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0511雑記草
051102石垣沖縄旅行*1の際、玉泉洞*2という鍾乳洞に行った。ここの食堂の入り口にブロンズ像*3があった。解説に「白旗の少女*4」とある。
投降を決心して白旗を掲げて洞窟から出てきた時、アメリカ軍の写真班に「スピ・グラ」と呼ばれる大型カメラを向けられて咄嗟に手をかざした瞬間を捉えた写真*5を元にして作った像である。当時、米軍は女を殺さないという噂が沖縄本島南部に広く流れており、少女を先頭に降伏する例が相当あったらしい、と解説してあった。「スピ・グラ」とは「スピード・グラフィック*6Speed Graphic*7」の略でアメリカのGraflex社*8が製造していた。
この像と解説とを見た時、戦争の悲惨さが瞬時に伝わってきた。子供が白旗をかざして投降する異常な状態。当時の子供が白旗を振ることの意味を知っているはずがない。後ろには大人や兵士が一緒にいたのである。子供を先頭にさせて敵に向かわせる感覚。全てが狂っていたのである。
この記事を書くに当たって少し調べた。この白旗を掲げて投降する少女*5の別の写真*9があった。旗の柄を右手で持って左手を顔の前にかざしている。格好は最初の写真とほぼ同じだ。おそらくほぼ同時に撮影されたのだろう。少女の後ろには日本兵らしき人物が二人写っている。
そうなるとブロンズ像の解説が少しおかしくなってくる。カメラを向けられて咄嗟に手をかざした理由は、自分に銃口を向けられたと勘違いしたため、といわんばかりである。はっきりとそうだとは書いてない。しかし読めばそうとしか読めない。そしてそのような状況になるのは洞窟から恐る恐る出てきてアメリカ兵と面と向かった時だ。目の前にいるアメリカ兵が見たこともない装置を自分の方に向けていることに気付けば撃たれると思い咄嗟に顔をおおうだろう。ところが二枚目の写真にも辺りに洞窟が写っていない。投降した日本兵らしき人物たちと一緒に逃げも隠れもせず歩いてきているのである。こんな状態でアメリカ兵が撃ってくるとは子供でも普通は思わない。少女の表情を見ても、こわばっているが殺される恐怖というのは感じられない。
もう一つ写真があった*10。戦場というより往来である。最初の写真と撮影時刻は殆ど変わらないだろう。どうも少女は単に手を振っただけ*11のような気がしてきた。
写真は、加工されていなければ大抵は事実を表現している。しかしそれに付け加えられる解説や写真の組み合わせによっていくらでも間違ったもしくは意図した特定の印象を伝えることができる。今回はそれに見事にはまってしまった。
結局、本当のところはもっと調べなければ判らない。真実の姿を曲げてでも戦争の悲惨さを伝えたいと考えることもあるだろう。悲惨さを伝えることは正しいが、真実を曲げるというのは正しくない。しかしそれもこれも戦争が元凶なのである。
*1 石垣島・西表島・沖縄本島
*2 沖縄の歴史・文化・自然を体験できるテーマパーク「おきなわワールド-文化王国・玉泉洞」
*3 white_flag.jpg
*4 青い鳥文庫 白旗の少女
*5 white_flag2.jpg
*6 The Classic Camera スピグラ
*7 Anniversary Speed Graphic
*8 Graflex.Org: Speed Graphics, Large Format Photography, and More
*9 The girl with the white flag
*10 命どぅ宝 白旗の少女
*11 06030524.jpg
051103写真と真実との関係*1で思い出すのは、次の写真*2である。ベトナム戦争の写真である。これは昔からよく見かけた。負傷した我が子を抱きながら呆然と、その顔を眺める母親の姿だ。
母親の右手には小さな紙片が握られている。これは紙幣らしい。確かにそう言われると紙幣に見える。このことは新藤健一の「写真のワナ」という著作に書いてあった。これを指摘したのは、当時、UPIサイゴン支局にいた酒井淑夫*3氏だったらしい。彼は、この写真を撮影したウィリー・ヴィコイ*4本人に母親が握っている紙幣のことを問い質した。負傷した子供を抱く母親が何故紙幣を握っているのか。するとヴィコイは答えに窮してしまったらしい。
写真の語源は「ありのままを写す」だろう*5。写っている姿は事実そのものである。写真は事実そのものだから報道としては正しい。しかし我々がその報道写真から本当に知らなければならないのは、その写真に写っている事実に至った経緯である。それが誰が見ても正しく伝わればいいが、伝わりにくければ題名や解説を付ける。写真そのものは瞬時に物事を伝えることができる。これを最大限に発揮した写真が最も優れているだろう。撮影者も題名や解説無しに伝えることが一番と考えているはずである。
そのために少しでも解りやすく、衝撃的な写真を撮りたいと思っている。そのために色々な努力を払う。時には被写体に向かって注文する場合もあるだろう。しかしそれをやった途端、撮影された瞬間までの経緯が歪められる。報道では許されない行為だろう。
こういった話を知るとヴィコイの写真*6を色眼鏡を通して見てしまう。しかしこれはヴィコイだけの話ではない。他のどのような報道映像にも考えられることなのである。
*1 白旗の少女
*2 TIME Magazine Cover: Vietnam - Mar. 31, 1975 - War - Vietnam - Children
*3 二人のピュリツァー賞カメラマン 澤田教一・酒井淑夫写真展
*4 Prix Bayeux WILFREDO (WILLIE) VICOY
*5 写真の意味
*6 【避難する家族たち】
051104テレビジョンをたまたま見ていたらミャンマーの山岳民族*1の紹介をやっていた。その民族は日本人と同じように稲作をして米を食べるらしい。ほんの少ししか見ていないので稲を栽培しているのか自生している稲から米を穫るのかはっきりしなかったが、とにかく日本の稲作と似たようなことをやっていた。
日本から行った青年と現地の少年とが一緒に籾米*2を臼のような物に入れて杵でつく場面が出てきた。その場面の説明の字幕が出た。「脱穀」と出てきた。
この作業は脱穀ではない。「籾すり」である。脱穀とは稲穂から籾を取り離すこと*3である。読んで字の如くだ。籾から籾殻を剥ぐことを籾すり*4という。ミャンマーの少年との作業は明らかに籾すりだった。
何故こんな間違いが発生したのだろうか。放映前に確認できなかったのか。番組製作担当者が稲作を経験したことがないことや知識不足でこういった間違いを犯すこともあるだろう。しかしこれくらいのことに気付く年長者がいなかったのだろうか。番組としては、日本からの青年は農耕民族である日本人の代表のつもりだったろうが、籾すりが「脱穀」では情けない。
この記事を書く上で見つけたこの写真のページの解説には「臼に籾を入れ杵で搗いて脱穀する*5」とある。上の例と全く同じである。
とここまで書いて念のため「脱穀*6」の意味を他の辞書で調べてみた。「もみがらを穀粒から取り去ること」という意味もあった。新明解*7と広辞苑*8とにはそう書いてあった。
字幕も写真のページも間違ってはいなかった。
*1 ふしぎの国ミャンマー よろず情報局
*2 展示コーナー10月4日から「米」の展示
*3 稲刈り(いねかり)・脱穀(だっこく)
*4 乾草(かんそう)・もみすり
*5 脱穀
*6 だっこく 0 【脱穀】 - goo 辞書
*7 待てば甘露の日和あり
*8 安く手に入れた国語辞典
051105ひょうたんの表皮を剥く*1ため水に漬けておいた。水で皮がふやけて皮が簡単に剥けるのである。水から取り出すと結構臭う。臭いのでない薬で中身を溶かした*2が、少し残っている中身が腐ったのか表皮からの臭いなのか。素手で触ると臭いが手に移って一日取れないと言うのでゴム手袋をはめて表皮削りを行った。
表皮を取り除いた後、中に残っている種を取りにかかった。口が小さいので中に水を入れてはひょうたんを振って水と一緒に種を抜くと言う作業を何度も繰り返した。ひょうたんを振る時に過って地面に落とすと割れてしまう。これまでの苦労が水の泡にならぬよう、細心の注意を払いながらひょうたんを振る。
いくら振っても種が中で詰まってなかなか出てこない場合がある。そんな時はひょうたんの小さい口から勢いよく水を入れるとひょうたんの中の空気によって水と種とが一緒に吹き出してくる。
種だしは完了したが、臭いが気になる。この臭いを除去するには更に水に漬けておく必要がある。ひょうたんはいつになったら出来上がるのか。
*1 ひょうたん(9)
*2 ひょうたん(7)
051106気体が赤外線を吸収するとはどういうことか。空気を構成する酸素や窒素のような他の気体よりも二酸化炭素が赤外線を吸収しやすいと言われている。気体の分子が赤外線を吸収すると言う現象を感覚的に把握するのは難しい。考えてみると気体だけではなく、どんな物でも赤外線を吸収すると熱くなるのもよく解らない。何故熱くなるのか。
