|
表紙 | 目次 | リンク集 | 掲示板 | メール | 遺構探訪 |
0508雑記草
050802購入の第一条件は単三電池が使えること。これは数年前買ったデジカメの異常なほどの電池消耗に辛酸を舐めさせられた*2からである。いざ撮影をしようとしたら先程新品の電池を入れたはずなのに電池切れになっている。写真を二、三枚撮影したら電池がなくなってしまっていた。
特に腹が立ったのは、後で訴訟になるかも知れないと思って証拠写真を撮ろうとしたら電池切れになって殆ど撮れなかった。実際に裁判を起こすことになった*3のでかなり悔しい思いをした。裁判は和解になったが、結果はほぼこちらの主張通りになったので証拠写真はそれ程重要ではなかった。これほど大袈裟でなくとも例えばスナップ写真を撮ろうとした時に電池がなくなっているというのはとにかく悔しい。
第二はできるだけ明るいレンズ*4が付いていて欲しい。これには特に理由がないが、何となく明るい方がいいと言うだけである。デジタルカメラは撮像素子*5の感度を撮影の都度変えることができるのでレンズが明るくないと暗い場所で上手く撮影できないということはない。それでも何となく明るいレンズが良い。
この二つの条件で現状選び出しているデジタルカメラは、リコーのGX8*6である。物凄く買いたくなっているのだが、躊躇している。
それはGR1のデジタルカメラ版*1がもうすぐ発売されるかも知れないからである。これもリコーのカメラである。GX8はズームレンズ、GR1のデジタル版はおそらく単焦点のレンズだから両方買うという手もある。先にGX8だけを買ってもよいのだが、万一GR1のデジタル版がズームレンズであると後悔する。それにGR1のデジタル版はその大きさから考えると単三電池ではなく専用電池になるだろう。これも悩みの種である。
どうするか。
*1 デジタルカメラ(3)
*2 女・一人日記 … 池松江美
*3 法定
*4 TAMRON|A09レンズテクノロジー
*5 CCDとBBD
*6 製品情報 / Caplio GX8 | Ricoh Japan
050803物欲の対象となっているデジタルカメラ*1の実物*2を見に行った。
カタログ写真だけを見ていると、リコーカメラの特徴である「貧乏臭さ」が炸裂していたが、実際に手にとって見てみるとそれ程気にならなかった。
とは言っても気に入らない部分がある。意匠だけの問題でカメラの性能には全く関係ないのだが、それは「貧乏臭さ」を増幅する要素となっている。GR1*3でも同じだが、レンズ周りの意匠がいけない。何故こんな意匠になっている*4のだろう。わざわざレンズの周囲を銀色にする意図は何か。銀色というのはどうも安っぽい。カメラの基本は金属の塊*5なので銀色を出したい気持ちが解らないでもないが、カメラ全体が黒いので銀色は似合わない。どうしても文字を書きたいのなら白色が良い。黒地に白い文字なら落ち着く。
GR1*6からレンズだけを独立させたGRレンズ*7は黒地に白文字*8なので全く問題ない。もともとこういう意匠を採用することができるなら、なぜカメラの方でやらない。
GX8*9はレンズ周りが更に安っぽい。何とかならないだろうか。
レンズ周りの話はカメラの性能ではないので気にしなければそれで済む。実物を手にとって気になった部分がもう一つある。電池の蓋である。電池の蓋は握りの部分にある*10。右手で少し強めに握ると蓋がずれて開いてしまう。何かの拍子に蓋が完全に開いて電池が飛び出してしまう可能性がある。たまたまその展示品の蓋がおかしいのかと思って他を試してみても同じだった。これは下手な設計が原因だから、待っていれば改良されたものが出てくるかも知れない。
その頃にはGR1のデジタル版も発売されているだろう。
*1 デジタルカメラ(5)
*2 製品情報 / Caplio GX8 | Ricoh Japan
*3 拡大画像
*4 拡大画像
*5 日本カメラ Online 連載11
*6 リコー技術最前線
*7 Ricoh Camera Website
*8 rd10.jpg
*9 【新製品レビュー】リコー Caplio GX8
*10 拡大画像
*11 ITmedia ライフスタイル:“デジタル版GR1”を予感させる本格志向――リコー「Caplio GX8」
050804オースチン・パワーズ*1の三作目、「ゴールドメンバー*2」に日本人の双子の姉妹が登場*3する。
まず最初に一人が出てくる。彼女は「Fook Mi(Fukumi)」と名乗る*4。オースチン・パワーズはそれを「Fuck me」と聞き違える。こういう聞き違いは第一作目でも出てくる*5。
次にあと一人が登場する。彼女は「Fook Yu(Fukuyu)」と名乗る。それを「Fuck you」とまた聞き違える。
「Fukumi」は分かる。漢字で書けば「福美」だろう。しかし「Fukuyu」とは何か。日本の女性の名前で「ふくゆ」など聞いたことがない。家にはこの映画のDVDがある。それを見る度に気になっていた。見る度と言っても何度も何度も見ているわけではない。それでも二、三回は見た。
最近、ふとその意味に気付いた。「ふくゆ」ではなく「ふくよ」なのだろう。「福代」ならばありそうだ。多分「Fukuyo → Fuku you → Fook Yu」と解釈されたのだろう。
Fook Mi(Fukumi)はDiane Mizota*6、Fook Yu(Fukuyu)はCarrie Ann Inaba*7が演じていた。実はどちらもアメリカ人だった。
*1 見たい映画
*2 :: Austin Powers Goldmember Official Movie Site: Trailer, Pictures, Wallpaper, Pic, Film, Preview, Screensaver, Soundtrack, Download, 3
*3 Austin Powers Goldmember Movie Pictures, Images, Photos, Pics, Desktop Wallpaper
*4 Diane Mizota
*5 バニラ
*6 Diane Mizota
*7 CarrieAnnInaba.tv
050805オースチン・パワーズが日本人の双子と出会って*1いちゃつこうとした時、彼は二人を制して、懐から手帳を取りだした。
その手帳には「死ぬまでにやること(Things To Do Before I Die)」とある。これは筆者の物欲メモ*2によく似ている。筆者の物欲メモは欲しい物を厳選し、衝動的な買い物を抑え、かつ無駄な出費をるための工夫である。オースチン・パワーズの場合はどうか。「死ぬまでにやること」なので物欲だけが対象ではない。一生の内にどうしてもやっておきたい事柄が書かれているはずである。そこにはこうあった。
Become international man of mystery*3(国際的な神秘の男になる)
Save world from certain doom(来るべき破滅から世界を救う)
