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0611雑記草
061102玉虫厨子*1というのがある。教科書に出てくるが、これが何のためのものかよく判らないまま憶えていた。とにかくタマムシの翅が貼り付けてある塔の小さな模型みたいなみたいなものだと思っていた。一度も実物を見たことがないので、高さが大体60cmぐらいと勝手に想像していた。
実際は高さが227cmもあるようだ。それから厨子とは仏像を入れる箱だから仏壇みたいなもの*2と考えればいいらしい。この玉虫厨子が作られてから千四百年近く経過しているが、それに貼られているタマムシの翅の色は変化していないという。これは凄いことだ。タマムシの翅の色が変化しないこともそうだが、そういう素材を選んで使ったという先人の知恵が凄い。たまたま千四百年も保ったという結果なのだろうけど驚異的である。
とは言っても残っている翅はほんのわずか*3らしい。玉虫厨子というぐらいだから全体に翅が貼ってあると思っていた。作られた当初は沢山貼ってあった*4に違いないが、千年以上も効く糊はないのかも知れない。
物の色は大抵褪せる。タマムシの翅の色*5が褪せないのは、発色の仕方が少し変わっているからである。タマムシの翅の色は構造色*6と呼ばれている。構造色*7というのは物体の微細な構造によって出てくる色*8のことで、CDの虹色やしゃぼん玉などの色がその例である。自然の物ではタマムシの他に孔雀の羽やある種の蝶の翅などもそうである*9。CDの素材や石鹸水はもともと透明であるが、それらが光の波長に近い細かい凹凸になったり極薄い膜になって、太陽の光や電球の光が反射したり通過するとそれに含まれる特定の波長の光の強さが変化して色が現れてくる*10。
普通の色は、その物に含まれている色の素によって色が現れる*11。色の素の化学的な構造が変化するとその色は変わってくる。物の色が褪せるのは熱や強い光によって色の素が変化するからである。一方、構造色は色の素とは関係ないので、物の微細な構造さえ変化しなければ色褪せしない。従って構造色の方が色の保ちが何となく良さそうな感じがする。まぁ、何れにしても色というは当てる光の色によって変化してしまうので、その物の不変の性質とは言い難い*12。
当時に玉虫厨子を作った人はタマムシの翅の色が色の素ではなく構造色であるということに気付いていなかった*13に違いない。ぴかぴかした色なので普通の色とは区別をしていたのだろう。特殊な色だから厨子に貼ることを思い付いたのか。それとも子供の頃に捕まえたタマムシの死骸を見つけて色が褪せていないことに気付き、採用に至ったのかも知れない。
*1 玉虫厨子のタマムシの話
*2 仏壇の知識/ウェブ仏具
*3 法隆寺に玉虫厨子を見に行く
*4 高島屋別館の玉虫厨子のレプリカ
*5 タマムシ(TEXT-kohiyama)
*6 ヤマトタマムシの翅は構造色
*7 魚の体色変化の不思議を探る−バーチャルラボラトリ
*8 10月号|企業情報|積水化学
*9 構造色の写真
*10 構造色
*11 赤い色素とか青い色素とかがありますが、どうして色がついているのですか?
*12 金属の色(2)
*13 タマムシの翅の構造色
061103名古屋にある笠寺観音*1の「かさでら」は、英単語の「cathedral大聖堂」と何らかの関係があるのではないかと昔から思っていた。
cathedralの基は「cathedra*2カシードラ」だから更に近い。
cathedraは司教座とか権威の座という意味らしいから、笠寺観音の本尊が誰かが座った椅子*3に関係していると面白いが、実際はどうだろう。
笠寺の縁起*4を調べると、こんなことが書いてあった。笠寺の元となった寺*5を建立した上人が入滅した後、寺は荒れ果てたが、本尊の観音像だけは朽ちなかったと言う。ある貧しい女が憐れんでその観音像に笠をかぶせてやったら玉の輿に乗る御利益を受けた、というのが笠寺の由来らしい。
笠が由来だから椅子とは関係がない。cathedraはギリシャ語の「kathedra*6」が由来になっているようだ。「kata」は「下へ」、「hedra」は「椅子」という意味である。この言葉がインドぐらい迄繋がっていると、「かさでら」と「kathedra」とが関係が出てくるかもしれないが、「kata」も「hedra」もギリシャ語の基本単語だとするとまず関係はないだろう。
かって寺田寅彦が言った*7、全く違う言語間でよく似た発音と意味とを持つ単語がある確率で出現する現象*8の一例だろう。
*1 名古屋市:笠覆寺(笠寺観音)(南区)
*2 cathedraの意味 英和辞典 - goo辞書
*3 charlie.jpg
*4 愛知県の歴史 (2)中世 尾張・三河の中世仏教
*5 愛知県の歴史 (2)中世 尾張・三河の中世仏教
*6 Online Etymology Dictionary
*7 寺田寅彦 比較言語学における統計的研究法の可能性について
*8 燕
061104筆者が幼少の頃は、三人で写真を撮ると真ん中の人が早死にすると言われていた。仲間内でも相当恐れられていた俗信である。こういう俗信の由来は殆ど解らないだろう。
web上には、昔の写真機は真ん中付近だけがピントが合って、ピントが合うと魂を抜かれると思われていたため三人の中で一番ピントが合うのは真ん中だから魂を抜かれて早く死ぬと言う説*1、三人で写す時、年長者が真ん中になるので順番から言って先に死ぬのは真ん中だと言う説、棺桶を担ぐ姿を横から見ると真ん中は既に死んでいる*2と言う説などがあった。
俗信の由来を説明しようとして、その説明がとんちんかんではどうしようもない。まず最初の説。ピントが合うと何故、魂を抜かれることになるのか。全く説明がつかない。ピンボケなら大丈夫なのか。魂が抜かれると思いたくなる原因は印画紙にまさしく自分の顔が映し出されているからだろう。だったら何故、鏡は問題がないのだろう。それが俗信たる所以ではある。
