあるような自動車にしようと誓った。

 去年に買った自動車はBMW*6なのでミニカーの心配はない筈である。海外の自動車メーカは車種が少なく、しかもミニカーメーカが圧倒的に多そうである。しかもディーラーがミニカーを販売している*7ぐらいだから全く心配は要らない。

 ところがなかなか手に入らない。ディーラのミニカーはいつも品切れである。それに少し値段が高いので注文してまでは、と思ってしまう。何かのついでに玩具屋などを覗いていたが、簡単に見つからなかった。

 先日、とうとう見つけた。Hongwell*8という海外のミニカーメーカ製である。このメーカはBMW、ダイムラー・クライスラー、フォード、いすゞ、三菱自動車の許可を受けてミニカーを作っていると説明書に書いてあった。

 値段は690円だった。非常に納得のいく値段である。 ところが色が赤*9なのである。家の自動車は銀色なので出来れば銀色が欲しい。塗り直してみたいが、無茶苦茶になりそうなので我慢しておく。



*1 corona.jpg
*2 ミニカー
*3 TOMICA DREAM MOTORS
*4 Tamiya Japan Home Page (田宮模型のホームページ)
*5 NEKO WORKS Dino RS
*6 新車購入
*7 BMW Japan BMW automobile
*8 HONGWELL TOYS LIMITED
*9 320i.jpg

030110

 家にあるテレビジョン受像器*1が出している色は、その映像の制作者が意図した本来の色なのかどうか気になる。特に最近DVD*2をよく見るので、気になりだした。気になると何とかしたくなってくる。諦めようとすれば諦められるのだが、それには結構時間がかかるのでつい行動してしまう。

 自分好みの色というか色調というのがある。例えばソニーのブラウン管*3の色がいいとか日立のキドカラー*4の発色が好みだとかはあるが、本来の色かどうかは別問題である。

 本来の色かどうかは基準の画像を映し出してそれがちゃんとした色で映っているかどうかを見ればよい。ブラウン管に映し出された色がちゃんとした色かどうかは何か基準になる物と比較しなければならない。

 基準の画像が記録されているDVDやビデオをを単に再生しても、現在映っている基準画像が正しく見えているかどうかわからない。一体どうやってブラウン管を調整すればいいのだろうか。とにかく基準画像入りのDVDを入手して説明書通りに操作すれば上手く調整が完了するだろうと考えて、そんなDVDを探した。

 最初に見つけたの「DVDビデオ用テストディスクSONY HLX-N1*5」であった。説明には「DVDプレーヤーの設計・製造・サービスにおける一般動作、及び再生特性確認を目的にデザインされました」とある。これさえあれば色調整は完璧、と思ってしまう。しかし値段が12000円と想像を遙かに超えている。これでは購入を躊躇せねばなるまい。

 次に見つけたのは「Video Essentials*6」である。包装の箱を見ただけで「これがそれだ」と言いたくなる。通販*7で手に入れようとしたが、品切れ中だった。

 もう一つ見つけた。これ*8を買った。画像調整だけでなく家庭内用視聴覚システム*9構築も含まれている。最初の方で、スピーカーコードの付け方など恐ろしいくらい初歩的な解説が出てきた。何じゃこれは、と思ったが、見ていくうちにどんどん玄人志向*10になって、巻末にはわけの分からぬテストパターン*11が沢山入っていたので安心した。といっても巻末のテストパターンは使わないだろう。

 画像の色合わせは同梱されていた赤青緑のそれぞれのフィルムを使って行うようになっていた。フィルムを通して決められた基準画像を眺めて、説明の通りに見えるようにすると色が合ったということになる、らしい。「らしい」というのは全編が英語での解説なので少し自信がないのである。

 なんとか調整してみた。我流で調整した時よりも色は自然になっているような気がする。



*1 テレビを買った
*2 DVD
*3 コンピューターディスプレイ総合カタログ
*4 ネオンの歴史(1984年)
*5 エドモンドのホームページ 製品情報
*6 Video Essentials, Joe Kane's Audio/Video Calibration Disc
*7 Amazon.co.jp: Amazon.co.jp and you're done.
*8 Ovation Software: Avia
*9 ホームシアターWEB
*10 玄人志向 [KUROUTO SHIKOU]
*11 Test Pattern Collection

030111

 マグリット*1というと海の上空に浮く巨大な岩の絵*2とか、森の中で乗馬をする貴婦人の絵*3とか、飛び立とうとしている巨大な鳩の影が雲の浮かんだ青空になっている絵*4とか、これはパイプではないと解説されたパイプの絵*5などで有名なベルギーの画家*6である。

 こんな絵*7を見つけた。頭をびしっと整えて背広を着た画家がチェス盤の上の駒を見ながらキャンバスに色を付けている。しかしそのキャンバスに描かれているのは碁盤と白黒の碁石である。

 描かれている画家はマグリット本人*8である。駄洒落に近い絵だ。「これはパイプではない*9」とそんなに違いはないかもしれないが、「チェスと囲碁」の方が駄洒落度合いが高い。

 どうも気になるのでマグリット*10の作品をいろいろ見ていたら、この絵*11があった。卵を見ながら鳩の絵を描いているマグリットの自画像である。「チェスと囲碁」はこの絵のパロディーだったのだ。どうしてチェスが囲碁になるのかを考えてみるとチェス盤の市松模様が囲碁を連想させたのではないだろうか。しかしパロディーの作者が西洋人ならば、チェスからは「チェッカーcheckers*12」ではないだろうか。同様な絵がもう一つ*13あった。盤面は全く同じである。マグリットと囲碁とは何か深い関係*14があるのだろうか。

