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雑記草商店
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0805雑記草
唖鈴は何故、「唖(おし)*1の鈴」と書くか。
意味は「唖が持っている鈴、唖が使う鈴」ではなく「唖 のような鈴」である。「亜鈴」とも書く。「唖」は差別になるということで、書き換えられた言葉である。「亜」は、「亜熱帯*2」「亜硝酸 *3」「次亜塩素酸 *4」のように「次の」という意味になる。元々の字体の「亞」の由来は、墓室を象っているらしい。有力だった者の墓で儀式を執行する者を「亜」と言い、儀式を執り行う者は有力者の次の位ということで「次の」と言う意味になってきたようだ。
となると「亜鈴」は「次の鈴」と言う意味になり、「唖 のような鈴」とは少し違ってくるが、「亜流」のような語感も手伝って何となく意味が通じる。言葉狩り*5における妥協の産物としては上出来であろう。
では「鈴」は何を表しているのか。「唖鈴*6」は運動器具の一種*7で、筋肉を鍛えるのに使う。何故これ*8が鈴なのか。
そもそも「唖鈴」は英語の「dumbbell」の訳語である。「dumb」は「唖」、「bell」は「鈴」だ。この場合、鈴と言うよりも「鐘」である。教会にあるような鐘だ。普通の鐘は音が鳴るように中が空洞になっている。ところがこれが全部埋まってしまって分銅*9の様になっている。これが所謂「音の出ない鐘」つまり「唖 のような鐘」、「dumbbell」である。取っ手のある「dumbbell *10」は後の発明であろう。
以前から、分銅のような「dumbbell」の画像を探していたが、なかなか見つからなかった。最近、Droopy*11のDVDを買って観ていたら、そのものの絵が出てきた。これ*12がそれである。これが本来の「唖鈴」である。
と思っていたら全然違うようだ。「dumbbell」の語源はその形ではないらしい。元々は教会の鐘撞き装置*13の様な物で、鐘が付いていない運動器具*14を指していたようだ。これが運動に使う分銅のことを指すようになり、分銅よりも持ちやすい取っ手の付いた錘を指すようになった。
*1 差別用語(2)
*2 亜熱帯総合研究所 沖縄県 サンゴ マングローブ研究 - − top頁
*3 亜硝酸とは?
*4 次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)
*5 差別用語
*6 あれい 1 0 【亜鈴/▼唖鈴】 - goo 辞書
*7 ダンベル型ナノサークルRNAでRNA干渉効果を長期安定に | 独立行政法人 理化学研究所プレスリリース
*8 dumb.jpg
*9 HM03.JPG
*10 The Iron Barbell
*11 Tex Avery Screenshots
*12 dumbbell.jpg
*13 NEN Gallery : Church Bells
*14 Online Etymology Dictionary
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