赤外線とは熱線である。物が赤外線を吸収すると暖かくなるので熱線と呼ばれるのである。赤外線は電磁波の一種で、電磁波というのは電気と磁気とが交互に変化する状態が伝わる波*1と考えられている。電波や光やX線も電磁波の仲間*2である。一秒間に電気と磁気とが交互に変化する回数が違うだけである。電磁波が伝わる速度は真空中ならばどんな場合でも一定*3だから交互に変化する間隔、即ち波長が違うだけとも言える。
一方、物質は全て電気で構成されている。原子核は正の電気を持っており、電子は負の電気を持っている。物は原子で構成されているから、電気で構成されているといえる。電気や磁気は互いに反応し合うので、電気や磁気の波がくれば原子は何らかの影響を受ける。波だから場合によっては原子や分子が揺さぶられると考えてもいいだろう。揺さぶられれば熱を持ったことになる。物と物とを擦り合わせてそれらの物を構成する原子や分子を揺さぶっても熱が発生する。赤外線でも摩擦*4でも揺さぶられることには変わりはないので同じ「熱*5」が発生していると考えればいいだろう。物が熱を持てば、手で触れたり近づければ暖かいと感じるので、熱を持ったと言うことが判る。因みに原子や分子が振動すれば電気が揺れていることになるので、そこからも電気や磁気の波が出てくることになる。手を近づけるだけで瞬時に暖かさが判るのはこの作用である。また物を熱すると熱線を放ったり赤く光ったりする*6のもその所為である。温度を持つ物は必ず電磁波を発していることになる。特殊な物質*7だけが出すのではない。
固体*8や液体*9の場合は「揺さぶる」という感覚で理解できる。気体の場合、「揺さぶる」ではどうも違和感がある。気体は分子や原子が空間を自由闊達に飛び回っている状態*10を指す。気体が熱を持つと言うことはこの飛び回り方が激しくなる*11ことだろう。そうなると赤外線を気体に照射すると気体分子が加速されるのだろうか。
これは考えにくい。電磁波によって気体が押し出される理由がない。気体分子が飛び回っている途中で赤外線に当たるとする。原子や分子はそれ自体は通常電気的に中性になっているはずなので、電磁波は分子や原子の重心の運動に影響を与えることはないだろう。つまり飛び回り方に変化はないはずである。だが赤外線は電磁波なので分子を揺さぶる。気体分子は飛びながら揺さぶられるはずである。揺さぶられている時に別の分子が衝突すれば揺さぶられた勢いが衝突した分子に伝わり分子の速度が上昇する。気体全体でこういったことが繰り返されて分子それぞれの飛び方が激しくなっていくのだろう。気体分子の飛び方が激しくなれば、その気体に手を入れた時、分子が激しく当たるので暖かくなった感じる。
気体に対して赤外線の照射を停止するとどうなるか。そのままである。今度は変化する理由がない。温度は下がらないのか。熱と温度とは概念が違う*12。熱はエネルギー*13なのでエネルギーの出入りがなければ、変化しない。温度はその物質を構成する分子や原子などの粒子の分布状態によって変化するので、気体に何らかの変化*14がない限り温度も変化しない。実際、容器に入れた気体の温度が下がるのは容器を通して熱が移動するからで、熱(またはあらゆるエネルギー)の移動が全くない仮想の容器であれば温度は変化しない。
では気体から電磁波が放射されないのだろうか。前述したように温度を持ったあらゆる物質は電磁波を発する。電磁波はエネルギーを持つので電磁波が放たれればエネルギーが放出されることになる。エネルギーが減れば熱が冷めることになる。ところが気体分子は飛び回っているだけなので電気や磁気が交互に変化する気配がなさそうだ。一体どう考えればいいのか。
*1 電磁波
*2 電磁波
*3 光の速度
*4 空気の摩擦
*5 Heat (Japanese)
*6 ヘリウムの発見
*7 トルマリンとは?
*8 solid-b.gif
*9 liq-b.gif
*10 気体の状態
*11 原子力百科事典 ATOMICA
*12 温度の正体(3)
*13 ?を!に...>解説集>>熱と温度
*14 A. プラズマとは
051107気体と赤外線との関係*1の続き。全ての物は分子や原子で構成されている。それらは正の電気を持った原子核と負の電気を持った電子で構成されているので電気と磁気の波である赤外線が当たれば振動するなどして影響を受ける。逆に分子や原子が振動すれば赤外線などの電磁波が発生*2する。
気体の場合はどうだろう。気体というのは分子や原子がばらばらになって空間を飛び回っている*3状態である。飛び回っているだけで、電磁波が出るのだろうか。赤外線など電磁波は電気や磁気の波*4と考えられているから、分子や原子に波になるような動きがないと電磁波は出てこないだろう。やはり飛び回っているだけでは駄目なような気がする。
何かにぶつかれば原子の中の電子や原子核が揺さぶられるに違いない。何にぶつかるか。気体の分子や原子同士が互いにぶつかり合えば、電磁波が出てきそう*5な感じがする。単位時間にぶつかる頻度は温度が高くなればなるほど多くなるはずだから、出てくる電磁波の周波数も高くなる。周波数が高いということは波長が短くなると言うことである。同時に電磁波の強さも高くなるだろう。ぶつかり方は一様ではないから色んな波長の電磁波が出てくる*6。
身の回りにある物体の大抵の温度は20℃ぐらいだから波長が10μm程度*7の赤外線*8が中心となって放出されていることになっている。
*1 気体と赤外線
*2 冷凍光線
*3 化学は面白い
*4 waveb.gif
*5 mechanism of continuum spectrum
*6 黒体輻射の公式−プランク分布−
*7 ウィーンの変位則 - Wikipedia
*8 クラボウ/[知識の部屋]赤外線の話
051108温度がある物体は必ず電磁波*1や光を発する。ここで光は電磁波の一種なのでまとめて電磁波とする。どんな物体にも温度があるので、物体は全て電磁波を出しているとしていい。
「黒体輻射*2」という言葉がある。「黒体」とは、見た目が黒いからそう名付けられた。黒体は電磁波を全て吸収すると仮定した物体である。光も吸収するので黒く見える。光や電磁波を全て吸収する物質はおそらくどこにもないだろうから仮想の物質である。逆に全ての光や電磁波を反射してしまう物質は鏡のように見える。この場合黒体に対して「白体」というのだろうか。全てを反射してしまうので、白体と電磁波とは相互作用が一切ない。これでは科学的な議論をする余地がない。従って特別に「白体」と名付ける必要もないような気がする。
黒体は、温度があれば温度に対応した電磁波を放出する。その放出するエネルギー量は黒体の温度のみに依存*3する。逆に電磁波を吸収すればその吸収している電磁波のエネルギー量に対応した温度を持つのである。
真に黒くない実際の物質は光を全部吸収するわけではない。一部反射したり透過しているので「黒体」とは違う振る舞いをする。
実際の物質は原子で構成されている。原子は正の電気を持った原子核と負の電気を持った電子とで構成される。一方、電磁波とは電気が作る雰囲気と磁気が作る雰囲気とが組合わさった波*4と考えられている。それぞれの雰囲気は専門用語で「電界*5」「磁界*5」と呼ばれている。原子は正負の電気が均衡を保っているが、何らかの原因でその均衡が周期的に崩れると雰囲気つまり電界が周期的に変化するので波が発生する。電界の波ができるとつられて磁界の波ができる*6。磁界の波ができるとつられて電界の波ができる。これの繰り返しが電磁波である。
例えば原子核が中心になってその周りに電子が上手く取り巻いていれば均衡が取れていることになるが、電子の取り巻き方が変化したり原子核の位置がずれたりすれば電気の分布の均衡が崩れることになる。原子が振動したり周期的に何かに衝突したりすれば原子の電気の均衡が崩れるので電磁波が発生することになる。ということは物体に熱*7があるだけでも電磁波が出る。
ところが原子の電気の均衡状態が崩れにくい場合があるらしい。水素分子や窒素、酸素分子などそれぞれ同類の二つの原子が結合してできている二原子分子*8やヘリウムやアルゴンなど一つの原子で構成される単原子分子*9は均衡が崩れにくいので数十度以下のような低い温度では電磁波を吸収しないし放出もしない*10と言う。
温度が高くなれば電子が原子核に取り巻くといった状態そのものがぐずれてしまう*11。従って電磁波が吸収されたり放出されたりする機会はいくらでもあることになる。
地球の地表付近の大気の平均温度は摂氏15度程度*12である。つまり大気からそれ相応の電磁波が出ていると考えたいところだが、大気は酸素分子と窒素分子とで殆ど構成されている。これまで述べてきたように摂氏15度程度では、これら二原子分子は熱を持っていることだけでは電磁波を出さない。同様に吸収もしない。
これが「黒体」とは違う振る舞いをする点である。