Find true love(本当の愛を見つける)
Go to outer space(宇宙に行く)
Travel through time, backward and forward(過去と未来とを旅する)
Be cryogenically frozen(極低温保存される)
Catch Dr. Evil*4 in the first act(最初の場面でドクター・イーブルを捕まえる)
- Threesome with Japanese twins(日本人の双子と三人で淫らなことをする)
- Earn daddy's*5 respect(父さんから一目置かれる)
何が書いてあるのかDVDをコマ送りして確かめたが、二番目、三番目は文字が流れてしまってどうしても読めなかった。web上を検索したらこうだというのが出てきた。改めてコマ送りで見てみると何となくそんな感じに読める。
線が引いてある項目は成就したことを示している。オースチン・パワーズは双子の間に座りながら「Threesome with Japanese twins」に線をおもむろに引く。
そういえば「死ぬまでにやること*6」など考えたことがないことに気付いた。
*1 ふくゆ
*2 物欲を抑える方法(2)
*3 Photo gallery for Austin Powers: International Man of Mystery (1997)
*4 Austin Powers Goldmember : Dr. Evil Lair Sounds, Pictures, Wavs, Pics, Mini Me
*5 Austin Powers Goldmember Movie Cast: Michael Caine, Biography, Nigel Powers Pics, Filmography, Pictures
*6 明日の命
050806以前、名古屋弁翻訳サイトを作った*1。大抵の日本語ページの翻訳ができる*2。ただし、翻訳の対象となるページの日本語表現によって名古屋弁に翻訳される前後の落差が違ってくる*3。である調の文章*4は多少面白味に欠ける。やはり会話文が面白い。
日記や顧客の声などが面白いが、他にも翻訳して面白いページに気付いた。それは問答集*5などである。問答集は必ず「ですます」調で書いてあるので、これが名古屋弁になると面白い。
あと、このページ*6やここ*7が面白いと思う。名古屋弁では「かい」や「ない」などが「きぁー」「にぁー」に変化する。これは外来語でも適用される。「プライバシー*8」は「プリァーバシー」になる。
ただし「ん」が続くと変化しない。「デザイン」「ライン」などはそのままである。日本語では「ain」が一区切りとなる場合がないので、「過飲」「多淫」などはそのまま「かいん」「たいん」である。ところが翻訳ページ*9では、仮名を機械的に変換してしまうので「デザァーン」「ラァーン」と表示される。これを避けるようにプログラムをいじりたいのだが、どうやって直せばいいか判らない。自分で一からプログラムを作るのは大変なので例外処理を巧く考えてある他人のプログラムを探して改造するしかない。
*1 純正なごやん(2)
*2 なごや弁純正変換『純正なごやん』
*3 純正なごやん
*4 日本国憲法
*5 Google よくある質問
*6 Yahoo! JAPAN - プライバシーの考え方
*7 Google サクセスストーリー
*8 アップル - アップルのプライバシーに関するポリシー
*9 なごや弁純正変換『純正なごやん』
050807「一家団らん」という言葉がある。一家が集まって楽しく語り合うことである。二人では「団らん」とは言わない。夫婦や恋人同士では表現として何となく変だ。三人以上だろう。日本では核家族*1化がかなり進んできている。結婚して親と離れて暮らす。やがて子供ができて、子供が成長して語り合える年齢に達するとようやく「一家団らん」が可能となる。しかし更に子供が成長すると独立して家を離れる。夫婦だけでは団らんとは言えないので子供がいなくなれば、一家団らんができなくなる。こう考えると「一家団らん」に時期というのは一生の内からするとかなり短いような気がする。結婚して子供がなければ日常的な団らんは自分が子供の時だけになる。
現代では、家族それぞれの楽しみややりたいことが溢れているので、家族の共有する時間が激減している。意識的にこういった時間を作るようにしないと一家団らんを経験せずに一生を終えることになる。
「団らん」と書くと、「子ども」とか「警ら*2」のように本来は漢字熟語なのに読みにくいから常用漢字外だからという理由で半分だけ平仮名を当てる間抜けな表現に見えてくる。「団らん」の「らん」の漢字は「欒」である。団は新字体だから本来は「團」である。並べて書くと「團欒」となる。楽しく語り合うためには「団らん」と簡単に書いた方がいいのかもしれない。
*1 かくかぞく 3 【核家族】 - goo 辞書
*2 けいら 1 【警▼邏】 - goo 辞書
050808昔、柘榴口*1という物があった。江戸から明治時代初期の銭湯の洗い場から浴槽への入り口のことで、湯が冷めるのを防ぐため入り口を低く作り、かがんで入る*2ようになっていた。燃料や湯を節約する点では優れていたが、浴槽側には光が入らず照明もない*3ため湯の状態が判らずかなり不衛生だったようだ。また柘榴口の中は男女混浴であったため風紀を乱す*4ということから明治政府から厳しく禁止され次第に廃れていった。
浴槽の中で人々が肩まで浸かっている様子をざくろの粒*5、出入り口をざくろの実の口*6に見立てて「柘榴口」と呼んでいたのだとずっと思っていた。全く違っていた。柘榴口は低いので屈んで入らなければならない*7。「かがみ入る*8」→「鏡要る」→「鏡に要るのは柘榴*9の汁」→「柘榴口」といった洒落らしい。酸味のある柘榴の果汁で錆びやすい鏡を磨いた*10ようだ。
十円玉をソースで磨くと綺麗になる*11のと同じ原理だろう。
*1 ルーツを探れ!風呂・トイレ・キッチン
*2 洗うを洗う
*3 共同浴場風俗史4
*4 東京都浴場組合ホームページ 銭湯の歴史日本編 5 江戸の銭湯は混浴
*5 IPM西本株式会社 カリフォルニア産 ザクロ
*6 熊本大学薬学部/今月の薬用植物 ざくろ Punica granatum
*7 フリー特集 銭湯の歴史を簡単にまとめてみました
*8 クリナップ / 江戸散策 / 第11回
*9 人間の味
*10 <石榴(せきりゅう・ザクロ・石榴皮)>-果皮を乾燥させ下痢止めに-
*11 10円玉_1
050809小学館*1のマークで、以前から気になっていることがあった。兄妹らしき小学生が机に向かい合って座って勉強をしている*2。机には柄付きの布が掛けてある。布の縁には細い紐で装飾が施してある*3。
