|
表紙 | 目次 | リンク集 | 掲示板 | メール | 遺構探訪 |
0307雑記草
030702サイクロイド*1という名の曲線がある。円が線の上を滑らずに転がった時、円周上の点が描く軌跡*2がその曲線である。この曲線は歯車に使われる*3ことがあるらしい。一般的な歯車に使われる曲線はインボリュート*4と呼ばれる曲線で、歯車の互いに歯が当たる部分にその曲線が用いられている*5。
サイクロイドは歯車とは全然違うところにも登場する。最速降下線問題の答えとして出てくる。最速下降線問題*6とは、質点が重力の影響だけを受けて、ある点からそれよりも低い位置にある点に到達するまでの最短時間となる経路を求める問題である。
単純に直線で結んだ経路は最短距離だが、なかなか加速しないので最短時間にならないというのは何となく解る。最初にほとんど真下に降りて加速した方が良さそうである。しかし最初に加速すると殆ど傾斜ない経路の部分が長くなり、そこで時間がかかってしまう。丁度いいの曲線があるはずである。これを解くのは見るからに難しそう*7だが、解くとサイクロイド*8が出てくる。
東京と大阪との間にこのサイクロイド状のトンネルを掘ってトロッコを走らせれば、重力だけで東京大阪間を10分程度で移動することが出来るらしい。
すごい曲線があるものだ、と感心していたが、正確なサイクロイドの形状でなくても似たような曲線ならば大体かかる時間は同じぐらいらしい。
ところで東京大阪間では少し距離が近いのでもっと遠い場合を考えてみる。東京と地球の裏側のブエノスアイレスとの間ならばどうであろう。地球の中心を通る真っ直ぐのトンネルを掘ればいい。もともと東京ブエノスアイレス間のサイクロイドは直線*9になってしまう。
それでは東京ワシントン間*10はどうだろう。今までは摩擦がない状態*11を考えてきた。
摩擦があるとすると、経路が長くなれば不利だ。東京ワシントン間に直線状のトンネルを掘るのとサイクロイド状に掘るのとでは経路の長さが相当違ってくる。東京ワシントン間ぐらいになると直線のトンネルを掘っても十分傾斜がありそうなので、重力だけでもそこそこ速度が出そうだ。
しかし摩擦があるとワシントンまで重力だけでは到達しないので、トロッコには動力が必要になってくる。摩擦係数*12やトロッコ*13の登坂能力はどちらのトンネルでも同じという条件ならば、圧倒的に直線トンネルの方が有利のような気がする。
*1 いろいろな曲線 サイクロイドをつくろう
*2 数学教材の部屋 サイクロイド
*3 小林(重)研究室 - トップ 立体図形コレクション サイクロイド歯車(1枚歯)
*4 数学教材の部屋 インボリュート
*5 入門編_3 インボリュート歯車
*6 Waseda Live Math 最速降下線最速降下線としてのcycloid
*7 EMANの解析力学 EMANの物理学・解析力学・ベルヌーイの問題提起
*8 Weekend Mathematics コロキウム室(最速降下問題・その1)
*9 Javaでみる いろいろな曲線 【内サイクロイド (Hypocycloid)】
*10 正確さと判り易さ
*11 良質な試験問題
*12 摩擦
*13 ちいさな鉄道リンク
030703少し前まであまり気にならなかったが、最近はよく気になる。GR1v*1またはGR1s*2で撮った写真を見ると構図が少し傾いているのが多いような気がする。水平線や地平線、直線的な構造物を写した時に目立つ。
手持ちでの撮影が殆どなので昔から多少は傾いている。GR1にしてから他のカメラで撮影した時よりも傾きが大きくなっている。
カメラを構える時に水平になるようにしているつもりなのだが、どうもそれが狂ってしまうらしい。他のカメラではそれ程気にならないのにGR1では気になるぐらい傾いてしまうのだろうか。
カメラ撮影の基本がなっていないというのは十分承知しているが、それ以外の要因があるような気がしてならない。その重量ではないかと思う。軽いと姿勢が傾いているかどうかが分かりにくい。
GR1の重量は電池を入れない状態で180gなので相当軽い。筆者が持つビッグミニ*3と較べても軽い感じがする。ビッグミニの重さも180gなので同じ筈だが、電池の大きさが違う。ビックミニは「CR123A*4」で17gだが、GR1は「CR2*5」で15gとほんの少しだが、違う。しかし自分の手がこれだけの違いを敏感に察知するとはとても思えない。
重心の位置が違うのだろう。ビックミニは左側にフィルムのケース*6、利き手の右側に電池を入れるようになっている。一方、GR1はフィルムケースも電池も右側である。つまり利き手側に重心が偏っているのである。これによって右手で持った感じが軽くなるのだろう。
GR1はフィルムケースの大きさとカメラの厚さとを同じにするため、右側の握りの部分にフィルムと電池を詰め込んだ結果である。
写真が傾きやすくなったのもこれが原因のような気がする。カメラの重心が右手にあるため、右手を中心に回転しやすくなっているはずである。従って少々傾いてもカメラを構える手には違和感を感じさせないのではないだろう。重心がカメラの中心もしくは左側にあれば、利き手に対する重心の位置の変化が判りやすいので、手は傾きを感じやすい。
カメラの構造は変えようがないのでファインダーを覗く時、もっと気を使うようにするしかない。
*1 GR1v(2)
*2 GR1s
*3 ビッグミニ
*4 サンヨー リチウム電池 CR123A 1個パック
*5 パナソニック リチウム電池 CR2 1個パック(CR-2W)
*6 Nikon Web Magazine:久門 易 著「一眼レフ入門」第3回
030704ヴィレッジヴァンガード*1に行ったら手頃な値段のプラズマボールがあった。プラズマボール*2とは電球のようなガラス製の球で、電源を入れると中心の電極からガラスに向かって妖しい光の筋が何本も発生して、それがゆらゆらと動く。見た目はその光の筋が中心電極から外側のガラスに向かって伸びているように見えるが、実際には、何が中心電極からガラスに向かっているのか、ガラスから中心電極に向かって走っているのかはよく判らない。
眺めていると不思議な感じになる。グロー管*3を見つめるのと同じ様な感覚である。
手頃な値段というのは2000円だった。球の大きさは直径8cmぐらいである。ついつい買ってしまった。
原理は何だろう。ガラス球の中には真空にした後に低い圧力の不活性ガス*4が封入してあるらしい。中心の電極に高い周波数の高電圧*5をかけると中の希薄な不活性ガスが電離する。電離というのは気体分子から電子が分離することである。原子は原子核と電子とで構成され*6ていて、普段は原子核の周りを電子が回っている。周波数の高い電界の中に原子があるとその電界の振動で原子の原子核と電子とが揺れる。電子は原子核に較べて非常に軽いので、振動に伴って電子は勢い余って原子核から離れてしまう物が出てくる。これが電離気体プラズマ*7である。
この電離がガラス球の中で起こっているらしい。中心の電極はガラスで包まれている。電離する不活性ガスは完全にガラスの中に閉じこめられている。電球のようにフィラメントがガスの中に晒されているわけではない。ガラスは電気を通さない物質の代表である。それでもガラス球の中にあるガスが電離するのだから何となく不思議である。
見れば見るほど不思議な感じである。中心電極の付近とガラス球の付近は光が赤いのに途中は青い光の筋*8になっている。球の下の方で黄緑色に光っているのは別の蛍光管なのでガラス球の中の現象とは関係がない。
ガラス球に指を触れればこの光の筋がガラスの触れた部分に集まってくる。長く触っていると指先が少し熱くなってくる。光の筋が実体であると言うことを感じることが出来る。プラズマボールの解説*5を読むと人体に電流が流れるのでそれにつられて光の筋が集まってくるとある。
ガラス球の中でガスは電子が原子から遊離しているので電気が通りやすくなっているのは理解できるが、絶縁体であるガラスを通して人体から電流が流れるというのは理解しにくい。
ガラスを通して直接電子が流れているわけではなく、ガラス球の中では電流が往復し、それに合わせてガラス球の外の人体では指先と足許とで電流が往復しているので、全体的考えれば電流がガラスを通して往復して流れていることになる。
何も触れない時はガラス球の中で光の筋に沿って電流が往復し、ガラス球の外側では空気全体で電流が往復している。そこへ空気よりも格段に電流が往復し易い指先を触れると、そこに電流が集中することになるのだろう。
光の筋が見えるのは電子が普段の状態である原子核の周囲に戻る時にエネルギーを発してそれが光るのであろう。
*1 ヴィレッジヴァンガード
*2 プラズマボールの写真
*3 グロー放電管
*4 18族 希ガス
*5 横浜こども科学館ホームページ プラズマボール
*6 電気のプラスマイナス(2)
*7 横浜こども科学館ホームページ プラズマチューブ
*8 plasmaball1.jpg
030705プラズマボール*1の事を調べていたら、面白いことが書いてあった。プラズマボールに蛍光灯を近づけると蛍光灯が勝手に光り出すという。
早速やってみた。100Vの電源に接続していないが確かに光っている*2。使った蛍光灯は4Wの一番小さなものを使った。
ガラス球の中の高い周波数の高電圧の影響で、ガラス球の不活性ガスが電離するのと同様に蛍光灯の中のガスが電離して光るのであろう。蛍光灯の場合、プラズマボールのように中のガスが直接光るのではなく、蛍光灯の内側に塗られている蛍光物質が光っている*3。蛍光灯の中に封じ込まれているガスは水銀で、これがプラズマボールと同様に光を発しているのだが、その光は紫外線なので人間の目には見えない。その紫外線が蛍光物質を刺激してそれが光るのである。
蛍光灯をガラス球に接触させるとガラス球の中の光の筋が少し集まってくる*2ので、何となくこの光の筋がないと蛍光灯が点灯しないような気がするが、そんなことはない。ガラス球の中の中心電極の高い周波数の高電圧さえあれば、いいはずである。
ガラス球の中では光の筋を通して電流が往復している。蛍光灯実験の写真*2では蛍光灯をガラス球に立てかけてあるので、床と蛍光灯が接触した状態である。これによって蛍光灯の中で電流が往復しやすくなっているようである。その結果、ガラス球の中心電極、光の筋、蛍光灯、床という電流の経路が出来上がったことになる。直接、電子がこの経路を伝って流れているのではなくそれぞれの部分で電流が往復している。その往復の仕方は、みな揃っているので全体的に見ると経路全体で電流が往復していることになる。
これはガラス球に指先を触れると光の筋が集まってくる*4のと同じである。人体の中でが床を通して電流が往復して、ガラス球の中では光の筋で電流が往復しているので、ガラス球の中心電極と人体との間で全体的に電流が往復していることになる。電流が流れやすい経路が出来れば電流はそこに集中する。
今度は蛍光灯を床に接触させないでガラス球のてっぺんにセロテープで固定してみる。蛍光灯と床は接触していないので電流の経路が出来ていない。それにも拘わらず蛍光灯は光った。床に接触している時よりも弱い光であるが光っている。蛍光灯の電極に触れると強く光り出す。
この時、電流の経路はガラス球の中心電極、光の筋、蛍光灯、周りの空気になっているのだろう。ガラス球の中にガスが入っていないと光の筋が出来ないので電流の経路が出来ないので蛍光灯が光らないような気がするが、中心電極の高周波高電圧の影響は電波のその物なので真空中でも蛍光灯に伝わるに違いない。しかし光の筋がないのでその影響は小さくなってしまい非常に弱く光る程度だろう。
*1 プラズマボール
*2 plasmaball2.jpg
*3 Q 送電線の下で蛍光灯が光るのはなぜですか?