ただし大気に0.04%程度含まれる二酸化炭素*13は種類の異なる原子が結合してできた分子なので電気の分布の均衡がもともと崩れて偏っている。つまり電磁波を吸収したり放出したりすることができる。水蒸気も同様に電磁波を吸収したり放出したりする*14。どちらも電磁波の一種である赤外線を吸収したり放出したりする*15。この性質が「温室効果ガス*16」と言われる由縁である。大気中の二酸化炭素や水蒸気からは電磁波が出てくる。
気温15度の場合、湿度40%の空気には水蒸気が0.4%*17ぐらい含まれている。二酸化炭素よりは多い。とは言ってもやはり大気の主体は80%の窒素と20%の酸素*18である。気温と言えばこの二つの気体の温度と言っても差し支えないだろう。赤外線の吸収や放出はないが、温度計で測っている気温は窒素と酸素の温度である。
*1 "電磁波とは"
*2 黒体輻射
*3 Stefan-Boltzman's law
*4 展示室バーチャルミュージアム-ゾーン2 - テクノ体験ゾーン-電波ウォール
*5 電界とは? [関西電力]
*6 TDK Techno Magazine|なるほどノイズ(EMC)入門/第2回 目に見えないノイズを追跡する
*7 電子レンジと摩擦熱
*8 13.二原子分子
*9 化学小辞典
*10 2 二原子分子の振動
*11 A. プラズマとは
*12 地球温暖化解説 8.なぜ地球温暖化が起きるのか
*13 気象庁 | 二酸化炭素(CO2)
*14 radio line 電波輝線放射(Radio Line Emission)
*15 温度の専門頁 赤外線について
*16 温室効果
*17 熱管理 Q&A/Sep.2002
*18 大気の組成の謎 - 地球と惑星の比較から -
051109大気を直接温めているものは何か。酸素や窒素は赤外線に対して無反応*1なので、赤外線では温めることができない。赤外線を吸収することができる大気中0.04%の二酸化炭素だろうか。大気中の二酸化炭素や水蒸気などは赤外線を吸収するので、それらは赤外線で暖まるが、これによって大気全体の温度を大きく上昇させるのだろうか。
二酸化炭素が赤外線を吸収すると言っても同時に放出もしているはずである。そうでないと辻褄が合わなくなる。赤外線は電磁波であるから、電気と磁気との波である。二酸化炭素の分子は二つの酸素原子と一つの炭素原子で構成*2されているので分子内の電気の分布が少し偏っている。そのため電磁波が来るとその波に合わせて回転したりする。電磁波の方は二酸化炭素の回転にエネルギーの一部を取られてしまう。電磁波が過ぎ去った後、残された二酸化炭素は回転し続けるが、もともと電気が偏っているので回転すれば、電気が作り出す雰囲気すなわち電界が周期的に変化していることになるから電磁波を出すことになる。電磁波を出せばエネルギーを使うことになるので次第に二酸化炭素分子の回転が止まる。回転が止まれば電磁波の放出も止まる。吸収すれば直ぐに放出してしまうのである。
もしくは他の分子に回転しながら衝突して、その分子に運動エネルギーを与えて温度を上昇させる。その逆も起こり、衝突によって分子が回転すると電磁波が放出される。物質が熱を持つと電磁波を放出する*3というのは、おそらくこういった機構によるものだろう。
電磁波のエネルギーはその周波数のみに依存*4する。周波数というのは一秒間に何回波の山と谷とを繰り返すか、である。回転運動なら一秒間に何回まわるかである。周波数が高ければエネルギーも高い。電磁波を吸収した二酸化炭素分子は他の分子に衝突して温度を上昇させる。もしくは電磁波を放出して回転を止める。こういったことを気体全体で繰り返す内に、吸収する電磁波のエネルギーと放出される電磁波のエネルギーが釣り合うようになる。一方、分子は電磁波を吸収すれば直ぐ放出してしまう。電磁波の周波数が一定ならばエネルギーは一定なので、分子に何回当てても回転数が増加し続けることはない。一つの分子が吸収する赤外線のエネルギーには上限があるということになる。同時に複数の電磁波の塊が二酸化炭素分子に当たれば回転数が通常の数倍になるかも知れない*5が、そう言ったことは通常は滅多に起こらないだろう。二酸化炭素分子が赤外線からエネルギーを受け取ってそれを一時的に持ち続ける量には限りがあるので、気体全体が保持するエネルギーもやがて一定になる。
赤外線からエネルギーを受け取った大気中の二酸化炭素分子は窒素分子や酸素分子に衝突してエネルギーを渡す。窒素分子や酸素分子は赤外線を放出しないので受け取ったエネルギーを持ち続ける。大気の中では二酸化炭素分子から次々とエネルギーを貰うのでエネルギーがどんどん*6増える。エネルギーが増えれば温度が上がる*7。まさに温室効果*8である。大気中の二酸化炭素の量が増えれば、この効果は顕著になるはずだ。これは大変だ。
本当にそうだろうか。上に述べたように一定量の赤外線照射の下では二酸化炭素分子が保持できるエネルギー量には上限がある。二酸化炭素分子は窒素分子や酸素分子にエネルギーを与えることができるが、逆にエネルギーを受け取ることもある。二酸化炭素がエネルギーを受け取れば赤外線を放出する。結局は大気全体で持つエネルギーは一定になる。
気体は固体や液体に比べるとざるのようなものだが、赤外線が分厚い大気の層*9を通過すれば、殆ど吸収されるかもしれない。ところが大気中には二酸化炭素は0.04%しかない。大気を温めるのには殆ど寄与していないのではないか。それでは何が大気を温めるのか。当然、地表である。地表はに陸地は固体、海には液体があって太陽からのエネルギーを吸収している。その量は二酸化炭素の比ではないだろう。地表に接触している大気は地表からの熱伝導によって温められる*10。赤外線はあまり関係ない。
*1 黒体よ気体
*2 ●NHK高校講座●学校放送●
*3 1.2黒体放射と実在する物質からの赤外放射
*4 発光を見る 〜蛍光とリン光〜
*5 ■ 二光子吸収材料の構築のページ(1)
*6 法華の太鼓
*7 温度の正体(3)
*8 地球温暖化(4)
*9 気象庁 | 気温の鉛直分布から見た大気の構造
*10 2.気象・天気のはなし 気温
051110大気を暖めるのは地表*1であるが、地表から出てくる赤外線によって温められるのではない。空気の大部分を占める窒素と酸素とは赤外線を吸収しない*2からである。大気中に含まれる気体で赤外線を吸収するのは0.04%の二酸化炭素や1%以下の水蒸気などである。これらが地表から放出される赤外線を吸収して大気全体を温めているのだろうか。
地表は昼の間、晴れていれば太陽の光によって温められる。温められると、大抵の物は温度があれば赤外線*3を出すので、地表からもその温度に応じた赤外線が放出される。この赤外線は最終的には宇宙に放出される。地表と宇宙との間には大気があり、その大気の中には赤外線を吸収することができる気体が含まれているので、そこで赤外線が吸収されて大気が温められる。一方、大気と地表とが接触することによって地表の熱が大気に伝わる。これは窒素だろうが酸素だろうが二酸化炭素だろうが関係ない。
赤外線は大気の層全体で吸収するが赤外線を吸収するのは大気中の1%も満たない大気成分のみである。地表からは、大気成分100%が熱伝導によって温められるが、これは地表と大気とが接触している部分だけの作用なので、大気全体が温まるには対流や熱の伝導が必要である。これは地球規模になると時間が掛かる。
赤外線の吸収は一瞬だろう。時間は掛からないはずだ。二酸化炭素や水蒸気は大気中に万遍なく散らばっているから、赤外線で温められた二酸化炭素や水蒸気は近くにいる窒素や酸素を温める。二酸化炭素や水蒸気のすぐ近くに窒素や酸素があるからそれほど時間は掛からない。これは地球規模とは関係ない。瓶の中の空気でも大気全体でも赤外線を吸収することができる気体の分量の割合が同じならば、赤外線を吸収して全体が温まる時間は同じ筈である。ということは照射される赤外線の量に大気の温度は敏感に反応するということにもなる。
実際はどうか。一日のうち日射量が最大になるのは十二時頃だが、気温は二時頃に最高になる。これは地面が温められてから空気が熱伝導によって暖められる*4から、と説明される。一方、地面の温度が一番高くなるのは一時頃*5なので、出てくる赤外線の量はこの時一番多くなる。赤外線による空気の温度上昇はこの時一番大きくなる。瓶の中の空気の温度が上昇するのに一時間も掛かるというのは考えにくい。こうやって考えると空気の赤外線吸収の影響がどれくらいなのかがよく判らなくなってくるが、言えるのは少なくとも空気の温度上昇の要因は赤外線吸収ではなさそうであるということである。
