雑記草検索                 

使い方 かつ または
表紙 目次 リンク集 掲示板 メール 遺構探訪

0512雑記草


前へ 次へ
051201

 サライ*1と言う雑誌がある。爺さん向けの雑誌で読者のお便りを見ると六十代、七十代ばかりが投稿している。写真が綺麗なので気に入った特集が組まれている時は買う。爺向けのBRUTUS*2と言ったところか。

 2003年1月23日号に銀座でバー「ギルビーA*3」を経営していた有馬秀子*4氏の記事が載っていた。当時、氏は百歳になっても現役の店の経営者として活躍*5されていた。しかし同年の9月に体調を崩されてそのまま帰らぬ人となった。数日前までバーのママを勤めていたらしい。

 記事で店の後継者のことは一切考えていないと語っていた。生命保険もかけてないということだった。店は自分の人生そのものなので、自分が死んだらそれで終わり*6とも語っていた。百歳にもなれば生命保険の掛け金ばかりが嵩むだろうし、残すのに必要な金も葬式代ぐらいだろう。葬式代にしたって現役で店をやっていれば、香典のみで十分賄える。

 百歳ともなれば死に対する感覚はどうなんだろう。子供の頃、死は恐怖だった。死ぬとどうなるか判らなかったが、死ねば両親特に母親に会えなくなるということは理解していたのでそれが怖かった。馬齢を重ねる内に死ぬとどうなるかと言うことを理解できるようになってきた。死は子供の頃に思っていたほど恐ろしくはないが、今死ぬと困るとか、勿体ないとか、死ぬ前に痛かったり苦しいのは嫌だなと思う程度である。それが百歳まで生きられるとどう思うようになるのか。「朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり」という感覚に自然となれるのだろうか。子供の頃は死の恐怖を克服するなどとても考えられないことであったが、現在はそれは殆どない様に思う。まぁ、これは死に直面しないと何とも言えない。同じように百歳ぐらいになると道を知ることができればたとえ今から十分後に死んでも「可なり」と思えるようになるのだろうか。

 人間の最長寿命記録は百二十歳ぐらい*7だから、有馬氏の様にまともに活動できるのはせいぜい百歳ぐらいまでだろう。「100」という数字は何とも切りがいい。「ゾウの時間・ネズミの時間*8」ではないが、何か決められているような感じもする。太陽の周りを百回回ると死が訪れる。人間も宇宙と連動している存在と思うと感慨深い。



*1 サライ ホームページ
*2 BRUTUS ONLINE
*3 Lefty 2003年 冬号 Vol.08 掲載
*4 東京女学館のホームページにようこそ 銀座のバー「ギルビーA」 有馬秀子さま
*5 ***夢ふぉと*** 明治の人 -明治の人の人生 第7回-
*6 ◆ストリートストーリー 銀座コリドー通り  (銀座)
*7 泉 重千代
*8 哺乳類の時間

051202

 ステンレス製の口内消臭器*1が売られているらしい。電気も薬品も要らずのステンレス消臭器*2の口の中用である。部屋用では器の中に水を入れて消臭作用があるというステンレスの塊を水に浸す*3。口の中には常に唾液があるので、この唾液とステンレスとで消臭ができるそうである。何れにしても水とステンレスとで臭いが分解できる機構が全く理解できないので本当に効果があるのかどうかは疑問であるが、もし本当に消臭効果があっても口の中に入れるのは何やら気が進まない。

 一度口に入れて唾液だらけになったステンレスの塊をそのまま鞘のような物に入れて持ち運び、また口臭が気になったらそれを舐める。唾だらけになってから乾燥したステンレスの塊は「唾臭く」ならないのだろうか。ガムの方が断然いい。



*1 zilopop - der Geruchskiller gegen Mundgeruch
*2 スメルキラー(3)
*3 ジロンカ・スメルキラーのページ

051203

 知り合いの女性が「自分は大仏恐怖症だ」と言う。大きな像が怖いらしい。そんな変な恐怖症は聞いたことがない、と言うとwebで調べるといくらでも出てくるという。

 早速調べてみると、確かに「大仏恐怖症*1」で何頁か出てきた。「大仏恐怖症」という言葉自体はそれ程独特ではないらしい。

 筆者も幼少の頃に大仏を怖がったと両親に聞いたことがある。相当泣き叫んだらしいが、本人はそんなことを全く憶えていない。幼児の頃は「大仏恐怖症」だったようだが、現在は全く恐怖を感じないので、恐怖症の人からすれば克服したことになる。

 ○○恐怖症というのをいろいろ聞いたことがある。高所、閉所、尖端など。これらが怖いと思う感覚をそのままにしておくと何やら落ち着かないので名前が付いているのだろう。「大仏」も同じに違いない。高所、閉所、尖端などに恐怖を感じるというのは誰にでも多かれ少なかれあるだろう。高所、閉所、尖端などは何れも自分の生命が危険に晒されると考えることができる。おそらく高等な動物以外はこういったことを考えることはできないのではないか。そもそも高等でないと考えるという行為ができないだろう。高いところにいると落ちると痛い死ぬかも知れないと思い恐怖を感じるのは、一度そう言った経験をして記憶に残っているので、それが呼び起こされるのだろう。自分たち人間から見て結構下等だと思える亀などは冬眠すれば記憶が完全になくなってしまうだろう*2から、高所恐怖症はあったとしても一年で解消してしまうに違いない。

 恐怖症の人は生命の危険性が殆どなくても怖いと感じてしまうのである。通常は理性で押さえることができるはずだが、それが効かない。「高いところ→落ちる」も本能ではなくある程度知性が働いているからそう考えるのであるが、通常は更に推し進めて「高いところ→落ちる→でもそんなはずはない」と納得する。ところが何らかの理由でそう考えることができなくなっている。

 「大仏」にはどう言った生命の危険性があるのか。大きなものに襲われるという感覚か。そう考えると高所、閉所、尖端に比べるとかなり水準の低い恐怖症ではないか。大抵の小動物は大きな動物が近づいてくると逃げていく様に思える。これは本能に近い。大仏は動かないと分かっているにも拘わらず恐怖を感じている。

 もしかすると「大仏→動いて襲われるかも知れない」と考えたのか。それならば「大仏→動きだして襲われるかも知れない→でもそんなはずはない」となるのが普通だが、やはり何らかの原因でこうはならないのだろう。