*4 横浜こども科学館ホームページ lg2250.jpg
030706プラズマボール*1の中では、封入された不活性ガスが中心電極の高周波高電圧によって電離している。電離しているということはガス原子から電子がはぎ取られた状態であるから、電荷を持っている状態である。電荷を持った状態で運動すれば磁石の影響を受ける。フレミング右手の法則である。
テレビジョン受像器のブラウン管に磁石を近づけると画像が乱れる。ブラウン管の中を走る電子が磁石の影響であらぬ方向へ行ってしまうからである。これと同様にガラス球の中の光の筋も磁石によって何か変化が出てくるかも知れない。理想としては光の筋が螺旋になって*2欲しい。
磁石を近づけてみた。何やら光の筋に変化が起きているように見える。磁石の方に光の筋が吸い寄せられている。期待したように光の筋は螺旋状にはならなかったが、何かしら変化が出てきた。
念のため磁石をガラス球のてっぺんに置いて磁石だけの影響を見ることにした。何も変わらない。磁石がある時と無い時とでは光の筋の状態に全く変化がない。
磁石を摘んでいた指先の影響が出ていただけであった。
恐らく磁石の影響は出ているはずなのだが、光の筋の変化としては現れてこないのだろう。使用した磁石は紙切れなどを冷蔵庫に固定するようなものだったので、もっと大きくて強力な磁石ならば何か変化が出てくるかもしれない。ガラス球全体が入るようなU字型の磁石*3を使うと面白いことが起きるような気もする。
*1 プラズマボール(2)
*2 じしゃく忍法帳 / 第5回「電子レンジのマグネトロン」の巻
*3 三 島 徳 七 (みしまとくしち)
030707日本で最も罪深い犯罪は「外患罪*1」であるらしい。雑学本かwebページを読んで知った。
刑法*2の第81条*3には「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する」とある。これが外患罪に対する刑である。
殺人の場合*4は「人を殺した者は、死刑又は無期もしくは三年以上の懲役に処する」とある。外患罪の場合、一番重い刑である「死刑」*5しかないので、一番厳しい。刑が厳しいと言うことはそれだけ罪が大きいと言うことである。
この条項が適用されたことは、戦後はないだろう。戦前戦中はあったかもしれない。尾崎秀実*6がゾルゲ事件*7において適用されたかも知れない。しかし日本人で外国と通じて「日本に対し武力行使させた」人は今までいないから、やはり戦前戦中も適用例はないのだろう。明治40年に現在の刑法が出来て*8から外患罪の内容がずっと同じ*9とは限らないので、どうなのか判らない。
*1 がいかん-ざい ぐわいくわん― 3 【外患罪】 - goo 辞書
*2 刑法
*3 刑法 第3章 外患に関する罪 (外患誘致) 第81条
*4 刑法 第26章 殺人の罪 (殺人) 第199条
*5 刑法 第2章 刑 (刑の種類) 第9条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。 (刑の軽重) 第10条 主刑の軽重は、前条に規定する順序による。ただし、無期の禁錮と有期の懲役とでは禁錮を重い刑とし、有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の2倍を超えるときも、禁錮を重い刑とする。
*6 尾崎秀実(おざき ほつみ)
*7 法政大学大原社研_ゾルゲ事件の内容〔日本労働年鑑 特集版 太平洋戦争下の労働運動166〕
*8 刑法改正法律一覧
*9 刑法(旧規定)第2編 罪 第1章〜第15章 旧第81条[外患誘致]
030708外付け型のハードディスクを買った。記憶容量が120GBもある。6年ぐらい前に買った2GBの外付けハードディスクとほぼ同じ値段だった。ちなみに6年前に買ったハードディスクは現在も使用している。電子データの保管用なので常時稼働していないから寿命がまだ十分*1あるのだろう。
現在、内蔵ハードディスク*2は8.5GBと17GBとで25.5GBもあるので、データを保管するには十分な容量である。そうした中でどうして外付けの120GBを買ったか。
まぁ、何となく欲しかったからである。それに本来のパソコンの使用目的である数十年前のスライド写真をスキャナで取り込んでカビや傷を修正するためには、データの保管場所が必要なのである。もっともこの作業はパソコンを買って以来殆ど進んでいない。
現在使っているパソコンが突然いつ壊れるか解らない。今まではハードディスクが壊れていた*3だけであるが、マザーボードが壊れる可能性がある。そうなった時パソコンの買い換えを余儀なくされてしまう。
マザーボードだけ壊れて内蔵のハードディスクが生き残っても、これのインターフェースはSCSI*4なので、これを直接読み出せるパソコンはもう発売されていない。そこで外付けで、現在一般的に用いられているインターフェースのものを買ってそれに内蔵ハードディスクに入っているデータを保存しておけば、簡単に次のパソコンにデータを受け渡すことができる。
購入したハードディスクのインターフェースはIEEE1394*5にした。なぜ現在最も一般的なUSB2.0*6にしなかったのか。USB2.0が家のパソコン*2に接続できないからである。OSを変更しインターフェースボードを追加すれば使えるようになるが、OS変更の予定はない。USB1.1*7は現在使えるが、転送速度が遅い。
IEEE1394はつながる。以前、フィルムスキャナを購入した時このインターフェースを使えるようにした*2。こういった事情で「IEEE1394」のハードディスクになった。
IEEE1394はMacでは「Firewire*8」と呼ばれている。このインターフェースはもともとアップル社で開発が行われ、後にIEEE*9の規格として制定されたらしい。
「Firewire」とは「導火線」という意味だと思っていた。しかし導火線は「fuse」である*10。これは造語だろう。電光の如くデータが送れるという意味か。名前が「ファイヤーワイヤー」と語呂がいいので英数字羅列のIEEE1394よりも覚えやすい。
*1 ハードディスクの交換
*2 パソコンの電源交換
*3 ハードディスクの交換(2)
*4 SCSI
*5 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - IEEE 1394
*6 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - USB 2.0
*7 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - USB
*8 アップル - FireWire 800
*9 IEEE Tokyo Section
*10 fuseとmouse
030709生ごみの堆肥化*1を続けている。堆肥化専用バケツの中で熟成させた生ごみを庭の地中に埋めようとした。生ゴミを発酵させるための菌は酸素を嫌うので堆肥化用のバケツはきっちり蓋ができるようになっている。
庭に掘った穴へその発酵しかけている生ごみを入れようと蓋を取ると、案の定、物凄い臭いがした。堆肥化を始めた頃からずいぶん暖かくなってきているので、だんだんその臭いがきつくなってきているのだが、今回は堪らなく臭い。早く土の中へ埋めてしまえと思いながらスコップで土をかぶせたがまだ臭っている。
これでは近所迷惑になるので、かぶせた土の上から水を掛けてみたり、庭の中で雑草の如く茂っているミント*2をかぶせて匂いをごまかそうとしてみたりした。
そうこうしていると鼻が慣れた所為かあまり臭わなくなってきた。しかし庭で立つ場所によって臭ったり臭わなかったりする。生ごみを埋めた場所からは殆ど臭ってこない。
バケツから臭ってくる。バケツは水で十分洗ったはずだが、物凄く臭う。樹脂製のバケツでも臭いが染み込んでしまうのだろうか。どうしようもないのでバケツに染み込んだ臭いを水に溶け込ませるためにバケツに水を入れて放置した。数時間後、臭いはかなり取れた。
住宅密集地での夏の堆肥化*3は少々問題がありそうである。
*1 ミミズ天国
*2 ガーデニング / ミント (果樹・ハーブ・野菜 植物管理Dictionary) ☆ブルーミングスケープ☆
*3 屋内設置型生ごみ堆肥化容器の上手な使い方
030710懲役と禁錮との差がよく判らなかった。何となく「きんこ」という語感から懲役よりかなり軽い刑の様な気がしていた。
調べてみると懲役よりも禁錮の方が軽かった*1。懲役は監獄の中で所定の作業が科せられるが、禁錮はそれがない。刑の種類*2は「死刑」「懲役」「禁錮」「罰金」「拘留」「科料」となっており、この順番が刑の重さだった。
*1 懲役と禁固 - 知っトク!法律用語の小道
*2 刑法 第2章 刑 (刑の種類) 第9条
030711テレビジョンか何かで、石けんを使って手を洗う*1のと水だけで手を洗うのとではばい菌*2を除去するという点において殆ど差がないということを聞いたことがある。水だけでも九割ぐらいばい菌が手から除去されているらしい。石けんの除菌効果はあとの一割程度だとすると、石けんで手を洗うことは特別な事情がない限りあまり意味がないことになる。
広告などで「除菌」だとか「殺菌」だとか強く訴えて、これで洗わないと手のひらはばい菌だらけのまま*3、と言うような印象を与えているが、実は水だけでも十分除菌できていることになる。
