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0610雑記草


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061001

 また一つの物欲を遂げた。「欲を遂げる」というのは変だ。遂げるのは本懐や目的である。欲は「満たす」であった。今回の物欲は数ヶ月悩んだので何となく「やり遂げた」という感じになった。

 買ったのはテンピュール*1の商品である。以前にテンピュールの枕を買った*2。触感が大変気に入っているのだが、とにかく値段が高い。枕一つが一万円近くする。

 今回の買い物は二万円近い。少し大きめのクッションである。クッションに二万円も出すのは相当勇気が要る。オークションで安いのがないか探していたが、なかなか見つからない。いくら待っても安いのが出てこない。待っている内に一生が終わってしまうと詰まらないから、思い切って買うことにした。

 「ベッドウェッジ*3」というくさび形のクッションである。一辺が50cm程度ある。二万円もするので三年保証になっている。中にスポンジが入っているだけなのに何を保証するのかというと、三年以内にスポンジが弛んで何もしないのに2cm以上の凹みができた場合は無償で交換してくれるらしい。ただし焦げや切り傷などによる損傷は対象外である。

 家にはベッドがないので名前が示すような本来の使い方はしない。壁か応接椅子に持たれ掛けて床に座る、うつ伏せになって本を読む、寝ころんでDVDを鑑賞する時の枕にするつもりである。

 通信販売で購入した。早速使ってみると丁度いい柔らかさで、気持ちが良い。買ってよかった。

 商品は問題がないのだが、買った店が何とも変な対応をしてきた。インターネットで商品を見た時、クッションの色は紺色だった。説明文でもはっきりと紺色と書いてあった。しかし届いたのは「灰色」だった。色は全く問題にしていないのでどちらでもいいのだが、納品書に添えられていた手書きの手紙に買い上げのお礼と共に「色がダークブルーからグレーに変わりました」と書いてあった。注文した物と色が違うのだから詫びの一言でも添えればいいと思うのだが、注文の色と違うという事実のみが述べられている。これは一体どういうつもりなのだろう。返品を主張されると困ると考えたのだろうか。注文した物と違う物を送っているのだから返品されても仕方がない。当然覚悟すべきである。それを覚悟で謝るのが普通だろう。

 JR東海*4にしてもこの店にしても一体どういう神経をしているのだろう。



*1 Welcome to Tempur Japan
*2 テンピュール(3)
*3 テンピュール商品一覧_小物 ベッドウェッジ
*4 謝らないJR東海

061002

 先日、テレビジョン受像機を水で丸洗いした*1。その後、全く問題がないと思っていたが、あることに気付いた。

 この受像機にはビデオ信号の入力が二系統ある。その内の一系統の調子が悪くなっていた。左の音声が殆ど出なくなっている。右側は正常である。今まで気付かなかったので、水洗いしてから発生した不具合だろう。

 現在この受像機にはビデオ録画再生機とDVD再生機とが接続されている。画質、音声共にDVDの方が本質的にいいのでこちらの方を優先させて、こちらを正常な入力端子に接続している。どうしてもビデオの音声を左右のスピーカから聞きたい時は、入力端子の接続を抜き差ししてDVDに接続していた方とその都度入れ替えることで対応していくことにする。



*1 テレビジョン受像機の水洗い(3)

061003

 双子*1またはそれ以上の場合、誰が兄姉になるか。父からは、先に生まれた方が弟妹になると幼少の頃に聞いたことがある。普通に考えれば、出生時刻が早い方が兄姉に決まっている。双子だけその法則が崩れるのは何か変な気がしたが、後から出てきた方が先に腹の中にできた筈だから、そちらの方が兄姉になるという説明だった。

 web上で調べてみると「昔はそう言う考え方があったが、今では先に生まれた方が兄姉」と説明している。そして戸籍法では子の氏名の記載順序が出生の順番でなされることになっている*

 昔とはどのくらい昔のことか。既に明治時代には先に生まれた方が兄姉だと政府によって規定されていた。規定された十二月十三日*3を「双子の日」と誰かが勝手に決めているらしい。数々の雑学を集めたサイトには「明治七年十二月十三日に『双生児、三つ子出産の場合は、前産を兄姉と定む』という太政官布告が出た」とある。これを基に双子の日を決めたらしい。

 それにしても文語なのか何なのかよく分からぬ文である。本当にこんな文面で太政官布告が出されたのか。そもそも「双生児」という言葉が明治七年頃にあったのか。しかも「〜の場合は」という言い回しも口語的である。特に最後の「定む」というのが取って付けた感じで、如何にも似非文語調だ。

 調べてみた*4。やはり違う。まず太政官布告ではない。太政官指令*5だった。明治政府の太政官(だじょうかん)*6とは最高行政機構*7のことで、太政官布告は一般民衆に向けた法律のことである。一方、太政官指令とは行政命令*8のようなものらしい。

 その内容は「第四十八 十一月二日(内務省伺) 凡(およそ)婦女分娩ノ際稀ニ雙子(ふたご)又は三子等ヲ産スル者アリ兄弟姉妹ノ順次定メ方從夾民間ニ於テ産婆ノ妄説ニ泥(なづ)ミ前産ヲ弟妹トシ後産ヲ兄姉ト唱フル趣(おもむき)甚(はなはだ)顛倒(てんとう)無稽(むけい)ニ屬(ぞく)シ不都合ニ付今後前産ヲ兄姉トシ後産ヲ弟妹ト定メ可然哉(しかるべきや)*9」であった。そしてこの伺い書に対して「(指令)十二月十三日 伺之趣(うかがいのおもむき)前産ノ兒(こ)ヲ以テ兄姉ト定候儀(さだめそうろうぎ)ト可相心得事(あいこころえるべきこと)*10」としている(よみがなは筆者)。

 果たせるかな「双生児、三つ子出産の場合は、前産を兄姉と定む」という書き方はしていなかった。この様に雰囲気だけを醸し出そうとして「定む」などと中途半端に書いてしまう人が多い点が雑学たる所以だろう。



*1 JapanハSocietyハforハTwinハStudies
*2 戸籍法
*3 12月13日 双子の日 <366日への旅 記念日編 今日は何の日>
*4 日本法令索引〔明治前期編〕
*5 双子又ハ三子等分娩ノ際兄弟姉妹順次ノ儀内務省伺
*6 1-4 太政官制 | 史料にみる日本の近代
*7 インターネット特別展 公文書に見る岩倉使節団
*8 明治太政官期法令の世界
*9 本文|近代デジタルライブラリー 法令全書 [第9冊]明治7年
*10 子の稱呼に就て

061004

 双子、三つ子などの順序*1について調べていたら「子の稱呼に就て*2」と言う文献に興味深いことが書いてあった。それは「全國民事慣例類集*3明治文化全集第八巻法律篇*4)」という文献から引用で、双子三つ子に関する慣例である。