 高所、閉所、尖端は誰にとっても生命の危険性がある。全くないと感じる方がむしろ危険である。ところが「大仏」には一切危険性はない。むしろありがたい*3。大仏恐怖症は通常の社会生活を送るのに弊害となる。克服する方法はあるのか。何故怖いかを理解すればいいと思われる。生命の危険性が全くない事柄に対する恐怖なので、「お化けが怖い」とか「ピーマンが食べられない」と同じだろう。つまり幼少の頃の取るに足らぬ経験や記憶に由来するはずである。そうだということさえ理解すれば、簡単に克服できるのではないか。ただし、怖いと思うだけではなく心身の大きな変化が伴う症状がある場合があるらしい。これは大仏が原因ではなくそれによって感じた恐怖そのものが原因だろうから、こういった時はちゃんとした治療が必要なのだろう。

 英語では「megalophobia*4」というらしい。「megalo-*5」は大仏ではなく「巨大物」である。日本語では「きょだいぶつ」が知らぬ間に「だいぶつ」になってしまったのだろうか。



*1 "大仏恐怖症" - Google 検索
*2 人間の冬眠
*3 東大寺
*4 好き嫌い
*5 megalo-. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.

051204

 ギネスブック*1日本版*2を読んでいたら、生涯で最も多く骨折した人の記録が載っていた。433回骨折したらしい。その人はアメリカのオートバイジャンプの草分け的存在Evel Knievel*3である。

 この本ではEvel Knievelが「イーブル・ニーブル」になっていた。これはどこかでも見たことがある。オースチン・パワーズの字幕でも出てきた。オースチン・パワーズが極低温保存されている隣で何人かが同じように極低温保存されている。その中にEvel Knievelが入っていた。Evel Knievelの台詞は全くないが保存器には名札が掲げてあったのでそれが日本語字幕で「イーブル・ニーブル」と表示された。因みに彼が出てくるのはレーザディスク*4版のオースチン・パワーズで、DVD版ではEvel Knievelが保存器に入っている場面は削除されている。従ってDVDでは「イーブル・ニーブル」が出てこない。

 Evel Knievelは「イーブル・ニーブル」と読まないだろう。「イーブル・ニーブル」のはずだ。幼少の頃、「イーブル・ニーブル」と言っていた。本当はどちらなのだろう。

 調べてみるとやはり「イーブル・クニーブル*5」だ。最初の「K」をちゃんと発音しているようだ*6

 それではどうして「ニーブル」という読み方が出てきたのか。おそらく最初に「kn」が付く英単語では「k」を発音しないことからそう類推したのだろう。確かに「knife」「knight」「knob」など「k」は読まない。だからといって人の名前もそう読むと考えるのは軽率である。

 それにしても英語ではどうして最初の「kn」の「k」を読まないのだろう。発音しにくいのが主な原因*7らしい。



*1 Guinness World Records
*2 ギネス世界記録2006
*3 Evel Knievel's Official Site
*4 でっかいCD
*5 MONTANA PRONUNCIATION GUIDE
*6 NLS/BPH: Other Writings, Say How? A Pronunciation Guide to Names of Public Figures
*7 The Mavens' Word of the Day kn-, pronunciation of

051205

 丸いこたつ*1を買った。上から見ると直径105cmのまん丸のこたつである。これまで十数年間、家にこたつはなかった。買わなかった理由は部屋が狭くなるからである。今年はかなり寒いので我慢しきれず買った。妻が丸いのがいいと言ったのでそれに従った。

 丸いこたつ*2はなかなか良い。すこぶる重宝する。丸いのでこたつの大きさの割には部屋が狭く感じられない。そして一番いいのは五人家族が平等に足を入れることができることである。四角だとそうはいかない。

 冬の間はいいが、夏はどうするか。物置が少し狭くなる。これだけが玉に瑕だ。



*1 marukotatsu.jpg
*2 日本国語大辞典第二版オフィシャルサイト:日国.NET 炬燵

051206

 通信販売*1は非常に環境にとって負担の少ない販売方法だと言うことに気付いた。ここで言う通信販売とは、自宅でインターネットや電話を使って品物を注文し、宅配便などでその品物を届けて貰う仕組みを指す。

 購入する前に現物を手にとって見ることができないのが、欠点であるが、これは購入者の考え方だけの問題である。「現物を見ないとどうしても買う気がしない」と言う人でも、自動車などは店頭見本を見たり触ったりしただけで、何百万円も出す。実際に手に入る自動車は別の物であるにも拘わらず。これは自動車販売業者を信頼しているからである。通信販売でも信頼できる業者を選ぶことができれば、現物に触れることなしに品物は買えるはずだ。

 通信販売を利用すれば、まず、買い物だけの目的で出掛ける必要がなくなる。動かないのでエネルギーを使わない。乗り物で利用するエネルギーの殆どは化石燃料から作られるので、動かなければ資源の枯渇や大気汚染の防止に貢献する。複数の家庭にまとめて配達すれば、購入商品一つ当たりの輸送エネルギーを少なくすることができる。自動車を一台使って買い物に出掛け、洋服一着を買って自動車で戻ってくるよりも、一台の配達車で隣の人が買った野菜と一緒に持ってきて貰った方がエネルギーの使用効率は断然いい。

 しかし見落としてはならない点がある。通信販売は確かに効率がいいが、効率をよくすることだけが環境にとって負担を掛けないことにはならないのである。地球の資源は有限なので絶対量を減らさなければ根本解決にならない。巷間で環境問題が語られる時はいつもこの視点が欠けている。物を沢山買えば流通量が増えてエネルギー使用量が増える。物の消費量も増える。いくら効率が良くなっても使う量が増えれば同じ事なのである。限りある資源でより多くの人が文明を享受するには効率を上げるのが重要であること判りきっていることだが、これによって使用量が増えてしまうのであれば何ら意味がなくなる。自動車の燃費が半分になっても総台数が三倍になっては何ら意味がない。

 結局、人類の活動を抑えるしか解決方法はない*2ということに気付く。



*1 ■JADMAジャドマ・日本通信販売協会■
*2 私たちと環境と産業の問題について考えてみませんか−政策−経済産業省

051207

 小学生の頃、近所で火事があった。今まで火事やその焼け跡は何度も見たことがある。この時は同級生の隣が火事になった。火事と言っても普通の火事ではなく、プロパンガスの爆発だったようだ。爆発したのは夜中で、その爆風によって同級生の家のガラス窓は粉々になり、そのガラスの破片が寝ている顔に降ってきたらしい。幸い破片が目や口に入って怪我をすることはなかったという。こんな状態で手で目などを擦ったら大変なことになるところだった。