以前に「除菌*4」という言葉について書いたことがある。手に付いたばい菌の付着の仕方が単なる物理的なものであれば流水を使えば十分除去できるような気がする。ばい菌が手に付着するために何か特殊な物質を出して強固にへばり付いているとすると、水だけではなかなか落ちないだろうから何か薬品で削ぎ落とすか、直接ばい菌を殺すしかないだろう。ばい菌がそれ程強固に付着しているとは考えられないが、実際はどうであろう。
強固に付着していなければ流水で十分であるはずだ。ただし水道から流れ出る水でないと駄目である。洗面器で溜めた水では、洗面器の中の水の量にも依るが、落ちたばい菌が再び付着する可能性がある。流水で手を洗わないと手洗いの効果が低くなる。
歯磨き*5も同じらしい。練り歯磨きは気休めということである。歯ブラシだけで磨いても十分歯磨きの効果があり、むしろ歯ブラシで擦った効果*6でしかないという。筆者はこれを聞いてから練り歯磨きを使うことが殆どなくなった。
病人や新生児のいる家庭や医療従事者などは除菌や殺菌を十分しなければならないので、そういった石けんなどで手を洗う必要がある*7だろうが、一般家庭でばい菌を落とすためだけであれば石けんを使う必要はない。それに手を洗った後、手拭いなどで手を拭けばそれに付着しているばい菌が再び付く可能性は十分あるし、それを気を付けていても家の何かや何処かには絶対手を触れるのでばい菌は必ず付着する。どう考えても石けんの一割程度の効果はあまり役に立っていない。
石けんの効果は「一割」という前提で書いたが、実際にこれを検証して公表しているところはないだろうか。とにかく何でもかんでも清潔という風潮はどうも好きになれないし、それ程効果がないのにもかかわらず余分に石けんを垂れ流すことは自然環境に対しても多大な負担となっているのは間違いない。
*1 衛生手洗い講座
*2 ばい菌をやっつける−抗生物質
*3 Y's Text/ III-1-2-1.生体−医療従事者−手洗い概説
*4 除菌
*5 日本トゥースフレンドリー協会 - Toothfriendly Sweets 「歯磨き粉は使ったほうがいいの?使わなくてもいいの?」
*6 有楽歯科 【横浜 専門医, 歯周病, インプラント】 歯磨き粉は役に立つのでしょうか?
*7 Y's Text/ III-1-2-2.生体−医療従事者−衛生的手洗い
030712ウランガラス*1という物があるらしい。ウラン*2というと放射性元素なので何やら放射能*3がある物騒なガラスという感じがするが、実際はそうではないらしい。
ウランガラスは黄緑色の蛍光色をしている。以前はアクリル板でこういった淡い黄緑の蛍光色をしたもの*4をよく見かけたが、これはウランガラスの色*5を模倣したものだろうか。ウランガラスが装飾用の高価な材料なので、かつては安価なアクリル板でこれを模して高級感を出そうとしていたのかも知れない。しかし筆者にとってはウランガラスをもともと知らないので、黄緑色のアクリル板に対して高級感などは少しも感じることができない。逆にウランガラスの方がアクリル樹脂*6のようで安っぽく見えてしまう。
ウランガラスが蛍光色を発するのはウランの化学的性質による。ガラスに含まれるウラン原子が紫外線を吸収して蛍光を発する*7。ウランの原子の中の電子軌道の状態が変化することによって光を吸収したり放出したりする。ただしウラン元素は光らないらしい。ウラン化合物になって初めて光る*5。つまり蛍光を発すること自体は放射能とは関係ない。
夜光塗料*8には蛍光を発する塗料に発光の元となるエネルギーを自発的に放出する放射性元素を混ぜ合わせてある。これで自ら蛍光を発するのである。ウランガラスの場合、ウランが放射性物質なのでウランが放出する放射線エネルギーによって蛍光を自ら放射しそうであるが、そうではないらしい。色々な資料を読む限りそうではない。
ウランガラスは自ら光らないらしい。外部からの紫外線や電子線によって蛍光を発する*9。
現在はウランガラスと同じ様な蛍光色を発する元素が発見されたので、必ずしもウランを使う必要がなくなっているので、殆ど作られなくなっているらしい。それにウランの放射能が危険視されているのも作られなくなった理由だそうだ。
ウランガラスを扱ったサイトを見るとウランの放射能について詳しく書かれている。とにかく微量なので自然界から受ける放射線と同程度かそれ以下*10である、と言う説明である。なるほどそうかも知れないが、ウランガラスがあれば自然界から受ける放射線の総量よりも余分に放射線を受ける*11わけだから気になることは間違いない。
もっと気になるのは、ウランガラスの発色はウランの化学的性質だけで、ウラン自体の放射能は本当に関係ないのか、ということである。つまりウランガラスは紫外線などで蛍光を発するが、真っ暗闇では全く光らない*12のだろうか。前述したようにそういった記述をwebで見つけることが出来なかったが、ウランの放射能によって自ら蛍光を発することはないのだろうか。
もしウランガラスの発色とウランの放射能との間に関係がないとすると、ウランガラス関係者と原子力関係者の密接な関わりは非常に気になる。
ウランガラスの無害性を原子力の安全性を主張するのに利用される可能性が非常に高い。「ウランはこんな所にも安全に利用*13されています」とやられそうである。ガラスに色を着ける物質がたまたま放射性元素の化合物であったと言うだけで、ウランガラスは原子力とは全く関係がない。
それともウランの放射能でウランガラス自体は紫外線を当てなくとも光るのかも知れない。その光は微弱であるため無視されているのか、放射能との関係をことさら強調されたくないと言うことからそのことには触れてないのか。
何れにしてもウランガラスの実物を一度見てみなければならない。多くのウランガラスを展示している博物館*14が筆者の家から日帰りできるところにある。見に行けば、その美しさでそんな心配は吹っ飛ぶのかも知れない。
*1 ウランガラスの展示館
*2 劣化ウラン弾
*3 ?を!に...>解説集>>放射能とは
*4 アクリル板の色見本(カラーサンプル) color_rei/green_exp.jpg
*5 ウランガラス同好会 Japan Uranglass Collectors Club 1)ウランガラスとは
*6 アクリルオーダーメイド アクリル板 アクリルケースなら“アクリ屋”
*7 ウランガラス同好会 Japan Uranglass Collectors Club ウランガラス=(UO2)2+含有ガラスの蛍光
*8 夜光塗料
*9 ウランガラス同好会 Japan Uranglass Collectors Club 放電によるウランガラス発光実験(ガシオット実験の再現)
*10 ☆ ウランガラスの放射能
*11 Tozour Family's Fluorescent Rocks Tozour Family's Fluorescent Rocks Page 15 Radioactive Minerals
*12 Tozour Family's Fluorescent Rocks
*13 六フッ化ウラン(UF6)の爆発・漏えい安全性 15-007
*14 世界のアンティック木の国館(岐阜県>飛騨・高山・奥飛騨>飛騨高山)の「見る」スポット情報/イサイズじゃらん全国観光スポットガイド
030713「水木しげる妖怪画集*1」という本に「テッチ」という妖怪が掲載されている。
その妖怪は八丈島*2に棲んでいて、その姿は老婆である。体中にできものかかさぶたが出来ているらしい。最も大きな特徴は長く垂れ下がった乳房である。その乳房はたすき掛けにしているらしい。「テンジ」とも呼ばれる。
この絵を初めて見たのは小学生の頃であった。近所に二つ学年が上の子供がいて、その子のあだ名が「テッチ」だったので、妖怪「テッチ」の絵を喜んで見ていた記憶がある。
かなり長い間このテッチという妖怪を忘れていたが、何かのきっかけで思い出した。
web上には全国の妖怪の資料が網羅されている「怪異・妖怪伝承データベース*3」というものがある。これで「テッチ」「テンジ」を検索したが、抽出されなかった。いろいろ語句を考えて検索したところ「乳」という語句で「テッチ」らしい記述を見つけた。
「乳っこかつぎ*4」という妖怪である。三宅島*5の妖怪だから八丈島に近い。山からきれいな女が乳を両肩に掛けて出てくるらしい。この妖怪を見てきれいだなと思ったらもう化かされているという。「テッチ」にそっくりである。ただし、「水木しげる妖怪画集」に出てくる「テッチ」の顔は老婆そのものである。
東京の多摩地区にも「テッチ」に似た妖怪*6がいた。乳を伸ばしてたすき掛けにしている老婆である。
老婆の垂れ下がった乳房がどんどん長くなると妖怪になるという発想が楽しい。爺の場合はどこが伸びると妖怪になるのだろう。
*1 水木自慢
*2 八丈町のホームページ
*3 怪異・妖怪伝承データベース
*4 乳っこかつぎ
*5 三宅島を離れた村民のみなさまへ
*6 山姥
030714ある読者の方に抗生物質について掲示板へ書き込んで頂いた。抗生物質は「antibiotic = anti(抗)biotic(生物の)」の訳語*1であるから「抗生+物質」と考えるのは変で「抗+生物+質」と考えるべきであろう、と言う内容の記事についてだった。そもそも「抗生物質」を「抗生+物質」と考えるは変だという意見はいくつかのサイトで見られる。件の記事もそんなサイトを読んで書いた。