 加賀國能美郡・・・二子三子ノ順序ハ第一二産ルゝヲ弟妹トシ第ニニ産ルゝヲ兄姉トスル例ナリ(一八九頁)。
 越後國古志郡・・・二子アレバ前生ヲ兄姉トシ後生ヲ弟妹トスル慣習ナリ(一八九頁)。
 相模國足柄郡・・・三子出生スレバ必ズ即日屈出ル例ナリ。官ヨリ男子ヘハ玄米五合女子ヘハ三合ヲ扶持ス。二子ハ手宛ナシ。前生ヲ弟妹トシ後生ヲ兄姉トスル習慣ナリ(一八七頁)。
 駿河國安倍郡・・・ニタ子アルトキハ一子ハ必ズ潰シテ養育セザル舊習ナリ(一八七頁)。

 父から聞いたように、先に生まれた方を弟妹としている土地がある。一番気になるのは最後の駿河國安倍郡*5の旧習である。双子の時は必ず片方を潰すとある。静岡県なのでそれほど貧しい土地でもない。潰すのは食い扶持を減らすためもあるが、それだけではないような気がする。今では双子の赤ん坊は可愛いと思われている場合が多いが、昔は忌避されたのだろう。

 現代でも不妊治療の場合は、多くの現実的な問題から双子を避けたい*6と考えられているらしい。



*1 双子の順序
*2 子の稱呼に就て
*3 全國民事慣例類集 / 風早八十二編
*4 『明治文化全集 第8巻 法律篇』
*5 『駿河国新風土記』の補筆
*6 不妊治療と多胎妊娠 ドクターが双子妊娠を避ける理由 - [不妊治療]All About

061005

 中学二年の頃だったと思う。新学期になると新しいクラブ活動を作ったので、クラブ員を募集するという通達が出された。そのクラブは確か「クッキークラブ」という名前だった。何をするクラブか。クッキーを作って焼いて食べるのである。当時、義務教育にこんな遊びみたいなことをクラブ活動として行ってもいいのかと、度肝を抜かれた。

 クラブ活動の発起人は国語の教師だった。主婦でクッキーやケーキ作りが趣味であるようなことを聞いた。集まったクラブ員は女子生徒ばかりだったような気がする。家庭科教室にクッキーを貰いに行ったこともあった。

 一年後、クラブは廃止された。今考えると何らかの力学が働いたのだろうか。当時は「やはり学校で菓子は駄目なのだな」と思っていた。



*1 キャラクター紹介 | みる | セサミストリート

061006

 パッコロを入手した。パッコロ*1とは麻雀用の正十二面体サイコロのことである。麻雀をやるので*2欲しかったからではなく、たまたま行った東急ハンズで見かけたから買った。税込みで五百二十五円だった。パッコロの存在は麻雀を憶えた頃に知ったが、実物を見たことがなかった。そんな実物のパッコロが目の前に現れたので買わずにいられなかった。

 パッコロは東西南北が記された方位サイと一から十二までの漢数字が記された数字サイ*3とで構成される。数字サイは対面する面の目の合計が「十三」になるように作られている。「十二」の裏は「一」という具合だ。普通の直方体のサイコロ*4も通常同じように対面する面の目の合計は「七」になっている。もともと裏表の目の数の合計を一定にするのは均衡を保つためだろう。それぞれの目の大きさや深さがどれも同じなら、対面する目の数の合計を同じにしておけば偏りが少なくなる。しかし大きさや深さが同じだと「一」と「六」とでは「一」の面の方が削り取られている量が少ないので重くなる。そこで一の目を大きくしたり目の数によって大きさや深さを変えて、どの面も削り取られている量を同じにすれば均等になる。そうなると目の合計を「七」にする必然性はない。目の大きさや深さを揃えるのが大変なので目を印刷で済ませる場合*5もある。

 こう考えると漢数字で記されているサイコロの対面の数の合計を一定にする意味は普通のサイコロと同様にあまりないような気もしてくる。方位サイの方はどうか。「東」「西」と「南」「北」との対が三つになっていても良さそうだがそうはなっていない。裏表が「東西」「東北」「東南」「西南」「西北」「南北」となっている。二つの方位の組み合わせが一通り揃っていた。これはこれで何となく意味があるような気もするが、確率的にはどちらも何ら意味はないだろう。



*1 パッコロ
*2 香港製麻雀牌
*3 pakkoro.jpg
*4 NIPPON STYLE:: 世界最速のサイコロ
*5 Kevin Cook's CASINO DICE

061007

 ビデオ録画再生機が壊れた。水洗いしたテレビジョン受像機*1に接続してあるビデオ録画再生機である。故障の状況はビデオカセットテープが取り出せなくなった。

 分解して中に入っていたテープを取り出した。この取り出し機構が壊れているだけで、他の機能は全く問題ない。分解した際に故障の原因を見つけようとしたがよく判らなかった。カセットテープを送り出すためのモータが正常に動作しなくなっているようだ。

 ビデオ録画再生機はテレビジョン受像機と違って機械的部品が多数使われている。長時間使い続けるとそれが摩耗や疲労によりそれらが破損して正常に動かなくなることがある。基本的に電子部品のみで構成されているテレビジョン受像機と故障の仕方が違う。従って「水洗いすると直る」という可能性はかなり低い。特にビデオテープに記録されている信号を読み取る部分は精密な機械部品*2なので、この部分に水を掛けると如何にも壊れそうだ。

 既に壊れているので一か八かで水洗いをやってみることも考えたが、どうせ駄目に決まっているのでやめた。製造年を見ると1995年製だった。まぁ、よく働いてくれた。

 新しいのを買うか、どうするか。ビデオとハードディスク録画とDVD録画ができる最新型の録画再生機を購入するか、中古のビデオ録画再生機*3を入手するか。



*1 テレビジョン受像機の水洗い(4)
*2 Howstuffworks "How VCRs Work"
*3 中古ビデオデッキの購入

061008

 四年ほど前、山村に住む友人から金木犀の木を貰った*1。その年の春頃に貰って家の庭に植えたが、その年の秋には花は咲かなかった。次の年には咲くだろうと思っていたが、咲かなかった*2。そして次の年も*3。日陰の庭なので花は咲かないのかも知れないと完全に諦めていた。

 ふと見ると花が咲いていた*4。ようやく咲いた。これから毎年花を付けてくれるだろう。



*1 金木犀
*2 金木犀(2)
*3 金木犀(3)
*4 kimmokusei.jpg

061009

 パッコロ*1の説明書に「Paccolo」と書いてあった。独特の綴りなので、もしかしたらサイコロは外来語なのかと思ってしまった。そういえば楽器のpiccolo*2に綴りが似ている。パッコロのローマ字*3の綴りの由来はこれだろうか。

 サイコロは日本語である。漢字では賽子と書く。「賽(さい)」には、「賽銭」という言葉にも使われているように神に対するお礼の祭りという意味がある。もう一つの意味は勝負を競うという意味である。どういう関係でお礼祭りと勝負という意味ができたのかよく判らない。もともとサイコロは「賽」と呼ばれる。この呼び方は日本独自で、中国では「骰子(日本語読み:とうし)」と書くらしい。「コロ」は接尾辞で石ころ、犬ころの同類とも考えられているようだ。転がるの「コロ」という説もある。

 パッコロの語源は何か。「パッと振るサイコロ」という意味だろうと勝手に考えていた。サイコロは大抵、パッと振らないといかさまと思われてしまうので、名前としては相応しくない。パッコロの考案者は大脇善明*4という人らしい。web上にはその人に関する情報はない。説明書をよく見るとパッコロの字の横に「®」が書いてある。商標が登録してあるようだ。ヒントはないかと思い「パッコロ」を検索*5してみたが、何も出てこなかった。