 ついでにこういう写真も見つけた*15。マグリットが卵を見ながら鳩の絵を描く自画像を、その描かれている自画像と同じ構図でキャンバスに向かっているマグリットを写した写真である。



*1 ルネ・マグリット
*2 Castle in the Pyrenees,1959
*3 CGFA- Magritte: The Blank Check
*4 new_lagrandefamiglia.jpg
*5 ART 212 STUDY PRINTS
*6 Rene Magritte - Art Images - OCAIW [Orazio Centaro's Art Images on the Web]
*7 ???? (C) A. Borrel
*8 Masters of Photography: Lothar Wolleh
*9 E-Ethics Vol. I, No. VI.
*10 Welcome to the Magritte Site
*11 magritte_clairvoyance.1936.jpg
*12 オトナのゲーム専科
*13 Magritte
*14 European Go Federation
*15 VCS - Exsikkator / November 1998 - Magritte

030112

 気に入っている表現に「一日一万円使い続けても、十万円を使い切るのに十日かかるほどの財産を築き上げた」とか「彼は死ぬまで生き続けた」というのがある。前者は小林まこと*1の「マンガの描き方」という漫画に出てきた。後者は筒井康隆*2の乱調文学大事典で見つけた。

 何かの機会に使いたいと思っているが、なかなかないのでここで使ってみた。



*1 小林まこと@まんぱら
*2 筒井康隆ホームページ

030113

 英語辞書を安く手に入れた。前々から欲しかった英語辞書である。研究社*1リーダーズ英和辞典第二版*2である。

 古本屋*3で買った。表紙が革で仕上げてあるので新本で買えば一万円だが、古本屋では2000円だった。いくら古本でも安すぎるので、これは買うしかないと思い即座に買った。

 安い原因として箱の角の部分が著しく潰れているのがあるだろう。中身の辞書には殆どその影響がなく、角がわずかに皺が付いている程度で殆ど解らない。しかも殆ど使った様子がないので非常に綺麗である。

 古くからある個人商の古本屋と違い、大量販売型の古本屋では辞書や事典など大きくて売れにくい本は出来るだけ置きたくないのかも知れない。従って値段にもそういった意思が表れていたのだろう。そういうのを狙って買いに行くのいいかもしれない。

 ただ、欲しいと思って探すと大抵の物は見つからないのが世の常なのでそう上手くはいかないだろう。今回の場合も何となく立ち寄ったら丁度見つけたのである。

 何か無いかとちょくちょく出向くのは面倒なのでwebなどで毎日古本の在庫状態を公開してくれると非常に助かる。こういうサービスをしている古本屋はないだろうか。



*1 研究社トップページ
*2 リーダーズ英和辞典 第2版(革装)
*3 ブックオフ・BOOKOFF

030114

 安藤広重*1の東海道五十三次に面白い謎があることを知った。広重の浮世絵の中に色々と判じ物*2が隠されているということは以前書いた。今回知ったのは判じ物なのか何なのか、その意図が解明されていない図柄である。

 浮世絵に登場する人物の足の指が六本になっているものが何点かあるらしい。例えばこの藤枝宿*3の絵がそうであるらしい。原画を見ればどの人の足の指が六本か判るのだろうが、web上の絵ではどれも六本指に見えてしまう。この日本橋*4の絵にも六本指が隠されているらしいが、どれもそう見えてしまう。

 ついでに今回筆者は初めて知ったのだが、広重の東海道五十三次には沢山の版がある*5らしい。日本橋の絵だけでも8枚ある*6。どの版に六本指が隠されているのか詳しくは知らない。

 何のために「六本指」を描いたのか。偽造品との判別の為ではないかという説がある。こういう偽造品対策は紙幣などの隠し文字を思い出させる。

 かつて日本の紙幣の模様の中に隠し文字*7が入れられていた。キリンビールのキリンのマークには現在も隠し文字*8が入っている。

 住宅地図*9や道路地図にも隠し文字というか隠し道というのがあるというのを聞いたことがある。地図は実際の道路や家並みを元にして作るので、誰が作っても大体同じになる。他人が作った地図をそのまま複写して売り出しても「またま同じ地図になった」と主張されたら反論しにくい。そこで地図を作る人は実際にはない道路や家をこっそり地図の中に入れておいて勝手に複写をされた時の証拠にするという。

 広重もそういうつもりかどうか判らないが、苦労をただ乗りされないため*10に人は色々工夫するものである。



*1 永谷園のカード
*2 広重
*3 THE WOODBLOCK PRINTS OF ANDO HIROSHIGE 23_Fujieda.jpg
*4 Connecticut College's Print Collection 077b.jpg
*5 Hiroshige - Tokaido Road
*6 ANDO HIROSHIGE TOKAIDO EDITIONS 1 - NIHONBASHI
*7 (新)近現代・日本のお金 B号板垣100円券の研究 よりみち
*8 キリン「カンパ〜イ!!ラガー」 - ラガーをもっと知ろう!
*9 ZENRIN
*10 機械の暗号

030115

 面白い形の温度計*1店頭*2で見かけたのでついつい買ってしまった。

 ドイツ製の温度計である。この温度計を製造している会社はTFA*3という会社でガリレオ温度計*4も作っているようだ。ガリレオ温度計*5もTFAではないが、家にある。

 アルコール温度計*6であるが、よく見かける棒温度計*7のように液の色は赤ではなく青色である。そして液溜めの部分が渦巻き*8になっているのである。こんな温度計を見たら買うしかないだろう。