書き込みの内容は、抗生物質*2は「抗生+物質」と考えるのが一般的ではないか、という指摘であった。確かにそう考えるのが一般的である。何も予備知識がない状態でこの言葉を素直に見れば、区切りは「抗生」「物質」と考えてしまう。こうなるためにはまず「抗生」という言葉が「抗生物質」という言葉よりも以前もしくは同時に存在していなければならない。
抗生物質の発見のきっかけ*3は、1928年にイギリスの細菌学者フレミング*4がカビの周りでブドウ球菌の発育が抑えられているのに気付いたことだった。彼は青カビがブドウ球菌の発育を抑える物質を出していると考えた。しかしこの時に初めて「antibiotic」という言葉が出てきたのではない。
「antibiotic」は「antibiotique」というフランス語を英語化した単語である。この言葉は1889年が初出らしい*5。Vuilleminという人が作った*6ようだ。この時から数十年は形容詞のみの用法しかなかったが、ストレプトマイシンを発見したワックスマン*7が1941年に初めて名詞として使ったらしい。
では日本語に「antibiotic」の訳語が登場したのはいつなのだろう。恐らく「antibiotic」が名詞として使われる前には既に「antibiotic」の日本語の訳語が作られていたであろう。つまり1941年以前は形容詞の用法しかなかったので「antibiotic」は「抗生(の)」と訳されていたに違いない。
「antibiotic」は微生物や菌に対する作用なのに、何故、「生(物)に抗する」といった大仰な表現になったのだろうか。「symbiotic*8」という言葉がある。これは「sym+biotic*9」で「共に生きる」なので「共生の」と訳される。恐らくこの「共生」の対の言葉として「抗生」というのを新しく作ったのだろう。「きょうせい」と「こうせい」とで音も良く似ている。
ところが「共生」の「生」は動詞なのに、「抗生」の「生」は名詞だから対義語としては何となく不釣り合いである。反「共生」を意味する言葉として「抗生」というのは、よく考えると無理がある。「きょうせい」と「こうせい」とで音はうまく合っているので「対」とするのは仕方がないのかも知れない。
形容詞の「antibiotic」という言葉が出現して、これが名詞化するまでに50年以上経過しているので、その間に形容詞としての「antibiotic」の日本語訳が出来ないはずがない。従って「抗生」という言葉が「抗生物質」よりも先に存在していたことになる。以上から、「抗生物質」は指摘通り「抗生+物質」であって、「抗+生物質」でも「抗+生物+質」でもないことになる。「antibiotic」が最初から名詞として使われていたという勘違いから「抗+生物質」「抗+生物+質」と発想してしまったのであった。
「抗生物質」は一見「抗生+物質」のようだが、「antibiotic」の訳語だから「抗+生物質」であると考えがちだが、やはり語源からすると「抗生+物質」が正しい、というまさに雑学の中の雑学となった。
*1 抗生物質
*2 抗生物質の話
*3 ばい菌をやっつける−抗生物質
*4 フレミング先生とペニシリン
*5 Online Etymology Dictionary ETYMOLOGY An-Any
*6 ANTIBIOTIQUES I
*7 「いばらき未来科学館」 :みらい予報士になろう!! 1944 ワックスマンらがストレプトマイシンを発見
*8 symbiosis. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*9 Online Etymology Dictionary ETYMOLOGY Sw-Sy
030715財布を買い換えた。二つ折りの財布で、折った部分の角がすり減ってきた。これによってお札がこぼれたりするわけではない。財布としての機能には問題がないが、少々みすぼらしくなってきた。
この財布は妻からの贈り物であった。7、8年ぐらい前の誕生日のお祝いに貰った。ドイツのmano社*1というところが作っている財布である。しぼ加工がしてある牛革で、「Made in Germany」ではなく、わざわざ「Handmade in Germany」と財布の内側に書いてあったので確かに手作りなのだろう。革の縫い目はどう見てもミシンで縫ってあるのでそれ以外が手作りなのだろう。どんな財布でも大抵は手作りの筈だからいちいち書くほどのことではない気がする。今では完全にこの文字もすり減って消えてしまった。
一番の特徴は小銭入れの部分が真上に大きく開く*2ようになっており、硬貨が非常に取り出しやすくなっている。
そろそろ財布を買い換えようと思っていたところ、通信販売の雑誌で全く同じ財布がまだ売っていることを知った。財布のデザインなどはしょっちゅう変わるものだと勝手に思っていたので、少し驚いた。と同時に同じ物がまた手に入ることが判ったので、嬉しくなった。
誕生日*3はとっくの昔に過ぎてしまっているので、妻に催促するわけにもいかない。自分で買った。
今まで使っていた財布は息子が欲しいというので譲った。
*1 mano-Lederwaren.de - Die schönen kleinen Dinge aus Leder
*2 スモールパース MANO社レザーグッズ ≪ナルジュ・インターネットショッピング≫
*3 誕生日のお祝い
030716あるサイトで、フレーム*1で構成されたページの一部のみを表示させるのは権利の侵害になる可能性があると書いてあった。
非常に気になる記述である。雑記草ではこういったリンク*2の仕方をしょっちゅうしている。
権利の侵害になる根拠は「同一性保持権*3」だろう。同一性保持権*4とは「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする」権利であって、とにかく著作物を作った人にはその著作物を思った通りにしておく権利があるということである。
web上のサイトを製作した人はフレームの構成も含めて一つの著作物と考えているので、そのフレームの一部のみを表示する行為は制作者の「同一性保持権」を侵しているということになる、という考え方である。
検索サイトではフレームの要素それぞれが検索によって抽出されてしまうので、上の考え方で行けば全ての検索サイトは「同一性保持権」を侵していることになる。しかし検索サイトのこういった機能を制限すると、著作権法の目的*5である「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与する」ことを阻害する可能性がある。様々な著作物の存在を知る機会を逸する虞が出てくる。
そういったリンクが駄目ならばリンクをしないで、URLだけを表示すれば問題がないのだろうか。少なくとも検索サイト側には問題は発生しない。フレームの一部のURLを文字だけ使って表示するのだから何ら問題はない。検索を実行した第三者がその検索エンジンで知り得たフレーム構成の一部分のURLを自分のパソコンに打ち込んで、それを表示させる。この行為はフレームの一部だけを表示するのだから前述の考え方からすれば「同一性保持権」を侵しているに他ならない。
これを著作権法によって制限するのは不可能であろう。もともと不可能なことを議論するのは無意味である。可能としてもこの制限がどのように文化の発展に寄与するのか判らない。これを前提として受け入れることが出来るのであれば、文字で表示されたURLを改めて打ち込む行為を自動化すること即ちリンクすることも何ら問題はないと理解出来るはずである。
それにしてもリンクの申し出を要請する文言は道義的にはともかく法律的には意味のないものと考えて差し支えない*6と書いているのに拘わらず、リンクの申請ページのある著作権関連機関のサイト*7がweb上に存在するというお粗末な状況は、インターネット関連の著作権はまだまだ議論の余地がまだまだ多いと言うことの証左だろう。
*1 HotWired Japan : Webmonkey : html : フレームは「ピクニック」みたいなもの
*2 リンクの制限
*3 はじめての著作権講座
*4 第二十条 同一性保持権
*5 おバカのための著作権 その1〜著作権の目的
*6 マルチメディアと著作権
*7 CRICへのリンク登録フォーム
*8 社団法人 著作権情報センター
030717「死刑の理由*1」という本がある。昭和59年から平成7年までに最高裁判所の判決*2によって死刑が確定した43件の事件の犯罪事実、第一審、控訴審、上告審、の各量刑理由が掲載されている。これを読むと、何故「死刑」という判決を出したか、という理由がよく解る。特に通り魔的な事件で、犯人と何ら接点がなかったのに、ただそこに居合わせただけで殺された被害者の遺族の無念さを訴えている記述を読むと、死刑もやむを得ない、と思えてくる。
人の命を奪うことは、そのことを個人が行っても、組織が行っても、国が行っても今の世の中では基本的人権*3という考え方があるので、それ相当の理由があっても簡単に良しとすることはできない。
そのため、死刑を認める根拠が必要である。「死刑の理由」の編著者はその根拠は憲法にあると解説の中で語っている。
