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0601雑記草


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060101

 今年の年賀状*1こうなった*2。  今年も家族の近況の写真の中に宇宙関係の画像を二箇所入れた。赤い丸の部分*3がそうである。この部分に宇宙人*4が入っている。  この年賀状を受け取って気付いた人はどれくらいいるだろう。



*1 年賀状(5)
*2 2006nenga.jpg
*3 2006nenga2.jpg
*4 2006uchujin.gif

060102

 初夢*1は一月二日の夜の夢だという。そう言う話しは雑学として昔から何度でも耳にしていた。なぜ二日なのか変に思っていたが、今まで特に調べようともしなかった。初夢*2などどうでもいいと思っているからである。

 以前、一日の始まりについて書いた*3。一日の始まりは、現代の感覚なら南中時刻*4の対極である「真夜中」か日出のある「朝」となるだろう。ところが夕方が一日の始まりとする考え方もある。これは筆者にとって違和感があると書いた。

 一日の終わりから考えると夕方を一日の始まりとしても全く不思議ではないことに気付いた。今日から明日は連続しているので、今日が終わればその瞬間に明日が始まる。一日の終わりを夕方もしくは日没とするのは普通の感覚なので、一日の始まりを夕方もしくは日没にするのも普通の感覚となる。

 「初夢は一月二日の晩の夢」という言い伝えができたのは江戸時代だろう。江戸時代における元日の始まりはいつからか。これは大晦日の終わりから考えるべきだ。大晦日は庶民にとって一年の区切りであって諸々の事柄の締め切りであったろう。特に借金返済の期限となっているので、年内中は年の始まりよりも関心が高いはずだ。大晦日にはそこら中で借金の取り立てが行われていた*5に違いないが、これは大晦日のいつまで続いたのか。全くの当てずっぽうだが、日没で打ち切られたのではないだろうか。つまり大晦日は夕方までで、その夜から新年元日が始まったのではないか。一日の始まり、一年の始まりは夕方からなのである。従って除夜の鐘も真夜中ではなく夕方には鳴り出したのかもしれない。初詣もこの時刻に開始されたかもしれない。

 昼間に活動して眠るのは一日が終わってからである。生活に基づいて暦を考えれば当然こうなる。一日が夕方で終わって、就寝し、日出とともに起き一日が始まる。こう考えると一日は連続しているのではなく、眠っている時間というのは本来は空白の時間とすべきかも知れない。暮らしを基本とすれば夕方に区切りができるので、眠っている間を敢えて一日に入れるとすれば、前の日ではなく次の日になる。

 つまり一年の最初に眠る時間帯は、現代風に言えば十二月三十一日の17時頃から一月一日の7時頃までだが、おそらく江戸時代にも大晦日から元日にかけては色々と行事があって寝る時間が短くなっていただろう*6。そうなるとちゃんと眠るのは、現代式でいう一月一日の17時頃から一月二日の7時頃までになる。この時間帯は夕方を一日の始めとする方式で言えば「一月二日の晩」となる。少なくとも現代風の一月二日の晩を指しているのではない。

 これが「一月二日」の由来ではないか。そうなると「かって、一日の始めは夕方からだった」とする説の妥当性が高くなってきたような気がしてきた。



*1 はつゆめ 0 【初夢】 - goo 辞書
*2 七福神
*3 一日の始まり
*4 質問のこたえ1-8:国立天文台
*5 京都大学附属図書館所蔵 一般貴重書 『世間胸算用』
*6 江戸東京博物館:トップページ 初夢とは、いつ見る夢のことか。(2004年12月)

060103

 座右の銘という言葉がある。筆者の座右の銘は「行不由径」だ*1。最近、「座左の銘」という言葉があることを知った。同じ意味*2らしい。



*1 座右の銘
*2 ざゆう-のめい ―いう― 5 【座右の銘】 - goo 辞書

060104

 使っているパソコンに仮想メモリを入れた。仮想メモリの設定を実施したパソコンは筆者が主に使っているMacの方*1である。仮想メモリ*2ハードディスク*3を仮想の記憶領域として使うので半導体メモリ*4よりも動作速度が遅い。仮想とはいっても実際に使っている。ハードディスクを半導体メモリのように使うので「仮想」と言っているだけである。ハードディスク*5は円盤が高速回転していてその上に記録された情報を機械的に動く磁気ヘッドと呼ばれる部品が読み出すので、可動部分がなく全て電子的に動作する半導体メモリよりも動作速度が遅い。従って仮想メモリを使うとパソコンの反応速度が全体的に低下する。

 パソコンのOSは既存の半導体メモリの容量が足りなくなると仮想メモリ*6を使ってその場をしのぐ設計がなされている。これはWindowsもMacOSも同じである。多分他のOSも同じだろう*7。筆者はパソコンの反応速度の低下を嫌って勝手にOSが仮想メモリを使わない様に設定していた。

 今年の年賀状*8を製作する際にパソコンのシステムが半導体メモリの不足を頻繁に訴えてきて、かなり作業の効率が落ちた。今までそんなことは殆どなかったが、今年の年賀状は今までになく多数の画像データを使用した*9のでシステムが作業するためのメモリが足りなくなってしまったのである。そこで年賀状を作成している間は仮想メモリをパソコン起動*10用のプログラムが保存されているハードディスクに設定していた。

 起動用ハードディスクと仮想メモリとが同じディスクだと何となく効率が悪いような気がした。ディスク上には起動用プログラムの他様々なデータが書き込まれておりシステムの作業中にはそれらを頻繁に使うことがあるに違いない。そこへ仮想メモリの情報が加わるので、如何にも効率が悪そうだ。