*1 パッコロ
*2 オーケストラの楽器-フルート族
*3 ローマ字
*4 パッコロ
*5 特許電子図書館 - 初心者向け検索

061010

 今日、久々に「パンチラ」を得ることができた。「パンチラ」とは、女性のパンツが何気ない動作の中でチラッと見えることを言う。男性の場合は言わない。女性はスカートを穿くのでパンチラが発生するが、そもそも男性の場合はスカートを穿くことが殆どない*1ので発生しない。

 筆者にとって「パンチラ」は本懐である。おそらく多くの男性にとっても同じだろう。パン線が嫌いな人*2はいても、妙齢の女性のパンチラが嫌いな人は聞いたことがない。

 パンチラは偶然だろうか。意図的に見せる女性は滅多にいないのだから偶然に決まっとる、と怒り出す輩がいるかも知れない。意図的な人がいるとしてもそんな人に巡り会えるのはやはり偶然だろう。

 そうではない。努力の賜である。偶然の要素は多分にあるが、やはり漫然としていては「パンチラ」を得ることはできない。知人にしょっちゅうパンチラに出会っている奴がいる。羨ましがると「もう飽きた」とほざく。あまつさえきゃつは、相手が勝手に見せてくれるような言い方をする。そんなはずはない。おそらく無意識のうちに「パンチラ」を得ているのである。

 世の中には「パンチラ方程式*3」「パンチラの式*4」などと称して、パンチラの条件を理論的に検討している人々がいる。こういう条件下に自らを置かなければ、パンチラなど得られないのである。前述の知人は、天才的な感性によって無意識にパンチラ合致条件を得ているのだろう。筆者はそのような芸当ができないので、如何にして自然に振る舞いながら条件を探すかが課題なのである。このようにパンチラは男のロマン*5をかき立てる。

 今日、電車の向かいの席の女性が非常に短いスカートを穿いていた。膝の上には鞄を置いてしっかり防御をしていた。ところが彼女は携帯電話の操作に気を取られて、駅に近づいていることに気付かなかったようだ。電車が停車して扉が閉まる直前に慌てて降りていった。この時「パンチラ」が発生した。漫然と座っていればパンチラを得ることができなかったかも知れない。彼女が席を立つ瞬間に注視したのである。そのきっかけは列車の減速、慌ただしい身支度であった。

 それにしても筆者の得られる「パンチラ」頻度は低い。努力だけでは駄目なのである。運もなければ拝めないのだ。



*1 Canadian Bagpipe Links - Under the Kilt?
*2 Tバック
*3 論理的にパンチラをゲットする事は可能なのか?
*4 アルキメデスのパンチラの箱
*5 ROMAN : 吉忠

061011

 パンチラが得られる頻度が低い*1ので、それ故「心に残るパンチラ」というのがある。パンチラだと思ったら何とノーパンだった*2と言うのではない。パンチラどころか何も見えなかった。しかしこの出来事ははっきり憶えている。

 十年以上前のことである。家族で電車に乗ったら少し斜め前の席に物凄く可愛い女性が座った。何やら一所懸命少し大きめの本を読んでいる。結構短いスカートなのに、本に夢中になっているせいか足が少し開き気味である。しかし筆者の位置からは足が少し開いているという事実しか判らない。隣に座っていた妻から見れば、彼女は真正面である。妻の位置からならば絶対見える。パンチラではない、パンモロ状態に違いない。

 終点*3に到着し、電車を降りて歩き出した時に、妻が「ねぇ、さっき前に座っていた可愛い子。パンツ丸見えだった」と言った。やはりそうだったか。パンモロの女性は、初めは立っていて、丁度、妻の正面の席が空いたのでそこに座ったのだった。もし妻と自分との位置が逆だったら。何という運命のいたずらだろう。

 相当美人というか可愛い女性にお目にかかれるのは滅多にない。更にそんな人がパンツ丸見えなのだから、もう一生こんな出来事はないかも知れない。



*1 パンチラ
*2 sharon_stone.mpg
*3 新宿駅|小田急線のご利用案内|小田急電鉄

061012

 web上には様々な画像がある。興味深い物はその画像が掲載されているURL*1を記録しておく。記録するのはそれ専用のソフト*2を使っている。例えそのページが消失しても、全世界のサイトを記録し続けている*3Internet Archive*4があるので、URLさえ残っていれば、いつでも後で追跡できる。と思っていた。

 ところがそうとも言えない。Internet Archiveに残っていない場合がしょっちゅうある。この頃はweb上の情報が増えすぎてInternet Archiveが巡回して記録するのに一年以上かかってしまっている*5。これでは一年未満で消失してしまう情報は記録されない。

 そこでできる限り自分のパソコンに画像を保存するようにした。これで消失しても、あとで見ることができる。面白い画像はURLの記録だけではなく、画像そのものの記録も忘れないようにしよう。



*1 www.omeco.de
*2 へぇ
*3 インターネットアーカイブ(3)
*4 Internet Archive: Wayback Machine
*5 インターネットアーカイブ(6)

061013

 最近は写真のフィルムの現像を頼む人が激減している*1らしい。それぐらいデジタルカメラ*2が普及しているようだ。

 筆者は今でもフィルム*3を常用している。先日、いつも行く写真屋にフィルムの現像を頼んだら一週間かかるという。数年前は朝出せば夕方にはできていた。筆者が現像に出すフィルムは普通のネガフィルムではなく、スライド用のリバーサルフィルムである。ネガフィルムであれば、ちょっとした写真屋にはミニラボ*4と呼ばれる自動現像印画装置が設置してあるので、数時間後に現像と焼き付けとができ上がっている。店によっては一時間以下で仕上げてしまうところもあった。

 リバーサルフィルムは現像の仕方*5ネガフイルムと違う*6ので、ネガフィルム用のミニラボでは現像できない。もともとリバーサルフィルムの現像の需要は圧倒的に少ないから、現像所が回収してそこで現像する。デジタルカメラが今ほど普及していない頃は、リバーサルフィルム*7だけではなく、ネガフィルム*8の現像などの需要が多かったのだろう。

 毎日回収に来ていたのが、だんだん回数が少なくなり最近では週一回程度になってしまったらしい。今回、火曜日に持っていったら来週の月曜日になると言う。つまり月曜日に一度回収に来るだけなのである。この調子で行くと、リバーサルフィルム現像の取次を止めてしまうかも知れない。そうなったら別の取次店を開拓しなければならない。



*1 J.C.F.A 日本カラーラボ協会 ロールフィルムの国内出荷本数推移
*2 デジタルカメラの掃除
*3 GR1v(5)
*4 minilabo.jpg
*5 colour3.jpg
*6 Fig10_13.gif
*7 FUJIFILM | パーソナル製品 | フィルム/カメラ | フィルム | リバーサルフィルム
*8 FUJIFILM | パーソナル製品 | フィルム/カメラ | フィルム | カラーネガフィルム | 35mmカラーネガフィルム