憲法31条*4で「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」とある。これを裏から言えば「法律の定める手続きによれば、生命もしくは自由を奪われ、またはその他の刑罰を科せられる*5ことを是認する」という趣旨となる、と解説している。つまり死刑は憲法によって是認されていると理解する以外ないというのである。
この論法は正しいのだろうか。命題の「裏」必ずしも元の命題の真理値と同じにならない*6。憲法31条が「真」だとしてもその「裏」は必ずしも「真」ではない。憲法31条という命題の「裏」である「法律の定める手続きによれば、生命もしくは自由を奪はれ、またはその他の刑罰を科せられる」が直截(ちょくせつ)的に「憲法が死刑を是認」している根拠とはならない。
規則を表現する文章の基本は肯定文だろう。肯定文では上手く表現できない、やむを得ない場合に否定文を使う。これが普通の感覚である。憲法31条が否定文になっているのはそれなりの理由があるからである。理由がなければ条文は「法律の定める手続きによれば、生命もしくは自由を奪はれ、またはその他の刑罰を科せられる」となっているはずである。
因みに憲法31条の「対偶*7」は「ある者の生命若しくは自由を奪ひ、又はその他の刑罰を科すには、法律の定める手続によらなければならない」となり、これは言うまでもなく「真」である。
憲法31条が否定文になっているのは、基本は刑罰を科さないことだからだろう。憲法の条文は国民が主体になっている。基本的に刑罰を科され「ない」国民を主体とした条文書くためには否定文にならざるを得ない。
従って憲法31条が否定文であることから、現行憲法の精神は「基本的に刑罰を科さないこと」と読み取れるので、「憲法が死刑を是認」していることにはならないと思う。
*1 死刑の理由
*2 最近の最高裁判決
*3 人権と人権侵害<シリーズ1> 「人権とは?」
*4 日本国憲法
*5 刑事訴訟法・第3編〜第7編
*6 対偶、逆、裏
*7 命題(2)
030718正十七角形*1は定規とコンパスとだけで作図することが出来る。「十七角形」を何のために作図するかは特に意味がない。「十七」という数字に意味があるだけである。十二角形*2ぐらいまでは何かしら用途があるが、「十七」となると用途は全くといってないだろう。
正十七角形*3が定規とコンパスとだけで作図できることを発見したのはガウス*4である。作図できるという証明を19歳の時に思い付いて*5、本格的に数学の道に進むことを決意した。
単に正十七角形が作図出来ることを証明するのは簡単らしい。方程式Xp-1 = 0(pは素数)が平方根で解けることを証明すればいいというのである。つまりX17-1 = 0の解が平方根を用いて表せるということを示したのである。更に方程式Xp-1 = 0(pは素数)の解が平方根で表せる場合、素数pは 22k + 1という形になっていなければならない*6ということガウスは発見した。
方程式Xp-1 = 0(pは素数)が平方根で解が表せると言うことは、それが二次方程式の解になっているということである。二次方程式の解は円と直線で作図出来る*7らしい。円は二次曲線だから一次曲線である直線と組み合わせれば何となく出来そうだが、具体的にどうすればいいのか*8見当が付かない。
円全周は360度である。360は17で割り切れないから正十七角形は上手く書けないと直観的に思ってしまうが、実はそうではない。逆に「正九角形*9」は割り切れるのに定規とコンパスとでは作図が不可能らしい。
360度の「360*10」は勝手に決めた数字である。全周は360度でなくて、「100度」でもいい。360だと色々な数で割り切れるので何かと便利であるということだけである。だから「正多角形」の作図と「360」という数字との間には関連性は全くない。「全周は360度」というのが頭に染みついているので、なかなか納得するするのは難しい。
*1 ■正十七角形の作図
*2 Dodecahedron -- from MathWorld
*3 Heptadecagon -- from MathWorld
*4 Gauss summary
*5 Gauss, Karl Friedrich (1777-1855) -- from Eric Weisstein's World of Scientific Biography
*6 Metametamathematician's HP 正十七角形 regular heptadecagon
*7 Takashi Takebe's home page. 正17角形の作図
*8 Abstract Algebra II: Theory of Rings and Fields Ruler and compass construction
*9 Nonagon -- from MathWorld
*10 1ドル360円
030719最近の自動車で形がいいと思ったのは殆どない。特に国産車では皆無に近い。現行車種で唯一いいと思っているのはスズキのMRワゴン*1のみである。だからどうだというわけではないが、とにかくつまらん、のである。筆者好みの形がなかなかない。
今まで好きになった自動車はいすゞの「ピアッツァ*2」、トヨタの「アリスト*3」、日産の「プリメーラ5ドア*4」、「クーペフィアット*5」、ルノーの「ルーテシア*6」、シトロエンの「エグザンチア*7」、トヨタの「コロナSF*8」、そしてBMWも「3シリーズ*9」である。
それぞれの自動車の形に共通しているのは横から見た形がカマボコのようになっていることである。基本的にセダンが好きなのだが、3ボックスが明確になっているものよりも、それぞれの箱が連続的につながっている意匠が好きである。
これらがある程度売れるのは、購買者の嗜好よりも営業担当者との付き合いの方がかなり優先される場合があるからだろう。
*1 ■ carview ■ スズキ MRワゴン - クルマ総合カタログ
*2 ■ carview ■ いすゞ ピアッツァ - クルマ総合カタログ - 過去モデル
*3 ■ carview ■ トヨタ アリスト - クルマ総合カタログ - 過去モデル
*4 ■ carview ■ 日産 プリメーラUK - クルマ総合カタログ - 過去モデル
*5 ■ carview ■ フィアット クーペフィアット - クルマ総合カタログ - 過去モデル
*6 ■ carview ■ ルノー ルーテシア - クルマ総合カタログ - 過去モデル
*7 ■ carview ■ シトロエン エグザンティア - クルマ総合カタログ - 過去モデル
*8 corona.jpg
*9 ■ carview ■ BMW 3シリーズ - クルマ総合カタログ
*10 ■ carview ■ トヨタ WiLLサイファ - クルマ総合カタログ
*11 ■ carview ■ トヨタ ビスタ - クルマ総合カタログ - 過去モデル
030720長年の間、謎だった映画の題名が分かった。長年というのは十数年以上である。今までこの映画自体を知っている人がいなかった。ピンボール*1を題材にした映画だった。筆者が見たのは劇場ではなく、テレビジョンでである。
何気なくチャンネルを変えていたら、偶然、放映しているのを見つけた。これを見た時はピンボール*2で映画を作るとは、流石アメリカだ何でもアリアリ*3だなぁ、と思った。
日本で言えば、麻雀漫画*4を映画*5化するのに喩えることが出来るかもしれない。日常生活で麻雀が関わることは殆どないのだが、雑誌に連載している麻雀漫画では毎回、日常と麻雀とを関連付けなければならない。すると大抵は話の筋がとんでもない展開になる。会社の取引で麻雀に勝つことが条件になったり、不良高校生の縄張り争いが麻雀の勝負になったりする。「ふふふ、私が欲しければ彼との勝負で勝って・・・」とか「よーし、それならば麻雀で勝負だ」といった台詞がポンポンと出てくる。こういった話の筋と麻雀との間に殆ど必然性がないことが麻雀漫画の醍醐味とも言える。
ピンボール*6も日常生活との関連性は殆どない。これを映画として成り立たせるためにはやはり「よーし、それならばピンボールで勝負だ」といった台詞が必要になってくるだろう。
何年かした後、そんな奇想天外な映画をもう一度見たくていろいろ探してみたがなかなか見つからない。映画好きな人に聞くと「ピンボールの映画なんて聞いたことがない」と言われた。
先日、掲示板にゲームセンターにあるピンボール*7を何台か所有されている方の書き込みがあった。もしやと思い「ピンボール映画」について聞いてみた。ご存じだった。
ようやく判った。その映画は「Tilt*8」といった。「tilt」とは傾斜という意味で、ピンボールの機械自体を傾けたり大きく揺らすと「tilt」という警告ランプが点灯してゲームが出来なくなる状態を言う。このままの題名では日本では何のことだか解らないので「ピンボールの青春」といったような解りやすい邦題が付けられていた。日本の劇場では未公開である。
やはりインターネットは情報の宝庫である。簡単な検索やこういった掲示板のやり取りで色々な専門家からの情報を得ることが出来る。これがなかったらあと何十年かかったか分からない。まさにインターネットはグローバルブレイン*9である。
*1 The Pinball Pasture
*2 pinball.co.jp
*3 MahjongWalker-麻雀プロ団体公認オフィシャル麻雀サイト- rule FAQ
*4 近代麻雀THE WEB
*5 麻雀放浪記
*6 Williams Electronics Games, Inc.
