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0607雑記草


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060701

 GR1vをまた修理*1に出した。この写真のように液晶の表示が欠けてしまう*2。こういった欠けは常に起こるわけではない。時々発生する。数字だけななら欠けていても簡単に類推することができる。気持ち悪いが、特に問題はない。ところがよく見ると数字だけではなく、撮影条件の設定を示す記号*3も一部消えている。このカメラは、通常条件の場合には撮影可能枚数以外は何も記号が示されないようになっているので、これでは撮影条件設定を間違えてしまう可能性がある。しょっちゅう設定を変更するわけではないが、設定を変えてそのままになっていることに気付けないのは問題である。

 その修理が今日完了した。修理代及び送料は無料だった。こちらからリコーの修理センター*4への送料はかかった。

 表示の欠けは前回の修理の直後から発生しだした。これは偶然ではなく、修理が起因となっていると思われる。

 故障状態を撮影した写真*2に前回の修理から発生している現象である旨を書き添えて、前回の修理伝票と一緒に送った。修理伝票には「万一同一箇所が不具合の時は、この票を添付の上申し出よ」とあったので同一故障ではないが、保証範囲内だろうと思って送ったらやはり無償修理となった。今回の修理票によると液晶表示器の部分が交換されたらしい。

 前回は修理に二週間かかったが、今回は一週間で戻ってきた。備考欄には謝罪文が書き込まれていた。はっきりと書いてはないが、無償であることも合わせると今回の故障は前回の修理が原因であったようだ。修理の対応が速かったのもこの所為だろう。何にしても期待以上の対応*5というのは心地よいものである。



*1 GR1v(6)
*2 img_1100.jpg
*3 Ricoh Camera Website
*4 銀塩カメラのお問い合わせ窓口 | Ricoh Japan
*5 MP3プレーヤの無償修理

060702

 NHKの幼児向け番組で「ポペティ*1」というのがある。一体の人形を四本の手で操る。糸で操るのではなく首や手足に取り付けられている短い棒で操る。糸ではないので人形の動きがふらつかない。棒が短いので操る「手」は丸見えである。人形の動きが滑らかなので手は気にならない。

 これを初めて見た時は日本で製作されていると思った。暫く見ている内に人形の仕草が何となく欧米風なので海外製作のような気がしてきた。どうやらオランダで製作*2されたようだ。

 最初、日本製と思ったのは人形浄瑠璃*3を思い出したからである。人形劇*4だが、操る人が丸見えでも構わないという割り切りというのは日本独特ではないかと考えていた。

 少なくとも人形劇*5で人の手が見えても構わないという発想は西洋ではないのではないか。糸による操り人形は、人形が自分で動いている様に見せたい*6という発想から生まれたのだろう。

 こう考えると「ポペティ」を発案した人は、日本の人形浄瑠璃から着想を得たに違いない。



*1 NHKアニメワールド:ポペティ
*2 Poppentje
*3 人形浄瑠璃文楽
*4 文楽(人形浄瑠璃)入門
*5 人形劇の人形にはいろいろあります。
*6 キャプテン・スカーレット(2)

060703

 めだかや飼い出した憶えのない見知らぬ魚*1が数匹いる鉢には睡蓮*2が植えてある。魚が食べ残した餌が肥となるためか、睡蓮は葉っぱだけが勢いよく伸びるので、少し剪定してやった。日頃は睡蓮の葉っぱの陰になってしまって魚たちが見えない。久しぶりの対面かと思いながら鉢の中を覗いたが、めだかが一匹いるだけだ。

 最近、野良猫が庭をうろうろしているので、これにやられたのだろう。見知らぬ魚は知らぬ間にいなくなってしまっていた。



*1 見知らぬ魚
*2 睡蓮の花

060704

 亀仲間の一人から教えて貰った。イシガメやクサガメ、ミドリガメなどのヌマガメは、ナメクジ*1を好んで食べる。庭で発生したナメクジを水槽に入れてやるとよく食べるという。

 亀たちは自然界でナメクジを食べる機会があるのだろうか。タニシ*2などは好んで食べるらしいから、タニシもナメクジも水棲か陸棲かの違いだけで同じような物だから食べられるのだろう。

 早速、庭にいるナメクジを水槽の中に入れてやった。ナメクジは浮かずに沈む。水の中で伸びていると亀が近寄ってきてうどんをすするように食べてしまう。実際にはすするのではなく、一口で食べてしまうのだが、そう見えるのである。かなり好物のようだ。

 梅雨の季節にはちょくちょく与えることにしよう。



*1 エスカルゴとナメクジ
*2 完璧な水槽

060705

 北朝鮮がミサイル発射実験を行った。数週間ほど前からその準備が伝えられていたが、少し忘れかけていた。実験をするとは思っていなかったので驚いた。北朝鮮の行為に対して日本国政府*1は厳しい対応をとることが必要であると判断し、即刻に具体的な措置を実施することを決めた。

 実際に日本国の安全保障上どういった危機があるのかなかなか想像できない。北朝鮮が日本を侵略する理由*2は何かあるのだろうか。怨恨、復讐だけで行動する可能性はあるのか。米国との取引のためだけに日本を侵略することがあるのだろうか。北朝鮮の武器輸出*3によって巡り巡ってテロなどの危険性が出てくるのだろうか。まぁ、これなどは日本の安全保障だけではなく、世界全体の話になってくる。それとも他人は常に理詰めで行動するわけではない、何をしでかすか分からないから「危機」と考えるのか。国際世論は北朝鮮に対してミサイル開発を止めろと言ってきた。それに対して北朝鮮は「日本や米国は兵器の開発を行っている。同様に我々が自主権の範囲で行うのが何故悪い」と主張している。やくざが「警察や自衛官は鉄砲を持っている*4のに、どうして我々が持ってはいけないのか」と主張するようでもある。

 このミサイル発射実験の事実自体は大した危機ではないだろう。実験が成功か失敗かは他国にとって本質的な問題ではないような気がする。今回失敗したからといって金輪際、侵略できないということはない。日本の危機は「今回の北朝鮮の危機」ではない。この危機に便乗して何かを進めようとすることが危機だろう。誰かが「危機」を「機会」にするのである。米国は五年前の同時多発テロ事件*5をきっかけに国内外に様々な行動を実施した。歴史は繰り返される。かっては日本の真珠湾攻撃*6をきっかけにして日中戦争に参戦し最終的にはそれまでハワイ*7*8までであった太平洋の覇権を日本にまで拡大して、今日に至っている。