061014

 先月、愛知県瀬戸市の瀬戸物祭り*1に行った。会場から遠く離れた臨時駐車場に自動車を置いて歩いて行った。

 途中の路傍にあまり見たことのない小さな実を付けた木を見つけた。その実はうす紫色をしていた*2瀬戸は標高が少し高い*3ので、平野部とは植生が違うから今まで見かけなかったのだろう。可憐な感じでなかなかいいなと妻と話していた。

 先日、庭先に出てみると先月見たうす紫色の実を付けた木がある*4ではないか。知らぬ間に勝手に生えていた。鳥の糞に種が混ざっていたのだろうか。

 青い鳥*5の草木版か。



*1 瀬戸市観光協会
*2 ムラサキシキブ(紫式部)
*3 瀬戸市オフィシャルサイト 瀬戸市の沿革
*4 IMG_1509.jpg
*5 松岡正剛の千夜千冊『青い鳥』モーリス・メーテルリンク

061015

 一、二ヶ月ほど前から家のクサガメ*1が黒くなっていた。三匹のうち一匹*2である。こんな感じ*3だ。この写真だけでは、本来のクサガメを知らないと何がどう黒いのか判らない。普通のクサガメはこうである*4。頭の縞模様が消えて全体が黒くなっている。甲羅も黒くなっている。六角の甲板の境目の白い筋もなくなっている。

 クサガメの雄は成熟するとこの様に黒化*5する。今まで本などで読んで知っていたが、実際に見るのは初めてである。

 成熟したと思っている所為か、この黒化したクサガメは他のクサガメをしょっちゅう追いかけ回しているように見える。求愛行動だろう。ところが求愛されている方は全然関心がない。そもそも追いかけられている雌の方は甲長が12cm程度なのでまだ成熟していない。

 あと二年ぐらい経てば、繁殖させることができるかも知れない。



*1 亀の胃
*2 謎のミドリガメ
*3 kusagame01.jpg
*4 kusagame02.jpg
*5 愛媛県立とべ動物園クサガメ

061016

 「風レンズ*1」という物がある。小型の風力発電機に装着して使う。この「レンズ」を使うと風力発電のプロペラを通過する風の速さが1.4倍になるそうである。風速が増加する原理は風下の方に強い渦を発生させて風を余分に引き込ませるらしい*2。風下にできる渦はカルマン渦*3だろう。

 これは非常に面白いしくみである。発明した人は何をヒントにこの仕組みを思い付いたのだろうか。名前も面白い。光の代わりに風を収束させる凸レンズ*4のようだからだ。分かりやすい名前である。

 この風レンズを二重にしたらどうなるだろう。大きな風レンズの真ん中に小さな風レンズを置いたらどうなるか。大きな風レンズの中では同じように風が吹いているはずである。違うのは周囲の風速よりも1.4倍になっているだけである。その中にもう一つレンズを置けば更に1.4倍、つまり2倍になる。これをどんどん繰り返せばそよ風から物凄い風速が得られることになる。

 現実はそんなに甘くはないのだろう。レンズの真ん中では渦が邪魔したりして更に渦ができるようなちゃんとした風が発生していないのかも知れない*5。しかし二重レンズぐらいは有効のような気がする。



*1 風レンズ マイクロ風車
*2 mecha02.png
*3 カルマン渦(2)
*4 コンタクトレンズの発明
*5 九州大学 流体科学研究室

061017

 「Computer Graphics Special」と題されたレーザーディスク*1が家にある。1986年に制作されたもので、1950年頃からこのレーザーディスクの制作当時までのコンピュータによる画像*2の歴史を解説している。PIXAR*3初期の作品*4Robert Abel and Associates*5が作成したスティーブン・スピルバーグ制作の連続テレビジョン番組「AMAZING STORIES*6」の番組開始部分の制作秘話が収録されている。「AMAZING STORIES」の開始部分は四十五秒間で三十七個もの様々な物体が画面に登場しては消えていく。この多くの物体が次々と登場する導入部分の形式は日本のテレビジョン番組でよく見られる。 

 コンピュータでは様々な画像を加工することができると説明している。今ではパソコンで簡単にできるようになったが、当時は高性能なコンピュータを使用しなければならない特殊な技術だった。写真が加工できるので簡単に現実と思えるような虚構を作り出すことができると解説しながら、ニューヨークにあった世界貿易センタービルを画面上で消してしまう*7当時はまだこのビルが存在*8して、誰一人として十数年後に完全に崩壊してしまうとは思っていなかったであろう。

 虚構のつもりが現実となってしまったのであった。



*1 でっかいCD
*2 Computer Graphics
*3 ピクサー・アニメーション・スタジオ
*4 ピクサー|社歴 - 1984
*5 Section 6: Commercial CG production
*6 Amazing Stories TV Show - Amazing Stories Television Show - TV.com
*7 WTC.jpg
*8 World Trade Center - Minoru Yamasaki - Great Buildings Online

061018

 やはりというか人間はいつの時代も変わらぬと言えばいいのか。こんな画像*1があった。ダ・ビンチのヒト交接断面図*2の頃と全く変わっていない。他の画像を見ると何となく学術的な挿絵のような気もするが、やはり交接の状態の透視図だけは制作者のスケベ心しかないだろう。



*1 09_bones_ziza_21631.jpg
*2 レオナルド・ダ・ビンチの断面図

061019

 学研学習事典データベース*1と言うサイトがある。非常に有用なサイトで、匿名編者による「Wikipedia*2」より信頼がおける。

 ところが残念なことにこのサイトの各ページには「リンクを禁ず *3」と書かれている。リンク禁止を表明する意味は全くない *4。本来は勝手にリンクできるのだが、止めて欲しいというのにやってしまうというのは大人気ない。そこでこの記事に於いては「Internet Archive *5」を介して間接的にリンクしている。これならばリンクを設定しているのは雑記草ではなくInternet Archiveだから、リンクを禁止しているところから文句を言われる筋合いはない。

 それにしても何故「リンクを禁ず」なのか。サイトの解説には実験的な公開とある。実験なので、いつ公開を停止するか判らない、従ってリンクを設定して貰っても見られない可能性が出てくる。これでは閲覧者に迷惑が掛かるのでリンクは避けてください、という意味だろうか。本当にそうなら大きなお世話である。自分の責任でリンクを貼るのだからリンク先が消失しようがそんなのは関係ない。リンク先が消えたから文句を言う人がいるのか。いるとすれば間抜けの実存*6が証明できるので、それはそれで有用なことである。

 そうではないだろう。リンクの設定を転載、複製、改変、印刷、翻訳等の原著作者の権利に関る行為の一つと勘違いしているに違いない。このサイトは1999年に公開しているらしい。それ以来、内容の見直しはされていないと推測される*7。当時はリンクをこう考えていた人が多かった。リンクの設定はweb上のページの住所を記述するだけの行為なので、何ら原著作者の権利を侵害しない。原理原則を理解すれば間違うはずがないが、ついつい感覚的表面的に捉えてしまうから仕方がないのだろう。



*1 『学研学習事典データベース』について
*2 ウィキペディア(2)
*3 節足動物
*4 リンク
*5 リンク(3)
*6 バカについて
*7 Internet Archive Wayback Machine