 温度計の写真*8は部屋の中で撮影した。温度が21℃を示しているが、これは実際の部屋の温度ではない。卓上の白熱電灯*9の下で撮影したので、その影響で数度も上がってしまった。普通の温度計の丸い液溜よりも体積と表面積とが大きいのでちょっとした温度変化に反応し易くなっているのだろうか。



*1 ガリレオ温度計
*2 丸善店舗のご案内
*3 TFA - Ideen zum Messen
*4 Ergebniss
*5 ガリレオ温度計(2)
*6 温度計の総合メーカー<株式会社アイシー> - スタンダード -信頼の高精度&ニューデザイン
*7 杉原先生の理科室 温度計
*8 TFA.jpg
*9 バイオライト(2)

030116

 ゲルマニウムラジオ*1を買った。

 ゲルマニウムラジオとの最初の出会いは通信販売であった。小学生の頃、漫画雑誌の最後の方のページにはよく通信販売の広告*2が載っていた。

 子供向けの通信販売なので代金は切手で支払うことが出来た。商品の値段と同額になるように切手を同封して送ると品物が送られてきた。少ない小遣いを貯めたり、家の茶箪笥の引き出しの中に入っていた切手をかき集めて送ったりしていた。

 一番欲しかったのは何故かしらラジオだった。広告には「電池不要でダイヤルをあわせると、とてもよくきこえる」などと書いてあった。電池がなくてもラジオが聞けるという今までの自分の常識を覆したところに猛烈に惹かれていたのだった。一体どんな仕組みだろう、とにかく手に入れたい、小遣いと茶箪笥の中の切手で手に入れることができた。

 かつて一般家庭にあった電話はダイヤル式の黒電話*3であった。ダイヤルの指止めの部分にラジオから出ている電線をクリップではさんで接続するだけでイヤホンからラジオの音が聞こえてきた。電源は一切要らない。これが嬉しくて聞きたいラジオ番組があるわけでもないのにしばらくの間はイヤホンを耳にしたまま聞きながら寝ていた。

 小学生の頃に買ったゲルマニウムラジオは完成品だったが、今回買ったのは組み立て品*4である。科学教材社*5というところが販売している。スパイダーコイル式*6である。コイルも自分で巻く。小学生の頃に買ったのはロケットの形*7をしていてこのようなスパイダーコイルはなかった。

 スパイダーコイルは70回も巻かなければならなかった*6。途中で一巻きか二巻きぐらいは間違えているような気がする。そのせいかどうか判らないが、この地域では4局から5局の放送が聞けるはずだが、2局しか聞こえない。

 筆者は組み立てキットを組み立てただけだが、透明アクリル板を使って作ったりする人*8これら*9これ*10のようにかなり凝ったゲルマニウムラジオを作っている人がいることを知った。



*1 簡単な応用:ゲルマラジオと電話器
*2 通販グッズ まつみ商会
*3 ネタブラカダブラ
*4 スパイダー式ゲルマラジオキット
*5 科学教材社のホームページへようこそ
*6 スパイダーコイルの製作(AM用)
*7 VINTAGE RADIO 古典ラヂオ・ミニミニ博物館 RADIO Room
*8 BCL Dial Handmade Germanium Radio "Twilight Radio Set"
*9 バイオライト(2)
*10 Gollumμs Guest page
*11 Dave's Homemade Crystal Sets

030117

 北斎漫画*1の一枚刷りを手に入れた。芸艸堂(うんそうどう)*2という出版社で売っていた。江戸時代に作られた木版を使って和紙に刷ったものである。木版は江戸時代だが紙と絵の具は現代のもの*3である。

 絵柄は白沢(はくたく)*4である。白沢は魔除けとしても知られる。色々な絵柄の一枚刷りがあったが、何となくこれを選んで買ってきた*5。A4ぐらいの大きさで左半分に「白沢」、右半分にはみみず*6、蛾、ヒル*7など色んな虫が描かれている。わざわざこんな虫を絵にするのが面白い。

 もともと2000円で売っていたのだが、紙に少し皺があるのでまけてくれと言ったら1800円にして貰えた。現在、額に入れて飾ってある。家族には評判が良くない。

*1 木版本/北斎漫画【うんそうどう】
*2 美術書出版 株式会社 芸艸堂
*3 『北斎漫画』制作風景【うんそうどう】
*4 白沢
*5 hokusaimanga.jpg
*6 ヤマトヒメミミズ
*7 コウガイヒル

030118

 物理量を表す単位で唯一東洋人の名前が付けられたのは、微小な長さを表す単位で「Y(Yukawa)*1」しかない、ということを以前書いた。どれくらいの長さを表す単位かというと10のマイナス15乗mである。湯川秀樹*2の中間子理論が由来らしい。陽子や中性子は中間子をやり取りすることで互いを強く結びつけている。その*3を核力と呼び、その力*4の及ぶ距離が大体これぐらい*5だという。電磁力は質量を持たない光子*6を交換することにより力が発生するのでどこまでも力が及ぶが、核力の場合、力を発生させる中間子に質量があるため極近い距離にしか作用しないと考えられている。

 英語で書かれたページでもこの「Yukawa*7」という単位の紹介があるので、一応、世界に知られた単位なのであろう。しかしこの「Yukawa」を紹介したページにも書いてあるように「fermi」と言う単位と同じ長さである。fermiとはローマ出身の物理学者Enrico Fermi*8に因む。世界的には「fermi*9」という単位の方が圧倒的に知られているらしい。

 最近は量を表すのにある現象に対して独特な単位を用いずにSI単位系と呼ばれる統一された単位系*10を使う風潮になっている。光の波長の長さを表すのによく使われる「オングストローム*11」もメートルに換算して使うようになった。気圧を表す「バール(ミリバール)」も圧力を表すSI単位の「パスカル*12(ヘクトパスカル)」もそうである。