問題は足下にある物体である。横から見た絵しかないが、上から見ると丸いような気がする。達磨ストーブ*4を上下に潰して小さくしたような感じである。従って暖房器具か何かだろうと考えていた。ストーブのようにむき出しでは危なくて仕方がないから「あんか*5」だろうか。まぁ、何れにしても暖房器具に間違いない。
どうも違うらしい。机の脚だというのだ。一本足の机*6らしい。言われてみればそう見える。しかしマークをよく見ると机と足下の達磨ストーブの蓋とが切れている*2。紐の飾りが手前で脚が奥にあることを表す工夫でわざと切ったのかも知れない。最近のマークでは足が太くなってつながっている*7。マークの変遷*8を見ると、脚は必ずしも切り離されていないが、太くなっている。
それにしても机の脚としてはかなり細い。昔に考えられたマークなので机は木製に違いない。木製ならばある程度の太さが必要である。絵を見ると子どもの脚の太さの半分程度しかない。木製の一本足の机の脚が子どもの脚より細いというのは考えられない。
ただ、初期のマークを見ると真ん中の脚以外に机の脚が全くないように見える。机の隅に脚がない。そうなるとやはりあの「達磨ストーブ」は机の脚と考えるしかないのかもしれない。
*1 小学館
*2 shougakukan01.jpg
*3 トリム
*4 第4弾 13「だるまストーブ」
*5 愛知県美浜町生涯学習表紙 美浜の民具 e382.jpg
*6 16130-36rd(wb)_big.gif
*7 shougakukan02.jpg
*8 ふろく博物館|付録博物館
050810一番末の娘*1が、最近は言わなくなったが、猿のことを「おさるし」と言っていたことがある。商店街などで猿の着ぐるみ*2を見つけると「おさるしだ、おさるしだ」と叫んでいた。
「おさるし」の「お」はお猿のおである。それでは最後の「し」は何か。接続助詞の「し*3」である。上の子供二人が「〜だし」「〜があるし」「〜ているし」などと文末に「し」を頻繁に付けていたので、それを真似たのである。ただ、名詞に直接付けているので文法は間違っている。更に「し」を付ける意味もない。活発なところから兄妹から「お猿みたいだし」とよく言われたのを聞いて、お猿みたいだし→お猿だし→おさるし、となったのだろう。
最近は、気を引くためにわざと赤ん坊のような甘え方をする場合がある。それを筆者は「バブちゃん*4みたいだねぇ」とからかっていたが、そのうちそれを「ばぶし」と表現するようになった。そして今、娘の愛称の一つが「ばぶし」になっている。
*1 おとうさんスイッチ
*2 着ぐるみ販売・サル&オランウータン・スーツセット
*3 し - goo辞書
*4 赤ん坊の語源
050811数ヶ月前に愛知県犬山市*1にあるリトルワールド*2に行った。ここで古くて新しい石の貨幣*3を初めて見た。「古くて新しい」というのは、石の貨幣*4は原始的な様に見えるが、その取り扱われ方を考えてみるとクレジットカードや電子貨幣に似ているという意味である。
石の貨幣は野外に展示してあった*5。お金だからだろうか、盗まれないようにしっかりと固定してあった。日本の孔あき最高額貨幣の五十円玉と比べるとかなり大きい*6。
*1 Yahoo!天気情報 - 犬山市の天気
*2 野外民族博物館 リトルワールド
*3 石の貨幣
*4 独立行政法人造幣局 ぞうへいきょく探検隊
*5 0505290023.jpg
*6 0505290023_2.jpg
050812地球環境を保護しながら、現在と変わりない物質的に豊かな生活を続けることは可能か。何をもって「豊か」とするかは、それはそれで難しい話であるが、現状の日本における一般的な生活様式を豊かな生活とするならばこれを永続させることは可能だろうか。「環境保護*1」という言葉も曖昧である。どうすることが環境保護になるのか。環境保護を訴えるために森林を伐採してそこにあった生態系を完全に破壊するする*2ことが環境保護と言えるのか。人類の都合で自然を制御することは環境保護なのか。
そもそも「これまでと変わりのない生活*3」という点が矛盾している。資源などが枯渇してきたり、人間の営みによって大気の状態が変化している*4というのであれば、節約したり活動を控えたりするのが当たり前である。本当に困窮していれば「現在と変わりのない生活」というのはあり得ない。
金がなくなると、まともな人間ならば、生活の水準を落とす。金がなくなってもそれまでの生活水準を維持しようとするならば、借金をするか物資を強奪するしかない。これでは必ず破綻する。「これまでと変わりのない生活」を実現するために環境保護の名を借りて自然から借金や強奪をし続ける行為を人類はそろそろ見直さなければらないかもしれない。
*1 環境問題 - Wikipedia
*2 ホームページ | EXPO 2005 AICHI,JAPAN
*3 持続可能な開発 - Wikipedia
*4 地球温暖化(5)
050813筆者のパソコンには「Kirloy」が入っている。「Kilroy*1」とはMacで動作するソフトの一つで、設定した時間クリックやキーボードを押さないと一番前面で開いているウィンドウの上辺に「Kilroy」が現れるソフトである。
Kilroyが現れていない状態はこれ*2で、現れたのがこれ*3である。設定時間は5分にしてある*4。0分でも設定できる。0分にするとすぐに出てきてくれる。全く飽きないので数年間入れっぱなしである。
Kilroyの実写版を見つけた。これ*5である。
*1 Kilroy
*2 kilroy0.gif
*3 kilroy1.gif
*4 Utilities Soft Kilroy
*5 Kilroy%20(Savage)%20was%20here.jpg
050814日の丸*1が正式に日本国の国旗とされたのは今から六年前*2だった。ある事件がきっかけとなり*3、それまで慣習的な定義であったものが一気に法制化され公式に定められた。
それまでは何らかの根拠でもって正式と言えるものがなかったので、「白地に赤丸*4」であれば何でも日本の国旗だと主張できた。一方、諸外国では国旗の定義がしっかりしている*5のだろう。
とはいえ明治初期には日の丸の意匠の定義*6の方ははっきりしていた。最初に明文化されたのは「明治三年太政官布告第五十七号」で、「横 一丈三尺 縦 九尺一寸 日の丸の直径 五尺四寸六分 日の丸の上下の余白 それぞれ一尺八寸二分 日の丸の風下側の余白 三尺九寸 竿側の余白 三尺六寸五分*7」となっていた。日の丸の中心が竿側に大体百分の一(中心から竿側に一寸二分ずれているので百八分の一)ずれている*8。六年前にできた法律では別の寸法が採用されている*9。この寸法の基はこれだろうか*10。現行法規では但し書きがあって、当分の間は最初の日の丸の寸法の割合でもいいことになっている。ただし中心のずれ方は「百分の一」となっている。
なぜ「百分の一」ずれているのだろう。おそらく旗竿に取り付けた状態を想定したためだろう。竿の幅の分だけ見込んで日の丸の中心をずらして均衡を取ったのではないだろうか。一寸は3cmぐらい*11だから、これくらいの直径の竹竿ならば一丈三尺(4m程度)の旗が取り付けられるだろう。