そうなると地球に降り注ぐ太陽からのエネルギーと地球から放出される赤外線エネルギーとの収支を描いたこの絵*6が少しあやしくなってくる。太陽からのエネルギーは342W/m2で、地球からは雲と地表からの反射107W/m2と赤外線放射235W/m2とで収支は合っている。大気と地表との間で350W/m2程度のやり取りがあると書いてある。これはこれでいい。地表が温められ大気が温められる。逆に大気も地表を温める。ところがその説明として「Surface Radiation」「Back Radiation」とある。「Radiation」では「放射」になってしまう。前述のように大気が温まる要因が赤外線でないとすると、地面と空気とが接触することによって起こる「熱の伝導」である。物と物とが接触して熱が伝わることは「Conduction*7」というので、これでは説明が少しおかしい。何か意図があるのだろうか。それとも筆者の勘違いだろうか。
*1 大気を温めるもの
*2 2 二原子分子の振動
*3 温度について(Temperature)
*4 気象・天気のはなし 気温
*5 理科学習指導資料高等学校「理科2」の指導-056/139page
*6 Earth's Annual Global Mean Energy Budget(Kiehl and Trenberth, 1997 )
*7 THREE-MODES-BIG
051111地球が暖かい原因は太陽からの光が絶えず降り注いでいるからである。地熱*1の影響も少しはあるかもしれないが、殆どは太陽のおかげだろう。その証拠に夜になると大抵気温が下がる。
太陽によってどれくらい温められるのか。簡単に計算できることを以前に書いた*2。地球に大気がなく地表がむき出しになっていると仮定するとその表面温度は-18℃程度になる。この計算の前提は地球が黒体という仮想の物質でできているとしている。黒体とは全ての電磁波を吸収する性質を持つ。全ての電磁波なので、電磁波の仲間の光も全部吸収してしまう。全ての光を吸収するので黒色に見える。だから「黒体」と呼ばれる。光はエネルギーなので吸収すれば熱になる。物が熱を持てば温度が上がる*3。
実際の地球は宇宙から見ると雲や海があるので黒体ではない*4。ある程度の光が反射されているから青く見える*5。天体がその表面で光を反射させる度合いをアルベド*6と呼ぶ。アルベドが「0」なら光を全部吸収して、「1」なら全部反射する。地球のアルベドは0.3とされているので、太陽の光の30%は反射されていることになる。黒体の状態からこの分を割り引いて計算すると-18℃*7になる。
地球はこんなには寒くはなく、平均15℃*8ぐらいなので、この差が温室効果と説明される。大気の存在によって地球の温度が上昇していると考える。
では、地球が本当の黒体だったらどうなるか。全ての光が地球に吸収され、それが熱になるとする。もともと30%だけが反射されているのだからそれ程温度は上がらかもしれない。それでも実際の平均温度よりは高くなりそうな気がする。何故なら地球が黒体だとして太陽の光を全部吸収してそれが全部熱に変わると考えるのだから、それ以上に温度が上がることは考えられない。太陽の光のみで地球が温められると考えているのだから、全部吸収すれば温度が一番高くなるだろう。
6℃となる。光を全部吸収するとしても地球の表面温度は6℃にしかならない。光を全部吸収するという究極の状態を考えているにも拘わらず、実際の温度の15℃より低くなってしまった。これは一体どういうことなのか。
地球は、太陽の光や電磁波の吸収や地表からの赤外線の輻射の機構以外で温度が上昇しているのではないか。つまり黒体輻射のみでは、地球の温度が15℃になっていることの説明ができない。地球の大気成分の大部分は赤外線を吸収したり輻射したりすることはない*9。黒体で地球の温度を考える時には大気の殆どの成分は関係なくなる。関係するのは二酸化炭素や水蒸気だけになる。ところが地球自体を完全な黒体と考えているのだから地球表面に二酸化炭素や水蒸気があろうがなかろうが関係ない。これらを全部ひっくるめて計算して6℃なのである。二酸化炭素が赤外線を吸収するから地球の温度が上昇しているなどということが言えるのだろうか。それではどのように考えればいいのか。
*1 地熱発電の基礎知識(1)
*2 温室効果(3)
*3 温度の正体(3)
*4 apollo16_earth_northamerica.jpg
*5 地球の青
*6 美星町 星のデータベース
*7 地球のエネルギーバランスと黒体放射
*8 地球温暖化解説 8.なぜ地球温暖化が起きるのか
*9 大気を温めるもの(2)
051112大気中に温室効果*1気体である二酸化炭素がないと地球の温度は一体どうなるのか。
大気がないと地球の表面は-18℃*2になってしまうらしい。実際には地球の平均気温は15℃ぐらいである。この差は温室効果気体すなわち大気中の二酸化炭素の存在によって生じている*3のだから、それがなければ地球は一面氷の世界になってしまう。果たしてこれは本当だろうか。地球上から二酸化炭素を全くなくしてしまうと言うことはできない話なので、本当になくなったらどうなるか確かめようがないが、想像だけはできる。
そもそも気体が赤外線を吸収することで気体自身の温度はどれくらい上昇するものなのか。簡易的な実験*4がある。二つの透明な容器にそれぞれ空気と二酸化炭素を入れる。電球や温水などでこれらの容器を同時に温めると二酸化炭素の方が数℃温度が高くなる。これは二酸化炭素に温室効果があるからこうなるのだ*5と説明している。
もう少し厳密に実験した結果がある。通常の実験*6では二酸化炭素がほんの少し含まれている空気と二酸化炭素100%とを比較しているので純粋に二酸化炭素の温室効果が判りにくい。こちらの実験*7では、温室効果の全くないヘリウム*8と二酸化炭素とを比較している。これならば気体の温室効果によって気体そのものがどれぐらい温まるものなのか理解しやすい。
実験結果を見るとヘリウムの方の温度上昇が二酸化炭素よりも高い*9。一体どういうことか。これは実験そのものの考え方に不備があるわけではなく、比較の仕方の問題だろう。ヘリウムも二酸化炭素も同じ圧力にしたのかそれとも同じ質量にしたのか。こういう比較の場合はどちらを統一すればいいのか。気体分子ひとつ一つが赤外線を吸収するのだから分子の数を一緒にした方がいいだろう。ならば圧力を同じにすべきだ。温度と圧力が同じならば含まれる分子の数は同じ*10になる。実験ではヘリウムを上方置換*11、二酸化炭素を下方置換*11して容器にそれぞれの気体を入れている。もしかしたらこの時、十分に容器の中の空気が入れ替わっていなかったかも知れない。
そんなことよりもこの実験は重要なことを示している。温室効果のないヘリウムが温度上昇している点である。赤外線を吸収しないのだから、赤外線では温められない。では、何故温度が上昇するか。容器から熱を直接受け取るからである。熱伝導*12によってヘリウムの温度が上昇した。気体は分子構造が簡単なほど温度が上がりやすい*13ので、件の実験で二酸化炭素よりもヘリウムの方の温度が高くなったのは、その性質が現れたからだろう。逆に二酸化炭素が空気よりも温度が高くなるという実験結果は、温室効果の違いではなく、容器の中の二酸化炭素の量が比較する空気の量よりも少ないためかも知れない。
以上から想像すると地球が-18℃以上になっているのは、赤外線吸収の効果よりも大気が地面や海洋からの熱伝導によって温められその熱が大気に留まっている効果の方が圧倒的に大きいからではないか、ということである。つまり大気に二酸化炭素が含まれていなくても地球は極寒の世界にはならないのではないか。
大気中の二酸化炭素の量が増えれば、赤外線を吸収するその性質によって大気の温度は上昇するだろう。しかしその度合いは非常に小さいような気がする。だからこのまま化石燃料を使い続けてもいいと言うことにはならない。資源枯渇の問題があるし、大気汚染の問題もある。
もっと問題なのは、上記の実験の結果は二酸化炭素の温室効果のみだと説明し、化石燃料よりも二酸化炭素の出ない原子力の方がいいと思わせようとする人々が出てくる可能性があるということである。二酸化炭素の地球への影響は現時点ではまだ明確になっていない。これは誰かがそう予測している*14だけである。原子力発電で利用される放射性物質が有害であることは、六十年前に日本人は身をもって体験*15しているし、その後、世界*16各地*17で実証されている。
どちらを選ぶのかは火を見るよりも明らかであるが、問題の本質は現状のエネルギー消費量を減らさなければならないということである。将来の環境破壊や資源枯渇などの危険性を低減させる方法はこれしかない。
*1 地球温暖化(4)
*2 地球を温めるもの
*3 Global Warming
*4 温室効果実験器について紹介します
*5 (3)地球温暖化のしくみ
*6 地球温暖化デモンストレーション実験器(温室効果ガスtype)
*7 実践事例 41.地球温暖化のしくみ〜温暖化ガスの温室効果
*8 大気を温めるもの
*9 41_004.jpg
*10 3-1-2 気体の状態方程式 ◆アボガドロの法則
*11 上方置換と下方置換
*12 4.熱の伝達
*13 Specific Heat (Japanese)