061020

 前にも書いた*1が、英語を常用する人にとってコンピュータ用語に違和感を持たないのだろうか。「マウス」や「クリック」など日本語で言えば「鼠」「カチッ*2」である。「クリック」などは電子レンジで温めることを日本語で「チンする」と言うのと同じ感覚だ。「クリック」という言葉を使いだしたのは恐らくコンピュータ技術者なのだろう。「チンする」を最初に言い出したのは恐らくちびまる子ちゃんのお母さん*3のような人に違いない。「クリックする」という言葉は、日本語ならばコンピュータと最も対極を為す人しか思い起こせないのである。

 ハードディスクも違和感がある。コンパクトディスクもそうだ。日本語なら「硬い円盤」「ぎっしり詰まった、こぢんまりした円盤」としか言えない。

 「ウィンドウズ」は「窓」だ。欧米人は全く違和感がないのだろうか。



*1 メモリ
*2 click - goo 辞書
*3 ちびまる子ちゃん(お母さん)

061021

 能楽*1ユネスコの傑作宣言の対象*2になっているらしい。最近知った。ユネスコの傑作宣言とは、世界遺産*3無形版*4と考えればいいらしい。2006年4月から「無形文化遺産保護条約*5」が発効したが、これに先だって保護対象の候補として2001年から三回の傑作宣言がなされてきた。能楽は第一回目の宣言に入っている*6

 二月から謡を習い始めた*7。知らぬ間に世界遺産保存の一翼を担っていたことになる。



*1 社団法人 能楽協会
*2 文化遺産 オンライン
*3 世界遺産
*4 Yahoo!辞書 - 無形文化遺産保護条約
*5 無形文化遺産保護条約
*6 人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言
*7 謡

061022

 パソコンがつながっているコンセントに電力計*1を付けてみた。以前、冷蔵庫の消費電力を測ったら一日当たり約1.8kWhだった。

 469時間の測定で39.9kWhの電力消費になった。一時間当たり0.085kWh。一日当たりにすると約2.0kWhになった。冷蔵庫よりも電気を使っている。思ったよりも多い。測定したコンセントにはMac*2Windows*3のノートパソコンとがつながっている。Macのモニタはブラウン管式*4である。プリンタ*5フィルムスキャナ*6ハードディスク二台*7もつながっているが、殆ど動かさない。あと卓上照明器具*8がある。これは60Wの電球が付いているので消費電力が大きい。

 冷蔵庫のように一日中電源が入っているわけではない。使わない時はOSを終了させ、電源を切ってしまう。それでも冷蔵庫並みの消費電力だった。家の中で電気を一番喰う電化製品は冷蔵庫だと思っていたが、違っていた。あと使っていそうなのはテレビジョン受像機と洗濯機だ。これらも測ってみよう。



*1 電力計
*2 中古パソコンの購入
*3 ノート型パソコンの購入
*4 モニタの買い換え(2)
*5 プリンタの購入
*6 スキャナを買った
*7 壊れるデータ
*8 バイオライト

061023

 文章の中で、時々波線付きの「へ」のような形の記号*1が出てきて、歌を表す場合がある。最近は余り使わなくなってきた。歌の部分は八分音符*2で表すことが多いような気がする。

 数年前に「广K广O」の起源の記事*3を書いた時だったか、「へ」のような記号は「いおり点」と称されていることを知った。それまでは上部の波線*4の印象から、勝手に富士山と関連づけていた。図案集などに出てくる簡略された富士山の絵*5に良く似ている。

 名前の由来は屋根のような形をしているから*6らしい。屋根をかたどった形を「庵型*7」というので、そこから「いおり点」と言うようになったようだ。風流な名前と思っていたが、どうしてこのような記号が歌を表すのかよく判らなかった。この図形の由来は何か。

 謡を習い始めて*8暫くして気が付いた。謡の本*9に載っている記号がその由来である。詞章の最初の部分に良く似た記号が載っている。古い本*10にも載っている。勉強不足で記号の意味がよく判らないが、とにかくこれがいおり点の由来のようだ。



*1 l_utai.png
*2 楽典入門 III.音符と休符
*3 广K广O
*4 g45d4.gif
*5 静岡県/県勢概要-県章・県旗
*6 漢字Q&A(その8)
*7 いおり-がた いほり― 0 【▼庵形】 - goo 辞書
*8 謡
*9 siryou-1.jpg
*10 京都大学附属図書館所蔵 一般貴重書 『謡曲二十五番』 [v.1,18/42]

061024

 ベイズの理論*1というのがあるらしい。ベン図*2ではない。ベイズである。イギリスの牧師であったトーマス・ベイズ*3と言う人が考えた理論らしい。三百年ぐらい前の人*4である。

 ベイズの理論における確率とは、ある事象が将来起こるかどうかを判断する人にとっての不確からしさであって、それは過去の事象から決められる、ということらしい。事象A、事象Bがあるとする。「事象Aならば事象Bが起こる確率P(B|A)と事象Aが起こる確率P(A)との積」は、「事象Bならば事象Aが起こる確率P(A|B)Pと事象Bが起こる確率P(B)との積」と等しいという定理である。数式で書くとP(B|A)P(A)=P(A|B)P(B)となる。従って「事象Aならば事象Bが起こる確率P(B|A)」を求めたければ「事象Bならば事象Aが起こる確率と事象Bが起こる確率との積P(A|B)P(B)」を「事象Aが起こる確率P(A)」で割ればよい。

 何かに例えれば判りやすくなるだろう。事象Aを「一日一回、芋を食う」、事象Bを「エレベータに乗ると必ず屁をこく」とする。事象A、Bというのは全世界で無作為に起こる事象なので、仮にそれぞれ百人に一人、千人に一人としよう。つまり事象Aの確率P(A)は1/100、事象Bの確率P(B)は1/1000である。この時点では事象Aと事象Bとの因果関係は全く解らない。

 ある日、エレベータで居合わせた人が知らぬ顔をして物凄く臭い*5をしたとする。この人がエレベータに乗る前に芋を食ったのかどうかを予測する *6

 そのためにエレベータで屁をこく人が芋を食べている確率、つまり事象Bならば事象Aとなっている確率P(A|B)を考える。ある知人はエレベータに乗り合わせると必ず屁をこき、問い質すと二度に一度の割合で芋を食べていた。P(A|B)=1/2であった。この経験からベイズの理論に従って計算すると、今エレベータで居合わせた人が事前に芋を食べていた確率P(B|A)は、(1/2)*(1/1000)/(1/100)=1/20となる。ただしこの確率が判ったとしても何ら役に立たない。

 P(A|B)P(B)=P(B|A)P(A)という式が表す値はベン図でいうとA∩Bの部分*7の確率となる。事象A、Bが同時に起こりうる確率はP(A|B)P(B)もしくはP(B|A)P(A)で表すことができるという意味である。上の例だと二千人の内、一日一回芋を食う人は二十人(=2000人×1/100)、エレベータで必ず屁をこく人は二人(=2000人×1/1000)。エレベータで屁をこく人の内、芋を食べていた 確率P(A|B)P(B)=1/2×1/1000=1/2000。従ってエレベータで屁をこく人の内、芋を食べていた人は一人(=2000人×1/2000)となる。一方、エレベータで居合わせた人が事前に芋を食べていた確率 P(B|A)P(A)=1/20×1/100=1/2000。従って同様に一人となる。