*7 The Internet Pinball Machine Database
*8 ブルック・シールズの プリティ・ギャンブラー ティルト/青春ピンボール(TV)
*9 立花隆の本/インターネットはグローバルブレイン
030721以前、妖怪の「加牟波理入道」は「がんばり」か「かんばり」かという論争が一部で巻き起こった*1ことがある。一部といってもほんの一部である。筆者とある読者との二人の間だけである。
「加牟波理入道」の原典である鳥山石燕の画図百鬼夜行を調べることによって論争の終止符が打たれた*2。
と思っていた。「画図百鬼夜行*3」の「加牟波理入道*4」のページをよく見ると、どうも「がんばり」というのが怪しくなってきた。
解説文の部分を拡大したのがこれ*5である。題目のところは「か」になっている。解説文中では「が」なっている。題目の振り仮名は変体仮名の「か」*6だが、濁点がない。
この不統一は一体どういうことだろう。古文書にある現象として書写をしているうちに単なる汚れが文字の一部として書き写されてしまう、というのがある。これもその類だろうか。画図百鬼夜行は江戸時代の出版物なのでそういった書写による変化はない。
「がんばる」という言葉はその場所にじっとして動かないという意味だから、それが妖怪の名前になっても何ら不自然ではない。「頑張る*7」は「眼張る」が転じた言葉とも考えられている。「眼張る*8」は見張るという意味だから、これでも妖怪の名にふさわしい。
それでは「かんばる」というのは一体どんな意味なのか。以前の記事ではそんな言葉は聞いたこともないと書いた*1が、調べてみたら「甲張(かんば)る*9」という言葉があった。「甲走る*10」と同じで、声が高く鋭く響くという意味である。甲高い声がするということである。
「がんばり入道ほととぎす*11」という呪文があるぐらいだから、ほととぎすの鳴き声*12からの連想で「甲張り入道」でもおかしくはない。
どちらでも成立しそうだが、やはり「がんばり」の方がしっくり来るような気がしてならない。
*1 大晦日のまじない
*2 がんばり入道
*3 百鬼灯篭 〜画図百鬼夜行と妖怪と〜 コンテンツ・妖怪
*4 gambari1.jpg
*5 gambari2.jpg
*6 ようこそ、「今昔文字鏡」の世界へ 変体仮名
*7 国語辞典 [ 頑張る ]
*8 国語辞典 [ 眼張る ]
*9 国語辞典 [ かんばる ]
*10 国語辞典 [ かんばしる ]
*11 加牟波理入道
*12 日本国語大辞典第二版オフィシャルサイト:日国.NET ほととぎす
030722点線や破線が不確定な線を表すようになったのはいつ頃からだろうか。点線や破線という言葉は元々日本にあったのだろうか。これらは英語の「dotted line」「broken line」を直訳した言葉なのだろう。
そういった言葉がなければその概念もないということだから、明治より昔は「点線」や「破線」そのものが日本には存在しなかったかもしれない。
現代の漫画であれば点線や破線が透明な物や不確定な姿を現すのに使われる。これは漫画の中の約束事であるので、現代のような漫画が出現するまでは点線や破線が絵に使われることはなかったのではなかろうか。
漫画には流線というものがある*1。これらは漫画の中の主人公の動きや心情を表すのに効果的に使われているが、この流線の約束事が読者に了解されているから使えるのである。この約束事は戦後に漫画が発達する過程で出来上がった。
「点線」「破線」についても同じ様な約束事が出来てきたはずである。点線や破線が透明や不確定を表すという約束は、流線より簡単な概念だから、もっと昔からあったに違いない。
江戸時代に出版された「画図百鬼夜行*2」には破線を用いた絵がある。明治時代より以前に破線を使っていた。「朧車(おぼろぐるま)*3」という妖怪の絵で出てくる。朦朧とした状態を表現するのに破線が使われている。我々が見れば絵の中の破線は不確定な物を表すという約束事が染みついているので、その絵を見ても何ら疑問を抱かないが、当時の人々はこれを見てどう感じただろう。多くの人がちゃんと朦朧とした状態を感じとったのだろうか。そうだとするとこの約束事はいつできたのであろう。
当時の読者が朧車の解説を読んで「破線」が朦朧とした状態を表していることを了解していたのなら、これが「点線」「破線」の約束事の始まりかも知れない。
*1 generation-X 漫画講座(10):ペン入れ4
*2 京極堂の本棚 鳥山石燕の世界
*3 oboroguruma.jpg
030723内田百けんの随筆を読んでいたら「サァヰ゛ス」という言葉が出てきた。現代風に書けば「サーヴィス」で、もっと普通に書けば「サービス」である。
「ヰ」の濁点付きというのは初めて見た。「ウ」の濁点付き*1は普通に見かけるし、普通に使う。
英語などの「v」の発音を表すのに、なぜ「ウ」に濁点なのかどうもよく判らない。
「サァヰ゛ス」という言葉から「v」はワ行に濁点を付けるという法則が少し見えてくる。「ハヒフヘホ」の濁音は「バビブベボ」で、これは「ba bi bu be bo」に対応している。「va vi vu ve vo」は日本人が聞けば「バビブベボ」であるが、「ba bi bu be bo」の「バビブベボ」とは区別したい。
日本語の「ハヒフヘホ」は「わいうえお」と読む場合がある。そこで少し違う「バビブベボ」ということで「ワヰウヱヲ」に濁点を付けて「va vi vu ve vo」に対応させたのかもしれない。こうする必然性はないが、形としては整っている。
従って初期には「ワ゛ヰ゛ウ゛ヱ゛ヲ゛」という表記が考え出されたが、次第に淘汰され、「ヴ」だけが残ったのかも知れない。調べてみると明治時代にはこういった表記をやはりしていたようだ。ワ゛:スヰフトの「ガリワ゛ー旅行記*2」 ヰ゛:ヰ゛オロン ヱ゛:ヱ゛ルレエヌ ヲ゛:ヲ゛ルガ といった具合だ。
「ヴァ ヴィ ヴ ヴェ ヴォ」と書くよりは「ワ゛ヰ゛ウ゛ヱ゛ヲ゛」と書いた方が簡単で解りやすいような気がする。しかし「ルイ・ヰ゛トン*3」ではやはり格好が悪過ぎるのかも知れない。
*1 ヴとバャ
*2 ガリバー
*3 Louis vuitton : luxury shopping, leather luggage, french fashion designer, fashion show.