*14 Intergovernmental Panel on Climate Change
*15 模擬原爆
*16 チェルノブイリ
*17 臨界
051113世界一小さなカメラメーカと言うのをふと思い出した。既存のカメラ製造会社の元技術者が一人でその会社を作った。ずっと忘れていたがどうなっているか気になった。
その会社は安原製作所*1と言った。調べてみると閉鎖*2されていた。しかも閉鎖されてから一年半以上も経過している。全く知らなかった。約五年間の活動*3だったらしい。デジタルカメラの普及により従来のフィルム式カメラの市場が急速に縮小したため活動の継続が困難になったようだ。
二機種*4が販売されていた。カメラは製造費を安くするために中国の製造会社*5で作られていた。もしかすると日本国内のカメラ製造会社で弱小の会社を相手にする所がなかったのかも知れない。中国の製造会社はまだ存在しているので、安阿原製作所なき後も新品のカメラを手に入れることは可能*6のようだが、安原製作所は完全に業務を停止しているので情報提供や保守は一切されなくなっている*7。
この安原製作所は一時期、電卓の開発*8をやっていた。普通の電卓ではなく逆ポーランド記法*9の電卓だった。電卓の開発経緯を知らせるサイトには「計算機コラム*10」というページがあり、そこでコラムを募集していたので投稿したことがあった。その時、掲示板*11で安原氏とほんの少しだけやり取りがあった。そんなことも思い出した。
*1 安原製作所ホームページへ
*2 安原製作所ホームページへ
*3 安原製作所/業務終了のお知らせ
*4 世界最小のカメラメーカーを訪ねる
*5 安原製作所 - Wikipedia
*6 PHENIX T012 (秋月)
*7 安原一式の内部を見る
*8 逆ポーランド法計算機開発計画
*9 逆ポーランド記法
10 安原製作所/計算機コラム
*11 RPN掲示板
051114ランドセルに発光ダイオードを付けて学童の安全を確保する商品*1が出た。ランドセル業界*2では初めてらしい。日没後もランドセルを背負って一人で歩き回る小学生が増えたのだろうか。今までこういった商品が出なかったというのは、暗くなるまでランドセルを背負っている小学生は滅多にいなかったからだ。今でもそれ程多くないと思われるが、こういう商品が開発されたということは都市部では増えてきたのだろう。
もしかしたら雨の日などは昼間でも有効かも知れない。黄色い傘をさしていれば自動車から十分見えるがランドセルが、光っていればほんの少しは気付きやすいかも知れない。
一日十分程度の使用であれば一年程度は光る*3らしい。電源はボタン電池を使う。ランドセルは大抵六年間使うのだから、電池も六年間保った方がいい。または太陽電池を使って日中は充電して、暗くなれば自動的に光るようにするとか、ランドセルを背負えば頻繁に動くので、その動きを利用して発電する*4という手もある。製造費用がかさむので値段は高くなるが、一度取り付ければ電池の換え忘れの心配はなくなる。
安全関連の商品は、安さを追求して機能を低下させるよりも、少々高くても高機能の方がいい。しかし値段が高すぎると売れない。このさじ加減が難しい。
*1 KYOWA-オリビエランドセル オリビエセーフティーダイオード
*2 社団法人日本かばん協会ランドセル工業会
*3 KYOWA-オリビエランドセル スクールグッズ
*4 夢みつけ隊(R) >> 『道具の学校 WEB STYLE』 >> HUMMER 2WAY防水デュアルパワー
051115カメラの調子が少し悪い。調子が悪いのはGR1v*1である。GR1vはリコーが発売していたフィルム式のカメラ*2である。
以前にGR1vの旧機種であるGR1sのシャッターが故障した*3ことがあった。修理に出したのだが、ひかえていた旅行に間に合いそうもなかったのでGR1v*4を買った。これがきっかけでGR1s*5とGR1vとの二台を所有することとなった。決まった使い分けはないが、普段は気が向いた方を使う。旅行などに出掛ける時は故障に備えて両方持っていく場合もある。
どういう状態なのかというと、レンズの保護板が閉まったままなのである。電源を入れるとカメラのレンズが繰り出される。レンズが収納されている時はレンズを保護するための扉が閉まっている*6。電源を入れるとレンズが出てきてそれと同時に扉が開く*7ようになっている。これが閉まったまま*8になる。いつもではない。ときどきである。
電源を入れている間ずっと閉じたままではない。30秒程度経過すると突然開く。また板に指で軽く触れても開く。ほんの少し何かが引っ掛かっている程度だと思われる。電源投入時にレンズを確認するようにすれば全く問題ないが、気になる。先月の旅行*9での写真の中に二枚程度何も写っていないコマがあった。電源を入れてすぐシャッターを切ったためだろう。撮影時にレンズを通して被写体を見るわけではないので気づかない。昔はレンズのキャップ*10をしたまま撮影という失敗がよくあったが、最近はこのように自動開閉するようになっているので、こんな失敗とは縁遠くなっていた。
修理に出そうと思うが、この現象はたまたまにしか起こらない。店頭で故障の状態が上手く伝わらない可能性がある。故障の状態を撮影した画像*8を印刷して持っていけばいいだろう。
*1 GR1v(3)
*2 GR1v
*3 リコーのカメラ
*4 GR1v
*5 Ricoh Camera Website
*6 GR1v_2.jpg
*7 GR1v_3.jpg
*8 GR1v_1.jpg
*9 石垣島・西表島・沖縄本島
*10 FUJIFILM:撮影上達教室
051116先々月に家から自動車で少し行ったところにある小さな市営の水族館*1に行った。そこに期間限定で珍しい動物がたまたま展示*2されていた。
ホライモリ*3という両生類である。洞窟に棲んでいることとその姿が何となく龍に似ていることとから「ドラゴンズ・ベビー*4」と呼ばれているらしい。当然、地元球団の中日ドラゴンズ*5にも掛けてある。日本で最初に展示されたのは三十六年前の上野動物園だった。ここで展示されるのはそれ以来二度目*6だそうだ。クロアチアの天然記念物*7らしい。日本以外に「天然記念物*8」という言葉があるのかどうかよく分からないが、とにかくクロアチアで保護されている珍しい動物なのであろう。いかにもひ弱そうな*9感じがする。
ひ弱そうだが、寿命は無茶苦茶長いらしい。80〜100年ぐらい生きると言われている。ここには100年以上生きる*10とも書いてある。58年までは確認*11されているようだ。詳しくはこのページ*12にある。体長は30cm程度。
100年なのか50年なのかよく分からないが、とにかく長生きだ。オオサンショウウオも50年以上は生きる*13ようなので、こういった類は長生きなのだろうか。
*1 碧南海浜水族館・碧南市青少年海の科学館
*2 「ドラゴンズ・ベビーの王国」展 The Kingdom of the Dragon's baby
*3 ホライモリ - Wikipedia
*4 posterweb.gif
*5 中日ドラゴンズ Dragons Official Homepage
*6 特 別 展
*7 ドラゴンズ・ベビーがやってくる
*8 (社)農林水産技術情報協会 -- 日本の特別天然記念物【動物と植物】 --
*9 0509250013.jpg
*10 Flora and Fauna of Caves: Proteus Anguinus
*11 Cave salamander - Proteus anguinus: More Information - ARKive
*12 Proteus anguinus Olm, Blind cave salamander, Grottenolm, hulepadde, koopaolm, Proteo, Protée anguillard, hulesalamander, odmieniec jaskiniowy, olmi, covecija ribica, cloveska ribica
*13 オオサンショウウオ
051117ホライモリ*1は50年以上は生きる*2という。ここで思い出すのは、心拍数と寿命との関係である。哺乳類はその種類によらず一生に打たれる心拍数は大体皆同じ*3であるという説がある。何故そうなのかよく分からない。これは哺乳類だけの現象なのか。何故哺乳類はそのような法則に従うのか。両生類の場合はどうか。
この説によると一生の間に脈打つ心拍数の総数は20億から23億回ぐらいという。哺乳類は23億回、爬虫類や両生類は50億回、鳥類は10億回とそれぞれの種類によって心拍数の総数が変化するという理由は何もない。そもそも動物の種類は人間が勝手に決めたことなので、その分類に従って心拍数が決まると言うのは変な話である。たまたま一致することはあるかも知れないがそこには必然性がない。