次の年長者説。これも間抜けと言うか何と言うか。「早死に」とは「先に死ぬ」ことではない。「若くして死ぬ」ことだ。年長者が先に死ぬこととは全く違う。先に死ぬのは当たり前だ。年長者が先に死ぬのを「早死にする」と勘違いするぐらい、昔の人は阿呆だったのか。これなどは言葉を知らぬ最近の人*3が作った説明だろう。
最後の説はどうか。三人で撮る写真と棺桶担ぎとがどうして関連するのか。連想すらできない。
俗信の由来説明の検証には意味がない。俗信を論理的に説明しようとすること自体に無理がある。非論理的だから俗信と言われるのだ。
幼少の頃のある日、完全にこの俗信から解放された。それは日曜日の夕方六時半頃である。テレビジョン漫画の「サザエさん*4」でこの俗信が主題となっていた。最後にこれを完全否定する事例が確かワカメによって披露された。オリンピックの表彰台では皆喜んで三人並んで写っているではないかと。
*1 写真 - 知泉Wiki
*2 暮らしの中で 差別と迷信
*3 無洗米
*4 サザエさん - フジテレビ
061105中学生の頃の理科の教科書にミジンコの挿絵が載っていた。ミジンコの挿絵と言えば、図鑑でも真横から見た構図*1になっていた。大抵、手を振り上げていて、坊主頭に尖った鼻で大きな黒い目が印象的であった。ミジンコの隣にはケンミジンコの挿絵があった。ケンミジンコの挿絵は真上から見た構図*2で、一つ目小僧のような絵だった。これを見て、ミジンコは目が二つあるが、ケンミジンコは一つ目だとずっと思い込んでいた。それにしても同じミジンコの仲間なのに目の数が違うのは妙だなぁと思っていた。
実はミジンコも一つ目*3だった。
因にミジンコは漢字で書けば「微塵子」、ケンミジンコは「剣微塵子*4」である。
*1 tPK_CLADOCERAB.jpg
*2 tPK_COPEPODA.jpg
*3 Water-flea anatomy - by Wim van Egmond
*4 ホタテエラカザリ
061106謡*1の発表会に出場した。初めて能舞台*2に上がった。そして「一般の方お断り」の楽屋入りも初めて経験した。
緊張したが、短い謡だったので間違えずに謡えた。出演は朝九時半で一番だったから観客は殆どいなかった。楽屋裏から数えたら二十人ぐらいだった。その内自分の家族を含む身内が、五人いた。
*1 謡
*2 能楽への誘い 〜鑑賞の手引き〜
061107昨日の謡の発表会*1は午前中だけで、午後は能楽師による能が上演された。一番上の息子*2は部活動の試合があったため最初から見に来ていなかったが、上の娘*3と末の娘*4との二人は、我慢して能を鑑賞していた。
今朝になって末の娘が保育園に行く時に能の公演のちらしを持って行くという。お面の踊り*5を観たと先生や園児に自慢するらしい。子供達に能を見せた甲斐は一応あった。
*1 謡(2)
*2 戻ってきた息子の財布
*3 サンタの存在(4)
*4 豊かな生活
*5 能面と謡曲
061108ロレックス*1の王冠マークの由来は何か。このマークは1925年に商標として登録された*2。
かなり前にあのマークは王冠ではなく、本当は「精密ドライバー*3」の絵である、と言う雑学を読んだことがある。時計職人*4にとっての命は時計工具*5である。王冠は関係ない。という雑学だ。確かに精密ドライバーを丸い台に刺した状態*6は、ロレックスの王冠マークに似ている。
如何にも雑学、という知識だが、果たして本当にそうだろうか。古い王冠マーク*7をみると先端の丸がかなり小さいので、全く関係ないのだろう。
更に王冠の尖った部分が五本あることから、時計の王様という意味と共に職人の手を象徴していると言う雑学もあるようだ。これも古い王冠マークからすると考えにくい。蛙の手*8にしか見えない。素直に「由来は王冠」と考えればいいだろう。
*1 ロレックス オフィシャル・サイト >時代を超越したラグジュアリー・ウォッチ
*2 History of The Rolex Watch Company
*3 ssds.jpg
*4 Willkommen bei WOSTEP
*5 イソザキ時計宝石店★マイスター公認高級時計師(CMW)がいる最高技術の店(修理設備)
*6 sdrset.jpg
*7 History And The Construction Of The Rolex Crown
*8 皐月と躑躅
061109先月の気が置けない仲間達のとの旅行*1では、二種類のカメラを携行して行った。フィルム式カメラとデジタル式カメラである。フィルム式カメラは筆者のお気に入りである「リコーGR1v*2」で、デジタル式カメラは「キヤノンPowerShot A520*3」である。
フィルム式とデジタル式とで同じ景色を撮影することがしょっちゅうある。所有するデジタル式カメラの画素数は約400万画素*4で、フィルムで撮った画像をスキャナ*5で取り込めば約900万画素(最大読み取り可能画素数は1080万画素*6)なのである。やはりここぞと言う場面はフィルム式カメラで撮影をする。またフィルムで撮影しておけば、後でスキャナを変えて更に画素数を多くすることが可能である。ただ、フィルムの需要がどんどん減っている*7ので、安くて高性能なフィルムスキャナが今後発売されることは殆どないだろう。
スナップ写真を撮るのにカメラを二つ首に吊してとっかえひっかえやるのは面倒臭い*8。そこでカメラ二つをくっつけて*9やれば、カメラ一台を首からぶら下げているのと同じになる。旅行ではこんな感じで持ち歩いていた*10。プレート*11と呼ばれる三脚で使う付属品を利用してねじで上下に固定*12して使っていた。