 日本国政府も今回の危機を利用して憲法改正*9などに弾みをつけるかも知れない。危機を煽るために「7・5北朝鮮ミサイル危機」は北朝鮮の思惑通りに「技術的」成果も得たのではないかという見解に変わってくる可能性もある。政府の微妙な変化を逃さないことと冷静な思考とを常に心掛けることが肝要であろう。



*1 首相官邸ホームページ
*2 ガスタンク爆発
*3 NHK週刊こどもニュース:今週の大はてな2006
*4 拳銃
*5 米国同時多発テロ事件
*6 真珠湾攻撃
*7 沖縄の廃藩置県
*8 星条旗の星
*9 日本国憲法

060706

 「ざっくばらん」というが、この語源は何か。擬態語らしい。「ざっくり」と「ばらり」との組み合わせのようだ*1。気取らない様を擬態語で表すというのが洒落ている。胸を開いてその内を明かすような感じだろうか。この言葉は江戸時代からあるらしい。何を「ざっくり」とやって「ばらり」となったのだろう。

 何となく、米俵をざっくりやると米粒がばらりと出てくるような感じである。切腹で腹をざっくり切ると腸がばらりと出てくる*2、というのではないような気がする。



*1 ざっくばらん - 語源由来辞典
*2 HONOR samurai05.jpg

060707

 枯れたパキラ*1から芽が出てきた。先月、枯らしてしまったパキラ*2の生きていそうな幹の部分を切って水に浸けておいたら芽が出てきた。今の時期で大体三週間ぐらいかかった。何でもかんでも幹や枝をとにかく土に挿したり水に浸けておけば、大抵芽が出てくる*3らしい。それぐらい生命力が旺盛のようだ。

 芽は葉っぱが落ちた跡の少し上から出てきた*4。本には「落ちた跡から」と書いてあったので、少し違っている。水に浸けていた部分からは白いぶつぶつ*5が沢山でている。このぶつぶつは芽が出るよりもずっと早く出てきて、水に浸けてから数日で出てきた。このぶつぶつは触るとすぐに取れてしまうので根ではないのだろう。



*1 Pachira 〜パキラの花〜
*2 パキラ(4)
*3 ガーデニング / 挿し木をしてふやそう!挿し木の方法 ブルーミングスケープ
*4 img_1130.jpg
*5 img_1133.jpg

060708

 ウルトラセブン*1のDVDを見ていたら面白いことに気付いた。ウルトラセブン*2とは円谷プロ*3が今から四十年ぐらい前に放映された空想科学特撮連続テレビジョンドラマである。ウルトラセブンと呼ばれる異星人が地球へ侵略に来る他の異星人を退治する物語である。

 このウルトラセブンの第二十九話「ひとりぼっちの地球人」である。地球侵略のためにある大学の教授に姿を変えた異星人と、そうとは知らずにその異星人に協力する優秀な若い科学者との話である。教授の名前は「丹羽(にわ)*4」、若い科学者の名前は「一宮(いちのみや)*5」となっている。

 愛知県の尾張*6地方に丹羽郡*7一宮市*8とがある。これらは隣接している。しかも一宮市の東部分は旧丹羽郡*9であった。製作関係者に愛知県尾張地方の出身者がいたのだろうか。この第二十九話の脚本は市川森一*10、監督は満田かずほ*11(「禾」偏に「斉」)。ともに愛知県出身ではないようだ。全くの偶然なのだろうか。



*1 ウルトラセブン
*2 ウルトラ40th on FLET'S
*3 円谷プロダクション公式Webサイト: Tsuburaya Station Web
*4 ウルトラシリーズ俳優人名録 成瀬昌彦
*5 ウルトラシリーズ俳優人名録 剣持伴紀
*6 尾張大根
*7 愛知事典
*8 一宮市公式ホームページ
*9 一宮市/一宮市の紹介/一宮市域沿革図
*10 市川森一 - goo テレビ番組ナビ
*11 ゆり子の部屋 過去ログ[6411]

060709

 行方不明になっていた亀*1が見つかった。否、見つかったらしい。確認はしていない。誰かが片付けた。数百m離れた場所で野垂れ死んでいたらしい。そこで上の娘の友達とその母親とが大きな亀の死体を見かけたという。おそらく家の亀だろう。見ればすぐ判る。甲羅の傷などははっきり憶えている。

 家から狭い緑地公園を通って歩いていったのか。逃げてから大体三週間ぐらい経っている。飢え死にする期間でもない。水が飲めなかったのが原因か。しかし雨はいくらでも降っている。50日間行方不明*2でも全く問題はなかった。前回は逃げ出した後、誰かが保護をしていて、また逃げた結果だったのだろうか。犬や子供にいたずらされて死んだのだろうか。

 緑地公園は公園の真ん中に散歩道が一本あるだけで、あとは竹や樹木が生えているだけである。土が十分あるので産卵が可能である。もしかしたらそこで卵を産んでいるかも知れない。しかし卵が孵っても池や川は近くにはない。子亀達も親が目と同じ運命を辿ってしまう。

 野垂れ死んでいることを聞いた後、筆者が「逃げ出さなければ、死ぬこともなかったのに。自業自得だな」とつぶやいたら、妻が「父さんが捕まえなかったら死ななかったわね」と言った。確かにそうである。件の亀は筆者が捕まえたのではない。去年、亀好きの御夫人のご子息が捕まえた*3のを貰ったのである。直ぐに逃がすことも考えていたが、繁殖させることができるかも知れないと思って飼っていた。かわいそうなことをした。本当にかわいそうなことをした。



*1 亀の脱走(8)
*2 イシガメが帰ってきた
*3 イシガメ(4)

060710

 面白いサイトを見つけた。「Dream Anatomy*1」と名付けられている。日本語に訳すと「素晴らしき人体」「夢のような解剖学*2」になるのか。人体そのものは自分自身が持っているので、夢でも何でもなく現実そのものである。しかし内部をつまびらかに見ることはなかなか難しい。それが見られるということから「夢のように素晴らしい」と形容されたのだろう。

 ここから*3全ての図像を閲覧することができる。こういった*4ポーズ*5に必然性があるのか、と考えたくなるような画像*6が沢山あって面白い。

 以前に「内臓が丸見えなのに微笑む女性の挿絵*7」を記事として取り上げたことがある。ただ単に突っ立っているだけでは何なので親しみを持たせるための工夫だろうか。医学用画像制作者の発想は昔も今も洋の東西を問わないのだろう。

 興味深い図像*8が満載なので確かに夢のように素晴らしい。「Dream Anatomy」と名付けられた本当の理由は何か。二昔ぐらい前に「Dream Academy*9」という歌謡グループがいた。これの洒落だと思う。