 爆発した隣の家には若夫婦が住んでいた。同級生の家には何度か遊びに行ったことがある。その時にその家の奥さんの顔を見かけた記憶がある。結構、美人でつのだじろうがよく描く女性*1に似ていた。件の同級生は確か「おねえさん」と呼んでいた。

 その奥さんは丸焦げの焼死体で見つかったらしい。同級生はその変わり果てた姿を見たと言っていた。四つん這い状態で仰向けになっていて、手は何かを掴むような形をしていたと言う。

 以上は数十年前の記憶なので、かなり修正が加わっているだろう。焼死体の形態の記憶も戦場写真に出てくる映像とすり替わっている可能性が十分ある。ただ、はっきりしているのは「おねえさん」の顔だ。ある日、その同級生との学校からの帰り道で犬の散歩をしている彼女に出会ったことを思い出した。無地のスカートにタータンチェック*2のシャツを着ていた。いや、これも後で勝手に作り上げた記憶かも知れない。

 その同級生は現在どこに住んでいて何をしているのか全く判らない。



*1 ハズレ
*2 MacArthur Tartans

051208

 数十年前に「マーロン宇佐美」という名前の主人公が登場する漫画があった。「マーロン宇佐見」だったかもしれない。その主人公の顔は映画「ゴッドファーザー*1」に出てくるマーロン・ブランド*2に似ていた。おそらく主人公の名前の由来はこれだろう。顔の形は三角形で頭のてっぺんは禿げている。ただし左右の耳の上には縮れ毛の房がある。この房は常に斜め上に立っていた。目は半開きで垂れていて、目の下はたるんで皺ができている。あと、顎が割れている。

 漫画の内容は荒唐無稽だったので全く憶えてない。とにかく主人公が無茶苦茶な行動をするのが面白かった。マーロン・ブランド*3顔の表情を殆ど変えずに動き回るのが楽しかった。成人向けの週刊誌に連載されていたが、連載期間は短かった。大人には受けなかったのか。当然のことながらエロな要素も相当盛り込まれていた。盛り込まれていたと言うよりそれが中心だったような気もする。

 その後、「マーロン」はBRUTUS*4等の情報雑誌の挿絵などで登場していたが、いつしか全く見なくなった。

 作者の名前がどうしても思い出せない。もう一度あの絵を見たいのだが、作者の名前が分からないので検索できない。「マーロン宇佐美*5」「マーロン宇佐見*6」を検索語句として調べても全く抽出されない。誰かご存じの方はいないだろうか。



*1 The Godfather / ゴッドファーザー デジタル・リマスター版
*2 iBaller.com: Male Celebrities - Marlon Brando
*3 マーロン・ブランド(今週のスター)
*4 人の寿命と宇宙
*5 マーロン宇佐美 - Google 検索
*6 マーロン宇佐見 - Google 検索

051209

 大抵の漢字は偏(へん)と旁(つくり)との組み合わせになっている。この組み合わせによって文字数が莫大*1になった。偏や旁になる文字は大抵物の形や抽象的な概念を表した符号が原形となっている。例えば*2や亀などは絵が直接字に変化*3している。

 物事を表すのにいちいち絵を描いていたら面倒だから、簡略化*4される。簡略化されて文字になった*5とは言え「馬」や「亀」などのように西洋文字やエジプトの文字*6よりも複雑である。歴史的な文字にはかなり複雑なもの*7もあるが、現役である漢字は文字の中では世界一複雑だろう。

 馬、亀の他に比較的複雑な漢字には「鳥」「鹿」「黽」「鼠」「龍」「鬼」「鼎」「*8」などがある。これらは部首として漢字の構成要素にもなっている。それにしても何故これらの漢字は比較的複雑なのにもかかわらず他の漢字の構成要素となったのだろうか。部首*9ならばもう少し簡略化されてもいいはずである。使用頻度が少なかったので変化し難かったのかも知れない。

 以前、怪物専門の字として「*10」を取り上げた。この「き」と読む漢字は、怪物としての意味が殆どなので日常では使われない。従ってコンピュータで表示できる文字に採用*11されていないので、素直に表示できないのである。「き」というのは顔が牛か獅子舞の獅子のようで足が一本しかない怪物で、山梨にある山梨岡神社ではこの怪物が祭られている*12

 「き」はこんな漢字*13である。漢和辞典の見出し字を電子的に取り込んだ。印刷物を拡大した所為か縁がガタガタしている。もっと滑らかな字がweb上にないかと探している内にあらゆる漢字をコンピュータで表示しようと試みている所*14を思い出した。そこならばちゃんとしたコンピュータ用の活字らしき物があるかも知れない。

 調べてみたらあった*15。辞書の活字より少し貧弱な雰囲気だが、コンピュータ用に設計された活字である。ここにはどんな漢字でもある。以前に話題にした変な漢字*16全て揃っている*17。ここは凄いサイトだ。



*1 Q1003 漢字はいったいいくつあるのですか?
*2 甲骨文字(こうこつもじ)
*3 書は人なり [32] 私流にたどる年賀状の歴史
*4 東京大学総合研究博物館 デジタルミュージアム展 釈文の仕方−大克鼎を例に−
*5 異体字の世界 ― 漢字の形の美しいバリエーション ―
*6 ヒエログリフ
*7 アズティック文字
*8 美乳
*9 部首(ぶしゅ)
*10 きの神
*11 JIS漢字コード
*12 山梨妖怪旅行1日目
*13 ki.gif
*14 今昔文字鏡とは
*15 005746.gif
*16 曲線漢字
*17 GIFリンクサービス

051210

 殆ど全ての漢字*1コンピュータ表示データを網羅しているサイト*2がある。そのサイトの名前は今昔文字鏡(こんじゃくもじきょう)*3という。少なくとも諸橋大漢和*4収録されている漢字は全て入っている*5らしい。

 このサイトの漢字には全て番号が割り振られている。特に00001番から49964番までは大漢和辞典のそれと共通*6になっているらしい。大漢和のCD-ROM版の登場*7を予感させるが、まだまだ先だろう。

 漢字の簡単な検索が用意されている*8番号での検索*9部首での検索*10などができる。ただし、この漢字の番号はJISの漢字番号とは全く異なる*11これらの検索は有志の方が作った*12