*1 日の丸の旗
*2 国旗及び国歌に関する法律(国旗国歌法)
*3 国旗・国歌のページ
*4 日の丸弁当もいいけど
*5 星条旗の星
*6 5 国旗,国歌の由来等
*7 日本国国旗
*8 国旗ニ関スル件
*9 国旗及び国歌に関する法律(平成11年法律第127号)/網際情報館
*10 大日本帝国国旗法案(第59回帝国議会提出法律案)/網際情報館
*11 Unit MARKET(長さ)
050815数日前から家の中で一匹の蠅がうるさいので、蠅捕りリボン*1を買ってきて天井に吊した。吊してから何日かして、ふと気が付くと蝿がいなくなっていた。リボンを見てみたが、蠅は付いていなかった。窓かどこかから出ていったのだろう。蠅はいなくなったが、リボンはそのままにしておいた。
リボンの下には丁度去年買った蠅帳(はいちょう)*2がある。その辺りには昭和三、四十年代の空間*3が出現している。
昭和といえば、この蝿捕りリボンを発売している会社は、すばらしい意匠の粘着式ねずみ取りを製造している。外装には水木大先生の傑作登場人物「ねずみ男」が描かれている*4。家庭用品の外装に人気漫画の登場人物を描く発想は「昭和時代」にはなかったような気がする。商品広告の手法は平成だが、ねずみ男*5は昭和そのものである。この不均衡さがいい雰囲気を醸し出している。
*1 カモ井加工紙株式会社ホームページ 製品紹介-ハエ・虫取り・ねずみ取り製品
*2 蠅帳
*3 「昭和の住まい展」開催中
*4 製品紹介-ハエ・虫取り・ねずみ取り製品
*5 ねずみ男(ねずみおとこ)
050816高山の山桜神社*1で馬頭絵馬市*2をやっていた。和紙に描いた絵馬である。自分の気に入った絵馬にはその場で名前を筆で入れてくれる*3。手頃な値段で気に入った絵馬があったので買ってきた。
絵馬市では百円を「百万両」と称して売買が行われる。最近、こういった言い方をする店屋が殆どないので、「はい、五千万両お預かり」といった声を聞いたら非常に懐かしかった。
横幅が大体60cmぐらい*4ある。玄関の壁に貼る。馬の向きが家の中に駆け込むように貼るのである。そうすると幸運が舞い込んでくる。実は数年前に同じ神社の絵馬を頂いている。何年も経過して効力が落ちてきているような気がしてきたので新しいのが欲しかったのである。絵馬市は八月一日から十五日までしかやらないので、その時期を逃すとなかなか手に入らない。今回はたまたま買うことができた。
古い絵馬はどうするか。高山では毎年買ってきた絵馬を上に重ねて貼っていくらしい。重ねて貼ると勿体ないので、家では並べて貼ってある。
掲載した画像*4では筆者の名前の部分が消してあるので、画像を取り込み自分の名前を書き入れれば自分専用の絵馬の完成である。ご活用下さい。
*1 山桜神社-JTB 国内旅行
*2 0508150019.jpg
*3 0508150022.jpg
*4 ema.jpg
050817耳障りな言葉に「勝ち組」「負け組」*1というのがある。運動会でもないのに勝った負けたと表現し、更に「組」を付ける。何かというとすぐに群れたがる。稚拙な感じがする。
そもそもこの言葉はどこから来たのか。1991年頃のバブル経済崩壊*2以降、様々な業界内で万年黒字の企業と万年赤字の企業とが明確に分かれているのを表現したのではないか。これならば確かに「組」と言っても差し支えがない。しかし昨今の「勝ち組」「負け組」は、人生や生活様式に対しての表現が多い。人生における勝ち負けとは一体何なのか。個人資産の多寡だろうか。年収だろうか。こういった金額であれば平均よりも上か下かで大抵は判断できる。平均よりもはるかに上ならば、敢えて言うと「勝ち組」だろう。それにしてもだから何だと言いたくなる。個人資産ならば、マイクロソフト社のビル・ゲイツ*3に言わせれば「ウププッ、ボク以外、人類みな負け組じゃん*4」となる。
他人と競うために人生を送っているのではない。競うことは一生を過ごす上での糧となり得るが、それは必ずしも目的ではない。人生の目的は何か他のものである場合が殆どだ。とはいえそれぞれの一生の内にそれに気付くかどうかは別である。何れにしても「勝ち組」「負け組」というのは、あたかもそれが目的のような表現である。根本からして稚拙なのである。
*1 「勝ち組」「負け組」 どう思う? : 生活フォーラム : 大手小町 : YOMIURI ON-LINE(読売新聞)
*2 日経平均プロフィール
*3 Bill Gates' Web Site - Home Page
*4 ビル・ゲイツ
050818月は表側しか見えない。厳密に言うと裏面がわずかに見える*1らしいが、いつも兎が餅つきをしている面*2しか見えない。何故か。月の自転と公転が完全に一致しているからである*3。月が地球の周りを大体一ヶ月かけて回るのと同時に自分自身も一回転する。
自転と公転とが一致するとは何たる偶然かと思っていたが、これはごく当たり前の現象らしい。何らかのきっかけで主体となる天体の周りを衛星が回りだしたとする。太古の昔に何かのきっかけで月も地球の周りを回りだした*4。最初のうちは自転と公転とが一致する必然性はないので、ある速度で回転していたのが、時が経つにつれて一致するようになったらしい。
そうなったのは、天体は完全な球体ではなくまた内部も偏っているのが原因という。主体となる天体の周りを回っていれば衛星自体は必ず引力の影響を受ける。偏りがあるとその偏った部分が常に余計に引っ張られる*5。そうすると衛星の自転に制動がかかる。最後には起き上がり小法師*6や達磨*7のように錘の入った尻を地球に向けて安定する。月も同様に、偏って重くなっている部分が常に地球の方に向くようになったのである。こういった現象を人工衛星の姿勢制御に使うことができるらしい。「重力傾度安定方式*8」と呼ばれている。安定するのに時間がかかるためか人工衛星ではあまり実用的ではないようだ。
それでは、いつ、月の内部が偏った*9のだろうか。潮の干満が月や太陽の引力で発生する*10ように天体自体も変形する。月自体も地球の引力によって偏りができたのかもしれない。隕石の衝突によってできた*11のかもしれない。どちらなのかよく判らないが、少なくとも現状のような固い状態で地球の引力などでは殆ど変形しないと考えられるようだ。従って月がいつも同じ側を見せだしたのは、月ができて冷え固まってから、もしくは隕石が衝突して偏りができてからしばらくしてのことになる。
*1 月 - Wikipedia
*2 Moon Photo Page
*3 FAQ: 月の自転・公転周期
*4 月の起源 - 月を知ろう - 月探査情報ステーション
*5 moon-forces
*6 ローリーポーリーNo.343
*7 サッカーチーム piquet8.jpg
*8 人工衛星の姿勢制御(1)受動安定方式
*9 Chapter 6, Figure 9 Moon's interior
*10 潮の干満はなぜ起こるの?
