|
表紙 | 目次 | リンク集 | 掲示板 | メール | 遺構探訪 |
雑記草商店
|
0902雑記草
090202今日は筆者の誕生日*1である。初謡会*2があったので、前日に妻が予約した蟹を食べさせる店へ家族皆で食事に行った。
初謡会は名古屋市内の一般民家に作られた能舞台*3を借用して行われた。自分の家の中に能舞台を作るとは。作った方は既に物故されているが、能を職業としている能楽師*4ではなかったそうである。名古屋にはこういう民家内の能舞台と言うのが結構あるらしい。流石、芸どころ名古屋*5である。
*1 誕生日
*2 入門・能の世界:謡と囃子
*3 _0018604.jpg
*4 能楽協会について | 社団法人 能楽協会
*5 NHKアーカイブス 保存番組検索: 生中継 にっぽんの夜 尾張 名古屋は芸どころ
090203便利なサイトを見つけた。「ShoppingFinder*1」と言う。通信販売で買おうとする物が一番安く売られている店を複数のサイトから検索して示してくれる。検索の対象となっている仮想商店街は「楽天市場*2」「Yahoo!ショッピング*3」「Amazon.co.jp*4」「ビッダーズ*5」「価格.com*6」で、検索対象の商品がそれぞれの商店街でいくらで売られているか一度に表示してくれる。
*1 ショッピングサーチ | ShoppingFinder
*2 【楽天市場】Shopping is Entertainment! : インターネット最大級の通信販売、通販オンラインショッピングコミュニティ
*3 Yahoo!ショッピング - ネットで通販、オンラインショッピング
*4 Amazon.co.jp
*5 「探してる?」オークション&ショッピングのビッダーズ
*6 価格.com - 「買ってよかった」をすべてのひとに。
090204何かの雑誌に終末期医療*1に携わる一人の医師のインタビュー記事が載っていた。医療現場での延命治療やそれに関わる医師に考え方、その患者の実状など非常に興味深い内容だった。この医師は、治る見込みのない末期がんなどで死ぬまでの間、苦しまなくても済むようにする緩和医療*2の考え方の紹介や生死観、患者はどうやって病院とつきあっていけばいいかをまとめた本を出している。面白そうなので早速購入した。定価は1470円だが、古本は200円以下だったのでこちらにした。書籍などの通信販売を行っているアマゾン*3では古本も扱っている。新本の送料は1500円以上なら只だが、古本の場合は値段に関わらず340円*4である。送料を足しても断然古本の方が安いので、迷わずこちらにした。
本のカバーの下部には赤地に黄色い文字で「病院を見る目が変わる真実」と大きく書いてある。こういった謳い文句は、通常は帯*5に書いてあるが、この本ではカバーに直接印刷してあった。最近はこういう方式が多い。
「はじめに」を読む。最後に註として、少し小さな文字でこんなことが書かれていた。「本文中で出てくる患者さんの事例は全てフィクションで、実在の人物・団体等はとは一切関係がないことを明記しておきます」とある。一気に読む気が失せた。終末期医療の現状とか見る目が変わる真実と言っているのに、どうして「事例が架空」であるのか。実名などを伏せて紹介するのであれば現状や真実を伝えることになるが、事例が全て架空と言うのは一体どういうことか。本書の内容そのものに誇張や虚構が含まれているということを宣言している様なものではないか。
何故このようなことをわざわざ書いたのか。実名を伏せるにしても患者の事例を出すには、遺族の許可などが必要だからだろうか。勝手に書いて訴えられるのを避ける為か。医師が医療行為で知り得た情報は医療行為の中で使われるべきで、一般の書籍でその内容を公開することは目的外の行為として医療倫理に反するからだろうか。