*1 Dream Anatomy: A National Library of Medicine Exhibit
*2 レオナルド・ダ・ビンチの断面図
*3 Dream Anatomy: Gallery
*4 Dream Anatomy: Gallery: Fritz Kahn: Der mensch gesund und krank...
*5 ポーズ
*6 Dream Anatomy: Gallery: Giulio Casserio and Odoardo Fialetti: De formato foetu...
*7 気になる挿絵
*8 Dream Anatomy: Gallery
*9 a Dream Academy discography

060711

 昔、ラジオ*1で「みんなの歌謡曲」という番組がやっていた。出演していたのは中田ダイマル・ラケット*2だった。ダイマルの死後、出演者は京唄子・鳳啓介*3に代わったと思う。

 番組の主題曲は「ちゃんちきおけさ」で、数分間の番組であった。ラジオ番組と言っても全編広告のような番組で、宣伝広告の間に歌謡曲を二三曲流すだけである。広告はダイマル・ラケットの漫才になっていた。中京地区の店の広告ばかりで構成されている。

 その中で愛知県知立市にある藤田屋*4の「大あんまき」の宣伝があった。大あんまき*5とは餡をどら焼きの皮のような物*6で巻いた菓子である。

 筆者は当時、この「大あんまき」を菓子と思っていなかった。番組中のダイマル・ラケットの掛け合いで「おおあんまきころんころん・・・」というのがあった。ここだけが印象に残って、頭の中では、「大按摩機ころんころん」つまり大きな按摩機械(按摩椅子)がころんころんとと音を立てて動いている場面を勝手に描いていた。背もたれの部分で拳のような物が動く椅子*7がある。これが「大きい」と何かいいことがあるものなのかと訝りながらラジオを聞いていた。

 ある日、学友と一緒にこの番組を聞いていた。筆者が「この大按摩機ってどういう意味があるのか」と聞いてみたところ、学友は大笑いしながら餡入りの菓子であることを説明してくれた。



*1 hicbc.com CBCラジオ
*2 geinin.jp: 中田ダイマル・ラケット
*3 geinin.jp: 鳳啓助・京唄子
*4 三河のスポット
*5 知立の特産品
*6 和菓子 餅どら焼き/ 御菓子処 甘泉堂
*7 ota_anma.jpg

060712

 亀の食欲が更に旺盛*1になってきた。

 餌を与えるとがむしゃら*2に喰う。食べている様子を眺めているとあることに気付いた。*3を食べると、首の付け根が少し膨らむ。上から見て右側だけが膨らむ。イシガメもクサガメも皆右が膨らむ。ミドリガメも何となく膨らんでいるように見える。

 暫くすると膨らみは引いていく。ということは一時的にそこに餌が溜まって、胃の中に入っていくのか。それとも首の付け根に付近に胃があるのか。

 この解剖図*4を見ると、胃の位置は体の真ん中である。これはミドリガメに限っての内臓を描いているのだろうか。同じヌマガメの仲間のイシガメ、クサガメと内臓の位置が大きく違うとは思えない。そうなると膨らんでいるのは胃ではなく、何か他の器官かも知れない。

 気になる点がある。他の解剖図*5と何となく違うところがある。特に肺の大きさ*6が違う。 「カメの家庭医学*1」によると甲羅の直下の殆どが肺になっているように描かれている。肺がかなり大きい。専門書なのかどうか判らないが、この挿絵*7と同じである。

 もしかしたら一時保存用の「胃」が亀にはあるのかもしれない。解剖では主体の胃しか目立たないので図示されないのだろうか。



*1 亀の水槽(2)
*2 河童の正体(2)
*3 Tetra Internet Web Site
*4 Turtle Anatomy - Picture - MSN Encarta
*5 Inside The Digestive System
*6 Inside The Respiratory System
*7 turtle anatomy (©2003 living-art)

060713

 今までお相撲の四股名*1についてあまり違和感を持たなかったが、ふと、持つようになった。四股名*2は大抵漢字で書かれる。漢字は熟語になるとできるだけ読み方は音又は訓読みで揃える*3。湯桶読みや重箱読みは例外なのである。

 四股名で「〜山」と書く場合、「〜やま」「〜ざん」と二通りの読み方がある。「〜やま」ならば双葉山*4のように「〜」部分は訓読み、「〜ざん」ならば力道山*5のように「〜」部分は音読みになる。ところがそうとは限らない。安念山(あんねんやま)*6のような名前もある。

 違和感が出てきたのは最近の四股名に音訓が入り交じったのが多くなったからだろうか。千代大海*7朝青龍*8琴欧州*9など。

 多肉植物の名前*10に似ている。これも音訓入り交じった漢字熟語の名前が多い。ぷくぷくっとしたものの名前は、音訓が入り交じりやすくなってしまうのだろうか。



*1 四股・四股名 - 語源由来辞典
*2 NHK放送文化研究所
*3 気付
*4 歴代優勝力士一覧 (昭和11年〜20年) - goo 大相撲
*5 殊勲賞力士一覧(昭和22年〜30年) - goo 大相撲
*6 歴代優勝力士一覧 (昭和31年〜40年) - goo 大相撲
*7 千代大海 龍二 - goo 大相撲
*8 朝青龍 明徳 - goo 大相撲
*9 琴欧州 勝紀 - goo 大相撲
*10 多肉植物の名前

060714

 自動車を使う用事があったので、洗車*1をした。筆者が洗車をすると大抵、二十四時間以内に雨が降る*2。今回も降った。大体十二時間後だった。

 猫が顔を洗う*3様に何か空気の状態の変化を無意識に捉えて、条件反射的に雨が降る前に洗車をしてしまう*4のかも知れないと考えたこともあった。ところが今回はそういった自由意思による自発的な行動ではなく、法事という公の場で用いるための行動だった。にもかかわらず雨が降った。そういう星の下に生まれてきたのだろうか。

 確かマーフィーの法則*5か何かで「いつも自分の行列よりも隣の行列の方が早く進む」「覚え書きを読み直すと最も大切な部分が判読不能である」というのがある。本来は無作為に起こっている現象であるが、印象深い場面だけを思い出して「いつもそうだ」と考えてしまう。これと同じ筈である。同じであるはずだが、どう考えてもよく降るような気がする。

 そう言えばこんなこともあった。筆者はテレビジョン*6をあまり見ないが、たまたま夜に何気なく電源を入れると大抵「世界の車窓から*7」が始まり出す。電源を入れる時刻やその時のチャンネルは無作為の筈なのに、電源を入れて暫くするとあの主題曲*8が流れ出すのである。最近は更にテレビジョンを見る時間が減ったので、この現象は起こらなくなったが、当時は不思議で仕方がなかった。