 そこで思い付いたのは、仮想メモリ専用のハードディスクを増設することである。そうすれば専用ハードディスクと起動用ハードディスクとが別々に動くので効率の低下は抑えられるだろう。丁度、SCSIからIDE*11への移行で余っているハードディスクがある。これを再利用すればよい。早速、増設した。何も変わらない。パソコンの反応速度が低下している気がしない。低下量が小さいのだろうか。とにかくメモリの要求はなくなった。ハードディスクの再利用ができたので何となく得した気分になった。



*1 ノート型パソコンの購入
*2 仮想メモリとは 【virtual memory】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*3 ハードディスクとは 【hard disk】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*4 メモリとは 【memory】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*5 1504 ハードディスクドライブのしくみ
*6 @IT:Insider's Computer Dictionary [仮想メモリ]
*7 コンピュータはどうやって複数のプロセスが干渉しあわないようにしているのか?
*8 年賀状(6)
*9 2006nenga.jpg
*10 起動とは 【ブート】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*11 SCSIからIDEへ

060105

 ファイルを作成したソフトウェア*1がないと、通常、それを見ることができない。自分のパソコンに、電子メールで送られてきたりインターネットのサイトから転送されたファイルを作成したソフトウェアが入っていないと、その内容は見られない。

 PowerPoint*2というソフトウェアで作成されたファイルが電子メールで送られてきた。筆者のパソコンにはPowerPointが入っていない。従って、通常はそのファイルを見ることができない。しかし筆者のパソコンにはMacで最強の画像閲覧ソフトが入れてある。「GraphicConverter*3」というソフトで、これで見ることができない画像ファイルはないのではないか、と思えるほどの種類のファイル形式に対応している。その数は190種類以上*4である。

 GraphicConverterで件のファイルを見ることができた。何やら物凄く得したような気分になった。インターネット上にはPowerPointで作成されたページが多く存在*5して、自分のパソコンにPowerPointが入っていればそれを閲覧することが出来る。パソコンに入っていなくてもそのファイルを自分のパソコンに転送することは可能である。そこでインターネット上のPowerPointファイルをいくつか自分のパソコンに転送してGraphicConverterで見ようとしたが、その殆どは見られなかった。ファイルの内容が絵や写真だけ構成されている場合は閲覧できるが、文字や三角四角などの図形が含まれている場合はGraphicConverterでは見ることができないことが判った。



*1 軟體
*2 Mactopia Japan : PowerPoint 2004 for Mac
*3 Exif
*4 Lemke Software GmbH, Peine - Complete format list
*5 ".ppt" - Google 検索

060106

 「目線」という言葉がある。言葉があると言うよりよく使われる。最初に聞いた時は、「めせん」など小学生が間違って読んだような感じがあった。また「視線」という言葉が思い付かずに咄嗟に出てきた造語のようでかなり違和感があった。

 最近は、当たり前に使われている。口語としてだけでなく、様々な文章に登場する*1ようになった。かなり違和感が薄れてきた。意味は視線と同じか視点という意味でも使っている。

 最初に聞いたのはテレビジョンの番組である。「カメラ目線」と言っていた。カメラのレンズに向かって視線を投げかけた状態を指してる。「カメラ視線」で十分表現できていると思うのだが、わざわざ目線などという言葉を作っている。「視」というのは「見る」という動作を表している。撮影においては、被写体に見るという行為を求めているのではなく、ただ単に瞳をレンズに向けてもらえればいい。極端なことを言えば、目を開けたまま寝ていてもいいし、元々見えていなくてもいい。従って「視線」である必要はなく「目とレンズとを結ぶ線」という意味でできた言葉なのだろう。

 「めせん」という読み方がいけない。湯桶読み*2になっている。間違った読み方だと思われやすい。根本が正しくないので、まともな言葉として受け入れられるにはまだまだ時間がかかる*3だろう。安易に使う*4のは避けた方がよい。



*1 目線 - Google 検索
*2 雑記草の由来
*3 めせん 0 【目線】 - goo 辞書
*4 目線 site:ac.jp - Google 検索

060107

 初夢*1は「一月二日に見る夢」という根拠について書いた。そのことで知人と話していたら、少し勘違いをしていたことが判った。結局、記事が判りにくいということなので、もう一度整理して書く。

 あの記事で言いたかったことは「江戸時代の暦でいう『一月二日の夜』は、現代で言えば『一月一日の夜』のことなので、初夢は今も昔も元旦の日没から二日の日出までに見る夢を指す」ということだ。

 現代では一日が真夜中から始まるので、「その日の夜」というのは、理屈からすると「0時から日出まで」と「日没から24時まで」とに分かれている。そこで江戸時代の『一月二日の夜』を現代風の「一月二日の『0時から日出まで』」と解釈するのは、見当違いである。更に「一月二日の日没から一月三日の日出までに見る夢」と解釈するのは論外だ。初夢は今も昔も「元旦の日没から二日の日出(江戸時代はこの時間帯に日付は切り替わらない)にかけて見る夢」である。この時間帯を江戸時代は「一月二日の夜」と称していた。その理由は一日の始まりは日没から、という考え方だったからである。

 まぁ、こうやって考えると「初夢一月二日説」「一日の始まりは日没から説*2」が上手く整合が取れてすっきりする。ただそれだけで、本当のところは判らない。

 ただ気になるのは、江戸時代の時刻*3である。23時から1時が「子」なので、起点が真夜中になっている。時刻の起点が真夜中で、一日の起点が日没というのは、何となくしっくり来ない。江戸時代では冬と夏では時刻の間隔が変化した*4ので、日没を時刻の起点とすると何かと不便*5だろう。そこで殆ど不動である南中時刻*6の対極である真夜中を時刻の起点としたのかも知れない。南中時刻を起点としなかったのはやはり「一日は夜から始まる」という意識があったからだろう。