 漢字の画像ファイルの名前はその番号になっているので、番号を指定すればそれに対応した漢字を表示することができる*8。番号を無作為に与えれば、意図しない漢字を表示させることができる*13辞典のページを無作為に開いて読む*14のと似ている。辞書と違ってここでは意味や読み方の情報は全く得られない。

 漢字を鑑賞するために無作為に漢字を表示するプログラムを作った。過去に表示された漢字を百個まで記録する。川柳スロット*15を改造して作った。

 それではお楽しみ下さい*16



*1 Mojikyo institute - Home
*2 フォントとは 【font】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*3 Welcome to Mojikyo Institute
*4 諸橋大漢和
*5 今昔文字鏡とは
*6 文字鏡フォントセンター
*7 『大漢和辞典』よくある質問
*8 GIFリンクサービス
*9 Display Mojikyo Font
*10 Kanji Table
*11 Kanjibukuro 日本の「漢字表」
*12 Mac・GPS・Perl
*13 30 Mojikyo
*14 便利な辞書
*15 川柳スロット(4)
*16 漢字ナウ

051211

 滅多に使わない漢字の一つに「*1」がある。これがその「*2」という漢字である。「き」とは顔が牛か獅子舞の獅子のようで足が一本しかない怪物の名前らしい。

 使い道が殆ど思い付かない様な漢字だが、これを旁とした漢字を見つけた。「巾(はばへん)*3」「犬(けものへん)*4」「心(りっしんべん)*5」「牛(うしへん)*6」「手(てへん)*7」「王(おうへん)*8」「艸(くさかんむり)*9」「人(にんべん)*10」と結構沢山ある。一体これらの漢字は何のために作られたのだろうか。



*1 複雑な漢字
*2 005746.gif
*3 009159.gif
*4 020800.gif
*5 011495.gif
*6 020227.gif
*7 013018.gif
*8 021359.gif
*9 032601.gif
*10 001302.gif

051212

 漢字の続き*1文字鏡の漢字表示データ*2を見ていると面白い。諸橋大漢和*3のページをペラペラとめくって見ているみたいだ。大漢和は全部で16796頁もある*4ので、収録されている五万字に及ぶ漢字を全部見るのはかなり苦労しそうだが、漢字だけをパソコンの画面で見る*5のはそれ程難しくはない。

 漢字の一覧*6を眺めながら、変な漢字を見つけ出すのは面白い。同じ漢字が何個か集まってできた漢字が面白い。「森」「品」「晶」のように三つの漢字が三角に並んだのを「品字様(ひんじよう)*7」というらしい。幼少の頃、「姦」「轟」といった漢字を見て、こんな漢字があるのかとわくわくしたことがある。こういった感覚をもう一度味わいたくなった。今度は四つの同じ漢字で構成される漢字を探してみた。

 四つの同じ漢字が組合わさった漢字はあることはある。「器」「綴り」「四條畷*8」などがすぐに思い付く。しかし純粋に品字様のような「四つの同じ漢字」というのは学校で習った憶えがない。

 既にある程度抽出してあるページ*9があった。漢字の中で最も画数の多い*10といわれている「龍が四つ」は以前、雑記草で取り上げたことがある*11ので知っていた。まだまだ他にもありそうだ。

 あった。「竹四つ*12」「興四つ*13」「言四つ*14」「囚四つ*15」「土四つ*16」「天四つ*17」「工四つ*18」「朿四つ*19」「匕四つ*20」「メ四つ*21」「屮四つ*22」。「口五つ*23」「人五つ*24」というのもあった。

 よくよく調べてみるとこれら全てを抽出したページ*25があった。悔しいので、ちょっと変わった漢字を紹介しておこう。「一が十六*26」である。



*1 複雑な漢字(2)
*2 漢字ナウ
*3 諸橋大漢和
*4 大漢和辞典 全15巻セット
*5 KanjiTable with Mojikyo GIF Link
*6 Kanji Table
*7 vol.22 三つ重ねの漢字
*8 四條畷市ホームページ
*9 34 Kanji・Kotoba 三重漢字、四重漢字
*10 部首・画数に関するQ&A Q4006 一番画数の多い漢字はどんな漢字ですか?
*11 漢字ポスター
*12 026800.gif
*13 030276.gif
*14 036178.gif
*15 004863.gif
*16 005299.gif
*17 006018.gif
*18 008735.gif
*19 015957.gif
*20 016748.gif
*21 019738.gif
*22 030924.gif
*23 004316.gif
*24 000804.gif
*25 同じ文字を組み合わせてできた漢字
*26 001564.gif

051213

 また漢字の話し*1文字鏡*2漢字一覧*3を見ている時にこんな字*4を見つけた。漢字を知らない外国人が「漢字とはこんな様な文字だ」と言ってでたらめに書いたような字面だ。

 文字鏡には意味や読み方が書かれていないので、どんな漢字なのか全く判らない。読み方は他のページ*5で判る場合がある。書いてあった。「ちゅう*6」と読むらしい。読み方が判っても全く落ち着かない。意味や由来がないと「外国人漢字」のままである。

 漢字の構成から勝手に意味を考えようとしても、含まれている既知の漢字は「口」「白」だけだ。これではどうしようもない。「口偏に白*7」という漢字はある。しかし手元の漢和辞典にはその文字が載っていないので、何ら手がかりが掴めない。もやもやするばかりである。

 文字鏡の便利な機能を知ったので、もしかしたら長年の物欲対象である「諸橋大漢和」*8がそれから外れるかも知れないと一瞬思った。が、やはりそんなことはなかった。



*1 複雑な漢字(3)
*2 ようこそ今昔文字鏡の世界へ!
*3 Kanji Table
*4 e漢字 - 島根県立大学
*5 004672.gif
*6 詳細情報
*7 003432.gif
*8 物欲の整理