 ベイズの理論では事象A、Bが因果関係*8にあっても成り立つとしている。AならばBで成り立つならBならばAでも成り立つと言う前提で確率を求めている。本来の確率計算では因果関係についての保証はないので注意が必要である。芋を食えば屁が出ることがあるが、屁が出るから芋を食ったとは必ずしも言えない。腹の調子が悪い場合もある。あそこの宝くじ屋は良く当たるからそこで買うといいと言う事例にも当てはまらない。宝くじの当たりは販売終了後に決まるからである。



*1 グーグル、インテル、MSが注目するベイズ理論:スペシャルレポート - CNET Japan
*2 場合の数と確率 ベン図
*3 Thomas Bayes
*4 The Reverend Thomas Bayes, F.R.S. - 1701?-1761
*5 カルマン渦
*6 An Intuitive Explanation of Bayesian Reasoning
*7 第7回 集合論――数学の「集合論」に,RDBの正体を見る:ITpro
*8 命題(2)

061025

 今日、用事があって新幹線*1で東京に向かった。名古屋駅から新幹線に乗り換えるのだが、人身事故が発生したため、列車の運行が乱れているとのことだった。運行が乱れていても列車は動いているようなので、ホームに停車していた「のぞみ*2」に飛び乗った。

 暫く順調に走っていたが、新富士駅で停車してしまった。それから直ぐに動き出したが、今度は三島駅で止まってしまった。ここで一時間程度停車していた。結局、東京に着いたのは予定していた時刻の一時半遅れとなってしまった。

 列車の中にいる間、車内放送で運行状況を報告してくれているのだが、これが全く心許ない。最後まで東京にいつ着くのかは判らないと言っていた。どんな情報が得られたとしても車内にいる身なのでどうしようもない。前途の各駅には先行列車が停車し、東京駅のホームも到着列車で満杯になっているため下りが発車しないと列車が動けない状態だと言う情報は流されていた。それ以上の情報ない。前途のどの駅で列車が動き出したとか、下りの列車が何分間隔で発車しているなどと細かい情報が伝われば、こちらで判断して先方などに連絡を入れることができる。簡単な状況だけを思い出したようにぽつりぽつりと放送するだけでは全く足りない。

 そしていつもの「列車が遅れまして大変ご迷惑を掛けております*3」という詫びになっていない締めの言葉。人身事故であれば、鉄道会社は被害者である。謝罪する必要はない。不可抗力なのである。

 用事を済ませて家に戻ってきたら、テレビジョンのニュースでこの事故が伝えられていた。事故は自殺によるもので、何とその自殺した人はJR東海の職員というのだ。不可抗力では全くないではないか。完全に鉄道会社の責任である。

 事故が発生したのは朝八時らしい。筆者がのぞみに乗り込んだのは昼一時十五分前頃で、三島駅で停車していたのは三時頃である。鉄道会社内部では、事故の原因が職員の自殺というのは判っている可能性はかなり高い。にもかかわらず「大変申し訳ございません」の言葉が一切ない。例え自殺したのが職員でないことがはっきりしても謝ったことは全く問題ないはずだ。JR東海は本当に何を考えているのだろう。理解できない。



*1 JR東海 Central Japan Railway Company
*2 sin_700
*3 謝らないJR東海

061026

 ここ数年、この季節になると気の置けない仲間達と旅行に出掛ける*1

 今日がその出発の日だ。例年は南の島であったが、今年は青森、函館である。青森では、恐山やキリストの墓、函館では五稜郭を見る予定である。青森函館間の移動は青函トンネルを使い、トンネル内の駅で途中下車の計画もある。

 四人で出掛けるはずであったが、一人は仕事の都合でどうしても行けなくなってしまった。残念だが三人で行くことになった。行けない仲間の分も楽しんでくるつもりである。

 中部国際空港*2から頭を雲の上に出した富士山*3を眺めながら青森空港*4に飛んだ。

 空港でレンタカーを借りて向かったのは、恐山である。恐山でイタコに会いたいと思って事前に調べてみると、普段はおらず、イタコ祭り*5の時にしか会えないようであった。全くいない訳ではない、という情報もあったので期待しながら恐山へと走った。イタコがいれば是非とも口寄せをしてもらうのである。現に生きている人間の生霊を呼んでもらう。ただしそのことは何も言わずにイタコに口寄せを頼む。「まだこの人は生きている」と言われるかどうかを試してみるのである。

 途中にねぶた会館*6があったのでそこに立ち寄った。こういう観光名所と言われているところに碌なところはないと思って入ったが、そうではなかった。暗い館内には本物のねぶたがずらっと並び *7、その姿は圧巻であった。一時間ほど館内を見学した後、ここを出た。

 途中、昼食を摂りながら三時間ぐらいかけて恐山*8の近くまで辿り着いた。午後三時頃だった。だんだん近づくと硫黄の臭いというか硫化水素の臭い*9がしてきた。三途の川*10が目の前に現れた。恐山の霊場*11はすぐそこである。しかし時刻が時刻だけにイタコの口寄せ*12は絶望的であろう。



*1 石垣島・西表島・沖縄本島
*2 中部国際空港の見学
*3 img_1576.jpg
*4 青森空港公式ウェブサイト -AOMORI AIRPORT OFFICIAL WEB SITE-
*5 恐山大祭 青森の祭り・イベント iタウンページ
*6 ねぶたの里公式ホームページ
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*8 恐山
*9 硫化水素
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*11 霊場恐山
*12 イタコ

061027

 気の置けない仲間達との旅行の続き*1恐山霊場*2に着いた。

 イタコを僅かに期待していたが、居る気配は全くない*3口寄せ*4は諦めて霊場内を歩く。

 大昔に読んだつのだじろう*5の漫画だったと思う。つのだじろう本人の体験談だったかも知れない。それに恐山霊場内の風呂について書かれていた。夜にその風呂に入ると背後に人がいる気配がする。気配ではない。確かに人がいる。それも一人ではなく数人である。しかし入る時には脱衣所には衣服はなく、浴場には誰もいなかった。恐ろしくて振り向く事が出来ずそそくさと風呂を出てしまったらしい。その舞台となった温泉があった*6。時間があれば入れたが、今日の宿は恐山ではなく、十和田湖の方である。ここを四時には出ないと宿への到着が遅くなってしまう。

 風呂小屋の中の様子*7を覗いてみると、昔見たつのだじろうの漫画そのままだった。ここら辺りの温泉は皆同じ様な造りだろうから、もしかしたらつのだじろうの体験は他だったかも知れない。

 寺山修司の映画「田園に死す*8」で恐山の雰囲気を予習しておいた。今、目の前にある霊場*9は期待以上のいい雰囲気を醸し出している。霊場に足を踏み入れると蒸気を吹き出している穴*10がいきなり目に飛び込んできた。こういう多くの人が出入りをして危険そうなところは他なら柵が作ってありそうだが、そのような所はこの霊場には見当たらない。穴をよく見ると硫黄の結晶が針状に析出*11していた。全てがそのままになっている。蒸気だけではなく温泉も所々で湧き出ていた*12