*1 洗車道
*2 洗車と降水確率(2)
*3 招猫倶楽部:招き猫の豆知識
*4 洗車と降水確率
*5 オブライエンの法則
*6 ラジオとテレビ
*7 世界の車窓から
*8  - HAJIME MIZOGUCHI WEB SITE -

060715

 ローマ字の大文字、小文字を英語でそれぞれ「upper case*1」「lower case*2」という。この場合の「case」は、「場合」とか「事例」という意味で、「upper case」「lower case」は「上の場合」「下の場合」と言った意味から派生した言葉と思っていた。つまりタイプライター*3パソコンの鍵盤*4などで「shift」を押しながら鍵を打つと大文字が打てる*5。タイプライターでは「shift」を押すとプラテンplatenと呼ばれる紙を巻き付けるゴム製の筒*6が上に動いて大文字が印字できるようになる。大文字がまさしく「上の場合」である。

 由来は全く違うことを最近知った。「upper case」「lower case」というのは印刷用語で、活字を入れる箱*7の配置において、上が大文字、下が小文字*8になっていたことが由来*9らしい。従って「case」の意味は「場合」ではなく、「箱」の方だった。

 コンピュータ用語で「case change*10」という言葉があるらしい。大文字小文字を入れ替えること*11らしい。

 goo辞書でこの言葉を調べると「場合」の方の「case」の用例として挙げられている*12。筆者と同様の勘違いをしている。因みに「場合」の「case」と「箱」の「case」とは綴りが同じだが、語源が違う*13前者*14は落ちることを意味するラテン語の「casus」からで、後者*15は箱を意味するラテン語の「capsa」らしい。余談だが、カプセルcapsuleはcapsaが語源である*16



*1 upper case - goo 辞書
*2 lower case - goo 辞書
*3 Welcome to the Virtual Antique Typewriter Museum
*4 中古パソコンの購入(7)
*5 第47話 そのキーは誰のために?
*6 Typewriter Parts
*7 「歴史の文字 ──記載・活字・活版」展
*8 Type cases
*9 The King Library Press Typecases
*10 case change - goo 辞書
*11 Change Case of Files and Directories Names: lower, upper
*12 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書
*13 Online Etymology Dictionary
*14 case 1. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*15 case 2. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*16 capsule. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.

060716

 ローマ字の大文字小文字をそれぞれ「upper case」「lower case」と称するのは、活字箱の配置が由来*1だった。それでは、活字による印刷術*2が発明される前は何といっていたのか。「small」「large」*3という言い方をすっかり忘れていた。「large」は「capital」とも言う。

 capitalはもともと頭という意味*4らしい。「首都」という意味も「頭」から派生している。「capital」には頭文字という意味がある。単語や文の最初の文字を指す。頭文字は大文字で書いたので、次第にcapital*5は大文字という意味を持つようになったのだろう。



*1 大文字小文字
*2 インキュナブラとは何か | インキュナブラ〜西洋印刷術の黎明
*3 English Writing: Small and Large Letters (EnglishClub.com)
*4 Online Etymology Dictionary
*5 capital 1. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.

060717

 漢字熟語の読み方の規則は「音読みで揃える」「訓読みで揃える」のどちらかである。例外は「重箱読み*1」「湯桶読み*2」と呼ばれて区別される。音読みは中国語式の読み方、訓読みはその漢字に日本語の意味を当てた読み方なので、一つの単語としてまとまっているならば、読み方も揃っていた方が自然である。「大和」「鍛冶*3」など熟語全体で日本語の意味を当てた読み方で「熟字訓」というのもある。

 音読みは、詳しく見ていくと日本に輸入された時期で少し違っている。これは「古音」「呉音」「漢音」「唐音」と称して区別されている。古音は五世紀頃に伝わった音で「止(と)」「乃(の)」など、呉音は五〜六世紀頃に伝わった音で「男女(なんにょ)」「極(ごく)楽」など、漢音は八世紀頃の音で漢字の音読みはこれが基本となっている。唐音は平安中期から江戸末期に掛けて入ってきた音で「杏(あん)子(ず)」「蒲団(とん)」などがそうである。このほかに「雑(ざつ 本来はぞう[漢音]、そう[呉音])」「輸(ゆ 本来はしゅ)」「消耗(しょうもう 本来はしょうこう 『減る』という意味では、耗はこうと読む。『暗い』という意味では、ぼう[漢音]もう[呉音]と読む)」など誤読による「慣用音」がある。

 従って音読みでも漢音呉音などを揃えた方が自然であるとという考え方もある。呉智英*4はごちゃ混ぜの音読みを交錯読みと称していた。

 お相撲の四股名の読みは音訓錯綜読みが多い*5呉智英*6は明治時代に漢字音の知識が乱れたため、漢音呉音などの音読みにおける混乱が生じたのではないか、と書いていたが、最近は音訓まで混乱が生じてきてしまったのだろうか。



*1 じゅうばこ-よみ ぢゆう― 0 【重箱読み】 - goo 辞書
*2 ゆとう-よみ 0 【湯▼桶読み】 - goo 辞書
*3 鍛冶橋
*4 蝶
*5 四股名
*6 All about 呉智英(非Frame版)

060718

 「夢路いとし・喜味こいし*1」が興味深い言葉を使っていた。「我が家の湾岸戦争」というネタの中でである。

 二人は戦前生まれで、前(さき)の戦争*2の体験者である。湾岸戦争*3が勃発した時、外国の戦争の様子がテレビジョン中継で見られるという時代になったと二人で感心するところからネタの本題に入っていく。

 茶の間で飯を食べていると、テレビジョンでミサイルがぴゃーと飛んでくる、それに対して反対側からミサイルが飛んできて打ち落とすと喜味こいしが説明すると、夢路いとしが「邀撃(ようげき)ミサイルや」と返す。

 現代語では「迎撃(げいげき)ミサイル」という。「邀」は当用漢字*4に入らなかったので意味と字面とが何となく似ている「迎」が代用漢字として使われたらしい。「げいげき」は戦後に作られた言葉*5である。「邀」もむかえるという意味だが、元来、「邀」には「むかえうつ」という意味があるので「邀撃」は「迎撃」よりも明確な意味を示している。

 邀撃という言葉は本を読んで知っていたが、実際に語り言葉として聞いたのはこの漫才が初めてだった。



*1 「NHKアーカイブス」放送予定 「この人 夢路いとし喜味こいしショー」
*2 エレクトロン焼夷弾
*3 湾岸戦争 - [政治・経済用語集]All About
*4 当用漢字表
*5 せろんとよろん(2)