*11 Chapter 6, Figure 14 Lava floods the basins to make the maria
050819地球から月は表側しか見えない*1。その理由は公転と自転とが完全に一致しているから*2である。一致したのは月の形や質量が偏っているため、偏っている側は引力で引き寄せられやすい。そちらがいつも地球の方を向いていると落ち着くのである。
しかし考えてみると月に偏りがなくても地球に対して何時も同じ側を向けて公転している*3のが一番安定した姿のような気がしてきた。いつも地球に同じ面を見せて公転すると言うことは、一回公転すると自分も一回転するので公転と自転とが一致していることになる。これを「自転」と言うのは何となく気持ち悪いが、自転の定義を「その天体からある恒星を観測した時、恒星の位置が時間の経過で変化すれば、自転しているという。また恒星の位置が元に戻るまでの時間を自転周期という」とすれば、まさしく自転していることになる。ただし、この定義は筆者が勝手に作った。
地球から月を見ると、地球は一日一回自転しているので「月の出」「月の入」*4が見られる。月から地球を見ると「地球の出」「地球の入」が見られるだろうか。月の裏側からは当然見られない。表側からは常に地球の方を向いているわけだから月面に立って見る限り空に浮かぶ地球は全く動かないことになる。「地球の出」「地球の入」はない。
ところが筆者は「地球の出」「地球の入」があると漠然と思っていた。この写真はまさに「地球の出」*5と勝手に思っていた。英語でも「earthrise*6」という。
何故そんな風に思っていたか。月を周回するアポロ宇宙船からの映像*7を見て、地球が昇ってくると勘違いしていたのだろう。
*1 APOD: November 8, 1999 - Lunation
*2 月の表側
*3 Chapter 6, Figure 11 The Moon rotates once each time it orbits the Earth
*4 月の出、月の入りの時刻とは?
*5 earthrise.jpg
*6 Q&A: Earthrise
*7 Earthrise
050820先日、万博*1に行った。筆者は反対派なのだ*2が、様々な圧力によって家族と行くことになった。「亭主の好きな赤烏帽子*3」というわけにはいかないのである。
会場内を歩いていたら、真っ青な空に飛行機が飛行機雲で文字を描き出した。こういったのを見るのは久しぶりである。数年前の自衛隊の航空祭*4で見たような気がする。大阪万博*5でも飛行機雲で空に文字を書く映像*6を見たことがあるが、この方法とは少し違う。先日見た空の文字はデジタル式だった。
これがその時の写真*7だ。万博とは全く関係のない、清涼飲料水の広告*8だった。件の清涼飲料水の広告概念と完全に合致した空だったので宣伝効果は非常に高かったのではないだろうか。ただし我々家族はお茶を持参していたので、全く売り上げには貢献しなかった。
*1 ホームページ | EXPO 2005 AICHI,JAPAN
*2 愛知万博
*3 ていしゅ 1 【亭主】 - goo 辞書
*4 各務原飛行場
*5 太陽の塔
*6 expo70.jpg
*7 expo2005.jpg
*8 ポカリスエット スカイメッセージ
050821人間はどうやって重力を感じているのだろう。光を眼や皮膚で感じるように重力を直接感じることはできるのだろうか。上下が区別できるのだから確かに重力を感じているはずである。直接に重力を感じるという言い方は何となく変だ。「感じる」というのは光でも音でも臭いでも味でも*1、それらの事柄を脳やその他の器官が処理できる信号に変換して初めて「感じる」ことになるので、直接ということはないのかもしれない。
ただ、重力という感覚は、科学の発達によってその存在が認識*2されて初めてできたものだから、光や音などに比べて「直接的でない」と言えるだろう。昔から「重力」の存在が認識されていれば、それを表す言葉があるはずである。それがないということは直接感じているわけではない。
重力を感じる器官が人間にはあるのだろうか。加速度を感じる器官*3が耳の中にある。これらの器官は自身の姿勢を知るためのもので加速度や重力そのものを知るためではない。そもそも人間は加速度や重力を日常的に知る必要はないだろう。運動するためには自分の手足を動かさなければならない。だから自分が運動しているかどうかは手足が動いているかどうかで判る。また地上の重力は殆ど変化しないのだから、それだけを知るための器官は進化によって備わるはずがない。これらの器官*4はやはり姿勢を知るためだろう。
エレベータなどに乗っていれば、加速度を感じることができる。これは体が傾いているとか回転しているといった具体的な感覚ではなく、何か違う感覚である。本来、姿勢を感じる器官*5が加速度を感じているからだろうか。エレベータの中では加速度と重力とは区別が付かない*6ので、即ち重力も感じていることになる。感じているのだが、重力という概念を知らなければ何を感じているのか判らない。そしてそれを感じることができても生命維持には全く役に立たない。
重力の変化を感じた時、あの変な感じは本当に耳の中にある感覚器官*7によるものなのだろうか。身体全体で感じ取っているのではないだろうか。内臓や筋肉が重力や加速度によって力*8を受ける。それを感じ取っているのだろう。動きやすい内蔵や筋肉があれば敏感に感じることができる。男性の場合、金玉*9が最も敏感に感じる器官だろう。だからあのエレベータでの感覚は金玉が中心になっている。耳ではない。女性の場合はどうか。金玉に相当するのは卵巣*10だが、金玉ほど自由闊達に動くことができないだろう*11から男性ほど敏感に感じていないに違いない。
*1 脳の世界
*2 ニュートンの近代的宇宙観
*3 宇宙の不思議 うそ、ほんと -宇宙でいきる (1)-
*4 Sense 2.聴覚、前庭感覚
*5 藤塾生物学講義第15講
*6 Newslet. 56n
*7 内耳神経[ ]2.前庭神経
*8 1-2-2 慣性力と遠心力
*9 似ている植物
*10 雌雄のもと
*11 子宮体部がん(子宮内膜がん)
