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0603雑記草


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060301

 京都では舞妓さんの体験*1ができると言うことを聞いた。以前にそんなようなことを聞いたことがあるような気もするが、そんな気がするだけなので、今回初めて知ったのと同じである。化粧をして着付けをして写真を撮るだけではなく、京都の市中を散策することもできるらしい。

 ということは俄作りの舞妓さんが京都の市中を結構うろついているということになる。

 去年の十月頃に京都に行った*2。この時、八坂神社*3の前で舞妓さんに出会った。人力車に乗って*4現れたのである。妻と娘二人とは初めて見る舞妓さんに感激してしまったので、お願いして娘達と一緒に写真を撮らせて貰った。この写真は今年の年賀状*5に使った。

 そのあとに祇園コーナー*6に立ち寄った。そこには舞妓さんの写真*7がずらりと並んでいた。これを眺めながらさっきの舞妓さんはこの人かなぁ、などと話し合った。

 「舞妓さん体験」の話を聞いた時、はっと思った。もしかしたら本物でない舞妓さんと一緒に写真を撮ったのかもしれない。妻にそのことを言ったら「たしかに京都弁を話していた」と静かに主張した。



*1 変身舞妓着付協会
*2 茶碗
*3 YasakaShrine(Opening)
*4 0510020005.jpg
*5 2006nenga3.jpg
*6 0510020018.jpg
*7 0510020020.jpg

060302

 幼少の頃に読んだ世界の不思議や謎を扱った本には「古代のコンピュータ*1」というのが大抵載っていた。つい最近、これは「アンティキシラの機械*2」と呼ばれていることを知った。

 筆者が幼少の頃はコンピュータと言えば、大型コンピュータ*3であった。これとアンティキシラとでは似ても似つかない。どうしてこんな歯車みたいのがコンピュータなのかさっぱり判らなかった。

 コンピュータというのは電子計算機だけを指すのではなく、本来の言葉の意味からすれば単なる「計算機」でもある。アンティキシラのコンピュータには真ん中に丸い歯車*4のようなものがあるので、コンピュータ本来の意味を知ってからは、円形計算尺*5みたいなものを想像していた。

 天体の動きを計算する機械*6らしい。天球上での太陽と月の動きとが判る*7ようになっている。二千年前に既に歯車があったというのも凄いが、それで月や太陽の動きを正確に計算することができたと言うのも凄い。

 ところがこの機械には「ねじ*8」が使われていないらしい。くさびとピンとで留められていると言う。「ねじとねじ回し*9」という本に書いてあった。歯車はあるのにねじがない。これは異様に思えたが、少し考えてみれば納得できる。車輪を思い付けば*10、ある車輪から他の車輪へ動きを伝える仕組みは容易に発想できそうだ。車輪に凹みを付けてそこに指を入れて回せば車輪は簡単に回る。指の代わりにもう一つの車輪に棒を取り付け凹みと咬み合わせれば歯車が出来上がる。簡単だ。

 一方、締結用のねじはなかなか思いつけない。何かに棒を差して固定することは思い付くが、その棒に螺旋状の溝を作って捻り込んで強固に固定するという発想は難しい。身の回りの自然にはそういった仕掛けの物が見あたらないからである。

 そんなねじの出現は歯車よりもかなり遅く、五百年ぐらい前*11と考えられているらしい。



*1 Antikythera Mechanism Thumbnails An Ancient Greek Computer p.61
*2 How did a 'Antikythera Machine' work?
*3 8-1.jpg
*4 Antikythera Mechanism
*5 製品情報:一般用計算尺<
*6 Ancient Clocks
*7 The Antikythera Mechanism I antikythera-animation
*8 松岡正剛の千夜千冊『ねじの回転』ヘンリー・ジェイムズ
*9 Amazon.co.jp:ねじとねじ回し-この千年で最高の発明をめぐる物語[予定価格]: 本
*10 道具の発明発見の歴史
*11 ねじの歴史

060303

 ナンシー関*1という消しゴム版画家がいた。四年ぐらい前に突然死んだ。描かれた版画が好きである。蔵書印*2切手*3に通ずるところがあって小さな枠の中に完結した世界があるところがいい。消しゴムを使った版画なので大きな作品ではない*4。幼少の頃にやったことのある「消しゴム判子」が発想の源だろう。

 たしか消しゴムは「ステッドラー*5」のプラスチック消しゴム*6を使っていたと思う。ステッドラーは国産のプラスチック消しゴム*7よりも硬めで、彫りやすいようなことを言っていたと思う。調べていたら同じように消しゴムを使った版画*8を披露している外国人のサイトがあった。1990年から*9消しゴム版画をやっているらしい。ナンシー関は二十二歳の頃から始めた*10らしいので1984年頃である。ともに作品の雰囲気が似通っている*11。もしかしたら「消しゴム版画」という分野が成立しているかも知れない。

 全然関係ないが、学生の頃、友人があれはドイツ語*12だから「シュテッドラー」と読むべきだと主張していた。

 彼女の著作*13は何冊か持っている。一番好きなのは「約百面相」だ。挿絵集であるが、ページを切り離して絵はがきとしても使えるようになっている。奥付をみると1994年の初版だった。リブロポートから出ている。挿絵になっている人物がいい。キダタロー*14フレディー・マーキュリー*15長嶋一茂*16エマニエル坊や*17由美かおる*18など。

 最近、他の本を読み返していたら、彼女に関して興味深いことが書いてあることに気付いた。彼女の祖母は棟方志功*19と幼なじみだったようだ。



*1 NANCY SEKI's FACTORY『ボン研究所』
*2 蔵書票
*3 小宇宙
*4 NANCY SEKI's FACTORY『ボン研究所』:今週彫った人
*5 Welcome to the STAEDTLER Japan website!
*6 T0164004.jpg
*7 株式会社トンボ鉛筆 消しゴムのスリーブに「Uカット」を施しました。トンボ鉛筆のMONOシリーズ
*8 Popular Eraser Carving Themes Erasercut Gallery I
*9 Zetetics Erasercut Home Page
*10 JNANCY SEKI's FACTORY『ボン研究所』:プロフィール
*11 OBEY! GIANT! Erasercut Gallery VII
*12 Willkommen auf der Website der STAEDTLER Mars GmbH & Co. KG!
*13 NANCY SEKI's FACTORY『ボン研究所』:作品一覧
*14 キダ・タロー プロフィール
*15 Welcome to ¨Mr-Bad-Guy.com¨
*16 ------ NAGASHIMA KAZUSHIGE.COM ------
*17 エマニエル
*18 スポニチ Sponichi Annex 芸能タレント名鑑
*19 棟方志功記念館へようこそ!