*1 青森・北海道
*2 GR1v(7)
*3 デジタルカメラ(8)
*4 デジタルカメラPowerShot A520機種仕様
*5 スキャナを買った
*6 DiMAGE Scan Elite II
*7 リバーサルフィルムの現像
*8 フィルム・デジタルカメラ
*9 GR1v_A520.jpg
*10 GR1V_A520_tandem.jpg
*11 デジスコ機材紹介
*12 GR1V_A520_tandem2.jpg
061110一年以上前に見つけたサイトに鉄道模型を沢山紹介しているところ*1がある。自宅の庭に線路を敷いて走らせている写真や模型製作の過程などを掲載している。
とにかく凄いのは自宅敷地内に模型用線路を敷き詰めている*2ところだ。鉄道模型好きであれば、このような庭を造るのが本懐であろう。
筆者の好きな「シェイ式蒸気機関車*3」の模型の話*4も載っている。
*1 ミニチュア庭園鉄道(浮遊工作室機関車製作部)
*2 浮遊工作室(機関車製作部) 弁天ヶ丘線の線路配置
*3 蒸気機関車
*4 浮遊工作室(機関車製作部) シェイ来る
061111末の娘*1の保育参観*2に行った。最初に教室内で、参観に来ている父兄の自己紹介をやった。参観日は一週間あって、父兄は都合の良い日を選んで参加することになっている。この日は筆者を入れて三人が参加していた。他の二人は母親だった。
自己紹介は苗字ではなく、名前を園児達に教えて欲しいとのことだった。順番は三番目だった。受けを狙って「名前はロバートです」と言ったら、園児達には大受けだったが、二人のお母さんと保育士さん達には、普通に受け入れられてしまった。これはまずいと思い「いや、冗談です」と言って訂正した。教室内で自分が一番年上であることをすっかり忘れていた。それにどんな名前でも笑えば相手に失礼だというのは大人なら常識である。恥ずかしい事をしてしまった。
*1 謡(3)
*2 0611100010.jpg
061112市川昆監督作品の「東京オリンピック」*1をDVDで観た。観たと言ってもまだ途中である。試聴にはパソコンを使った。他の作業しながらの「ながら鑑賞*2」であった。
走る直前の選手達の心情や緊張感を巧みに表現した男子100m決勝の場面で、あることに気付いた。「イチニツイテ」「ヨーイ」と日本語で言っていた。日本での開催だから当たり前だけど、今度日本で開催される時は英語で言いそうな気がする。調べてみると国際オリンピック委員会*3の公式言語はフランス語もしくは英語と決められている*4が、オリンピック競技大会*5における使用言語というのは、オリンピック憲章*6には決められていない。
考えてみれば世界共通語というのは、バベルの塔*7の幻想みたいなもので、現実には本当の共通言語というのはない。英語が世界言語の中心になっているが、世界の誰でもが理解できるか*8と言えばそうではない。
web上の国宝のサイト*9では日本語、中国語(簡体字)、朝鮮語、英語、フランス語の五カ国語で解説*10してある。世界の言語は英語だけではないという認識なのだろう。
*1 JOC - 東京オリンピック 1964
*2 MacOSX(2)
*3 OFFICIAL WEBSITE OF THE OLYMPIC MOVEMENT
*4 JOC - オリンピック憲章 27 使用言語
*5 INTERNATIONAL OLYMPIC COMMITTEE - OLYMPIC GAMES
*6 JOC - オリンピック憲章
*7 自動翻訳サイト
*8 世界の主要20言語使用人口
*9 -e国宝-
*10 使い方
061113永井豪*1のキッカイくん*2などに登場人物の「ポチとアルフォンヌ*3」のモデルは何か。
青空はるおとあきお*4に違いない。幼少の頃からそう思ってきた。青空はるおがポチで青空あきお*5がアルフォンヌである。
*1 SFWJ:member-NAGAI-GO
*2 キッカイくん
*3 アルフォンヌ・ルイ・シュタインベック三世
*4 haruoakio.jpg
*5 富山市ホームページへようこそ/とやまの著名人
061114先月の気が置けない仲間達のとの旅行*1の写真を見ていたら、不気味な写真*2があった。
竜飛海底駅*3構内の写真である。案内係の方の説明では、構内が工事中であるという話は一切なかった。どこかで工事をしていれば、見学者に注意を促す筈である。
ところが写真には薄暗い展示室の奥からこちらの様子を伺っている作業員の姿*4が写っている。ヘルメットをかぶり、マスクをしている。右手には丸めた図面か棒のような物を持っている。
こうやって思い込みで心霊写真は作られていく*5。
*1 青森・北海道(5)
*2 psychic.jpg
*3 JR北海道函館支社 竜飛海底駅・青函トンネル記念館
*4 psychic_enlarged.jpg
*5 心霊写真
061115所用があったので新幹線で東京方面に向かった。途中、富士山が綺麗に見えたので車窓から写真*1を撮った。もくもくと煙を出している煙突が一緒に写っているのが興醒めだが、新幹線から見える実際の景色だから仕方がない。もう少し手前の富士川を渡る時に撮影した富士山*2の方がいいか。これも水道管の橋*3が一緒に写っている。どちらも人工物だが、煙突よりも橋の方がましか。
富士山は多重構造*4になっている。昔は三重構造とされていたらしいが、最近の調査によって四重構造であることが判ってきた*5。
その構造を示す図*6が百科辞典や学校の補助教材の理科便覧*7などに掲載されていた。富士山の中心からずれた所で山腹から少し頭を出しているのは小御岳(こみたけ)*8と呼ばれる。これが太平洋側から富士山を見た時の中腹の写真にあるような出っ張り*9で、またの名を「宝永山*10」だと思っていた。