こう考えていくと、医師が一般大衆向けの読み物を著す際に、医療現場の事例を紹介するには「フィクション」を使う以外不可能の様な気がしてきた。そしてフィクションであれば、もうそれは事例ではない。ということはこの註は単なる方便であって、実は本当にあったことを紹介しているとも考えられる。本書を著した医師はそれを賢明な読者には悟って欲しいと願って書いたのかも知れない。そうでなければ、こんなあからさまに矛盾した書き方をしない。そうに違いない。
*1 終末期医療に関するガイドラインについて
*2 緩和ケア診療部|東大病院
*3 雑記草商店
*4 Amazon.co.jp:ヘルプ > 注文 > Amazonマーケットプレイスでの注文 > Amazonマーケットプレイスでの配送料と配送条件 > 個人出品者およびプロマーチャント(大口出品者)の配送料と配送条件
*5 印刷ミニ知識:上製本の各部分の名称 有限会社 小野印刷所
090205四年前によく行く中古屋*1で新品のDVDを購入した。全て80円で買った。買った作品は「キリマンジャロの雪」「片目のジャック」「バリ島珍道中」「古城の亡霊」である。
四年前の記事*2には、まだ観ていないDVDが沢山あるので、これらを鑑賞するのは相当先だろうと書いてある。
実際その通りで、まだ殆ど観ていない*3。ただ、その少し後に買った「ふたりの女*4」と言う作品は観た。ソフィア・ローレン*5とジャン・ポール・ベルモンド*6との共演。白黒作品。庶民が戦争に巻き込まれる悲劇を描いた作品なので、カタルシス*7になったと思う。
*1 朝三暮四
*2 チューインガム「水野晴郎シネマ館」
*3 チューインガム「水野晴郎シネマ館」(2)
*4 ふたりの女(1960) - goo 映画
*5 Sophia Loren
*6 Jean-Paul Belmondo
*7 [三省堂辞書サイト]10分でわかる「カタルシス」
090209塗仏(ぬりぼとけ)と言う妖怪がいる。「いる」と言う表現は変だ。妖怪はいない筈である。「考えられていた」でいいか。水木大先生*1の妖怪には登場しない。「塗仏」というのは妖怪の名前としてはかなり違和感がある。入道*2の妖怪は沢山いるが、「仏」そのものが妖怪だと言うのは、畏れ多いと言うか大胆と言うか、昔の人は抵抗がなかったのだろうか。
多田克己編・解説の「妖怪図巻」に塗仏の解説がある。「塗」は死者の霊を封印すること、「仏」は仏陀そのものではなく死者を指すのではないかと言うことだ。白川静*3によれば塗り込めることはまじないの一つの方法として用いられたらしい。
ここに塗仏の絵が四つある。一つは「化物づくし」に掲載されている。これが制作された年代は不明で、作者も不明である。巻末には鳥羽僧正*4真筆とあるらしい。これ*5が「化物づくし」に掲載されている塗仏の絵である。二つ目は「百怪図巻」である。制作年代は1737年、作者は佐脇嵩之。これが百怪図巻の塗仏*6である。三つ目は「化物絵巻」に出てくる。これの制作年代は1800年代前半と考えられている。作者は不明。これが化物絵巻の塗仏*7である。最後は「画図百鬼夜行」で、年代は1776年、作者は鳥山石燕*8。これが石燕の塗仏*9だ。
体が黒いのは何故か。何かを塗って黒くなっているから塗仏なのか。黒い仏像*10からの連想か。黒化した即身仏*11を見た驚きが妖怪創作につながったのか。
塗仏を並べてみると面白い*12。元の絵を写して描いているのだが、それぞれの作者が独自の解釈をして少しずつ変化している。特に真ん中の塗仏は背中に巨大な魚の尾びれが付いてしまっている。おそらく本来は前に踏み出した時、白い腰巻きから覗く残りの片方の足を書いたつもりが、次の作者は何を思ったか、それを魚の尻尾にしてしまったようだ。水死体*13の化物か何か暗示めいた作者の思いが込められているという解説があるが、単に元の絵を見てそう見えたので書いたのだろう。まさに尾ひれを付けてしまった*14のである。
さらに河鍋暁斎*15は「塗仏」の仏を仏そのものと解して*16、こんな塗仏*17にしてしまっている。
*1 水木しげるの妖怪ワールド
*2 加牟波理入道(2)