060304

 「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」という。アヤメ、ハナショウブ、カキツバタの区別*1がなかなか判らない。他にも区別が付かないものは色々ある*2

 去年の五月にカキツバタで有名な寺に息子と行った時*3、そこで区別の仕方*4を教えて貰ったことがある。アヤメ*5は文目(あやめ)なので花の黄色い部分の網目模様がはっきりとしている。カキツバタ*6は黄色の部分が小さい。ハナショウブはそのどちらでもない方。自生しているのであれば、アヤメは水のないところでも生える、カキツバタは沼地の中、ハナショウブは水辺に生えると教わった。

 「いずれ菖蒲か杜若」というのは、近い将来、菖蒲か杜若のような美しいひとになるという意味だと思っていた。改めて調べたらどちらも美しくて甲乙付けがたいという意味だった。



*1 いずれアヤメかカキツバタ
*2 皐月と躑躅
*3 旧東海道を歩く(5)
*4 いずれがアヤメ?カキツバタ?
*5 アヤメ(文目)
*6 カキツバタ(杜若)

060305

 末の娘*1ひな祭りの歌*2を歌っていた。最初の部分は正しく歌っていた。ところが「五人囃子の 笛太鼓」の部分が無茶苦茶になっている。これは仕方がないことでどれも今まで聞いたことのない言葉で、何を表しているのかさっぱり判らないのだろう。歌詞として憶えにくい筈である。

 娘は「病院ばさみに付けたいな」と歌っていた。「病院」も「はさみ」もよく判っている。小児喘息なのでしょっちゅう病院に行くし、はさみもよく使う。「病院ばさみ」は病院で使うはさみを思い浮かべているのだろうか。



*1 ひょうたんを持つ幼児
*2 うれしいひな祭(まつ)り

060306

 先月から謡(うたい)*1を習い始めた。謡とは*2の詞章だけを謡う芸事で、謡曲とも言う。歌謡曲*3とは違う。直接のきっかけは知り合いから誘われて練習を見に行ってそのままやり始めた。以前、父親が少しやっていたので興味はあった。また去年に「飛騨こんろの謎*4」を調べていたときに謳いの譜面が出てきた。こんろと謳いとの関係が不思議に思えて気になっていた。

 流派は金春(こんぱる)流*5である。能の流派には他に観世*6宝生*7金剛*8喜多*9がある。この中では観世が最も有名だ。

 目標は、今年の十一月頃に初舞台を踏むこととした。どうなることか。



*1 音楽としての謡曲
*2 能 狂言ホームページ
*3 かよう-きょく ―えう― 2 【歌謡曲】 - goo 辞書
*4 飛騨こんろ
*5 能 金春流  金春円満井会へようこそ
*6 観世 | Kanze
*7 宝生能楽堂
*8 金剛能楽堂【金剛流の魅力】
*9 (財)十四世六平太記念財団

060307

 靴屋で靴磨き*1修理*2用品を見ていたら、面白い物があった。すり減ったかかとを簡単に修復する補修剤である。直截(ちょくせつ)*3で名前がいい。「SHOE GOO*4」という。以前にゴム系の布用接着剤を買った*5ことがあった。布を糸で縫わずに接着剤でくっつけるという発想が面白くてこの布用接着剤を衝動的に買ってしまったが、今回のSHOE GOO*6も殆ど衝動的であった。

 かかとのすり減った部分に水飴状のゴムを塗って固めるというのは当たり前の修理方法なのだが、今まで筆者は、固体のゴムをすり減った部分に貼り付ける*7と言う方法しか頭になかった。自分にとって新鮮な発想による商品だったので布用接着剤と同様に思わず購入したのであった。

 使い方は簡単*8である、と書いてある。汚れを取って補修剤の接着性を高めるため接着面にやすりをかける。後は補修剤を塗って付属のへらで形を整える。かかとの後ろ部分に紙で枠を作れば後ろにはみ出さずに綺麗に塗れる。そして放置して固まるのを待てば出来上がりである。

 7〜8mmすり減った靴があるのでそれで試してみた。説明書*9通りに簡単にできた。数時間後には表面が完全に固化する。二日以上放置した後、枠にした紙を剥がしてみると、中がまだ固まっていない。分厚く塗りすぎたので中まで固まらなかったようだ。表面が早く固まってしまうのでゴムを液状にしている溶剤が中から抜けにくくなってしまうのだろう。チューブの中の接着剤がいつまでも固まらないのと同じである。

 やり直した。かかとが元の厚さになるまで二回に分けて塗った。分けて塗るとかかとの後ろの部分が見苦しくなるので最後に後ろに直接薄く塗って紙で押さえて固めた。こうすれば少しは見栄えが良くなる。こんな感じの出来上がり*10である。衝動買いが役に立った。



*1 キィウイ(KIWI):日本サラ・リー株式会社
*2 ミスター・ミニット | くつ修理サービス
*3 直截
*4 Shoe Goo Homepage
*5 タッチボンド(2)
*6 shoe goo
*7 靴修理.COM
*8 GOO_FLASH
*9 シューグー使用方法
*10 shoe_goo.jpg