050822人間以外に重力を感じる生き物はいるだろうか*1。多くの脊椎動物には体の平衡を感じ取る器官を持っているらしい。平衡を知るための器官のしくみ*2は、端におもりがついた構造体が重力や加速度でしなる*3のを感覚細胞で感知するようになっている。これは工業製品に使われている加速度センサ*4も同じである。
ボウフラ*5は重力を感じることができらしい。ある雑誌*6にそんな話が載っていた。
水溜まりに発生したボウフラは普段は水面にしっぽをつけて呼吸*7をしている。近寄ったり振動を与えるとボウフラは危険だと思って水底に向かって泳ぎ隠れようとする。
この行動の根源は二つの性質によるとあった。一つは光から遠ざかろうとする性質、あと一つは地面に向かおうとする性質。前者は負の走光性、後者は正の走地性という。光から遠ざかろうとするので「負」という。光に向かうのであれば「正」になる。地面に向かうから正の走地性、地面と反対方向に向かうなら負の走地性となる。光の反対は「暗」「闇」で、地の反対は「天」だから負の走光性は「走暗性」、正の走地性は「走天性」といってもいいような気もする。
ボウフラのこの二つの性質は身を守るための二重保障だという。自然界では太陽の光は常に上から降り注ぐので、何かあったら光の反対方向に行けば隠れることができる。太陽は昼間しか出ていないから夜は正の走地性によって地面に向かって泳いでいく。これで一日中安心だということになる。
ところが太陽は日中しか出ていないが、重力は一日中ある。保障は「正の走地性」だけで十分ではないだろうか。何故、光に対して反応する必要があるのだろうか。本当に光に反応しているのだろうか。ボウフラを透明なガラス容器に入れて周囲を暗くして容器の底から光を当てる。容器を叩いて脅かすとボウフラは光が下から来ているので上下どっちに逃げて良いのか解らなくなってしまうらしい。
蚊には眼*8があるので光に反応するのはわかるが、あんな小さな体で重力を感じる器官を持つことができるのだろうか。空気や水には粘り気があるので極小さな構造体のしなりで重力を感じることは不可能になってくるだろう。空気や水のちょっとした動きで構造体が動いてしまい重力だけを選別することができない。
となると走地性とは一体何か。微小動物は重力を感じているとはとても思えない*9。それなのに何故、ボウフラは夜中でも地面に向かうことができるのか。
*1 重力を感じる
*2 Nervi vestibulocochlearis内耳神経
*3 structure.jpg
*4 FUJI CERAMICS CORPORATION
*5 蚊の発生を防ぎましょう
*6 波
*7 ガイチューバスターズWEB 〜滋賀環境衛生株式会社〜
*8 Icos-Nature-Eye-Mosquito-color.gif
*9 磁性細菌
050823走地性とは何か。移動能力を持つ生物が重力に対して示す性質で、重力の方向に移動する場合は正の、重力の向きに逆らう場合は負の走地性を持つと言うらしい。ボウフラは正の走地性*1を持つようだ。
重力に向かったり逆らったりするということは、重力が感知できるということである。重力を感知しているから反応できるはずである。人間の場合、重力を直接感じることはできないが、坂を下れば上るよりも楽だと感じることができるので走地性を発揮することは可能である。
ボウフラやゾウリムシ*2など小さな虫が重力を直接感知*3する器官を持っているとは思えない。そうなると人間と同じように重力に逆らうと苦しい向かうと楽だという感覚で重力の方向を判断しているのだろうか。
ゾウリムシは重力によって自分の体が変形したり原形質が流動*4したりして重力を感じている*5と言う説がある。しかし微生物にとって周りの水の対流や動きの方が重力よりも影響が大きいような気がしてならない。
やはり苦しいか楽かで決めているのではないか。微生物や虫にとって苦しい落とは何か。それはエネルギーを多く使うか少なくて済むかだろう。これくらいは微生物自身も判るだろう。生物か非生物かの違いはこれが判るかどうかのような気もしてきた。ただ、それが「判る」というのがどういうことなのか、その仕組みは全く想像できないが、それがないとそこらの石ころと同じだろう。
そうなると「走地性」という言葉がおかしくなる。苦か楽かで動いているだけだから重力とは関係ない。空気や水の動きが支配しているならば、「地」というのはおかしい。ボウフラやゾウリムシを水を満たしたホースなどに入れて無重力状態*6にする。その状態でわずかに水流を起こすとどうなるのだろうか。何となくこの水流に対して反応する気がしてならない。
*1 ボウフラと重力
*2 原生生物の世界 Protista
*3 絶対重力測定
*4 日本植物生理学会-みんなのひろば- 原形質流動を見る
*5 研究紹介 1998.3 No.204 単細胞生物の重力感覚
*6 IHI石川島播磨重工業(株) -地上試験設備-
050824江戸時代に作られた置き時計を現代の技術で再現するという試みがなされたらしい*1。テレビジョンでその様子が放映されていた。
その時計は通称「万年時計*2」と呼ばれていて一度ぜんまいを巻くと一年間動き続けたらしい。一年間だから「万年」時計というのは大袈裟だが、ぜんまいを一日一回巻かなければならない時計と比べれば較べ物にならないぐらいの性能である。
ぜんまいを全く巻く必要のないぜんまい式の置き時計*3がある。こちらの方が万年時計に近いが、一年に一度ぐらいのぜんまい巻きに対して文句をいう人はそんなにいないだろうから「万年」と言ってもいいだろう。
万年時計は一回のぜんまい巻きで長時間動くことだけが特徴ではない。六つの異なる文字盤や天上の太陽や月の運行を示す模型も備えている。特に六つの文字盤のうち、和時計*4が凄い。明治以前は時間の単位が昼と夜とでは異なっていた*5。昼と夜とをそれぞれ六等分したのが時間の単位となっていた。昼と夜との長さが季節によって変化するので、冬と夏とでも単位が変化した。この変化を機械式に自動に表示できる文字盤*6を備えているのである。季節に従って文字盤上の時刻を示す文字が動いたのである。
この様な複雑な時計を田中久重*7という人が三年ほどかけて殆ど一人で完成させたらしい。1851年のことであった。それを現代の技術で再現する*8というのである。多くの人々が携わり最新の技術を駆使しても一年程度かかったようだ。因みに田中久重は東芝の創設者*9である。