*3 白川静の世界
*4 美の巨人たち
*5 nuribotoke_1.jpg
*6 nuribotoke_2.jpg
*7 nuribotoke_3.jpg
*8 七福神
*9 nuribotoke_4.jpg
*10 日本文化継承研究会 -大和しうるわし- 弥勒菩薩
*11 Mummies in Northern Japan
*12 nuribotoke_123.jpg
*13 土左衛門
*14 おひれ 【尾 ▼ 鰭】の意味 国語辞典 - goo辞書
*15 古河生まれの天才絵師 河鍋暁斎の生涯
*16 Nuri-botoke ~ 塗仏、塗佛 (ぬりぼとけ) ~ part of The Obakemono Project: An Online Encylopedia of Y?kai and Bakemono
*17 Image ~ Nuri-botoke 塗佛
090210SSD*1と呼ばれるものがある。パーソナルコンピュータ用の装置でハードディスクドライブ*2の替わりになる。
ハードディスクはその名の通り内部に磁性体を薄く塗布した金属製またはガラス製の円盤*3が入っている。コンピュータのデータはこの円盤に磁気的に記録*4されるようになっている。SSDは円盤の替わりに半導体メモリーを用いてデータを電気的に記録*5する。
SSDは「Solid State Drive」の頭文字である。「Solid State」とはもともと「固体状態」という意味だ。それが何故、半導体メモリーを使った記憶装置の名前になったか。
トランジスタなど半導体を用いた電子部品を「solid state device」と言う。これが転じて半導体を用いた装置を「solid state」と言うようになった。そして磁性体を塗布した磁気ディスクの代わりに半導体メモリーを使ったという意味で「Solid State Drive」という言葉ができた。
それでは「solid state」はどこから来た言葉か。真空管*6に対しての言葉だった。トランジスタは真空管に取って代わる全く新しい電子素子として発明された*7。空気を抜いたガラス管の中を電子が飛んでいく真空管に対してトランジスタは半導体という固体の中を電子が移動する*8。そこで前者を「gas state device」後者を「solid state device」と呼ぶようになった。もしかしたら真空管を「gas state」と呼ぶのは日本だけ*9かもしれない。
何れにしても「solid state」は元々真空管に対する意味なので、磁気ディスクに対して使うのは変だ。そもそも磁気ディスクも歴とした「solid state固体状態」であるから、ハードディスクドライブも「SSD」である。「SMD」Semiconductor Memory Drive*10(半導体メモリードライブ)で良かったはずだ。
*1 SSDとは 【フラッシュドライブ】 (Solid State Drive) - 意味・解説 : IT用語辞典
*2 ハードディスク基礎知識 - ハードディスク総合サイト
*3 ハードディスクのしくみ(仕組):データ復旧・ハードディスク復旧・HDD復元サービスのブレインネットワーク
*4 第29回「テープレコーダの磁気ヘッドと磁性粉」の巻|じしゃく忍法帳|TDK Techno Magazine
*5 パソコンの基礎知識 > メモリ > メモリの種類
*6 真空管式カーオーディオ
*7 トランジスタ
*8 ctronics Museum---
*9 国語 英和 和英 カタカナ 漢字 - Infoseek マルチ辞書
*10 Semiconductor memory drive - Patent 4405995
090221紅屋おかめ*1と言う歌手がいた。現在は山田太郎*2の妻らしい。
学生の頃、古典担当の女教師の同級生だったと聞いてびっくりした記憶がある。ということは筆者の実家の隣の市*3の出身になる。