全然違っていた。小御岳の頂上は山梨県側*11にある。小御岳は富士山を構成する古い火山の一つだが、宝永山は一番新しい富士山の江戸時代にできた噴火口であった。この図*12を見ると全く別物であることがよく解る。
*1 0611140003.jpg
*2 0611140001.jpg
*3 7.富士川水管橋(静岡) 橋の知識
*4 富士山の生い立ち
*5 富士山は4階建ての活火山
*6 富士山と富士五湖の自然
*7 FrontPage - 理科便覧ネットワーク
*8 ふじあざみ 第36号(2)
*9 0611140003M.jpg
*10 宝永噴火
*11 小御岳神社
*12 fujii-fig1.jpg
061116「カイカムリ」と名付けられた動物がいる。「皮かむり*1」ではない。海に棲むカニの仲間*2である。
実際にはホヤやカイメンなどを背中に背負って*3、貝殻は背負わないそうである。英語では「Sponge crab*4(カイメンガニ)」と言う。これは実態と合った名前である。和名ではなぜ「貝カムリ」になったのか。
背中のカイメン*5が貝に見えたからか。この名前は明治以降の名前だろう。江戸時代以前では博物学や分類学が今程発達していなかったから、細かい名前は付いていなかったに違いない。明治以降の日本の博物学の発達途中でカイメンと貝との区別が付かないというのは考えられない。
もしかしたら最初は「カイメンカムリ」という名前が付けられたのかも知れない。これが略されて「カイカムリ」となる。これは「買い被り*6」の洒落にもなっているので定着したのだろう。
*1 東京女子医科大学腎臓病総合医療センター泌尿器科
*2 カイカムリ
*3 アンチルキヌゲカムリ
*4 Marine Fish Picture Gallery - Sponge Crab picture
*5 kaiKR.jpg
*6 かいかぶり 【買い ▽ 被り】の意味 国語辞典 - goo辞書
061117ちらほらと巷では電球などで軒先を飾る家*1が現れてきた。夜になると光らせている。ここ数年、クリスマス*2が近づくとこういった家が増えてくる。飾る電球の数はまちまちで、中には公共施設のような飾り方をしている家もある。
どういった目的でこういう装飾を施すかというと、小さな子供を喜ばすため、浮かれ気分を表現するためなど色々だろう。それにしてもこの風潮はどうかと思う。
自分の金を使って、しかも他人に迷惑は一切掛けてない、それより道行く人が楽しんでいるではないか、と言いたげである。電気が勿体ないのである。いくら消費電力の少ない発光ダイオード*3を使っていると言っても数が多くなれば消費する電力も馬鹿にならない。待機電力さえも削減*4するという風潮なのに一体どういうつもりなのか。エネルギー資源は有限であり、世代を越えた共通の財産なので無駄遣いは慎まないといけない。
特に小さい子供がいる家庭は、喜ぶからと言って子供が将来使うエネルギーの一部を大して意味のない電球飾りで消費してしまうのは本末転倒である。かと言って、節約節約ばかりでは楽しくない。ではどうすればいいか。
電球の消費電力分を家庭内で節約すればいい。そうすれば無駄は小さい。電球を点けている時はテレビジョン受像機の電源を切るとか、家の中の照明を全部消すとかして帳尻を合わせる。こうすれば、子供にエネルギーは有限であると言うことを理解させることもできる。
*1 @nifty:デイリーポータルZ:浮かれ電飾を鑑賞する
*2 microKORG(2)
*3 節電ナツメ球(8)
*4 オール電化|クレストホーム|待機電力を削減
061118家には、筆者が常用している据え置き型のパソコン*1の他にノート型のパソコンが二台ある*2。OSはどちらもWindowsである。その内、一台を家族で共用している。
ノート型なので家の中のあちこちに置いて使う。インターネットには無線LAN*3を使って接続するので電源をつなげるだけで使える。短い時間ならば内蔵の充電池で動作するので、電源用の配線を引き回す必要もない。
入力にはマウスを使っている。パソコンに付いているトラックパッド*4を使えば、パソコン本体だけの移動で住むのだが、家族は皆、パッドを使いこなして持ち運びを楽にすることよりも使い慣れている配線付きのマウスを選んで使っている。家の中であればどこでもマウスが使えるのでパッドに慣れる必要はない。ノート型パソコンはラップトップ型と呼ばれていた*5ぐらいなので、パッドを使えば膝の上でも使えるのだが、家の中ではそう言った必要性は殆どない。
マウスはどこにでも置いて使えるはずだが、家族は皆、パソコンの上に置いて使っている。ノート型パソコンのパッドの両側は手の平が載せられる*6ようになっている。この部分の右側にマウスを置いて操作しているのである。
操作を確実にするためにこの部分にマウス用の下敷き*7を貼ることを思い付いた。薄くて小さい下敷きを探したがなかなか見つからない。薄くて裏面に吸着剤が付いたもの*8は探し出せた。これを小さく切ってパソコンに貼り付けることにした。こんな風になった*9。なかなか上手く仕上がった。下敷きの厚さは1mmしかないので蓋もちゃんと閉まる。
*1 パソコンの消費電力
*2 ノート型パソコンの購入
*3 無線LAN
*4 トラックパッドとは 【track pad】 - 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*5 ラップトップとは 【laptop】 - 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*6 拡大表示 VGN-FS21B・FS21
*7 マウスパッドとは 【mouse pad】 - 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*8 繊細感マウスパッド - MP-084シリーズ