 賽の河原*13恐山の紅葉*14を堪能して 十和田湖方面の宿に向かった。途中、自動車内でラジオを聞いていると非常に地方色の濃いニュースが流れてきた。どこかの高校の部室に侵入して部室内にあったソーセージなどを調理して食べていた男が捕まったなどと言う、微笑ましいというかそんな程度の話をどうして公共の電波を使って報道しなければならないのか、と車中で大笑いした。更に出会い系サイト*15で「美男子(びなんし)を騙って」詐欺などを働いた男が捕まったと流れてきた。これはお笑いニュースなのかと、皆大爆笑になった。まぁ、旅行の楽しさもあって笑いの閾値*16が下がっているのは確かであったが、そもそも「美男子を騙る」ことなんかできるのだろうか。美男子かどうかは主観の話である。それに第三者である報道機関が「美男子」云々と言うのも可笑しい。男は自画自賛なことを書いて登録していたのかもしれないが、ニュースでそんな事をいちいち言う必要はない筈だ。

 そんな楽しいラジオを聞きながら、あっという間に130km先の宿に着いた。


*1 青森・北海道
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*4 津軽のイタコの習俗
*5 つのだじろうホームページ
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*8 田園に死す - goo 映画
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*15 警察庁:あぶない!出会い系サイト
*16 「しきい値」とは:ITpro

061028

 気の置けない仲間達との旅行の続き*1。恐山巡りから奥入瀬*2近くの蔦温泉*3にやってきた。

 夕食の味は大したことはなかったが、浴場が良い*4温泉が湯船の底全体から湧き出ている*5のである。ゆっくり浸かって今日一日の疲れを癒した。

 翌日の朝、館内を見てみた。昨日、恐山から着いたのは夜だったので宿の細かい様子が分からなかった。旅館ではなく湯治場と言う雰囲気*6で、玄関先もいい感じ*7である。

 今日の予定は、まず奥入瀬*1散策だ。十和田湖を目指して歩く。紅葉が素晴らしい。写真を撮るとどれも農協などがつくる九月十月のカレンダーの背景*8になる。十和田湖*9高村光太郎*10の「乙女の像*11」を見て、きりたんぽ*12を食べて、次の目的地に向かった。

 次の目的地は「キリストの墓」である。幼少の頃、東北地方にキリストの墓があると知った。かっての少年漫画雑誌に掲載されていた世界のミステリーと言った読み物にも載っていたし、テレビジョン番組でも同様な特集があったりした。「キリストの墓」は憧れの場所であった。

 十和田湖からそれ程遠くない処*13にある。途中、ドライブイン*14に寄った。キリストの清酒が売っている*15標識*16も出てきた。少し期待外れな様な気がしてきた。観光資源化されている。幼少の頃に見た墓の雰囲気は人知れずひっそりとある感じだ。そんな「キリストの墓」が見たい。

 憧れの「キリストの墓」に着いた。やはり完全に観光地*17になってしまっている。木製の十字架まで新しく立ててある*18縁起*19にはキリストが二十一歳の時に日本に渡り十二年間修行し三十三歳の時に一旦ユダヤの地に戻ったが、受難を避けて再び日本に渡りここに流れ着いて以来、ここに居を構え百六歳の天寿を全うしたと書いてある。何と言う荒唐無稽さ。これを考えた人はどうやってこの話を思いついたのだろう。早速、展示館*20に入ってみる。キリスト教を思わせる風習を示す人形*21ダビデの星*22に無理矢理関連させている五芒星の紋*23などが展示してあった。

 特に戸袋の五芒星の紋は幼少の頃から見てみたいと思っていたものだった。この星形が一番の証拠と言う印象があった。ところが展示してあるのは「レプリカ」と書いてある。本物ではないのだ。これにはがっかりした。

 遅くなったので墓を後にした。墓を見に往く時には気付かなかったが、バス停*24があった。ここはキリスト公園と言うらしい。今日の宿は100km程先の浅虫温泉の椿館*25である。


*1 青森・北海道(2)
*2 奥入瀬渓流ガイドマップ
*3 ようこそ〜蔦温泉旅館のホームページへ〜
*4 蔦温泉旅館 施設案内
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*9 十和田湖のみどころ
*10 乙女の像
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*13 ゼンリン地図+ナビ いつもガイド 住所:青森県三戸郡新郷村戸来野月18
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*22 (Q29の答え)星はなぜ☆とかくか? (山口 康広・柴田 晋平 )
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*25 浅虫温泉 椿館(棟方志功と椿館)

061029

 気の置けない仲間達との旅行の続き*1浅虫温泉の椿館*2に泊まった。ここには棟方志功の作品が沢山展示*3してあった。棟方志功はよくこの旅館を利用した*4そうだ。*5前日の蔦温泉*1よりは良かった。温泉*6は蔦温泉の方が良い。

 朝、起きてみると虹が出ていた*7。朝に虹が出ると言う事は西の方に雨雲があると言うことだから、天気が心配になってくる。とは言え今日の予定は、電車で函館迄の移動なので、少々雨になっても問題はない。

 電車の時刻まで少し時間があるので、棟方志功記念館*8に寄る。一通り観て青森駅に移動した。駅の近くには市場*9があった。そこで土産物を買ったり昼飯を食べたりして、青森駅*10十一時五十七分発の列車に乗る為にホームに向かった。青森駅は特異点*11になっている。奥羽本線、東北本線、津軽線の起終点である。筆者は地理上の特異点に強く惹かれる。佐田岬の先端*12飛び地および錯雑地*13境界線*14ヨーロッパの小国*15など地図を眺めて楽しむだけではなく、その地に立ってみたいと言う衝動に駆られる。ただ、実際に特異点に行ってその場所に立つと周りは普通の所と全く変わらないので、大抵は「こんなもんか」と思って終わるのだが、後で振り返ると特異点に立ったという実績が地図を見た時の楽しみを倍増させるのである。

 函館に行く途中に下車をする。下車する駅は「竜飛海底駅*16」だ。この駅では通常は降車できない。見学コース*17を申し込むと下車できる。海底駅見学後は地上に上がって暫くは自由時間になるので、竜飛岬で階段国道、戦争遺跡、津軽海峡冬景色の歌碑などを見て回る。青森駅を出発して一時間弱で竜飛海底駅に到着する。

 世界最長の海底トンネルである青函トンネル*18に入る瞬間に何かあるかと思ったが、普通にトンネルに入って行った。海底駅では二号車の扉のみが開く*19竜飛海底駅*20住所は青森県*21だが、駅構内の案内はJR北海道の職員*22がする。竜飛海底駅とその手前の津軽今別駅*23は青森県にあるが、JR北海道の管轄*24らしい。


*1 青森・北海道(3)
*2 浅虫温泉 椿館
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*4 浅虫温泉 椿館(棟方志功と椿館)
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*6 浅虫温泉 椿館 温泉
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*8 棟方志功記念館へようこそ!
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*11 cto-75-20_c12_53.jpg
*12 愛媛県西宇和郡伊方町正野の地図
*13 飛び地
*14 境界
*15 小さな国
*16 JR北海道函館支社 竜飛海底駅・青函トンネル記念館
*17 JR北海道函館支社 竜飛海底駅見学のご案内
*18 青函トンネル記念館 公式ホームページ
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*21 青森県東津軽郡外ヶ浜町字三厩龍浜,詳細地図
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*24 道南エリア拡大マップ