*1 初夢
*2 一日の始まり
*3 江戸時代の時刻について
*4 江戸時代の時刻制度
*5 サザエ車
*6 太陽の動き

060108

 芸妓やホステスなどが付ける呼び名を「源氏名」という。なぜそう言うようになったのか。もともと夕顔とか若紫などと、源氏物語*1の巻の名前に因んだかららしいが、風俗関連の語源というのはあやしい*2のが多いので本当かどうか判らない。

 「げんじな」と読むのだが、ラジオかテレビジョンかで「げんじめい」と読んでいる人がいた。気を付けなければならない。



*1 GENJI-MONOGATARI
*2 69(2)

060109

 フランスのタイヤ製造業者「ミシュラン*1」の商標の一つにぶよぶよした白い怪物のような人形がある。ビバンダム*2と呼ばれている。ゴムタイヤを重ねて作った人形である。ローマ字では「Bibendum」と綴る。かねてからこの名前の由来が知りたかった。フランスの会社だからフランス語と思い、仏和辞書を引いてみてもこの言葉は出てこない。当然英語やドイツ語でもない。一体何語なのか。由来は何か。

 ビバンダムは1898年に作り出されたらしい。積み上げられたタイヤ*3から着想されたようだ。着想したのは創業者であるミシュラン兄弟*4で、図案化したのはO'Galop*5という画家だった。

 最初に登場したのはこのポスター*6である。このポスター*7には「Nunc est Bibendum」という古代ローマ時代の詩人ホラティウス*8「詩集」の一節*9が書かれていた。

 ラテン語*10で「ヌンク・エスト・ビベンドゥム*11」と読むらしい。意味は「今こそ(nunc)飲むべし(est bibendum)」となるようだ。これをフランス語風に読むと「ナンク・エ・ビバンダン」だろうか。英語ならば「ビベンダム」「バイベンダム」か。「ビバンダム」は日本読みかも知れない。

 当初、ゴムタイヤ人形の名前は特になかったらしい。ポスターには「bibendum*7」がという言葉大きく書かれているので、巷間でこの人形を「bibendum」と呼ぶようになったのだろう。人形は兄Andre Michelinと同じ鼻眼鏡を掛けていた*12ので、この人形の生みの親である兄も「Bibendum」と呼ばれた*13ことがあったようだ。



*1 日本ミシュランタイヤ
*2 ビバンダム ||| 企業情報 ||| 日本ミシュランタイヤ
*3 ビバンダム ||| 企業情報 ||| 日本ミシュランタイヤ
*4 Michelin
*5 poster
*6 ビバンダム ||| 企業情報 ||| 日本ミシュランタイヤ
*7 Phoenix Art Museum - On Sale Here: Posters from the Collection of Discount Tire Co.
*8 ホラティウス
*9 Nunc est bibendum
*10 山下太郎のラテン語入門
*11 ラテン語格言集 (10)
*12 European Automotive Hall of Fame The brothers who seized an opportunity
*13 ビバンダムの生い立ち

060110

 ドイツにトロポン社*1という薬品製造会社がある。創業当初は食品会社だったらしいが、次第に薬品を製造するようになったらしい。もともとはプロトン社という名前だったが、商標法の理由で「Proton」の二文字を入れ替えて「Tropon」としたらしい。

 今回の記事はそんな話ではない。トロポン社のポスターについてである。同社の最初のポスター*2ヴァン・デ・ヴェルデ*3という芸術家によって作成された。これがドイツにおけるグラフィックデザイン*4の始まりとなった。ヴァン・デ・ヴェルデが作成したトロポン社のポスター*5は雀を図案化したもので、食品製造会社のポスターなのに食品が全く出てこない。こういった新しい企業広告の考え方が1898年に既に登場していた。

 三羽の雀を図案化したらしい*6が、どこをどう見れば三羽の雀になるのかよく判らない。何となくペンギン三羽が並んでいるようにも見える。トロポン社と雀との関係は不明だが、トロポン社の他のポスター*7を見ると確かに三羽の雀が描かれているので、最初のポスターもそうなのであろう。

 この「三羽の雀*8」は見覚えがある。家紋*9だ。家紋も日本独自のグラフィックデザイン*10である。その日本のグラフィックデザインをヴァン・デ・ヴェルデは拝借したのだろう*11。ただし、これは雀ではなく「*12」であった。



*1 Tropon Company
*2 Tropon A promising future is built on a successful past TROPON's company history
*3 Van de Velde - Biography and facts of Henry van de Velde
*4 history of graphic design
*5 Teaching Art Nouveau: Images and Activities - Henry van de Velde
*6 Van%20de%20Velde%20-%20tropon%20-%201897_l.jpg
*7 Related items
*8 tropon.gif
*9 二千点無料家紋辞典と格安データ「家紋の湊」
*10 山形総合ビジネス専門学校
*11 20.gif
*12 無料家紋辞典2000点「雁金・かりがね

060111

 考えてみると、トロポン社の初期のポスター*1の「三羽の雀*2」は、もしかすると「三羽の*3」かも知れない。

 このポスター*4の色使いからすれば、雀のような気がするが、こちらの図案*5では翼の形からすると燕のような気がする。雀を図案化する場合、翼をこの様な形にはしないだろう。



*1 トロポン社の雀
*2 tropon.gif
*3 燕
*4 NGA: Teaching Art Nouveau: Henry van de Velde, Tropon: L'Aliment le plus concentré, 1898
*5 Related items

060112

 今日、初めて「GRデジタル*1」の実機をいじることができた。GRデジタルとは、リコーのデジタルカメラで、フィルム式のカメラ「GR1*2」の後継デジタルカメラと言われている。リコーは既にフィルム式カメラ事業から撤退*3をしている。