060308

 カメラにある記号が付いていた。最近は見かけない。○の中央に横線を引いた形をしている。「Φ」を横にしたような形だ。かなり前に、この記号を何と称するのか話題になったことがある。ある読者の方から「プリムソル」という、と教えて貰った。船体にこの記号*1がよく書かれているらしい。プリムソルとは人の名前*2のようだ。この記号は船舶の貨物積載限界を示しており、英国の政治家サミュエル・プリムソルが船舶にこの記号を表示することを義務付ける法律を作った*3らしい。

 カメラの記号*4の方はフィルム面の位置を表している*5近接撮影*6の際、被写体とフィルム面との距離を正確に把握したい場合があるらしい。その時にこの記号でカメラの中のフィルムの位置を知る。

 こういった風にカメラの上部に記載されている*7。この記号は、現在は製造業者自体が消失してしまった安原一式というカメラ*8に付いていた。昔のカメラにはよくこの記号が付いていた。例えば、これ*9とか、これ*10これ*11これ*12これ*13もそうである。

 最近のカメラでも見つけた*14

 それにしてもこの記号の由来は何か。船舶の標識が由来なのだろうか。



*1 日本財団図書館(電子図書館) 通信講習用船舶電気装備技術講座(電気装備概論編・初級)
*2 Bust of Samuel Plimsoll Beside the River Avon.
*3 日本船主協会:海運雑学ゼミナール:049 「プリムソルマーク」が示す季節、水域ごとの満載喫水線
*4 PhotoNotes.org Dictionary - Film plane mark
*5 PhotoNotes.org Dictionary - Film plane mark
*6 Mobile:マクロ撮影【まくろさつえい】
*7 issihki-5.JPG
*8 安原製作所のこと
*9 body14.jpg
*10 parts01.jpg
*11 Minolta EX-1
*12 Canon AE-1
*13 Nikon N70
*14 photo_11.jpg

060309

 web上で変なヌード写真を見つけた。ハリセンボン*1の剥製と戯れる全裸の女性*2である。女性は全身に油のような物を塗っててかてかしている。一体、何を狙った写真なのか全く判らない。単なるエロ写真ではなく、芸術方面の作品なのか。それにしてもなぜハリセンボン*3なのか。



*1 生物解説:ハリセンボン (繁殖賞)
*2 harisenbon.jpg
*3 海のはくぶつかん:Vol34 No.6 p.4〜5

060310

 久しぶりにクラシック音楽を聴きにいった。一人で行った。管弦楽はロンドン交響楽団*1で、指揮はチョン・ミョンフン*2。演目は「魔弾の射手」序曲、ベートーベン/バイオリン協奏曲ニ長調、組曲「展覧会の絵*3」(ラベル編曲)だった。

 会場は愛知県芸術劇場コンサートホール*4で、席はオルガン席*5と呼ばれるホールに設置されているパイプオルガンの周辺の席だった。この席は演奏者の背面になっている。演奏者と同じ方向を向くので、指揮者と通常の観客席とが向かい合うことになる。演奏に全く関係ない一階最前列の観客の様子が目に入る。

 自分が席に座った時には、まだ一階最前列の席は埋まっていなかった。しばらくすると男女の二人連れが座った。女性は和装である。年齢は二十五、六、七ぐらい。長身ですらっとしていた。なんと顔は山田優*6そっくりである。舞台を挟んで向かい合っているので、気になって仕方がない。演奏が始まるまで、会場入り口で配られたチラシを見ては「山田優」を眺めながら時間をつぶしていた。

 演奏が始まって、度肝を抜かれたのはチョン・ミョンフンの指揮ぶりであった。ロボットみたいな動きである。笑えて吹き出しそうになったが、少し我慢していたら慣れてきた。気になって仕方がなかった「山田優」にも慣れてきた。

 「展覧会の絵」は大変よかった。やはり生の演奏はいい。結構長い間拍手をした。拍手を終えて一段落したときに、隣に座っていた女性に話しかけられた。「堪能できましたね」の一言だったが、この一言が演奏の良さを倍増させた。彼女は五十歳ぐらいで、既に子育てが終わって自分の時間が十分あるという感じである。友人と二人で聞きに来ていたようだった。

 こういった少し年配の見知らぬ女性から突然話しかけられることが多くなった。十年ぐらい前に店で一心不乱にCDを物色していたら、背中から「あのう、すいません。『G線上のアリア*7』はどの辺りにあるんでしょうか」と尋ねられた。この頃からそう思い始めた。臙脂色*8の分厚いジャンパーを着ていたので店員と間違えた訳ではなかろう。

 しかしあの「山田優」ぐらいの妙齢の女性からは、これまで一切ない。



*1 London Symphony Orchestra
*2 Myung-Whun Chung (Conductor, Piano) - Short Biography
*3 展覧会の絵より「プロムナード」
*4 愛知県芸術劇場/コンサートホール
*5 オルガン席P1列からP3列1から39
*6 山田優/Yu Yamada
*7 G線上のアリア
*8 臙脂 えんじ #b94047

060311

 Hoppecke*1という名前のバッテリー製造会社がある。「Hoppecke」はどうやって発音するのだろう。やはり「ほっぺけ」だろうか。

 「ホッペケ*2」で間違いないようだ。ドイツのホッペケ村*3で創業したからHoppecke社である。

 ノルウェーの会社*4だと思っていたが、違っていた。



*1 ホッペケ
*2 ホッペケバッテリー株式会社ホームページ
*3 Maps, Weather, and Airports for Hoppecke, Germany
*4 Hoppecke norge as - kontakt oss

060312

 群衆の中にまだ全く無名時代のヒトラーが写っている写真*1がある。これはどういうきっかけでヒトラーが写っているということが判ったのだろうか。彼自身がオデオン広場*2の群衆の写真を見て、自分で見つけたのだろうか。