 「Yukawa」や「fermi」も同様にメートルに換算して表す。いちいち「10の何乗」というのは面倒なのでSI単位系では10の整数倍乗を表す接頭語が用意されている。「k(キロ103)」「m(ミリ10-3)」「h(ヘクト102)」「c(センチ10-2)」というのがそうである。細かく接頭語を決めても煩雑になるばかりだから、乗数が3または-3より大きくなると1000(103)または0.001(10-3)の整数倍乗になっている。つまり「M(メガ106)」「G(ギガ109)」「μ(マイクロ10-6)」「n(ナノ10-9)」のように乗数が3の倍数になっている。

 「Yukawa」や「fermi」は10のマイナス15乗mなので、メートルmに「10-15」を表す接頭語を付ければよい。10-15は「f(フェムト)」である。従って「1Yukawa」「1fermi」は「1fm」となる。

 普段、「Yukawa」を使っていて今度から「fフェムト」を使おうということになると抵抗を感じるが、「fermi」を使っていればどちらも「fe-」で始まる言葉なので違和感なく「fmフェムトメートル」に移行できる。しかも「1fermi」は「1fm」と略して表記していただろうから、気にする必要も全くない。

 この接頭語の「fフェムト」はmメートルと組み合わせた時にうまく「fermi」と同じになるように決めた、という説があることを最近知った。本当にそんな事があるのだろうか。そうだとすると東洋人名唯一の物理量単位「Yukawa」は完全に無視されたと言うことになる。



*1 YukawaとFermi
*2 湯川秀樹
*3 JLC hep (Japanese)
*4 Nuclear Physics
*5 原子核構造理論の発展と現在--殻模型を中心として--
*6 ヒッグス粒子と質量
*7 yukawa
*8 Enrico Fermi | Physicist
*9 fermi
*10 国際単位系-計量研究所
*11 オングストローム
*12 ガリレオは何故「ガリレオ」なのか

030119

 昨日*1の続き。それでは10-15を表す接頭語「フェムトfemto*2」はどこから来た言葉なのか。

 語源はデンマーク語かノルウェー語で「15」を表す言葉「femton*3」から作ったらしい。ついでにfemto-よりもう一回り小さい接頭語「a(atto- アト10-18*4」も語源が同様でデンマーク語かノルウェー語の「18」を表す言葉「atten*5」から作ったようだ。

 接頭語の語源が殆どラテン語、ギリシャ語の由来*6なのに何故デンマーク語などという言語の単語から作ったのだろうか。

 「フェムトメートル」と「フェルミ」をあわせるために無理矢理持ってきたとと考えるのが普通かも知れない。この接頭語を制定したのは1964年らしい。同じデンマーク語が語源の「アト」も1964年である。それでは「アト10-18」もどうしてデンマーク語から持ってきたのだろうか。「フェムト・フェルミ」計画の隠れ蓑とするためなのか。

 こういった乗数の大きな接頭語は長さ、重さ、時間のような基本的な単位にしか用いることはないだろう。もしかしたら「アト」もメートルに付けることを前提に考えたのかも知れない。「atto-」+「m」で「atom*7」となって最小の単位という意味にしたかったのだろうか。



*1 YukawaとFermi(2)
*2 Trivia - Metric Prefixes
*3 femto-. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*4 Measurements, Units of Measurement, Weights and Measures - Numericana
*5 atto-. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*6 原子から宇宙まで
*7 Kurashino nakano Houshasen (p.7)

030120

 輪ゴムの箱が昔から気になっていた。つい最近、プロのデザイナーがその意匠を考えたと言うことを知った。

 その輪ゴムというのは「オーバンド*1」と言う名前の輪ゴムで大阪の株式会社 共和*2という会社の製品である。

 この「オーバンド」の箱の意匠を考えた人は今竹七郎という人らしい。この人はメンソレータムの看護婦さん*3も作ったようだ。他にどんな絵がweb上にあるか調べてみたら「救国貯蓄特別運動のポスター*4」「住友銀行のポスター*5」「ランラン香油*6」などがあった。

 オーバンドには類似品が沢山*7あるようだ。オーバンドが売れているのは箱の意匠のお陰ではなく輪ゴムの品質によるものである。輪ゴムはどれも大体同じような色形をしているので、その包装用の箱がブランド*8になる。そしてそのブランドに便乗しようとして多くの類似意匠の箱が出現してくることになる。これは今竹七郎でなくてもどんな意匠でも同じ様な結果になるだろう。

 ただ、筆者のように特に輪ゴムと関係がない人が「気になる意匠」ということは、それだけ商品を手に取る機会が増えるということになる。売り上げにも相当貢献しているはずである。沢山考えた分は儲けが多くなると言うことだろう。

 オーバンドは形がローマ字の「O」だから「オーバンド」なのだろう。「オーリング(Oリング)*9」というものもある。これはゴム製の輪*10であるが、形が「O」だから*11ではない。ゴム輪の断面が「O」だからである。因みにオーバンドの断面は四角である。



*1 カタログオーバンド標準バンド
*2 株式会社共和WEBメニュー
*3 図書館流通センター(TRC) 03005688.jpg
*4 The Confusion Era "March 1st to the 31st: National Bond Campaign for Reconstruction. The Sumitomo Bank Is Being Renamed the Osaka Bank"
*5 The Confusion Era "Let's All Make a Bright Future for Japan: Sumitomo Bank"
*6 Design Library Image Collection 'Imatake, Shichiro'
*7 それはオーバンドから始まった
*8 ブランド志向
*9 Oリング
*10 松村石油株式会社 電子材料製品
*11 オーリングテストクリニック