 GRデジタルは去年の十月に発売*4されたが、常に品薄で店頭に試用品が置かれているのを見かけたことはなかった。今日、たまたまある店を覗いたら実機が置いてあったのでいじってきた。

 小さくて少し高級感もあって非常に良い。今まで写真でしか見たことがなかったので、手にした感じは想像だけだった。実物を手に取ってみるとやはりいい。ただ少し気になるのは右手で持つ部分がゴムのような物でできている。これは耐久性があるのだろうか。一、二年で弾力性が低下してひびが入ったりしないだろうか。それから値段がやはり高い。七万円程度する。フィルム式のGR1は五万円程度で手に入れているのでそれぐらいなら何となく納得がいく。本当はレンズが明るくなっていたり、CCDと画像処理の電子回路などが組み込まれているのでフィルム式カメラよりも値段が高くなって当然なのだが、何となくなのである。

 七万円という価格が他の数万円安い小型のデジタルカメラとの間に劇的な差を出していると言えるのだろうか。この点で躊躇しているのである。筆者はフィルムで撮った写真をフィルム専用スキャナで電子化している*5。デジタルカメラよりも格段に手間がかかるのだが、小型のデジタルカメラより高精細に電子化することができる。つまり現状でGRデジタルと同等もしくはそれ以上の電子化された画像を得ることができる。

 やはりもう少し様子を見よう。他者が同じ様な路線のカメラを出してくれば競合して値段が下がってくるかも知れない。それまで待とう。急ぐ必要はない。



*1 製品情報 / GR DIGITAL | Ricoh Japan
*2 GR1v(2)
*3 リコーのカメラ(2)
*4 GR DIGITAL
*5 スキャナを買った

060113

 パソコンの仮想メモリを設定した*1が、何か調子が悪い。パソコンの動作がよく止まるような気がしてならない。やはり常用は良くないようだ。非常用と考えるべきかもしれない。しかし現在使用しているMacOS9のもともとの設計思想は仮想メモリを使用することを前提にしている*2はずだ。となると調子が悪いのはハードディスクの所為か。

 いずれにしても仮想メモリの使用を停止した。



*1 仮想メモリ
*2 Power Macintosh:「仮想メモリ」を“入”にして RAM の使用を最適にする

060114

 近頃の歌謡曲*1で、少し気になる言い回しがあった。コブクロ*2というグループ歌手が歌っている「桜」という歌である。冒頭で「名もない花には名前をつけましょう ・・・」とある。詩の内容は素晴らしいのだが、この出だしがどうも気になる。

 「名もない花」というのは、それを眺めている我々凡人がその花の名前を知らないだけなのである。どんな花にも名前は必ず付いているはずだ。現代において本当に「名前の付いていない花」というのは滅多に見られないだろう。

 つまり「名もない」とは、「有名でない、取るに足らない」という意味であって、「名前がない」という意味ではない。だから「・・・名前を付けましょう」と続くのは変である。自分が名前を知らないから勝手に名前を付けてしまう、というのは幼い感じがして微笑ましいが、この歌はそういった様子を表現しようとしているわけではない。

 少し前に他の歌手*3が歌う歌詞で「いろんな壁二人で乗り越えて・・・*4」というのがあった。壁を「破る」とは言うが、「乗り越える」というのは何か違和感がある。壁の上には天井があるので乗り越えるという表現は合わない。塀ならば乗り越えられる。壁は大きな障害や困難に例えられるので、「障害を乗り越える」という表現から「壁を乗り越える」を思い付いたのだろうか。



*1 ちょっとそこまで
*2 コブクロオフィシャルホームページ
*3 ORANGE RANGE OFFICIAL WEB SITE
*4 花 2004.10.20/SRCL-5837/1223 yen

060115

 今日は三月並みの暖かさ*1だった。亀の水槽を覗いてみると中くらいの大きさのイシガメが甲羅干しをしていた。またクサガメが水槽一杯に入れてある水苔*から頭を出して辺りをきょろきょろ窺っていた。

 温度が急に上がったので、春が来たと思ったらしい。夕方に水槽を覗くと二匹とも隠れて見えなくなっていた。健康体でしかも十分成長しているので冬眠を途中で妨げられても体力を消耗し切ることはないから心配はない。ミドリガメは冬眠の途中で欲目を覚ますと本に書いてあったが、イシガメやクサガメもしょっちゅう冬眠から目を覚ますようだ。考えてみれば、温度が上がれば目が覚めるのは当たり前だ。



*1 060115.gif
*2 冬眠中の亀の動き

060116

 新五百円玉にはマイクロ文字が刻印*1してあるらしい。マイクロ文字*2とは偽造防止のための非常に小さな文字で、五百円玉には「NIPPON」と書かれている。マイクロ文字の印刷というのはそれ程難しい技術とは思えないが、マイクロ文字の刻印となると結構大変ではないのだろうか。印刷の様にインクを紙に付けるだけではなく、金属の塊に小さな文字を打ち込む*3のだから、ごみなどは勿論あってはいけないし、刻印面の平坦度も要求されるのだろう。凹んでいては上手く文字が打ち込めない。

 平成十四年以降発行の記念硬貨にはこういったマイクロ文字が入っている*4ようだ。



*1 新500円硬貨のマイクロ文字見っけ
*2 マイクロ文字
*3 独立行政法人造幣局 造幣局の事業
*4 コインのシークレットマーク

060117

 金属水素というのがあるらしい。通常、水素は気体であるが、それが「金属」になっているのである。

 金属は常温では水銀を除いては大体固体になっている。ガリウムは融点が30℃付近*1なので夏の日にはどろっと融けてくる。実際にどろっと融けるのかどうか知らない。ただ、融けた状態のガリウム*2は見たことがある。