060719

 昔、平安京エイリアン*1というテレビゲームがあった。筆者は殆どやったことがなかったが、結構人気があった*2ようだ。

 殆ど遊んだことがないのに何故記憶に残っているか。この「平安京エイリアン」と名前がかなり印象的だったのである。マイクロコンピュータ*3を使った最先端の電子遊具にもかかわらず、名前に千百年前の日本の首都「平安京*4」という言葉をもってくる。その動機はゲームの舞台が格子状*5になっているからだけだろう。そして当時、大当たりしていた映画の題名「エイリアン*6」を最先端の遊びに迎合するかのように組み合わせる。この不思議な感覚によって筆者の記憶に強く残っている。

 言葉の調子もいい。意味が全くかけ離れている、所謂シソーラスの距離が無限大*7なのに、これだけ上手く収まっている新語は珍しいと思う。



*1 平安京エイリアン
*2 窓の杜 - 昔懐かしいアクションゲーム「平安京エイリアン」がWindows用に復活
*3 Zilog Z80 CPU
*4 京都市の遺跡
*5 heiankyo_alien.gif
*6 Alien (1979)
*7 言葉の距離

060720

 水族館*1に行ったら面白い蛙が展示してあった。一生水の中で暮らす蛙*2である。コンゴツメガエル*3と言う。蛙ならば水の中で暮らして当たり前じゃないか、と思ったが、この蛙は四六時中水の中にいる*4らしい。餌も水中で見つけて食べる。

 この蛙の解説に「めんどうな宿命?」とあった。蛙の仲間は、オタマジャクシの頃は鰓呼吸だが、蛙になると肺呼吸になる。このコンゴツメガエルは一生水中で過ごすが、蛙になってしまえば肺呼吸をするようになる。従って水中では息ができないので、息が苦しくなれば面倒でも時々水面に上がって息をしなければならない。これを「めんどうな宿命を背負っている」と水族館は説明している。

 コンゴツメガエルにとっては水中で暮らすことも息継ぎのこともどうでもいいのだが、水族館の説明としてそれを「めんどうな宿命」と言うのは何か変である。息継ぎをするのが我々人間からするとそんなに面倒に見えるだろうか。

 この蛙のみが水中で暮らしていて息継ぎをしなければならないなら、そう見えるかも知れない。しかし日常的に息継ぎをする動物は、鯨やイルカ、亀などの水棲の爬虫類、水棲昆虫などいくらでも我々は知っている。大した手間ではないような気がする。手間云々抜きにして、これは人間中心的な表現*5である。動物園や水族館の目的は、やはり珍しい生物を観て楽しむことだから仕方がないだろう。

 そう思いながら水槽を覗き込んでいると、楽しそうに泳いでいる*6。飼ってみたくなった。やはり水族館は、自然や地球は人間だけのものではないと言うようなことを知らしめるところではなく、見せ物小屋であることを実感した。



*1 蒲郡市竹島水族館
*2 frog01.jpg
*3 コンゴツメガエル の詳細情報 | ウーマンエキサイト
*4 コンゴツメガエル カエルの仲間 両生類図鑑−ペットペット
*5 邪悪生命体
*6 frog02.jpg

060721

 掃除機のホースに穴が開いた。購入して二年程度*1である。壊れるのが早すぎる。穴が開いた部分にビニールテープを巻いて使っている。

 いくら省電力設計になっていても、すぐ壊れてしまうのでは何にもならない。すぐに買い換える機会を作ってしまうのは、資源の浪費につながる。製造費用を下げるために耐久性のない壊れやすい物を作って、「省電力」だけを訴えるのは正しい態度とは言えない。こういうことをやっているとそのうち信用をなくしてしまうだろう。



*1 新しい掃除機(3)

060722

 庭で*1が大発生している。庭に出てから数十秒経つと、露出した筆者の肌を目がけて何匹もの蚊が次々と飛んできては口の針を刺して血を吸おうとする。

 皮膚に止まった蚊を平手でたたいて退治する。いくらでもいるのできりがない。とはいっても蚊を退治しながら暫くその場に動かずにいると蚊が来なくなる。少し場所を移動するとまた沢山の蚊が襲ってくる。蚊には集団の縄張りがあってそれほど移動しないのだろうか。自分たちの縄張りに来た動物の血を吸うだけで、血を求めてふらふらと旅に出ることはしないのかも知れない。同じ場所で退治していれば蚊の集団はいなくなるのだろう。

 蚊は伝染病*2を媒介するので厄介だが、それがなかったら刺された跡が痒いだけである。痒いのも厄介だが、生命を脅かすような危険性はない。痒みが我慢できればいくらでも刺してもらっても結構である。

 蚊は刺すとまず唾液を注入する*3。痒みは蚊の唾液に含まれる成分が原因*4らしい。痒みが発生するから平手で叩かれる。蚊取り線香*5なども発明されてしまう。

 痒みが出なければ、もっと確実に血を吸えるはずだ。「痒みを発生させない唾液」を持つ蚊は進化によって出現しないのだろうか。一度、突然変異で痒みの全くない蚊が出現すれば、蚊の世界で席捲してしまうのではないのだろうか。

 と思ったが、もしかして痒み*6を感じるのは人間だけかも知れない。犬とか牛、豚などは痒みを感じるのだろうか。牛、豚は四つん這いなので痒くても掻けない。我慢しているのか痒みを感じないのか。

 因みに鼠は掻く*7らしい。



*1 蚊の存在理由
*2 日本脳炎
*3 KINCHO | ウルトラがいちゅう大百科 | 害虫コラム | 蚊に刺されちゃった!
*4 池田摸範堂 | 知って得するかゆみ館 | かゆみ
*5 (財)和歌山地域地場産業振興センター
*6 池田摸範堂 | 知って得するかゆみ館 | 虫さされ
*7 第41回日本衛生動物学会東日本支部例会

060723

 小学生の頃、夏休みの宿題で磁石を使った工作をしようと思ったことがある。浅い箱の底に磁石を敷き詰めて、その上に磁極が反対になるように*1して磁石を置けば反発力で浮く*2のではないかと考えた。しかし上に置く磁石は直ぐにひっくり返ってしまうということに気付いた。ひっくり返らないように足を付けてやればいいが、これでは浮いていることにならない。そこで浮かなくても摩擦を極力減らすことができそうなので、指で突けば暫く動き続けるのではないかと考えた。更に上に置く磁石を底に対して斜めにすれば床に近い方は反発力が強くなるので、これによって推進力が得られるのではないかとも考えた。

 磁石を箱に敷き詰めるのに大量の磁石が必要である。これではいくら小遣いがあっても足りない。NHKの教育番組で「みんなの科学*3」というのがあった。これで「ゴム磁石*4」というのを紹介していた。ゴムなのに磁石になっているのである。