確かその教師の名前は「奈代美*4」だった。如何にも古典を教えそうな名前である。当時は二十歳代だったと思う。夏休みの宿題に百人一首*5書写十回を出されたような記憶がある。
*1 Let's"一発屋"アゲイン
*2 山田太郎【新栄プロダクション: 所属歌手】
*3 江南市トップページ
*4 國語學論集 第二輯 (國語學懇話会)●版元ドットコム
*5 雑記草内検索
090227デジタル一眼レフカメラを買った。買ったのはソニーの「α200*1」という廉価版の一眼レフである。型がそろそろ古くなり、製造が終了しそうなので値段がどんどん安くなっていた。思い切って買った。通信販売で買った。
ズームレンズ*2との組み合わせで4万円程度だった。しかも丁度ソニーはこのαシリーズの販売促進で、現金払い戻しを期間限定で実施していた。この機種では五千円が戻る。
web上の掲示板では値段の割には写りがいいと評判だったのでこの機種にした。が、一番の理由はこの機種で使える交換レンズを何本か持っていたからである。
ソニーのαシリーズはミノルタのαシリーズ*3を継承している*4。筆者は元々ミノルタの一眼レフを所有*5しているので、それ用のレンズを何本か持っている。それらがそのままソニーのαシリーズで使える*6ので、使わない手はない。今後は全くと言っていい程、フィルム式の一眼レフカメラは使用しないだろうが、フィルム式とデジタル素子式と共通してレンズが使えると言うのは誠に都合がよろしい。
*1 【レビュー】ソニー α200 実写インプレッション (1) 安さが魅力のエントリー向けカメラ | 家電 | マイコミジャーナル
*2 SAL1870 | デジタル一眼レフカメラ α:アルファ | ソニー
*3 αシリーズ | コニカミノルタ
*4 コニカミノルタ、カメラ/フォト事業を3月で終了
*5 一眼レフの故障
*6 "α"ヒストリー | デジタル一眼レフカメラ"α"(アルファ) | ソニー
笠原邦彦氏の「最新 折り紙のすべて*1」と言う本を眺めていると、見れば見る程、凄い本だと思えてくる。
この著書は二部構成*2になっていて、前半は古典折り紙、後半は「ユニット折り紙」と言って一枚の単純な折り紙を単位というか細胞として、それらを複数組み合わせて形を作り上げる折り紙のことである。
古典折り紙では「千羽鶴折形*3(1797年)」「折形手本忠臣蔵*4(1800年頃)」「かやら草*5(1845年)」資料としている。それぞれ、各種各様の千羽鶴、仮名手本忠臣蔵の場面十二景*6の人物を折り紙にしたもの、ほおずき、蛸、ひな人形、六歌仙など雑多なものの折り紙の作り方が掲載されている。
ユニット折り紙*7では花やくす玉、各種多面体の作り方が掲載されている。ここで取り上げられているユニット折り紙を全部作るには二千枚以上の紙が必要らしい。
著者紹介を見ると、著書が1970年の大阪万博で展示され、五千年後の遺産としてタイムカプセル*8収蔵図書となる、と書いてある。成る程、これだけ素晴らしい内容なら五千年後の読者も感心するだろう。それにしても長い間刊行され続けている本だ。30年以上も印刷され続けている。と思ったら違っていた。タイムカプセルの中に入っているのはこの本ではなく、1965年に笠原氏が初めて出版した著書*9「母と子のおりがみの本*10」と言う本だった。
*1 折り紙(2)
*2 最新・折り紙のすべて
*3 秘傳千羽鶴折形
*4 おりがみ庵 【第七回】
*5 「半世紀を経て発見された私の作品」
*6 TOKYO DIGITAL MUSEUM 仮名手本忠臣蔵
*7 ユニット折り紙「金平糖」
*8 豆本
*9 KASAHARA Kunihiko Bibliography
*10 刊行物 | 収納品リスト | タイム・カプセルEXPO'70 | Panasonic
|
表紙 | 目次 | リンク集 | 掲示板 | メール | 遺構探訪 |
Copyright (c) 2009 Yoshitaka Gotoh, Japan