 金属というのは金物みたいな色*3をしているから「金属」と呼ばれる。この場合の「属」は仲間とか同類という意味である。金属が銀色や金色を呈しているのは構成する原子の結合の状態に依る。金属原子は固体や液体状態になると、金属原子から電子が遊離して電子と金属イオンとの集合体になる。遊離した電子は金属の固体内、液体内で自由に動き回れるので自由電子と呼ばれる。金属の表面に自由に動き回る電子と金属イオンがあってそれらが可視光を殆ど反射する*4ことにより、銀色や金色に見える。

 固体や液体の状態で自由電子を持つことができる物質を「金属」と呼んでいる。上に書いたように自由電子があれば、銀色や金色に見えることになる。銀色や金色に見えるのは金属だから、言葉の由来と物理的な現象とがうまく整合している。とは言え銀色や金色が必ず金属の色になるとは限らない。写真やパソコンモニタ上で金属色が再現できる*5。色は物質を特定する本質ではないので、細かいところでは整合していない。

 「金属水素」は惑星の内部構造の説明で出てくる。木星*6土星*7の内部には、この金属水素が大量にあるらしい。金属だからやはり銀色や金色をしているのだろう。水素が金属色になると言うのはちょっと想像しにくい。液体窒素は無色透明*8だし、ドライアイスは白だ。気体が液体や固体になると透明や白という観念がある。

 水素が超高圧の条件下で金属になることは実験で確かめられているらしい*9。その色はどんな色をしているのだろう。本当に金属色になっているのか。特殊な条件の下*10でしかも一瞬しか金属水素が得られないので、まだ誰も肉眼で金属水素を見ていないのだろう。



*1 体温計(3)
*2 31 Gallium
*3 金属の色(2)
*4 金や銀はきれいですが、なにか色素が入っているのですか?
*5 金属の色(3)
*6 惑星を知ろう...[ 木 星 ]
*7 太陽系・土星
*8 体験学習:液体窒素
*9 水素の金属を作る:日経サイエンス
*10 大阪大学極限量子科学研究センター【KYOKUGEN】―研究内容(超高圧分野)

060118

 インターネットラジオをよく聞く。インターネットラジオは専用再生機*1でないと面倒臭いの聴かないと思っていた。何が面倒かというと、ラジオを聞くのにいちいちパソコンを動かさなければならない。パソコンは電源を入れても直ぐに動作を始めない。普通のラジオは電源さえ入れれば直ちに音が出てくる。パソコンはそうはいかない。そこでインターネットラジオ専用再生機の登場である。これならば直ぐに聴けそうだ。

 再生専用機は一般的ではないので一部の製造業者でしか作っていない。しかも作っているのは、規模の小さな会社なので筐体の意匠*2に大して費用をかけていない。オーディオは意匠も重要な性能であることを理解していないのだろうか。格好が悪すぎて購入に踏み切れない。

 結局、パソコンに再生ソフトを入れて聴いている*3。大抵はパソコンで他の作業をしながら聴くので、ラジオを聴こうと思った時にはすでにパソコンが動作している。再生プログラムをクリックすればラジオは直ぐに聴ける。

 放送局はここ*4ばかり聴いている。その中で「PulsRadio*5」というフランスで制作されている番組をよく聴く。ダンス・ミュージック専門の番組である。「テクノ*6」「トランス*7」「ハウス*8」と呼ばれる分野の音楽を切れ目無しに流している。

 フランスだから番組名「PulsRadio」は「パルス・レイディオウ」とは読まない。「ピュルス・ラディヨ」と読む。



*1 インターネットラジオ
*2 BiBio wGate
*3 インターネットラジオ(2)
*4 SHOUTcast - HOME
*5 Non-Stop Dance Music
*6 Technomusic.com : Dance Techno Internet Radio, download free MP3 DJ mixes
*7 trance.nu - All your social life are belong to us!
*8 NITELIST MUSIC

060119

 名古屋独特の言葉*1を標準語と思っている人が結構多かった。最近は、名古屋弁自体が死にかけている*2。名古屋独特の言葉をそもそも知らない人の方が多くなってきたので、こういう勘違いは少なくなってきていると思う。特に若年層は減ってきているのではないか。

 「机を吊る」「ボタンを交(か)う」という言い方は濃尾地方*3の方言であるが、これを標準語と思っている人が多かった。今でもこういう言い方をしているのだろうか。滅多に聞かない。それぞれの意味は「机を持って移動させる」「ボタンをはめる」である。

 最近、新しい勘違い言葉に気付いた。「いろむ*4」である。果実などが熟すことを言う。漢字で書けば、「色む」だろう。標準語だと思っていた。



*1 なごや弁(2)
*2 なごや弁
*3 37.濃尾平野(愛知・岐阜)
*4 名古屋弁講座「いろむ」|東海地方(名古屋・愛知・岐阜・三重・静岡)の郷土史本専門店マイタウン

060120

 あるサイトを読んでいたら「キジムナー問題」というのを取り上げていた。「キジムナー*1」とは沖縄に伝わるガジュマルなどの木に棲む妖怪の名前である。キジムン*2とも呼ばれるらしい。妖怪データベース*3にも登録*4されている。

 このキジムナーの名前をある年齢層は「キムジナー」と憶えているらしい。筆者も「キムジナー」と思っていた。

 これは水木大先生*5の妖怪本に「キムジナー」と書かれていたから、というのだ。確かに筆者がキジムナーを知ったのは水木大先生の妖怪本である。そこにはキジムナーではなく「キムジナー」と書いてあったようだ。手許にある「水木しげる妖怪画集*6(昭和45年1月27日 初版発行 朝日ソノラマ)」を見てみると「キムジナー*7」になっている。目次も「キムジナー*8」である。単なる誤植ではなく完全な勘違いをしていたようだ。因みに妖怪データベースには「キムジナー」は出てこない。