030724電話番号*1と郵便番号*2とが一致する場合があるだろうか。つまり市内局番と郵便番号*3の最初の三桁と番号、四桁の電話番号と郵便番号の下四桁とが一致しているという状態である。
郵便番号*4の上三桁と市内局番が一致する場合はどういう時か。東京23区や大阪市などは市内局番が四桁になっているので、これらは除外される。
郵便番号*5の上二桁は都道府県を表しているらしい。筆者は北海道から順番に番号を決めていると漠然と思っていたが、必ずしもそうはなっていない*6ようだ。北海道は「0」から始まるが、宮城県、山形県、福島県は「9」から始まる。東京は「1」から始まり、愛知県は「4」である。福井県、石川県、富山県、新潟県はまた「9」で、京都は「6」となる。広島県は「7」、福岡県は「8」、沖縄県も「9」となる。
電話番号の市内局番は都道府県には関係ないが、三桁の市内局番の地域は限られる。四桁の電話番号は地域に全く関係なく一万通りもあるので郵便番号の下四桁と一致することはあるが、市内局番と郵便番号上三桁が一致する可能性は下四桁と一致する可能性よりもかなり低いのではないだろうか。
だからどうだと言うことはないのだが、たまたま実家の電話番号と郵便番号の下四桁とが一致していたから、そう思っただけである。
*1 インターネットタウンページ
*2 Japan Postal Code Search
*3 郵便番号制マニュアル
*4 住所の郵便番号検索
*5 郵便番号を検索 - goo 郵便番号
*6 雑学大作戦:知泉[郵便番号]
030725ブラックライト*1と呼ばれる照明器具がある。
ドラえもん*2に登場する未来道具に「夜昼ランプ*3」というのがあった。昼間にこのランプを点けると電球から光が出るのではなく、電球の周りが暗くなるという道具だった。周りが明るくて昼寝が出来ない時とか、周りが暗くないと雰囲気がでないので受験勉強がはかどらない時に使われていた。「ブラックライト」という言葉からこんな様な照明器具を連想してしまうが、全く違う。
「黒」とか「暗闇」というのは光がない状態なので、「黒い光を出す」ということは、言葉の意味からでも物理的な意味からでも間違っている。ただし、光は波の性質を持っている*4ので波を打ち消し合うことによって光を見えなくすることは出来る。ガラスに透明のシールを貼ると気泡の周りやガラスとフィルムとに挟まれた部分の周りに縞模様*5が現れる。この縞模様の暗い部分は光の波が打ち消し合って光が見えなくなった部分である。これを「光の干渉*6」と呼んでいる。ガラスとフィルムとの極薄い隙間で反射した光と透過する光とがある条件で打ち消し合う場合がある。これで「暗くなる」のである。
打ち消し合うには光の方向や光の波が上手く揃わないといけないので、昼間の明るい場所のように方々からいろんな波の光が来るところで全てを打ち消すことは不可能である。従って「夜昼ランプ」は作ることが出来ない。
ブラックライトは「夜昼ランプ」ではないので現実に存在する。見た目が黒い*7のでブラックライトと呼ばれる。
この黒い蛍光灯からは紫外線が出る。目に見える光は出てこない。もともと蛍光灯のガラス管の中では人間の目に見えない紫外線しか発光していない。それが白く光って見えるのは蛍光灯のガラス管の内側に紫外線を白い光に変換する蛍光塗料が塗ってある*8からである。
普通の蛍光灯のガラス管に蛍光塗料を塗らずに、ガラス管のガラスに紫外線を透し易いものを使えば「ブラックライト」になる。そういった特徴を持つガラスが濃紺色*9、つまり黒く見えるわけである。
蛍光灯でなくても、水銀灯*10ならば、蛍光灯と同じ様な原理で紫外線を出している*11ので、可視光線を透さず紫外線を透しやすい濃紺色のガラスにすればブラックライトになる*12。
電球型のブラックライト*13も見かける。電球のガラスが濃紺色になっている。白熱電球のガラスを変えただけでブラックライトになり得るのかと思うが、普通の白熱電球からも紫外線は出ている。殆ど出ていないが、少しは出ている*14。
電球の中のフィラメントの温度は2000〜3000度になっている*15。物質が高温になって白い光を放っている時は赤外線、可視光線、紫外線など様々な光を放っている。温度が2000〜3000度では赤外線や可視光線の量が圧倒的に多いが、紫外線の量はわずかに出ている*16のである。電球のガラスがブラックライトの濃紺色のガラスになっていれば可視光線が電球から出ないで、紫外線だけが出てくる。従って白熱電球でもブラックライトになり得る。
電球型のブラックライトでは紫外線の量が微量なので、蛍光物質を光らせる*17能力が小さい。周辺をかなり暗くしないと蛍光物質が光っているのは観察できないだろう。
*1 電通産業ブラックライト
*2 ドラえもんチャンネルへようこそ!
*3 ドラえもん学 第4章
*4 ヘリウムの発見
*5 ニュートンリング 干渉縞
*6 光の干渉の様子 - 羽根・佐々木研究室
*7 激安照明ランプ電材堂〜電球・蛍光灯・ハロゲンランプの照明インテリア格安販売
*8 Q 送電線の下で蛍光灯が光るのはなぜですか?
*9 TOSHIBA(TLT) 商品紹介/ランプ・光源/蛍光ランプ/HIDランプ・ブラックライト
*10 桜の花
*11 TEPCO : 電気・電力辞典 | 水銀灯
*12 HIDブラックライトのページ
*13 ブラックランプ・電球・おもしろ電球
*14 連続スペクトル(Continuous Spectrum) 電球の明るさとスペクトル
*15 エネルギア「なん電だろう」調査隊
*16 黒体輻射 ※2000〜3000の値を入れるとフィラメントから発せられる光の波長の分布のグラフが描かれる
*17 宇宙・物理研究室 Exp-近紫外線の世界
030726エッシャー*1の作品で繰り返しを描いた物は数多くある。筆者が好きな*2この人間の足をもった虫が登場する絵*3もその一つである。
この絵の上下を見ると全く同じ構図になっている。ということはこの絵の上下に連続して同じ絵をつなげることが出来るということである。筆者が大昔に見に行ったエッシャー展*4のパンフレットには、この絵を実際に上下につなげたページが掲載されていた。同じ様な絵で、やはり上下が同じ構図になっているこの絵*5もつなげて掲載されていた。
勝手にやれば著作権を侵害することになるが、展覧会のパンフレットなのでその辺りはきちっとしてあるはずだ。
ところが「虫の絵」の方はエッシャー自身の作品として上下をつなげたものがある*6のである。つながっていない方の題名は「House of Stairs I」で、つなげた方は「House of Stairs II」という題名である。
作品としてあれば、他人が作品をつなげることに対してわざわざ了承をするはずはない。つまりパンフレットに掲載されているつながった絵は無許可ということになる。
ついでにこういう絵*7を見つけた。こんなの*8もあった。ここ*9はエッシャーの絵をコンピュータグラフィックスにしている。
*1 メゾチント
*2 エッシャー(2)
*3 Khushboo's Virtual Escher Gallery! House of Stairs
*4 ちょいとパズルでも エッシャー展
*5 Up and Down by M. C. Escher Lithograph, 1947
*6 House of Stairs II by M. C. Escher Lithograph, 1951
*7 kilter - escher 1951_u_insecto.jpg
*8 Etciu Museum Maurits Cornelis Escher
*9 3D Escher House of Stairs
030727使っているパソコンのOSを入れ替えた。筆者が使っているパソコンはMacである。使っているOSは二世代前のMacOS8.6*1というものである。現状のOSはMacOSX*2である。「X」はローマ数字で「10」を表す。
普段は不具合がないのだが、時々フィルムスキャナ*3が走査中に止まってしまうことがある。そのフィルムスキャナはMacOS8.6でも動作保証をしている。ただしコンピュータ自体は動作の保証対象になっていない。アップル社製造のMacしか保証されておらず、筆者が所有するような互換機*4は駄目なのである。
全く動作しないのではなく、時々止るという症状なので、やっかいだ。何が原因なのかが特定しにくい。
そこでOSが原因かも知れないと思って、そのOSを変えてみることとした。
筆者が使用しているMacの中に入っているCPU*5では現在のOSの一世代前のOSであるMacOS9.1*6までしか動かない。動作保証がされていないのではなく、それ以上のバージョンは動作しないのでインストーラで初めからインストール出来ないようになっている。
古いOSは市販されていないのでインターネットのオークションで手に入れた。MacOS9.1にしたが、今までのMacOS8.6と見た目は全然変わらない。
目的のスキャナがもっと動かなくなってしまった。予備スキャンは動作するのだが、本スキャンは全く動かなくなってしまった。
仕方がないので通常の使用ではMacOS9.1、スキャナを使用する時はMacOS8.6といった具合にOSをいちいち切り替えることとした。
*1 Mac OS 8.6
*2 Mac OS X: 10.0.1 - 10.0.4
*3 スキャナを買った
*4 工業製品の遊び
*5 いい買い物
*6 Mac OS 9.1
030728昔、ピラミッドパワーというのがあった。今でもある*1かも知れない。ピラミッド型の容器の中に物を入れておくとその物が長持ちすると言われた。
完全に迷信*2であるが、なぜこの様な話が出来上がったのだろうか。エジプトのピラミッドの中に安置されていたミイラ*3の保存状態から、ピラミッドは保存に優れるという発想が出てきたのであろう。