 歴史の一こまを語っているに違いないが、何でもない写真である。ヒトラーが写っている*3ので有名になっている。それにしても一体誰が見つけたのだろうか。ローマ字のアルファベットの中に円周率をみつけた*4のと同様に不思議で興味深い。



*1 August 2, 1914 - Celebrating the Outbreak of War
*2 Munich Info - Odeonsplatz [de]
*3 BBC - History - The Rise of Adolf Hitler
*4 The Joy of π

060313

 第一次世界大戦勃発*1でドイツの宣戦布告に沸く群衆中の無名時代のヒトラー*2姿を撮影*3したのは、ハインリッヒ・ホフマン*4という人だったらしい。彼は1920年にナチ党に入党して、ヒトラーの公式写真家となった*5。ホフマンは最初からヒトラー*6を撮影するつもりでこの写真を撮ったのだろうか。

 群衆の中のヒトラーが撮影された*7のは、1914年の八月二日だからホフマンはまだナチに入っていない。それよりもまだナチ党は結成されていなかった。ナチが結党されたのは1919年*8である。

 おそらく群衆の中に偶然ヒトラーを見つけ出したのはホフマンなのだろう。ヒトラーがナチ党の党首になるのは1921年だから、ホフマンはそれ以降に見つけたのかも知れない。

 写真の人物は「ヒトラー」*9と信じられているが、もしかしたらそっくりさんという可能性もある。確かに本人だという確証があるのだろうか。本人に確認しているとしてもそれは証拠にはならない。人違いであっても愛国心に満ちた自分を演じてくれている他人を否定する理由は全くない。

 この絵はヒトラーがミュンヘンに移り住む前に描いた自画像*10である。この頃のひげ*11コールマン髭*12である。第一次世界大戦にドイツ兵に志願した時はカイゼル髭*13、そしてナチ入党後は有名なあのちょび髭*14になる。群衆の中のヒトラーもちょび髭のように見える*15。ところが群衆の中の写真の時期はちょうどコールマン髭の時期とカイゼル髭の時期との間である。つまりコールマン、ちょび、カイゼル、ちょびという順番になっている。これはかなり不自然だ。髭は直ぐに生えてくる*16ので形を変えるのは簡単である。しかし気分的に形を変えるのはかなり抵抗がある。コールマン髭からカイゼル髭*11は伸ばすだけだからいいが、ちょび髭はコールマンもしくはカイゼル髭の両端を剃らなければならない。これはかなり思い切りがいる。

 もしかするとあの写真の人物は本当に他人かも知れない。



*1 ドイツの実情: 第一次世界大戦
*2 群衆の中の無名時代のヒトラー
*3 First World War.com - Feature Articles - A Slow Fuse - Hitler's World War One Experience
*4 Biographie:Heinrich Hoffmann, 1885-1957
*5 Heinrich Hoffmann
*6 Hitler Historical Museum
*7 Adolf Hitler Picture - Celebrates the Declaration of WWI
*8 ナチ党 ナチス ヒトラー
*9 The Rise of Adolf Hitler by Professor Jeremy Noakes
*10 youngadolfselfsketch_th.jpg
*11 理容の歴史 こぼれ話篇
*12 Colman_Ronald.html
*13 Adolf Hitler Picture - Hitler as a Soldier in WWI
*14 Biographie:Adolf Hitler, 1889-1945
*15 BBC - History - The Rise of Adolf Hitler
*16 著者

060314

 三月十四日は「πの日*1」と名付けられている。以前、「πではない日*2」の記事にその話題を書いた。

 円周率を小数で表そうとするときりがない*3無理数だから*4である。かって「ブラウエルの問題*5」というのがあった。円周率を十進数の小数に展開したとき「0123456789*6」と数字が並ぶところがあるか、という問いである。1997年にそのような桁が発見された。173 億 8759 万 4880 桁目に現れる。

 きりがないのでいつかは任意の数列を持つ桁が現れると考えていいだろう。現状は一兆桁程度計算されている*7らしいが、例えば「0が一兆桁連続している部分」が見つかるかどうかは今後更に計算してみないと判らない。判らないが、循環せずに無限に続くからどこかにあるかも知れない。「ないとは言えないからある」と結論付けても良さそうだが、「どっちかわからん」という考え方もあるとしたのがブラウエル*8だった。そこで「0123456789」の例題を出したが、実際に見つかった。

 円周率において「0が一兆桁連続している部分」はあるだろうか。同様に2でも出てくるだろうか。「どっちかわからん」ではなく、循環せずに無限に続くのだからいつかは出てくるだろう、むしろ必ず出てくるような気がしてしまう。Pisot数*9というのがある。これは無理数なので小数に展開すると循環せずに無限に続く。ところが*10この数は小数点以下第一位から1800桁ぐらい「0」が続く。こういうのがあると思うとますます「0が一兆桁連続」もありそうな気がしてくる。



*1 3 月14 日:π(パイ)の日
*2 πの日
*3 10進円周率の世界記録の結果抜粋
*4 【第95回】円周率の無理数証明
*5 Brouwerの問題
*6 Brouwer's Cambridge Lectures on Intuitionism
*7 2002 年 12 月 6 日に記者会見を開いて公表している我々の現時点における最新の記録を以下に示します。
*8 Brouwer summary
*9 Pisot数
*10 A Pisot number

060315

 インターネットで古本を初めて買った。インターネットを通じて古本を売ったことはある。雑記草で豆盆栽の本の話*1を書いたところ、その本を探していた方がweb検索で件の記事を見つけてそれを譲って欲しいと申し出てきた*2。買うのは今回が多分、初めてだ。