 この問題は「加牟波理入道」にも似ている。「かんばり」なのか「がんばり」なのか*9。やはり「かんばり」派と「がんばり」派とがいる。この妖怪を掲載している文献でも呼び方は様々である。キジムナーと違うところは民間伝承ではなく鳥山石燕の創作によるものという点だ。原本を辿ればどちらが正しいかはっきりするはずだが、原本でも「かんばり」「がんばり」の両方が使われている。妖怪データベースでは「がんばり入道*10」は登録されているが、「かんばり入道」はない。



*1 キジムナー
*2 木の精
*3 怪異・妖怪伝承データベース
*4 キジムナー
*5 ナプーン
*6 水木自慢
*7 kimujina1.jpg
*8 kimujina2.jpg
*9 加牟波理入道(2)
*10 がんばり入道

060121

 ひょうたんが十分乾燥した*1ので、仕上げ作業を行った。表面に結構傷があったのでこれを隠すために紙ヤスリで削った。最初は120番*2の粗めのヤスリで荒削りして、600番の細かいヤスリで仕上げる。手作業なので手が疲れる。一個当たり半時間ぐらいかかった。漆塗りを思い浮かべる*3が、面倒そうなので油を塗ることにした。

 本に椿の種の油を塗ると味わい深い色になると書いてあった。これを採用することにした。椿の種*4を集めて、潰して出てくる油を塗ればいいとあった。*5に学校の帰りに集めてこいと命令しておいたが、二つしか拾って来なかったので、椿油は止めて家具木工品用の市販塗料を使うことにした。

 店で物色してみると「チークオイル*6」という仕上げ塗料があった。瓶には天然オイルと書いてある。何となく良さそうなので、これを買った。

 塗ってみると白かったひょうたんがほんの少し黄色くなった。まぁ、こんなものかと思いながら全部塗った。あとは紐を掛ければできあがりだ。養老町のひょうたん屋*7に行って紐の結び方を教わりに行こう。



*1 ひょうたん(11)
*2 DIYの基礎知識
*3 ひょうたんギャラリー
*4 ゆんフリー写真素材集 : Catalog No. 1631 椿の実 [日本 / 東京]
*5 亀の名前
*6 ニス・ステイン類
*7 ひょうたん(5)

060122

 去年の十一月に仲間と寂れた街の探訪*0に出掛けた。行った先は三重県の名松線*1である。松阪市の松阪駅と津市の伊勢奥津駅とを結ぶ。「名松線」の「名」は名張、「松」は松阪である。鉄道敷設当初の計画では名張まで行く予定だったが、途中で止まって現在に至る。途中で計画が止まってしまうぐらいだから、相当昔から沿線の街は寂れている。

 列車に乗っていたら下校中の女子高校生が一人乗り込んできた。靴を脱いで長椅子にうつぶせになった*2。他に乗客がいるにも拘わらず、堂々と寝ているので、彼女にとっては日常の行為なのだろう。我々にとっては初めて見る光景である。いくら乗客がいないからと言ってもここまで来ると行き過ぎの様な気がする。車内は閑散としているから全く誰にも迷惑を掛けていない。問題はない。あとは本人の心持ちだけだ。それともこの大胆さに対して天晴れと言うべきか。

 「寝てる人*3」というページを思い出した。酔っぱらって駅や電車で寝ている人の姿を集めたページである。酔っぱらって寝ている人と件のクラブ活動か何かで疲れ果てて寝ている女子高校生とではどっちが愛おしいか。どっちもどっちである。もし女子高校生がスカートの下に青いジャージのズボンを穿いていなかったらどうか。断然こちらの方である。



*0 日本で一番古い駅舎など
*1 名松線の旅
*2 img_0132.jpg
*3 寝てる人2001/5

060123

 黒髪が一夜にして白髪になる、と言う喩えがある。テレビジョンの対談か何かで、「いや、これは本当に起こる症状なんですよ」とある医者が言っていたような気がする。本当にそんなことがおこるのだろうか。

 髪の毛が白くなると言うことは髪の毛に含まれている黒色の色素がなくなることである。髪の毛は根元から成長するので色素はこの時に髪の毛の中に入る*1のだろう。色素は入ると何もしなければそのままのはずである。東本願寺にある髪の毛で作った綱は百年以上経っても黒いまま*2だ。髪の色素は根元から補給され続けているのではなく、沈着しているはずである。

 ということは髪の毛が白くなるためには、沈着した色素が毛根に吸い込まれるか、何か他の物質が毛根から分泌されて色素が変化するもしくは消失してしまうか、黒髪が全部抜け落ちて白髪に入れ替わるしかない。色素が毛根に吸い込まれたり、別の分泌物質により色素がなくなると言うのは考えにくい。となると抜け替わるしかない。これは老化によって頭がだんだん白くなっていくのと同じである。一晩で白髪になるということはあり得ない*3ことになる。

 それでは何故こういった表現ができたのだろう。老化とは関係なく、苦労や連続的な緊張によって毛根にある色素を作る細胞*4の活動が低下して白髪が生えてくる場合がある。真っ黒だった髪の毛が数年で全部白髪になることもあるだろう。数年ぶりに会ったら頭が真っ白になっていた、と言う驚きを誇張して「一晩で」と表現したのだと思われる。



*1 ヘアカラー・サイエンス 髪のメカニズムとメラニン色素
*2 higashihonganji4.jpg
*3 神戸新聞Web News
*4 潮出版社 USIO【お役立ちページ】

060124

 今日の日付とは関係ないが、三月十四日は「πの日*1」と呼ばれているらしい。円周率*2の近似値が「3.14」だからだ。そしてこの日を祝う行事は午後一時五九分に行う*3とされているらしい。円周率の更に詳しい近似値は「3.14159」だからである。二十四時間式だと午後一時五九分は「13:59」なので、午前一時五九分(1:59)か午後三時九分(3:09)に祝うという人もいるらしい。