051214

 曲線漢字*1というのがある。これは筆者が名付けた。楷書にもかかわらず「〆」「○」「ぬ」「Q」のように閉じた曲線を持つ漢字をいう。

*2 *3

などがある。

 調べてみるとまだまだあった。

*4 何となく「斎」「斉」*5に似ている。

*6 両側では「口」を使っているのに、何故真ん中では「○」を使っているのか。

*7 これはどこかで見たことがある。これ*8これ*9など。ついでにこれ*10も。

*11 なぜ、曲線の部分が「又」にならなかったのだろう。

*12 この漢字の曲線は閉じていないが、通常の漢字でこれだけ曲がった線を使うことはないので、曲線漢字としてもいいだろう。



*1 曲線漢字
*2 049023.gif
*3 048915.gif
*4 000277.gif
*5 斎藤と斉藤
*6 049275.gif
*7 008717.gif
*8 Siemens stationary engines
*9 SSW logo 1939_ssw_logo_2.jpg
*10 Fusi company logo 1923_japan_firmenzeichen.jpg
*11 048955.gif
*12 049580.gif
*13 ki.gif
*14 今昔文字鏡とは
*15 005746.gif
*16 曲線漢字
*17 GIFリンクサービス

051215

 先日、文字鏡の漢字一覧から曲線漢字を見つけ出して*1喜んでいたら、こういった類の漢字を全て抽出し終わってそうなページ*2を見つけた。このページは四年前にを書かれた*3ようだ。

 何だか少し悔しかった。



*1 曲線漢字(2)
*2 漢字のシーラカンス
*3 高杉親知の日本語内省記

051216

 色々と調べていると更に複雑な漢字*1が次々と出てきた。「来四つ*2」「口六つ*3」「木九つ*4」があった。こんな字*5も見つけた。含まれている要素字は全く普通だが、思いっきり詰め込んでいる感じがする。これらは中国製の字のようだが、日本製の漢字*6で無茶苦茶複雑な漢字がある。

*7

*8 とである。

 これらの字は方々で話題*9になっていて、用法や読み方も簡単に知ることができる*10。それぞれ「おとど*11」「おおいちざ*12」などと読むらしい。筆者も「新漢字*13」を作ったことがある。これ*14こんなの*15もある。最初の字は馬と同じ読み方で、後の二つはそれぞれ「キーボード」「モニタ」と読む。

 「おおいちざ」という字の元の字*16を見ていると伊達政宗*17印章*18を思い出す。ごちゃごちゃした感じ*19が良く似ている。



*1 複雑な漢字(3)
*2 079707.gif
*3 050055.gif
*4 071344.gif
*5 067422.gif
*6 和製漢字の辞典
*7 066147.gif
*8 066963.gif
*9 vol.6 画数の多い漢字
*10 画数が多い漢字
*11 最も画数の多い漢字とは?
*12 「おういちざ」について
*13 西夏文字 uma.gif
*14 新しい漢字(3) keyboard.gif
*15 新しい漢字(3) monitor.gif
*16 ooichiza.gif
*17 松島 ∴ みちのく伊達政宗歴史館
*18 仙台市の指定・登録文化財
*19 Masamune_Date.gif

051217

 幽霊漢字*1というのがあるらしい。漢和辞典や文献に出現していないのにJISの漢字表*2に登録されている「漢字」をこう呼んでいるらしい。

 中でも「彁」は、JIS以外のそれ以前の文献には全く出てこない正真正銘の幽霊漢字と言うことだ。表には文字そのものしか記載されていない*3ので、読み方も意味も判らない*4。なぜそんな「漢字」がJISに登録されたのだろうか。一体誰が登録したのか。現在では「彁」の用例は出てきている。「音義未詳*5」とされて一般の漢和辞典に掲載されている。

 幽霊漢字が登録される経緯は大体想像できる。臨時雇いの学生などが指示されるがまま登録文字の原形を作る時に、かすれた部分や汚れた部分を本来の文字の一部と認識して新しい文字を作り上げてしまったのだろう。検査員も見たことのない漢字なので何が正しいのか判断が付かず、かすれたり汚れていたりする原本と出来上がった文字とを見比べて機械的に合格としたに違いない。こういったことは昔から良くある*6

 ということは幽霊漢字の元字があるはずだ。「彁」という字が突然できるはずがない。これによく似た漢字を見たことがある。「*7」だ。どこで見たのか。「新疆(しんきょう)ウイグル*8」だ。しかしよく見ると違う。後者は弓偏になっていない。「彊」は「疆」の新字体*9かと思って調べてみたら全くの別字だった。どちらも「きょう」と読むが、「彊」は「強い弓、強い」という意味で、「疆」は「境界、さかい」という意味だった。字がよく似ていて読みが同じだが、意味が違う「斉と斎*10」と同じ様な関係だ。

 最初ははっきりした明朝体の「*11」である。これをぼかす*12。この様にぼけた画像を元に文字の原形を作れば「彁」になるかもしれない*13両者を並べてをぼかす*14とそっくりになる。特に旁(つくり)の部分の縦棒三本がよく似ている。以上は全くの推測だが、諸橋大漢和辞典*15を作る時も同じ様なことが起こった*16ようだ。



*1 vol.41 ニュースに出てきた幽霊漢字
*2 日本の「漢字表」
*3 jisc6226-1978.gif
*4 音義未詳字の辞典
*5 諸橋轍次編『大漢和辞典』の〈音義未詳字〉
*6 thとy
*7 009872.gif
*8 中国総合ガイド>地域情報>新疆ウイグル族自治区<中国情報局>
*9 vol.58 新字体はどうしてできたか
*10 斎藤と斉藤
*11 kyou0.gif
*12 kyou1.gif
*13 yuurei1.gif
*14 yuurei_kyou.gif
*15 諸橋大漢和
*16 諸橋轍次編『大漢和辞典』の<音義未詳字>

051218

 クリスマス*1が近づいてきた。家の子供達はサンタに何を頼むかの話題で持ちきりである。我が家では自分の欲しい物を手紙に書いてサンタに出す*2ことになっている。手紙はクリスマスの数日前から外に貼っておく。

 中学一年生の息子が「お前ら何を書いた」と小学四年生と保育園児の妹二人と一緒になって騒いでいる。中学生になっても、まだサンタを信じているのかと思えて心配になってきた。

 息子と二人きりになった時に訊いてみた。息子は「そんなわけないじゃん」と一笑に付した。ホッとしたと同時に息子の大人ぶりを垣間見た気がした。



*1 サンタの存在(2)
*2 サンタへの手紙

051219

 小学生の頃だったか、中学生の頃だったか、「条例*1」という言葉を習った。地方自治体が独自に決める法律と言う意味だと教わった。小学生の頃聞いたのであれば、地方自治体ではなく、県や市が決める法律と教わったのだろう。

 何れにしても「自治体が決める法律」とは言え、国の法律よりも軽い規則という感覚でいた。罰則などなく、校則みたいなもので「〜をしないようにしましょう」といった感じである。