よってホライモリも総数は23億回ぐらいだとする。すると一回の心拍にかかる時間は1.4秒ぐらいになる。全長30cm程度のホライモリの心臓の動きはこんなにゆっくりしているのだろうか。心拍数は蛙のそれとそんなに変わらないような気がする。気がするだけで証拠があるわけではない。因みにトノサマガエルの寿命は数年*4らしい。
体重が重い動物は長生き*5らしい。ホライモリとトノサマガエルとの体重の差はどれだけあるのだろう。これも見た目だが、それ程ないような気がする。ところが寿命は十倍程度違う。体重と寿命とは厳密に関係しているのだろうか。体重が重くなるためにはある程度の年月を必要とするのでそれだけ時間が掛かる、つまり寿命が長いということではないか。ホライモリは例外か。例外ならば例外である原因は何か。
これは心臓がある動物に対しての法則だから循環器が発達していないもしくは必要としない動物には適用ができないから普遍性があるとは言えない。とはいえ一生における心拍数というのが決まっているとすれば神秘的である。もしかしたら人それぞれ動物それぞれには一生の心拍数が細かく決まっているかも知れない。
考えてみるとそれは「各々の寿命が予め決められている」と言っているの同じであった。本当に心拍数で寿命が決まるのだろうか。
*1 ホライモリ
*2 Proteus anguinus Olm, Blind cave salamander, Grottenolm, hulepadde, koopaolm, Proteo, Protée anguillard, hulesalamander, odmieniec jaskiniowy, olmi, covecija ribica, cloveska ribica
*3 哺乳類の時間
*4 トノサマガエル - Wikipedia
*5 ゾウの時間・ネズミの時間
051118先月、ふと思い立って京都に行った。名古屋から自動車で二時間程度である。上の息子は部活動で出掛けていたので、残りの家族四人で行った。お参りしたり、舞妓さんなどを見た後、十数年前に訪れたきりの「竹虎堂*1」という陶器店*2を覗いてみた。清水寺*3の近くにある。ここでご飯茶碗を買った。最近は安物の茶碗ばかり使っていたので、少し奮発した。奮発したと言っても七、八百円程度である。絵柄*4が気に入ったので買った。手長海老*5と水草の菱*6とが描かれている。
茶碗は今まで使っていた物よりも薄くて軽い。これで思い出したのは、中学生の頃の道徳の授業である。確か道徳だった。「殿様の茶碗」という物語である。昔、どこかの国の殿様は、優れた陶芸師が作った透き通るような薄手の茶碗を使っていた。毎日その薄い茶碗に熱々のご飯を盛られたので、いつも手が熱いと思いながら食事をしていた。が、そのことについては家臣に伝えていなかった。
ある日、狩りか何かに出掛けた時、遅くなったので近くにあったあばら屋で一晩世話になることにした。そこで夕飯に出された茶碗は分厚くて重いものであった。城で使っていた茶碗と違って持つ手は全く熱くない。あばら屋の主人のもてなしに殿様はたいそう喜んだという。
大体こんな話だった。茶碗が薄いと言うことだけで思い出したのだが、一体この寓話は何を伝えたかったのか当時よく分からなかったと思う。「薄い茶碗は熱い(厚い)」という洒落ぐらいだったか。他人を思いやる心が大切である。独りよがりはいけない。と言ったことだろう。調べてみるとこの物語は小川未明*7が作ったらしい。知らなかった。
*1 Yahoo!地図情報 - 竹虎堂
*2 chikkodo.jpg
*3 音羽山 清水寺【公式ホームページ】
*4 chawan.jpg
*5 テナガエビ 十脚目テナガエビ科
*6 ヒシ (ヒシ科) <菱>
*7 小川未明文学館のホームページへ、ようこそ。
051119へちまの語源は何か。「へちま」は漢字で「糸瓜」と書く。糸瓜を普通に読めば「しか・いとうり」である。「へちま」と言う読みは熟字訓*1だ。大和のようにどの漢字がどの読みかは決まっていない。熟語全体で読み仮名が当てられている。
「糸瓜」というのは実の中に海綿状の筋*2があり、それが糸のようだからとも言われている。
糸と言っても一筋の糸を指しているのではないだろう。おそらく束ねた生糸*3を指しているのだと思われる。旧字体の糸も「絲」も糸の束が二つ並んだ様子*4を表している。へちまが二つ並んでぶら下がっている様はまさに「絲瓜*5」である。
さて、へちまの語源である。「いとうり」の最初の「い」が略されて「とうり」と呼ばれるようになる。この「とうり」の「と」はいろは歌*6で言えば「へ」と「ち」との間にあるので「へちま」と洒落た。これが語源である、と言われている。大槻文彦*7は言海*8の中でこの語源は疑わしいと書いていた。いろは歌の洒落ではなく外来語ではないかとしている。
考えてみれば「と」の一文字だけから「『へ』と『ち』との間」というのは、ちと強引の様な気がする。せめて二文字は欲しい。例えばもともとは「とちうり」と呼ばれていて「とち」は伊呂波の「へ」と「り」との間だから「へりま」ならば成る程と思う。恐妻家が自分の妻のことを「山の神」という。これもいろは歌で「うゐのおくやま」が語源という。妻である「奥」は「山」の上だから「山の上(かみ)」となった。これも語源としては疑わしいが、洒落としてはへちまの数段上である。「山の神」は山を守る神様で、女神の場合は山姫(やまひめ)である。本来ならば「山姫」となるが、自分の女房を恐れて「姫」というのも変な話なので「山の神」にしたのだろうか。因みに山姫はアケビの別称らしい。開いた実*9が女性器を彷彿させるからだろうか。
一文字では何でもできてしまうので面白味に欠ける。逆ではないのか。外来語なのか何か分からないが、とにかく糸瓜が「へちま」と呼ばれるようになる。洒落として誰かが語源不詳の「へちま」の由来として「いろは歌の『へ』と『ち』との間」というのを作る。これが民間語源説として定着した。この程度ではないか。
*1 鍛冶橋
*2 ヘチマ P3
*3 埼玉県/生産振興課 特産 埼玉ブランド繭「いろどり」のページ
*4 shi.gif
*5 hechima5.jpeg ヘチマ(糸瓜)
*6 あさきゆめみし
*7 大槻文彦年譜
*8 福岡大学 図書館報No.90 4/8ページ目
*9 筑波山の四季
051120飲み下すことを「嚥下*1(えんげ・えんか)」と言う。「燕下*2」と書く場合もあるが、これは間違っている。例えば「済」「清」「横」「猫」を読み方が同じだからと言って「斉*3」「青」「黄」「苗」に書き換えられないのと同じである。「燕」という字に飲むという意味はない。芸術の芸はもともとは「藝」と書いたが、戦後の国語改革*4で省略され「芸」という新字体に書き換えられた。ところが「芸」はもともと別の意味の漢字として昔からある。香草という意味で「うん」と読む。「云」は「うん」と読むから、くさかんむりを付けただけで読みを「げい」にして藝術の意味を持たせること自体に無理がある。しかし国家がそうするとしたのでこれが一般化した。「嚥下」の場合は、まだそこまではなっていないので、「燕下」と書くのは間違いだ。
それにしても飲む込むという事を表すのにどうして「燕」という旁が用いられるのだろう。漢字の成り立ちとしては「燕」は音だけを表していて、意味そのものは同じ読みである「のど」を表す「咽(えん・『いん』は慣用読み)」から派生しているようだ。
英語で燕は「swallow」である。「swallow」は動詞としても使われ、その時は「飲み込む」という意味になる。漢字の「燕」と英単語の「swallow」との関係が良く似ている。これは偶然なのだろうか。燕の「swallow」と飲み込むの「swallow」とでは語源が違うようだ。前者は古英語*5の「swealwe*6」、後者はこれも古英語の「swelgan*7」がそれぞれ変化したらしい。それが現代において同じ綴りの「swallow」に落ち着いた。
漢字の「燕」もたまたま音が同じと言うことで「口」と組み合わせて「嚥」という字が出来上がっている。それぞれの言語で独立にこういった一致は起こる場合がある。確か寺田寅彦がそのような確率を計算していた*8。ただ、「燕」を表す単語と「飲み込む」を表す単語とが一致するのは偶然ではないような気がしてきた。燕の雛が大きな口を開けて親鳥から餌をねだる様子は如何にも飲み込むという感じがする。
*1 嚥下障害支援サイトSwallow
*2 燕下 - Google 検索
*3 斎藤と斉藤
*4 漢字廃止論の夢のあと
*5 Old English language - Wikipedia, the free encyclopedia
*6 swallow 2. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*7 swallow 1. The American Heritage® Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.