 近年、日本では「ホワイト・デー*4」と呼ばれる。πの日というのは殆ど知られていない。ホワイト・デーはセント・バレンタイン・デー*5のお返しの日として、菓子業界が販売促進のために作った習わしである。書籍業界の「サン・ジョルディの日*6」は本が主体であるため、πの日と同じように知性に関する事柄なので一般大衆には普及しにくい。最近、弁当業界などが普及に成功した「節分の日に巻き寿司」に見られるように、食欲や性欲に関連する販売促進戦略は定着しやすいのだろう。

 そう言えば、かなり昔、ホワイト・デーがあまり知られていなかった頃にバレンタイン・デーのお返しを請求されたことがあった。しかも本人からではなくその友人から「ちゃんとお返をしなさいよ」と言われた。しかし当時、筆者はそういった風習があることを知らなかったし、どうしてその日にお返しをしなければならないのかも理解できなかった。結局、うやむやにしてしまったような気がする。

 三月十四日はアインシュタインの誕生日*7である。この日がホワイト・デーと思うと何にも感じないが、πの日と考えると感慨深い。



*1 3 月14 日:π(パイ)の日
*2 Brouwerの問
*3 Pi Day - Wikipedia, the free encyclopedia
*4 ホワイトデー公式サイト
*5 バレンタインデー - Wikipedia
*6 サン・ジョルディの日とは?
*7 Einstein

060125

 アメリカの映画を見ているといつも最後にこの楕円マーク*1が出てくる。番号がふってあるので日本の映画で言う「映倫*2」みたいなものだろうと思っていた。

 これはMPAA*3と呼ばれるアメリカ映画協会のマークであった。このアメリカ映画協会は、元々は業界の印象や映画倫理の向上を目的に設立された。現在の主な活動は映画などの権利擁護*4であるらしい。当初の目的である映画倫理の向上のための上映区分*5も行っている。日本の映倫と同じ様な役目もあるが、活動範囲はMPAAの方が広い。

 マークの由来は何か。楕円はおそらく世界地図を表しているのだろう。モルワイデ図法*6経線と緯線*7を図案化したものだろう。何故、アメリカの映画協会に世界地図なのだろうか。映画を全世界に輸出するからだろう。アメリカ映画協会の海外部門であるMPA*8マークは世界地図そのもの*9になっている。

 では真ん中の四つの小さい円*10は何なのか。これは四つの円を含む大きな円との組み合わせで、映写機11用のフィルムを巻くリール*12を表していると思われる。映写機に取り付けられている巻き取りのための丸い枠*13である。最初、昔の回転式の切り替えレンズ付きの撮影カメラ*14を正面から見た図とも思ったが、考えてみると映画制作ではなく上映段階を管理する組織なので映写機*15の方が相応しいことになる。



*1 mpaa.jpg
*2 映倫管理委員会
*3 Motion Picture Association of America
*4 日本国際映画著作権協会 / JIMCA / MPA(MPAA)
*5 Motion Picture Association of America
*6 五千円のモルワイデ
*7 概要 [ITスキル] - Web 研修システム
*8 Motion Picture Association of America
*9 logo_main_header-mpa.gif
*10 logo_main_header-mpaa.gif
*11 会社案内 歴史館
*12 半導体製造工程用のタブリールとクリーンルーム用タブリールスタンドの三力工業
*13 projector.jpg
*14 H16RX5
*15 City Club Cinema - Films about Filmmaking

060126

 こんな挿絵があった。4サイクルエンジンの動きを示す透視図*1である。こういった挿絵が只で見られるというのは素晴らしいことだ。



*1 4cyl-Animation.gif

060127

 デジタルカメラが世界的に普及し、テロリズム*1がますます激しくなると困ることがある。テロリズムが世界各地で起これば当然困るのだが、それと同時にデジタル式のカメラが普及すると何故困るのか。

 飛行機を使って移動することは滅多にないが、テロリズムが激しくなれば、当然飛行機に乗る時の検査が厳しくなる*2。そうなると荷物のX線検査が厳重になり、より細かい検査をするためにX線の強度がどんどん強くなる。それがどうして都合が悪いのか。写真のフィルムに影響がでるからである。強いX線にフィルムが晒される感光してしまう*3。これまで何度か荷物検査で写真用のフィルムを通してきたが、画像に目立った支障が発生したことはない。海外の美術館で使うつもりでISO1600*4を持っていったことがあるが、全く問題はなかったような気がする。影響は出ていた*5のだが気付かないだけかもしれない。かなり昔の話なのでまだX線がそれ程強くなかったかも知れない。

 現在は手荷物検査のX線検査は、預け入れの検査よりも弱い強度のX線を使っている*6らしい。通常の荷物の中でX線の影響を受けるのは、写真用のフィルムしかないので、デジタルカメラがかなり普及してしまうと手荷物検査のX線の強度もどんどん強くされてしまうのではないか。手荷物検査のX線が弱いのは何も写真用フィルムのためではないだろう。検査装置からはX線が洩れている。その洩れているX線の検査係員や乗客への影響を低減するために強度を下げているのだろうが、何となくフィルムが歯止めになっているような気もするのである。



*1 「日本でもテロは起こるのか」ではもう遅い! テロリズム基礎知識一問一答 - [よくわかる政治]All About
*2 New York World Trade Center  Destruction September 11, 2001
*3 新型X線検査装置について
*4 CENTURIA SUPER1600 | コニカミノルタ
*5 CTX_exp.JPGr
*6 FUJIFILM | 企業情報 | ニュースリリース | 「未現像のフィルムは『手荷物』として機内に持ち込むことをおすすめします」フィルムメーカーが飛行機ご利用の方に呼びかけ