061030

 気の置けない仲間達との旅行の続き*1案内の方*2トンネル構内*3説明*4してもらいながら、地上にある青函トンネル記念館*5へ行く為のケーブルカーの地下駅まで歩いて行く。海面下140m*6体験坑道駅*7から記念駅*8まで8分で到着する。

 ケーブルカーが地上の記念駅に到着すると、ケーブルカーの線路が敷かれているトンネルの出口は厳重に蓋をされる*9。これを見ていたら自分達は何か許されない場所から出てきたような感覚になった。トンネル内の換気の流れを制御する為の風門*10らしい。記念館の展示を一通り見る。トンネル建設の大変な苦労*11が伺い知れる。案内の方から集合時刻を告げられる。この集合時刻に間に合わなければ竜飛海底駅から乗車できなくなってしまう。集合時刻までは自由行動になった。

 記念館から出て、歩いて階段国道*12へ向かった。本来国道は車道が指定されるのだが、階段国道は何らかの事情*13で階段が設置され車両が通行できない状態になっている。国道だが階段になっているので「階段国道」と呼ばれている。ここも地理上の特異点*1ということで、そこに立つことを楽しみにしていたが、やはり現地に立ってみると他の特異点同様で大して面白くない。階段と国道を示す標識がある*14だけだ。地図を眺めながらの楽しみしかならない。

 ここよりもこの手前にある津軽海峡冬景色の歌碑の方が面白かった。歌碑の真ん中に赤いボタンがある*15。これを押すと石川さゆりが歌う「津軽海峡冬景色」が流れるようになっているが、歌詞の二番だけが流れる。二番の歌詞が「ごらんあれが竜飛岬」から始まるからである。歌碑だけではなくボタンを押すと歌が流れる仕掛けになっているところがいい。ボタンを押す度に竜飛岬の空に「ごらんあれが竜飛岬」と流れる。これは階段国道と違って現地に行かないとこの面白さは解らない。

 次に向かったのは竜飛岬の先端である。津軽海峡は国防上の要所なので旧帝国海軍の施設があった。今は自衛隊の施設がある。遺構探訪趣味の筆者*16としては必ず行かなければならない。ところがあるはずの遺構*17がない。それらしき遺構*18はあった。遺構の遺構である。なぜ撤去したのだろう。全く意味不明である。しかも中途半端な撤去の仕方だ。大方、役所の年度末の土木関連予算消化対象になったのであろう。歴史的遺跡を壊すなんて本当に馬鹿なことをしてくれた。

 他はないかと探し回ったが、大した物*19はなかった。戦争関係ばかりが遺構ではない。青函トンネル建設時に使われ、今は無用となって遺構になった物は数々残されていた*20

 帰りも案内係の方から説明を聞きながら*21トンネル内を歩く。レール跡がいい雰囲気を醸し出していた*22

 乗車する列車が来るまで海底駅の乗車口付近で、青森方面の列車が通過する*23のを見学しながら待つ。トンネル内のホームは結構狭い*24が、自由に行き来させてもらえた。帰りの列車*25が到着した。既に16時を回っている。函館に着くのは17時半だ。案内係の方も一緒にこの列車に乗り込んだ。北海道在住なのだろう。

 函館駅*26についてから市内のホテルに直行し、荷物を置いて市電*27で函館山に向かった。乗り込もうとした市電の運転手は筆者好みの非常に美しい女性*28で、一気に函館という街が好きになってしまった。これほどの美形が運転手をしているならば、地元で結構有名になっているに違いない。と思っている内に函館山の最寄り駅に着いた。雨が降り、雷が鳴り出したが構わず、函館山*29に上がって函館の夜景を見に行った。雨と雷との合間に素晴らしい夜景*30を拝むことができた。


*1 青森・北海道(4)
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*5 青函トンネル記念館 公式ホームページ
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*8 記念館案内 青函トンネル記念館 公式ホームページ
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*10 JR北海道函館支社 青函トンネルおもしろデータ
*11 JR北海道函館支社 青函トンネル完成までのあゆみ
*12 階段国道 - 青森県庁ホームページ
*13 Q&A一般国道
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*16 遺構探訪
*17 旧海軍監視所
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*27 函館市電|トップページ
*28 バロン吉元
*29 函館へようこそ!函館山ロープウェイで美しい眺めをお楽しみください。
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061031

 気の置けない仲間達との旅行の続き*1。函館の宿は五稜郭近くのホテルにした。なかなかいい雰囲気のホテル*2である。ビジネスホテルだが、ロビー*3受付*4には沢山の生花や観葉植物が飾ってある。受付では二人の女性がいつも対応していた。二人ともかなり歳を召している。清楚な雰囲気で互いがよく似ていた。ビジネスホテルの従業員と言う感じではない。もしかしたら二人は姉妹で、このホテルの所有者かも知れない、と勝手に想像した。

 最終日の朝は五稜郭*5に行った。すぐ横にある五稜郭タワー*6に登って、見下ろすと綺麗な幾何学図形*7になっている。展望台内部には五稜郭の解説などが展示してあった。五稜郭のような城郭は世界中にある*8らしい。日本にも沢山*9ある。特に北海道まで行かなくとも長野県にも五稜郭がある*10ことを知った。

 星形*11になっているのは、星の尖った部分から相互に援護射撃*12をすることによって死角をなくすため*13らしい。この形式の城郭はヨーロッパで発達した*14

 函館の五稜郭も真上から見る*15死角を少しでもなくす為*16に星の端は尖っている。どれくらい尖っているかというと、これぐらい尖っている*17。この写真は堀の橋*18を渡って右側の尖端で撮った。ここまで徹底する必要は全くないが、この徹底ぶりが清々しい。

 昼飯は函館駅近くの市場にある食堂*19で食べた。どこへ行くか思案していた処、タクシーの運転手が声を掛けてきた。鮭が川を遡上しているのが見られると言う。我々は誰一人としてそんな風景を見たことがないので、連れて行ってもらうことにした。

 函館駅から三十分ほど行った所の川に着いた。川には鮭の群れが見える*20行く手を阻まれた*21鮭は川岸に作られた誘導溝*22を遡って生け簀*23に入る仕組みになっている。これは養殖なのか漁なのか。川岸近くではぼろぼろになった鮭*24を間近で見ることができた。

 鮭を見た後、また函館駅*25まで戻ってきた。最後に土方歳三最期の地*26を訪れ、函館から再び列車*27青函トンネル*28をくぐった。青森駅からはバスで青森空港に行き帰途についた。



*1 青森・北海道(5)
*2 函館の無線LANが使えるホテル シエナ五稜郭
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*5 市内公園情報 五稜郭公園
*6 函館 五稜郭タワー - Goryokaku Tower Official Website
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*8 IMG_1806.jpg
*9 稜堡式城郭のページ 日本の稜堡式城郭・台場の御紹介
*10 稜堡式城郭のページ 竜 岡 城
*11 star_fort.htm
*12 稜堡式城郭のページ 稜堡式城郭とは?
*13 FUSION : まぼろし博物館
*14 Star_fort.
*15 cho-76-20_c13_7.jpg
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