 インターネット専門の大型書店*3で買った。もともと絶版している本なので通常の書店では扱われていない。古本でも家にいながらにして検索して購入できる*4というのは、凄い世の中になった。こんなに便利になり過ぎていいのだろうか。まぁ、古本検索については、巷の古本屋を廻って探しまくる時間と労力とを考えると効率が格段に上がって、何となく得しているような気がしないでもない。

 古本屋を廻ることが何から何まで無駄かと言えばそうでもない。記憶の片隅にあった本を見つけ出すとか全く違った分野の本を偶然手に取ると言うこともある。検索語句や文字による検索ではこういった余禄*5に与ることが殆どない。

 買ったのは新潮社の写真集「芋っ子ヨッチャンの一生*6」という本である。新潮社は写真集*7の出版事業から撤退してしまっている。だから新本を売る書店には一切並んでいない。

 以前から欲しいと思っていた。新潮社が書店から回収する前に立ち読みして欲しいと思ったが、いつでも買えるから後で買えばいいと思いその時は買わなかった。それから暫くして買おうと思って本屋で探すとどこにもないと言う状況になってしまっていた。やはり本は欲しいと思った時に買っておかないと駄目*8なのである。

 それ程希少な本ではないので、インターネットで買おうと思えば買えるのだが、別の理由で躊躇していた。写真集は病いによって五歳でこの世を去った子供の一生を描いている。写真を撮ったのは写真家であった*9その子の父親である。購入を躊躇してきた理由は、写真集の中の子供と自分の子供とを完全に重ねてしまっていたからである。写真を撮る父親と自分自身も重ねている。もし自分の子供が五歳でこの世を去ってしまったら耐えられないだろう。そう思いながら写真集は欲しいと思う。悲劇を観たがる感覚である。

 購入に踏み切ったのは、末の娘がもうそろそろ五歳*10になるからである。何となくだが、五歳ぐらいになれば病気で死ぬ確率がぐっと減るようなような気がしているのだ。



*1 豆盆栽
*2 豆盆栽(3)
*3 Amazon.co.jp
*4 Amazon.co.jp: マーケットプレイス
*5 goo辞書
*6 芋っ子ヨッチャンの一生 / 影山光洋著
*7 安井仲治
*8 本の買い方
*9 影山光洋
*10 新しい家族

060316

 ナチ党の専属写真家ではないもう一人のハインリッヒ・ホフマン*1がいた。「もじゃもじゃペーター*2」という絵本の作者である。もじゃもじゃペーターの絵は見たことがあるような気がする。こちらのホフマンはナチ党のホフマン*3よりも少し昔の人で、1809年生まれである*4。本業は精神科の医者であったらしい。

 もじゃもじゃペーター*5独立した十話で構成*6されている。子供のしつけのための絵本である。絵がおどろおどろしい*7。子供の頃にこんなのを見せられたら、克明に脳に焼き付けられてしまう。しつけの効果はかなり高いだろう。

 この絵で思い出したのは、蛭子能収*8漫画*9である。絵の雰囲気が何となく似ている。



*1 群衆の中の無名時代のヒトラー(2)
*2 Der Struwwelpeter, oder, Lustige Geschichten und drollige Bilder für Kinder von 3-6 Jahren(もじゃもじゃペーター)
*3 Biographie:Heinrich Hoffmann, 1885-1957
*4 Heinrich
*5 Das Struwwelpeterhaus
*6 『もじゃもじゃペーター』Stuwwelpeter by von Heinrich Hoffmann
*7 Hoffmann - Struwwelpeter
*8 蛭子能収 OFFICIAL WEB SITE
*9 蛭子能収ギャラリー

060317

 幼少の頃、よくとろろ飯*1を食べた。擂り粉木*2とおろし金ですったとろろ芋が入った大きなすり鉢*3とを母が床に置き、父が擂り粉木ですりながら、だし汁をお玉杓子で少しずつ注ぐ。汁は母が注ぐ。我々兄弟*4はそれをじっと見守るか、すり鉢を押さえる役目を貰う。時々は擂り粉木を回させてもらえた。

 とろろ飯は何杯も食べられた。ご飯は茶碗にかなり少な目に盛られたので何度でもおかわりをした。だし汁が入っているので、何杯も食べるとお茶が欲しくなる。ところがとろろ飯の後にはお茶を飲んではいけないと言うことになっていた。一時間は我慢しろと言われていた。子供にとって一時間はかなり長い*5。とろろ飯は大好きだが、その後のこの苦行が辛かった。

 なぜお茶が御法度だったのか。とろろ飯を食べた後直ぐにお茶や水を飲むと中気(ちゅうき)になると言われていた。中気*6とは脳卒中*7のことである。これが食い合わせ*8の迷信であることは大人になってから知るのだが、この頃は家族全員が信じていた。

 この迷信は尾張*9地方だけではなく、東京でも同じ迷信があった*10ようだ。もしかしたら全国的な迷信かも知れない。



*1 花山村の自然薯/とろろめしの作り方
*2 めじろ、ロシヤ、野蛮国
*3 素材集・調理の道具
*4 風呂での出来事
*5 時間感覚
*6 脳卒中
*7 脳卒中ホームページへようこそ
  *8 食べ合わせの検証(1)避けたい食べ合わせ
*9 愛知
*10 怪異・妖怪伝承データベース とろろ飯,蕎麥,中気,(俗信)

060318

 先日、掲示板への自動書き込み対策*1を行った。しばらくすると対策前よりはひどくはないが、ぽつぽつと書き込まれるようになった。対策の内容は掲示板*2の住所「http://www.zakkisou.com/zakkibbs/zakkibbs.cgi」を変えてしまうと言う方法だった。こうすれば掲示板住所の自動検出装置は改めて掲示板の住所を探さなければならないので、その間は書き込みがなくなると考えた。web上には何十億ものページ*3があるのでその中から、新しい雑記草の掲示板の住所を見つけるのはかなり時間がかかるだろう。