030121

 マグリットの絵*1こんな絵*2があった。ミカンせいじん*3によく似ている。



*1 マグリットと囲碁
*2 L'art de vivre
*3 ミカンせいじん計画

030122

 何か高価な物を買う時には、通常の店頭で買う時でも、通信販売で買う時でも「価格.com*1」での最低の値段を確認するようにしている。このサイトでは買おうとしている商品がどこの店で一番安くいくらで売っているかという情報を常に発信している。小売り業者は不当な安売りでない限り、どんな値段でも設定できるので、同じ商品でも値段の幅が出来てくる。沢山の店をいちいち廻って調べることの出来ない消費者にとってこういった情報は非常に有用である。

 商品の値段は販売者と消費者とで形成される市場によって決められ、販売者同士の競争によっても決められる。国内で出版される書籍のようにどこで買っても値段は同じ*2、というわけにはいかない。大抵の商品の製造業者は製品の販売価格を卸業者や小売り販売者に対して強制することが出来ない*3。市場の健全な発展を阻害する行為は独禁法で禁止*4されている。

 だから製造業者は製品の包装に値段を表示する時は「標準小売価格」とか「理想価格*5」という言葉を添えて、その価格で売って欲しいけど価格を拘束している訳ではないことを主張しているのである。最近、標準小売価格よりも安く売られる場合が多い家電製品などは「オープン価格*6」という様に値段そのものを表示しない製品が増えてきている。

 商品の適正価格とはどうやって決まるか。消費者の価値観とその商品の価格とが合致した時が適正価格だろう。だから標準小売価格がいくらで、店頭の売価がいくらだからその商品を買うと言うわけではなく、店頭で売価を表示されてそれを消費者が見て自分の価値観と合致した時点で購入を決定する筈である。

 従って全ての商品で「オープン価格」として正札だけで十分な筈であるが、実状は筆者を含めた大抵の人は自分の価値観に確固たる自信がないので「標準小売価格」が表示されていた方が判断がし易いし、納得もし易い。更に筆者を含めて金銭に執着している人は他人より高い値段で買うと、本来他人が買った値段で買えるのに余分な金を使ってしまったと嘆かなければならない。これでは商品の価値と自分の価値観が合致したと思っていても、その事実を知った瞬間、自動的に「損をした」と思ってしまう。これはまさに損である。

 これを避けるためには市場での最低価格を的確に知ることである。「価格.com」ではこの情報を瞬時にして集められる。検索サイト*7で「価格*8」と入力すれば一番上に出てくるので、インターネットが見られるところであればどこでも最低価格を知ることが出来る。

 ある時、「価格.com」と入力するつもりで「価格混む(かかくコム)」と入力して検索したことがあった。「価格混む」でも検索できた*9



*1 ¥価格.com¥
*2 「なぜ著作物再販制度を問題にするのか」
*3 再販制度
*4 I 独占禁止法は何のためにあるのでしょうか
*5 プリントゴッコワールド−PG-5
*6 家電のオープン価格/ 大手町博士のゼミナール/読売@マネー
*7 Google
*8 Google 検索: 価格
*9 Google 検索: 価格混む

030123

 ある読者の方との電子メールのやり取りでジャンヌ・ダルクのことが話題になった。ジャンヌ・ダルクは英語で書くと「Joan of Arc*1(アークのジョーン)」となる。本家のフランス語ならば「Jeanne d'Arc」で、やはり「アルクのジャンヌ」である。一体「Arc」とは何のことかということになった。

 英語では別名を「the Maid of Orleans(オルレアンの生娘)」というらしい。フランス語では「la pucelle d'Orléans」というようだ。これも「オルレアンの生娘」という意味である。オルレアン*2とはジャンヌ・ダルクの活躍によってイギリス軍の占領から解放された都市*3である。ジャンヌダルクの出身地もしくは住んでいた所ではない。

 ジャンヌ・ダルクは「ドンレミーDomrémy*4」という村で生まれた。現在はDomrémy-la-pucelle*5という名前である。「la-pucelle」はジャンヌ・ダルクを指している。

 出身地や住んでいる地名が名前やあだ名になることはよくある。「森の石松*6」や「吉良の仁吉*7」、「レオナル・ド・ビンチ*8」などがある。現代でも「どこそこの○○」というあだ名の付け方はよくする。

 ではドンレミーDomrémy村出身の「ジャンヌ・ダルクJeanne d'Arc」の「アルクArc」とは一体何なのか。

 このページ*9にその由来らしきことが書いてあった。ジャンヌ・ダルクの父親の名前は「Jacques Darc」*10なので、ジャンヌ・ダルクのダルクは彼女の父親の名前が由来である。Domrémy*11村の南西約40kmに「Arc en Barrois*12」、北東約30kmに「Art sur Meurthe*13」という地名があって、恐らくこれらのどちらかから「Arc」の名前が出て来たというのだ。「Art sur Meurthe」の場合は綴りが「Arc」と少し違うが、当時は「Art」の代わりに「Arc」「Ars」「Ai」と綴られることもあったらしい。

 「Darc」と表記されたのは、ジャンヌ・ダルクが生きていた中世には省略を表す「アポストロフィ(')」がなかったためのようだ。父親「Jacques Darc」の「Darc」の綴りは他に「Tarc」「Daix」「Dare」「Day」*10という表記が残っているらしい。これらの表記は書記が適当に書いてしまったためだという。特に最後に「c」がくる表記は少なくて、それが「t」になったり「e」になったりしたらしい。