 早速これを探しに学友と一緒に自転車を漕いで街に出た。模型屋というか教材屋というか、とにかく磁石や接着剤や画用紙などが売ってそうな店を見つけ、そこの主人にゴム磁石のことを聞いてみた。

 すると「磁石は鉄に決まっているでしょ。ゴムの磁石なんてあるはずがないよ」と頭ごなしに学友の前で否定されてしまった。テレビジョンで紹介されていたので、ゴム磁石が存在するのは紛れもない事実である。主人が知らないだけなのである。知らないから否定するという態度と学友の前で「寝言でも言っているのか」と馬鹿にされたこととに何か憤りを感じながらその店を出た。

 結局、思い付いた工作は作れなかった。素材が集まらなかったという理由もあるが、作っても思ったような動作はしない*5ように思えてきたのであった。



*1 第106回「磁気浮上」の巻|じしゃく忍法帳|TDK Techno Magazine
*2 ウヒョ〜磁気浮上
*3 NHKは何を伝えてきたか−NHKテレビ番組の50年
*4 マグネットのご案内
*5 世界初 永久磁石使い鉄球を安定浮上

060724

 またまやかし説明の商品*1を見つけた。このドーナツのような形をした商品*2は洗濯機に入れて使用する。これを使えば洗剤が要らないらしい。これは何となく解る。このドーナツが洗濯槽の中で洗濯物と一緒に攪拌されることによって洗剤無しでの手もみ洗いと同じ効果が出るのだろう。ドーナツの比重をほぼ水と同じにしておけば、程良く洗濯物と一緒に絡まってくれるのではないか。洗剤が要らないと言っても洗剤ほどの洗浄力は期待できないだろう。しかし洗剤を使わずに洗濯板*3で擦ったぐらいの汚れの落ち方かもしれない。これはこれで良い考案である。

 ところがどうしてこのドーナツを入れるだけで洗濯ができるかの説明*4がいけない。全くもって意味不明である。まず「組織水」という言葉。生体組織の中に含まれる水、という意味で組織水という言葉を使う例があるかも知れないが、水そのものが組織を為すというのはどういうことなのだろう。その「組織水」が樹脂でできたドーナツの中に封じ込まれているらしい。樹脂の中に閉じこめられているので、それが「組織水」だろうと「波動水」「マイナスイオン水」「トルマリン水」だろうと洗濯には関係ない。洗濯槽の水とは一切混ざらないからである。

 さにあらず、ドーナツが洗濯機の中で回転すると、中の「組織水」は「イオン結合誘電性電気」を発生するらしい。おそらくこの電気はデュ・フェイやフランクリン以来の大発見*5で、今まで電気は正負の二種類しかないと考えられていたが、第三の全く新しい電気がこの組織水から見出されたらしい。更にこの電気によって「波動エネルギー」がドーナツの樹脂を通過して洗濯槽内に伝搬し、洗濯槽の水を「組織水」に変えてしまうようだ。そしてこの「組織水」は、どういう理由か解らないが、汚れをよく落とすらしい。

 科学的に意味が全く解らない文なので、汚れが落ちる説明になっていない。しかし実験で実証できていると主張*6している。この実験では「組織水」や「波動エネルギー」の作用は検証できていない。とにかく汚れが落ちたという実験である。その原因は最初に書いた通りであろう。説明は無茶苦茶だが確かに汚れが落ちているので、商品としての問題はない。おそらくドーナツに封入する「組織水」を「普通の水道水」に換えても全く同じ結果になるだろう。水を入れるのは、「波動」のためではなくドーナツの比重を調整するためだからである。

 なぜこの様な一見学術的用語を使って人を惑わす説明をするのだろう。当然の事ながら高く売るためである。それではこういった行為は問題ではないのか*7。問題にはならないのだろう。いくら効果の説明が無茶苦茶でも効能が謳っている通りなら問題はない。筈だ。冷蔵庫*8の広告で「中に小人が入っていて庫内灯をいちいち消してくれるから省電力*9」と書いても、実際に庫内灯のスイッチが自動的に切れるようになっていれば問題ない。消費者は商品の説明を買うのではなく、商品の機能や効能を買うのだから説明は小人でも組織水でも何でもいい。説明が間違っていても、性能が期待通りならば問題はない。

 説明が高尚だから高い金を出してでも欲しいと思うのは、消費者の勝手である。似非科学説明でも広告文案の一種*10と考えれば、問題はない。しかしこういった広告文案が成り立ってしまうぐらい科学知識がないのは問題である。



*1 スメルキラー
*2 GaiaWorks Inc. What's Laundry Clean Ring
*3 洗濯板
*4 GaiaWorks Inc. How it Works?
*5 電流と電子
*6 GaiaWorks Inc. How it Works?
*7 公正取引委員会ホームページ
*8 電力計
*9 The house of tomorrow refrigerator.jpg
*10 金属原子結合の歪みとダランベールのパラドックス

060725

 前々からこの夏休みには、家族旅行をしようと話し合ってきた。候補地としてはグアム・サイパン*1北海道*2ドバイ*3等が挙がっていた。家族からは、飛行機は嫌だとか海外がいいとか勝手な意見が続出していて行き先が全く決まらない。

 そうこうしている内に旅行予定日の七月末が迫ってきてしまった。結局、旅行は中止にするかと考えていたところへ、ある雑誌*4の記事に目が留まった。佐渡島の金山*5である。佐渡島*6には行ったことがない。そうだここにしよう。愛知県に住んでいる人で佐渡島に観光に行ったという話を聞いたことがない。誰も行かないのなら空いていそうだ。今から予約しても全く問題はないだろう。

 佐渡のある新潟までは陸路で、本州から佐渡島までは船*7で行くことにする。自動車で佐渡まで行くのもいいが、電車での旅行も面白そうである。佐渡島への船が出ている直江津*8まで電車で行くことにした。

 宿の予約をしようと思いインターネットで探してみたら、宿は沢山あるのだが、殆ど満室なのである。誰も行かないと思っていたが、考えが甘かった。余り物のボロ宿しか残っていない。ボロ宿でも飯さえ美味ければ問題ないのだが、子供達には不満があるようだ。「貧乏ホテルは嫌だ」という。

 探してもないものはないので、貧乏ホテルを予約した。予約ページに宿の写真が掲載されている。小さい写真だが、はっきりとボロさが判る。写真にすると実際よりも良く見えるのが普通だ。写真は七難を隠す。しかも小さな写真であれば更に隠れるはずである。にもかかわらずぼろい。相当ぼろい。これは逆に自信の表れではないか。宿はぼろくても飯には自信あり、という具合に。