 そう考えていたが、甘かった。見つけられて書き込みが始まった。

 根本的な解決方法は思い付かないので、住所を定期的に変更する方法は継続する。困ったことがある。雑記草内の様々なページに掲示板のリンク*4が設定してある。過去の記事のページそれぞれに二箇所づつリンクがある。過去の記事ページは現在、80ページ以上ある。掲示板の住所を変えてしまうと過去の記事のページのリンクが切れてしまう。これをいちいち修正するのは面倒過ぎる。

 そこで一旦別のページに移動してから掲示板に自動的に行くという方法を考えた。一旦別のページとは元々の掲示板の住所「http://www.zakkisou.com/zakkibbs/zakkibbs.cgi」である。そこから直ぐに新しい掲示板へ移動する。そうすれば掲示板の住所を変更した時は「別ページ」に記載されているリンク先、即ち変更した掲示板の住所を変えるだけで、過去の記事ページのリンクは有効のままである。



*1 掲示板の自動書き込み対策
*2 雑記草掲示板
*3 Google の人気の秘密
*4 リンク

060319

 蝶和名スロット*1を改造した。スロット*2で出てきた蝶の和名が、どんな蝶なのかweb上で直ぐに検索できるようにした。たまに本当に存在する蝶の名前が出てくるはずなので、それがどのような蝶なのかが知ることができる。

 ところが大抵は、検索サイトがページの内容を一時的に保管する「キャッシュ*3」にこの蝶和名スロットで生成した名前が入っているので、これが筆頭で抽出されてしまう。結局、堂々巡りである。

 改造してはみた*4が、思ったほど面白くならなかった。



*1 蝶和名スロット
*2 スロットルマシン
*3 Google の人気の秘密
*4 蝶和名スロット

060320

 ピアノ線*1の語源は何か。ピアノ線というと、言葉だけだと楽器のピアノ*2を想像するが、「ピアノ線」という言葉は大抵ピアノ以外の場面*3で出てくるような気がする。

 ピアノ線*4の語源は楽器の「ピアノ」だった。ピアノの*5に使われる鋼の線だから、ピアノ線と言うらしい。一般にピアノ線はピアノの弦に限らず硬鋼線の種類を表す名称*6だが、ピアノ製造業者や調律師*7はこれを区別してミュージックワイヤ*8と呼んでいるようだ。



*1 新星工業株式会社・硬鋼線・ピアノ線
*2 ハープシコード
*3 Kiso Instrumental Repair
*4 第1回 ピアノ線と硬鋼線
*5 複弦の歴史【鈴木金属工業】
*6 世界と手をつなぐピアノ産業-ピアノ線製造
*7 四季・ユートピアノ
*8 おはなしミュージックワイヤ【鈴木金属工業】

060321

 迷信*1といえば、「火傷には醤油*2」というのがあった。今は流水で冷やして医者に診てもらう、軽度の火傷で自宅で処置をする場合は軟膏を塗る*3のが正しいようだ。チンク油も軟膏に入るのだろうか。とにかく酷い火傷にはチンク油*4も何もつけない方がいいらしい。

 それにしてもなぜ醤油がいいと言うことになっていたのだろう。チンク油*5にも醤油*6にも「油」という漢字が入っているから、同じ様な効果があるだろうと考えられたのか。

 幼少の頃、風呂から上がって裸のまま立ってテレビジョンを見ていて、そのまま後ずさりしたら、置いてあったストーブ*7に尻をつけてしまい火傷を負った。この時に醤油を尻に塗られた。大した火傷ではなかったので痕も残っていないが、両親が大慌てで醤油を塗ってくれた記憶が残っている。



*1 とろろ飯と中気
*2 火傷の薬 - 狛江市役所
*3 やけどの手当
*4 アクリノール・チンク油 薬検索 - goo ヘルスケア
*5 チンク油
*6 秋の夜長に
*7 アラジンブルーフレームヒーター

060322

 昔、ファッション通信*1というテレビジョン番組を毎週観ていた。現在もこの番組は続いている*2。しかし観なくなってから十年程度が経過している。

 三十分番組で世界各地で開催されるコレクション*3の紹介などが中心であった。解説は大内順子*4で、彼女の「アバンギャルドな○○」という台詞が印象的だった。



*1 「ファッション通信」1000回 テレビ東京→BSジャパン : TV : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
*2 ファッション通信
*3 コレクション-エル・オンライン-
*4 ファッション・ジャーナリスト 大内順子さん

060323

 幼少の頃、「馬跳び」という遊びを良くやった。ただ、我々がやっていたこの馬跳びという遊びは、他の地方の人がやっていたそれと全く違う*1ということを随分大きくなってから知った。

 まず地面に一本線を引く。これが起点(線)となる。じゃんけんで「馬」と「親」を決める。それ以外は自動的に「子」になる。一番負けた者が「馬」勝った者は「親」となる。「子」もじゃんけんで順位を決める。

 馬役は地面に引いた線に片足を揃えて馬になる。地面の線の手前から一人ずつ跳ぶ。一番最初に跳ぶのは「子」の一番順位が低い者である。最後に親が跳ぶ。全員が跳ぶまで馬は交代しない。親は馬を跳んだ後の自分の着地点に最初の線と平行に別の線を引く。今度は新しく引いた別の線に足を揃えて馬になる。つまり最初の線と親の着地点の線との間隔分だけ馬の位置がずれるのである。上手く馬が跳べなかったといった失格者が出なければ馬の交代はない。

 次に親は「△歩」と宣言する。△には数字が入る。「三歩」ならば子は最初の線から馬を跳ぶまでに三歩以下で行かなければならない。「零歩」と宣言する場合もある。この場合は最初の線から足をつかずに馬を跳ばなければ失格となる。最初の線までの助走は無制限であるが、助走も親が制限する場合がある。最初の線の上に立ってそこから始めるのである。この制限の言い方が確かあった。「立って△歩」「立ちで△歩」だったか。