*9 mousepad.jpg
061119少し寒くなってきたので、毎年恒例のカメどもの冬支度*1をしてやった。これもいつもの恒例でニュージーランド産の廉価な水苔*2を水槽に入れてやった。
水槽の中の半数以上のカメは、まだ寒さが応えておらず活発に動き回っている。水面いっぱいの水苔*3をかき分けながら水槽の中を移動している。寝床のつもりで入れているのだが、これでは鬱陶しく感じているかも知れない。水苔を入れるのは少し早かったか。
新入りの今年生まれたと思われるイシガメ*4は、既に冬眠に入っているようでどこかに隠れていて姿を見せない。穴あきレンガの穴の中でじっとしているのだろう。幼亀は早めに冬眠にはいる*5ことは今までの経験から解ってきている。
四年前は十一月三日*6、三年前は十一月十五日*7、二年前も十一月十五日*8、去年は二十三日*1そして今年は十八日。この頃は大体十一月二十日前後になっている。
*1 亀の冬支度(4)
*2 Sphagnum Moss products - New Zealand
*3 suisou.jpg
*4 新入りの亀
*5 亀の冬支度(2)
*6 亀の冬眠の準備(2)
*7 亀の冬支度
*8 亀の冬支度(2)
061120地球温暖化係数*1という数値がある。二酸化炭素には地球を温める効果がある*2と言われている。温暖化係数とはこの二酸化炭素の温暖化効果を「1」とした時、その何倍の効果を持っているかを示した物*3であるようだ。例えば六フッ化硫黄の温暖化係数は約二万倍*4らしい。これは物凄い値である。六フッ化硫黄*51gを大気中に放出すると二酸化炭素20kg放出したのと同じになるということである。
それにしても温暖化効果が二万倍というのはどういうことか。気体が熱の素である赤外線を一旦吸収してそれをまた放出*6するのが温暖化のしくみなので、単純に考えると六フッ化硫黄は二酸化炭素の二万倍の量の赤外線を放出するということになる。
温暖化を知る簡単な実験*2がある。よく用いられる気体は二酸化炭素*7であるが、これの代わりに六フッ化硫黄を使うとどうなるか。実験における温度の変化は、二酸化炭素の場合、たかだか数度である。六フッ化硫黄は二万倍だから数万度の温度上昇になてしまうのか。そんなはずはない。全くの勘であるが、二酸化炭素とそれ程変わらないのではないか。
それでは一体、何が「二万倍」なのだろうか。
*1 環境省 報道発表資料−平成11年3月31日−「地球温暖化対策の推進に関する法律の施行期日を定める政令」及び「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」の閣議決定について
*2 地球を温めるもの(2)
*3 JCCCA / 温室効果ガスの特徴
*4 data0108big.gif
*5 原子力百科事典 ATOMICA
*6 黒体と気体
*7 基本プログラム
061121地球温暖化係数*1とは何か。温暖化係数*2とは二酸化炭素の温暖化効果を「1」とした時、その何倍の効果を持っているかを示した物である。二酸化炭素が温暖化の原因であることを前提*3にしている。
六フッ化硫黄の係数は二酸化炭素のそれの二万倍*4もあるそうだ。六フッ化硫黄は高電圧装置の絶縁ガスや半導体製造用のエッチングに用いられる*5。二酸化炭素の影響で仮に地球の大気の平均気温が0.1℃上昇するとする。温暖化係数が二万倍だとすると、全ての二酸化炭素が六フッ化硫黄に入れ替わると大気の温度が2000℃も上昇すると考えればいいのか。
これは極端な例なので、そんな筈はないと思いたくなる。大気中の六フッ化硫黄の濃度が二万分の一でも現状の二酸化炭素の温暖化効果と同等と考えればいいのか。最近の地球の平均気温の上昇が二酸化炭素の濃度の上昇に因るとする。ここ百年間の日本の平均気温は大体1℃程度上昇*6している。一方、二酸化炭素の濃度は70ppmぐらいの上昇*7である。ppmとは百万分の一を意味する。
六フッ化硫黄*8が百年前にあったかどうか判らないが、現在の濃度が百年間における上昇分だとすると、150pptぐらい*9である。pptは一兆分の一*10だからppmの百万分の一になる。従って百年間の六フッ化硫黄の濃度上昇は二酸化炭素のそれの五十万分の一で、六フッ化硫黄の温暖化係数は二万倍だから、掛け算して1/25、二酸化炭素で1℃上昇したと考えるから、六フッ化硫黄では0.04℃上昇したことになる。実際には大気には両方が混ざっていて、百年間で1℃上昇しているのだから、「二酸化炭素で1℃上昇した」から「六フッ化硫黄で1/25℃」と考えるのは変だが、大気中における六フッ化硫黄の効果が二酸化炭素に比べて小さいならこのように大雑把に考えていいだろう。
とは言え、こういうことなのだろうか。どうもしっくり来ない。そもそもそれぞれの気体で比較している「温暖化の効果」の定義はどうなっているのか。大気中の気体の温暖化の効果は「放射強制力*11」という数値で説明されているらしい。単位はW/m2。地球の熱の放射収支を変動させる力である。気象用語のようだ。圧力とか温度、質量のような気体そのものの性質ではなく、地球の大気に含まれた状態での性質を表す。二酸化炭素は火星*12や金星*13の大気にも存在するが、火星や金星の大気に含まれている二酸化炭素に対してこの数値は一切使えない。
地球温暖化係数はどうも「単なる決め事*14」のようだ。温暖化対応政策の目安であって物理定数でもなんでもない。この係数を用いて得られる科学的知見は何一つない。つまり前述の計算も全く無意味なのである。
*1 s