*8 寺田寅彦 比較言語学における統計的研究法の可能性について
051121インターネットで検索をしていたら「亀牌」という文字が目に入った。亀好きの筆者*1用の麻雀*2牌だろうか。早速、内容*3を見てみた。イーピンが亀になっている*4だけだった。イーピンとはピンズ(筒子)の「1」という意味でピンズは筒を輪切りにしたような絵柄*5である。
サイトには珍しい牌が沢山紹介*6してあるので、いろいろ見ていたらこれまた珍しい麻雀牌がある。
デンソー牌*7というのがあった。デンソー*8という自動車部品製造会社が特注して作った麻雀牌らしい。デンソーと言えば自動車用の点火プラグ*9である。牌の絵柄にプラグが取り入れられている。ソウズがプラグになっていて、しかもソウズの「1」であるイーソウのプラグは放電して光っている*10のである。ソウズ(索子)の絵柄は短い棒のような形をしていて、竹を表しているらしい。ただし、通常「1」は棒一本ではなく、孔雀のような鳥*11が描かれている。鳥の代わりにスパークプラグ*12なのである。
プラグで有名な会社はもう一社ある。日本特殊陶業*13である。NGK*14牌はあるのだろうか。おそらくないだろう。デンソーの「ソー」とソウズの「ソウ」とを掛けて、更にソウズを点火プラグとしている。NGKではここまで徹底した洒落ができない。
*1 カメの利き(2)
*2 確率
*3 ■市川屋 幻の!任天堂 亀牌
*4 kame01.jpg
*5 象牙牌 筒子(ぴんず)
*6 ■市川屋 プレミア麻雀牌
*7 ■市川屋 デンソー牌
*8 株式会社デンソー
*9 Howstuffworks "How Automobile Ignition Systems Work"
*10 denso01.jpg
*11 ホットギミック麻雀講座
*12 Howstuffworks "How Automobile Ignition Systems Work"
*13 日本特殊陶業
*14 NGKスパークプラグ プラグスタジオ -日本特殊陶業- [NGK PLUG STUDIO]
051122公証制度*1という仕組みがある。不動産売買や金銭の貸借などの契約書や遺言書などを公正証書として作成すれば、公文書となり高い証明力と執行力とを持たせることができる*2。裁判所の判決を待たずに強制執行に移ることができるらしい。また私文書や株式会社定款といった書類の認証*3の機能もある。株式会社などは定款の認証がないと設立することができない*4。
公正証書は公証人が作成する*5。公正証書は法律的な文書であるが、それを作成する人は国家公務員法*6上の公務員に該当しない*7。ただし公証人は公証人法*8に基づき法務大臣が任命する。国家公務員ではないので国庫から給与や諸手当が支給されることはない。国が政令により定めた手数料収入によって事務を運営する。公証人が執務を行う場所を公証役場*9という。法務大臣が指定する地にその役場を設けることになっている。手数料収入の中から個人の負担により役場の維持費、雇用した書記の人件費等の経費を支出する。このように公証人は、仕事の内容が公務員のようだが、立場は個人事業者のようでもある。ただし副業は禁止されている*10。
この公証制度は明治十九年にできた*11らしい。公証人になるためには、試験に合格するか、長年の法律実務経験して法務大臣に任命されなければならない。ところがこの制度ができて百年以上経った現在まで試験が行われたのは一度しかないらしい。
*1 公証制度について
*2 日本公証人連合会 2 公正証書とは
*3 日本公証人連合会 6 書類の認証について
*4 会社法(定款の認証)第三十条 第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。
*5 日本公証人連合会 1 公証人とは
*6 国家公務員法
*7 公証人に採用されると
*8 公証人法
*9 全国公証役場所在地等一覧表
*10 平成17年度における公証人法第13条ノ2に規定する公証人の公募について
*11 由利弁護士の部屋 公証制度の揺籃期
051123末の娘に何か絵を描いてくれとよく頼まれる。ミッキーマウス*1を書いてくれと頼まれることがある。筆者はディズニー嫌い*2なのだが、娘はおかまいなしだ。「嫌いだから描かない」と言うのは父親として失格のような気がするので、描く。そのまま描くのは詰まらないから少し変えて書いてやる。
耳を三つにする。そうすると娘は「父さんのミッキーはなんでいつもこうなの」と笑いながら文句を言う。
「耳三つのミッキー」の元はこれ*3である。
*1 ディズニー・キャラクター・グッズ
*2 ディズニー嫌い
*3 notmickey.gif
051124寒くなってきたので、毎年恒例のカメの冬眠支度*1をしてやった。いつものように廉価なニュージーランド産の水苔*2を買ってきて入れた。去年使用した水苔が残っているのでそれも利用した。
冬眠の時は何もないよりも寝床があった方が亀たちにとって落ち着くだろうという確信があってこういうことをやっているのだが、実際のところはどうなのだろう。冬眠中に完全に活動が停止していて死んでいるようになっていれば、寝床など関係ない。真冬でも突いたりすれば動き出すので完全に止まっているわけではない。とすれば寝床があった方が気楽になるような気がする。少なくとも冬眠中に外部から刺激される回数は何もない時よりも少なくなるだろう。
ここ数年、カメの寝床を作る時期が遅くなってきている。三年前は十一月三日*3、一昨年は十一月十五日*4、昨年も十一月十五日*5、そして今年は二十三日。これも地球温暖化*6が原因なのだろうか。
*1 亀の冬支度(3)
*2 Sphagnum Moss products - New Zealand
*3 亀の冬眠の準備(2)
*4 亀の冬支度
*5 亀の冬支度(2)
*6 地球温暖化(5)
051125「いとこ」は自分の親の兄弟の子のことである。親の甥や姪とも言える。「はとこ」という言葉がある。「またいとこ」とどう違うのか。筆者は「またいとこ」を「いとこ」の「いとこ」と思っていた。自分の「いとこ」から見た「いとこ」は、また自分になってしまう。そうではなく、いとこの親で自分の親の兄弟ではない方の親、例えば自分の伯父伯母叔父叔母の配偶者の甥や姪のことを指すのだと思っていた。父方のいとこと母方のいとこがいて、例えば父方のいとこから見ると母方のいとこが筆者が勝手に理解していた「またいとこ」である。かなり遠い親戚である。そもそもこういうのを親戚というのか疑問である。つながりと言えば、結婚式や葬式では顔を合わす程度だ。
それに対して「はとこ」というのは誰のことを指すのかよく分からなかった。自分のいとこの子供を指すのかなぁ、と漠然と思っていた。
全く違うことが分かった。今までこれによる不便な思いをしたり恥をかくことはなかったが、何となく損をした気分だ。まず「はとこ」と「またいとこ」とは全く同じ意味らしい。「はとこ」の語源は何か。漢字では「再従兄弟*1」「再従姉妹*1」と書くようだ。これは漢字熟語*2で読みの音の数よりも漢字の数の方が多い希有な例だ。他に香具師(やし)*3、七五三(しめ)*4 などがある。「またいとこ」を「はたまたいとこ」と言う場合があって、これが「はたまたいとこ→はたいとこ→はとこ」と省略されてできた言葉だろうか。
「はとこ」とは自分の親の「いとこ」の子*5のことである。つまり自分の祖父母の兄弟の孫になる。では自分の「いとこ」の子は何というか。従姪(じゅうてつ)と言うらしい。それでは筆者が勘違いしてた「またいとこ」は何というのか。特にないようだ。
*1 はとこ 2 【〈再従兄弟〉/〈再従姉妹〉】 - goo 辞書
*2 四字熟語
*3 やし 1 【〈香具師〉/野師/▼弥四】 - goo 辞書
*4 国語辞典 英和辞典 和英辞典 - goo 辞書
*5 親族図
051126何やら楽しそうなのでアバター*1というのを作ってみた。アバターavatarとはもともとインド神話で出てくる言葉らしく、神仏の化身という意味*2らしい。それが転じてインターネットなどで、意思疎通を図るために自分の象徴となる絵*3を指すようになった。様々な絵柄は予め用意されており、着せ替え人形*4のように色々組み合わせて作り上げる*5。
筆者が作ったアバターはこれ*6である。最初に想定していたのは、黒髪のリーゼント頭*7で学生服を着た男形宝塚俳優*8だった。髪型にリーゼントはないし学生服*9を組み合わせるのは有料だったので、最終的にあのようなアバターになった。
それにしてもこのアバターという仕組みはよく考えられている。基本的に使用料はいらない*5。部分的に有料*10なのである。この服はいくら、この靴はいくらという設定がなされている。その値段は数十円から数百円である。遊びに使う金額として殆ど抵抗がない。
幼少の頃こんな計算をしたことがあった。日本国民一人ひとりから一円をもらえば一億円以上が手に入る*11ことになる。意味もなく他人から一円を貰うことは難しいが、全国民に一円を貰いに行くことは更に難しい。かっては荒唐無稽な妄想だった。ところがアバターはこれを実現している。数十円に意味を持たせ、そしてインターネットを使って全世界から集金する仕組みを作り上げている。アバターを考え出した人も子供の頃、筆者と同じ様な計算をやったことがあるはずだ。夢が現実となった好例である。
*1 Yahoo!アバター
*2 av・a・tar - goo 辞書
*3 アバターとは 【avatar】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*4 Barbie.com - Activities and Games for Girls Online!
*5 Yahoo!アバターは無料でも十分楽しめます!