 この感覚は十分大人になるまで持っていた。条例と法律とは別物であると。別物であるが、法規であることには変わりない*2。自治体の区域内だけで有効で、しかも法令に違反していないと言う条件で制定される。条例に違反すれば検挙されるし懲役も罰金も*3ある。

 条例は校則程度と考えていたのは筆者だけだろうか。結構、そう思っている人がいるような気がする。



*1 じょうれい でう― 0 【条例】 - goo 辞書
*2 条例・規則−蒲郡市
*3 地方自治法 第十四条

051220

 朝に亀の水槽を覗いたら水苔の間からひょっこりと顔を出している亀がいた*1顔が黒く黄色い筋があったのでクサガメ*2である。気温は二、三度しかないはずだ。完全に冬眠中なのに動いている。一体何が起こっているのか。水苔などをいじって刺激したわけでもないのに何がきっかけとなっているのか。

 自然界での冬眠中は一切動かない*3と本に書いてあったが、実際は違うのかも知れない。



*1 亀の冬支度(4)
*2 クサガメ
*3 イシガメが死んだ

051221

 今年の秋に瓢箪の町「養老町*1」へ行った時のことである。養老の滝*2の滝口にある食堂で昼を食べた。

 滝口には駐車場や食堂、土産物屋それからロープウェイの駅*3もある。ロープウェイと言っても一人乗りのリフト*4である。しかしこの辺りは三十年以上時間が止まっているような雰囲気を醸し出している。それがまた遺構*5好きの筆者としては大変嬉しい。

 食堂もこんな感じ*6である。1970年代*7から変わっていないような気がする。食券を先に買って店に入る。「食券」という言葉は何か戦時中の言葉みたいだと書いていた人がいた。1970年だから戦時中からはほど遠いが、書いた人はこんな食堂を思い浮かべているのかも知れない。

 実はこの食堂の食券は本格的なのである。1970年の雰囲気はこの食堂の食券が原因かも知れない。最近の食券は自動販売機*8を使って売りさばかれるので食券自体が長いリボン状に巻かれて機械に収まっていることが多い。一枚一枚切りながら発券される。券の紙質は切りやすくするために薄い紙が用いられる。鉄道の切符で言えば、これは「軟券*9」と呼ばれている。

 ここの食券は軟券ではなく硬い紙でできた「硬券」なのである。しかも乗車券箱が使われている*10。乗車券箱とは硬券を販売する時に駅員が切符を一枚づつ取り出しやすいように工夫された箱*11のことで、切符の自動販売機がない頃はもっぱらこれが使われていた。自動販売機が普及した現在、駅ではこの乗車券箱を見ることが殆どなくなった。

 客がたいして来ないので食券の販売を自動化する理由は全くない。必然的に「乗車券箱」が存続しているのだが、店主のこだわりもあるような気もする。



*1 ひょうたん(5)
*2 養老公園
*3 養老ロープウェイ
*4 0509180008.jpg
*5 遺構探訪
*6 0509180011.jpg
*7 Gallery
*8 食券 利用券 自動販売機 中古もリースも
*9 Web東奥・特集/並行在来線問題 20021106
*10 0509180009.jpg
*11 鉄道博物館 展示資料紹介 [紀州鉄道で使用されていた回転式の乗車券箱]

051222

 今日は一日中よく雪が降る。ここ数十年来、こういう日は珍しい。夕方、雪の中を近くの駅から家に向かって歩いていたら、途中にある信用金庫*1の駐車場に家の自動車と同じ形同じ色のものを見かけた。自分が所有する自動車*2と同型の自動車というのはよく目に付く。

 家に着くと家の駐車場に自動車がない。妻は何を考えて、こんな雪の中を自動車で出掛けているのかと思った。今年の初め、滑り止めを買った*3。これを装着して出掛けたのだろうか。

 家の中にはいると、妻はこたつ*4に入っていた。「あれ、自動車はどうしたの」と訊くと信用金庫に置いてきたという。途中で見かけた自分の自動車と同じ形同じ色のあの自動車は、自分の自動車そのものだったのだ。

 三時頃、それ程降っておらず道にも積もっていなかったので、末の娘のインフルエンザの予防接種に出掛けたらしい。事が済んだ後、帰ろうとしたら雪がかなり降り出して自動車が滑るので、怖くなって近くの銀行の駐車場に入れたという。信用金庫は閉店していたので、呼び鈴で職員を呼びだして事情を説明したら、自動車を置くことに快く了解して貰えたようだ。おまけに傘の貸し出しの申し出までして頂けたらしい。



*1 愛知信用金庫
*2 新車購入
*3 イエティースノーネット
*4 丸こたつ

051223

 昨日*1、この辺りでの十二月には珍しい大雪の中を歩いていた時に「いなかっぺ大将*2」を思い出した。いなかっぺ大将*3の主人公である大左ェ門は真冬の雪の中でも素足に下駄である。降り積もる雪道を下駄で歩いていると気付いた時には下駄の下に雪が溜まりに溜まって背丈が二倍ほどになっていた、という場面がよくあった。

 そんなことを思い浮かべながら雪の中を歩いていた。



*1 同じ自動車
*2 いなかっぺ大将
*3 ユレダス

051224

 今年は自分用のクリスマスプレゼントを買った。それは昔からの物欲対象の一つであった。

 シンセサイザー*1である。とうとう買った。高価な物ではない。とはいっても結構本格的な電子楽器である。「midi*2」端子もちゃんと付いている。

 microKORG*3である。通信販売を使って買った。税金送料込みで39000円だった。中古品でもいいと思っていたのでオークションで探していたが、思った値段の物が出品されていなかった。そこで思い切って新品を買うことにした。

 楽器は弾けないので、演奏ではなく所有することが目的である。その目的にかなった理想のシンセサイザーはつまみが沢山あるもの*4だが、そう言ったものは大抵非常に高価である。そこでmicroKORG*5に落ち着いた。つまみは少ないが色々な音が出せる。無限に作り出せる。更にボコーダーも付いている*6ボコーダー*7とは、人間の声などをロボットの声のように変換する装置である。このmicroKORGの機能として一人の声をコーラスのようにすることもできる様なことが書いてあるが、なかなかそうは聞こえない。設定が難しいのか、もともとそれ程大した効果がないのか判らない。想像していたのとはかなり違う*8