*2 環境省 報道発表資料?平成11年3月31日?「地球温暖化対策の推進に関する法律の施行期日を定める政令」及び「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」の閣議決定について
*3 地球を温めるもの(2)
*4 data0108big.gif
*5 フッ素系事業の展開
*6 気象庁 | 20世紀の日本の気候
*7 なるほど!キッズボックス [関西電力]
*8 Sulfur Hexafluoride, SF6
*9 都内の六フッ化硫黄の濃度傾向について
*10 ppm、ppb?濃度を表す単位
*11 IPCC第三次評価報告書(2001年) (01-08-04-14) - ATOMICA - 07.gif
*12 火星の夕日
*13 温室効果(2)
*14 地球温暖化のメカニズムとGWP
061122アボカド*1はメキシコの原住民の言葉が語源*2である。意味は「金玉*3」だ。
トマト*4もメキシコの原住民の言葉から*5らしい。意味は膨らむ果物。英語では初めのうち「tomate」と書いていたが、「potato」につられて「tomato」になったようだ。
メキシコの原住民の言葉が語源になっているものは他に「ウーパールーパー」があると言う記述を見かけた。ウーパールーパー*6はメキシコ原産の山椒魚で幼生のまま変態せずに成熟する*7。従って大人でも鰓呼吸をする。
「ウーパールーパー」など如何にもアメリカ人が考えそうな名前だ。メキシコの原住民の言葉とはとても思えない。調べてみるとやはりメキシコの原住民の言葉ではなかった。英語だと思い「wooper」や「whooper*8」で調べてみたが見つからない。色々検索してみるとどうも日本で考え出された名前のようだ。
登録商標になっていると書いているページもある。調べる*9と確かに登録されている。登録番号は第457017号。しかし登録されたのは2002年である。「ウーパールーパー」という言葉が一世を風靡したのは1984年頃なので、この頃登録されていたとしても、それは後に放棄*10したのだろう。つまり語源としての登録商標は消滅していることになる。因みに現在登録されている「ウーパールーパー」のローマ字表記は「WuperRuper」であった。
ウーパールーパーは「アホロートル*11」とも呼ばれる。これは日本以外でも通じる。そしてこれの語源*12はメキシコの原住民の言葉である。おそらくこれと勘違いしたのだろう。
*1 アボカド
*2 似ている植物
*3 金玉
*4 tomato. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*5 Online Etymology Dictionary
*6 Axolotl, Ambystoma mexicanum photo - J P Clare photos at pbase.com
*7 理学研究部:アホロートルのページ
*8 whooper. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*9 特許電子図書館 - 初心者向け検索
*10 商標登録dictionary: 商標権
*11 Axolotl Name - What is an Axolotl?
*12 Online Etymology Dictionary
061123「CD(コンパクトディスク)の直径とカセットテープ(コンパクトカセット)の対角線の長さはどちらも12cm」という雑学を教えてくれた友人*1が自らの命を絶って、この世から去ってしまった。
*1 カセットの対角線
061124下の娘*1が電球を飾って欲しいと言ってきた。近所で飾りだした家が出てきたからである。娘にはクリスマスまでそこの家の飾りを眺めていなさい、と言っておいた。そしてクリスマスの前日には飾ってやると約束した。娘は一応納得した。
家には発光ダイオード式のクリスマス飾りが二種類ある。薄黄色に光る物と青く光る物である。去年か一昨年に近くの中古品販売店*2でそれぞれ二千円程度で購入した。全く同じ物が東急ハンズ*3で六、七千円もしていたのを見つけて驚いた憶えがある。
家ではクリスマスの前日に飾る。サンタクロース*4への目印と言うことになっている。電源を入れるのは日没後から子供達が就寝する時刻までの数時間である。特にテレビジョン受像機などを消して家全体の消費電力の帳尻を合わせる*5と言うことはしていない。今年はやってみるか。
*1 謡(3)
*2 チェス
*3 東急ハンズのネット通販「ハンズネット」
*4 サンタの存在(4)
*5 クリスマス電飾
061125「々*1」という字がある。漢和辞典に載っているが、漢字ではなく、漢字専用の繰り返し「符号*2」とされている。「同の字点(どうのじてん)」「ノマ点(々を分解するとノ+マ*3)」などと呼ばれる。
「々」は「同」の異体字「仝」が基になっているらしい。日本独自の字*4だ。いつ頃からあるのか。「明治以降現在の活字印刷とともに生まれたのではないか*5」と考えられている。明治時代に作られた辞典の「言海」の本文中には見当たらない。「人人」「時時」「猩猩*6」「赫赫*7」「渺渺*8」など皆「々」を用いずに書かれている。ただし、明治二十四年四月に書かれた奥書き*9には数ヶ所「々」が使われている。「濟々」「一々」「去々年」「夜々」「人々」「綽々」「事々」。他の符号の「ゝ」「ゞ」「くの字点*10(くを長く伸ばしたもの)」は至る所で使われている。
符号である「々」を使った表記法*11は略式だから、この符号が使われ出した頃は、ちゃんと書きたい時にはこれを使わないようにしていたのかもしれない。辞書の本文は厳密な言葉の定義集なのだから「々」のような符号の使用を避けたのだろう。
*1 「々」
*2 編集部だより 辞典編集部 Q 「佐々木」の「々」は,なんと読む?