 △歩以下なので親の宣言より少ない歩数でもいい。ただし順位の低い者が少ない歩数で跳んだ場合は次の順位の者はそれ以下で跳ばなければならない。また助走無しで跳んだ場合もそれ以降はそれに従わなければならない。順番が後になるに従って馬を跳ぶことが難しくなっていくので、最後に跳ぶ親は一番難しくなる。親が跳べずに失格すれば親は「馬」にならなければならない。親は自分の実力を勘案して歩数を宣言することになる。そうしないと直ぐに親の座から引き下ろされてしまう。親は権力、跳躍力の象徴だったので、親の座の剥奪は屈辱的なことであった。

 親が指定した歩数で馬に到達して跳べないと失格となり馬になり下がる。馬だった者は子の最下位となる。失格者が複数いた場合は、その内の最下位の者が馬となりそれ以外の者は元の順番に従って下から順位が決まる。馬だった者は跳べた者の内の最下位になる。親が子の歩数以下で跳べなかった場合は親が無条件で馬になり、後は同様に子の順位が決まる。

 例えば「い(×)ろ(○)は(×)に(×)ほ(○)へ(×)と(○)親(○)」という結果だった場合、「い」が馬となり、順位は「は(×)に(×)へ(×)馬(ー)ろ(○)ほ(○)と(○)親(○)」となる。全滅の場合は馬だった者が親になる。

 こういったことを何度も繰り返す内に最初の線から馬の位置まで10m以上になる場合もある。そんな時も親は「十二歩」とか「十三歩」とか宣言して時間のある限り延々と続けるのであった。



*1 馬跳び

060324

 中学生の頃だったか、母が食卓にこんにゃく*1の煮物を出しながら「金玉*2の中がきれいになるから沢山食べなさい」と突然言われた。そんな話しをどこから仕入れてきたのだろうと思いながら食べた気がする。

 今になって調べてみると金玉の砂払になる*3と言う迷信が一般的のようだ。そういえば母も砂が取れるとも言っていたような気がする。そもそも何処から「金玉の砂払」という発想が出てきたのか気になる。

 日本で最初の百科事典*4と言われている和漢三才図会*5に「こんにゃくは腹中の土砂を下ろし、男子最も益あり*6」と言う噂があると記されているらしい。女子供ではなく成人男子に最も効果がありというところから「金玉」という話ができたのだろうか。

 内臓で砂が関係するところは人間にはないが、鳥の砂肝*7がある。砂肝は肝臓ではなく二つ目の筋肉質の胃*8で、これで硬い餌を一緒に飲み込んだ砂や小石ですり潰して消化*9する。鶏など穀物を食べる種類の鳥はこれが良く発達しているらしい。

 砂肝のこりこり感と金玉のこりこり感とがよく似ていそうなので、金玉にも砂が入ると考えたのだろうか。



*1 日本こんにゃく協会
*2 金玉
*3 お茶ウケな話
*4 相互参照
*5 和漢三才図会(わかんさんさいずえ)
*6 腹中の砂を下ろす
*7 インコの器官と疾病
*8 砂肝
*9 COLO%205069%20open%20gizzard.jpg

060325

 一番末の娘*1が通う保育園の担任の先生が転籍する。それを聞かされた園児達はみんな悲しんだらしい。ある園児は、先生を飛ばした園長に文句を言いに行く、と息巻いていたようだ。

 件の先生によると、皆泣いていたのだが、家の娘だけは泣いていなかったと言う。それを聞いた妻は娘に嫌じゃないの、先生がいなくなってしまうのよと聞いた。すると娘は「どっちでもいいもん」と答えたらしい。

 暫くしてから娘が妻のところに来て「本当は少し泣いたの」と洩らしたらしい。



*1 おさるし

060326

 一番末の娘*1が部屋を出ていく際に「遊んで頂きましてありがとうございました」と言った。

 一体こんな敬語をどこで覚えてきたのか。四歳児にしては不釣り合いな言葉遣い*2に笑わされた。



*1 末娘の強がり
*2 いらんです

060327

 上か下かは重力の方向で決められている *1。通常は地球上でないと上下が決まらない。宇宙では上下がないので、宇宙にぽっかり浮かぶ地球自体の上下というのはない。しかし大抵の世界地図*2北を上にして描かれている*3ので、北極が地球の「上」と漠然と思っている。地球儀*4北極を上にしている *5

 宇宙では上下がないから、地球の上下を理屈では決められない。決めようとするならば、地球は回転しているから普通の感覚だと回転に沿った方向に上下を決めることになるだろう。となると北極か南極かだ。そして前述の理由から北極が上になる。

 *6はどうか。*7の回転軸と地球の回転軸とは大体同じ方向になっているので、地上から見て「上」の部分が月の上になるのだろう。

 ところが北半球と南半球とでは「月の上下」が逆になる*8。そもそも上下などないはずだが、何となく変な感じがする。



*1 左右の定義
*2 六大州
*3 世界の統計-世界地図
*4 風船地球儀
*5 Google Earth
*6 月
*7 月の表側
*8 こよみのページ 月の見え方・北半球と南半球

060328

 空の月の上下*1は地球の南北にあわせて決めている。学術的に決められている訳ではない。宇宙には「上下」を決める術はないので、筆者が勝手にそう決めているだけである。ただ、大抵の人は自分が住んでいる所から見た月の上の部分を「月の上」、下の部分を「月の下」と考えているに違いない。

 それでは太陽系の惑星の上下はどうか。これも月と同様、自転軸に沿った方向のどちらかを上にするのだろう。例えば木星*1には特徴的な模様がある。大赤班*2と呼ばれる大きな斑点がある。多くの木星の写真*3は、この大赤班が下半球に来るように配置される。