 アポストロフィ付きの「Jeanne d'Arc」という表記が最初に出てきたのは1576年であった。

 結局、「Arc」の由来は、ジャンヌ・ダルクの出身地近くに「Arc」と付く地名があるということだけである。ジャンヌ・ダルクの父親の出身がそこだという証拠がないので、根拠があるようでない様な由来である。



*1 The Messenger : The story of Joan of Arc
*2 宇都宮市のホームページ オルレアン市
*3 Welcome to CLAIR オルレアン市
*4 Histoire de Jeanne d'Arc 2.ドンレミーの村
*5 じぇむ・ふらんす ドンレミー・ラ・ピュセル
*6 遠州森の石松
*7 吉良の仁吉
*8 レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ
*9 D'ou vient le nom de Jeanne d'Arc ?
*10 Joan of Arc (Jeanne d'Arc): Family Tree, entry for Jacques Darc
*11 Ismap.com, locate addresses and local services in Europe: DOMREMY-LA-PUCELLE
*12 Ismap.com, locate addresses and local services in Europe: Arc en Barrois
*13 Ismap.com, locate addresses and local services in Europe: Art sur Meurthe

030124

 最近、生ゴミの肥料化に凝っている。生ゴミを蓋がしっかり閉まるバケツ*1の中に入れて、その生ゴミを発酵させる発酵資材*2と混ぜるのである。発酵資材は通常「ボカシ*3」と呼ばれている。

 容器を密閉させるのは「ボカシ」の中に入っているごみを発酵させる細菌が酸素を嫌うからである。酸素があると活動が衰えて死滅する。これは猛毒を発生するボツリヌス菌*4破傷風菌*5と同じで「嫌気性細菌*6」と呼ばれる。

 ボカシの中に入っている細菌*7乳酸菌*8放線菌*9光合成細菌*10酵母菌*11などらしい。

 生ゴミとボカシを混ぜただけではすぐに堆肥はできない。熟成が必要である。二週間ぐらいは必要と言う。生ゴミは殆ど毎日発生するので、バケツを二個用意して一つが熟成期間中はもう一つのバケツに生ゴミとボカシを入れるようにして交互に使っている。

 それにしても「ボカシ*12」というのは変な名前である。何をぼかしているのだろう。「局所部分*13をぼかす」とか「話をぼかす」といった具合に使うが、生ゴミと「ボカシ」はどういう関係があるのだろう。

 いつ頃からある言葉なのか。何となくだが、酒の醸造*14に関係する言葉かと思って色々調べてみた。が、全く判らない。

 生ゴミとなった野菜の欠片や魚の骨などが発酵していき、形が判然としなくなる様子を「ぼける」と表現し、そういう状態にすることを「ぼかす」、そしてそれが名詞化して「ボカシ」になったのだろうか。



*1 アロン化成 ボカシ肥料容器、コンポエース
*2 高温発酵資材について
*3 資源開発【ぼかし肥ネット】
*4 ボツリヌス菌培養装置
*5 夜爪
*6 ミクロの世界のハンター!?−30億年前の生命を追う!?−2−
*7 誰にでもできるEM生ごみ処理で、リサイクルを実感しましょう。
*8 日本乳酸菌学会
*9 日本放線菌学会
*10 光合成細菌アピノス
*11 現代農業2000年10月号発酵ってなに?〜酵母菌
*12 瀬戸内のみかん屋−ボカシ肥料の作り方−
*13 天下の奇祭
*14 酒造工程 「高砂」が出来るまで

030125

 先日のジャンヌ・ダルクの記事*1を読み返したら、「レオナルド・ダ・ビンチ」が「レオナ・ビンチ」になっていた。「ダ・ビンチ*2」と「土瓶*3」とでは相当違う。いや、よく見ると、似ているか。「ド・ビンチ」「ドビン」「アラビンドビンハゲチャビン*4」と連想が広がって、結構笑えた。

 名前の文字を入れ換えたり区切りを変えただけで、元の名前の人と全くかけ離れた印象の名前になってしまうことがある。これを楽むサイト*5がある。「さかり さお*6」「つだいら *7」「ール・ッカートニー*8」など珠玉の名作が勢揃いである。

 このサイトは何度読んでも笑えてくる。



*1 ジャンヌ・ダルク
*2 Biographie Leonardo da Vinci
*3 土瓶・急須・ポット
*4 作品紹介1969-1971『ハクション大魔王』
*5 Sledge Hammer Web 苗字の最初の文字と名前の最初の文字を入れ替えてみました
*6 草刈正雄プロフィールページ
*7 松平健公式サイト−華鳥風月−/トップコンテンツページ
*8 Paul McCartney

030126

 「キャプテン・スカーレット」のDVD*1を買った。6枚組である。

 「キャプテン・スカーレット」とは大ヒット作のサンダーバード*2の後に作られたスーパーマリオネーション*3と呼ばれる精巧な操り人形の30分間ドラマである。今から30年以上前にテレビジョンで連続放映された。製作はサンダーバードもキャプテン・スカーレットも共にジェリー・アンダーソン*4である。

 このDVDを見ていて幼少の頃に疑問に思っていた台詞の意味が初めて解った。時代の設定は2068年で、この人形劇が製作されている当時から100年先を想定していた。その頃、人類は世界政府大統領の直属機関である国際平和機構「スペクトラム」を組織していたのであった。

 「スペクトラム」の隊員の間では「了解」と返事をする代わりに「S.I.G.」と答えていた。当時、この部分は吹き替えになっても「エス・アイ・ジー」のままだった。その意味は画面を見ていれば子供でも判ったのだが、聞き慣れない言葉なので一体何と言っているのか*5、幼少の頃の筆者も含め、学友達の間で大きな謎となっていた。