 単独では音が出ないのでステレオにつなげて音を出している。これでは面倒なので小型のアンプを買わなければならない。一つ物欲を解消したと思ったら、また増えてしまった。



*1 microKORG
*2 MIDI Manufacturers Association
*3 microKORG Synthesizer/Vocoder|KORG INC.
*4 Voyager Performer Edition
*5 Vintage Synth Explorer
*6 microKORG : ボコーダー/パフォーマンス|KORG INC.
*7 ボコーダーとは?
*8 Synthesizer

051225

 今年もサンタが家にやってきた*1筆者のところにも来た*2

 上の息子はすでにいないことは解っている*3。娘二人はまだ信じている。でも上の娘は四年生なので来年は気付いているかも知れない。



*1 サンタの存在(2)
*2 microKORG(2)
*3 サンタの存在(3)

051226

 microKORG*0midi*1に対応しているからパソコンとつないで操作することができる。パソコンにつなぐためにはインターフェースが必要である。

 買ってきて*2接続した。接続するだけでは動かないので、専用のソフト*3を導入する。これでパソコンからの信号でmicroKORGが動くようになった。microKOGの音色を作るソフト*4が用意されている。これを使えばパソコン上で音が作れる。

 自分では作曲できないので、既存のmidi化されたデータ*5を集めてくる。更にこのデータでmicroKOGに自動演奏させるには、更にそのためのソフト*6が必要になる。これを導入して、やっと自分が作った音色で、音楽を自動演奏できる状態になった。

 「スイッチト・オン・バッハ*7」のようにとにかくシンセサイザーでバッハの曲を鳴らせてみたかったのである。



*0 microKORG(2)
*1 MIDIとは 【Musical Instruments Digital Interface】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*2 製品情報  UM-1EX/UM-2EX/UM-3EX
*3 YAMAHA : PRODUCTS : SYNTH & DTM : OMSを使ってみよう!
*4 アップデータ/ソフトウェア|KORG INC.
*5 Complete Bach Midi Index
*6 MIDIGraphy
*7 モーグ・シンセサイザー

051227

 microKORG*1用のアンプを買った。microKORGは鍵盤と音源しか入っていないので別途、音を出すための増幅器とスピーカが必要である。買ったアンプはスピーカ付きである。このアンプも物欲の一つ*2であった。

 「AA5*3」というヤマハ*4ギターアンプ*5である。通信販売で買った。税金送料込みで一万円*6だった。



*1 microKORG(2)
*2 YAMAHAのギターアンプ
*3 AA5.jpg
*4 YAMAHA
*5 SMALL BUT MIGHTY: YAMAHA GUITARS DEBUTS
*6 モニターアンプ AA5 概要 | ヤマハ株式会社

051228

 九月に仲間と一緒に寂れた鉄道沿線の探索に出かけた。今年の二月にも同じ様なことをした。二月が初めてで、結構楽しめたので第二弾を企画したのであった。行き先は愛知県のJR武豊(たけとよ)線*1になった。

 その線に亀崎駅*2がある。この駅は日本最古の現役駅舎*3らしい。このことは少し前に知った。そのことから今回の行き先が決定した。歴史的価値がありそうなので、もう少し有名になってもいいような気がするが、全然知られていない。最古の駅舎といってもところどころ修繕を繰り返しているようなので、古いという感じがしない。建て直すまではどんなに修繕を繰り返しても開業当時から存続していると考えるべきなのだろう。法隆寺の五重塔*4は建設当時または再建当時から見た目は殆ど変わっていないのではないか。一方、亀崎駅はどうか。開業当時の姿と今の姿と比べるとどうだろう。骨格は同じかも知れないが壁など外観は大きく変化しているに違いない。五重塔と比較すること自体ちぐはぐな話だが、百年以上前の日本最古の駅舎なのに全く有名ではないのは、外観が建設当時そのままでないという点が原因のような気もする。

 構内で面白い看板を見つけた。武豊線の電化複線化を呼びかける看板*5である。掲げてから三、四十年は経過していそうだ。路線開業から現在まで電化も複線化も一度もされていない。おそらくこの路線が廃止されるまでこれは実現しそうもない。

 武豊線は終着駅は武豊駅*6である。かってはこの駅から先にも線路があったが廃止されている*7。そこに興味深い遺構が残っている。貨車を回転させて方向を変える転車台*8と呼ばれる設備である。武豊町によって整備されて保存されている。通常の転車台は、台の上に線路が一対あるだけ*9だが、ここのは直交した二対の線路で構成されている。どうしてこの様な構成になっているのか。

 効率的に貨車の方向を変えるためと武豊町が作った説明看板に書いてあったが、線路を十時にするとどうして効率的になるのかよく判らない。貨車を百八十度回転させるのなら全く意味がない。貨車を九十度回転させる場合、一対しかないと元に戻すのに九十度回転させなければならないが、十時になっていればその手間が省ける。しかしそんなに大きくない台なので大した手間と思えない。本当にこれが主な理由だろうか。どうも違うような気がする。十時の線路を敷くことによって貨車も何も載せずに九十度回転させる手間を省くという意味も当然あるが、それが主ではないだろう。

 簡易的な転車台なので動力は付いていなかった。人間の手で台を回転させていたらしい。ここでは九十度と百八十度との回転が行われていたのだろう。台に貨車を載せてから貨車を押して台を回転させる。台を回転させるには貨車を載せていないと押すところがないのである。線路が一対しかなければ押すためだけの転車台のどこかに取っ手付けなくてはならない。線路一対のままで取っ手を付けるのと線路二対を十時に敷くのとどっちが簡単かと言えば、取っ手の方だが、何も載せずに九十度回転させる手間を考えて十時にする方を選んだのだろう。取っ手を省略して更に効率を高めると言った究極の設備であったようだ。



*1 時刻表 JR武豊線 大府 - goo 路線
*2 kamezaki.jpg
*3 第一回「中部の駅百選」選考駅
*4 法隆寺 五重塔
*5 taketoyosen.jpg
*6 JR武豊駅から転車台へ(武豊線廃線跡)
*7 taketoyoeki.jpg
*8 turntable.jpg
*9 天竜浜名湖鉄道機関車転車台(静岡県)