番組の中で、一年間も時計を動かし続けるぜんまいの機構解明の場面で巻き貝のような螺旋の溝を持った「サザエ車*10」という名の部品が出てきた。東芝だからサザエ*11ではない。もしかもたらそうかも知れないが、サザエ*12のような形をしているからである。時計機構の分析担当者があまり見たことがない部品なのでそう命名したと番組で説明していた。
そのサザエ車を田中久重が独自に考え出したような感じで番組は構成されていたが、筆者はこの部品をオルゴールの写真*13で見たことがあった。ぜんまいは緩むと力がだんだん弱くなってくるので、それを一定にするための仕組みに使われる。オルゴールにも使われているぐらいだから西洋では一般的な機構*14なのだろう。田中久重の発明ではない。
この機構は「fusee*15」と呼ばれる。フランス語では「フュセー*16」と読むらしい。英語では「フュージー*17」になる。1450年頃発明されたようだ。この機構は懐中時計にも組み込まれていた時期*18があった。しかし他の機構の方が精度がいいので次第に使われなくなった*19ようだ。
*1 万年時計 復活プロジェクト|TOSHIBA SPIRIT
*2 万年時計 萬歳自鳴鐘 田中久重 1851年完成
*3 粋な機構
*4 横浜こども科学館ニュースNo.72 とBeっきりレポート
*5 和−Time Rhythm〜和時計の暮らし〜 前編
*6 face2.jpg
*7 田中久重 通称 からくり儀右衛門 またの名を 田中近江大椽
*8 万年時計 復活プロジェクト|TOSHIBA SPIRIT
*9 東芝:会社概要(歴史と沿革)
*10 万年時計 復活の歩み 1.先人の技術に学ぶ|TOSHIBA SPIRIT
*11 サザエさん
*12 イメージ写真…サザエ壷焼き
*13 Reuge S.A.: AXA.14.8007.000
*14 ●アンティーク時計修理 (英国)「振り子時計修理・ゼンマイ式時計修理」田中久重の和時計、万年自鳴鐘(万年時計)にも
*15 IMSS - Multimedia Catlogue - In depth - Chain fusee
*16 Antique Clock Guy: Antique Clocks and Mechanical Musical Instruments. We bring collectors and buyers together. Always the highest quality antique clocks available; fabulous antique automatic musical instruments.
*17 fusee. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*18 English Lever
*19 Fusee(鎖引き)時計
050825先日、万博に行った*1。どこのパヴィリオンでも見学者が一杯で並ばなければ入れない状況だった。並ぶのが嫌いなので、空いているところを見つけて見学しようと思ったが、なかなか見つからない。
ようやく見つけた。誰も並んでいない。すぐ見られる。筆者は「最強パヴィリオン」と名付けた。ボスニア・ヘルツェゴビナ館*2である。展示物は国内の自然を紹介する画像*3のみだった。
六月頃に掲示板で万博に地球儀*4を持っていくと楽しい、という話題が持ち上がった。そこで実際に試してみた*5。受付の人に地球儀を見せたらシールをくれた。
*1 万博の空
*2 ボスニア・ヘルツェゴビナ館 | EXPO 2005 AICHI,JAPAN
*3 ボスニア・ヘルツェゴビナ | EXPO 2005 AICHI,JAPAN
*4 風船地球儀
*5 bosna.jpg
050826万博*1で面白かったのは土産物屋である。アフリカの国々の土産物*2を覗いていたら、いい感じの仮面があったので呼び込みに誘われるまま店に入っていった。
値段を聞いてみると物凄く高い。アフリカ諸国の物価を考えると高すぎるような気がしてならない。何とか交渉して日本の観光地で購入する置物程度の値段まで下げて貰った。それでも現地で買うより百倍以上の値段で買ったような気がする。
買ったのはセネガル*3の土産用の仮面である。これが買った仮面*4である。如何にもアフリカ*5、という感じがしてなかなかいい。記念に土産物屋の店員の写真*6を撮ってきた。仮面の顔に何となく似ている。
この仮面の意匠はセネガルでは一般的なのだろうか。日本の仮面の意匠といえばおかめひょっとこ*7やなまはげ*8のように大体形や造作が決まっている。
なんとこれはカメルーンの仮面*9のようだ。このページにもカメルーンと書いてある*10。カメルーン*11はセネガルと同じ大西洋側だが中央部にある。西アフリカのセネガルからかなり距離がある。この店はパリ・ダカールラリー*12で有名なセネガルの店だ、と店員は確かに言っていたので、セネガルの土産物屋に間違いない。
もしかしたら店員に「これはカメルーンの仮面だ」と言われていたのかも知れない。当該パヴィリオンのちゃんとした展示品を見ずに土産物ばかり見ていたのでこういうことになってしまった。
*1 万博の空
*2 souvenir.jpg
*3 外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(セネガル共和国)-
*4 masks.jpg
*5 マコンデ
*6 senegal.jpg
*7 パンダ、タコチュー、ひょっとこ hyottoko.jpg
*8 なまはげ伝説
*9 African tribal masks
*10 Orient Curios
*11 外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(カメルーン共和国)-
*12 http://www.paridaka-info.com/
050827ひょうたんを栽培し出してから*1、ひょうたんが気になって仕方がない。先日高山で絵馬を買った時*2、ひょうたん屋を見つけたので覗いてきた。様々なひょうたんが吊してあった*3。8cm程度の小さいのを買った。500円だった。
*1 ひょうたん(2)
*2 絵馬
*3 hyoutanya.jpg