*3 与太郎
*4 乞々仲象
*5 新参考業務月報2004年5月号 「々」「ゝ」「ゞ」などの読み方を知りたい。
*6 しょうじょう しやうじやう 3 1 【 ▼ 猩 ▼ 猩】の意味 国語辞典 - goo辞書
*7 かくかく 0 【 ▼ 赫 ▼ 赫】の意味 国語辞典 - goo辞書
*8 びょうびょう べうべう 0 【 ▼ 渺 ▼ 渺】の意味 国語辞典 - goo辞書
*9 大槻文彦 ことばのうみのおくがき
*10 くのじてん 3 【くの字点】の意味 国語辞典 - goo辞書
*11 くりかへし符号の用い方(をどり字法)(昭和21年3月)画像 odoriji
061126一年半前に愛知県犬山*1にあるリトルワールド*2に家族五人と上の娘の友達一人とを連れて行った。リトルワールドとは屋外民族博物館で世界各国の民家などが集められている。明治村*3や日本モンキーパーク*4と並び、いずれも名古屋鉄道*5が運営する犬山の観光名所である。長年、愛知県内に住んでいるが、考えてみると初めて行ったような気がする。
中国の民家に見慣れぬ張り紙がしてあった。「福」の字が逆さま*6に貼ってある。漢字が解らぬ西洋人が貼るならともかく、日本人が運営している施設なのだからわざとやっているのだろうが、何故ひっくり返っているのだろうか。
英語で書かれた中国のページを見ていたら、「逆さ福*7」のことが説明してあった。英語ではよく解らないので、日本語の説明ページを調べてみたら、中国の旧正月の習わし*8であると書いてあった。
「福」の字を逆さに貼って「倒福(福が逆さ)」→「到福(福が到る)」の意味になるそうだ。英文の方では「in Chinese the "reversed fu" is homophonic with "fu comes", both being pronounced as "fudaole"」とあるが、何のことやらさっぱり想像がつかなかった。fudaoleとは「福倒了」の発音を表し、「福到了」も同じ発音であると言う意味だった。
*1 国宝犬山城 | 犬山観光情報
*2 野外民族博物館 リトルワールド
*3 博物館明治村公式ホームページ
*4 テーマパーク遊園地と世界サル類動物園 | 日本モンキーパーク(愛知県犬山)
*5 名古屋鉄道
*6 toufuku.jpg
*7 Traditional Chinese Festivals - china.org.cn
*8 「倒福」の話
061127ある花粉の電子顕微鏡写真を見つけた*1。生物の一部とは思えないような形をしている。一方、これら*2は数式処理プログラムMathematica*3で数学的に描画した多面体である。
数学は思惟だけの世界*4だから実体はない。しかし定規やコンパスで作図をしたり、コンピュタ画像などを使って他人に解りやすく表現することができる。
花粉の方の画像は実体である。電子顕微鏡*5で見ている画像は、高速な電子を観察しようとしている物体に当てて、そのエネルギーによって物体から出てきた電子を捕らえることにより得られる*6。肉眼で光を使って見ている訳ではないので実体と言えないかもしれないが、原理*7的には実際の形をちゃんと再現している筈なので、実体が見えているとしてもいいだろう。
この花粉は実体だけど、数学の図形のような形をしている。数学は人間が作り出した物だから、図形は花粉よりも遥かに後発である。花粉は、はるか昔から数学で得られるような図形を実体化しているのだ。花粉が幾何学的な形になっていると言っても、人間がつい最近造り上げた数学で生物の活動を単に表現してそう思っているだけの話で、何ら不思議ではない。不思議ではないが、幾何学図形は宇宙の中でも普遍的なものと勝手に思い込んでいるので、花粉がそんな形をしていると神秘的な気がしてしまうのである。
*1 07 SEM Pic Gallery pollen03.jpg
*2 Graphics Gallery: Polyhedra
*3 Wolfram Mathematica:ホームページ
*4 1+1
*5 インターネット顕微鏡
*6 ItEM-電子顕微鏡の原理
*7 電子顕微鏡のはなし
061128母が裁縫用の大きなはさみ*1 を「ラシャばさみ」と言っていた。巷では「ラシャばさみ」というのはあまり聞かなくなったような気がする。語源は「ラシャ用の鋏*2」ということだ。ラシャ*3とは、紡毛を原料として起毛させた厚地の毛織物のことらしい。
*1 ショッピングサイト:検索結果(精太郎 ラシャ切 300mm)
*2 ラシャ切ばさみとは
*3 ラシャの張替えの様子
061129店頭のパソコン用のワンセグ電波受信機の広告を見ていたら何か変な感じがした。ワンセグはデジタル放送なのでアナログ地上波のような「ゴースト」が出ないと説明している。
ワンセグ*1とは「ワンセグメント放送」の略で、携帯機器に搭載されている小さな画面用の映像を送出する。デジタル地上波*2は一つのチャンネルの周波数領域が13個に分割*3されているらしい。その一つ一つをセグメント*4と称してその一つを使っているから「ワンセグメント」という。セグメントを沢山使えば大画面の情報を送ることができる。一つしか使わないから小画面用である。
テレビジョン放送の方式は、送信側の信号と受信側の信号とを同期させることが重要*5である。テレビジョン受像機の画面上の光の点*6は、画面左上から水平に、そして順番に下に向かって走査していく*7。この走査の仕方は放送局のテレビジョン撮影機の走査の仕方と同期が取れていないと上手く像が映し出されない。
デジタル放送の場合でも基本的には従来と同じ*8だが、映像の中の一点一点の信号を放送局で一旦デジタル化して電波に乗せて*9それをデジタルテレビジョン受像機で受信してデジタル信号から元の画像の点に次々と再構築*10する。デジタル信号は「0」「1」*11の区別さえ解ればいいので、電波が空を飛んでいる間に多少の関係のない余分な信号が混ざっても影響が少ない。また信号の一部が欠落しても復元する*12ことができる。従ってデジタル放送は画像が乱れにくい。
ゴースト*13は電波が余分なところで反射するので発生*14する。直接アンテナに到達する電波とビルなどに反射して到達する電波とが重なる*15ために起こる。反射してくる電波は余分な距離を走るために光の速度*16で到達するとは言え、ずれてしまう。