051229

 武豊の転車台*1は、数年前に復元されて整備され*2現在に至っている。

 こういった産業遺構*3は、復元されると一気に趣が半減してしまう。筆者としてはゆっくり朽ちていく姿を愛でるのがいいのである。保護するのは朽ちていく速度が緩むので、その様子を長く鑑賞できるという点で意味があるが、復元となると原型としての性質がかなり失われてしまうような気がする。後世の人の手が入れば、手直しをした人々の意思が入り込んでしまう。それに染み込んでいた往時の人々の魂が抜け出てしまうのである。遺構鑑賞の醍醐味*4は往時を偲ぶことなので、できるだけ産業遺構の復元は避けて欲しいと常々思っている。

 復元される前はこの様な状態だった*5らしい。現在*6とは比べ物にならないぐらいの素晴らしい雰囲気を醸し出している。理想は放置であるが、どうしても文化遺産として残したいというのであれば、柵と屋根とを設けるぐらいに止めておいて欲しい。ただし考証や説明看板などは充実させる。

 こういった公共事業は功名心と無粋さとが相まって、遺構の持ついい雰囲気を往々にしてぶち壊してしまうのである。



*1 日本で一番古い駅舎など
*2 中部産遺研会報Vol.13
*3 遺構探訪
*4 遺構探訪 はじめに
*5 turnt1m.jpg
*6 turntable.jpg

051230

 武豊線*1は新橋横浜間に次いで日本で二番目に敷設された鉄道である、と一部では信じられているらしい。筆者もそういった記述をインターネットで見つけて*2何ら疑いもなく信じていた。その理由は単純で、武豊線には「明治年間に建設された日本最古の現役駅舎*3がある」「明治年間に建設され今だ現役である跨線橋*4がある」からであった。いつ建設されたかを明記した資産標*5がこれらの施設にしっかりと貼り付けられている*6。当然、線路はこれらの建物と同時かそれよりも昔に敷設されたはずである。最古の駅舎である亀崎駅は明治十九年(1886年)なので、武豊線も明治十九年かそれより古い。

 新橋横浜間の鉄道*7ができたのはいつなのか全く頭にはなかったが、明治の初めであることは判っている。それに鉄道建設というのは一大事業だから雨後の竹の子のように全国で次から次に建設されるとも思えなかったので、武豊線が新橋横浜間に次ぐ二番目の鉄道であっても不思議ではない、と勝手に考えていた。

 どうも違うらしい*8明治初期に雨後の竹の子のように次々に敷設された*9。武豊線は二番目でも何でもない。

 どうして「日本で二番目」という話になったのだろう。現在、武豊線は東海道本線の支線になっているが、開業は東海道本線全線開通*10よりも先駆けていた。これが勘違いの原因かもしれない。日本で一番は新橋横浜間というのは学校で習う。大阪、神戸と東京とを結ぶ東海道本線は日本で最も重要な路線*11であることも習うだろう。そんな東海道本線よりも先に武豊線ができたのだから「新橋横浜間に次いで日本で二番目」と勝手に解釈することができる。まぁ、単純にこんな具合にできあがった話であろう。



*1 日本で一番古い駅舎など(2)
*2 パワーウィング・ネット/会員ヴィレッジ
*3 第一回「中部の駅百選」選考駅
*4 JR半田駅跨線橋
*5 CSIH_Newsletter_4.PDF
*6 shisan002.JPG
*7 鉄道いろいろ 日本の鉄道の歴史
*8 sLtaketoyosenn
*9 History of Japanese Railway
*10 JR東日本:鉄道の歴史
*11 鉄道博物館 計画概要イメージ [歴史ゾーン] 新幹線の登場

051231

 「四世同堂*1」という言葉がある。四世代が一つ屋根の下に住むという中国の幸福観念である。老舎*2という中国の小説家が書いた同名の小説*3もあるらしい。

 今まで四世代が出会うという経験は殆どない。四世代といえば自分から見れば曾祖父母とか曾孫である。少なくとも自分が生まれた時は曾祖父母は既にいなかった。現在、自分の子供はまだ中学生以下なので結婚もしていない。従って孫もいなければ曾孫もいない。数年前まで、自分の子供がまだ小さい頃は妻の祖父母が健在であったので、この時は曾祖父母と曾孫とが会することもあった。ただ曾祖父母は遠方に住んでいたので、四世代が一同に会することは滅多になかった。

 それにしても四世代が一緒に暮らすことが幸福であるという考えはどこからきたのだろう。誰にとっての幸福なのか。四世代の中の一世代目にとっての幸福か。四世代が一緒に住むなんていうことは、非常に珍しいことである。滅多にないことが実現できていること自体が幸福ということなのであろう。日本語で言えば「有り難い」ことなのである。それでは誰にとってありがたいことなのか。一世代目にとっては、長寿でなければ成し得ないことである。四世代目にとっては一世代目に出会えること自体がありがたいことだろう。二世代目にとっては自分の親と子と孫とが健在であることが幸福で、三世代目は祖父母と親と子とが健在であることが幸福になる。ただしこれは直系血族*4の話だから、一世代目以外の配偶者にとっては幸福の度合いは世代毎に半減していくことになる。

 病気も事故も何もなければ、順番からすると一世代目が最初に死ぬ。四世同堂の状態のまま最期をむかえることになる。そうなるとやはり一世代目の幸福観念ということになるのだろう。



*1 『人民中国』
*2 松岡正剛の千夜千冊『駱駝祥子』老舎
*3 しせいどうどう しせいどうだう 【四世同堂】 - goo 辞書
*4 親族図



前へ 次へ



9907へ 9908へ 9909へ 9910へ 9911へ 9912へ
0001へ 0002へ 0003へ 0004へ 0005へ 0006へ
0007へ 0008へ 0009へ 0010へ 0011へ 0012へ
0101へ 0102へ 0103へ 0104へ 0105へ 0106へ
0107へ 0108へ 0109へ 0110へ 0111へ 0112へ
0201へ 0202へ 0203へ 0204へ 0205へ 0206へ
0207へ 0208へ 0209へ 0210へ 0211へ 0212へ
0301へ 0302へ 0303へ 0304へ 0305へ 0306へ
0307へ 0308へ 0309へ 0310へ 0311へ 0312へ
0401へ 0402へ 0403へ 0404へ 0405へ 0406へ
0407へ 0408へ 0409へ 0410へ 0411へ 0412へ
0501へ 0502へ 0503へ 0504へ 0505へ 0506へ
0507へ 0508へ 0509へ 0510へ 0511へ 0512へ



雑記草検索                 

使い方 かつ または
表紙 目次 リンク集 掲示板 メール 遺構探訪

Copyright (c) 2005 Yoshitaka Gotoh, Japan

Counter