050828「岡部マリ*1」というひょうたん*2の品種がある。所謂ひょうたんの形ではなく、まん丸のひょうたん*3である。まん丸で毬の様だから「マリ」となったのかと思っていたが、そうではないような気がしてきた。
ひょうたんの原産は西アフリカ*4らしい。西アフリカには「マリ*5」という国がある。岡部マリのマリはこのマリに因んだのではないか。そうなると外国名は片仮名を用いるのは普通なので「岡部まり*6」は適切ではなく、「岡部マリ」と書くべきである。
それでは「岡部」は何か。もしかしたら「岡部まり」に因んだのかも知れない。
*1 ひょうたん(2)
*2 アフリカのひょうたん保全運動の試み
*3 岡部まり
*4 西アフリカ おはなし村:コラム・ヒョウタン
*5 外務省ホームページ(日本語)-各国インデックス(マリ共和国)-
*6 読売ITフォーラム 岡部まり
050829高山に行くと店の金銭用の受け皿*1に紙で作った絵皿を使っている店をよく見かける。この紙製の皿は高山市八軒町にある真工芸が作っている。絵は多色刷りの版画で朝市や高山祭りの様子などが描かれている。布に版画で模様を付けて作った小さなぬいぐるみ*2も製造している。雉*3をよく見かける。絵馬も製造*4している。
先日、その店に初めて行った*5。そうしたら今まで見てきた物とちょっと違う土産物があった。それは日用品で何かに役立つ物ではない。ぬいぐるみ*6のような自然物を模した置物でもない。オブジェである。純粋に土産物なのである。
その土産物は正十二面体*7になっていて、各面には木版画で刷られたと思われる絵が貼り付けてある。軽いのでこれも芯が紙でできているのだろう。手にとって振ると鈴が鳴る。中に鈴が入っている。考えようによっては子供が転がして遊べる玩具と見ることもできるが、これを子供に与える親はいないだろう。もっと他に楽しい玩具がある。
十二面体だからか貼り付けてある絵柄は花札*8である。これから考えても子供用ではない。筆者には土産物にそれを買った日付を書く習慣がある。八月に買ったので「ぼうず」の面に書いた*9。
*1 ■PLUS Stationery/FlickaAve./カルトン角 L■
*2 daini 木版手染めぬいぐるみ(岐阜県高山市)
*3 飛騨・高山 匠の技
*4 shinkougei.jpg
*5 絵馬
*6 お年玉年賀切手シート 1995.jpg
*7 Megaminx megaminx.jpg
*8 手本引き
*9 objet.jpg
050830「仇(あだ)」と「徒(あだ)」とがごちゃごちゃになっていた。恩をあだで返すの「あだ」は「仇」で、親切があだとなるの方は「徒」である。「仇*1」は「かたき、うらみ、害悪」という意味で、「徒*2」は「実を結ばないさま、無駄」という意味だ。
「グラムロック*3のあだばな*4」といった具合に使う「あだ」は「徒」である。
*1 あだ 2 【▼仇】 - goo 辞書
*2 あだ 2 【▽徒】 - goo 辞書
*3 Yahoo!カテゴリ - グラムロック
*4 マリリン伝次郎
050831とうとうGR1のデジタル版*1が発売される。報道発表の予告*2がなされた。製品の発表は九月十三日。発売日はまだ判らないが、楽しみである。どんなデジタルカメラだろう。
何故デジタルカメラが欲しいのか。以前はデジタルカメラを必要としなかった*3。映像を記録するのが目的だから、写真フィルムだろうと電子データだろうとどちらでもよい。画像情報を記録する画素の大きさはフィルムの場合1μm(μmは千分の一ミリ)以下*4、CCD*5の場合数μm程度*6だから、画像を取り込む面積が同じならば情報量としては写真フィルムの方が圧倒的に多い。多いから良いというわけではないが、保存に困らなければ記録する情報量が多い方が後悔することが少ない。
デジタルカメラの一番いいところは撮影した結果がその場で確認できることである。スナップ写真を撮る時は頻繁に確認するとは思えないが、こういう事は普通のフィルムのカメラではできない。デジタルカメラでは撮影した画像をその場で消せるという思いがあるので、メモリと電池とがある限りシャッタを躊躇なく切れる。フィルムの場合も何本でも持っていけば同じ事が出来るが、貧乏性のためフィルムが消耗品ということが頭にあって頻繁にシャッタを切ることができない。
フィルムカメラを所持している状態でデジタルカメラが必要かと言えば、日々の生活の様子など記録すると言う目的が主ならばそれ程必要ではない気がする。それでも欲しくなるのは何故か。一体何がそうさせるのか。GR1のデジタル版の仕様の詳細は全く公開されていない。それでも欲しいと思ってしまう。この衝動は一体何か。
*1 デジタルカメラ(6)
*2 企業情報 / ニュースリリース | Ricoh Japan
*3 デジタルカメラ
*4 News:銀塩フィルムのメカニズムで“白とび”防止――第4世代「スーパーCCDハニカム」 fuji3.jpg
*5 CCDとBBD
*6 Tescan s.r.o. g1113_singap1.jpg
幼少の頃、兄弟三人で風呂に入ることがよくあった。その頃一番下の妹は丁度今の自分の末娘*1ぐらいの年頃で三歳か四歳ぐらいだった。筆者は小学三、四年生で、弟は一、二年生であった。
いつものように三人一緒に湯船に入ってわいわい騒いで遊んでいた。すると妹がおもむろに「これぇ」と言いながら手の平に何かを載せて我々に見せてくれた。焦げ茶色をした塊で一瞬何なのかよく判らなかった。何か鶏の肝の煮物*2にも思えたが、どうしてそんな物が風呂にあるのか判らない。
すると臭いがしてきた。くさい。一塊りの大便*3だった。それが判った次の瞬間、大声で「うんこしたぁ」と叫びながら弟と二人で湯船から飛び出した。残された妹は手の平に大便を載せながら後から悠然と出てきたのか、残された自分は兄二人に嫌われたと思って湯船の中で大泣きしていたのかのどちらかだろうが、全く記憶がない。
それから暫くの間、妹とは風呂に入らなくなった。
*1 おさるし
*2 3fde68ea493ef.jpg
*3 便秘と下痢、ガンを迎え撃つ!大便で健康チェック、ウンチ確認表
|
表紙 | 目次 | リンク集 | 掲示板 | メール | 遺構探訪 |
Copyright (c) 2005 Yoshitaka Gotoh, Japan