*6 avatar.jpg
*7 氣志團 オフィシャルホームページ - タコ部屋 -
*8 宝塚歌劇 スターファイル
*9 OZAKI School Net/What's about kanko/カンコーのいろんなお話
*10 Yahoo!アバター プレミアム会員限定アイテム
*11 推計結果
051127デジタルカメラで撮った写真の電子ファイルには画像の他に撮影条件などが詳しく記録されているらしい。既存の画像記録ファイル形式に撮影情報を付加している。これをExif*1という。対応している画像記録形式*2は「TIFF*3」「JPEG*4」などである。
この付加された情報を読み出すソフトがあることを知った。「Exif Reader*5」という。ところがこれはWindows専用である。Mac版がない。筆者のパソコンはMacが主*6なのでこれでは駄目である。検索してみたが適当なMac用のソフトが見つからない。Exifの情報を取り出せるソフト*7はあるが、Exif Readerのような雰囲気を持つソフトはない。
もしかしたらMacで最も普及している万能画像処理ソフト「GraphicConverter*8」にこの機能が付いているかも知れない。GraphicConverterで開くことができない画像記録形式はないかもしれない。190種類以上の画像記録形式に対応*9している。Windows専用の画像記録形式*10は勿論、Amiga*11などかなり少数派*12の画像記録形式のファイルも見ることができる。当然、Exifも見られると思ったら、やはり見ることができた。こんな感じで情報*13を読むことができる。詳細はこちら*14。五年前の画像*15でもちゃんとこの形式で記録されていた。
ExifにはGPS*16のデータも入るらしい。どの場所で撮影したかを地図上で示す*17ことができるようだ。カメラにGPSカードを装着することによって撮影した地点の緯度経度などが記録される。リコー*18からGPSカード対応のデジタルカメラが発売されている。かってはカシオのデジタルカメラも対応できた*19ようだ。これらは本業*20で威力を発揮する道具である。
*1 Exifとは 【Exchangeable Image File Format】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*2 画像形式とは 【image format】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*3 TIFFとは 【Tagged Image File Format】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*4 JPEGとは 【Joint Photographic Experts Group】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*5 Exif Reader - デジタルカメラデータ解析ツール
*6 ノート型パソコンの購入
*7 ExifTagInfo
*8 GraphicConverter 日本語版
*9 Lemke Software GmbH, Peine - Complete format list
*10 BMPとは 【ビットマップ】 (Bit MaP) ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*11 コモアミ!リターンズ
*12 AMIGA Laboratory
*13 exif1.jpg
*14 exif2.gif
*15 デジタルカメラ
*16 GPS
*17 山と自然の旅 山旅倶楽部 Exif編集
*18 リコー、WLAN/PHS/Bluetooth/GPSが使える高速デジカメ「Caplio Pro G3」 (MYCOM PC WEB)
*19 RIGHT STUFF, Inc.
*20 遺構探訪
051128内蔵ハードディスク*1がおかしくなった。コンピュータが起動しない。起動の途中で「ハードディスクが読めない*2」という表示が出る。半年ほど前に買った新品のハードディスクなのにもう壊れてしまったのかと思った。いろいろとディスクの修復を試みたが上手くいかない。
突然こういった症状は、大した理由ではないだろう。何かのちょっとした変化で発生する。そういった理由でハードディスクが読めなくなるのなら、何かのきっかけを与えれば戻る可能性もあるはずだ。コンピュータの蓋を開けてCPU基板*3やインターフェース基板*4の抜き差しをやってみた。何かの拍子で元に戻ることは良くある。
全く駄目である。駄目で元々なのでハードディスクをコンコンと叩いてみた。ハードディスクではないが、以前もこの手で復活した*5ことがあった。何とか読み出せた。読めなくなったハードディスクは記憶領域が三つに分けてあった*6。この内二つが読めるようになった。しかしOSなどが入っている肝心な領域が読めない。この領域には電子メールのデータも入っている。たまたま二十日ほど前に外部接続のハードディスクに保存してあったので消失したデータはそんなに多くない。もう諦めることにした。初期化し直して正常に動くかどうか確認することにした。
動作には全く問題ないことが確認できた。保存しておいたデータを移し換えて復旧を完了した。一度故障したハードディスクを再び使い続けることに抵抗はあったが、買い換えても突然読めなくなる状況は同じのような気がしたので新調するのは止めた。暫くの間は頻繁にデータの重複保存*7を行って様子を見ることにする。
*1 SCSIからIDEへ
*2 floppy.jpg
*3 Sonnet | 製品情報 Sonnet Crescendo/PCI
*4 Sonnet | 製品情報 Sonnet Tempo ATA133
*5 Zip(5)
*6 パーティションとは 【partition】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*7 バックアップとは 【backup】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
051129ひょうたんの臭みは取れた。殆ど臭わない。中から種を抜き取って*1から水に漬けっぱなしにしておいた。途中で一回水を替えた程度である。
次は乾燥である。ひょうたんの中の水を出す。最初は口を下にして暫くおいて大方の水を抜き去った後、紐で軒先に吊り下げて*2数日間乾燥させる。ひょうたん完成まであと一息だ。
*1 ひょうたん(10)
*2 hyoutan.jpg
051130家の車庫に変わった虫がいた。枯葉そっくりの虫*1である。今までこんな虫は見たことがない。外来種が日本で繁殖したのだろうか。
「アケビコノハ*2」という蛾の仲間だった。外来種ではないようだ。昔からいるようだが今まで一度も見たことがなかった。それにしてもなぜここまで枯葉に似ているのだろう。葉脈はもちろん*3地面に落ちてから少し朽ちかけて黄緑色の苔かカビが生えかけているところまで再現している。
ある生物が何か他の物や動物に似ていると、自分の体を守るためだと人間は勝手に想像するが、このアケビコノハも何かから身を守るために枯葉のような姿になっているのかもしれない。この様な蛾の天敵としては鳥ぐらいしかいないが、このアケビコノハは食べると美味いのだろうか。羽の模様など*4を見ているとそれ程美味いように見えない。
たとえ美味いとしてもなぜ枯葉に似せようとしたのか。そもそも枯葉にどうやって似せたのか。やろうと思ってできる筈がない。だが、葉脈や苔まで再現している。これはやはり人間が勝手に解釈しているだけなのか。偶然そうなったとすれば凄い偶然である。
*1 kareha.jpg
*2 アケビコノハ(通草木葉蛾)
*3 アケビコノハ
*4 80.ヤガ科(Noctuidae) (エグリバ類)(Calpinae) Eudocima属 成虫縮小画像一覧
プリンタを買った。現在、家にあるプリンタ*1が壊れたわけではない。もっと性能が良いプリンタが欲しかったのである。性能が良いというのはもっと細かく印刷ができる、という意味である。家のプリンタの印刷の細かさは「2400dpi*2」である。「dpi」とは「dots per inch」のこと*3なので1インチの長さの中に点がどれだけ打てるか、という指標である。インチでは分かり難い。2400dpiは「1ミリの長さに96個の点」ということになる。1ミリに100個近くもの点が打てるのだから十分なような気がするが、実際年賀状*4などで印刷すると点々が肉眼で見えるので本当に1ミリに100個も点が打ってあるのか思えるくらいである。ただ、髪の毛の太さは0.1ミリぐらい*5なので、それの更に十分の一と考えれば、大体それくらいかなとも思える。
購入したプリンタは「9600dpi*6」となっている。元々家にあったものの四倍になっている。ということは1ミリに400個も点が打たれることになる。これなら殆ど点々は見えないだろう。ただしこれは横方向の話で、縦方向は2400dpi*7となっているらしい。どっちが横でどっちが縦なのか*8よく判らないが、出来上がりが良ければそれは問題ではない。
印刷速度が速くなった。今までは熱転写式*9といわれる印刷方法で赤黄青の三原色を三回に分けて印刷していた。今度のは三原色が一度に印刷されるので三倍以上の速度で印刷できるようになった。
印刷の様子はどうか。こちらが2400dpi*10、そしてこちらが9600dpi*11である。元の画像はフェルメール*12の「真珠の首飾りの少女*13」である。この画像*14を印刷して少女の額の部分を拡大した。拡大するとかなり違うが、普通に印刷する分には問題がない。
それでは何故プリンタを買ったのか。小さな画像を印刷するとやはり点々が目立ってくる。筆者の年賀状は小さな画像を集合させた*15ものである。点々を解消するするために新規プリンタの導入に踏み切った。さて、来年の年賀状は思ったように印刷できるのだろうか。
*1 プリンタの修理(2)
*2 マイクロドライプリンタ//MD−5500
*3 dpiとは 【Dot Per Inch】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words
*4 年賀状(5)
*5 uwbl-0411-w.jpg
*6 PIXUS|PIXUS iP4200
*7 PIXUS|PIXUS iP4200 製品仕様
*8 開発者が語る「これがキヤノン!」
*9 プリンタの修理
*10 vermeer_md5500.jpg
*11 vermeer_ip4200.jpg
*12 フェルメールとブレードランナー
*13 美の巨人たち
*14 Johannes_Vermeer_(1632-75).jpg
*15 2005nenga.jpg
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