 「貧ボテル(貧乏ホテルの略語)を予約したぞ」というと子供達は「えぇっ」と不満の声を上げた。どんな旅になるか楽しみになってきた。



*1 グアムとサイパン
*2 都「北海道」府県
*3 dxb123.com - ドバイ・UAEを楽しむ情報サイト
*4 eJAFMATE
*5 佐渡島の紹介
*6 佐渡観光Navi〜ときめき佐渡〜
*7 佐渡が島
*8 直江津港

060726

 佐渡島に旅行*1をすることになった。宿を予約しようとしたらどこも満室であった。仕方なく残り物のボロ宿を予約した。

 島内のレンタカーも予約で一杯だった。連絡船の行き先である佐渡島の小木港*2で直ぐ借りられる自動車がなかなか見つからない。予約は諦めて現地で探すことにした。レンタカーが借りられなければ、バス*3で移動する。

 名古屋から直江津までは電車で移動する。グリーン車を使うことにした。家族旅行でグリーン車を使うのは初めてである。と言っても特急が走っているのは名古屋から長野までで、長野から直江津までは普通列車しかない。

 直江津から佐渡島までの船も豪華席にした。座席の等級は「スイートルーム」「特等」「一等」「二等」*4の四種類になっている。二等が二千円に対してスイートルームは一万五千円なので、いくら豪華でも高すぎる。六千円程度の「特等」で行くことにした。子供達にこれが当たり前だと思われるのは宜しくないので、帰りの船は「二等」にした。これは予算の都合でもある。ただし帰りの電車はグリーン車にした。

 家を朝の七時頃に出て、小木港に到着するのは十六時半ごろである。九時間以上かかる。一方、中部国際空港*5からハワイのホノルル空港*6までは七時間*7で行ける。



*1 佐渡旅行
*2 小木港 周辺拡大図と待合室案内図
*3 新潟交通佐渡
*4 運賃表
*5 中部国際空港の見学
*6 ホノルル空港のご案内
*7 ホノルル路線の国際線時刻表

060727

 明日から佐渡島に行く*1。本州から佐渡島に行くのに船を使う。何と船とイルカとが一緒に泳ぐ場合があるそうだ。運がいいと船からその様子が見られるという。イルカは水族館でしか見たことがない。天然のイルカなのである。

 イルカは太平洋にいるもので、日本海にいるというのは考えたことがなかった。和歌山の太地では昔から鯨*2を穫っていたので、太平洋側には鯨がいる。鯨がいるならイルカもいるはずだ。

 日本海にも沢山いる*3らしい。どんどん盛り上がってきた。明日が待ち遠しい。あとは天気だけだ。明日から佐渡島は*4らしい。



*1 佐渡旅行(2)
*2 太地の漁業と捕鯨
*3 海遊館:イルカだいすき大百科:もっともっとイルカのお話
*4 石垣島・西表島

060728

 佐渡島に家族で旅行*1する。朝七時に家を出た。佐渡島の小木港*2に着くのは十六時半頃である。愛知県*3から新潟県*4へ同じ中部地方*5の中で移動するだけなのだが、九時間以上もかかる。

 名古屋駅からは特急「ワイドビューしなの号*6」に乗る。車両はグリーン車*7である。先頭車両であった。「ワイドビュー」なので車両前方の景色がよく見える*8。運転士がいるので全てが見えるわけではない。車両の前面が完全に開けていることで有名なのは名古屋鉄道のパノラマカー*9小田急電鉄のロマンスカー*10だ。運転士が全く見えない状態で乗っている列車の先頭から疾走している様子を眺めるのと運転士の操作も一緒に眺めるのとどちらがいいだろう。人によっては運転士が見えた方が安心感があっていいのかもしれない。

 ところが今回は運転士が見えるので少し不安になった。信号等を指差してその状態をいちいち大きな声で呼称しているので最初の内は安心感があった。保線区員にもしっかりと挨拶*11をしている。だんだん気になったのは、この運転手はやたらと動きが多いのである。直線区間で特に運転操作の必要のない時に、運行表のちょっとしたずれを何度も直したり、室内灯の切り替えスイッチをがちゃがちゃいじったり、窓の建て付けを確認してみたり、とにかくじっとしていない。突然、猛加速する*12のではないかと冷や冷やしながら見ていた。

 ワイドビューしなの号に乗っていたのは長野まで。長野からは普通電車に乗り換えた。一時間半ほどして直江津に着いた。昼の一時になっていた。タクシーで直江津港*13に向かった。運転手さんに天気のことを聞いたら、午前中は物凄い雨だったという。今は曇っているが上がっている。今回の家族旅行も雨に降られっぱなし*14かと思っていたが、何とか保ちそうな雰囲気になってきた。

 港で乗船手続きを行う。インターネットで「特等席*15」を予約してあったので、窓口でその旨を伝え、乗船券を受け取った。これより佐渡島に向けて出航である。



*1 佐渡旅行(3)
*2 愛知県のホームページ : Aichi Prefectural Government Official Site
*3 新潟県ホームページ
*4 ちゅうぶ-ちほう ―はう 4 【中部地方】 - goo 辞書
*5 JRおでかけネット : 車両案内 : 〔ワイドビュー〕しなの 383系
*6 0607280002.jpg
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*8 鉄道友の会:ブルーリボン・ローレル賞 1962年 ブルーリボン・ローレル賞選定車両
*9 鉄道友の会:ブルーリボン・ローレル賞 2006年 ブルーリボン・ローレル賞選定車両
*10 0607280010.jpg
*11 ワンハンドルマスコン-民鉄用語辞典-日本民営鉄道協会
*12 直江津港
*13 石垣島・西表島
*14 運賃表

060729

 佐渡島に渡るために船に乗った*1。席は特等席だ。大きな船*2なので、どこに特等席*3あるのかよく分からない。船の入り口で「一等席はこちら、二等席はこちら」と案内をしている船員に尋ねた。「特等席はどこですか」と尋ねると、船員は「後藤様ですね。お席はこちらです」と先導しだした。公共交通機関で名前を呼ばれるというのは滅多にない。珍しい体験である。

 特等席は個室になっている。部屋の入り口には名札が掲げてあった*4。今回の運航で特等室を使うのは我々家族だけのようだ。だからこちらから名乗らなくても船員の口から我々の名前が出てきたのである。個室の入り口は仕切られた広間の中にあり、特等室以外の客はこの広間に入ることができない*5ようになっている。広間*6には椅子が置いてあるだけで特に何もなかったが、一つだけ面白いものがあった。速力計が設置*7してあった。船は他の乗り物に比べて大して速度が出ないので、その速度が知りたいという欲求はなかなか湧かない。針が指し示す速度を見ても「そんなもんか」と思っただけだが、自分の乗っている船の速度を知ったのは初めてであった。