最初は剃刀が長持ちするという話だったような気がする。安全剃刀*4をピラミッド型の容器に入れておくと、外に放置しておいたものよりも切れ味が持続する、または切れ味が悪くなった剃刀は切れ味が良くなるということだった思う。
切れ味が良くなる物理的な理由はさっぱり判らない。刃が摩耗しているのだからそれが再生するはずはない。切れ味が再生したり持続したりするのは恐らくそんな気がする、そうあって欲しいと思うからだろう。自動車の燃費改善商品と同じ原理*5である。
そもそも何故「安全剃刀」なのか。ひげの剃り味等という主観的な尺度では一般的な科学実験にはならない。超能力のさじ曲げ*6、歯磨きのかいわれ大根実験*7、環境ホルモンでの魚のメス化*8など、特定の実験結果を、あたかも全ての事象に適用できることのように言いふらすのは頂けない。特に、一般には知られていないが、その分野の専門家にしてみれば当たり前の事象を如何にも特異な事象だとして紹介するのは慎むべきことである。また、そういう情報に対して疑問が持てるような知識、感性を身に付けるのも必要である。
*1 Pyramid 倶楽部
*2 ピラミッドパワーボード
*3 WANDARAMA:吉村作治教授の古代エジプト探検
*4 フェザー安全剃刀株式会社
*5 燃費改善
*6 清田益章の脱・超能力野郎の独り言
*7 「環境といのちを守る会」 ハミガキ編
*8 教員紹介「鷲尾 圭司」:京都精華大学 環境社会学科 沿岸魚のメス化に ドキ!:環境雑学マガジン
030729大抵の家庭では毎回の食事の際に食卓に上る漬け物のような決まったおかずがある。毎回出すのでその都度調理する物ではなく、作れば、ある期間保存が効く梅干し、ふりかけ、佃煮などのようなおかずである。
土地によって様々な傾向があるに違いない。梅干しの産地*1では梅干しが毎回出てくるだろうし、佃煮の名産地*2ではやはり佃煮を出す家庭が多いだろう。
桃屋*3、丸美屋*4、三島食品*5、ブンセン*6など、こういったおかずを専門に製造している会社も多く存在する。これで経営が成り立つということは、多くの家庭でこういったおかずの需要が高いのであろう。
それを日替わりの所謂「おかず」とは別の言葉で表現したいが、思い当たらない。類語辞典*7で調べてみる。「惣菜」だろうか。常備薬に対して「常備食*8」と言ってもよさそうだが、何だか防災のための準備みたいでものものしい。
我が家では「チャンジャ*9」がそれに近いが、結構値段が高くてそれ程日持ちしないので「常備」とまではいかない。
この我が家の「常備食」というか「惣菜」の一つにしたいおかずがある。名古屋のダイヒコ*10というところが販売している「ししゃものこ」というおかずである。ししゃもの卵と鮭の身のほぐした*11のを混ぜたおかずで、瓶詰めされて売られている。
これもチャンジャと同様に滅法美味いが、名古屋のデーパートの地下*12しか売っていないこと、少々値段が張るということで、なかなか「常備」というわけにはいかない。
*1 ●ようこそ!こだわりの果物屋 紅光(静岡市)へ● 和歌山のおばさんちの梅干し直送便
*2 松坂屋:味の名店街:総本家 貝新(佃煮)
*3 (株)桃屋ホームページ
*4 丸美屋ごはんくらぶ
*5 三島食品株式会社
*6 ブンセン株式会社 ※「アラ!」「塩っペ」など
*7 シソーラス(類語)検索
*8 Google 検索: 常備食
*9 春夏冬
*10 バーチャルショッピングモール もぐもぐ 海鮮旬味 大彦
*11 鮭フレーク波しぶき
*12 デパート(百貨店)ランキング(デパ地下ランキング特集)
030730風呂でラジオやCDを聞いてみたいと思ったことはあるが、実際にやってみたことはない。風呂で聞くことのできるラジオ*1やCD*2は沢山発売されている。
電源は大抵、乾電池や充電池で、家庭用100Vを使った風呂用ラジオはなかなかない。普通、浴室にコンセントはないからである。
電源が電池だといつかは必ず電池を交換しなければならないので、本体には電池の蓋がついている。蓋があるとその部分からラジオの内部に水が浸透し易くなるから、湯船の中で使えるような防水ラジオは少なく、水しぶきがかかっても大丈夫な程度の防滴型ラジオが殆どだろう。
防水、防滴とはいっても一年中風呂場にラジオを置いておけば、湿気によってラジオの中の電子回路が普通に使っている場合よりも早くいかれてしまうしまう可能性が高い。
電池を交換しなくてもいいようにすれば密閉度が増して、ラジオ自体の寿命は伸びるだろう。電池無しでラジオを聞くにはどうすればよいか。
ゲルマニウムラジオ*3は電源がなくても聴くことが出来る。電源がないのでスピーカを鳴らすことは難しい。それにアース線*4がないと聞こえない。水道管が金属製ならばそれがアースになるので蛇口にラジオのアースを接続してやれば、聴くことは出来る。
太陽電池*5を使えば電池はいらない。風呂場の照明を光源にすれば発電できる。
しかし風呂場にはもっと身近なエネルギーがある。湯船の湯である。温度もエネルギーの一種なのでこれを利用しない手はない。電子冷却用のペルチェ素子を使えば熱で発電*6が出来る。湯だけでは発電できず、湯と水とで温度差を作ってやれば発電できる*7のである。
熱発電式の風呂ラジオの上面には二つの小さな器が付いていて、そこにそれぞれ湯と水を入れるとラジオから音が出てくる。湯が冷めて水との温度差が小さくなり、発電量が小さくなる。湯と水を換えてやるとまたラジオが聴けるようになる。
湯船にラジオを浮かばせることが出来れば、上よりも少し簡単な構造になる。ラジオの上には水を入れる器が付いていて、そこに水を入れれば下の湯船の湯との温度差によって発電できるようになる。
たとえばこのラジオ*8の様に意匠を西洋の風呂桶*9型にする。ラジオの風呂桶に水を入れて、これを風呂の湯に浮かべてやると音が鳴り出す。これはなかなか面白い。
*1 Google 検索: 風呂 ラジオ
*2 Google 検索: 風呂 CD
*3 ゲルマニウムラジ
*4 自動車のアース
*5 太陽電池カタログ1/5
*6 ペルチエ熱電池の製作
*7 ペルチェ素子
*8 Qoo:プレミアム紹介
*9 サマルカンド バスタブ/AL0980-00
030731なぞなぞで「上は大水、下は大火事、なぁんだ*1」というのがある。「上」「下」と「水」「火」がおのおの対の言葉になっている。上に水があれば下が大火事にはならないはずだが、世の中にはそういう状態の物事がある、それは何か、という問いかけだから「なぞなぞ*2」になる。
答えは「お風呂」である。なぞなぞあそびの主役である現在の子供達にとって、下に加熱部がある風呂というのは殆ど見かけないので想像もつかないだろうが、五右衛門風呂*3はそういった構造になっている。五右衛門風呂を知っていれば、答えを聞いて「ははは、本当だ」となるわけである。
「下は大水、上は大火事、なぁんだ*4」というなぞなぞもある。粗忽者は「なんだそんなの簡単。お風呂」と答える。お風呂は逆だろうと言えば「本当だ、はて、なんだろう」となり、ここから本格的ななぞなぞが始まる。
答えは「洋上に浮かぶ船の大火事」である。なぞなぞの問いかけをそのまま別の言葉で表現した当たり前の答えなので、全く詰まらない。これは、答えが「お風呂」である逆のなぞなぞを知らないと面白味が理解できない。
今なら、まず「上は大水、下は大火事、なぁんだ」というなぞなぞを出して五右衛門風呂の説明をしてから、「下は大水、上は大火事、なぁんだ」を出題しなければならない。
こんなことを風呂ラジオ*5で思い出した。
*1 Google 検索: 上は大水、下は大火事
*2 ほぼ日刊イトイ新聞-火曜日はなぞなぞの日
*3 (資)伊田屋商店 / (資)伊田屋商店
*4 Google 検索: 下は大水、上は大火事
*5 風呂ラジオ
貝の佃煮、しぐれ煮*1が好きである。しじみ*2やあさり*3などのしぐれがあるが、やはり蛤のしぐれが一番美味い。
蛤のしぐれは美味いが、高い。だから数年に一度ぐらいにしか食べられない。ここ数年は食べていない。
名古屋で蛤のしぐれと言えば「貝新」である。「貝新」という名の店の蛤のしぐれ煮が一番と言うことになっている。
ところが「貝新」という屋号のしぐれ屋は何軒かあるのである。「かに道楽*4」「かに本家*5」や「餃子の王将*6」「大阪王将*7」のように似通った名前が二つどころではない。
どの店の屋号にも「貝新」の文字が入っているのである。似通っているだけではない。「総本家貝新*8」「総本家貝新新七商店*9」「総本家新之助貝新*10」「貝新 水谷新九郎*11」の四つの店にはすべて「貝新」という名前が入っている。いつもの商標と違うな、と思って買ってからよく見るといつも買う「貝新」と違う「貝新」だった、という様なことも日常的に起こる。
どれが一番美味いかというと、全部食べ較べたわけではないのでよく分からない。そもそもしぐれ煮というのは味が濃いので微妙な味の差が出にくい。しぐれ煮が発明されて、それを作る店はそれなりに淘汰されているので、どこの店のしぐれ煮でも美味いはずである。
従って間違って違う「貝新」のしぐれを買ったとしても、全く問題はないということになる。
*1 志ぐれ煮とは
*2 創業明治30年、八郎潟名産佃煮製造元 千田佐市商店
*3 あさり佃煮/海の佃煮/商品一覧:さん志ょうや本家(宝塚 清荒神)
*4 かに道楽グループトップページ
*5 札幌かに本家チェーン 北海道の新鮮なカニを毎日空輸直送
*6 餃子の王将
*7 大阪王将
*8 貝新のホームページ
*9 総本家貝新-新七商店-
*10 新之助貝新ホームページ
*11 貝新水谷新九郎
|
表紙 | 目次 | リンク集 | 掲示板 | メール | 遺構探訪 |
Copyright (c) 2003 Yoshitaka Gotoh, Japan