 太陽系の惑星の公転面は大体一つの平面上に揃っている *4。木星の自転軸と地球のそれは殆ど同じ方向を向いているので、月と同じように考えて地上から見て上になっている方が木星の上になるだろう。大赤班は「木星の南半球 *5」と説明されている。つまり地球の北半球から見れば木星の大赤班は下になる。南半球であれば大赤班は上になる。

 天体望遠鏡を通して見ると上下が逆に見える*6。月のように肉眼で表面の模様が見える場合は、違和感が付きまとうが、木星の大赤班は肉眼では見えないので、望遠鏡で見た通りが上下と言ってもおかしくはない。天体にそもそも上下はないのだから北半球南半球を決めておいて「北半球を上とする」としておけばすっきりする。では南北はどう決めればよいか。地球の北半球と同じ方をその惑星や衛星の北半球とすればいいだろう。



*1 月の上下
*2 NASA's Solar System Exploration: Multimedia: Gallery: Jupiter Great Red Spot
*3 Catalog Page for PIA02873
*4 太陽系最縁部に発見された巨大天体
*5 衝突で一つになった木星の白斑
*6 天体望遠鏡観測の方法 (科学のつまみ食い)

060329

 スライドフィルム*1を現像に出したら何も写っていないコマが五つもあった。これはレンズの保護板が閉まった状態*2で撮影したからである。

 この様な不具合は去年の十一月頃から発生*3していた。この現象に気付いた頃は、撮影前にいちいち保護板の状態を確認していたが、たまにしかこういった現象に出くわさないことから確認をついつい忘れてしまっていた。今回は連続五コマにわたって保護板が閉まったままであった。今回、何を撮影したのかさっぱり思い出せない。前後のコマから推測できそうだが、今回は36枚をほぼ一ヶ月ぐらい掛けて撮り終えたので、コマの連続性が薄れている。何を撮ったのか憶えてないのだから、それはそれで初めから撮影していなかったと思って諦めればいい。

 こういうことが頻繁に起こるとなると問題である。修理に出すことを考え始めた。修理するのはいいが、相当高くなるかもしれない。不具合が発生するGR1v*4というカメラは既に製造が中止されているし、しかも製造者業者のリコー*5フィルム式カメラの製造販売自体を停止*6してしまっている。納得できる値段での修理は可能なのか。



*1 コダック:フィルムの選択:カラー スライド フィルムとカラー プリント フィルム
*2 GR1v(4) GR1v_1.jpg
*3 GR1v(4)
*4 リコー GR1v 35mmレンズシャッター
*5 株式会社リコー | Ricoh Japan
*6 リコーのカメラ(2)

060330

 惑星や衛星*1の南北はどうやって決めればいいか。地球の北半球から見て上半分を北半球*2とすればいいのだろうか。これなら月のように殆ど地場のない場合*3でも南北が決められる。磁場では、地球でさえ過去何度も磁極の反転を繰り返してきた*4様なので普遍的な定義にはなりにくい。

 惑星や衛星は自転をしている。見た目だけではなく自転軸を基に南北を決めたくなるのが、人情だろう。天王星の自転軸は横倒し*5になっている。従って南北を見た目の上下と考えると落ち着かなくなる。また金星は自転軸が地球と反対*6になっている。自転軸が反対というのはどういうことか。大抵の惑星は公転と同じ方向に自転している。天王星は前述の通り、自転軸が横倒しになっているので自転が公転と同じ方向かそうでないかと言うのは判断しづらい。自転軸の傾斜の角度(赤道傾斜角 )が98度*7で、90度以上だから反対に回っていると言えるかも知れない。

 では金星の南北は地球のそれと逆と考えればいいのだろうか。つまり金星の場合、地球の北半球での見た目で上になっている方が南半球となる。



*1 太陽系のあらまし
*2 木星の上下
*3 FAQ: 月の磁場
*4 地磁気反転の謎に迫る 見えてきた内部磁場の動き:日経サイエンス
*5 国立科学博物館-宇宙の質問箱-天王星・海王星編
*6 日本惑星協会 惑星を知ろう...[ 金 星 ]
*7 美星町 星のデータベース 天王星 Uranus

060331

 数十年前まだ世間に貸しCD屋ではなく貸しレコード屋*1が沢山あった頃、こんなことを考えていた。いちいちレコードを借りて返すのは面倒くさい。すでに音楽をデジタル信号化*2したCDが市販されているのだから、このデジタル信号を電話線を使って送れば家に居ながらにして音楽のデータが手に入る、と考えていた。送り方はファクシミリ*3と同じようにすれば、簡単にデジアル信号が送れるはずだ。

 当時は音楽データを手に入れることばかり考えていて、課金の方法を全く考えていなかった。商売として成り立たないとこの仕組みは現実化しない。今考えるとダイヤルQ2*4などを使えばいいだろう。

 そして現在、これが実現化して「音楽デジタル配信 *5」が普及している。数十年前に考えた通り、電話線で音楽を入手することができるようになった。課金の問題だけではなく、著作権の問題や実用化に足るデータ送信速度、家庭におけるデジタル信号処理速度の問題などが解決されて、ようやくデジタル配信が実現した。

 そう言えば母が子供の頃に映画を見ながら、これが自分の家で観れたらどんなに素晴しいことかと考えていたら、テレビジョン放送開始*6によってそれが現実化された *7、と話していたことがあった。数十年先を読む能力が遺伝したのだろうか。

 すごい能力のような気がするが、余りにも先すぎて役に立たない気もする。



*1 社団法人 日本レコード協会|各種情報 CDレンタル
*2 音声信号のディジタル化 - 声と音の技術 - 研究開発 - Oki
*3 FAXの原理 ファックスの説明
*4 NTT東日本|ダイヤルQ2
*5 情報通信白書 for Kids:インターネットの世界:できること:音楽と映像・音楽配信・音楽配信のしくみ
*6 内田秀男博士
*7 テレビ朝日|日曜洋画劇場



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