 「イエッサーシー(?)ではないか」とか、「いや、イエス・アイ・ドゥらしいぞ」などと噂されていたが、結局は判らずじまいだった。

 そして今ようやく判った。「S.I.G.」とは「Spectrum Is Green」の略で、色の状態が緑、つまり「それに関して問題なし」という意味らしい。逆の場合はどうなるか。「S.I.R.」Spectrum Is Redで「危険状態」を示すらしい。劇中でスカーレットがそう説明してくれていた。当時、この説明を学友全員が完全に見逃していたか、その説明が誰にも理解できなかったのだろう。



*1 TFC MOVIE DVD&VIDEO [作品タイトル]
*2 サンダーバードアゴー
*3 S.I.G. Homepage
*4 GERRY ANDERSON BIOGRAPHY
*5 アラン・ドロン

030127

 豊川稲荷*1に行った。稲荷は普通「神社」*2であるが、豊川稲荷は仏教系で、曹同宗の寺である。正式名称は円福山妙厳寺という。日本の神々は仏が姿を変えたものだという本地垂迹(ほんちすいじゃく)説*3からすると稲荷は荼枳尼天(だきにてん)*4というインドの神*5の化身と言うことになっている。豊川稲荷には鎮守としてこの荼枳尼天が祭られているのでこの名がある。本尊は千手観音である。

 江戸末期から豊川稲荷信仰が流行しているらしく、その流行は現代も続いている。筆者もその流行に乗って行ってみた。

 そこで沢山のお札を買ってきた。その中に「立春大吉*6」と「鎮防火燭*7」というのがある。「立春大吉*8」とは立春の日の早朝、禅寺の入り口の左右にはるお札である。立春で大吉とは如何にもおめでたい。しかも左右対称*9なので更におめでたい字面である。「鎮防火燭」は火の用心と同じ様な意味だろう。「火」の字が何やら「水」みたいな字になっている。しかも中心からずれているところがいい。本当に「火」の字なのだろうか。自信がなくなってきた。「立春大吉」の上にも何やら変な図形が書いてある。これも気に入っている。

 これらのお札には著作権がある筈だ。おそらくこのお札は団体名義で所有しているだろう。団体名義の著作権の有効期間は公表してから50年間*10だから、多分、有効期限は切れているだろう。そう勝手に考えてその画像をここに載せた。

 お札の効力は電子媒体でも変わらないのだろうか。モニタにお札の画像を描き出した瞬間から効力を発揮するのだろう。ハードディスク上で「1」「0」のデータでは駄目に違いない。

 印刷したらどうなるか。やはり印刷しても効力を同じように発揮するのだろう。何百枚何千枚刷っても効力は薄まらない。不思議と言えば不思議である。しかし考えてみれば「お札(ふだ)」ではなく「お札(さつ)*11」でも何枚刷っても価値は変わらないのだから、同じ理屈で効力が薄まらないのかも知れない。



*1 豊川稲荷
*2 Sight-seeing Japan 三大稲荷
*3 goo [国語辞典] 本地垂迹説
*4 goo [国語辞典] だきにてん
*5 ジャガーノート
*6 rissyun.jpg
*7 chinbou.jpg
*8 goo [国語辞典] 立春大吉
*9 対称形の名前
*10 はじめての著作権講座 著作権の保護期間はどれだけ?
*11 現在発行されている銀行券

030128

 我が家のインターネットはADSLでつなげている*1。ADSLは電話線を使ってつなげる。ADSL専用の電話線を引かない場合は今までの音声とADSLの信号が一緒の電線を伝わってくる。

 そこでそれぞれの信号を電気的に分離するために途中に「スプリッタ*2」という電子回路を入れることになっている。このスプリッタを入れずに直接電話線を電話につなげると何やらピーピー雑音が入ってうるさくなる。やはりスプリッタを入れないと駄目なようである。

 「splitterスプリッタ」とは英語で「分離させるもの」と言う意味である。スプリッタの入力は電話線のコンセントであるモジュラージャックと接続するようになっており、出力には電話とモデムとに接続するようになっている*3。電話線に混在して送られてきた信号をスプリッタで分離すると言うことである。

 電話線は本来、音声信号を伝えるため*4雀などの休憩所*5としてだけ存在していた。それに対して近年になってからインターネット用の信号も運ばれるようになった。

 だからスプリッタは電話線の主体である「音声信号」から「ADSL信号」を分離するという感じがしていた。音声がいわば幹線で、支線であるADSLがスプリッタから分離しているという感覚だった。

 どうも違うようである。むしろADSLが幹線で音声が支線と表現した方がいいかもしれない。現に我が家ではADSLのモデムには直接電話線が接続されていて、電話はスプリッタを介してつながっている。スプリッタ出力側のADSLのコネクタは空きになっている。スプリッタで支線に分離しているのは音声の方なのである。庇を貸して母屋を取られたみたいだ。



*1 ブロードバンド(4)
*2 RBB TODAY (ブロードバンド情報サイト) -:ADSL編(4) 〜G.liteではスプリッタが不要?〜
*3 ADSLモデム、スプリッタ、電話機の接続方法
*4 NTT西日本/データブック/電信電話のあゆみ
*5 倉田記念日立科学技術財団新聞記事

030129

 先日、ジャンヌ・ダルク*0の記事を書いた時に凄いサイトを見つけた。地図のサイト*1である。物凄く細かい所まで表示できる。ヨーロッパ大陸の国々とシンガポール*2イギリスはロンドンのみ*3が検索できる。