060128

 ドイツにトロポン社*1という製薬会社がある。この会社は創業当時、自社の製品を一切登場させない斬新な企業広告用のポスターを制作*2した。これがドイツにおけるグラフィックデザイン*3の始まりとなった。

 トロポン社は当初、「プロトン」という社名にしようとしたが、商標法の関係で断念した*4らしい。そこで「proton」の「p」と「t」とを入れ替えて「Tropon」とした。

 それでは、なぜ、最初に「プロトン」という社名にしようとしたのだろうか。食品とproton(陽子)とでは全くつながりがなさそうである。

 トロポン社は加工食品会社として出発した。蛋白質protein*5と陽子proton*6とは、ギリシャ語の「第一の」を意味するprotosが語源となっている。つまりprotonは陽子を意味するのではなく、「蛋白質」と元々のギリシャ語の意味の「第一」の両方の意味を持たせた言葉だったのだ。



*1 Tropon Company
*2 トロポン社の雀
*3 history of graphic design
*4 Tropon
*5 protein. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*6 proton. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.

060129

 幼少の頃、祖父に大坂城*1へ連れていって貰ったことがあった。祖父と私と弟との三人だったと思う。祖父は城の中を歩きながら歴史など色々説明してくれたが、その内容は全く憶えていない。

 祖父は周りの観覧客にも十分聞こえるような声で説明していた。暫くすると若い二人組の女性が我々一行と一緒になっていた。知らぬ間に一緒になったのか、「一緒に回っていいですかぁ」と声を掛けられたのか。とにかく二人の女性がきゃっきゃと言いながら付いてきたのを憶えている。祖父もまんざらでもない様子だったような気がする。



*1 大阪城天守閣

060130

 福耳*1伝説は本当か。耳たぶがふくよかだと富に恵まれると良く言われる。確かに福耳の人*2はお金に不自由していない人が多いような気がする。

 「福耳だと金持ちになる」が「福耳でない*3と金持ちになれない」と思われたりする。「福耳だと金持ちになる」が真実としても、この言葉だけからは「福耳でないと金持ちになれない」が真実であることは直接導き出すことはできない。「福耳だと金持ちになる」を命題*4とすれば、「福耳でないと金持ちになれない」は「*5」の関係になる。ある命題が正しくてもその裏は必ずしも正しいとは言えない。もっとも「福耳だと金持ちになる」というのは必ずしも正しいとはもともと言えない。実際、福耳の代表であるはずの会社が民事再生の申し立てをしてしまった*6ことがある。従って最初から「福耳でないと金持ちになれない」は真実であるはずがないのだが、「金持ち」が少数の人々を指す相対的な表現であることや「福耳*7」の人がそれ程多くないことから「福耳でないと金持ちになれない」が真実のような錯覚に陥ってしまう。

 これが「耳たぶが貧相だと貧乏になる」と狭い意味の言葉に更に言い換えられてしまうことがある。しかしこの人の耳たぶ*8を見る度に完全に間違っているなと思う。



*1 No97福助
*2 gates-2.jpg
*3 国立国会図書館 「日本の暦」―初級第5問 福助人形 解答
*4 命題
*5 考える心のしくみ
*6 日本政策投資銀行 | かんたんDBJ講座
*7 Richard Branson portrait photo, platinum edition print
*8 ワタミ渡邉美樹社長の「燃える手帳」と「日々の習慣」 ワタミ渡邊社長「夢の日付」手帳 - [キャリアプランニング]All About watami1.jpg

060131

 コンピュータのプログラム処理上の誤りのことを「バグ」という。語源は「bug(虫)」である。この言葉を初めて聞いた時、bugが虫を意味する言葉と言うことを知らなかったので、何ら違和感なく「プログラムの誤りをバグ」と受け入れることができた。それにしても何故「虫」と表現されるのだろう。

 日本語の「むし」とはかなり意味が違う。日本語では人、獣(毛の生えた動物)、鳥、魚、貝以外の小動物を指す。六本足の昆虫だけではなく、百足やげじげじ、蛇、とかげ、蛭など*1みんな「むし」である。こういった小動物などは「蟲」と書いた方が似合っている。更に「虫」という漢字の意味はもっと広く、人以外の動物の総称にも使われる。

 「bug*2」は昆虫を意味する。特に甲虫を指すらしい。南京虫*3、ごきぶりなどの害虫という語感があるようだ。日本語でも虫と言えば多くは気持ち悪い*4、害のある小動物を指す場合が多い。従って「bug」は害をもたらす物、被害をもたらすものまたはそれを受けた状態の例えとして使われる。

 比喩ではなく、初期のコンピュータで実際に「bug」が見つかっている。最近、「コンピュータで見つかった最初の本物のbug*5」として保存されていることを知った。グレース・ホッパーという人がその発見者*6らしい。1945年*7太平洋戦争が終わった年である。

 この発見からプログラムの誤りをbugと言うようになったと思いがちだが、そうではない。First actual case of bug being found.*8と書くぐらいだから、「actual case(実際の事例)」ではない「bug」があったのだろう。調べてみるとやはりそうだった*9。機械の欠陥という意味でエジソンが最初に使い出した*10らしい。由来は明らかに害虫からだろう。



*1 北斎漫画 hokusaimanga.jpg
*2 bug. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000
*3 埼玉県/衛生害虫被害検索結果 トコジラミ(ナンキンムシ) Q8で、あてはまると答えた方
*4 堤中納言物語
*5 Image:H96566k.jpg - Wikipedia, the free encyclopedia
*6 Portraits of Grace Murray Hopper
*7 アイテップ
*8 H96566k.jpg
*9 First Computer Bug
*10 Online Etymology Dictionary: bug



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