テレビジョンの画面は左から右に走査するので、ビルで反射して到達が遅れた弱い信号が混ざれば右側に遅れた信号による像が現れる。つまり先回りする電波というのはあり得ないので「ゴーストは必ず右側*17」なのである。デジタル放送の場合は、余分な信号は除去されるからゴーストが出ない。ところが店頭に掲示してあった従来の放送例ではゴーストが左側に現れていた。この画像を制作した人はゴーストがどうして発生するのかよく理解していなかったのだろう。これが違和感の原因であった。
調べてみると何と「左側のゴースト*18」もあるらしい。電波の強い地域で共同受信している場合*19に発生するようだ。それでは電波が強いと電波の速度が速くなるのか。
共同受信なのでアンテナはないはずである。ところが電波が強いと信号がどこかから無理矢理入り込んでくるのだろう。共同受信の電波信号は各家庭に信号線で配信されている。放送局の送信アンテナから共同受信施設*20を通って配信されるよりも、直接に送信アンテナから家庭のテレビジョン受像機に到達する方が先になる。従ってゴーストは左側に出る。
*1 ワンセグとは - NE用語 - 日経エレクトロニクス - Tech-On!用語辞典
*2 ワンセグとは : 電子行政用語集 : HITACHI
*3 ISDB-Tとは - NE用語 - 日経エレクトロニクス - Tech-On!用語辞典
*4 seg・ment - goo 辞書
*5 テレビ技術の原理的な難しさ
*6 Howstuffworks "How Television Works" The Cathode Ray Tube
*7 Howstuffworks "How Television Works" The Black-and-White TV Signal
*8 第6回 精緻なる現代の“ぱらぱらマンガ” −デジタル放送のからくり−|テクの雑学|TDK Techno Magazine
*9 データ伝送方式
*10 日本銀行券
*11 NHK dnhk データ放送
*12 誤り訂正 (error correction) アヤマリテイセイとは: - IT用語辞典バイナリ
*13 よくあるご質問集 - テレビ受信障害の簡単な見分け方 - 東海総合通信局
*14 テレビ受信障害の見分け方
*15 ■ゴーストが発生する理由
*16 光の速度
*17 q02_1l.gif
*18 信越総合通信局-テレビ受信障害の画像と措置方法
*19 ゴースト2
*20 総務省関東総合通信局:共同受信施設での受信方法
061130現在、世界には八億四千万台の自動車がある*1らしい。その中で一番多いのはアメリカ合衆国で二億三千万台、その次は日本で七千五百万台、三位はドイツで五千万台。それぞれの国土の面積*2は、九百六十万*3、三十八万*4、三十六万平方キロメートル*5である。
日本の場合、どう考えても多すぎる。七十メートル四方に一台の自動車があることになる。家の近所を見回してもそんな状態になってはいない。駐車場などに偏在しているからだろう。
自動車の最大の利点は、思った所に素早く直ぐに移動できる点である。公共機関で素早く移動できるのは駅から*6駅までで、それ以外は歩くか他の乗り物に乗るしかない。
前述の日本における自動車の数の内、乗用車は五千六百万台だから、ほとんど「自由に素早く移動したい」という欲望を満たした結果である。日本の人口は一億三千万人ぐらい*7だから二人半に一台の割である。乗用車は二人以上乗れるから、もう既に日本人は自由にどこへでも素早く移動する欲望は満たされている。これはちょっと豊かになりすぎている。自由に移動することは重要だが、速くなければならない理由はそれ程多くない。少し生活様式を見直さなければならないかも知れない。
*1 小学生向け出版物
*2 CIA - The World Factbook -- Rank Order - Area
*3 CIA - The World Factbook -- United States
*4 CIA - The World Factbook -- Japan
*5 CIA - The World Factbook -- Germany
*6 えきから時刻表 ホーム
*7 人口推計月報
「八月十五日の神話*1」という本の冒頭に、終戦の詔書は八百十五文字で書かれているとあった。終戦の詔書*2の内容は、一九四五年の八月十五日に放送された敗北宣言*3としてよく知られている。この放送は当時の天皇*4の肉声で録音され放送されたので玉音放送*5と呼ばれている。
何という偶然、と思った。このことを言い出したのは当時の海軍大臣米内光政*6だったらしい。こういった偶然*7の裏側には何か必然が潜んでいそうで、非常に興味深い。そこで実際に「終戦の勅書」の文字数を数えてみた。
本文は八○二文字*8だった。「八月十五日の神話」の著者も実際に数えていて、「正式閣議案」「詔書原本」「報道用詔書案」どれを数えても本文は八○二文字だったらしい。筆者は天皇の署名のある詔書原本*9を基に数えた。
天皇の署名「裕仁」と詔書の日付「昭和二十年八月十四日」を足すと八一四文字になる。終戦記念日の八一五文字とはならないが、詔書の日付と文字数とが一致していたのは不思議である。八月十五日は、本来、敗北宣言である玉音放送がなされた日というだけで、ポツダム宣言*10を受諾した日でも降伏文書に調印*11した日でもない。敗北を天皇自らが国民に伝えた日という歴史的な節目であることは間違いないが、ポツダム宣言受諾や降伏文書調印の日に比べて漠然としている。八一五文字を単なる俗説*112として片付けるよりもむしろ「八一五文字ではなく八一四文字」だったという事実の方が神秘的で面白い。そんなようなことは件の本にも書いてあった。
*1 Amazon.co.jp: 八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544): 本: 佐藤 卓己
*2 学制百年史 資料編 [一 詔書・勅語 終戦ノ詔書]
*3 終戦の詔書
*4 昭和天皇・香淳皇后
*5 玉 音 放 送
*6 米内光政 | 近代日本人の肖像
*7 偶然の本質
*8 syousyo.jpg
*9 [終戦の詔書](拡大画像) | 日本国憲法の誕生
*10 ポ ツ ダ ム 宣 言
*11 DOCUMENTS ON THE SURRENDER CEREMONY
*12 終戦の詔書
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