 どれくらい凄いかというとマピオン*4ではこれぐらいの細かさが精一杯だし、マップファン*5でもここまでである。昭文社の地図*6ではここまでだ。

 日本の場合、都市部の地図は上記のように細かいところまで検索できるが、観光地でも何でもないところ*7になるとかなり大雑把な地図しか見ることが出来ない。

 見つけたヨーロッパの地図サイトはこんな所まで拡大*8できる。これだけでは一体どこなのか判らないが、とにかくフランスの聞いたこともないような土地の海辺である。

 よく調べてみると日本の地図*9でもそれに近いものがあった。ここまで詳細*10に見ることが出来る。

 こういうサイトを見ていると超高倍率の顕微鏡*11望遠鏡*12を覗いているような気がして楽しい。



*0 ジャンヌ・ダルク
*1 Ismap.com, ヨーロッパの地図で住所やサービス機関を探す
*2 Ismap.com.sg, シンガポールの地図で住所やサービス機関を探す
*3 Ismap.com, ヨーロッパの地図で住所やサービス機関を探す
*4 マピオン地図 東京都千代田区永田町1丁目付近
*5 国会正門前 1/1562
*6 ちず丸 - 国会正門前交差点付近
*7 マピオン地図 愛知県渥美郡渥美町大字中山付近
*8 La Rochelle付近
*9 Domap | 行動するワタシの地図検索サイト | 国会正門前
*10 愛知県渥美郡渥美町中山 「六階建
*11 原子間力顕微鏡券
*12 小宇宙

030130

 何年か前に横断歩道を渡ろうとして信号が変わるのを待っていた。見晴らしの良い交差点でしかも自動車が来る様子がないので、赤信号*1だったが渡り始めた。渡った先には小学生に上がる前ぐらいの子供とその父親とが同じように信号待ちをしていた。

 渡り切ると信号待ちをしていた子供連れの男性が筆者に向かって突然「子供の前でそういうことはしないで下さい」と強い口調で言った。「そういうこと」とは赤信号で渡ることである。突然、見知らぬ人に叱られたのでびっくりした。悪いことをしたなと思い、林家三平*2のように頭をかきながら「どうもすいません」と謝った。

 赤信号で渡ったのは、その危険に対して自分自身で責任が負えると判断したからである。これは何ら間違ったことではないし、他人から咎められることでもない。行為自体は誰にも迷惑を掛けていない。

 歩きながら、あの男性に咄嗟に謝ってしまったが、何で叱られなければならないのだろうと思えてきて少し腹が立ってきた。

 それ以来、他人の子供のいる前では赤信号で渡るのを止めるようになった。自分の子供が出来てからはいくら安全だと判断できても、件(くだん)の男性のように赤信号で待ち続けるようになった。

 かつての男性の忠告は、自分の子供の教育上適切でないという利己的な理由から発せられたものである。あの場合、私を叱るのではなく、自分の子供に対して「あの人みたいに赤信号で渡っては駄目だ」と教えるのが筋だろう。

 しかしよく考えてみると、あの男性に叱られなかったらいつまでも自分の子供の前でも赤信号で渡っていたかも知れない。自分と一緒なら安全であるという近視眼的な判断でそうしていたかもしれない。子供だけの時の未熟な判断力による行動の結果などを考えると恐ろしい。

 「子供がまねをするといけない」という大人の行動規範が最近は薄れている。自分は大人であるという自覚が薄れているからだろうか。しかし教育上の観点から抗議する人々はまだ沢山いる。それに対して自分の責任で行動するのだから、他人は口出しするな、自分のことは自分で守れと言う考え方もある。これも正しい。

 両方の立場の人が声を出して牽制し合う状態が最も良い状態だろう。どちらか一方が強かったり、どちらも声を出さなくなったら子供にとって非常に恐ろしい社会になるだろう。



*1 geinin.jp: コント赤信号
*2 林家三平

030131

 水木しげる*1のファンなので*2の著作を何冊か持っている。

 その中に東京堂出版から出ている妖怪事典シリーズが何冊かある。東京堂出版はwebにサイトを作っていない*3ようだ。

 筆者が水木しげるの妖怪道に入っていったきっかけは、小学生の頃、一つ上の学年の友達の家にあった朝日ソノラマ*4の「水木しげる妖怪画集」であった。硬表紙の箱入り本で、箱、表紙がともに黒い紙で装丁されている。ページも妖怪の絵ばかりだから黒っぽく、いかにも闇の世界の本という感じである。その本は画家をやっていた友達の父親の物であった。貸してはもらえないので、遊びに行っては汚さないように丁寧に見ていた。

 それから十数年後、大阪の古本屋で「水木しげる妖怪画集」を見つけたので購入した。昭和45年の初版本である。発売時の値段は1300円だが、古本屋が裏表紙に鉛筆で書き込んである 値段は2000円となってた。確か、買う時にまけてもらった*5ような気がする。

 古本を見つけたのをきっかけに妖怪事典を集めるようになった。持っているのは「妖怪事典」「続・妖怪事典」「世界妖怪事典」「あの世の事典」の四冊である。これらは全て新本である。そのうち、三冊には水木しげる大先生の直筆サインが書き込んである。世界妖怪事典には名前のみ、続・妖怪事典には名前と「からかさお化け」、そしてあの世の事典には名前と鬼太郎*6が書いてある。

 どんなサインや絵なのかをスキャナで画像を取り込んで公開したいのだが、それを行うと完全に著作権*7の侵害になるので、やらない。

 そういえば友達の名前は「瑞喜(みずき)」だった。



*1 ナプーン
*2 水木リンク
*3 出版社リンク:会員社紹介
*4 朝日ソノラマ
*5 北斎漫画
*6 水木しげるの妖怪ワールド
*7 社団法人 著作権情報センター



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