 個室内には二対の二段ベッドが設置*8してあった。旅館の部屋のように湯呑みと湯の入ったポットが置いてあり*9、自分でお茶を入れて飲むようになっていた。仲居さんがいてお茶を入れてくれる訳ではない。部屋に案内された最初の内は備品を珍しがっていたが、直ぐに飽きてしまった。景色も曇り空と海としか見えない。三時間弱の乗船である。子供達はうろちょろ動き回っている。

 暇なので、子供達をからかってやろうと思った。窓ガラスに映った丸い蛍光灯*10をデジタルカメラで写して「UFO*11が写った」と叫んでみた。子供達に直ぐにばれたが、少しの時間を潰すことができた。確か実際にこれと同じ撮影方法の未確認飛行物体があったはずだ。これを思い出して実際にやってみたが、昔の未確認飛行物体の写真と違い効果は直ぐになくなった。

 船とイルカとが一緒に泳ぐらしい*12ので、海面をじっと見ていたが全く現れない。そうこうしている内に佐渡島の小木港*13に到着した。



*1 佐渡旅行(4)
*2 佐渡が島[就航船案内]
*3 こさど丸 案内
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*11 U.F.O.
*12 佐渡旅行(3)
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060730

 佐渡島の小木港に着いた*1のは夕方の四時半頃であった。朝の七時に家を出た*2から九時間半掛かったことになる。愛知県から新潟県へ同じ中部地方の中を移動するだけで九時間半*3であった。港でレンタカーを予約した。旅行開始前にレンタカーを予約しようとしたが大手は全て満杯であった。レンタカーがなければ、島内をバス*4で移動するつもりだった。明日からはレンタカーで移動する。

 宿は小木港から直ぐの所に予約してある。このまま宿に直行して温泉に入るのもいい。船着き場の直ぐ横に佐渡名物のたらい舟体験場*5があった。たらい舟は漁に使う船だから体験するのも岩場の海岸*6だと想像していたら、港の中にあった*7

 丁度、今、雨は降っていない。明日の天気は保証されていないので、今のうちに乗船しておいた方がいい。聞くと十五分ほど待てば乗れるらしい。

 二手に分かれて、二艘のたらい舟に乗った。周りに作業船や停泊したモーターボートなどがすぐ近くに見えるのが少し興醒めであるが、たらい舟自体はすこぶる面白かった。それぞれ櫂を持たせてもらい、船を漕いだ*8

 移動とたらい舟とで第一日目は終わった。二日目は、砂金すくいと金山跡とへ行く。



*1 佐渡旅行(5)
*2 佐渡旅行(4)
*3 佐渡旅行(2)
*4 新潟交通佐渡
*5 佐渡の観光・アクセスガイド〜小木・たらい舟乗船体験
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060731

 佐渡旅行*1の二日目は砂金取りと金山跡巡りだ。とは言ってもこれらはすぐに終わりそうなので、途中で寄り道をしていくことにした。砂金取りは、佐渡西三川ゴールドパーク*2と言うところでやれる。そこに行く前に宿根木(しゅくねぎ)*3と言うところに行くことにした。

 一日目の宿泊地「小木(おぎ)*4」から西に少し行ったところに宿根木*5と言うところがあり、そこには江戸時代に千石船で栄えた町並みが残っているらしい。古い町並みが好きなのでまずそこに行ってみることにした。朝八時に旅館に人にレンタカー屋まで送ってもらい、そこから予約しておいたレンタカーで宿根木に向かった。

 少し道に迷った。そのおかげで宿根木に行く前に筆者好みの場所を見つけることができた。こう言った場所は、家族の中では筆者のみが好きなのである。宿根木も当然、筆者好みだ。子供達は早く砂金取りに行きたいのと眠いのとでこの段階での動きが鈍い。

 岩屋洞窟*6と呼ばれる史跡だった。鬱蒼とした森の中*7にその洞窟がある。洞窟には古そうな仏像*8や朽ちかけた仕切*9鳥居のような物*10があり、筆者の興味は尽きない。他の者は早々に退散したがっているので、名残惜しかったが、その場を後にした。

 宿根木*11に着いた。狭い路地や水路、隙間なく立てられた家などの特徴*12は他の地方の沿岸の集落と同様である。公開されている家屋*13を見学した。その日の一番だったので、見ていたのは我々だけ*14だった。係りの人が中を説明しながら案内すると言うので、お願いした。外観からは思いもよらぬ豪勢な造りに感心する。見学の後、管理人のおばあさんに菓子を頂いた*15。そして町並みを一通り見て、砂金取りに向かった。

 砂金取り*16は、自然の川ではなく水と砂とが入った生け簀みたいなところ*17でやった。砂金取り会場の入り口で長さ5cmほどの細長い小さい透明容器とを渡される。生け簀の縁には砂金と砂とを上手く選り分けられるように工夫された砂金取り皿*18が並べてあった。その皿の使い方を聞きながら生け簀で砂金を取る*19。何やら団体旅行のバスで土産物屋に連れ込まれ、仕方なく物色しているような雰囲気だったが、やり出すと面白くなってきた。取れた砂金は渡された小さな透明容器に入れる。

 一時間程度すくった結果がこの通り*20である。隣ですくっていた余所の子供が「全然、取れない」と怒っていたので、結構取れた方だったかもしれない。取れたと言っても大きな耳糞*21程度である。これでいくらになるのだろう。そしてこれは本物なのか。「愚者の金」と呼ばれる黄鉄鋼*22ではないか。ゴールドパークなのでそんな筈はない。

 客が砂金をすくった後の生け簀の砂はどうするのだろう。取り尽くした時点で生け簀の砂を全部入れ替えるのだろうか。砂をいちいち入れ替えるのは面倒臭そうだ。できるだけぎりぎりまで砂を入れ替えたくない。そうすると取り替える寸前の砂には殆ど砂金が入っていない。これでは客から文句が出そうだ。となると砂金を定期的に生け簀にばらまくのか。まぁ、その方が砂を入れ替えるより圧倒的に楽だ。

 砂金取りを満喫した後は金山跡に向かった。



*1 佐渡旅行(6)
*2 佐渡西三川ゴールドパーク
*3 宿根木
*4 佐渡島 小木温泉 源泉かけ流し 旅館かもめ荘
*5 佐渡の観光・アクセスガイド〜小木・宿根木
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*11 宿根木(しゅくねぎ) 佐渡小木町【新潟県・港集落】
*12 宿根木│佐渡にこいっちゃ│勝手に佐渡観光情報サイト
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*16 「佐渡百選」 --- 西三川金山遺跡
*17 佐渡西三川ゴールドパーク[砂金とり体験]
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*21 耳糞の味
*22 黄鉄鉱



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